中日(★4対9☆)阪神 =リーグ戦7回戦(2023.05.16)・豊橋市民球場=
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阪神
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中日
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勝利投手:村上 頌樹(3勝1敗0S)
敗戦投手:福谷 浩司(2勝2敗0S)

本塁打
【中日】石川 昂弥(3号・5回裏3ラン)

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◆阪神が5連勝。阪神は初回、2死満塁の好機からミエセスが適時打を放ち、1点を先制する。そのまま迎えた5回表には、大山と佐藤輝の連続適時打などで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・村上が今季3勝目。敗れた中日は、先発・福谷が精彩を欠いた。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、4試合連続打点となる2点適時二塁打を放った。1点リードの5回に中野、ノイジー、大山と3連打で1点を追加し、なおも無死一、二塁。中日福谷の外角低め変化球を捉え、左中間フェンス手前までかっ飛ばした。相手守備がもたつく間に2人の走者が生還し、4連打で貴重な中押しタイムリーとなった。前日15日までは打点部門でセ・リーグ1位タイだったが、この時点で暫定単独1位に浮上した。

◆阪神村上頌樹投手(24)が、先発としては今季最短5回4失点で降板した。140キロ台のキレのある直球を軸に緩急を使った投球で4回まで無失点。5回に味方の大量援護を受けたが、5点リードの5回に暗転。2死一、二塁から細川に左前適時打を浴び1点を返されると、なおも2死二、三塁から4番石川昂に右中間への3ランを許し、一気に1点差まで迫られた。3年目の今季はセ・リーグタイ記録となる開幕から31イニング連続無失点を記録した右腕。前回4月22日に敵地でプロ初勝利を完封で飾った中日打線につかまり、今季初の複数失点を喫した。6回には阪神が1点を加点し、リードしたままの降板で、勝ち投手の権利は残ったままとなっている。村上は球団を通じて「野手の方にいい形でリードを広げてもらった直後に、大量失点をして5回でマウンドを降りる形になってしまい申し訳ないです。展開的にも、もっとテンポよく、長いイニングを投げなければいけない試合でした。しっかり反省して、次の登板に向けて調整していきます」とコメントした。

◆阪神が今季初の5連勝で単独首位をキープした。村上頌樹投手(24)が苦しみながら3勝目(1敗)を挙げた。緩急を使った投球で4回まで無失点と快調だった。5回には4得点の大量援護で5-0。だが直後に石川昂弥内野手(21)に3ランを浴びるなど4失点。快勝モードが一転、たちまち1点差になった。村上はこの限りで降板。5回降板は今季最短、4失点は同ワースト。0・28だった防御率は1・22に悪化した。セ・リーグタイ記録の開幕から31イニング連続無失点を記録した安定感抜群の右腕。前回9日のヤクルト戦は7回1失点ながら今季初黒星がついた。この日、打線の援護がなかったら2連敗だった。それだけに村上に白星をつけた野手陣の働きが大きい。1-0の5回に中野拓夢内野手(26)、シェルドン・ノイジー外野手(28)、大山悠輔内野手(28)の3連打で1点。さらには、続く佐藤輝明内野手(24)が4試合連続打点となる2点適時二塁打を放った。上位打線がきれいにつながり、村上を救った。阪神の地方での試合は19年7月17日、同じ豊橋での中日戦以来だった。当時入団していなかった佐藤輝、中野らは初めての体験で活躍。久しぶりの地方でも阪神の好調ぶりは変わらなかった。

◆豊橋大好きな阪神4番大山悠輔内野手(28)が2安打1打点と活躍した。5回無死一、二塁で中日福谷の内角ツーシームをしぶとく左前へ運ぶ適時打。「当たりはそこまでよくなかったのですが、抜けてくれました」。前回19年7月17日の豊橋での中日戦でも4番を務めソロを含む4打数4安打2打点と大活躍。この日も2四球を選び5打席で4度出塁。豊橋では通算7打数6安打と好相性だ。

◆阪神ヨハン・ミエセス外野手(27)が、来日初V打を含む2打点と5連勝に大きく貢献した。「6番右翼」で2試合ぶりにスタメン出場。初回2死満塁で中日福谷の外角直球をはね返し、一、二塁間を破って右前へ。「満塁のチャンスで大振りにならないようにランナーをかえすことを考えて打つことができたね」。出場4試合9打席ぶりのヒットが、来日初タイムリーとなり、これが決勝打となった。5点リードの5回に先発村上がつかまり、一気に1点差に迫られ暗雲が垂れこめた6回。チームを救ったのがミエちゃんのバットだった。1死満塁の打席で、4番手勝野の低めストレートに食らいつき、打球は三塁へのボテボテのゴロとなったが、三塁走者の中野が本塁へ生還。リードを広げる貴重な1点をもぎ取った。豊橋市民球場は両翼93メートルしかない狭い球場ということもあり、岡田監督は「狭いん? ああ、そうそらミエちゃん行かなあかんな。あっち向いてホイでも入るやつ」と、スタメンに抜てき。1発こそ出なかったが、見事に起用に応えた。14日のDeNA戦前に行われた室内練習場では、今岡打撃コーチによる熱血打撃指導が敢行された。指揮官は「ミエちゃんはやっぱりリストターンやな。あれもスライダーとか滑ってライトフライになるやろ。あいつなんか力あるから、強引にいけばいい。ガーンっと。ほんなら強いゴロで三遊間抜けていくんやけど」と説明。首脳陣にも背中を押され、結果に結びつけた。来日1軍デビュー戦となった5月5日の敵地広島戦では左越えの豪快な1発をマーク。その後、苦戦が続いていたが、再び息を吹き返した。虎の課題である「6番問題」も解消する。【古財稜明】▽阪神ミエセス(決勝打を含む2打点)「まだいい状態とは言えないが、その過程なので、いい結果が出てよかった(14日に今岡打撃コーチにアドバイスを受け)下向かずに頑張ってということも含めてね。すごくポジティブな気持ちで打席には立てたのかな」

◆阪神3番シェルドン・ノイジー外野手が来日初の4安打を放った。初回、5回、6回とチャンスを拡大させ、いずれも得点に結びつけた。まさに岡田監督が望む「つなぎの3番」として5連勝に貢献。狭い球場でも自分の役割に徹した。「いい状態なので、続けていきたい」と話すように5試合連続安打で打率も2割8分7厘まで上げた。岡田監督も「バットが素直に出ている」と評価した。

◆阪神近本光司外野手がダメ押しの一撃を放った。6-4の9回1死満塁。代わったばかりの左腕橋本から右翼線をライナーで抜く2点二塁打。6打席目での初安打で、勝利を確実なものにした。ここ3試合で9安打をマークしていた絶好調男だが、この日は途中までカヤの外。ヒットメーカーの安打で2試合連続の先発野手全員安打となった。

◆阪神が14安打9得点の猛攻で今季初の5連勝を飾った。クリーンアップ3人で8安打を記録し、打線がつながった。中でも5番佐藤輝明内野手(23)は5回に左中間への適時二塁打で放ち、4戦連続で打点を記録。打点ランキングで単独トップに浮上した。2位DeNAに2ゲーム差とし、首位固めに入った。岡田彰布監督の一問一答は以下の通り-打線につながりが「うん? まあな、ヒット出るようになったもんな」-相手先発福谷を中盤で攻略した「そうやなあ。まあ、なあ。最初からヒットはでとったから、まあ、な。あのまますんなりいけばよかったけどな。まあ、うまくな、あそこで、4点か。5ー0になって、いい流れやったんやけどな(笑い)」-ミエセスも初回はしぶく適時打「初回な。まあでも、最後も、な。(6回の三ゴロでの)ああいう1点大きいよ」-8回は浜地だった。前回は失点していた「まあ、前回は点数開いとったからのお。別に普通に。2点やったら(9回は)岩崎いかすつもりやったけど、点差空いたからな」-2点リードで及川「もうずっといいし、1イニングじゃないし、2イニングな。あっこでつぎ右なってたから、最初からあそこは加治屋でいこうかと思ったけど」-先発村上は粘った「ちょっとホームラン余計やったな、ホームランだけがな。あれだけやな。そら1点、2点取られるからな。ホームランは予想してなかった」-村上は先週は0-1で負けてるので、勝ちが付いたのは大きい。「いやいや、そらなあ、1点で抑えても負けるしなあ、4点取られても勝つし、そらもう流れというか、打線との兼ね合いやからな。そういう時もええやん、今日勝ち投手やねんから」-ピッチャーが点を取られた時に打てている。「そらもういい流れよ、それはな。打てん時はピッチャー抑える、ピッチャー打たれた時は打線頑張ったるていうかな」-大山、佐藤輝が打点を挙げられている。「うん、やっぱりボール球振らんようなったよな、チャンスでな、だからやっぱりストライク投げてこなあかんわけやから、ピッチャーは。それを仕留められてるからいいんじゃない? 流れ的にはな」-クリーンアップが機能「いまずっとねえ、内容がいいやんか。見送り方とかにしてもな。カウントもバッターによくなって、ピッチャーもやっぱりストライクを投げ込んでこなあかんくなる。ずっと流れがいいよな。そらやっぱり、自分がそういうカウントに持ってきてるからよな、ボール球振らんと」-ノイジーが復調なああ。復調っていうか、何なんやろな。復調言うて、そんなええ時もなかったけど。まあだから、バットが素直に出てな。どっちかというとセンターから右中間の方に打球が行くときが一番調子ええんちゃうか。ちょっと強引に引っ張ってるときはあかんよな、やっぱりな」-5連勝「うん、まあなあ。点取れる時にやっぱり勝っとかなあかんわな。また点取れなくなるで。おまえ、そんなんすぐ。だからやっぱりな、そういうときにな、勝ちを拾っとかなあかんわな」

◆阪神が14安打9得点の猛攻で今季初の5連勝を飾った。クリーンアップ3人で8安打を記録し、打線がつながった。中でも5番佐藤輝明内野手(24)は5回に左中間への適時二塁打で放ち、4戦連続で打点を記録。打点ランキングで単独トップに浮上した。2位DeNAに2ゲーム差とし、首位固めに入った。佐藤輝が左中間へ高く打ち上げた。外野フライか。安堵(あんど)する中日ファンの歓声は、ざわめきに変わった。2点リードの5回無死一、二塁。カウント1-1から中日福谷の外角低めフォークをすくいあげた。打球はフェンス手前まで伸び、中堅大島のグラブをかすめながらも落球。2番中野から4連打となる適時二塁打。4番大山に続く連続適時打となった。「しっかり振りきることができました。大山さんに続くことができて良かったです」と喜んだ。舞台となったのは、愛知・豊橋市民球場。両翼93メートル、中堅115メートルと両翼95メートル、中堅118メートルの甲子園と比較しても、狭い球場だ。移動日となった前日15日には「(狭くても)いつも通りにやろうと思います」と、力みはなかった。当たれば、飛距離は出る。狭い敵地で自慢のパワーが生きた。今季初の地方球場での一戦。同球場での試合は19年以来4年ぶりで、過去の戦績は2戦2敗だった。前日には「いいプレーを見せたいというのはあります」と勇姿を誓っていた。言葉通りに鬼門突破に貢献。豊橋の虎党へ勝利の六甲おろしを届けた。3回にも左前打を放っており、これで今季8度目のマルチ安打。今季23打点目を挙げ、セ・リーグ単独の打点王となった。12日DeNA戦から4試合連続で安打と打点を記録。2本塁打を放った14日DeNA戦後には岡田監督も「調子が上がってきている。ポイントがよくなって、前で捉えられてる」と目を細めていた。指揮官も認める好調ぶりで、この日も打線をけん引した。チームは今季初の5連勝を決め、貯金は8。2位DeNAが敗れたことで、ゲーム差も「2」に広がった。クリーンアップ3人で8安打を放つなど2戦連続先発野手全員安打。猛虎打線で勢いが加速。このまま首位固めに突入だ。【波部俊之介】

◆阪神木浪聖也内野手も流れに乗った。5回に3点を奪い、なお1死一、三塁から福谷のフォークを右前にはじき返した。積極的に初球をたたいて5-0。「初球から打ちにいくと決めていました。狭い球場で何があるか分からないし、大事な追加点を取ることができてよかったです」。何点あってもいい、狭い地方球場。いった結果の快打だった。

◆阪神村上頌樹投手(24)が、先発としては今季最短5回4失点で降板したが、3勝目を手にした。先発5試合目で初めてハイクオリティースタート(HQS、7回以上自責2以下)達成を逃したが、責任投球回を投げ切った。勝ち星には「よかった」と喜びつつ「もっともっと長いイニングを投げないといけない試合だったので、本当に申し訳ないです」と反省した。4月22日に敵地でプロ初勝利を完封で飾った相手だったが、一筋縄ではいかなかった。140キロ台後半のキレのある直球を軸に緩急を使った投球で4回まで無失点。5回に味方の大量援護を受けたが、5点リードの5回に暗転。2死一、二塁から細川に左前適時打を浴び1点を返されると、なおも2死二、三塁から4番石川昂に右中間への3ランを許し、今季初の複数失点。一気に1点差まで迫られるも、中継ぎ陣がゼロ封リレーでリードを死守した。防御率は今季初めて1点台に乗ったが、1・22で再びリーグ1位に浮上した。3年目の今季はセ・リーグタイ記録となる開幕から31イニング連続無失点を記録し、ブレーク中の右腕。6連戦初戦の「火曜の男」を託され、初めて踏むマウンドに苦闘しながら、最低限の役割は果たした。【古財稜明】

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が試合前のフリー打撃で特大アーチ連発だ。24スイングでさく越え8本。その内の左翼ポール際に飛んだ1本は、外野芝生席のさらに奥に設置されたフェンスを越え、場外へと消えた。中堅は115メートル、両翼は93メートルで外野スタンド幅も決して広くはない豊橋市民球場。球場職員も場外弾を警戒していたが・・・試合前から虎の主砲が規格外のパワーで球場を沸かせた。新型コロナウイルスの影響などで豊橋での公式戦は2019年以来、4年ぶり。4年前の一戦で、場外弾を放っている大山に、この日も期待が高まる。プロ入り後、初めて地方球場での公式戦となる佐藤輝明内野手(24)は23スイングでさく越え5本。逆方向へのアーチも放った。14日のDeNA戦(甲子園)では2本塁打7打点と猛爆。絶好調の大砲コンビが、豊橋の制空権を支配する。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は村上頌樹投手(24)が先発する。前回登板の9日のヤクルト戦(甲子園)は7回5安打1失点と好投も、打線の援護に恵まれず初黒星を喫した。ただ、5試合の登板で防御率は0・28と安定感はチーム屈指。前回対戦の4月22日に9回2安打無失点で完封勝利をあげた中日打線をこの日もねじ伏せる。佐藤輝明内野手(24)は「5番・三塁」で先発。14日のDeNA戦(甲子園)で2本塁打7打点と暴れまくった大砲が、両翼93メートルの豊橋市民球場に特大アーチをかける。

◆阪神のヨハン・ミエセス外野手(27)=前レッドソックス3A=が「6番・右翼」で出場し、一回に先制打を放った。「打ったのはストレート。満塁のチャンスで大振りにならないようにランナーを返すことを考えて打つことができたね。先制点を取ることができたし、次の打席でもチームの勝利に貢献できるように頑張るよ」1死から中野とノイジーの連打、大山の四球でできた満塁機。佐藤輝は遊直に倒れたが、2試合ぶりにスタメンに抜てきされた新助っ人がカウント1―1から147㌔をコンパクトに振り抜いた。打球は一、二塁間を破り、三走・中野が生還して先制。M砲は一塁ベース上で手をたたいて喜んだ。安打は11日のヤクルト戦(甲子園)以来4試合ぶり。幸先のいい一打でチームを盛り立てた。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が先発し、二回のピンチを脱出した。先頭の4番・石川昂にチーム初安打となる中前打を浴び、1死後に福永の遊撃内野安打、2死後にはD2位・村松(明大)にストレートの四球を与えて満塁を招いた。それでも最後は福谷に緩いスローカーブを打たせて、打球を自らキャッチ。冷静に本塁へ送球してこの回3つ目のアウトを奪い、このピンチを断ち切った。11日の3、4月度「大樹生命月間MVP賞」を受賞後初の登板。初めて訪れる豊橋のマウンドで、粘りながら滑り出した。

◆阪神が1―0の五回に4点を挙げ、中日を突き放した。先制した一回は1死からだった中野とノイジーの連打が無死から飛び出し、打席には4番・大山。福谷の内角ツーシームをとらえると打球はしぶとく三遊間を破り、俊足の二走・中野をホームへと迎え入れた。三回の左前打に続くこの日2安打目で、3試合連続打点をマークだ。さらに続く佐藤輝は大飛球を放って左中間を破り、4試合連続打点となる3点目。1死後には坂本が前進守備の二遊間を詰まらされながら破る中前適時打、木浪も一、二塁間を破る適時打で続き、5点差とした。相手先発・福谷には今季2度の対戦でともに1得点しか奪えず2勝を献上。この五回は4連打を含む6安打集中で4得点で打ち砕き、〝三度目の正直〟を果たした。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が5―0の五回に4点を返された。2安打で招いた2死一、二塁で3番・細川に左前適時打を浴びて1点を返されると、この打球を左翼・ノイジーがファンブルして二、三塁と広がったピンチで、打席には二回に中前打を許している4番・石川昂。低めに投じたフォークをとらえられると、高々と舞い上がった打球は右中間席に飛び込む3ランとなり、1点差に詰め寄られた。前回登板した9日のヤクルト戦(甲子園)では七回、サンタナに今季初失点となる決勝ソロを浴びており、2試合連続被弾。複数失点は今季初だった。

◆中日・石川昂弥内野手(21)が五回に1点差に詰め寄る3ランを放った。先頭村松の右前打、大島の右前打などで2死一、二塁から細川の左前打で1点を返して、なお2死二、三塁のチャンス。石川昂はカウント2ー2から村上のフォークボールをとらえると打球は角度良く上がってバックスクリーン右へ飛び込んだ。5月5日の巨人戦(バンテリン)で左越え2ランを放って以来9試合ぶりとなる3号3ラン。4ー5と1点差に詰め、4年ぶりに公式戦開催となった豊橋市民球場の竜党ファンを一気に沸かせた。石川昂は「みんなでつないでくれましたので自分も次につなぐつもりで打ちました」と声を弾ませた。二回の第1打席でも中前打を放っており、5月に入って6回目のマルチ安打。好調の主砲のバットを中心に打線はさらにビハインドを追いかけていく。

◆阪神が六回にしぶとく1点を追加した。この回からマウンドに上がった藤嶋を相手に先頭の中野がフルカウントから四球を選ぶと、ノイジーが2試合連続猛打賞を決める中前打でつなぎ、大山も四球で歩いて無死満塁。相手ベンチはたまらず左腕・福にスイッチして佐藤輝を空振り三振に仕留め、ミエセスに対しては右腕・勝野を繰り出す継投を展開した。ミエセスはフルカウントから低めのボールにバットを出し、打球はボテボテ。三塁・石川昂は本塁へは投げられず、一塁に送球される間に1点を追加した。五回に5―0から4点を返されていただけに、貴重な1点。ミエセスは一回に右前適時打を放っており、来日初の1試合複数打点となった。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が5回7安打4失点で降板した。「野手の方にいい形でリードを広げてもらった直後に大量失点をして五回でマウンドを降りる形になってしまい申し訳ないです」。四回までは得点圏に走者を背負った2度のピンチも緩急を生かしてしのぎ、ゼロを並べていた。しかし、打線の4得点で5点リードになった五回だ。2死一、二塁で細川に左前適時打を浴びると、続く4番・石川昂には右中間席への3ランを被弾。たちまち1点差に追い上げられ、この回を持って交代を告げられた。前回登板した9日のヤクルト戦(甲子園)の六回までセ・リーグタイ記録となる開幕から31イニング連続無失点で、今回の複数失点が今季初。5回降板は今季5度目の先発で最短と悔しいマウンドに「展開的にも、もっとテンポよく、長いイニングを投げなければいけない試合でした。しっかり反省して、次の登板に向けて調整していきます」とコメントを残した。

◆阪神が今季初の5連勝。一回にヨハン・ミエセス外野手(27)の右前打で先制し、五回には大山悠輔内野手(28)、佐藤輝明内野手(24)の連続適時打など、4本のタイムリーで一気に4点を奪った。六回にはミエセスの内野ゴロで加点した。先発の村上頌樹投手(24)は五回に石川昂弥内野手(21)に3ランを浴びるなど、5回4失点で降板も、3勝目(1敗)を挙げた。シェルドン・ノイジー外野手(28)は初の1試合4安打。貯金は今季最多の「8」。

◆阪神が今季初の5連勝。一回にヨハン・ミエセス外野手(27)の右前打で先制し、五回には大山悠輔内野手(28)、佐藤輝明内野手(24)の連続適時打など、4本のタイムリーで一気に4点を奪った。六回にはミエセスの内野ゴロで加点した。先発の村上頌樹投手(24)は五回に石川昂弥内野手(21)に3ランを浴びるなど、5回4失点で降板も、3勝目(1敗)を挙げた。シェルドン・ノイジー外野手(28)は初の1試合4安打。坂本誠志郎捕手(29)のスタメン試合は12勝1敗となった。貯金は今季最多の「8」。2位DeNAと2差とした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=21勝13敗1分、観衆=1万239人)。ーー打線がつながった「ヒット出るようになったもんな」ーー中日・福谷を中盤で攻略した「最初からヒットは出とったから、あのまま、すんなり行けばよかったけどな。5ー0になって、いい流れやったんやけどな(笑い)」ーーミエセスも一回はしぶく適時打「初回な。まあでも、最後も、な。(六回1死満塁での三ゴロでの)ああいう1点大きいよ」ーー八回は浜地だった「前回は点数あいとったからのお。2点やったら(九回は)岩崎行かすつもりやったけど、点差あいたからな」ーー村上は粘った「ホームラン余計やったな、ホームランだけがな。あれだけやな。そら1点、2点取られるからな。ホームランは予想してなかった」ーー村上に勝ちがついたのは大きい「1点で抑えても負けるしなあ、4点取られても勝つし、もう流れというか、打線との兼ね合いやからな。そういう時もエエやん、今日勝ち投手やねんから」ーーピッチャーが点を取られた時に打てている「もういい流れよ、それはな。打てん時はピッチャー抑える、ピッチャー打たれた時は打線頑張ったるていうかな」ーー大山、佐藤輝が打点を挙げた「ボール球振らんようなったよな、チャンスでな。ストライク投げてこなアカンわけやから、ピッチャーは。それを仕留められてるから、いいんじゃない? 流れ的にはな」ーークリーンアップが機能「今ずっと内容がいいやんか。見送り方とかにしてもな。カウントもバッターによくなって、ピッチャーもストライクを投げ込んでこなアカンようになる。ずっと流れがいいよな。自分がそういうカウントに持ってきてるからよな、ボール球振らんと」ーーノイジーが復調「なああ。復調っていうか、何なんやろな。復調言うて、そんなエエ時もなかったけど。バットが素直に出てな。センターから右中間の方に打球が行く時が一番、調子エエんちゃうか。強引に引っ張ってる時はアカンよな、やっぱりな」ーー5連勝「点取れる時にやっぱり勝っとかなアカンわな。また点取れなくなるで。お前、そんなんすぐ。そういう時に、勝ちを拾っとかなアカンわな」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は5回4失点で3勝目(1敗)を挙げた阪神・村上頌樹投手(24)に言及。五回2死一、二塁で左前適時打を浴びた細川成也外野手(24)の場面での配球や、何度となく首を振ったシーンについて疑問を呈した。四回までの村上は今まで同様、自分のリズムで、テンポよく投げられていた。キレもあったし、制球もまずまず良かった。五回に4失点したポイントとして指摘したいのは2死一、二塁で細川を迎えた場面。投じた7球すべてが直球だった。突然のように直球一本での勝負に「アレっ」と感じた。自信がある球で力勝負をしたかったのかもしれないが、投げ続けることで力みも出てしまった。あれだけ続けると、単調になってしまい、打者も対応できてしまう。村上には直球以外にもスライダー、フォークなど、いい球は何種類もある。見せ球にとして使ってもいいし、勝負球にしてもいい。タイムリーを浴び、次は抑えなければという思いが強くなりすぎて、石川昂には甘く入ったフォークを本塁打にされた。この日は何度も首を振るシーンがあった。自分の配球を持っている投手なので、それは構わないが、意地になりすぎてはいけない。捕手も、共同作業なのだから、うまくリードしていってもらいたかった。もう一点、気になったのは同じ打者(福永に3安打)に打たれ過ぎている。相性が合って、なぜか打たれる打者はいるものだが、タイミングを崩す工夫をしてもらいたい。投手が主体で戦うのが野球。苦手は作らないように細心の注意と努力は必要だ。

◆阪神・及川雅貴投手(22)が今季初ホールドをマーク。6-4の六回から登板し、先頭・福永に右前打。それでも、後続を3者連続三振で斬ると、七回は大島&岡林の左打者を抑え、1回?を1安打無失点、4奪三振と役目を果たした。「しっかりと腕を振れて、ゾーン内での勝負もできた」。好リリーフで今季初めてヒーローインタビューを受けた左腕は「このまま勝ちを重ねていって〝アレ〟をできるように頑張りたいと思います」と誓った。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が1-0の五回無死一、二塁で福谷の143キロツーシームを捉え、左前適時打を放った。「いつも村上には助けられているので。きょうは何とか打者陣が助けられた」。三回にも左前打を放っており、これで2試合連続複数安打&3試合連続打点。打線の中心でどっしりと構える4番は「しっかり反省して、またあしたを迎えたい」と気を緩めることはない。

◆初めて踏みしめる豊橋のマウンドで残ったのはホロ苦く、悔しい結果だった。村上は今季最短の5回で7安打4失点。この地でのチーム初勝利に加わった3勝目を手にしても、笑顔はなかった。「もっともっと長いイニングを投げないといけない試合だった。本当に申し訳ないです」四回までは得点圏に走者を背負った2度のピンチもしのぎ、ゼロを並べた。悔やまれるのは打線が4得点してリードが5点に膨らんだ五回だ。2死一、二塁で細川に三遊間を破られて1点を返されると、なおも二、三塁で迎えた相手は4番・石川昂。フォークを力強く振り抜かれ、右中間席へと突き刺された。この3ランで1点差。かつてドラマのロケ地にもなっただけに「ルーズヴェルト・ゲーム」になってしまうのかと思わせるような展開に持ち込ませた形だった。続くアルモンテは真っすぐで見逃し三振に仕留めて踏ん張ったが、先発として今季最短での降板だった。岡田監督は「ちょっとホームランが余計やったな、ホームランだけがな。あれだけやな。そら1点、2点取られるからな。ホームランは予想してなかった」とポツリ。周囲も悔やむ被弾だが、「バンテリン(ドーム)だったら、いっていないんじゃないか」とかばう坂本の声もあったのも事実だ。前回登板した9日のヤクルト戦(甲子園)で開幕31イニング連続無失点のセ・リーグタイ記録を打ち立てるなど、3、4月の「大樹生命月間MVP」に輝くまでの活躍が今季の虎の好スタートの力になってきた。試合前まで防御率は0・25。今回でまた規定投球回に乗り、4点を取られてもリーグ1位に返り咲く1・22が、その証しだ。「しっかりと反省して、次の登板に向けて調整していきます」週頭の火曜日を任される自覚がにじんだ。簡単に満足しないからこそ、村上はもっともっと強くなれる。(須藤佳裕)

◆三河でミエちゃん劇場や! 首位阪神は4年ぶりの豊橋で中日に9-4で勝利。今季初の5連勝で2位DeNAとの差を2ゲームに広げた。「6番・右翼」で2試合ぶりに先発出場したヨハン・ミエセス外野手(27)が先制打を含む2打点に守備でもハッスル。18年ぶりのアレへ、独走状態突入か-。どうする彰布!打って、走って、守って、ベンチも虎党も笑顔にしてくれるミエちゃんがハッスル! ハッスル! 両翼93メートル、中堅115メートルの豊橋市民球場では収まり切らなくなりそうな、ミエセスのド迫力の全力プレーが虎を今季初の5連勝へ導いた。来日初タイムリーあり、内野ゴロでも得点を演出。今季初の2打点で、勝利を呼び込んだ。「よくなっていると思うけど、まだいい状態とはいえない。その過程だと思うので、結果が出てよかった」ドレッドヘアを揺らし、胸を張った。試合を動かしたのは0-0の一回2死満塁。今季2戦2勝だった中日先発・福谷の直球を鮮やかに逆方向へ弾き返す右前適時打で先制に成功。パワフルな打撃が持ち味だが、まるで豊橋名物「豊橋カレーうどん」の底にとろろと白米が隠れているかのような、〝新たな一面〟を見せ、虎を勢いづかせた。5-4の六回1死満塁では、7球目の直球に何とか食らいつき、打球を前に飛ばすと、三ゴロの間に三走が生還した。

◆阪神・近本光司外野手(28)が6-4で迎えた九回1死満塁の第6打席で右翼線へ2点二塁打を放った。「点差も2点だったので。チームが楽になったのはよかったと思います」。ここまで先発野手で唯一ヒットがなかったが、最後に決めて、2試合連続となる先発野手全員安打を達成。今季22打点とし、佐藤輝(23打点)に次いで、大山らと並ぶセ・リーグ2位に浮上した。

◆高々と舞い上がった白球は左翼芝生で弾む。左右の和製大砲コンビが打てば虎は負けない。天下を取れる。豊橋に初見参した佐藤輝が、4番・大山に続き、虎を勝利に導いた。「抜けてくれてよかったです。(初の地方球場は)新鮮な感じで、すごく面白かったですね」大山の一打で2-0とリードを広げ、なおも無死一、二塁で迎えた五回の第3打席。福谷のフォークをすくい上げた。風に乗った打球はぐんぐん伸び、中堅手・大島のグラブをすり抜けた。適時二塁打で4試合連続安打&打点。今季23打点とし、セ・リーグの単独での打点王に浮上した。「しっかりと中軸で点をとっていきたいと思います」佐藤輝にとってプロ入り後、初めての地方球場での公式戦だった。豊橋市には天下をとった戦国武将・徳川家康の筆頭家臣・酒井忠次が城主を務めた吉田城がある。この日は、4番・大山を天下人とするならば、それに続いた佐藤輝は徳川家の名参謀。息の合った連打で勝ちどきをあげた。好調を維持する佐藤輝に、岡田監督は「やっぱりボール球を振らんようになったよな、チャンスでな」とうなずいた。虎が誇る大砲コンビがそろって打点を挙げれば、2022年9月23日の広島戦(マツダ)から9連勝。〝不敗神話〟は継続だ。「チャンスで打てば、勝てる可能性というのは高くなると思うので、これからも頑張ります」首位街道をひた走る虎を佐藤輝が支える。このままの勢いで、セ界の天下を取る。(原田遼太郎)

◆礼、礼、パン! パン! 礼。ありがたや~! 一昨日のDeNA戦で21安打15得点と大爆発した猛虎打線だけど「いや~、絶対に大量得点の次の試合は零封負けする阪神あるあるになるわ~」とおびえていたら、一回いきなりの先制点に、五回一気4点を挙げ、そんな虎党の不安を一掃!! ウ~ム、これも〝虎の村神様〟の御利益や~!! と二礼二拍手一礼をささげた直後に、その村神様が石川昂の3ランなどで4点を奪われ、冷や汗タラ~。でも、その瞬間逆に「虎に神なんていらんのやー!! 全ては猛虎ナインの力あるのみやー!!」と決意を固め、妙にホッとした俺だったのだ。本当に勝利のために必要なもの? それは中島みゆきさんのヒット曲『地上の星』。♪つばめよ~高い空から~教えてよ~地上の星を~なのだ!! それが本日、村上をつないだリリーフの及川-加治屋-浜地-岩貞の決して派手じゃないかもしれないけど、価値あるプロの男の仕事なのだ!!これで35試合で貯金「8」。よっしゃ、Vまっしぐらやー!! って思っとったら、甘~い!! 一昨年は35試合で貯金が「14」あったのに、ひっくり返されたやろー!!勝ってかぶとの大谷翔平(?)で、いかなあかんでー!!

◆朝から当番デスク・阿部祐亮が乱発する「アベノメール」がトラ番たちに襲い掛かっていた。「阪神にとっては久しぶりの地方開催ゲームなので、その土地らしい原稿をよろしく!」われわれプロ野球担当記者が言う地方ゲームとは、12球団の本拠地以外で行われる試合のこと。本拠地以外といっても、倉敷のマスカットスタジアム、松山の坊ちゃんスタジアム、神戸のほっともっと、新潟のハードオフエコスタジアムのように準フランチャイズのような立派なスタジアムもあれば「えっ、ここでプロ野球をやるの?」というスタジアムもあったりする。実際の球場名を出すのは避けるが、そりゃあ、メチャクチャな地方球場はいっぱい知っている。フェンスが低くて、試合終了と同時にファンが360度から一斉に乱入する球場。そこでは、試合後のヒーローインタビューが不可能で、選手はいつも逃げるように全速力でバスに乗り込んでいた。試合後の談話がない中で記事を書いた。記者席のど真ん中に大きな柱が立っていて、一塁ベースが見えない席、バッテリー間が見えない席のある球場も。どうやって野球の取材しろというのか?記者席に窓ガラスがなく、試合終了後にナイター照明が消えると、周辺の虫がすべて記者席の明かりに群がる、ホラー映画のような球場も経験した。カナブンが弾丸ライナーのように飛んできて顔面に激突、血まみれになった先輩記者を目撃した。豊橋の球場は、決して新しくはない。でも、何度もプロ野球を開催している〝経験豊富〟なスタジアム。2002年の中日-阪神は、阪神・星野仙一監督が初めて古巣・中日と対戦した節目の試合だった。当時のサンスポは球場の中日ファン100人に緊急アンケートを実施している。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
21131 0.618
(↑0.012)
-
(-)
108142
(+9)
102
(+4)
18
(-)
17
(-)
0.254
(↑0.004
2.710
(↓0.04)
2
(-)
DeNA
19150 0.559
(↓0.017)
2
(↓1)
109135
(+5)
139
(+7)
34
(+2)
7
(-)
0.263
(-)
3.850
(↓0.09)
3
(-)
広島
19160 0.543
(↑0.014)
2.5
(-)
108125
(+7)
105
(+5)
26
(+1)
12
(+1)
0.250
(↑0.002)
2.730
(↓0.04)
4
(-)
ヤクルト
17191 0.472
(↓0.014)
5
(↓1)
106129
(+8)
144
(+9)
33
(+2)
26
(-)
0.227
(↑0.003)
3.670
(↓0.15)
5
(-)
巨人
17200 0.459
(↑0.015)
5.5
(-)
106142
(+9)
165
(+8)
41
(+1)
8
(-)
0.253
(↑0.005)
4.310
(↓0.11)
6
(-)
中日
13230 0.361
(↓0.01)
9
(↓1)
10799
(+4)
117
(+9)
10
(+1)
9
(-)
0.243
(-)
2.800
(↓0.17)