巨人(☆5対4★)広島 =リーグ戦8回戦(2023.05.13)・東京ドーム=
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広島
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巨人
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勝利投手:菊地 大稀(1勝1敗0S)
敗戦投手:松本 竜也(0勝3敗1S)

本塁打
【巨人】坂本 勇人(5号・3回裏ソロ)

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◆巨人が4時間43分の熱戦を制した。巨人は2点ビハインドで迎えた延長12回裏、大城卓の犠飛と秋広の適時打で同点とする。なおも続く好機でブリンソンの適時打が飛び出し、サヨナラ勝利を収めた。投げては、6番手・菊地がプロ初勝利。敗れた広島は、7番手・松本が踏ん張りきれなかった。

◆巨人坂本勇人内野手(34)が左手1本の"曲芸打ち"で左翼席へ5号ソロを運んだ。1点リードの3回2死、広島森下の2球目112キロカーブを振り抜いた。ややタイミングを狂わされて体勢が崩れるも、最後は右手を離して左手1本の大きなフォロースルーでスタンドまで持っていった。東京五輪でチームメートだった右腕から、6試合ぶりの1発で2点のリードをもたらした。坂本は「打ったのはカーブです。ひと振りで仕留めることができてよかったです」とコメントした。この1発で巨人打者では王、長嶋、原、松井、高橋由、阿部に次いで7人目となる広島戦50本塁打を達成。また、レギュラーに定着した08年以降で最少に終わった昨季の5本塁打(83試合)に32試合目で並んだ。【本塁打詳細】角度=32度打球速度=160キロ飛距離=121メートル

◆71年ぶりの大珍事が起こった。巨人フォスター・グリフィン投手(27)が5回先頭の打席で、右中間フェンス直撃の三塁打を放った。広島森下の143キロ直球を完璧に捉え、悠々セーフ。巨人では外国人投手による三塁打は52年、ハワイ出身の西田亨以来2人目で、71年ぶりの珍事となった。グリフィンは三塁ベース上で、右腕を振り回すご機嫌振り。投げても初回先頭から2連打を浴びるも、3者連続三振で切り抜け、3回まで8奪三振の快投を披露。5回まで無失点に抑えた。

◆巨人のドラフト4位ルーキー門脇誠内野手(22)が度重なるスーパープレーでチームを救った。「8番三塁」で4試合連続スタメン出場すると、1点リードの6回1死一塁、広島マクブルームの三遊間への強烈な打球をスライディングで好捕し、クルッと1回転して素早く二塁に送球。ゲッツーを完成させた。坂本や投手のグリフィンらチームメートからたたえられ、「よっしゃー!」と興奮気味でベンチへ下がっていった。阿部ヘッドコーチも思わず、脱帽して一礼し、スーパープレーをたたえた。4回2死にもデビッドソンの三遊間へのゴロを好守でさばき、7回1死でもデビッドソンの三塁線の当たりをダイビングキャッチして素早く一塁送球。好守を連発して原監督も拍手を送った。SNSでは「ひとりゴールデングラブ賞ww」「ひとりで3失点ぐらい救ってるわ!!」「美しい、一生見てられる」「マジで声出たわ」と称賛するツイートが相次いだ。

◆巨人大勢投手(23)が今季初の3連投も、2試合連続セーブ失敗に終わり、2試合連続で延長戦に突入した。大勢は前日の同戦では1点リードの9回に登板するも、1死二塁から代打松山の左前適時打で同点に追い付かれた。延長10回に後続が一挙6失点で敗戦した。この日も1点リードの9回に登板も先頭野間に四球を与えると、代走羽月に初球で二盗を許し、秋山の犠打で1死三塁。代打松山の二ゴロの間に同点とされた。足を絡めた攻撃で無安打で1点を失った大勢は、ベンチに戻るとぼうぜんとした表情を浮かべた。

◆巨人がサヨナラ勝利の大喜び...も一転、リプレー検証で判定が覆り、劇的勝利とはならなかった。同点の延長10回2死二塁、代打中山が一塁へゴロを放つ。一塁手松山が捕球してカバーに入った矢崎にトス。際どいタイミングとなったが、一塁ベースを踏んでいないという判定でセーフ。二塁走者の重信がホームに生還し、ナインはベンチから飛び出してサヨナラ勝ちの喜びを爆発させた。しかし新井監督のリクエストの結果、一塁ベースを踏んでおり、判定が覆ってアウト。同点のまま延長11回に突入した。【スコア速報はこちら】

◆巨人ルイス・ブリンソン外野手(29)が緊迫感あふれる延長戦でまたも走塁ミスを犯した。延長11回1死、四球で出塁するも1番吉川の3ボール1ストライクの場面。左腕塹江の一塁けん制時に二塁にスタートを切ってしまい、一、二塁間に挟まれてタッチアウト。ベンチの原監督は怒気のこもった表情で手をたたいて悔しがった。ブリンソンは4日のヤクルト戦(東京ドーム)で1死一、二塁の一塁走者として、大城卓が前進守備の左翼の頭を越える安打を放つも、打球判断を誤って二塁でストップ。3日の同戦でもアウトカウントを間違える走塁ミスがあった。

◆巨人が劇的サヨナラ勝ちで球団ワーストタイ記録となる延長戦の連敗記録を7でストップした。同点の延長12回1死満塁、ブリンソンの中越え適時打で勝負を決めた。延長戦は昨年7月10日DeNA戦から、前日の広島戦まで2分けを挟んで7連敗。49年10月8日阪神戦から50年7月19日大洋戦(3分け挟む)で記録して以来、73年ぶり2度目の球団ワーストタイ記録となっていた。巨人は2回に1死満塁から門脇の一ゴロの間に先制し、3回には坂本の広島戦50本塁打となる5号ソロで追加点を挙げた。しかし6回に先発グリフィンが1死三塁から秋山に右前適時打を浴びると、1点リードの9回に登板した大勢が2試合連続のセーブ失敗。先頭野間に四球を与えると、代走羽月に初球で二盗を許し、秋山の犠打で1死三塁。代打松山の二ゴロの間に同点とされていた。2試合連続の延長戦は12回に高梨が2失点していた。

◆広島が延長12回の末にサヨナラ負けを喫した。9回に4番マクブルームの代打松山の二ゴロで追いつき、3戦連続延長戦に突入。延長12回は1死満塁から押し出し死球などで2点を奪うも、7番手松本が2四球などで無死満塁とし再逆転を許した。連日の総力戦も、連勝は4でストップ。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-延長12回は2点勝ち越すも新井監督 ちょっと緊張していたかな...という印象。いい球を持っているんだから。この経験を次につなげて、強くなってもらいたい。-3試合続けての延長戦で中継ぎのやりくりも難しい新井監督 そうですね。ちょっと登板が多くなっているので、(登板させなかった)ターリーにしてもね。そこはこちらがちゃんと管理しないと。まだまだ試合は続くので。-9回は4番マクブルームに代打を送った新井監督 あそこは勝負に行きました。野間もよく出塁しましたし、羽月もあの場面で初球からスタート切ったと思いますし、アキ(秋山)も1発でバントを決めて、本当にいい攻撃だったと思います、今日も。-チームとして粘り強い戦いが続いている新井監督 みんなが頑張って、最後まで絶対諦めない、ひっくり返すという姿勢というのは、こちらにも伝わっています。-今季2度目の先発だった森下投手について新井監督 粘って、いいピッチングだったと思います。次も期待したいです。

◆巨人のドラフト4位ルーキー、門脇誠内野手(22)が三塁の守備で見せた度重なるスーパープレーに、元三塁手の原辰徳監督(64)が賛辞を贈った。1点リードの6回1死一塁、広島マクブルームの三遊間への強烈な打球にスライディングで好捕し、クルッと1回転して素早く二塁に送球。ゲッツーを完成させた。4回2死にもデビッドソンの三遊間へのゴロを好守。7回1死でもデビッドソンの三塁線の当たりを、ファウルゾーンに飛び出す勢いでダイビングキャッチして素早く一塁送球した。外国人打者の速い打球にことごとく食らいつき、好守連発に原監督は「ゲームでもああいった形で出てくれるというのは、非常に本人も大きな自信になるでしょうし素晴らしいプレー、三塁手としてね」と、拍手を送った。

◆巨人原辰徳監督(64)は、延長12回の劇的サヨナラ打にも、手放しに喜ばなかった。ルイス・ブリンソン外野手(29)が同点の延長12回1死満塁、中越え適時打で勝利をもたらした。ただ、延長11回に四球で出塁も、塁を飛び出し盗塁死となる凡ミスで追い上げムードに水を差した。度重なるボーンヘッド。そのたびにバットで帳消しにしてきたブリンソンは「悪いプレーは忘れること、そして前に進むことを考えてました」と切り替えて、帳消しにする一打だった。ただ原監督は、あえて心を鬼にした。「帳消しという言葉をね、使っちゃっていいのかというところですね。しっかりと検証しておく、そして次につなげるということはしておく必要があると思います」。歯止めをかけるためにも、しっかりとくぎを刺した。

◆かつての55番のようではなくても、必死の粘りで食らい付いた。巨人秋広優人内野手(20)が、6度目の打席に立ったとき、試合開始からすでに4時間半が経過していた。1点差に詰め寄った延長12回1死一、三塁。「食らいついていこう」と5球連続ファウルで粘った。9球目、内角高めの147キロ直球に長い腕をたたみながら左翼線へ。チームの延長戦の連敗を7で止める同点適時打でブリンソンのサヨナラ打を呼び込み「落ちてくれてよかった」と胸をなで下ろした。大きな背番号55の誇りに少しだけ触れた。3日ヤクルト戦で東京ドームに来場した松井秀喜氏と、ベンチ裏で初対面した。「将来のジャイアンツを背負って」と力強い言葉とともに、背番号55のユニホームに直筆でサインをもらい「最高です。宝物にしたい」。お立ち台では「55番を秋広に背負わせて良かったと思える選手になりたい」とあらためて宣言した。プロ初の猛打賞を上回る4安打を放ち、1歩ずつ背中を追う。自主トレを2年連続でともにする中田翔が負傷離脱する中、代わって一塁を守る機会が増えた。スマホには「調子どうだ?」と師匠から心配の声が届く。「いいチーム状態で戻って来てほしい。自分はチームになんとか貢献できるように頑張りたい」。メガゴジラの存在感が、日に日に増している。【小早川宗一郎】

◆新潟・佐渡島出身初のプロ野球選手の巨人2年目菊地大稀投手(23)が初勝利を挙げた。延長12回、1点を勝ち越された直後の1死満塁で登板。広島堂林に左前適時打を許し1点を追加された。それでも坂倉を空振り三振、菊池を遊飛に打ち取り、その裏に打線の援護でサヨナラ勝ち。前夜は制球が定まらず延長10回に5失点を喫したが、「反省して切り替えた上で今日は臨めた。レベルアップしていきたい」と次に目を向けた。菊地大稀(きくち・たいき)1999年(平11)6月2日生まれ、新潟県佐渡市出身。佐渡-桐蔭横浜大を経て、21年育成ドラフト6位で巨人入団。1年目の22年に支配下登録され、同年4月29日阪神戦で初登板。今季推定年俸700万円。186センチ、89キロ。右投げ左打ち。

◆広島が外国人選手の活躍もあり、巨人に快勝して2週間の長期ロードを5勝1敗で折り返した。先発アンダーソンが7回1安打無失点の好投で2勝目。1点リードの7回は4番マクブルームが3号満塁弾を放ち、8回にも3連打で2点を加えた。8回裏に巨人の反攻を受けるも、1死一、二塁から岡本の投手すぐ右を抜ける痛烈な打球を菊池が好守で併殺にし、流れを完全に止めた。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-7回はなかなか追加点が奪えなかった中で、マクブルームが満塁本塁打新井監督 大きいホームランでしたね。うまく拾ったよね。本当に大きいホームランでした。-昨日は9回に代打を送った。その悔しさを晴らす1発になったのでは新井監督 そうですね。悔しい思いというのは間違いなくあったと思うけど、彼は本当に"フォア・ザ・チーム"のスピリットというものをすごく持っている選手。そこは理解してくれていると思う。-延長戦が続いて中継ぎの負担が大きかった中、先発アンダーソンが7回まで投げた新井監督 ナイスピッチング。初回から腕の振りも良かったし、今日は変化球の精度も高かった。チェンジアップも、スライダー、カーブも。安心して見ていられましたね。完璧にピッチングだった。-デビッドソンも2安打。100打席以上立って、ようやく順応したきたか新井監督 打てるときもあれば、打てないときもある。いつも言っているように、打席内の見送り方だとか、反応の仕方を見て、やっぱりアジャストしてきているなと感じますね。今日はアンディー、ライアン、マット、ニックも含めて4人とも素晴らしい活躍だったと思います。-8回裏には菊池の好守備が流れが傾くのを食い止めた新井監督 彼にしかできないプレーですね。3打点、4打点分ぐらいの価値のある、彼にしかできないプレーだと思います。すごい。-マクブルームは成績が低調だった。4番を外そうと思ったことはなかったのか新井監督 1回もない。(なぜか?)まずはうちの打者の編成を考えたときに右バッターが必要なところではある。そういうところもあるし、彼の野球に対する取り組み方、日本の野球をリスペクトしている精神だったり、"フォア・ザ・チーム"の精神だったり。そういうものも含めて評価している。ただ打った、打たないじゃなく。もちろん周りの方は、プロだからそれ(成績)で評価するというのは、ある意味当然だけど、自分たちは中にいる。毎日接して、毎日彼らと会話しながら、彼らの表情を見ながらね。自分たちは、そういうところもマネジメントしないといけない。言ったら、心のマネジメントかな。ずっと毎日表情ひとつひとつ見ている。彼らの何とかしたいという気持ちもすごく伝わってくるし、周りでサポートしているコーチの気持ちというのも分かる。もちろんプロだから、周りの方は数字だけで判断してもらっていいけど、僕は監督として数字には表れないところを評価しないといけないと思う。これが、例えば彼らが投げやりになったり、そういうのを感じたら、そこは考えないといけない。そういうのを感じないから。何とか必死に毎日練習してやっている。そういうところも見ている。-2週間の遠征を5勝1敗で折り返した新井監督 これはもう、みんなの頑張りのおかげです。ビジターが続く中で、最後まで諦めない。タフな試合がずっと続いているんですけど、みんなの頑張りのおかげで最初の1週間はこういういい形で行けたなと。明日しっかり休んで、また、もう1週間あるので。みんなで頑張っていきたいなと思います。

◆巨人・坂本勇人内野手(34)が5号ソロを放った。1点リードの三回2死で森下のカーブにやや泳がされながらも、左翼席中段まで運んだ。開幕から22打席連続無安打と苦しんだが、5月は試合前時点で打率・379と状態が上がってきた。

◆巨人が逆転サヨナラ勝ちした。2―4と勝ち越された直後の延長十二回に大城卓の犠飛に続き、秋広がこの試合4安打目の同点打。ブリンソンが中越えにサヨナラ打を放った。6番手の菊地がプロ初勝利。広島は連勝が4で止まった。

◆巨人が逆転サヨナラ勝ちした。2―4と勝ち越された直後の延長十二回に同点に追いつき、ブリンソンが中越えにサヨナラ打を放った。?巨人が延長十二回にブリンソンの単打でサヨナラ勝ち。延長試合での勝利は昨年7月6日のヤクルト戦(○4x-3、十回、東京ドーム)以来で、同10日のDeNA戦●4-8、十回、同)から続いていた延長試合での敗戦が「7」(2分けを挟む)で止まった。?延長イニングで2点差を逆転勝利したのは、2017年6月18日のロッテ戦(十二回表終了時3-5→最終7x-5、東京ドーム)以来6年ぶり。決勝打は亀井善行の逆転サヨナラ3ランだった。

◆広島は3日連続の延長戦で力尽き、連勝は4で止まった。4─2の延長十二回に松本がつかまり逆転のサヨナラ負け。試合後の新井貴浩監督(46)の一問一答は次の通り。──延長十二回に2点を勝ち越したが、その裏にサヨナラ負け「(一回もたず3失点で黒星の松本は)ちょっと緊張していたかなという印象。いいボール持っているんだからこの経験を次につなげて強くなってもらいたい」──チームは11日の中日戦(バンテリンD)から3試合連続で延長戦。中継ぎの運用が難しい「ちょっと登板が多くなっている。(16試合登板の)ターリーにしてもね。(中継ぎ陣を)こちらがちゃんと管理しないといけない。まだまだ試合は続く」──1点を追う九回1死三塁では4番マクブルームから代打松山にスイッチ「あそこは勝負にいきました。(先頭)野間も(四球を選び)よく出塁しましたし、(野間の代走の)羽月も(失敗が許されない)あの場面で初球から(二塁へ)スタート切ったと思いますし、秋(山)も(無死二塁から)一発でバントを決めて、今日も本当に良い攻撃だったと思います」──チームとして粘り強い戦いができている「みんな頑張って、最後まで絶対に諦めないい、ひっくり返すという姿勢がこちらに伝わっています」──野手全員を起用「きのう(の巨人1戦目、延長十回にサヨナラ勝ち)もそうですが、全員で戦っている空気というのはすごくあります」──森下は勝敗はつかなかったが6回2失点「粘って、いいピッチングだったと思います。次も期待したいです」

◆勝利の女神に見初められた。新潟の佐渡島から生まれた初のプロ野球選手がプロ初勝利だ。巨人・菊地大稀投手(23)は「野手の方のおかげで初勝利を手にすることができた。素直にうれしい」と実感を込めた。3四死球が絡んで5失点した前夜の雪辱を果たすべく、2-3の延長十二回1死満塁でマウンドへ。1人目に左前適時打を許したが、縦に割れる武器のスライダーを駆使して後続を断ち、直後のサヨナラ劇で白星が舞い込んだ。転機は中学時代にある。ロッテで通算215勝を挙げた村田兆治氏が開催を推進した「離島甲子園」に出場。「夢を諦めるな」-。全国の離島球児が集う舞台で授かった金言が道標となり、桐蔭横浜大から育成ドラフト6位で昨季入団した。昨年11月に火事で亡くなった大投手とはプロ入り後も幾度となく電話で言葉を交わし、昨季初黒星を喫した際には「負けるのは悔しいから見返せ」と叱咤(しった)された。「いい結果を残せば喜んでくれる。自分が島の子供たちに夢を与える」。本当の恩返しはこれからだ。(鈴木智紘)

◆最高の形でお膳立てした。3-4とした延長十二回1死一、三塁。巨人・秋広優人内野手(20)が、追い込まれてから5球粘り、9球目を捉え左翼線へ同点打。ブリンソンのサヨナラ打を呼び込み、2試合連続の延長戦となった4時間43分の熱戦を制した。「何とか三振だけはしないように、食らいついていこうと。あそこに落ちてくれてよかった」叱咤激励に応えた。快音が鳴りを潜めていた9日の試合前、原監督から「金メッキが?がれるのが早いな」と気合を注入された。この日は二回に右前打を放つと、四回と八回に中前打。プロ入り初の1試合4安打を放って今季3度目のサヨナラ勝ちに貢献した。師匠の帰りを万全の状態で待つ。シーズンオフに2年連続で自主トレを行った中田翔が、4日の試合で右太もも裏の肉離れを発症して離脱。秋広は驚異的な回復を見せる先輩に「前より足が速くなりましたね」と冗談を交えながらLINEでメッセージを送り、兄貴分の近況はSNSでくまなくチェック。「チームがいい状態で、戻ってきてほしい」。まずは借金3の完済に尽力する構えだ。チームは昨年7月から続いていた延長戦での連敗を7(2分けを挟む)で止めた。固め打ちした身長202センチの左打者について、原監督は「非常にいいものを出してくれている」と評価。秋広は規定打席未満ながら打率を・360(50打数18安打)まで上昇させた。松井秀喜さんの背番号55をつける若武者は「55番は秋広に背負わせて良かったと思われるような選手になりたい」と宣言。金メッキどころか純金のような輝きを放つ。(樋口航)

◆巨人・大勢投手(23)が2試合連続でセーブに失敗した。3連投した守護神は1点リードの九回に無安打で同点に追いつかれた。先頭に四球を与えた直後に二盗を決められ、犠打で1死三塁とされて内野ゴロの間に失点。原監督は大勢が日本の世界一に貢献したWBCの影響を問われると「よくそういう言葉で形容されている選手を聞く。大勢はそうではないと信じたい。疑うことはありません」と語気を強めた。

◆遊撃を本職とする巨人のドラフト4位・門脇誠内野手(22)=創価大=が三塁で先発し、好守を連発した。四回に三遊間の難しい打球を華麗にさばくと、六回には再び三遊間の痛烈なゴロを好捕し、併殺を完成。七回には三塁線の当たりをダイビングキャッチし、安定した送球でアウトにした。立て続けの美技に広島ファンも拍手を送ったほど。原監督は「本人も大きな自信になる。素晴らしいプレー」とたたえた。

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
19130 0.594
(↓0.019)
-
(-)
111123
(+2)
117
(+7)
29
(-)
7
(-)
0.258
(-)
3.390
(↓0.1)
1
(1↑)
阪神
19131 0.594
(↑0.013)
0
(↓1)
110118
(+7)
91
(+2)
16
(-)
17
(-)
0.240
(-)
2.570
(↑0.02)
3
(-)
広島
17160 0.515
(↓0.016)
2.5
(-)
110111
(+4)
98
(+5)
24
(-)
11
(+1)
0.248
(↓0.002)
2.710
(↓0.05)
4
(-)
ヤクルト
16181 0.471
(↑0.016)
4
(↑1)
108113
(+4)
130
(+1)
30
(+2)
26
(+1)
0.223
(↓0.001)
3.470
(↑0.08)
5
(-)
巨人
16190 0.457
(↑0.016)
4.5
(↑1)
108131
(+5)
150
(+4)
39
(+1)
7
(+1)
0.251
(↑0.001
4.150
(↑0.05)
6
(-)
中日
13210 0.382
(↓0.012)
7
(-)
10990
(+1)
100
(+4)
8
(+1)
9
(-)
0.245
(↑0.001)
2.550
(↓0.03)