巨人(★4対9☆)広島 =リーグ戦7回戦(2023.05.12)・東京ドーム=
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広島
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巨人
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勝利投手:矢崎 拓也(3勝0敗1S)
敗戦投手:菊地 大稀(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】西川 龍馬(4号・4回表ソロ),菊池 涼介(2号・10回表満塁)
【巨人】丸 佳浩(3号・6回裏2ラン),丸 佳浩(4号・10回裏ソロ)

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◆広島が延長戦を制した。広島は1点を追う9回表、代打・松山の適時打が飛び出し、土壇場で同点とする。続く10回には、坂倉の適時打と菊池のグランドスラムなどで一挙6点を加え、勝ち越しに成功した。投げては、3番手・矢崎が今季3勝目。敗れた巨人は、救援陣がリードを守りきれなかった。

◆巨人坂本勇人は広島戦が得意。このカードは通算成績打率3割7厘で、今季も19打数7安打、打率3割6分8厘。対セ・リーグ5球団の中で、通算打率3割以上は広島戦しかない。本塁打は通算49本打っており、巨人打者では王、長嶋、原、松井、高橋由、阿部に次いで7人目となる広島戦50本塁打へあと1本。今日の先発大瀬良には通算打率3割5分7厘で4本塁打。坂本が相性の良い投手から区切りの広島戦50号を打てるか。

◆夢をかなえた7人組ボーイズグループBE:FIRSTの始球式にファンが祝福した。巨人ファンだったLEOLEOが代表してマウンドに上がり、ノーバウンド投球を披露。他のメンバーSOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKIが見守る前で、103キロを投げ込んだ。ツイッターでは「レオの始球式」がトレンド入り。「パフォーマンス中も始球式もずっと笑顔のレオくん。こんなん見たら、みんな好きになっちゃうよね」「レオの始球式感動した、夢がかなったね」「見守るメンバーも最高なのよ! 残りのメンバーみんなが見守って、終わって笑顔でハグとか。ビーファの仲良いところが見られてほんと良かった」「過去イチ美しい汗かいてた。涙止まらん。いい笑顔見せてくれてありがとう。私の夢もかなったよ」などのツイートが見られた。始球式の前には、BE:FIRSTの代表曲「BOOM BOOM BACK」をグラウンド上で生ライブを披露。試合前から東京ドームを盛り上げた。

◆巨人坂本勇人内野手(34)が笑顔のツッコミでナインをもり立てた。9日DeNA戦から2連勝のため、3試合連続で円陣の声出し役を担当。「昨日はナイスゲームでした。今日も良い形で勝ちましょう!」と声を張り上げた。さらに続けて正面でニヤニヤする? 秋広に「なんやお前(笑い)」とツッコミを入れた。秋広もツッコミを受けて「うぉいうぉいうぉい」とおどけていた。和やかムードの円陣に中山も「ナイス円陣さすがっす」と脱帽した。SNSでは「良いムード!」「坂本がニコニコしているとホッとする」「勇人のなんやお前さいこーすぎる」などのツイートが寄せられた。

◆巨人丸佳浩外野手(34)が右翼バルコニー席への特大2ランで試合をひっくり返した。1点を追う6回無死二塁、広島大瀬良に2打席連続三振に倒れていたが、ひと振りで捉えた。1ボールからの2球目、125キロのスライダーを振り抜いた。確信歩きして思わず「よっしゃー」と口に出す6試合ぶりの逆転の3号2ラン。ベンチに戻ると丸ポーズでナインと祝福した。丸は「得点圏だったので、積極的にいこうと思っていました。甘い球をしっかり1球で仕留めることができ、今年一番の当たりでした。横(川投手)の頑張りにも応えられてよかったです」とコメントした。【本塁打詳細】角度=28度打球速度=171度飛距離=133メートル

◆巨人岡本和真内野手(26)が勝ち越しの適時打を放った。4番の意地だった。同点の8回1死二塁で、広島ベンチは3番坂本に申告敬遠を選び、岡本和との勝負を選んだ。1死一、二塁となり、岡本和の打球は右翼線にポテンと落ちる安打となった。広島ターリーの154キロ直球に差し込まれたが、高く舞い上がった打球は最高の場所に飛び、人工芝で弾んだ。当たりは悪くても、結果は最高。一塁ベース上で白い歯がこぼれた。

◆巨人が延長10回に広島打線に捕まり、今季3度目の3連勝を逃した。最下位中日とは1・5ゲーム差の5位となった。4回に先発横川が広島西川にソロを浴びて先制されるも、6回に丸の3号2ランで逆転。しかし直後の7回に直江が四球と暴投で1死三塁のピンチを招くと、大江が代打野間に犠飛を打たれて同点に追い付かれた。8回1死一、二塁からは岡本和が右前へのポテンヒットで勝ち越しに成功するも、9回に登板した守護神大勢が今季11試合目の登板にして初のセーブ失敗。1死二塁から代打松山に左前適時打を浴びて同点に追い付かれた。今季2度目の延長戦に突入したがプロ初勝利を目指した菊地が広島打線に捕まった。1死から四球と安打で一、三塁とされると坂倉に右前へ勝ち越し適時打を許した。さらに2死満塁から押し出し四球でリードを2点に広げられ、ロペスにマウンドを譲った。裏の攻撃につなげるべくマウンドに上がった7番手ロペスだったが、菊池に左翼席への満塁ホームランを浴びてこの回一挙6失点。10回先頭、丸がこの日2本塁打目となる4号ソロを放って反撃するも及ばず、そのまま痛い敗戦を喫した。

◆巨人が広島の猛追に屈し、3連勝を逃した。延長10回に登板した23歳菊地が、押し出し四球を含む3四死球などで勝ち越しを許すと、2死満塁から代わって登板したロペスが満塁弾を浴びた。巨人は延長10回に6点を取られて逆転負け。巨人が延長イニングに6失点以上したのは、06年10月10日中日戦の12回の6失点以来、17年ぶり。これで延長戦は昨年7月10日DeNA戦から2分けを挟んで7連敗。巨人の延長戦7連敗は、49年10月8日阪神戦から50年7月19日大洋戦(3分け挟む)で記録して以来、73年ぶり2度目の球団ワーストタイ記録となった。

◆広島が延長10回に一挙6得点を奪い、連勝を4に伸ばした。左太もも裏の張りから復帰した大瀬良は7回2失点。8回にターリーが不運な当たりで1点を失ったものの、9回に巨人体勢から韮沢、松山の代打攻勢で同点に追いついた。総力戦を制して、ビジター12連戦の長期ロードを4連勝発進とした。試合後の新井貴浩監督(46)の談話は以下の通り。-終盤の粘り新井監督 いや本当、連日ね。みんなの粘りには頭が下がります。-延長10回は1点を勝ち越してもなお攻め続けた新井監督 すごく大きかったですね。1点だけじゃなく。ここの球場は何が起こるか分からないですから。そういう意味ではキク(満塁弾の菊池)も、すごく大きかったですし、みんなが頑張ってくれた。-9回は松山選手の連日の貴重な一打新井監督 松山さん。松山さんの前(の韮沢)もそうですけど、みんないいところがありすぎて、どこを褒めていいか分からない。それぐらいみんながみんな頑張ってくれているので、うれしいです。-復帰登板の大瀬良投手新井監督 いや、ナイスピッチングですよね。マウンドでの気迫が伝わってきましたね。好調なジャイアンツ打線を相手に7回までしっかりと。さすがのナイスピッチングだったと思います。-7回は打席に立たせて、その後もマウンドに新井監督 彼には言っていたので。先頭のタカシ(上本)が出たらバント行くよと。事前に伝えていた。タカシもよく粘って見極めましたし、本当にみんながみんな、いいところがありすぎて。-長期ロードを4連勝でスタート新井監督 最後までずっと諦めないという、みんなの姿勢。投手も野手も全員頑張って戦っていく中で、みんな力を付けてきているなと思います。-8回1死二塁から坂本選手を申告敬遠し、4番岡本選手との勝負を選択新井監督 あそこはベンチの判断。坂本もすごく好調ですし、こっちの判断です。次の岡本もすごく振れているけど、塁を埋めた形の方が守備側のことも考えて、こっちの判断で申告敬遠にしました。結果的に打ち取った当たりではあったんですけど、それも野球なので。でもニック(ターリー)もナイスピッチングでしたね。打ち取った当たりだったので。

◆広島が得意の延長戦を制した。3-3の同点で迎えた10回に、坂倉将吾捕手(24)の勝ち越し打、菊池涼介内野手(33)の2号満塁本塁打などで6点を挙げ、試合を決めた。延長戦は今季3戦3勝。広島サミットの影響からビジター12連戦の長期ロードを4連勝発進した。グランドスラムが熱戦に終止符を打った。広島は延長10回1死一、三塁から坂倉の右前適時打で勝ち越し、2死満塁から途中出場の矢野が四球を選んで加点。トドメは菊池だ。巨人の7番手ロペスの代わりばな、フルカウントからの高め直球を強振して、カープファンが待つ左翼席に突き刺した。接戦から一挙大量6得点。多くの巨人ファンを家路につかせた。「1点、2点(差の)ゲームで勝ち切っているから今はいい流れ。負けていたら、もっと雰囲気は悪くなるけど、今はいい流れですね。勝ち切れてよかったです」接戦を総力戦で制した。逆転を許した直後の7回は1死一、三塁から代打野間が右翼へ犠飛を打ち上げ、すぐさま同点に追いついた。1点を追う9回は、巨人の抑え大勢を代打攻勢で攻略した。1死から韮沢が左中間への二塁打で好機をつくると、代打の切り札・松山が詰まりながらも左翼前に落とし、代走羽月が同点の本塁を駆け抜けた。打者一巡の延長10回表を終え、ベンチ入りした野手はもう会沢1人しか残っていなかった。広島サミットの影響から、ビジター12連戦の長期ロードを4連勝発進した。長期ロード前まで今季ビジターで4勝10敗と苦手としながら、新井監督は「あんまり気にしてないし、関係ない」と自信を持っていた。指揮官の言葉通り、中日を3タテし、敵地・東京ドームでの接戦をものにした。総力戦でつかみ取った4連勝。「自分たちは戦いながら強くなっていかないといけない」。開幕前から指揮官はそう選手に言い聞かせていた。4月11日の5連勝以来の4連勝に「最後まで諦めないという、みんなの姿勢。みんな力を付けているなと思います」とチームの成長を感じている。【前原淳】

◆巨人が広島の猛追に屈し、3連勝を逃した。延長10回に登板した23歳菊地が、押し出し四球を含む3四死球などで勝ち越しを許すと、2死満塁から代わって登板したロペスが満塁弾を浴びた。一進一退の攻防が一転して、一挙大量6失点で敗れた原監督は「若い人たちを大きな期待の中でいつも送っていますが、彼らの反省と対策、明日へつながればという風に思ってます」と糧とすることを願った。接戦で白星を取りこぼした。1点リードの9回、登板したのは23歳の若き守護神・大勢。1死から相手の代打攻勢に連打を浴び同点に。今季逆転負け8試合のうち、1点差の逆転負けは6試合目。5月に入って6試合連続失点を重ねた「魔の8回」に苦しめられてきた。ここ2試合は克服し、2連勝で臨んだ1週間ぶりのホーム戦で、最終盤にひっくり返された。先発し6回1失点で試合をつくった横川も、バトンを受け7回に登板し1失点した直江もまだ22歳。原監督は「若い投手陣という中で、厳しい状況ではあるけど、彼らが明日に成長してくれればいいことですから」。この試合打撃は、2本塁打の34歳丸や、猛打賞の副主将・28歳吉川ら中堅以上が支えた。若き投手の成長を待ちながら、戦っていく。【栗田成芳】

◆11日のDeNA戦(横浜)の七回に左手に死球を受け、その後の守備で交代した巨人・岡本和真内野手(26)は通常通りの試合前練習を行い、スタメンに名を連ねた。岡本和は試合後、「大丈夫。折れるほど薄くない」と無事をアピールしていた。

◆広島の新助っ人、マット・デビッドソン内野手(32)=前アスレチックス傘下=が試合前にキリンビール「ビッグボードホームラン賞」の贈呈式に出席し、賞金100万円と「キリン一番搾り」1年分を受け取り笑顔をみせた。「このような賞があることを知らなかった。素晴らしいボーナスをもらえた。本当にうれしい。ありがとう」対象となった試合は4月28日の巨人戦(東京ドーム)で、0─0の二回に高橋から放った5号ソロは左翼の上段ビジョンに広告を出しているキリンビールの看板に直撃した。試合前時点で今季はここまで31試合に出場しチームトップの6本塁打をマークするなど打率・200、11打点。粗削りながらメジャー通算54発のパワーを発揮している。

◆広島・森下暢仁投手(25)は先発予定の13日の8回戦に向けキャッチボールなどで調整した。「1番から積極的に打ってくるイメージ。ゲームを作っていきたい。いいパフォーマンスを出せたらいい」。昨秋の右肘手術から1軍復帰した前回4日のDeNA戦(横浜)は白星こそ付かなかったが6回2失点と好投。登板間隔を空けて復帰後2度目の先発登板に挑む。

◆巨人・丸佳浩外野手(34)が1点を追う六回無死二塁で逆転の3号2ランを放った。甘く入った大瀬良のスライダーを逃さず、右翼バルコニー席へ。右翼手が一歩も動かず行方を見送るほど豪快な当たりで、大型ビジョンに飛距離133メートルと表示された。

◆広島のエース大瀬良が左太もも裏痛から4月26日以来の復帰登板を果たした。7回を5安打2失点で勝敗は付かなかった。1―0の六回、先頭の吉川に二塁打を許し、続く丸に甘く入ってしまったスライダーを右越えに特大の2点本塁打とされた。それでも直後の攻撃では無死一塁で犠打を決めて好機を演出。四球を挟み、代打野間の犠飛につながった。直球とカットボールを軸に組み立て、五回までは散発3安打と危なげなく、新井監督が「楽しみにしている」と期待した通りの好投で試合をつくった。追い付いてもらった直後の七回はきっちりと三者凡退。最後はこの試合七つ目の三振で締めた。

◆巨人・吉川尚輝内野手(28)が今季初の猛打賞をマークした。「1番・二塁」で先発し、大瀬良から一回に中前打、六回に右中間二塁打。さらに、同点の八回にはターリーから右中間深部へ打ち返す二塁打。試合前まで打率・184で、今季はスタメンを外れる試合も多かったが、会心のライナーでの今季初3安打をマークし、復調を印象付けた。

◆190センチの大きな体が日に日に迫力を増す。巨人・横川凱投手(22)が前回5日の中日戦(バンテリンドーム)に続いて広島とのカード初戦を初めて任され、6回5安打1失点で試合をつくった。「制球にまとまりがなく、大城さんに迷惑をかけてしまいましたが、うまくリードしてくださり、粘り強く投げることができました」大阪桐蔭高出身の5年目左腕。2度の育成契約を経て、今年3月に支配下登録された。今季、カードの初戦に投げたのはエースの戸郷、ビーディ、高橋、横川の4人だけ。ドラフト同期の戸郷とともに先発ローテーションを支える存在となった。成長は紛れもなく本物だ。「(中日の)涌井さんは『ローテーションを守れる投手は100球投げたら90球同じ球を投げられる』と。まさに自分の課題。そこを目指してキャッチボールから丁寧に投げたい」転機は昨オフ、楽天から中日に移籍した涌井が千葉・館山で行う自主トレへの参加。午前8時半から合計が20キロにもなるダッシュなどで鍛えた。通算154勝右腕の思考も心のメモにとめた。最も響いた言葉が〝100球中90球の理論〟。思い通りに投げ込む精度こそ、プロを生き抜く投球術だ。この日は140キロ台前半の直球と、カットボール、フォークボールを際どいコースに投げ集め、アウトを量産。四回に西川に胸元へのカットボールを本塁打されたが、六回無死一、二塁のピンチでは西川を中飛、坂倉を空振り三振、デビッドソンを一邪飛に打ち取った。師匠の言葉で磨いてきた球の精度が光った。リリーフ陣の失点で今季3勝目はお預け。しかし、打線が八回に岡本和の適時打で勝ち越し、試合を作った横川はチームの勝利に貢献できるはずだったが...。九回に守護神・大勢が1点のリードを守れない。3―3で突入した延長十回、6番手の菊地が勝ち越し打を打たれ、さらに押し出しで2点目を奪われた。ここで登板した7番手のロペスが満塁被弾。なんとこの回6失点。巨人は目前にしていた3連勝を逃し、終わってみれば救援陣が崩れて大敗だった。

◆巨人は1点リードの九回に大勢が同点に追いつかれ、延長十回に救援陣が6失点して敗れた。原辰徳監督(64)は悔しさを飲み込んだ。「こういう結果になりましたけどね。若い人たちを大きな期待の中でいつでも(マウンドへ)送っていますが、彼らが反省、対策をして、明日へにつながれば、と思っています。厳しい状況ではあるけれども、彼らが明日に成長してくれればいいことですから。それに大きな期待を持つと」1点リードの九回、大勢は1死から代打・韮沢に二塁打を浴び、続く矢野に同点の左前適時打を許した。延長十回は6番手・菊地が1死から押し出しを含む3四球と2安打で勝ち越しを許して降板。後を受けたロペスが菊池に満塁弾を浴び、この回は6点を献上。救援陣の崩壊で3連勝を逃した。

◆巨人は救援陣が崩れ大敗を喫した。1点リードの九回に守護神の大勢投手(23)が左打者の韮沢と松山に連打を許し、同点に追いつかれた。阿波野投手チーフコーチは「アンラッキーではなく、しっかり捉えられていた。勝ち切るためにつぶしていかないといけない」と課題を口にした。3-3で迎えた延長十回は菊地が3四死球が絡んで5失点。同コーチは「やられたけど、もう一回立ち向かう姿勢がほしい。それを期待して使っている。僕らが導くことも大事」と語った。

◆巨人・岡本和真内野手(26)が今季4度目の1試合3安打をマークした。同点の八回には前を打つ坂本が申告敬遠で歩かされて1死一、二塁で打席を迎え、右前にポトリと落ちる一時勝ち越しの適時打。前夜の試合で左手小指に死球を受けて途中交代した不安を一掃。原監督は「良かった」と安堵(あんど)した。

◆東京ドームでGの守護神を攻略した。広島が長期ロード突入から4戦4勝だ。大勢撃ちで逆転劇を呼び込んだ松山が胸を張った。「(前回対戦で安打を打っているので)苦手意識はまったくない。とにかく、バットに当たれば(何か)起こるだろうなと思った。詰まったんですけど、結果が出てよかった」2─3の九回1死で代打・韮沢が左中間二塁打で出ると、出番が回ってきた。Gの守護神の3球目の152キロに食らいつき、ふわりと浮いた打球が左前へポトリ。代走・羽月の生還を確認し、一塁ベース付近でグッと拳を握った。ベテランのひと振りで試合を振り出しに戻すと延長十回に坂倉の右前打で勝ち越し、矢野の押し出し四球、菊池が2号満塁本塁打で3時間50分の熱戦にケリをつけた。新井監督は「松山さん」とヨイショをした後に「みんないいところがありすぎてどこをほめていいかわからない」と笑った。

◆白星は目前で消えた。5位・巨人は九回に追いつかれ、延長十回に大量6失点。登板した7投手のうち、5人が24歳以下と若手でやり繰りせざるを得ないのがチームの現状だ。原辰徳監督(64)は悔しさをこらえ成長を願った。「若い人たちを大きな期待の中でいつでも(マウンドへ)送っています。厳しい状況ではあるけれども、彼らが明日に成長してくれればいいことですから」1点リードの九回に登板した抑えの大勢は、松山を152キロの速球で詰まらせながら左前に運ばれた。試合前まで唯一、失点を喫していた4月28日にも適時打を許したベテランに同点打を浴び、今季初のセーブ失敗。延長十回に6番手で登板した23歳の菊地は坂倉に勝ち越し打を許し、2死から押し出し四球を出して降板。後を受けたロペスが菊池に満塁本塁打を浴び、本拠地は絶望的な空気に覆われた。安定しない救援陣について、阿波野投手チーフコーチは「不安がなかなか解消しきれていない」と頭を抱えた。昨季のチーム防御率3・69は12球団ワースト。今季のチーム防御率は両リーグで唯一の4点台となる4・20。若手の成長を信じるしかない。(谷川直之)

◆巨人が競り勝つのかと思っていたが、思いもよらぬ大差がついた。延長十回から登板した菊地は先頭打者の秋山を空振り三振に仕留めたが、いきなり3ボールにしてからの投球だった。かと思いきや、次打者のマクブルームには2ストライクとしてからの四球。制球に苦しむ兆候はあった。後攻のチームは延長戦でいい投手から投げさせるのがセオリー。若手に経験を積ませることも大事だが、ブルペンには実績のある鍵谷、ベテランの三上も残っており、違う選択肢もあったのではないか。原監督の意図は分からないが、菊地を引っ張りすぎた印象を受けた。私が巨人でV9(1965-73年)を達成した頃は「たとえ負けても、いい試合をする。ファンに情けないと思わせるような負けはしない」と全員で言い合っていた。それが伝統ある巨人軍の宿命だ。ファンはこの日の戦いぶりを見て、どう感じたのだろうか。まだ5月。OBとしては今後へ勢いがつくような勝利を願っている。(サンケイスポーツ専属評論家)

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<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
19120 0.613
(↓0.02)
-
(-)
112121
(+3)
110
(+6)
29
(-)
7
(-)
0.258
(↓0.001)
3.290
(↓0.07)
2
(-)
阪神
18131 0.581
(↑0.014)
1
(↑1)
111111
(+6)
89
(+3)
16
(+1)
17
(+1)
0.240
(↑0.001)
2.590
(↓0.01)
3
(-)
広島
17150 0.531
(↑0.015)
2.5
(↑1)
111107
(+9)
93
(+4)
24
(+2)
10
(-)
0.250
(-)
2.660
(↓0.03)
4
(-)
ヤクルト
15181 0.455
(↓0.014)
5
(-)
109109
(+1)
129
(+7)
28
(-)
25
(-)
0.224
(-)
3.550
(↓0.08)
5
(-)
巨人
15190 0.441
(↓0.014)
5.5
(-)
109126
(+4)
146
(+9)
38
(+2)
6
(-)
0.250
(-)
4.200
(↓0.14)
6
(-)
中日
13200 0.394
(↑0.019)
7
(↑1)
11089
(+7)
96
(+1)
7
(+1)
9
(+2)
0.244
(↑0.001)
2.520
(↑0.08)