西武(4対4)楽天 =リーグ戦7回戦(2023.05.12)・ベルーナドーム=
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楽天
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西武
0202000000004702
勝利投手:-
敗戦投手:-

本塁打
【楽天】浅村 栄斗(6号・3回表ソロ)
【西武】愛斗(3号・2回裏2ラン),中村 剛也(8号・4回裏2ラン)

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◆西武は2-2で迎えた4回裏、中村の2ランが飛び出し、勝ち越しに成功する。一方の楽天は1点ビハインドの8回、代打・炭谷が適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。その後は両軍の救援陣が得点を許さず、4時間を超える熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆西武古市尊捕手(20)のプロ初打席で大きな拍手が起きた。この日、8番捕手としてプロ初スタメン。愛斗の逆転2ランの後、2死走者なしで登場。楽天田中将の初球を積極的にスイングした。打球はやや弱めながら、遊撃のセンター寄りへ。遊撃ゴロか内野安打かのタイミングで、古市は一塁へヘッドスライディング。判定は「アウト」だったが、その必死さに西武ファンのいる左翼席からすぐに大きな拍手が起きた。古市は高松南(香川)、四国IL・徳島を経て、21年育成ドラフト1位で西武入り。プロ2年目の今季、4月14日に球団と支配下選手契約を締結した。

◆西武にはこの男がいる。4番に座った中村剛也内野手(39)がさすがの豪快弾を放った。同点の4回。3番外崎の内野安打の後、打席へ。「トノ(外崎)がヒットを打ってくれてたので」。楽天田中将の、胸のラインより上の直球にバットを器用に回した。左中間席への8号2ラン。プロ通算462号本塁打に、背番号60のレプリカユニホームを着たファンが大勢いる左翼席がわきに沸いた。「打てて良かったです」いつも通り、淡々と。山川が抹消された。しばらくは間違いなく、この頼れるベテランが獅子の中核を担う。4番打者へのこだわりを問うと、こう答える。「ないです。もう、ないですね。以前はやっぱり4番打ちたいとずっと思っていましたし、4番で試合に出ていたんですけど、今は特に」8月に40歳になるが「年齢を重ねるという言葉、好きじゃないです」と言う。節目、という言葉も中村の意識にはない。通算500発は「まだ、まあまあ先の話」と話すなど、さらなる高みへの意欲も十分。3、4月度の月間MVPも受賞した。苦しいチームを、そのひと振りとスマイルで救いたい。

◆プロ2年目、4月に支配下登録されたばかりの西武古市尊捕手(20)が、うれしいプロ初安打を放った。5回無死走者なし、楽天田中将のカウント1-1からのツーシームを中堅右へライナーではじき返した。古市は全力疾走で一塁を回り、しっかりストップ。声を出し、小さくガッツポーズを見せた。試合中、球団を通じ「1打席目は少し力んでしまったので、2打席目はセンターから逆方向を意識した結果が良かったのだと思います。安打になったと分かった瞬間、めちゃくちゃうれしかったです。最高でした!」とコメントした。3連敗で迎えたこの日。松井稼頭央監督(47)は前夜の敗戦後に「前を向いて、切り替えてね。1つのことでね、流れも変わると思うし」と話していた。第1打席では遊ゴロも、一塁へ懸命のヘッドスライディング。古市が試合中盤まで、チームの起爆剤になりうるプレーを続けている。

◆楽天田中将大投手(34)は5回4失点で、今季自己最少の52球で降板した。同点の4回無死一塁、西武中村に高めへの速球を左中間席中段まで運ばれ、2点ビハインドでマウンドを降りた。ストライク先行で投げ込んでいったが、2回は愛斗にも2ランを被弾。「見ての通りです。チームにも迷惑のかかる投球になってしまった。仕切り直します」と反省した。味方打線が8回に追いつき、試合は延長12回の末、今季初の引き分けとなった。

◆4月に支配下選手登録されたばかりの西武古市尊捕手(20)にとって、とても濃い1日になった。プロ初スタメンで、いきなり延長12回までフルイニング出場した。先発松本以下、初めてボールを受けた投手もたくさん。4回の守備を終えると、2番手ティノコの待つブルペンを走り、サイン確認などをするシーンも見られた。「僕の配球ミスもあった中で、先輩(投手)たちに引っ張られて、先輩たちの球の強さに助けられて抑えられたと思う部分もたくさんありました」延長12回は、ボー・タカハシ投手(26)がマウンドへ向かった。平石ヘッドコーチからは「勇気を与えてやってくれ」と頼まれ「どんどん攻めていこう」と激励した。助っ人右腕は見事に無失点で切り抜け、この日の負けを消した。柘植に右肘の軽い炎症があり、巡ってきたスタメンマスクのチャンス。午後6時開始の試合ながら、午前中から室内練習で長谷川とともに打ち込み、集中力を高めていた。プロ初打席は遊ゴロだったが、際どいタイミングで一塁へ頭から滑り、拍手が起きた。5回の第2打席でプロ初安打を放ち「めちゃくちゃうれしかったです」と喜ぶと、延長12回には粘ってフルカウントから四球を選んだ。「正直、代打は覚悟していたんですけど、平石ヘッドから『今日はお前の日や。最後行ってこい』と言われて。きれいな形とかじゃなくて、とりあえず塁に出ることしか考えていなかったので」ロッテに3連敗を喫し、借金は3に膨らんでいた。重くなりかける空気に新風をもたらした。松井稼頭央監督(47)も「初スタメンにしては非常に評価できる活躍だったと思います。気持ちがいいというかね、スタメンで出て、あれだけ思い切りできるのは素晴らしいと思う」と開幕には背番号125だった若者の奮闘をたたえていた。【金子真仁】

◆西武・中村剛也内野手(39)が2-2の四回、左中間スタンドに8号2ランを放った。5月初アーチに「打ったのは真っすぐ。トノ(外崎)がヒットを打ってくれたので、打てて良かった」。田中将からは4月28日にも一発を放っており、これで通算9本目。ちなみに中村が最も本塁打を放っているのは昨季限りで現役を引退した金子千尋(現日本ハム特命コーチ)からの11本。(ベルーナ)

◆楽天の田中将は5回4失点と振るわず、わずか52球で降板となった。先制してもらった直後の二回、愛斗に2点本塁打を浴びてあっさり逆転を許す。同点の四回無死一塁では中村に直球を左中間席に飛ばされた。制球を重視した変化球中心の組み立てとはいえ、140キロ台半ばの直球では迫力不足に映った。今季ここまで対西武は2戦2敗でも計14回で3失点と内容は悪くなかった。しかし今回喫した2発を含め、今季許した4本塁打は全てこのカードとなった。

◆延長十二回引き分け。楽天は救援陣が粘り、2―4の七回に伊藤裕の犠飛で追い上げ、八回に代打炭谷が同点二塁打。西武は四回に中村が勝ち越しの2点本塁打を放ったが、細かい継投が実らず、十一回の好機ではマキノンが倒れた。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
20140 0.588
(↓0.018)
-
(-)
109131
(+3)
113
(+4)
28
(-)
13
(+1)
0.271
(↓0.001)
3.200
(↓0.03)
2
(-)
ロッテ
18131 0.581
(-)
0.5
(↓0.5)
11198
(-)
90
(-)
15
(-)
11
(-)
0.228
(-)
2.710
(-)
3
(-)
ソフトバンク
17131 0.567
(↑0.015)
1
(↑1)
112105
(+4)
99
(+3)
21
(+1)
17
(+1)
0.239
(↓0.001)
2.990
(-)
4
(-)
西武
15181 0.455
(-)
4.5
(↑0.5)
109107
(+4)
110
(+4)
28
(+2)
21
(-)
0.240
(↓0.003)
2.900
(-)
5
(-)
日本ハム
14200 0.412
(-)
6
(↑0.5)
109111
(-)
122
(-)
22
(-)
21
(-)
0.224
(-)
3.170
(-)
6
(-)
楽天
13191 0.406
(-)
6
(↑0.5)
11098
(+4)
116
(+4)
28
(+1)
25
(-)
0.214
(↑0.001
3.200
(↑0.01)