阪神(☆6対3★)DeNA =リーグ戦6回戦(2023.05.12)・阪神甲子園球場=
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DeNA
1000000203810
阪神
04100100X6911
勝利投手:青柳 晃洋(2勝3敗0S)
(セーブ:岩崎 優(1勝0敗3S))
敗戦投手:今永 昇太(2勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(5号・3回裏ソロ)

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◆阪神は1点を追う2回裏、青柳、近本、中野の3者連続適時打で4点を挙げ、逆転に成功する。続く3回には、佐藤輝のソロが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・青柳が8回途中3失点の力投で今季2勝目。敗れたDeNAは、先発・今永が4回5失点と試合をつくれなかった。

◆阪神石井大智投手(25)が、出場選手登録を抹消された。球団は抹消理由について前日11日のヤクルト9回戦(甲子園)で8回に登板した際に発症した「腰痛」と発表。この日、兵庫県内の病院で受診し、診断名は明かされなかった。今後は兵庫・西宮市内の鳴尾浜でリハビリを実施する見込みだ。石井は前日登板した同戦で1軍49試合目の登板でプロ初勝利を挙げたばかりだった。岡田彰布監督(65)は、「ちょっとおかしかったみたいやな。俺も終わってから聞いたんよ。本当はヒーロー(インタビュー)やったんやろ? 初勝利やったみたいやからなあ」と説明。今後については「いや、まあちょっと休まないとあかんみたいやな」と話した。代わって浜地真澄投手(24)が1カ月ぶりに登録された。指揮官は「浜地は今日(昇格が)予定通りやったからなあ。(石井の)代役じゃない」と話した。

◆女性ファン向けイベント「TORACO DAY」で、試合前に人気3人組ボーカルユニットのベリーグッドマンが生歌を披露した。「甲子園、手拍子!」とあおり、中野拓夢内野手(26)の登場曲でも知られる「ハイライト」などを歌い上げた。続いてファーストピッチセレモニーに挑戦した。「130キロを投げます」と宣言したMOCAがきれいなフォームから投球。外角低めにわずかに外れたが大きな拍手が起きた。「表示は出なかったけど140キロは出ていましたね。メジャーのスカウトが『あれはスイーパーや』と言っていたはずです。ベンチに中野選手がいたので目が合うかなと思ったけど、バットを見ていました。めっちゃ集中していました」と明かした。

◆自身3連敗中の阪神青柳晃洋投手(29)が、自らのバットで試合をひっくり返した。1回表に1点を先制され、1点を追う2回裏。2死二塁から8番木浪が申告敬遠された直後、DeNA今永の内角低め直球を思いきり引っ張った。強烈なゴロで三塁線を破る逆転2点二塁打。二塁ベース上では思わず両手を突き上げた。打線はこの一打から流れを引き寄せた。なおも2死二塁、1番近本の左翼前方への飛球を左翼関根が見失い、これが適時二塁打に。さらに2番中野にも中前適時打が飛び出し、一気に4点をもぎ取った。

◆DeNAが、手痛いミスから阪神に追加点を許した。2回、阪神青柳の適時二塁打で逆転され、なおも2死二塁。フラフラッと遊撃と左翼の間に上がった飛球を左翼の関根大気が打球を見失って、ポトリと落ち、二塁走者の青柳が生還した。チームにとって、今季初の甲子園での試合。大歓声に包まれる中、声での連係も難しく、嫌な形で3点目を失った。次打者の中野にも中前適時打を許し、エース今永がこの回4点を奪われた。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が「打ち直し弾」をかました。3点リードの3回1死、左腕今永の2球目146キロをたたくが、大飛球は浜風に流されて左翼ポール際でファウルに。それでも2ボール2ストライクから低め146キロ直球をコンパクトに強振し、ライナー性の飛球でバックスクリーンまで運んだ。「日本を代表する良い投手なので、受け身にならずにしっかり振っていった結果が、ホームランになって良かったです」4試合ぶりの1発は5号ソロ。確実に状態は上がっている。

◆DeNA佐野恵太外野手(28)が、苦悶(くもん)の表情を浮かべ、周囲をヒヤリとさせた。6回2死二、三塁。阪神ノイジーが振り逃げで一塁を駆け抜けた時に、佐野の右足が接触したとみられ、田中コーチやトレーナーが駆け寄って、状態を確認した。プレーを続行し、7回の攻守交代時には駆け足で守備位置に向かった。マウンド付近で捕手の戸柱に接触した箇所を聞かれ、右足を指さし、一塁に向かった。

◆2位阪神が首位攻防3連戦の初戦を制し、首位DeNAに1ゲーム差まで迫った。先発の青柳晃洋投手(29)が投打で活躍した。1回表に1点を先制され、1点を追う2回裏。2死二塁から8番木浪が申告敬遠された直後、9番打者としてDeNA今永の内角低め直球を思いきり引っ張った。強烈なゴロで三塁線を破る逆転2点二塁打。二塁ベース上では思わず両手を突き上げた。打線はこの一打から流れを引き寄せ、この回一挙4得点をあげた。投げては8回途中で120球を投げ、6奪三振7安打2四球で3失点。自身の連敗を3で止め、3月31日の開幕DeNA戦以来5試合ぶりの白星となる今季2勝目を手にした。打線は1番近本光司外野手(28)が4回終了時点でサイクル安打に王手をかけた。1回は先頭で左前打を放ち、二盗に成功。2回は1点リードを奪った直後の2死二塁、左翼前方への飛球を左翼関根が見失うラッキーな適時二塁打。さらに4回2死からは中堅右をライナー性の飛球で破り、一気に三塁を陥れた。本塁打は飛び出さなかったが、きっちり打線をけん引した。一方、5番佐藤輝明内野手(24)は3点リードの3回1死、今永の低め146キロ直球を片手に近い形で払い、ライナー性の飛球でバックスクリーンまで運んだ。4試合ぶりの1発となる5号ソロで勢いを加速させた。投打がガッチリかみ合い、2連勝を飾った。

◆DeNA今永昇太投手(29)が、今季最短の4回5失点でKOされ、今季初黒星を喫するとともにチームは今季2度目の3連敗になった。今永が5回持たずに降板するのは、21年10月26日のヤクルト戦以来、2シーズンぶりだった。1点リードの2回2死一、二塁、投手の青柳に1ボールからの内角148キロを左翼線にはじき返され、一気に逆転。なおも2死二塁からフラフラッと遊撃と左翼の間に上がった飛球を左翼の関根が打球を見失って、ポトリと落ち、二塁走者の青柳が生還した。次打者の中野にも中前適時打を許し、3回にも佐藤輝のソロで5点目を失った。今永は「2イニング目に青柳投手にタイムリーを打たれてしまい、打たれてはいけない打者に打たれてしまったことがこのような展開になってしまいました。次回登板までにストレート、変化球ともにもう1度修正していきたいです」と悔しさをにじませた。5試合連続アーチがかかった佐野は、3打数1安打1四球で、8回に代走が送られ、4試合連続アーチでストップした。2位阪神との首位攻防戦第1ラウンドに敗れ、ゲーム差を1に縮められた。

◆阪神近本光司外野手(28)がサイクル安打に王手をかけた。1回は先頭で左前打を放ち、二盗に成功。2回は1点リードを奪った直後の2死二塁、左翼前方への飛球を左翼関根が見失うラッキーな二塁打。さらに4回2死からは中堅右をライナー性の飛球で破り、一気に三塁を陥れた。4回終了時点で早くも安打、二塁打、三塁打を記録。残りの打席で本塁打が飛び出すか注目されたが、6回の第4打席は敵失。 迎えた8回の第5打席は三ゴロに終わり、達成はならなかった。阪神近本が4回に三塁打を放ち、三塁打は6本目。三塁打のシーズン最多記録は、1951年(昭26)金田正泰(阪神)の18だが、近本は現在のペースでいくとシーズン26本で、最多記録更新する。

◆DeNAが、今季2度目の3連敗を喫し、2位阪神に1ゲーム差に迫られた。エース今永が今季最短の4回5失点でKOされ、今季初黒星。5回を持たずに降板するのは、21年10月26日のヤクルト戦以来、2シーズンぶりだった。「なかなか決着がつかない打者も多く、球数が多くなって、甘くなったところを打たれた」と唇をかんだ。最大の敗因に挙げたのは、投手の青柳に浴びた逆転の2点適時二塁打だった。1点リードの2回2死一、二塁。1ボールからの内角148キロを左翼線にはじき返された。「打たれてはいけない打者に打たれてしまって、このような展開になってしまった。気持ち的にガクッときたと思われてもしょうがない、その後の結果でした」と悔やんだ。ミスも失点に絡んだ。2回はなおも2死二塁から、遊撃と左翼の間への飛球に対し、京田が深追いせず、左翼の関根は薄暮の影響で打球を見失って、ポトリと落ちる適時二塁打。次打者の中野にも適時打を許した。三浦監督は「もう1回、凡事徹底じゃないですけど、細かいミスなど防げるところは防いで。ここ3試合、ミス絡みでやられてるんでそのあたり、やり直しです」と引き締めた。【久保賢吾】

◆2位阪神が首位攻防3連戦の初戦を制し、首位DeNAに1ゲーム差まで迫った。先発の青柳晃洋投手(29)が1点を追う2回2死一、二塁、9番打者として三塁線を破る逆転2点二塁打を記録。投げては8回途中3失点で自身の連敗を3で止め、3月31日の開幕DeNA戦以来5試合ぶりの白星となる今季2勝目を手にした。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。岡田監督の一問一答(テレビ)-エースに白星。1週間ぶりに大量得点「1週間ぶりって(笑)。まあ、ねえ。エースといっても...青柳もノイジーの2回のあの三塁アウト(左翼からの好返球)にしたのがなかったら、2回で交代しているかもわからないよ。でも、あれでね、まあちょっと間合いが長かったんで、もっとリズムよく投げていけ、と。それであそこまでいった感じですね」-青柳のタイムリーから2回の攻撃が始まった「いやいや、あのバッティングよりも木浪の存在感というか、木浪がずっと左ピッチャーも打っていたんで、そういうアレでね、申告敬遠。ちょっと、こっちもびっくりしたけどね」-近本は安打、二塁打、三塁で4回終了時点で3安打、サイクルも狙えた「ああー。最後、風止んでいたのにね。最後の4打席目の打席は」-佐藤輝はバックスクリーンに1発「いやいや、見送ったらボール球と思うけどね、ほんと。まあ、だからねえ、そんな力いっぱい振らなくても芯に当たれば飛んでいく。そういう感覚をつかんでくれたらいいと思いますけどね」-青柳は途中から立ち直ったように見えた「セットに入ってから(間が)長くて、重い感じで、それでまたボールが多かったので、間隔を空けずに、ポンポンストライクを投げ込んでいけってね。だから3回、4回くらいから結構そういう感じで良くなったですね」-100球を超えても8回も行かせたのはいろんな期待を込めてのことか「いやいや、今までいいピッチングをしてたら7回で代えていましたね。要は今までの分の8回ですね。まあ、あそこ投げきってくれたら良かったですね」-1つ白星がついて次回以降変わりそうな雰囲気はあるか「そうですね。まあ、立ち上がりの投球を見ると、まだ不安があるかも分からないですよ。次の登板でね、どれだけ立ち上がりの投球を見せるかですね」-明日の大竹は勝ちが続いている投手「あー、ねえ。昼くらいから雨みたいだけど。なんかすごいね、大竹は。まあなんとかできるようにね。大竹はもうそのつもりでいてると思いますけど」(囲み)-青柳への助言は2回くらいに「サイン見てセットでバッターになんかこう、与える間を作ってしまうというかな。あんまり長いこと持つと。そら長いこと持つことが必要な時もあるかもわからんけどな、それがポンポンストライクいけばね、まだいいけど。それがボール、ボールなると、ものすごい重苦しいというかな、そういうムードになるというか、雰囲気になる。ほんでカウントも悪くなるというのがあったから。だからそれで2回にベンチでね、3回からそういう風に投げろと、バッターに考える時間を与えるなみたいな、な。そんな感じで言うとったんやけどな」-それがはまって自分もリズムに乗っていける部分もあったか「そうそうそう。だからこうね、もともとコースコース狙うんじゃなしに、ストライクをどんどん投げ込んでいく、そういうタイプやから。それにコントロールつけばそら一番いいんだけど、そこまで今の調子から求めるのは無理だから。やっぱり自分のテンポで自分のリズムというかな、それでストライク投げ込んでいくというな、そういうスタイルをやっぱりもう1回思い出さなあかんわな。いやノイジーのアウトがなかったら、もう2回で危なかったよ。はっきり言って」-攻撃も1、2番に当たりが出ると...「1、2番というか、まあ近本もヒット出る時はあるけど、3割くらい打ってるバッターだし、四球入れたらもっと出塁するわけやから。だいぶスタートも切れるようになってきたしな。やっぱ盗塁、走るとリズム出るんじゃないかな」-あまりスタートを切れなかった「ずっとよ。そんなん。スチールを止めたことないよ」-佐藤輝もすごい当たりだった「おう、なあ。まああの追加点も大きかったよ、はっきり言うて。あの振り逃げも大きかったけど、いい追加点やったよな」-次の打席の見逃しも良かった「うーん。まあ、今日もだいぶバッティングコーチに言うたよ。あまりにも悪かったからな。だいぶ練習というか、打つ前にだいぶ修正はしてたみたいやけどな」-引っ張れと「そうそう。俺は最後のファーストゴロが一番良かったな。だからああいう、右バッターが今日はポイント差し込まれて、何本あった? ライトのポップフライというか、遅れ気味にバットこすったような当たりな。あれはポイント差されてるからリストが返らんよな。まっすぐ、変化球、両方ともな。ミエセスにしてもな。あんなんもっと強引にガーンといけばいいけど。まだちょっと、そのポイントにならないんやろうな。だからバット滑ってしまうんよな。だから力のないライトフライになるよな、右バッターはな。そこがもうちょっとやな。あれがガンといけたらな」-昨日は大きい勝利と。その流れが「いやいや、そら昨日の流れはあると思うよ。まして今日先に点取られて。青柳もあんまり良くないなあというイメージを守ってても持つよな、今日の立ち上がりみたらな。それはまあ、青柳が自分で打ちよったからええやん」

◆阪神左翼ノイジーが守備で相手の勢いを止めた。0-1の2回無死一塁で林が放った左翼線への打安打を処理。素早く三塁にワンバウンド送球して、一塁走者の戸柱を刺した。セーフならピンチ拡大で大量失点につながりかねない場面。青柳はこの回を無失点に抑え、裏の攻撃で逆転した。「走者が走ってきたのが見えたので、何とかアウトにしてチームを助けようと思ったよ」と会心のプレーを振り返った。

◆DeNAが天敵の阪神青柳をとらえきれず、リーグ最速の20勝を目前に3試合足踏みした。1回に「青柳キラー」の神里の適時打で先制したが、2回から7回まで無得点。1番佐野は、3打数1安打1四球で自身の連続試合本塁打は4試合でストップした。三浦監督は「流れ的にはいい形で先制できましたけど...」と悔しさをにじませた。

◆エースの意地だ! 阪神青柳晃洋投手(29)が投打の大車輪で42日ぶりの2勝目を挙げた。粘りの投球で8回途中3失点。打っては2回に逆転の2点打を放った。3月31日の開幕戦以降白星に見放されたが、阪神の投手では1996年(平8)の川尻哲郎以来27年ぶりの勝利投手&逆転V打で大貢献。チームはDeNAとの首位攻防第1ラウンドを制して1ゲーム差に迫り、13日も勝てば同率で3週間ぶりの首位に返り咲く。青柳はマウンドではなく、二塁ベース上で両手を天に突き上げた。0-1の2回、2死二塁で木浪が申告敬遠され、一、二塁で迎えた第1打席。DeNA今永の低め148キロを迷わず強振した。打球は三塁線を猛スピードで突破し、同点、逆転の2者が生還。これが決勝打となり、3月31日のDeNAとの開幕戦以来、42日ぶりの勝ち星となる2勝目を勝ち取った。「本当に久々にチームに貢献することができて、うれしく思います」岡田監督のカツにも応えた。初回に1死二塁で、神里に中前適時打を許してあっさり先制点を献上。2回は味方守備にも助けられ追加点を阻止。その後に岡田監督から「ちょっと間合いが長いから、もっとリズムよくポンポンストライクを投げ込んでいけ」と助言を受け、3回以降はテンポアップ。3~7回は二塁を踏ませなかった。8回は連打を浴び神里を中飛に打ち取ったところでお役御免となったが、8回途中7安打3失点の粘りの投球で待望の白星を手にした。昨季は2年連続の最多勝、最高勝率に最優秀防御率のタイトルを含め「投手3冠」に輝いた。名実ともに日本球界屈指の右腕に成長したが、今季は開幕戦の白星を最後に4試合勝ちなし。この日も3試合連続で初回に失点。「勝っていないので自信をなくしていたのかな」。だが、勝ちたい一心で弱気も封印し、2回から6イニング連続で0を並べた。首脳陣も2週連続で中9日以上空ける措置を取るなど、エースの復活をアシストした。岡田監督は「もともとストライクをどんどん投げ込んでいくタイプやから。そういうスタイルをもう1回思い出さなあかんわな。ノイジーのアウト(2回の捕殺)がなかったらもう2回で危なかったよ、はっきり言うて」と苦笑い。それでも「青柳が自分で打ちよったからええやん」と白い歯をこぼした。チームは2連勝で首位DeNAに1ゲーム差に迫った。貯金は今季最多タイの5つで、指揮官の監督通算600勝に王手をかけた。約1カ月ぶりの白星に右腕は「次もこういう投球を続けられたら」と引き締めた。まだまだ本調子ではない。今度はマウンドで、会心のガッツポーズを決めたい。【古財稜明】

◆阪神岩崎優投手は2戦連続の完全投球で3セーブ目を挙げた。3点リードの9回に登板して3人斬り。8試合連続無失点に伸ばした。前日11日ヤクルト戦に続く2連投にも難なく対応し「1年間あれば、続くこともあるので」とサラリ。チームの2連勝を「みんなが(流れを)つくってくれているのでよかった」と喜んだ。

◆阪神近本光司外野手(28)が、走攻守3拍子の大活躍で快勝に一役買った。打っては初回第1打席で今永から安打を放ち、走っては2戦連続盗塁もマーク。さらに貴重な追加点を呼ぶタイムリーを放ったのは2回だ。青柳が逆転適時打を放ってなお2死二塁。フルカウントから打ち損ねた打球は左翼へ高々と舞い上がった。だが、薄暮でボールが見えにくい時間帯。左翼関根が打球を見失い、白球がポトリと落ちた。二塁走者青柳が生還し、近本も二塁を陥れた。「僕にもあり得たこと。ただただ、神様ありがとうだけです。それ以上でも以下でもないです」。リードを3点に広げ、笑顔で感謝した。守っても直後3回、桑原の安打性の打球にダイビングキャッチ。お立ち台では「本当に難しい打球。ヤギ(青柳)さんの時、右バッターは結構ああいう打球がくる。そういうのをイメージしながら、(点を)取った後だったので」と説明。プロの嗅覚と技でエースの復活勝利をアシストした。左前打、二塁打を放って迎えた4回の第3打席では今永の131キロ変化球を右中間に運び、リーグトップの6本目の三塁打。9試合ぶり4度目の猛打賞を決めた。サイクル安打に"リーチ"のかかった第4、第5打席では、ホームランコールも響いた甲子園。いずれも凡打に終わったが「ホームランコールなんてそんなにないんで。しっかり聞いてました」と笑顔で振り返った。打率は2割9分8厘まで上げ、3割目前。虎のリードオフマンは、エンジン全開だ。【波部俊之介】阪神近本が4回に三塁打を放ち、三塁打は6本目。三塁打のシーズン最多記録は、1951年(昭26)金田正泰(阪神)の18だが、近本は現在のペースでいくとシーズン26本で、最多記録更新する。

◆阪神中野拓夢内野手も押せ押せムードに乗った。2回に青柳の逆転二塁打、近本の適時二塁打が出たあと、中前に運んで4点目を奪った。「いい流れで自分につながったので、何とか流れに乗りたいという気持ちだった。しっかりタイムリーを打ててよかったです。今日は打席の内容もよかったので、継続したい」。2試合連続11度目のマルチ安打で打率3割復帰も見えてきた。

◆2位阪神が首位攻防3連戦の初戦を制し、首位DeNAに1ゲーム差とした。先発の青柳晃洋投手(29)が投打で活躍した。逆転2点二塁打を放ち、投げては8回途中7安打2四球で3失点。5試合ぶり、今季2勝目を挙げた。打線は1番近本光司外野手(28)がサイクルヒットにリーチをかける猛打賞。佐藤輝明内野手(24)が5号ソロを放った。ヒーローインタビューの一問一答は以下の通り。【青柳】-今の気持ちは「本当に久々にチームに貢献することができて、うれしく思います」-徐々に投球も乗ってきた「初回は本当に緊張していたので、また失点してしまってどうしようと思いましたけど、その後になんとかいい守備のおかげで、いいリズムで投げることができました」-逆転打「チームに貢献したい一心で振ったらいいところに飛んでくれました」-ガッツポーズは「純粋にうれしかったですし、チームに貢献したというのがうれしかったです」-近本が返してくれた「僕が塁に出たら大体チカが返してくれるので、僕も頑張ってバッティングを練習したいと思います」【近本】-猛打賞「ヤギさんがすごい良い打球を打っていたので、僕はもう、気楽に入っていました」-3回に好守備「アレ本当に難しい打球なので、ヤギさんが投手の時に右打者がああいう打球が来るので、そういうのをイメージしながら、捕った後だったので、なんとか捕る気持ちでそれだけです」-サイクルリーチだった「もう周りにめっちゃ言われたので、展開的にも、そうですね。打ったらよかったですね(笑い)」-女性ファンに一言「今日だけじゃなくていつも、あたたかい声援本当に届いてます。その時に返せないんですけど、しっかり応えていけるようにこれからも頑張っていきます!」【佐藤輝】-低めのストレートをバックスクリーンへ「いったと思いました!」-どんな意識で打席に「放りこんだるという気持ちで打席にたちました」-スタンドのテルコール「最高です!!」-DeNAとの3連戦の初戦を勝った「絶対に3連勝します。応援、よろしくお願いします!」

◆エースの意地だ! 阪神青柳晃洋投手(29)が投打の大車輪で42日ぶりの2勝目を挙げた。粘りの投球で8回途中3失点。打っては2回に逆転の2点打を放った。3月31日の開幕戦以降白星に見放されたが、阪神の投手では1996年(平8)の川尻哲郎以来27年ぶりの勝利投手&逆転V打で大貢献。チームはDeNAとの首位攻防第1ラウンドを制して1ゲーム差に迫り、13日も勝てば同率で3週間ぶりの首位に返り咲く。阪神青柳が8回途中3失点に抑え、打っては2回に自ら逆転打を放って今季2勝目を挙げた。阪神投手のV打&白星は22年6月2日西武戦(甲子園)のガンケル以来だが、逆転V打&勝ち投手は、96年7月3日中日戦(甲子園)での川尻哲郎以来、約27年ぶりだ。この試合で川尻は今回の青柳と同じく1回に先制点を許したが、2回2死満塁の好機に中日先発の内藤尚行から左前に逆転の2点タイムリー。続く和田豊にも適時打が出て、内藤をKOした。波に乗った川尻は7回途中2失点。6-2で快勝し、5勝目を挙げた。

◆幻弾からの本物弾だ! 阪神佐藤輝明内野手(24)が、"打ち直し"でバックスクリーンに中押しの5号ソロを運んだ。3点リードの3回1死の第2打席。今永の2球目、146キロをたたいた飛球は浜風に流され、左翼ポール際への大ファウルに。あと数メートルで本塁打という幻アーチになった。それでも仕切り直して集中力はマックス。カウント2-2から低めにきた146キロに少し泳がされたが、ライナー性の弾道でバックスクリーンへ運んだ。「いや~あれ(ファウル)も入って欲しかったんですけどね。でも、切り替えて日本を代表する投手から打てたのでよかったです」4試合16打席ぶり、チームトップの豪快5号アーチに会心だ。昨季は、甲子園でバックスクリーン弾を打った選手に賞金100万円が贈られたが、今季からその企画がなくなっていた。本人も「勘違いしてました(笑い)。残念です」と幻に終わった100万円弾を笑った。エース今永にもリベンジした。昨季の対戦は12打席で2安打。対戦打率は1割8分2厘だったが、2回にも右前打を放つなど、この日だけで2安打。アーチも初めてだった。「四球も今日、1つ選びましたし、どんどん状態上げていければ」と3出塁に好感触だ。交流戦前ラストのDeNAとの首位攻防3連戦初戦で、付加価値の高い活躍で勝利に貢献した。岡田監督は「今日もだいぶ打撃コーチに言うたよ。あまりにも悪かったからな。打つ前にだいぶ修正はしてたみたい」と苦笑い。それでも「あの追加点も大きかったよ、はっきり言うて」と賛辞を惜しまなかった。「だからねえ、そんな力いっぱい振らなくても芯に当たれば飛んでいく、そういう感覚をつかんでくれたら」とハッパもかけた。今回の3連戦は女性ファン向けイベント「TORACO DAY」として開催。お立ち台では「放りこんだる気持ちで打席に立ちました! 絶対に3連勝します!」とおとこ気あふれる言葉でファンを沸かせた。「すごい声援を感じていました。甲子園で打ててよかった」。かっこ良すぎる活躍で、甲子園に黄色い歓声を響かせた。【三宅ひとみ】

◆エースの意地だ! 阪神青柳晃洋投手(29)が投打の大車輪で42日ぶりの2勝目を挙げた。粘りの投球で8回途中3失点。打っては2回に逆転の2点打を放った。3月31日の開幕戦以降白星に見放されたが、阪神の投手では1996年(平8)の川尻哲郎以来27年ぶりの勝利投手&逆転V打で大貢献。チームはDeNAとの首位攻防第1ラウンドを制して1ゲーム差に迫り、13日も勝てば同率で3週間ぶりの首位に返り咲く。青柳は投球練習中に「声を出す」ことを大切にしている。キャンプでは「高さ、(コースの)ラインは間違えないように」など、誰よりも声を出していた。「いいボールは何が良かったのか、悪いボールは何でダメだったか、簡潔に口に出すことによって意識もできるし、理解もしやすくなる。自分のしゃべったことを覚えて、『いい』を増やしていけるように」という意識付けだ。先発ローテに定着する前の18年ごろから取り組み始め、成長につなげてきた。今季は開幕白星から勝ち星が遠のいたが「声を出す」方法は継続し、フォームなどの修正も重ねながら復活星に結びつけた。今年1月に静岡・沼津市内で実施した合同自主トレでは村上、岡留らにも「声を出す」ことの重要性を伝えた。自身の成功体験をチームに落とし込み、底上げにも尽力している。【阪神担当=古財稜明】

◆12日の阪神-DeNA6回戦が行われた甲子園で、ファン同士の温かいシーンが見られた。三塁側のアルプス席に飛び込んだファウルボールをキャッチしたファンが、近くの子どものファンにボールを手渡し、周囲のファンから大きな拍手が起こった。この日の試合前練習でも、DeNAの選手からスタンドに投げ込まれたボールを阪神ファンの子どもがキャッチしたが、DeNAファンの子どもにプレゼントするシーンが見られた。

◆DeNAロバート・ガゼルマン投手(29)が、6四死球と自滅し、4回途中5失点でKOされた。ソトの適時打で先制した直後の3回、1ストライクから木浪へ死球。投手の大竹には四球を与えると、近本には同点の適時打を浴びた。1度狂った歯車は戻らず、ミスが連鎖。この回3四死球、三塁宮崎の適時失策も絡み、わずか2安打で4点を奪われた。立ち直りを期待された4回も、先頭の木浪に四球、2死三塁から中野にも四球を与え、三浦監督から降板を告げられた。序盤から雨の中での登板で、しきりに足場を確認する姿が見られたが、制球もリズムも悪く、いつものガゼルマンではなかった。

◆阪神・浜地真澄投手(24)が1軍に合流した。この後、出場選手登録される予定だ。 昨季中継ぎとしてキャリアハイの52試合に登板し、1勝3敗、21ホールド、防御率1・14とブレーク。今季も開幕を1軍で迎え、ブルペンの一角として期待されていたが、5試合で1勝1敗、1ホールド、同14・54と振るわず、4月12日に登録抹消。以降はファームで6試合に登板し、無失点と好投していた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は青柳晃洋投手(29)が開幕戦以来の2勝目を懸けて先発する。エースとして開幕投手を勝ち取った今季だが、4月14日のDeNA戦(横浜)から3連敗中。「ずっとチームに貢献できていないので、チームへの貢献が一番」と意気込んだ背番号17が巻き返しを図る。

◆開幕から4戦4勝の阪神・大竹耕太郎投手(27)が13日の7回戦に先発する。両リーグ単独トップの5勝目をかけての登板になり、「何勝してるとか何イニング投げてるかを考えると集中力が切れたりするので、目の前の一球一球をちゃんと投げるだけ」と力を込めた。登板予定日に雨が多く、13日も雨予報。「(雨を)プラスに考えて投げるしかない」と慣れた調子で話した。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(29)は一回に1点を失った。先頭の佐野を四球で歩かせると、続く京田の遊ゴロの間に進塁し1死二塁。ここで3番・神里に中前適時打を浴び、1点先制を許した。牧にも右前打でつながれて一、三塁となおもピンチを背負ったが、桑原と関根を続けて一ゴロで打ち取り切り抜けた。3連敗中の青柳は、これで3試合続けて一回に失点する苦しい立ち上がりとなった。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が二回、好返球で先発の青柳を助けた。無死一塁でDeNA・林が放った打球は佐藤輝のグラブをかすめて三塁線へ。ノイジーは素早く打球に追いつき、三塁を狙う走者の戸柱を見て三塁へ返球した。送球は三塁ベースからやや逸れたが、佐藤輝がうまくさばいてタッチアウト。青柳はこの回を無失点で切り抜けると、ベンチへ引き揚げてくるノイジーを待ち構えて拍手を送り、ハイタッチでたたえた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が0-1の二回、3試合ぶりとなる安打を放った。この回の先頭で打席を迎え、DeNAの先発・今永が6球目に投じたスライダーを捉えた。右前に落ちる当たりで、9日のヤクルト戦(甲子園)以来3試合、9打席ぶりの安打を記録した。打線は続くミエセスが捕ゴロに倒れ、佐藤輝は二塁へ進塁。続く梅野が空振り三振に倒れると、絶好調の木浪が申告敬遠。一、二塁で打席に入った青柳が三塁線へ2点二塁打を放ち、逆転に成功した。

◆阪神・青柳晃洋投手(29)が0-1の二回、左翼線へ逆転の2点適時二塁打を放った。この回先頭の佐藤輝が右前打で出塁し、2死から木浪が申告敬遠で歩かされて一、二塁で迎えた青柳のこの日最初の打席。DeNAの先発・今永の2球目ストレートにフルスイングで合わせ、打球を三塁線へ運んだ。走者2人が生還し、青柳はガッツポーズ。先発で一回に1点を失った背番号17が、自らのバットで取り返した。続く近本の当たりは左翼への平凡な飛球だったが、左翼手が見失って打球はポトリと落ちる適時二塁打に。中野も中前適時打で続き、この回一挙4得点を奪った。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が4-1の三回、バックスクリーンへ5号ソロ本塁打を放った。DeNAの先発・今永と2打席目の対戦。2球で追い込まれたが、粘って7球目の直球を泳ぎながら捉えた。打球は一直線に中堅バックスクリーンへ。5日の広島戦(マツダ)以来となる1発で、甲子園のボルテージは最高潮に高まった。佐藤輝は第1打席で9打席ぶりの安打となる右前打。文句なしの一発で調子を上げてきた。

◆阪神・近本光司外野手(28)が四回、右中間へ三塁打を放った。DeNAの先発・今永の5球目を捉えると、打球は中堅手が飛び込むも届かない右中間を抜けた。近本は快速を生かして悠々三塁へ到達。一回の中前打、二回の左翼への二塁打に続いて四回で早くも猛打賞を記録し、試合の中盤ながら本塁打を放てばサイクル安打というところまで近づいた。

◆阪神の先発・青柳晃洋投手(29)は八回途中3失点で、勝ち投手の権利を持ってマウンドを降りた。一回に四球と安打2本で1点を失ったが、以降は立ち直った。二回はノイジーの好返球で進塁を防ぎ、三回は近本がダイビングキャッチで捕球するなどバックも盛り立て、スコアボードに0を並べる。六回は先頭の牧に左前打を許したが、後続を併殺で断ってピンチの芽を摘んだ。八回は先頭の佐野、続く京田に連打を許し無死一、二塁とされるも、先制打を浴びた神里を中飛に打ち取ったところで降板。マウンドを託された2番手・加治屋は牧に初球を捉えられて左翼へ適時二塁打を許し、続く桑原の遊ゴロの間にも三走が生還して2点を失ったものの、逆転は許さなかった。開幕投手を務めた背番号17はこの試合まで3連敗中だったが、DeNAとの首位攻防戦で意地の投球を見た。

◆小さないびつから生まれた悪循環を断ち切れなかった。DeNAのエース、今永昇太投手(29)は阪神・青柳とのマッチアップで序盤に大量失点。4回7安打5失点と精彩を欠いて降板した。「ボールの質がよくなかった部分もありますし、そこはしっかり見直して調整してきました。リリースに持っていくまでのところで少し微調整をして、自分の思っているいい質の球がいくように調整してきました」と話していた左腕。前回登板だった5日のヤクルト戦(神宮)で3被弾し、5回4失点。開幕から無失点を続けてきたが、16イニングでストップした試合だった。この日は一回こそ無失点の立ち上がりも、1―0の二回は2死一、二塁から青柳に三塁線を破られる2点二塁打を浴びると、続く近本には左翼へ適時二塁打。さらに中野の打ち取った飛球を左翼・関根が見失い、左前適時打となる不運もあった。1―4の三回には佐藤輝に低めの直球をバックスクリーンまで運ばれた。調整には手応えを示していただけにマウンドで何度も首を傾けた。チームにとってもいびつが大きくなりつつある。開幕4連敗以降は、白星を重ね首位を快走していたが前カードの巨人戦で約1カ月ぶりの連敗を喫し、11カードぶりの負け越しとなった。エースとして負の連鎖を止めたい一戦だったが、五回からはベンチで戦況を見守った。序盤の大量失点は重かった。打線は八回に2点を返したが反撃もそこまで。今永は今季初黒星(2勝1敗)。チームは3連敗となり、2位阪神に1ゲーム差に迫られた。

◆阪神は逆転勝利で2連勝を飾った。 先発した青柳晃洋投手(29)は、一回に1点を失う立ち上がり。自身3連敗中でこの日も先に失点したが、二回以降は立ち直った。二回にはノイジーが好返球で進塁を阻止し、三回は近本が中堅への当たりをダイビングキャッチするなどバックも盛り立て、7回まで1失点。八回1死一、二塁としたところで降板し、2番手の加治屋は適時打などでランナー2人の生還を許したものの、リードを保って九回へ。最後は岩崎が無失点で試合を締めた。 打線は二回2死一、二塁で青柳が三塁線を破る2点二塁打。失点を自らのバットで取り返すと、続く近本、中野にも適時打が出てこの回4点を奪う。三回には佐藤輝明内野手(24)がバックスクリーンへ5号ソロ本塁打。六回にも1点を追加し、さらにリードを広げて快勝となった。 青柳は3月31日のDeNA戦(京セラ)以来となる2勝目。首位DeNAを直接下し、1ゲーム差に迫った。

◆阪神・青柳晃洋投手(29)が自身の連敗を「3」で止め、3月31日のDeNAとの開幕戦(京セラ)以来の白星を飾った。一回に先制を許したが二回2死一、二塁で左翼線を破る2点二塁打で逆転。自らのバットで立ち直り、7回1/3を投げ3失点で2勝目を挙げた。打線は佐藤輝明内野手(24)が三回、5日の広島(マツダ)以来となる5号ソロを放った。11日のヤクルト戦(甲子園)でプロ初勝利を挙げた石井大智投手(25)が抹消となり、浜地真澄投手(24)が昇格した。指揮官生活9年目で通算599勝とし、首位DeNAと1差に迫った岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=18勝13敗1分、観衆=3万9010人)。ーー青柳への助言は二回くらいに「サイン見てセットでバッターに間を作ってしまう。長いこと持つことが必要な時もあるかもわからんけどな。ポンポンストライクいけば、いいけど。ボールボールなると、重苦しいムードになる。ほんでカウントも悪くなるのがあったから。それで二回ベンチでね、三回からそういうふうに投げろと、バッターに考える時間を与えるな、みたいな感じで言うとったんやけどな」ーーそれでリズムに乗っていける部分もあった「そうそうそう。元々コース狙うんじゃなしに、ストライクを投げ込んでいくタイプやから。それにコントロールつけば一番いいんだけど。今の調子から求めるのは無理だから。自分のテンポでストライク投げ込んでいくスタイルを、もう一回思い出さなアカンわな。いやノイジーのアウト(二回無死一塁からの左翼線安打に一走の三進を阻止)がなかったら、もう二回で危なかったよ。はっきり言って」ーー1、2番の当たりが出ると「1、2番というか、近本もヒット出る時はあるけど、3割くらい打ってるバッターだし、四球入れたらもっと出塁するわけやから。だいぶスタートも切れるようになってきたしな、走るとリズム出るんじゃないかな(一回に二盗成功)」ーースタート切れなかった「ずっとよ。そんなん。スチールを止めたことないよ」ーー佐藤輝もすごい当たりだった「あの追加点も大きかったよ、はっきり言うて、あの振り逃げ(六回、ノイジーの振り逃げで6点目追加)も大きかったけど、いい追加点やったよな」ーー佐藤輝の次の打席の四球も良かった「今日もバッティングコーチに言うたよ。あまりにも悪かったからな。打つ前に修正はしてたみたいやけどな」ーー引っ張れと「最後のファーストゴロが一番良かったな。右バッターが今日は差し込まれて、何本あった? ライトのポップフライというか、遅れ気味にバットこすったような当たりな。あれはポイント差されてるからリストが返らんよな。真っすぐ、変化球、両方ともな。ミエセスにしても、あんなん強引にガーンといけばいいけど。そのポイントにならないんやろうな。だからバット滑ってしまうんよな。力のないライトフライになるよな、右バッターはな。そこがもうちょっとやな。あれがガンといけたらな」ーー11日は大きい勝利と。その流れが「そら昨日の流れはあると思うよ。まして今日先に点取られて。青柳もあんまり良くないイメージを守ってても持つよな。今日の立ち上がりみたらな。青柳が自分で打ちよったからエエやん」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(54)は阪神の八回の継投に言及した。青柳晃洋投手(29)の交代は遅く、加治屋蓮投手(31)の投入は早いと指摘。根拠のある投手起用をベンチに求めた。立ち上がりの青柳は今までと同様、間合いが長く、恐る恐るの投球は変わっていなかった。丁寧に投げているつもりかもしれないが、丁寧と恐る恐るは意味が違う。変化が見えたのは二回に逆転してから。一気に4点を奪ったことでDeNA打線が積極的に打つしかなくなってしまった。三回の近本の好守も大きかった。守備も助けられて投げているうちに、テンポがよくなっていった。以前の登板で「調子が悪くてもハッタリをかませ」と激励したが、その投球はできていた。勝ち星を手にできたことは大きい。疑問に感じたのは交代のタイミングだ。個人的には青柳は六回で交代しても良かったと思うが、七回が下位打線だったので、そこまで引っ張るのは理解できる。だが長いシーズンを考えれば、八回は頭から加治屋だろう。青柳がピンチを招いて加治屋を投入したが、2点を失った。この結果、自責は「計3点」となった。八回の打者3人に投じた14球も、余計な球数を増やしたことになる。加治屋投入のタイミングも「?」だ。青柳を引っ張ったのなら、牧の場面も続投すべき。打たれたら、ホールドシチュエーションになって加治屋だ。青柳交代は遅かったが、加治屋の交代は早かった。ベンチは投手交代のタイミングを明確にすべき。そして根拠が必要。それがセーブシチュエーションであり、ホールドシチュエーションだと思っている。基準がしっかりしていれば、交代させられる投手も、出ていく投手も納得する。「さじ加減」で交代を続けると、投手の方が戸惑う。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が三回に5号ソロ本塁打を放った。右腕だけで振り抜いた打球は、力強い弾道を描いてバックスクリーンへ吸い込まれた。「TORACO DAY」に駆け付けた女性ファンの歓声を独り占めしながらダイヤモンドを一周。勝利を決定づけるダメ押し弾で首位DeNA撃破に貢献した。「『ほうり込んだる』という気持ちで打席に立ちました」お立ち台では長距離砲らしいコメントでTORACOをわかせた。試合後は「狙ってはないですけど、いい当たり打てたんでよかった」と冷静に振り返った佐藤輝が女性ファンのハートをわしづかみにしたのは、4-1の三回1死走者なし。DeNA先発・今永の見逃せばボールかという真ん中低め147キロ直球を捉え、打球速度167キロ、打球角度20度というライナー性の123メートル弾。5日の広島戦(マツダ)以来4試合ぶりとなる5号ソロで突き放した。二回先頭でも右前打を放って逆転につなげ、2安打1打点で7試合ぶりの複数安打もマークした。この日はTORACOの応募で登場曲が決まり、関ジャニ∞の「前向きスクリーム!」が打席で流れた。4月は打率1割台と苦しんだが、前だけを見てバットを振ってきた佐藤輝にはピッタリの選曲だ。「(曲は)いいんじゃないすか」と、ファンの期待に応える一発だった。

◆阪神・ノイジーが左翼守備で青柳を救った。0-1の二回無死一塁で林の三塁線を破った打球をフェンス際で処理すると、三塁へノーバウンド送球。一走の戸柱をアウトに仕留めた。「ランナーが走ってきたので、アウトにしてチームを助けようと思った」。好プレーがその裏の逆転劇へつながった。岡田監督は「ノイジーのアウトがなかったら(青柳は)もう二回で危なかったよ」とたたえた。

◆DeNAは今季2度目となる3連敗。先発した今永昇太投手(29)が4回7安打5失点と精彩を欠き、今季初黒星。昨季は全21登板で5回以上を投げたが、25登板ぶりに五回に到達できなかった。「やっぱり、投手に打たれるとこういう展開になってしまう。あれは野手の一人と思って投げたつもりでしたが、あそこで打たれちゃ、駄目でした」阪神のエース青柳とのマッチアップで序盤の大量失点は重かった。1―0の二回2死一、二塁で青柳に三塁線を破られる2点二塁打で逆転されると、続く近本には左翼へ適時二塁打。さらに中野を打ち取った飛球を左翼手・関根が見失い、左前適時打となる不運もあった。三回には佐藤輝に低めの直球をバックスクリーンまで運ばれた。5月5日の前回登板が3被弾4失点。球質の改善に手応えを示し「直球の走りは悪くはなかった。なかなか決着がつかない打者が多くて、甘くなったところを打たれてしまった」と粘り切れなかった投球を潔く認めた。(横山尚杜)

◆フラフラと上がった白球が、左翼手の目前で消えた。打ち取られたかに見えた阪神・近本の当たりは静かに芝生に落ち、貴重な3点目を加える適時二塁打。望外の結果で先発の青柳を助けた。「ただただ、神様ありがとうという感じ」青柳の2点適時二塁打で逆転した直後の二回2死二塁。今永のスライダーに体勢を崩されたが、高く上がった打球を関根が見失った。見方によっては幸運な一打だが、近本はこの結果から教訓も得ていた。「薄暮の時間なので、ボールを見失うことがある。『ラッキーだ』じゃなくて、僕もその立場になる」。その直後、守備でも青柳を救うビッグプレーを見せた。三回2死一塁で桑原の当たりは、ライナーで自身の右手前へ。打球が飛んだ瞬間にスタートを切り、足を折りたたみながら滑り込んで右手を伸ばした。寸分の狂いもない処理でダイビングキャッチ。こともなげにベンチへ戻る背番号5を、大きな拍手が包んだ。一回に中前打、四回に右中間へ三塁打を放って試合中盤でサイクル安打にリーチ。六回の第4打席からは「ホームラン、ホームラン、近本」と声援が飛んだ。以降は二失、三ゴロで偉業達成はならなかったが「ホームランコールなんてそんなにない。しっかり聞いていました」と声援をかみしめた。これから何度でも、虎党に喜びを届けてみせる。(邨田直人)

◆阪神は首位DeNAに6-3で快勝し、1ゲーム差に迫った。先発の青柳晃洋投手(29)が八回途中3失点と粘投。二回には自ら逆転2点二塁打を放ち、開幕戦以来の2勝目を挙げた。貯金を今季最多タイの5とし、13日もDeNAに勝てば、4月22日以来21日ぶりに首位に並ぶ。マウンドを降りるときに耳にしたファンからの大きな拍手で少しだけ肩の荷が軽くなった。苦しかった1カ月半に終止符を打てるのは自分自身以外にいなかった。青柳は投げては八回途中まで力投し、打っては逆転打を放つ二刀流の活躍で復活星をもぎ取った。「ある程度ボール自体はよかったと思うので、そうですね、いい感じで投げられたかな」一回は先頭の佐野に許した四球から1死二塁のピンチを招き、神里の中前打であっさりと先制点を献上。「本当に緊張していた。また失点してしまってどうしようと思った」と不安に駆られたが、それを振り払ったのもまた、青柳だった。二回2死一、二塁で打席に立つと、同学年の相手エース今永の低めの直球を迷わず振り抜き、三塁線を破った。「チームに貢献したい一心で振ったらいいところに飛んでくれた」。逆転の2点二塁打で打線に火をつけると、その後も連続でタイムリーが飛び出してリードが広がった。

◆TORACOの期待に応える快音が響く。阪神・中野の貴重な2安打が勝利を大きく手繰り寄せた。「いい流れで自分につながったので、なんとか自分もその流れに乗りたいなという気持ちではあった。しっかりとタイムリーを打つことができてよかった」二回は青柳&近本の連続適時打に続き、今永のチェンジアップをとらえる中前適時打で4点目をもたらす。六回にも上茶谷から左前打を放って6点目につなげた。女性人気を反映するかのように「TORACO DAY」限定の登場曲は中野だけなんと4曲も。1打席ごとに曲が変わる。山形県出身にちなんだ大塚愛「さくらんぼ」などポップなメロディーが甲子園を明るく包み、「楽しんでいただけたかなと思います」とはにかんだ。今季11度目のマルチ安打で気分も上々。走攻守でTORACOをトリコにする。(須藤佳裕)

◆阪神・岩崎が3点リードの九回を締め、2夜連続の3セーブ目を挙げた。戸柱と代打・大和を連続で内野ゴロに仕留めると、代打・大田はチェンジアップを振らせて空振り三振。わずか10球で役目を果たし、左拳を握った。4月8、9日のヤクルト戦(甲子園)以来の連投にも「一年間やっていたら(登板が)続くこともあるので」とサラリ。8試合連続無失点と安定感は抜群だ。

◆新聞記者が何でも知っていると思われても困る。試合開始直前の甲子園。ファーストピッチセレモニーが行われた。グラウンドに出ていく前に通路で〝発声練習〟を行っている3人組が。--どれがベリーグッドマンや?ボソッとつぶやいたら、隣にいたトラ番サブキャップ・新里公章が即答した。「3人とも、です」その隣にいたD社とH社のトラ番キャップに大爆笑されてしまった。お恥ずかしい。でも、知らないものは知らない。ベリーグッドマンが〝始球式〟に登場するのは知っていたし、聴けば知っている曲もある。中野選手が入場曲にしていることも理解している。ただ、顔と名前が一致していなかった。有名な3人組の囲み取材をしている新里の後ろから、彼らの顔をこの目に焼き付けた。いくつになっても、何事も勉強だ。先日、2軍戦の取材で甲子園に出向いたが、これまた顔と名前が一致していない選手の多いこと。コロナ禍で鳴尾浜球場の取材制限が長く続いていたため、2軍の取材が難しかったこともある。この点に関しては、「何でも知っているわけではない」と言い張るわけにはいかない。阪神の取材に携わる記者として猛省だ。そんな〝お恥ずかしいヤツ〟にトラ番・織原祥平が教えてくれた。「鳴尾浜球場から、道路を挟んだ向かい側のグラウンドへ行く選手たちを待っているファンが増えてきています。プレゼントを手渡すファンもかなり増えてきています」選手とファンの交流が復活しているらしい。いいことだ。

◆ワッショイ!! ワッショイ! 青柳祭りだ!! エースの復活を告げる2勝目&ハマのエース今永をマウンドに沈める逆転2点2ベースに、普段は雨ヤギさんだけど、本日はスカッと晴れた晴れヤギさんとなりましたー!!試合前の俺は今季不調の青柳がここまで1勝3敗、防御率は昨年最優秀防御率のタイトルに輝いた(2・05)投手とは思えない4・85。一方の今永は今季絶好調で2勝0敗、防御率1・80。先発を比べて『ちびまる子ちゃん』の野口さんの100倍くらい暗い表情をしていたのだ...。ところが野球って摩訶(まか)不思議な~り!? よもや絶好調の今永が『きつねにつままれる』ならぬ『虎につままれる』となるとはいったい誰が予想したであろう?二回2死二塁から当たっている8番・木浪を申告敬遠はごく当たり前の話、ところが次の青柳に会心の逆転2ベース!! さらに近本を打ち取ったと思ったら薄暮で打球を見失うポテンタイムリー! おまけに三回低めのボール球を佐藤輝にバックスクリーンに運ばれた!! こよいの今永は?????だろうなあ...。マグレ(?)も実力、虎強し!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
19120 0.613
(↓0.02)
-
(-)
112121
(+3)
110
(+6)
29
(-)
7
(-)
0.258
(↓0.001)
3.290
(↓0.07)
2
(-)
阪神
18131 0.581
(↑0.014)
1
(↑1)
111111
(+6)
89
(+3)
16
(+1)
17
(+1)
0.240
(↑0.001
2.590
(↓0.01)
3
(-)
広島
17150 0.531
(↑0.015)
2.5
(↑1)
111107
(+9)
93
(+4)
24
(+2)
10
(-)
0.250
(-)
2.660
(↓0.03)
4
(-)
ヤクルト
15181 0.455
(↓0.014)
5
(-)
109109
(+1)
129
(+7)
28
(-)
25
(-)
0.224
(-)
3.550
(↓0.08)
5
(-)
巨人
15190 0.441
(↓0.014)
5.5
(-)
109126
(+4)
146
(+9)
38
(+2)
6
(-)
0.250
(-)
4.200
(↓0.14)
6
(-)
中日
13200 0.394
(↑0.019)
7
(↑1)
11089
(+7)
96
(+1)
7
(+1)
9
(+2)
0.244
(↑0.001)
2.520
(↑0.08)