楽天(☆5対1★)ロッテ =リーグ戦3回戦(2023.05.02)・楽天モバイルパーク宮城=
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ロッテ
0001000001801
楽天
20001002X51000
勝利投手:岸 孝之(1勝1敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(1勝0敗5S))
敗戦投手:西野 勇士(3勝1敗0S)

本塁打
【ロッテ】ポランコ(2号・4回表ソロ)

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◆楽天は初回、島内と岡島の連続適時打で幸先良く2点を先制する。2-1で迎えた5回裏には、無死三塁の好機から炭谷が適時打を放ち、リードを広げた。投げては、先発・岸が8回1失点の快投で今季初勝利。敗れたロッテは、打線が8安打で1得点とつながりを欠いた。

◆楽天岸孝之投手(38)が史上51人目の通算150勝に到達した。ロッテ打線を8回6安打1失点に抑え、今季登板4試合目で初勝利(1敗)を挙げた。「最後まで投げたかったですけど、良かったです勝ったんで。(バッテリーを組んだ炭谷と)100勝、150勝と、まさか銀と組んで達成できると思ってなかったので、うれしいです」と笑顔を見せた。地元仙台での勝利に「最高です」と言うと、球場中に大きな声援が沸き起こった。雪辱のマウンドだった。「前回のやられっぷりは頭に残ってますからね。何とか、ああいう形にだけはならないようにと思ってやります」。脳裏にこびり付いているのは、今季初登板だった4月9日のZOZOマリン。7安打6失点と打ち込まれ、2回でKOされた。前回とは条件が違う。ホームグラウンドで、今季初のカード頭。過去3試合はデーゲームだったが、ナイターになった。「ゆっくり眠れる。寝る時間をあんまり気にしなくていいのがいい」。コンディションも整えて、本拠地の夜に臨んだ。丁寧に低めに集めた。1回2死一、三塁。前回対戦で2打数2安打3打点とやられた安田を、143キロの直球で左飛に打ち取って立ち上がりのピンチをしのいだ。3回2死一、二塁ではチェンジアップ、カーブの後の直球で4番井上を空振り三振に切った。前回、前々回は勝利投手の権利を手にして降板しながら、追いつかれた。昨季9月11日のロッテ戦で通算150勝に王手をかけてから、年をまたいで5試合目。ロースコアで粘り、終盤までマウンドを守った。▽楽天石井監督(現役時代から付き合いの長い岸の150勝に)「去年からプレゼント用意してたんですけど。彼は細いけどたくましい。同志ですし、親友でもある。僕が(現役を)やめた年齢くらいで、まだ一線で頑張っている姿を見ると、リスペクトです」通算150勝=岸(楽天) 2日のロッテ3回戦(楽天モバイルパーク)で今季初勝利を挙げて達成。プロ野球51人目。初勝利は西武時代の07年4月6日オリックス1回戦(京セラドーム大阪)。38歳4カ月での達成は(1)和田毅=41歳7カ月(2)佐藤義則=39歳7カ月(3)三浦大輔=38歳6カ月に次ぎ、高橋直樹=38歳4カ月に並ぶ年長4位。ロッテ戦は通算30勝目となり、日本ハム戦の26勝を上回る最多勝利カードでマークした。現役のNPB通算150勝以上は岸の他に石川雅規(ヤクルト)183勝、涌井秀章(中日)155勝、和田毅(ソフトバンク)152勝の3人。

◆楽天岸孝之投手(38)が史上51人目の通算150勝を達成した。ロッテ打線を8回6安打1失点に抑え、今季登板4試合目で初勝利(1敗)を挙げた。試合後のお立ち台では、西武時代からバッテリーを組む女房役の炭谷銀仁朗捕手(35)との軽妙なトークで盛り上げた。「100勝、150勝と、まさか銀と組んで達成できると思ってなかったので、うれしいです」と言いつつ、2本の適時打で2打点の打撃について問われると「銀もバットを持っているんで、振ったらたまには当たるんで」と球場の笑いを誘った。炭谷も「バット持ってるんで、何が起こるか分からないので、打てて良かったです」と応じ、さらに笑いが起きた。最後は「この状況で僕の話はいいと思うんで、ひと言だけ。岸さんも今年39歳になりますけど、まだまだ進化していきます。200勝目指して頑張ってください!」と呼びかけた。

◆ロッテは開幕3連戦以来の3連敗を喫し、首位から陥落した。13年ぶりに4月を首位で発進したが、打線がチャンスに決定打を欠き、ポランコの今季2号ソロの1点のみ。吉井監督は「(1番平沢)大河も初回に見逃しで2ストライクだったり、入り方が弱く感じた。今までやってきたように、もっと積極的に振ってほしい」と打撃陣に求めた。1軍昇格即先発起用した和田に関しては、次戦もスタメンで使う意向を示した。▽ロッテ西野(5回7安打3失点で無傷の4連勝ならず)「先制されてしまい苦しい展開になってしまいました。なんとか粘りたかったですが悔しいです」▽ロッテ和田(1軍昇格即先発でセーフティーバントなどの工夫も出塁ならず)「とにかく塁に出たいと思っていましたが、まだまだ自分のレベルが足りないなと感じました」▽ロッテ・ポランコ(1本塁打を含む新加入後初の猛打賞)「(ホームランを)打ったのはストレート。1打席目少し開いてしまったので修正して打つことができた。いい感じで打てた」

◆ロッテが開幕3連戦以来となる3連敗を喫し、首位から陥落した。打線は1回2死一、三塁、3回にも2死一、二塁の好機をつくったが、あと1本が出なかった。4回にはグレゴリー・ポランコ外野手(31)が今季2号となる特大右越えソロを放ち反撃の雰囲気を高めたものの、先発の西野勇士投手(32)が5回に3点目を与え、突き放された。1-5で迎えた9回も1死満塁のチャンスを得たが、角中勝也外野手(35)、岡大海外野手(31)の連続代打が凡退した。吉井理人監督は「(1番平沢)大河も初回に見逃しでいきなり2ストライクだったり、入り方が弱く感じたので、今までやってきたように、もっと積極的に振ってほしいと思っています」。10年以来13年ぶりに4月首位だった原動力となっていた積極性を再度求めた。今季3戦3勝だった西野は5回7安打3失点で降板。指揮官は「立ち上がりはちょっと慎重になりすぎて点を取られちゃったので、もっと積極的に攻めていってほしかった。あとは本当に粘ってくれたと思います」と及第点は与えた。【鎌田直秀】

◆ロッテのグレゴリー・ポランコ外野手(31)が「7番DH」で先発出場し、巨人から加入後初の猛打賞だ。4回2死の第2打席で、楽天岸の139キロ直球を捉え、右翼席上段に今季2号ソロ。7回先頭では右前打を放ち、9回1死一塁の第4打席でも右翼線に二塁打で好機を広げたが、逆転劇にはつながらなかった。ポランコは「(ホームランを)打ったのはストレート。1打席目少し開いてしまったので修正して打つことができた。いい感じで打てた」と笑顔。吉井理人監督(58)も「気分は良いと思う」と今後のさらなる活躍にも期待した。

◆ロッテの和田康士朗外野手(24)が今季1軍初昇格し、いきなり「9番左翼」でスタメンに抜てきされた。3回先頭での第1打席は、楽天岸の125キロチェンジアップに空振り三振。だが、3スイングする積極性は見せた。5回の第2打席では試みたセーフティーバントが投前に転がりアウトにはなったが、21年に盗塁王に輝いた足を生かす工夫も凝らした。3打数無安打に終わった和田は「とにかく塁に出たいとは思っていましたが、まだまだ自分のレベルが足りないなと感じました」と悔しい表情でバスに乗り込んだ。吉井理人監督(58)は「積極的に振ってくれた。2軍でやってきたことは、たぶん出来なかったと思うんですけれど、初めなので。2打席目も自分で考えてセーフティーバントとかやってくれた」と評価。「もう1回、明日スタメンでいこうと思います」と期待を寄せた。【鎌田直秀】

◆楽天炭谷銀仁朗捕手が攻守で岸の150勝をアシストした。1点リードの5回無死三塁、ロッテ西野から左前適時打で3点目を追加。8回2死二塁では、唐川から三塁強襲の左前打を放ってリードを4点に広げた。「150勝に、今季入ってから4試合もかかってしまった。早いうちに達成させてあげたい思いがありました」。前回、前々回は消えてしまった岸の勝利投手の権利を、守り切った。二人三脚と言っても過言でないほど、一緒に歩んできた。西武時代、自身が通算1000試合出場を達成した16年8月16日に、岸は通算100勝を達成。互いに球団を移っても、変わらず最高の相棒として支えている。「今年、僕も36ですし、岸さんも39になる。1年でも長く、2人でやりたいっすね」。岸から「銀もバット持ってるんでね。振ったらそりゃ、たまには当たる」と言われれば、「はい、バット持ってるんでね」と応酬。お立ち台でも息の合った絡みを見せた。

◆楽天岸孝之投手(38)が史上51人目の通算150勝に到達した。ロッテ打線を8回6安打1失点に抑え、今季登板4試合目で初勝利(1敗)を挙げた。17年目で到達した150勝に、岸は足跡を重ねた。「自分がこんなに勝てるとは思ってなかった。教えてあげたいですね、昔の自分に」。巡り合わせか、生まれ育った仙台で達成した。地元のファンが喜んでくれている。「最高ですよ」。ずっと見ていたい景色が広がっていた。丁寧に低めに集めた。雪辱のマウンドだった。「前回のやられっぷりは頭に残ってますからね」。脳裏にこびり付いているのは4月9日のZOZOマリン。7安打6失点と打ち込まれ、2回でKOされた。やり返した。1回2死一、三塁。前回2打数2安打3打点だった安田を、143キロの直球で左飛に打ち取り流れに乗った。「投げれば打たれていた安田に、打たれなかったのが今日は大きい」。持ち前の緩急で、3打数無安打に封じた。今季4試合目、昨年王手をかけてから数えれば5試合かかった。「みんなにプレッシャーをかけてると思って。だから今日は直接まっちゃん(松井裕)につなげようと頑張りました」。今季最長の8回を投げた。97球。最後まで投げたい気持ちもあったが、勝ったからいい。それがすべてだ。積み上げてきた150個の白星。中でも9年前の1勝は忘れられない。「ノーヒットノーラン。5月2日で今日だったと思います。なんか覚えてますよね、だから何だって話だけど」。20代だった当時に比べれば球速は落ちた。体も変わった。それでも、あうんの呼吸とも言える"愛妻"のリードに支えられてきた。無安打無得点の日も、100勝の日も、そしてこの夜も、マスクをかぶったのは炭谷銀仁朗だった。「200勝目指して頑張ってください」と激励された。「また銀と組んで達成できるとは思ってなかったんで、すごくうれしいです。目標は高く。元気でいられる限りは1つでも多く勝って、目標に近づけたらなと思います」。振り返れば長く歩いた。道はまだ、前に続いている。【鎌田良美】

◆"のびのび野球"が、楽天岸の礎を築いた。仙台市立柳生中から無名の公立校の名取北に入学。選んだ理由は自宅から近く、野球部が丸刈り強制ではないから。当時監督の田野誠氏(51)は「本人も、こちらも『甲子園なんて』という世界の話だった」と振り返る。入学当初の体重は49キロも、食トレの文化が部内になかった。半日で練習が終わると、仲間たちと夕方までサッカーに明け暮れた。練習試合がダブルヘッダーのときには、部員不足で2試合目は中堅手。ときおり笑顔を見せながら、グラウンドを駆け回った。ただ、強豪校と練習試合をしても大崩れはしない。だが、味方の失策や、打ち取った打球が内野の間を抜けて失点し、敗れることが多かった。打たれていないのに点を取られる試合が続いた。それでも顔色一つ変えずに淡々と投げ込んだ。田野元監督は「勝ち負けに固執するという雰囲気も、そもそもあまりない学校。やっていて楽しいというだけだったんじゃないですかね」。純粋に野球を楽しみ、プロで積み重ねた150勝。岸は「勝ちがつくのは難しい」としみじみ語る。節目達成も王手をかけてから5戦かかった。高校時代から知る勝利の難しさ。記録を達成した瞬間の笑顔は、どことなくホッとしたように見えた。【湯本勝大】

◆楽天の先発・岸孝之投手(38)の通算150勝がかかった一戦で、チーム一丸となって右腕をサポートした。1点を先制後の2死二塁、岡島は右翼線に適時二塁打を放ってほえた。「打ったのはスライダー。島内が走って(二盗を成功して)くれたので、何とか返そうと思っていました。鷲が掴む!」西武時代から岸の登板で、多くのマスクをかぶってきた炭谷も五回に左前適時打。「打ててよかったです。150勝」と球団のタイムリー談話を通じてエールを送り、闘志をたぎらせた。八回にも適時打を放った。岸は8回を投げて97球、6安打4三振1失点。味方打線の援護に応えて、試合を作った。ベンチから見守った小山投手コーチは「全体的に低く投球している。岸らしい低く奥行きを使った投球です」と評価した。試合前の時点で、宮城・仙台市出身の右腕は3試合に先発登板し、0勝1敗、防御率6・92。大台到達に向けて、「本拠地で達成したい」と力を込め、楽天モバルパークに詰め掛けたファンを熱狂させた。(広岡浩二)

◆ロッテ・西野勇士投手(32)は今季初黒星(3勝)を喫した。5回で3四球と制球に苦しみ、7安打を浴びて3失点。チームは今季2度目の3連敗で首位から転落となり「先制されて、苦しい展開になってしまった」と悔やんだ。一回につまずいた。1死一、二塁で島内に甘くなったフォークボールを右前へ適時打とされ、続く岡島には右翼線へ適時二塁打を許した。吉井監督は「立ち上がりにちょっと慎重になりすぎて、点を取られた。もっと積極的に攻めてほしかった」と残念がった。

◆楽天・岸孝之投手(38)が先発し、8回6安打4三振1失点で今季初勝利を挙げ、通算150勝を飾った。試合後、報道陣の取材に応じた、石井一久監督(49)の一問一答は以下の通り。--岸の投球について「前回の登板もゲームメークしてくれた。今日は特に長くゲームメークしてくれたので、チームとしてはすごく助かりました」--通算150勝を達成「150勝目(に王手をかけてから)は長くて、去年からプレゼントを用意していたけど、去年のモデルになってしまった。まあまあ高いのを用意した」--岸について「本当に(体は)細いけど、たくましい。チーム一、頼もしい存在として試合に臨んでくれる。若い選手は見習ってほしい」--チームは今季初の3連勝「打線はしっかり仕留めて、いい形で点が取れた。目の前の試合を、チーム一丸となって戦っていきます」

◆通算106勝右腕の楽天・則本昂大投手(32)が、尊敬する岸の通算150勝を記念し、祝福メッセージをサンケイスポーツに寄せた。通算150勝おめでとうございます。岸さんは、投げる球の質、投球術、牽制(けんせい)球、フィールディング、そのすべてが一級品。身のこなしが軽やかで、センスの塊なんです。最近の野球界は球の速い投手が次々と出てきますが、球の切れとなると、球速とはまた別の話です。岸さんの速球は150キロに満たなくても、球速以上に速くみえる。切れがあるから直球を決め球にたくさんの見逃し三振を奪う。多くの投手はあそこまで決めきれないと思います。特殊というか、想像を超える球なんです。ただ、もし僕が岸さんの持ち球から一つをいただけるとしたら、カーブをお願いします。一度、浮いてから大きな軌道を描いて鋭く落ちる。カウントを稼げるし、決め球にもなる。以前に岸さんから投げ方やコツ、握り方を教わったことがありますが、習得できませんでした。あの〝武器〟は憧れますね。投手心理からすると、遅い球を投げるには勇気が必要です。どんどん投げ込む岸さんは、相当な自信があるのでしょう。今は変化球の球種が増えていますが、岸さんは基本的に真っすぐ、カーブ、チェンジアップ、スライダーの4つで結果を残してきたわけだから、すごいの一言しかない。学ぶべきことが多くて、子供、若手選手の貴重なお手本です。もちろん、僕にとっても最高の先輩。これからも岸さんの背中を追いかけて、一緒に優勝をめざします。(東北楽天ゴールデンイーグルス投手)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
15100 0.600
(↑0.017)
-
(-)
11885
(+1)
80
(-)
22
(-)
8
(-)
0.257
(↑0.001)
3.070
(↑0.12)
2
(1↓)
ロッテ
14110 0.560
(↓0.023)
1
(↓1)
11881
(+1)
74
(+5)
12
(+1)
7
(-)
0.227
(↑0.001
2.870
(↓0.11)
3
(-)
ソフトバンク
12110 0.522
(↓0.023)
2
(↓1)
12073
(-)
68
(+1)
11
(-)
11
(-)
0.236
(↓0.003)
2.790
(↑0.08)
4
(-)
西武
13120 0.520
(↓0.022)
2
(↓1)
11888
(+1)
78
(+7)
22
(-)
19
(+3)
0.251
(↓0.003)
2.690
(↓0.02)
5
(-)
楽天
10140 0.417
(↑0.026)
4.5
(-)
11970
(+5)
89
(+1)
21
(-)
16
(+3)
0.209
(↑0.004
3.440
(↑0.11)
6
(-)
日本ハム
10160 0.385
(↑0.025)
5.5
(-)
11792
(+7)
100
(+1)
15
(-)
19
(+3)
0.223
(↑0.002)
3.540
(↑0.1)