ヤクルト(☆4対2★)阪神 =リーグ戦6回戦(2023.04.30)・明治神宮野球場=
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阪神
0000010012411
ヤクルト
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勝利投手:吉村 貢司郎(1勝1敗0S)
(セーブ:田口 麗斗(0勝1敗7S))
敗戦投手:才木 浩人(1勝3敗0S)

本塁打
【阪神】中野 拓夢(1号・6回表ソロ)
【ヤクルト】サンタナ(3号・3回裏2ラン)

  DAZN
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◆ヤクルトが連敗を7で止めた。ヤクルトは3回裏、村上の犠飛とサンタナの2ランで3点を先制する。そのまま迎えた5回には、村上の適時打でリードを広げた。投げては、先発・吉村が6回2安打1失点の好投でうれしいプロ初勝利。敗れた阪神は、打線が振るわなかった。

◆阪神才木浩人投手が30日のヤクルト戦(神宮)に先発し、4試合ぶりの白星を狙う。前回登板の23日中日戦は今季最短の5回降板と反省点が残った。「最低でも7回、それ以上いけたら」と気を引き締めた。今季2度目となるヤクルト戦。「神宮なので本塁打も入りやすい。この前みたいにフォークが浮いてしまうと1発が危ないので、気を付けたい」と力を込めた。

◆ヤクルトルーキーの吉村貢司郎はここまで4度先発してまだ勝ち星がない。20回2/3を投げて被打率3割1分だが、7~9番の下位打線は24打数4安打、被打率1割6分7厘も、1~6番は60打数22安打、被打率3割6分7厘。特に3番に10打数6安打、4番に10打数4安打と相手中軸から集中的に打たれており、前回登板の23日巨人戦でも3番ブリンソン、4番岡本和に本塁打を許した。今日の阪神戦では大山らを抑えてプロ初勝利をつかめるか。

◆阪神梅野隆太郎捕手(31)が、4試合ぶりにスタメン復帰する。前日29日のヤクルト戦後、阪神岡田彰布監督(65)が「坂本なあ、おーん。明日は使わへんけどな。明日は梅野にちょっと奮起させよ、そら。1年間の、長いシーズンあるんやから」と明言していた。「7番捕手」でスタメンマスクをかぶる。坂本誠志郎捕手(29)は3試合連続スタメンマスクで3試合連続完封勝利を演出。直近3試合で13打数7安打と打撃も好調だった。梅野は今季18試合で打率9分4厘と1割を切っている。チームは3連勝と波に乗る中、復調のきっかけをつかめるか。また、阪神の連続試合完封勝ちは3試合が最長。球団新記録となる4試合連続完封勝ちとなるか。先発は才木浩人投手(24)が務める。

◆7連敗からの脱出へ、ヤクルトは2試合ぶりにキャプテン山田哲人内野手(30)を「3番二塁」でスタメンに置いた。8連敗となれば、最下位に終わった19年シーズンの5月14日広島戦(マツダスタジアム)から6月1日DeNA戦(横浜)までの16連敗以来となってしまう。山田は下半身のケガから復帰した28日の試合後「(19年に)16連敗した時は一緒にプレーしていて(チーム全体に)心がなかった。でも今はみんな気持ちを前面に出している。そこは違う。それを持っていればいずれ上がって来る。信じてやるしかない」と語っていた。

◆ゼロ行進が止まらない。阪神才木浩人投手(24)が2回を無失点に抑えた時点で、阪神は26日巨人戦(甲子園)の9回から30イニング連続で無失点となった。30イニング以上無失点は、直近では前回3戦連続完封勝ちした21年4月(11~18日)に記録した33イニング以来。球団最長は42年の52イニング連続となっている。阪神は前日29日、球団最長タイとなる3試合連続完封勝ち。4試合連続となれば、球団新記録となる。

◆4試合ぶりにスタメン復帰した阪神梅野隆太郎捕手(31)が、激痛に耐えた。2回2死一塁の守備。ヤクルト吉村へ、投手才木浩人の3球目フォークがワンバウンドした。体全体を使ってストップさせようとした梅野の喉下付近に直撃。しばらくもん絶し、本塁付近で動けなかった。チームトレーナー、嶋田1軍バッテリーコーチがベンチを飛び出したが、数分後にプレー続行した。

◆阪神が31イニングぶりに失点した。3回1死二、三塁。先発才木浩人投手(24)がヤクルト村上に左犠飛を許し、先制点を献上した。阪神は26日巨人戦(甲子園)の9回から30イニング連続で無失点を続けていた。阪神は前日29日、球団最長タイとなる3試合連続完封勝ち。4試合連続となれば球団新記録だったが、かなわなかった。その後、5番サンタナに2ランが飛び出した。

◆阪神梅野隆太郎捕手(31)が、激痛に耐えて久しぶりの快音を響かせた。4試合ぶりに7番捕手でスタメン出場し、5回の第2打席でヤクルト吉村貢司郎から右前打。18日広島戦以来、18打席ぶりの安打だった。この時点で、打率を1割台に乗せた。痛みに耐えた。2回2死一塁の守備。ヤクルト吉村へ、投手才木の3球目フォークがワンバウンドした。体全体を使ってストップさせようとした梅野の喉下付近に直撃。しばらくもん絶し、本塁付近で動けなかった。チームトレーナー、嶋田1軍バッテリーコーチがベンチを飛び出したが、数分後にプレー続行していた。

◆阪神才木浩人投手(24)が、今季最短の3回5安打3失点で降板した。初回は連続四球も絡み1死満塁のピンチを招くも、サンタナを遊ゴロ併殺に打ち取り得点を許さず。2回は難なく無失点で切り抜けたが、3回1死二、三塁から村上に先制の左犠飛を許し、チームとして31イニングぶりに失点を喫した。さらに2死二塁からサンタナに痛恨の左越え2ランを浴び、4回からは及川がマウンドに上がった。4試合ぶりに先発マスクをかぶった梅野とバッテリーを組んだが、快投とはいかなかった。才木は今季初登板の4月2日DeNA戦(京セラドーム大阪)を最後に、これで4試合連続勝ち星なしと2勝目が遠のいている。

◆2試合連続で完封負けと苦しむヤクルトが3試合ぶりに得点を挙げた。こじ開けたのは不振にあえぐ4番村上宗隆内野手(23)だった。3回1死二、三塁、阪神先発才木の144キロ直球を左犠飛とし先制。チームは23イニングぶりに得点を挙げた。村上の犠飛は3冠王に輝いた昨季は1本もなく、21年以来2年ぶりとなった。続くドミンゴ・サンタナ外野手(30)は2死二塁から才木の内角高めの146キロ直球を捉え、左翼席へ3号2ラン。「初回のチャンスで凡退してしまったのでここは何としてでも取り返す気持ちでした」と気合の一打でこの回、3点を先制した。

◆ヤクルトは苦しむ4番村上宗隆内野手(23)が44打席ぶりの適時打を放った。5回2死三塁、阪神及川の直球を左前に運んだ。18日中日戦(松山)以来の適時打に「感覚的にすごく良いものが出てきた」と復活の兆しをつかんだ模様。連続完封負けだったチームに3試合ぶりに得点をもたらしたのも村上だった。3回1死二、三塁、先発才木の144キロ直球に反応し、左犠飛で先制。史上最年少の3冠王に輝いた昨季は犠飛が1本もなく、21年6月22日の広島戦以来となった。

◆阪神がヤクルトに敗れ、連勝は3でストップした。先発の才木浩人投手(24)が3回5安打3失点でKOされ3敗目となった。岡田彰布監督(65)は次回登板について「そら、考えなあかんわな」と話した。試合後の一問一答は以下の通り。-先発の才木は空振りがとれないような状態「ストライクが入らへんやん。この3試合な、先発みとったらわかるやんか。コントロールよな。そらあ、160(キロ)以上投げとったらな、少々な、そら甘くても抑えられるかもわからんけど。ストライク取りにいくボールが、ちょうどええな、打ちごろになるもんなあ」-真っすぐも才木の本来のものではない「全然いってないよ。だって、もう3試合やろ。これで」-誰でも調子の波はあると思うが「波言うても、だって、ええときないぞ? 最初はちょっとよかったけどな。まあ、それはまあ、開幕の緊張感とかそんなんがあったかもわからんけど。3試合同じことやんな。初回から」-終わったばかりだが次は登板を考えるか「そら、考えなあかんわな」-西純が前回下でいい投球(4月27日2軍広島戦で8回1失点)をした。「まあ、今終わったばっかりやからわからんけどな。まあでも、あれや、同じ先発で見てても、俺もブルペンで投げてるのを見てたけど、やっぱりコントロールやで。フォアボール3つ出して、3回までに。よう、まだ3点で収まった方よ、あれでな。(サンタナの)ホームランは余分やったけどな」-ヤクルト先発吉村にはオープン戦から何度も対戦している「そうやなあ、今日はまあな、初回もチャンスやたけど、そらな流れいうかな、悪なるわなやっぱな」-6番の井上はこのところ「ちょっとアカンな(笑い)。そらずっと続けへんよ、そらな、そんなの。そんなん続くんやったら、もっと早い時期に1軍でそないして試合出てるよ(笑い)」-捕手の梅野を奮起させなと「まあ、でも結局ストライクなあ、そらなあ、ピッチャーによってだいぶ違うからのお。そら何とか今日なんかやろうとそら思てるけど、そらなあ。でもなあ、ストライクが来んかったらどうしようもないよな、おーん」-梅野も勝ちがいい薬に「うん、まあ、だから、帰ってなあ。ちょっと悪かったピッチャーが今度投げるから、どんだけな、前回のあれで調整して、なあ」-3、4月(24試合13勝10敗1分けの2位)の戦いは「手応えっていうか、まだちょっと探り探りやったしなあ。おーん。まあ、でも、ねえ、貯金があるいうのは、ええことちゃうの。はっきり言って。なあ、まだまだ、そらチームも落ち着かんしな。そら、なあ、6番とかでもなあ、やっぱりまだ固定できないわ。そろそろな、5月入ったらある程度やっていかなあかんと思うけどな。なかなか長続きせえへんもんな、やっぱりな。だから良い時に使わんと。徐々に変えていかなあかんわな、そのへんはな。もう、お試し期間というか、そういうのはもうないよな。いろいろと」(最後に自ら)「まあ、帰って打たれたピッチャーがどんなピッチングしてくれるか。まあ、まだ楽しみや」

◆阪神井上広大外野手(21)が、ブレーキとなった。初回2死満塁で空振り三振。4回にもヤクルト吉村に空振り三振に仕留められた。この2打席で途中交代した。これで11打席連続無安打。ヤクルト3連戦で12打数1安打、8三振を喫した。3割あった打率も2割4分1厘に急降下。岡田彰布監督は試合後「ちょっとアカンな。そらずっと続けへんよ、そらな、そんなの。そんなん続くんやったら、もっと早い時期に1軍でそないして試合出てるよ」と話した。

◆意地の1号だ。阪神中野拓夢内野手(26)が、今季初アーチでチームを鼓舞した。4点ビハインドの6回1死。吉村の内寄りの直球を右翼席へ放り込んだ。「追いかける展開で何とか出塁してチームに勢いをつけよう、という打席だった」。有言実行の出塁どころか、一振りで1点。劣勢の中、ファイティングポーズは決して崩さなかった。今季108打席目での1号。プロ通算8発のうち、5発は神宮で打ったものだ。プロ1年目の初本塁打もそうだった。「ホームランをここでよく打っているなというイメージもありますし、力強くいかなくても、いい形で捉えられれば入るかなという楽な気持ちで、いい形で打てたかなと思います」過去2年間、神宮での打率は3割超え。昨季はセ本拠地では球場別トップとなる打率3割4分1厘をマークした得意舞台だ。敵地を自らの"庭"としつつある。これで2試合連続打点。今季13打点はリーグ3位タイ、同トップタイの近本に次いでチーム2位。ポイントゲッターとして機能している1、2番だが、背番号51は2番打者としてのこだわりを忘れていない。「ホームランに限らず塁に出ることだけをしっかりと意識して、これからもやっていきたい」。26安打はチーム2位タイ、11四球は同3位タイ。出塁への意識を徹底した上で、ツボにはまれば長打もある恐怖の2番だ。侍ジャパンでは、この日ヤクルトの二塁を守った山田とともに、2月の宮崎強化合宿ではノックを受け続けた。「練習量も取り組む姿勢も見習うところばかり」と、リスペクトする先輩の前で躍動。二塁手としてゴールデングラブ賞、ベストナインを争う相手には負けられない。「神宮の鬼」が、この1発からさらに加速する。【中野椋】

◆阪神梅野隆太郎捕手(31)が18打席ぶりの安打を放った。4試合ぶりに7番捕手でスタメン入りし、5回の第2打席でヤクルト吉村から右前打。打率を1割台に乗せた。守備では2回の守備で才木のフォークが梅野の喉元付近に直撃。本塁付近で動けなかったがプレーを続行し、痛みに耐えた後の安打だった。だが、2点を追う9回2死三塁で迎えた打席でヤクルト田口から空振り三振。試合後、番号2は悔しい表情を見せながら、終始無言で球場から去って行った。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、15年ぶりに阪神監督に復帰して臨んだ3、4月を総括した。24試合を戦い13勝10敗1分け、勝率5割6分5厘で2位。首位DeNAとは3ゲーム差だ。「手応えっていうか、まだちょっと探り探りやったしなあ。おーん。まあ、でも、ねえ、貯金があるいうのは、ええことちゃうの。はっきり言って」と3つの貯金をプラスに捉えた。「なあ、まだまだ、そらチームも落ち着かんしな。そら、なあ、6番とかでもなあ、やっぱりまだ固定できないわ」と、ドラフト1位森下、期待の大砲井上、キャンプからアピールを続けた板山らが務めてきた6番打者について自ら言及。「そろそろな、5月入ったらある程度やっていかなあかんと思うけどな。なかなか長続きせえへんもんな、やっぱりな。だから良い時に使わんと。徐々に変えていかなあかんわな、そのへんはな」と今後も流動的な起用が続くとした。「もう、お試し期間というか、そういうのはもうないよな。いろいろと」。スイッチを切り替え、5月戦線に臨む。阪神が4月を13勝10敗1分けの貯金3でDeNAに次ぐ2位で終えた。50年の2リーグ制後、阪神が4月終了時点で貯金3以上だったのは過去22度あり、そのうち優勝3度(64、85、03年)を含むAクラス20度と、序盤の好発進はシーズンの好成績にもつながっている。ちなみに、前回岡田監督で優勝した05年は貯金1で4月を終えている。

◆ドラフト1位ルーキーのヤクルト吉村貢司郎投手(25)が、プロ初勝利を手にした。6回97球を投げ2安打8奪三振1失点の好投。7連敗中の泥沼だったチームを救い、4位に再浮上した。小学2年で志したプロの道。練習場所を求め父と公園を転々とした中学時代。国学院大、東芝と2度のドラフト指名漏れも経験した苦労人らしく、5度目の先発マウンドでついに勝利の女神がほほ笑んだ。歩んできた人生のようだった。「長かったです」。ウイニングボールを女房役の古賀から受け取り吉村の表情が緩む。4月2日の初マウンドから5度目の先発でついに勝てた。お立ち台に降り注ぐ神宮の照明がまぶしかった。初回2死から3連続四球。7連敗中の負のムードが漂い始めたが続く井上から空振り三振を奪い、自らの力で振り払った。その後は4回まで無安打に抑えるなど危なげない投球で因縁の6回へ。1死から中野に右翼越えの1号ソロを許し、1回に5点を先取しながら5回2/3で降板して勝ち星を逃した16日広島戦(マツダスタジアム)がよぎる。だが同じ轍(てつ)は踏まない。後続を斬り、一皮むけた姿を見せつけた。「長かった」のは今に始まったことではない。大学、社会人と2度の指名漏れを経験。「悔しさはあったけど力不足だったと思って切り替えました。もう1度、力を付けようって」。小学時代、辞めたかったスイミングとは違い、小2で始めた野球は「漠然とプロになりたいと思えた」。だからだろうか。社会人2年目、2度目の指名漏れ直後も「何が何でもしがみついてやろう」と奮い立った。「実質、次がラストイヤーだ」と背水の覚悟を持ち、同3年目のチャンスでドラフト1位という夢の鍵をつかんだ。「高2まで体は細い方だった」と母身知子さん(59)。吉村自ら食事を管理しプロを目指す体をつくっていった。本来は刺し身、煮魚などが好きな「魚派」だが体を大きくするため肉料理を母にリクエスト。高校時代は白米を大量にした弁当箱を昼前食、昼食と2食分を毎日カバンに入れた。あらゆる努力を重ねても遠かったプロの世界。だからこそプロ初白星にも堅実に「まだまだここから。本当にここから」。遠回りの野球人生だと言われても、無駄な日々は1日たりともなかった。【三須一紀】▽ヤクルト高津監督(吉村のプロ初勝利に) 3つ四球出しながらゼロで立ち上がったのは大きかった。チームが連敗中というプレッシャーもあったでしょうし、いろいろなことが詰まったプロ初勝利だと思う。▽ヤクルト山田(吉村への声がけについて) どんどん四球を出して良いと。良い球行ってたんで大丈夫だよと。テンポも良くて守りやすくて、守備からリズムができて打撃に入りやすかった。

◆ドラフト1位ルーキーのヤクルト吉村貢司郎投手(25)が、プロ初勝利を手にした。6回97球を投げ2安打8奪三振1失点の好投。7連敗中の泥沼だったチームを救い、4位に再浮上した。小学2年で志したプロの道。練習場所を求め父と公園を転々とした中学時代。国学院大、東芝と2度のドラフト指名漏れも経験した苦労人らしく、5度目の先発マウンドでついに勝利の女神がほほ笑んだ。「人生で一番きつかった」。ヤクルト吉村がそう振り返るのは中学時代。足立ベルモントボーイズの休日練習以外の平日は、自営業だった父裕二さん(62)と二人三脚の個人練習だった。ボーイズに所属していた関係で中学の野球部には入れなかった。そのため日々、練習場所を探して近所の公園を転々。午後3時30分から同6時までの「1部」が終わると母身知子さんが準備してくれる夕食を食べ、「2部」として同7時30分から同9時30分までの夜間練習をこなした。バレーボール出身の裕二さんはもともとは野球素人。それでも「本やネットでめちゃ勉強してくれた。何か聞けば必ず答えが返ってきた。その場で分からなくても翌日には調べて分かるように示してくれた」。中学を卒業し「2部練習」は幕を閉じたが日大豊山、国学院大、東芝と進んでも毎年欠かさない慣例がある。年末年始のキャッチボールだ。ヤクルト入寮直前の今年も、裕二さんは軟式ミットで吉村の140キロ超の球を座って受けた。「両親には不自由なく野球をやらせてもらいました。本当に感謝しています。初勝利はやっぱり両親に贈りたい」。親と子。その1日、1日の接し方が未来を変えた。【三須一紀】吉村貢司郎(よしむら・こうじろう)1998年(平10)1月19日、東京都生まれ。日大豊山では1年夏からベンチ入り。3年夏の東東京大会では決勝でオコエ瑠偉(現巨人)を擁する関東第一に敗れた。国学院大-東芝を経て、22年ドラフト1位でヤクルト入団。4月2日広島戦でプロ初登板。今季推定年俸1600万円。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。

◆あぁ、止まった...。阪神の連勝が3でストップした。3試合連続の完封劇を演じた虎がブレーキだ。先発才木浩人投手(24)が今季自己最短となる3回5安打3失点KO。チームの連続無失点も30イニングでストップした。梅野隆太郎捕手(31)が4試合ぶりにスタメン復帰も勝利には結びつかなかった。3、4月は13勝10敗1分けの貯金3。5月こそは3ゲーム差で追う首位DeNAをつかまえる。2点差に迫り反撃ムードが高まった9回2死三塁、梅野が空振り三振に倒れた瞬間、神宮に虎党のため息とヤクルトファンの歓喜の声が入り交じった。阪神の連勝は3でストップし、ヤクルトの連敗は7で止まった。直近3試合で計40安打と爆発した猛虎打線も、この日はわずか4安打に終わった。先発才木が精彩を欠いた。初回は連続四球が絡み1死満塁のピンチを招くも得点を許さず。しかし両軍無得点の3回に1死二、三塁から村上に左犠飛を許し、チームの連続無失点は30イニングでストップ。さらに2死二塁からはサンタナに痛恨の左越えの2ランを被弾し、今季最短3回5安打3四球3失点で自身3連敗。「自分で自分を苦しめてしまった」と悔やんだ。岡田監督は不安定な投球が続く右腕に厳しかった。「ストライクが入らへんやん。ストライクとりにいくボールがちょうどええな、打ちごろになるもんなあ。(直球も)全然いってない」と指摘。次回登板については「そら考えなあかんわな」と話すにとどめたが、2軍降格が決定。代役として27日2軍広島戦で8回1失点と好投した西純が再昇格することが決まった。梅野スタメン起用も結果的には裏目だった。4試合ぶりに先発マスクだったが、勝利に導くことはできず。スタメン出場で7戦7勝の坂本と対照的に、自身先発時は5連敗とトンネルから抜け出せずにいる。ただ、指揮官は「(投手の)ストライクが来んかったらどうしようもない」と責めることはなかった。5月2日の中日戦では2連敗中の青柳が、3日の同戦には西勇が先発する予定で、梅野も先発マスクで出場する見込み。指揮官は「ちょっと悪かったピッチャーが今度投げるから。どんなピッチングしてくれるか。まあ、楽しみや」と不敵な笑みを浮かべて帰りのバスに乗り込んだ。チームは3、4月で13勝10敗1分けの貯金3つで2位をキープ。指揮官は「まだちょっと探り探りやったしなあ。まあ、でも貯金があるいうのは、ええことちゃうの。はっきり言って」と前を向いた。「お試し期間というか、そういうのはもうないよな」。5月は奪首モードで首位DeNAを猛追する。【古財稜明】

◆2番手で登板した及川が今季4試合目で初めて得点を許した。4回は先頭に四球を与えるも併殺を奪うなど3人で抑えたが、続く5回2死二塁、打者村上の4球目に暴投し三塁へ進めると、8球目を左前に運ばれる適時打を浴びた。出した走者が失策での出塁だったため、自責点は0で防御率は0・00のままだが、悔しいマウンドとなった。

◆阪神ノイジーが守備で強肩を見せた。3点を追う6回1死一塁の場面。ヤクルト浜田の打球が左前打となり、代走として送られた並木が二塁を蹴って猛ダッシュ。助っ人はそこを見逃さなかった。「しっかり相手のランナーが走ったのが見えたので、いい送球をしようと心がけました」。すぐに捕球し、三塁へ低く送球。ワンバウンドした球は佐藤輝のグラブに吸い込まれ、タッチアウトに。昨季イースタン・リーグで24盗塁を決めた俊足の走塁を阻止し、ビーズリーの失点のピンチを救った。甲子園では浜風にも対応しながら、ジャンピングキャッチと守備でも貢献する背番号7。次カードは甲子園で中日3連戦を控えており、子どもたちが多く観戦するゴールデンウイークこどもまつりデーとなっている。本拠地に詰めかけた子どもたちにもお手本のようなプレーを見せる。

◆渡辺諒は28歳の誕生日に打席に立ったが三振に倒れた。7回1死で投手ビーズリーの代打として登場。1ボール2ストライクから、ヤクルト石山の外角低めスライダーにハーフスイングで空振り三振。試合後「特にいつもと変わらない気持ちで試合に入ろうと思った」と話しながらグラウンドを歩いてクラブハウスへ戻る際もスタンドからは「おめでとう!」の祝福の声が飛んでいた。

◆井上が11打席連続無安打となった。「6番右翼」で出場。初回に2死満塁のビッグチャンスで空振り三振。4回2死も空振り三振に倒れ、4回守備からベンチに下げられた。27日巨人戦では長打3本、28日のヤクルト戦では決勝打を放ったが快音がピタリ。井上は「練習するしかない」と険しい表情だ。岡田監督は「そらずっと続けへんよ。そんなん続くんやったら、もっと早い時期に1軍でそないして試合出てるよ」と苦笑いだった。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は梅野隆太郎捕手(31)が4試合ぶりにスタメン出場する。16打席連続ノーヒット中で、3連勝中の試合はいずれも坂本誠志郎捕手(29)に先発を譲っていたが、岡田監督は29日の試合後「あしたは梅野にちょっと奮起させよ、そら。1年間の、長いシーズンあるんやから」と出場を予告していた。先発の才木浩人投手(24)は4月2日のDeNA戦(京セラ)以来の2勝目を目指す。

◆阪神の先発・才木浩人投手(24)が一回の大ピンチをしのいだ。1死から山崎に遊撃内野安打を浴びると、盗塁で1死二塁。山田、村上と連続四球で満塁とした。打席には5番・サンタナ。カウント0-2から4球目、高め直球で詰まらせると、注文通りの遊ゴロ併殺。無失点で切り抜けた。

◆阪神が先制点を献上。先発した才木浩人投手(24)がヤクルトの4番・村上に先制の左犠飛を浴びた。0-0の三回、先頭の浜田に二塁打を許すと、山崎は犠打で1死三塁。山田を四球で歩かせ、二、三塁のピンチで4番・村上を迎えた。カウント1-0から2球目、高々と舞い上がった白球は飛距離十分の左犠飛。阪神は4月26日の巨人戦(甲子園)の九回から続いていた連続無失点イニングを30で止め、31イニングぶりに失点した。才木はなおも2死二塁で5番・サンタナに痛恨の2ランを被弾。0-3とリードを広げられた。

◆阪神・才木浩人投手(24)は今季最短の3回5安打3失点で降板した。一回は安打と2つの四球で1死満塁のピンチ。ここはサンタナを遊ゴロ併殺に仕留め、無失点でしのいだが、終始、制球に苦しんだ。三回は先頭・浜田に二塁打を浴びると、犠打と四球に盗塁も絡んで1死二、三塁。村上に左犠飛を浴び、先制点を献上した。これがチームとして31イニングぶりの失点。さらに続くサンタナに2ランを浴びた。才木は3回で無念の降板。2番手で及川がマウンドに上がった。

◆ヤクルトが主砲の一振りで先制した。村上宗隆内野手(23)が三回1死二、三塁から左犠飛を放ち17打席ぶりの打点をマーク。史上最年少で三冠王に輝いた昨季は犠飛がなく、2021年6月22日の広島戦(マツダ)以来、677日ぶりの犠飛となった。本拠地・神宮球場では同4月14日のDeNA戦以来、746日ぶり。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)が四回に右前打を放ってチーム初安打をマークした。カウント2-2からヤクルトのD1位・吉村(東芝)の高め直球を捉えた。右前に弾むチーム初安打。梅野にとって、18日の広島戦(甲子園)の第4打席以来、18打席ぶりのヒットとなった。4試合ぶりにスタメンマスクをかぶった梅野の一打に続きたい打線だったが、続く木浪が痛恨の二ゴロ併殺。途中出場の板山も空振り三振に倒れ、無得点に終わった。

◆ヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手(30)が1点を先制した直後の2死二塁で左翼席への3号2ランを放った。打球は弾丸ライナーでスタンドに突き刺さった。一回1死満塁の好機で遊ゴロ併殺打に倒れた助っ人は、阪神先発・才木の直球を振り抜き「初回のチャンスで凡退してしまったので、何としてでも取り返す気持ちでした」と胸を張った。

◆阪神・中野拓夢内野手が0-4で迎えた六回1死の第3打席で反撃の1号ソロを放った。ヤクルトのドラフト1位・吉村(東芝)の直球を振り抜いた。白球は右翼席へ弾む今季1号ソロ。プロ通算8本目のアーチは、初ホームランを放った神宮でマークした。敵地ではあるが、神宮ではこれで通算5本目のアーチ。相性の良さを見せている。

◆阪神の先発・才木浩人投手(24)は3回5安打3失点で降板。試合を作ることができなかった。「ストレートの感じは悪くなかったのですが、カウント負けしてしまい、フォークボールも有効的に使うことができず、自分の投球をすることができませんでした」一回1死満塁のピンチはサンタナを遊ゴロ併殺に仕留めるも、三回に安打と四球などで1死二、三塁のピンチ。村上に左犠飛を許して先制点を献上すると、続くサンタナに左翼席へ2ランを浴びた。今季最短の3回で降板した右腕は「先発を任されたにもかかわらず3回でマウンドを降りてしまうことになり悔しいです。練習の中でしっかり修正します」と振り返った。

◆リズムよく懸命に腕を振った。ヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=が、五回先頭の梅野に右前打を浴びるまで無安打投球。プロ5度目の登板は6回2安打1失点でついにプロ初勝利を手にした。落ち着いたマウンドだった。一回は2死から3番・ノイジーに四球を出すと三者連続で歩かせて満塁のピンチを背負ったが、最後は井上を空振り三振に。その後は自己最速に1キロと迫る152キロの直球を軸に毎回の8奪三振。五回に初安打を浴びても続く木浪を二塁への併殺打に打ち取った。。六回1死から中野にソロアーチを許したが安定感を誇った。「前回の反省を踏まえて低めに投げることと一人一人全力で投げることを意識して投げました。その積み重ねで六回まで投げることが出来ました」新人らしからぬ頼もしさがある。プロ初登板となった4月2日の広島戦(神宮)からこの試合まで4試合に登板し、0勝1敗、防御率5・66。1年目にして開幕から中6日でローテーションを守っている。前回23日の巨人戦は5回9安打6失点で初黒星を喫し、プロの洗礼を浴びたが修正もしてきた。何度も前回登板の動画を見直して投球フォームを微調整。「前回は全体的にボールが高くて、一発が多かった。低めに投げ切れるようにしたい」と、練習終わりにはルーティンであるシャドーピッチングをして確認作業を徹底した。「あとは打者のタイミングをどうやって外すか。投球の間を作るなどして打者を崩していきたい」とイメージを膨らませていた。修正の成果を存分に発揮して〝5度目の正直〟を果たした。チームは連敗を「7」でストップ。わずか1日で再び4位に浮上した。(森祥太郎)

◆ヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=が、五回先頭の梅野に右前打を浴びるまで無安打投球。プロ5度目の登板は6回2安打1失点でついにプロ初勝利を手にした。お立ち台に上がった吉村の一問一答は以下のとおり。--プロ入り初勝利。おめでとうございます「ありがとうございます」--今の気持ちは「そうですね。率直にめちゃめちゃうれしい気持ちでいっぱいです」--どんな思いでマウンドへ「自分の仕事はひとりひとりバッターを抑えるっていうのが仕事だと思うんで、その意識で、ひとりひとり抑えて、その結果、続けばいいかなって思って投げてました」--6回1失点「初回からどんどん飛ばしていこうっていう気持ちで投げていたので、それが六回まで続いたんですけど、六回に1点取られてしまったんで、そこはしっかりと抑えられるように、今後も頑張っていきたいなって思います」--三回に村上の犠牲フライで先制、サンタナの2ランで追加点「先制点を取っていただいて本当に気持ちが楽になりましたし、思い切って投げることができたので、本当にチームの皆さんには感謝しています」--七回からは先輩がリリーフ「本当に頼りがいのある先輩たちなんで、すごい安心して見ることができました」--試合後、高津監督からはどのような言葉を「『こっから勝っていけるように頑張っていこう』ということで、お声をかけていただきました」--ウイニングボールを手にしてみて「こっからが勝負だと思うんで、少しでも多くお立ち台に立てるように頑張っていきたいなと思います」--ウイニングボールは誰に「やっぱり両親に渡したいなって思います」--両親への言葉「やっぱりここまで育てていただいて、本当に感謝しかないですし。こっから一生懸命頑張って、親孝行していきたいなっていう風には思います」--スワローズファンへ「本当に温かい声援ばかりで、本当に力になるので、これからもどうかよろしくお願いします」--改めて自己紹介を「新人の吉村貢司郎です。こっから一勝一勝頑張って投げていきますので、これからも応援よろしくお願いします」

◆28回無失点の阪神が今季2度目の4連勝を逃した。才木浩人投手(24)が三回、村上宗隆内野手(23)の犠飛などで3点を失って降板。2番手の及川雅貴投手(22)が五回、佐藤輝明内野手(24)の失策から窮地を招き、村上に適時打を浴びた。打線はD1位・吉村貢四郎投手(25)=東芝=から六回、中野拓夢内野手(26)の1号ソロを放ったものの、2点止まり。4試合ぶりに出場した梅野隆太郎捕手(31)は五回に18打席ぶりの安打を右前に放った。球団初の4連続完封勝利はならず、首位DeNAとは3差。貯金3で4月を終えた岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=13勝10敗1分、観衆=2万9631人)。ーー才木は空振りが取れない状態だった「ストライクが入らへんやん。この3試合な、先発見とったらわかるやんか。コントロールよな。そらあ、160(キロ)以上投げとった、少々甘くても抑えられるかもわからんけど。ストライク取りに行くボールがちょうどエエ、打ちごろになるもんなあ」ーー真っすぐも本来のモノではない「全然行ってないよ。だって、もう3試合やろ。これで」ーー波はあると思うが「波言うても、だって、エエ時ないぞ? 最初はちょっとよかったけどな。開幕の緊張感とかそんなんがあったかもわからんけど。3試合同じことやんな。初回から」ーー終わったばかりだが次は登板を考えるか「そら、考えなアカンわな」ーー西純矢が2軍でいい投球をした(27日のウエスタン・広島戦で8回1失点)「まあ、今終わったばっかりやからわからんけどな。まあでも、アレや、同じ先発で見てても、俺もブルペンで投げてるのを見てたけど、やっぱりコントロールやで。フォアボール三つ出して、三回までに。よう3点で収まった方よ、あれでな。ホームランは余分やったけどな」ーー吉村とはオープン戦から何度も対戦している「今日は初回もチャンスやったけど、流れいうかな、悪なるわな、やっぱな」ーー井上はこのところ(一回2死満塁で空振り三振)「ちょっとアカンな(笑)。そらずっと続けへんよ、そんなん続くんやったら、もっと早い時期に1軍でそないして試合出てるよ(笑)」ーー梅野は「結局ストライクなあ、そらなあ、ピッチャーによってだいぶ違うからのお。そら何とか今日なんかやろうと、思てるけど、ストライクが来んかったらどうしようもないよな、おーん」ーー3、4月の戦いは「手応えっていうか、探り探りやったしなあ。でも貯金があるのは、エエことちゃうの。はっきり言って。チームも落ち着かんしな。6番とか、まだ固定できないわ。5月入ったらある程度やっていかなアカンと思うけどな。なかなか長続きせえへんもんな、やっぱりな。だから良い時に使わんと。徐々に変えていかなアカンわな、その辺はな。もう、お試し期間というか、そういうのはもうないよな。いろいろと」

◆主砲の一振りが勝利の流れを呼んだ。ヤクルト・村上宗隆内野手(23)が三回1死二、三塁で左犠飛を放ち、チームに23イニングぶりの得点をもたらした。「先制点を取れたのでよかった。(連敗ストップは)大きいですね」阪神先発・才木の直球を左翼フェンス前まで運んだ。WBC1次リーグの韓国戦では記録していたが、公式戦では2021年6月22日の広島戦(マツダ)以来、677日ぶりの犠飛をマーク。自身17打席ぶりの打点を挙げるとサンタナが2ランを放ち、一気に流れに乗った。確実に状態は上がっている。3-0の五回2死三塁では直球を左前へはじき返し、44打席ぶりの適時打。打率・157と本来の姿ではないが「感覚的な問題ですごくいいものが出てきた。昨日より今日。今日より明日と意識しながらやっています」とうなずいた。「また明後日勝てるように、連勝できるように頑張ります」。昨季、史上最年少の三冠王に輝いた村上の復調とともに、反攻の5月とする。(赤尾裕希)

◆〝五度目の正直〟だ!! ヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=が30日、阪神6回戦(神宮)で6回2安打1失点の好投をみせて、プロ初勝利を手にした。アマチュア時代にドラフト会議で2度の指名漏れを経験した右腕が、プロ5度目の先発でチームの勝利に貢献し、連敗を7で止めた。3、4月は11勝13敗1分けの4位と苦しんだが、球団初のリーグ3連覇へ、昨季16勝7敗1分けだった5月に巻き返す。手渡されたウイニングボールをドラフト1位ルーキーの吉村は、大事に握りしめた。6回2安打1失点、97球でプロ初勝利。高津監督と握手を交わして球場の大歓声を浴びると満面の笑みがこぼれた。「初勝利まで長かった。まだまだここからなので、もっと勝っていけるようにしたい」一回は2死から3者連続四球で満塁のピンチを背負ったが、最後は井上を空振り三振に仕留めた。その後は自己最速にあと1キロと迫る152キロの直球を軸に毎回の8奪三振。五回、先頭の梅野に右安打を浴びたが、続く木浪を二ゴロ併殺打に打ち取るなど、抜群の安定感だった。〝五度目の正直〟だった。1年目で開幕ローテーション入りをつかんだが、プロ初登板となった4月2日の広島戦(神宮)から4試合で勝利はつかず。前回同23日の巨人戦は5回6失点で初黒星を喫し、プロの厳しさを経験しながら「いつかは来る」と運命の日を待った。

◆九回に1点を返して燕に迫ったが、梅野のバットが空を切ってゲームセット。4月は黒星締めとなった。それでも、岡田監督は発展途上のチームが貯金「3」という現状を評価した。課題は6番-。初夏を迎える5月に、イキイキとした打者を見つけ出す。「手応えっていうか、まだちょっと探り探りやったしなあ。でも、ねえ、貯金があるいうのはええことちゃうの。はっきり言って。まだまだ、そらチームも落ち着かんしな。6番とかでもなあ、やっぱりまだ固定できないわ」3、4月の戦いで投手を除けばスタメン別で最多6人の打者を起用した6番。虎将も試行錯誤を続けてきた打順に、この日の試合序盤で大チャンスが巡ってきた。0-0の一回2死から3連続四球で塁が埋まったが、D1位・吉村(東芝)の直球に4試合連続で6番起用した井上が空振り三振に倒れ、先制機を逸した。「練習するしかないので、本当にそれだけだと思います」と唇をかんだ。27日の巨人戦(甲子園)で初の3安打、28日のヤクルト戦(神宮)では初の決勝打を放ったが、そこから2試合連続無安打。指揮官も「ちょっとあかんな(笑)。そらずっと(好調は)続けへんよ、そんなの」と話した。D1位・森下(中大)の開幕スタメンから始まり、島田、板山、状態を上げていた井上らをはめ込んできたが、いまだにカチッとはまるピースは見つからず。2軍調整中のドライチや、新助っ人のミエセスらの奮起が待たれる状況だ。「5月入ったらある程度やっていかなあかんと思うけどな。なかなか長続きせえへんもんな、やっぱりな。だから良い時に使わんと。徐々に変えていかなあかんわな、その辺はな。もう、お試し期間というか、そういうのはもうないよな。いろいろと」岡田監督の思案は続く。若虎の成長を見極めながら、24試合消化で13勝10敗1分けの2位につけた。DeNAを3ゲーム差で追いかけ、新たな月を迎える。〝6番問題〟が解消すれば、もっと波に乗っていける。(新里公章)

◆八回に5番手でマウンドに立った阪神のドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=は4月21日の中日戦(バンテリンドーム)以来の登板。オスナを三ゴロ、古賀を右飛、長岡を三ゴロに打ち取り、打者3人できっちり締めた。「いつも通りしっかりバッターに対して勝負できた」。シーズン最初の1カ月でリリーフとして6試合に登板し、1勝0敗、防御率4・50。「1カ月って結構長く感じる。リフレッシュしながら次の試合に臨めるように」と先を見据えた。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)が守備で魅せた。1―4の六回1死一塁で浜田が三遊間を破る間に、代走起用されていた俊足の一走・並木が果敢に三塁を狙った。しかし、左翼を任される新助っ人は強肩を生かし、三塁へ正確にワンバウンド送球。「相手ランナーが走ったのが見えたので、いい送球をしようと心がけた」とタッチアウトにし、3点を追う中でチームをもり立てた。ただ、バットの方では3打数無安打に終わった。

◆七回に登板した阪神・岩貞祐太投手(31)が1回を三者凡退として役割を全うした。4月26日の巨人戦(甲子園)では4―5の八回に登板し、代打・長野に3ランを被弾してチームも敗戦。前回の悔しさを胸に臨んだマウンドで零封し、「毎日やられるわけにはいかないので、これを続けていきます」と話した。

◆4試合ぶりにスタメン出場した阪神・梅野隆太郎捕手(31)は、五回先頭でチーム初安打となる右前打。4月18日の広島戦(甲子園)以来、18打席ぶりの安打を放った。バッテリーを組んだ才木は三回で降板し、2―4の九回は2死三塁で打席が回るも空振り三振。試合後は復調を願う神宮のファンから「梅ちゃん、ずっと応援しとるで、頑張って」とエールを送られる中、報道陣の問いかけに無言で球場を去った。岡田監督はリード面で「ストライクが来んかったら(梅野も)どうしようもないよな」と理解を示した。

◆5月も守り勝て-。阪神はヤクルトに2-4で敗れ、連勝は3でストップした。4月最終戦は黒星となったが、サンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(79)は「連敗しない野球が実践できている」と評価した。5年連続リーグワースト失策の守備はここまで2番目に少ない「9」。土井氏は春季キャンプ以来、岡田監督が掲げた守りの野球が浸透しているとし、5月以降のキーマンには青柳&西勇の実績十分の先発コンビを指名した。一回にヤクルト先発・吉村を崩せなかったのが響いての敗戦だ。立ち直った二回以降は、あの投球をされたら攻略は難しかった。チームが3試合連続完封という流れできていただけに、勝って4月を締めくくりたかったが、貯金3は「上々の滑り出し」と評価していい。この先も、大きな連敗が考えにくい野球ができている。投手を中心とした守りの野球が実践できている。それが好スタートの最大の要因だ。「余計な点を与えない」「1点を防ぐ」。岡田監督の目指す野球が浸透している。キャンプから守りに重点を置き、徹底的に練習した成果だろう。この試合も二遊間での併殺がしっかり取れていた。六回に左前打で一走が三塁を狙ったシーンも、ノイジーが正確な返球で刺した。余分な進塁を許さないプレーだ。五回に佐藤輝の失策が失点につながったが、昨年までのチーム全体の守乱を思えば、まずいプレーは激減している。

◆名前が「タイトルホルダー」。どう考えても勝たないはずがない-。球界のタイトルホルダーを山ほど取材してきた野球記者の直感と、レース部の尊敬する大先輩の予想が合致して、一大決心、大金(私からすれば)を投じた。天皇賞・春。結果は、想定外の競走中止。テレビの前で呆然自失だ。夢を乗せた馬券は一瞬にして紙くずと化した。やっぱり「相性」なのか。尊敬する大先輩は時々、「ダマされた思って買ってみろ」と耳打ちしてくれる。だが、一度としてゲットしたことがない。ダマされ続けてもう40年近くの月日が流れている。私が買わないとき、大先輩の予想はよく当たっているのに...。だから「相性」という言葉しか思いつかない。オープン戦で対戦したときに抑え込まれたヤクルトのルーキー・吉村。4月9日の公式戦初対決も1点しか取れなかった。どこかの先輩と後輩のようなマイナスの「相性」になりませんように...。祈りながらの観戦となったが、予想は悪い方に的中してしまった。昔は神宮球場でよく負けた。「相性」という2文字では片づけられないぐらいに、ひどい試合を何度も見せられたもの。その神宮球場は、世界的にみても不思議なスタジアムだ。サッカー担当として世界のスタジアムで取材を重ねてきたトラ番・邨田直人は今回、初めて「神宮の公式戦」を体感して、ビックリの連続だったという。「昼間は学生野球が行われているじゃないですか。だから、通常はプロは室内練習場で練習して試合に臨む。ただ、その終了時刻によって、練習場所が変更になるんですね」

◆「何でやねん!? キャッチャー坂本が3連続完封勝ちの絶妙リードをしとんのに、先発マスクが梅野ってあるかー!! アギャーほら見てみい! 若武者才木が3回3失点で早々にKO食らったやんかー!!」と球場でテレビ、ラジオその他の前で梅野に罵声を浴びせた全国の虎党の皆さんに俺も大いに賛成!!さらにネチネチと俺の愚痴は続くのだ。「高年俸もらっとるやろブツブツ...」「何が今季のレギュラーは梅野! の岡田さんのお墨付きじゃボソボソ...」。おそらく全国の虎党も俺と同じ思いであろう...。ただただ一つだけ、そんな虎党の皆さんに俺からお願いがあるのだ。散々文句を言ったその最後に「この後頼むわ! 期待してるでェ! 梅ちゃ~ん!!」の一言を加えてください!!オ~イ! ダンカン一人だけいい子になる気かコラ!!(怒) いや、本心です!! 日本一になるとなったらいくら坂本が絶好調でも、まず一捕手じゃ限りなく厳しいんです! 必ずやもう一人の力が必要なんです!! それがプロ野球の世界...。そしてその一人は梅野隆太郎以外いないんや~!! 「梅野頼むわ! 期待してるでェ!!」(絶叫)

◆阪神・才木浩人投手(24)は5安打3失点で今季最短の3回降板となり、3戦連続黒星(1勝3敗)を喫した。「自分で自分を苦しめたという感じがある。そこは反省」。三回に村上の左犠飛で先制され、チームの連続無失点が30イニングでストップ。さらに、サンタナには左翼への2ランを被弾した。岡田監督は次回の登板について「考えなあかんわな」と2軍降格を示唆。右腕は今後に向けて「しっかりとゼロに抑えられるように、そういう投球ができるように切り替えて頑張ります」と前を向いた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
1670 0.696
(↑0.014)
-
(-)
12081
(+2)
65
(-)
15
(-)
6
(+1)
0.250
(↓0.004)
2.630
(↑0.12)
2
(-)
阪神
13101 0.565
(↓0.026)
3
(↓1)
11986
(+2)
67
(+4)
12
(+1)
14
(-)
0.239
(↓0.004)
2.580
(↓0.03)
3
(-)
広島
12120 0.500
(↑0.022)
4.5
(-)
11981
(+11)
74
(+4)
20
(+4)
9
(+1)
0.241
(↑0.006)
2.780
(↓0.06)
4
(1↑)
ヤクルト
11131 0.458
(↑0.023)
5.5
(-)
11863
(+4)
73
(+2)
14
(+1)
22
(+1)
0.195
(↑0.005
2.740
(↑0.07)
5
(1↓)
巨人
11140 0.440
(↓0.018)
6
(↓1)
11883
(+4)
101
(+11)
23
(-)
2
(+1)
0.238
(↑0.002)
3.900
(↓0.31)
6
(-)
中日
8150 0.348
(↓0.016)
8
(↓1)
12056
(-)
70
(+2)
4
(-)
6
(-)
0.238
(↓0.004)
2.710
(↑0.03)