ヤクルト(★0対7☆)阪神 =リーグ戦5回戦(2023.04.29)・明治神宮野球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
00002012271212
ヤクルト
0000000000300
勝利投手:村上 頌樹(2勝0敗0S)
敗戦投手:小川 泰弘(1勝3敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(2号・5回表ソロ),佐藤 輝明(3号・8回表2ラン)

  DAZN
チケットぴあ ヤクルト戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆阪神は5回表、佐藤輝のソロと近本の適時打で2点を先制する。その後は7回に近本の適時二塁打が飛び出すと、8回には佐藤輝が2ランを放ち、試合を決定づけた。投げては、先発・村上が8回2安打無失点の快投で今季2勝目。敗れたヤクルトは、投打ともに振るわなかった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)がこの日2本目となる3号2ランを放った。3点リードの8回無死一塁の第4打席。カウント1-0で内角直球を右翼席中段へ豪快に放り込んだ。5回にも先発小川から3試合ぶりとなる2号ソロを放っており「フォークで少し前に出されてしまいましたが、いい角度の打球を打てたと思います。風もあったのでフェンスを越えてくれました。(村上)頌樹に援護点を取ることができてよかったです」と同期入団の先発村上頌樹投手(24)を援護。6試合連続安打と背番号8の勢いが止まらない。

◆阪神近本光司外野手(28)が、またしても淡路島出身の後輩をバットで援護した。1点リードの5回2死一、二塁からヤクルト小川の内角直球をコンパクトなスイングで捉え、右前へ。貴重な追加点となるタイムリーで、同郷の先発村上を援護した。「(佐藤)テルの1点(ソロ)で終わらずに、みんなでつないで2点目を取ることができてよかったです」さらに7回2死三塁からは2番手木沢の変化球を捉え、左中間への適時二塁打でリードを拡大。村上はベンチ前で両手を頭上に挙げて拍手して喜んだ。近本は村上が先発した試合でめっぽう強い。12日の巨人戦(東京ドーム)では延長10回に決勝の左前適時打をマーク。さらに22日の中日戦(バンテリンドーム)では0-0の6回に右中間への適時三塁打を放ち、後輩右腕のプロ初勝利に貢献していた。

◆俳優工藤綾乃(26)が自身6度目の始球式に臨み、初めてノーバウンドでのストライク投球を成功させた。今年も背番号「910(くどう)」のユニホームで登場。昨年は一塁ベンチ方向へ大暴投し、球団マスコットのつば九郎からにらまれて? しまった。木沢とドラフト1位吉村のフォームをまね、「振り子投法」でナイスピッチを見せると大喜び。「去年のあの日からずっと悔しくて、もう1回チャンスがくるならめちゃくちゃ練習しようと思って」と、多くて週3回のキャッチボールに加えて体幹トレーニング、肩の可動域を広げるトレーニングまでして臨んでいた。「神宮球場グルメ大使」を務めており「お仕事終わったのでこれからビールをたくさん飲ませていただいて。去年なんてビールの味を覚えてないくらいメンタルをやられていた。今日はうたげですかね」と、「200点」の花丸投球に酔った。

◆阪神村上頌樹投手(24)が、セ・リーグ防御率1位に躍り出た。6回を投げ終えた時点で今季23イニングに到達し、規定投球回に乗った。開幕から無失点投球を続け7回終了時点で防御率0・00。「ミスターゼロ」のゼロ行進はどこまで続くのか。セ・リーグ防御率ランク(29日午後8時30分時点)1位阪神村上0・002位広島九里0・683位DeNA石田1・13

◆阪神が3連勝を飾った。投げては先発村上頌樹投手(24)が8回無失点と好投した。打線は5番・佐藤輝明内野手(24)が5回に先制の2号ソロ、8回にも右翼へ3号2ランを放ち4打点。村上と同じ兵庫・淡路島出身の近本が5回と7回に2本の適時打を放ち援護した。首位DeNAも勝ったためゲーム差2は変わらず、2位でピタリとマークする。

◆阪神村上頌樹投手(24)が8回2安打1四球無失点でプロ2勝目を手にした。開幕から4試合登板で計25イニング連続無失点。規定投球回にも乗り、防御率0・00で文句なしの1位に躍り出た。序盤からアクセル全開だった。初回は3者凡退。2回2死からヤクルト青木に中前打を打たれるも崩れることなく、元山を右飛に仕留めた。3回から7回まですべて3者凡退。8回に今季79人目で初めて四球を与えたが、難なく無失点で切り抜けた。前回登板の22日中日戦(バンテリンドーム)では9回2安打無失点の完封でプロ初勝利。3年目右腕が輝きを放っている。

◆関西地区で地上波放送を中継するサンテレビでは、「村上対決」を村上昂輝アナウンサー(28)が実況した。2回先頭で阪神先発の村上頌樹投手(24)とヤクルト4番村上宗隆内野手(23)が対戦。初球146キロ直球でファウルとなった直後、解説者の浜中治氏(44)が「これ一直線でつながれてますね。村上投手、バッター村上、サンテレビアナウンサー村上さん、ちょうど3人並んでる感じですね」と振られると、村上アナは「私、村上ですね。バックネットで一直線に」と照れながら返した。浜中氏が言うようにマウンド、打席、その後方スタンドにある放送席と「村上」が3人並んでいた。ヤクルト村上は3球目をとらえ一塁手大山の頭を越えるゴロを放ったが、二塁手中野が回り込みファインプレー。ベースカバーに入った投手村上の足が一塁ベースから離れたのではないかとヤクルト高津臣吾監督(54)がリクエスト。リプレー検証となったが、判定は変わらずアウトだった。村上アナは2人の対決に「ピッチャー村上」「ヤクルト村上」と使い分けた。リプレー検証の待ち時間にはベンチリポーターの湯浅明彦アナ(48)から「放送席の村上アナウンサー」と呼びかけられ、投手村上の東洋時代のエピソードが披露された。

◆この日育成から支配下に昇格したばかりのヤクルト丸山翔大投手(24)が、1軍の洗礼を浴びた。3点を追う8回、3番手でプロ初登板を果たした。先頭の阪神大山を四球で出すと、続く佐藤輝に直球を右翼席へ運ばれた。「真っすぐが一番自信があった。もし他の変化球でゴロを狙えるような、ストライク率が高ければ選択肢も増える。そういった引き出しも増やしていきたい」と課題を見つけた。自己最速タイの151キロを計測するなど力強さもあった。「大きな声援をいただいてうれしかったですし、だからこそ抑えて応えたい」と話した。

◆阪神が3試合連続完封で3連勝を飾った。投げては先発村上頌樹投手(24)が8回無失点と好投した。2戦連続完封がかかっていたが、岡田彰布監督(65)は9回は加治屋蓮投手(31)に継投した。阪神の3試合連続完封勝ちは過去10度。最新は21年4月14日~16日以来首位DeNAも勝ったため、ゲーム差2は変わらずの2位。試合後の一問一答は以下の通り。-先発の村上がすごい「すごいなあ」-どんな感じで見ているのか「いやあ、打てそうにないなあと見てるよ。ほんま」-8回は抑え切るまで投げさせようと「ちょっとなあ、最後なあ、上ずったけどなあ。まあ点数もあったし。本人もちょっと、バテた言うたから。もうな。雨も降ってきたし、あれや。点差もあったからな」-8回を自分の力で抑え切った「そうよ、あそこで1点でも打たれんのと、な。(代打で)川端、山田が出てきてな、おーん。自分で抑えたことはまたな、もっと自信になると思うけどな」-佐藤輝が2発「だいぶ引っ張れるというかな、練習の時からだいぶ引っ張ってな。一塁線というかライトの方にファウルにしてもな。だからそういう打球を打たんとなかなか戻ってけえへん。この間、雨の中止のアレからやわ。ちょっと引っ張りだして。引っ張れ言うたんやけどな。それからやな、だいぶようなってきたんわな」-佐藤輝が打つだけで得点力が「いやいや、そらなあ、長打があるからな、ホームランというなあ」-捕手の坂本もよく打つ「坂本なあ、おーん。明日は使わへんけどな(笑い)明日は梅野にちょっと奮起させよ、そら。1年間の、長いシーズンあるんやから」-近本の適時打も大きい「いやいや、大きい大きい。まあ、だからもう、村上も三振でな、(5回1死一、二塁での)バントのやつも下手に前に転がってゲッツーなるよりかはな、もう三振の方がええって。もう最後もそうだけど、あんまりいらんことせんように、前飛んでな、ゲッツーとかなったらな、おまえ。近本がずっとチャンスでな、ええバッティングしとるからさ、もう2アウトでな、そら残っても、だからあれやんか、7(番坂本)出たら、8(番木浪)でバントで、(1番の)近本勝負でええわけやからな、結局は、そういうことやからなあ」-この3試合、若い投手で完封「そうやなあ。なあ。まあ、明日(30日)くらいはそら点取られるよ。そんなうまいこといけへんから。まあ打つ方がだいぶ活発になってきたから、ピッチャーの方もだいぶ違うよな。ずっと点取れてない時と、今は取ってくれるという、そういう感じがあるし、ピッチャーもリズムよく、点取られても2点目を防ぐとか、そういういい流れになる」-二遊間がいい守備を見せている「なあ。ま、でもあのくらいずっと守ってるから」

◆阪神岡田彰布監督(65)が試合後、30日ヤクルト戦で梅野隆太郎捕手(31)を先発起用することを明かした。3試合連続スタメンマスクで3試合連続完封勝利を演出した坂本誠志郎捕手(29)は今季初の猛打賞もマークした。直近3試合で13打数7安打と大当たりだが、指揮官は「坂本なあ、おーん。明日は使わへんけどな」と語り「明日は梅野にちょっと奮起させよ、そら。1年間の、長いシーズンあるんやから」と話した。梅野は今季18試合で打率9分4厘と苦しんでいる。チームは3連勝と波に乗る中、復調のきっかけをつかめるか。

◆ヤクルト村上宗隆内野手は阪神村上頌樹投手との「村上対決」に敗れた。2回の第1打席は打球が一塁手の頭を超えたが、阪神中野の好守に阻まれて二ゴロに。4回は遊ゴロ、7回は空振り三振に倒れ、いずれも走者なしの場面で出塁できなかった。「今日はいいピッチングされましたけど、次はしっかり勝てるように、対策を練って頑張りたい」。投手交代後の9回も三振で4打数無安打。打撃不振から抜けられず、2夜連続の0封負けとなった。

◆「村神様」対決に完勝! 阪神村上頌樹投手(24)が敵地ヤクルト戦で同姓の4番村上宗隆内野手(23)と初対決し、内角直球で果敢に詰まらせて3打数無安打に封じた。8回を7奪三振2安打無失点でプロ2勝目。開幕からの連続無失点を25回まで伸ばし、今季ロッテ佐々木朗がマークした20回を上回った。規定投球回にも到達し、防御率0・00で堂々のトップ。大卒3年目右腕の勢いが止まらない。神宮にどでかい村上コールが響いた。ヤクルト村上ではなく、阪神村上へのものだ。小雨が降る中のヒーローインタビュー。スタンドの左半分を埋め尽くした虎党の声援に「ほんとにすごかったです!」と満面の笑みだ。3年目右腕が初々しく、スタンドにペコペコと頭を下げた。村上が、村上の懐を突いた。2回先頭、ヤクルト村上とのプロ初対戦。3球全て直球を選び、最後は内角直球で二ゴロに仕留めた。4回も自己最速タイとなる内角150キロで遊ゴロ。7回はフォークで空振り三振に仕留めた。カギとなった内角攻め。2軍生活が続いた昨季からすでに、同姓「村神様」対策として考えていた。「内を攻めれば、抑えられるシーンも見てきたので。投げ切ることが大事」。テレビ中継を見て「自分ならどうするか...」と妄想した日々が今、生きている。8回1死一塁から7番長岡に今季79人目で初めて四球を与えたが、動じない。1死一、二塁から川端、山田の代打攻勢もなぎ払った。「攻めたピッチングができた」と胸を張った。昨季まで未勝利の右腕が2連勝。コンプレックスもなくなりつつある。これまでは「『村上!』ってなった時は体がピャッと動く時もあるんです」。テレビや球場で「村上」の声が飛んでも、ヤクルト村上の場合が圧倒的多数。「それを覆せるように頑張りたい」と高みを目指してきた。その村上を完璧に封じ、8回2安打無失点。開幕から25イニング連続無失点で、今季ロッテ佐々木朗がマークした「20回」を上回った。規定投球回にも到達し、防御率0・00でリーグトップ。「そこまでこだわりはない」と数字は意識せず、腕を振り続ける。新星の快投でチームは3試合連続完封勝ち。4カードぶりの勝ち越しで4月勝ち越しも決めた。岡田監督はヒーロー村上に「すごいなあ。いやあ、打てそうにないなあと見てるよ、ほんま」と感服しきりだ。今季のブレークを「想像はそこまでしてなかったです」と驚く右腕。ミスターゼロとしての快進撃は、まだまだ続く。【中野椋】村上が8回を無失点に抑えてプロ2勝目。これで村上は今季初登板の4月1日DeNA戦から25イニング連続無失点。月間25イニング以上投げて失点0は82年4月の金沢(大洋=26回)以来となり、2リーグ制後5人目だ。開幕からの連続イニング無失点記録は1リーグ時代の39年高橋(阪急)の38回1/3で、2リーグ制後は21年平良(西武)の38回だが、セ・リーグ記録は63年中井(阪神)の31回。村上が次回の登板でセ・リーグ記録に挑戦する。

◆「村神様」対決に完勝! 阪神村上頌樹投手(24)が敵地ヤクルト戦で同姓の4番村上宗隆内野手(23)と初対決し、内角直球で果敢に詰まらせて3打数無安打に封じた。8回を7奪三振2安打無失点でプロ2勝目。開幕からの連続無失点を25回まで伸ばし、今季ロッテ佐々木朗がマークした20回を上回った。規定投球回にも到達し、防御率0・00で堂々のトップ。大卒3年目右腕の勢いが止まらない。阪神村上の活躍を見るたびに、7年前の春に智弁学園・小坂将商監督(45)から聞いた言葉を思い出す。16年の第88回選抜大会。エース村上を擁し、智弁学園は初めて紫紺の大旗を手にした。「センバツは本気で優勝を狙う、と言えたのは、村上がいるから」。優勝監督はそう明かした。150キロを超える剛球があるわけではない。特別、体が大きいわけでもない。それでもさまざまな長所を持った好投手だった。選抜大会の開幕直前、実戦で打ち込まれた末に、監督とエースは投球フォーム改造に踏み切った。「胸の前でグラブを構えるから、相手打者に球種が分かる」と要因を突き止め、ベルトの位置で構えるフォームに変更。「大会直前に触るのは怖かったけれど、村上は難なく対応しました。あのセンバツへの準備で一番忘れられない出来事です」。監督の決断に難なく応え、防御率0・38で全5試合を1人で投げ抜いた右腕。投手としてのセンス、力量は高校時代から変わらぬままだ。【堀まどか】

◆ヤクルトは昨年8月12日以来の7連敗で、3カード連続負け越しが決まった。借金3は21年3月28日以来。5位に後退した。阪神村上を8回2安打と打ちあぐねた。村上宗隆内野手は「村上対決」に3打数無安打で、いずれも走者なしの場面でチャンスをつくれず。高津監督は「全然打てなかったね。たくさん準備して、いくつそれができたのか確認したい。(投球の)高さが全部低いので、なかなか打球が上がらない」と振り返り、村上は「今日はいいピッチングされましたけど、次はしっかり勝てるように対策を練って頑張りたい」と話した。連敗ストップは30日の同対戦に持ち越し。まだプロ初勝利に恵まれていないドラフト1位右腕の吉村に託された。高津監督は「点取らないと、スコアリング(ポジション)にいかないと、まず出塁しないとね。その1歩目を大事にいないといけない」と、2日連続無得点の打線の奮起を促した。

◆関西地区で地上波放送を中継するサンテレビでは、「村上対決」を村上昂輝アナウンサー(28)が実況した。阪神先発村上頌樹投手(24)、ヤクルト4番村上宗隆内野手(23)が初対戦する「村上デー」に実況を務め、「同じ姓字の選手が飛躍を姿を実況することができ、こちらも刺激を受けます」と振り返った。村上とは兵庫県出身であることも共通点。さらに名前も「しょうき」と「こうき」と似ている。「そういう意味ですごく親近感がわいている選手。無失点投球が続いていて、こちらも今日は少し緊張してしまった」と語った。ベテランの湯浅明彦アナ(48)はこの日、ベンチリポーターを務めた。「村上デー」に合わせて村上アナが"登板"したのか問われると「本当にたまたまなんです」と明かした。「『村上が村上の実況をしてる』というネット記事も見ました。視聴者もそういう楽しみ方をしてくれているんだなと気づくことができました」と話した。2回先頭で初の村上対決が実現した場面では、解説者の浜中治氏(44)から「これ一直線でつながれてますね。村上投手、バッター村上、サンテレビアナウンサー村上さん、ちょうど3人並んでる感じですね」と振られた。村上アナは「私、村上ですね。バックネットで一直線に」と照れながら返した。浜中氏が言うようにマウンド、打席、その後方スタンドにある放送席と「村上」が3人並んでいた。浜中氏のアシストには「ありがたかったです」と感謝。「立ち上がりの投球を見て、今日はどこまで無失点でいくんだろう、と。わくわくする投球を見せてくれました」と、村上への思いも話した。村上昂輝(むらかみ・こうき)1994年8月10日生まれ、神戸市出身。兵庫・須磨東では硬式野球部。関学大では阪神近本と同学年で同じ法学部。硬式野球部の制服姿の近本を学内で見かけることもたびたびあった。20年4月にサンテレビ入社。アナウンス部に配属され、21年6月29日ヤクルト戦(甲子園)で実況デビュー。

◆覚醒の時が来た。阪神佐藤輝明内野手(24)が先制2号ソロ&ダメ押し3号2ランでマルチ本塁打を決めた。両チーム無得点で迎えた5回、先頭の第2打席。ヤクルト先発小川のフォークを右中間席へ豪快に放り込んだ。「フォークで少し前に出されてしまいましたが、いい角度の打球を打てた。風もあったのでフェンスを越えてくれました」3試合ぶりとなる1発で同期入団の先発村上を援護。だが、それだけにとどまらなかった。3点リードの8回無死一塁でも3番手丸山翔の内角直球を右翼席中段に届かせた。1試合2本塁打は22年5月15日のDeNA戦以来で、複数本塁打は自身4度目。今季自身最多の1試合4打点だ。「2本目はファーストスイングで打てたので良かった。いい感じになってきたので、続けていきたい」連続安打も6試合に伸ばし、完全に復調気配。岡田監督も「この間の雨の中止からちょっと引っ張りだして。引っ張れ言うたんやけどな。だいぶようなってきた」と納得顔だ。昨季は打率2割6分4厘、20本塁打、84打点。二塁打は1年目を10本上回る35本を記録した。それでも満足感はなかった。「ホームランでチームを助けたい」。流れを一気に引き寄せられるアーチを描くことにこだわっている。26日巨人戦の今季1号は5点ビハインドの場面で反撃ののろしを上げる1発。このアーチをきっかけにチームはこの回4得点をたたき出した。この日も佐藤輝の2号から打線は活性化。5番としての役割が徐々に板についてきている。30日ヤクルト戦の相手先発はオープン戦を含め、12イニングを1失点に封じられているドラフト1位右腕の吉村。「チームでしっかり点を取って勝ちたい。ヤクルトに勝たないとダメなので頑張ります」。4連勝へ、気持ちはもう切り替わっていた。【三宅ひとみ】

◆プロ野球選手になっても、仲のいい同級生と集まれば、どこにでもいる24歳の顔になる。佐藤輝明外野手は昨年12月29日、西宮・甲陵中の軟式野球部時代の仲間たちと再会した。兵庫・西宮市、佐藤輝の実家からほど近い焼き鳥店。自身と同じく社会人3年目を迎えた仲間たちと2時間ほど、思い出話や近況に花を咲かせた。「あの公園でよくサッカーしたよなあ」「それじゃ、テルの聖地巡礼でもしてみるか?(笑い)」。懐かしい話をしていると、中学野球部時代の話になった。佐藤輝が「8番右翼」の"ライパチ"で起用されたことがある2年秋の新人戦。「今思うとありえないよな」と笑う友人の横で、佐藤輝も思わず笑顔になった。その後、友人宅でトランプを楽しみ、午後11時過ぎには解散。佐藤輝も「ありがたいですよね、昔からの友だちが今でも仲良くしてくれるのは」と感謝する。いつでも童心に返ることができるひとときが、23年シーズンの原点にある。【阪神担当=中野椋】

◆阪神近本光司外野手(28)が3安打2打点の固め打ちで、またしても同じ淡路島出身の後輩の勝利をアシストした。村上が先発した3試合全てで打点を記録し、通算で14打数7安打の打率5割。2度の決勝打を含む4打点を挙げるなど、快投を連発する右腕をバットでもり立て続けている。1点リードの5回2死一、二塁から小川の内角直球をコンパクトなスイングで捉え、右前へ。「(佐藤)テルの1点(ソロ)で終わらずに、みんなでつないで2点目を取ることができてよかった」。さらに7回2死三塁からは2番手木沢の変化球を捉え、「イメージ通り」と左中間への適時二塁打でリードを拡大した。9回先頭では中前打を放ち、今季3度目の猛打賞を記録。ダメ押しの6点目のホームを踏んだ。近本は去年の春季キャンプで村上にさりげなく自信をつけさせていた。シート打撃で対戦し、右腕の持ち味である真っスラを投じた。村上は先輩に「ボールどうですか?」と尋ねると、「真っスラはマジで嫌や」と伝えられたといい、「あの人は覚えてるかわからないですけど」と苦笑い。球界を代表するバットマンも苦手とする"魔球"で、旋風を巻き起こしている。打率はセ・リーグ3位の3割4分9厘まで上昇。30安打、14打点といずれもチームトップの数字を残している。この日もタイムリー2本と絶好調のリードオフマンに、岡田監督は「いやいや、大きい大きい。近本がずっとチャンスでええバッティングしとるから、村上も下手にバントで前に転がしてゲッツーになるよりかは三振の方がええ。7番出たら8番でバントで、近本勝負でええわけやからな、結局は」とニンマリだ。背番号5が例年にないロケットスタートをみせ、チームを活性化させている。【古財稜明】

◆阪神坂本誠志郎捕手(29)が、チームを3試合連続完封勝利に導いた。先発村上は8回2安打1四球。「いや、すごいですね。僕もよう分からんくらいすご過ぎて」と褒めちぎった。「いつもより変化球が多かったけど、この風と狭い球場ですごくいいテンポで投げてくれた」。本塁から中堅へ打者有利の風が吹く場面が多い中、丁寧にヤクルト打線を料理した。バットでも今季初の猛打賞をマーク。5回、7回は生還して2得点。3試合連続マルチ安打で、この完封3試合では13打数7安打の打率5割3分8厘と大当たりだ。「いやあ、自分が一番びっくりしてます」と笑うが、打撃とリードがつながっているのかと問われると「いや、そこは関係ないです」とキッパリ。「しっかりコンタクトしてセンター中心に打つ」ことを練習から意識して取り組んでいる結果だ。今季スタメン7戦7勝。計2失点しか許していない。不敗神話は頼もしいが、岡田監督は「坂本なあ。明日は使わへんけどな。梅野にちょっと奮起させよ。1年間、長いシーズンあるんやから」。坂本の大活躍がチーム全体を刺激し、活性化させている。【石橋隆雄】

◆阪神は村上頌樹投手(24)が先発する。前回登板22日の中日戦(バンテリンドーム)は9回2安打無失点の完封で自身のプロ初勝利を飾った。今季はここまで17回連続無失点中。ヤクルト打線を自慢の制球力で抑える。打線は「6番・右翼」で井上広大外野手(21)が3試合連続のスタメン。2試合連続打点と好調の若虎が猛虎打線をけん引する。

◆注目の〝村上対決〟は阪神の先発・村上頌樹投手(24)に軍配が上がった。二回先頭でヤクルトの4番・村上宗隆内野手(23)と対戦。カウント1-1から3球目だった。直球で詰まらせるも、打球は一、二塁間最深部へ。これを二塁手・中野が好プレー。素早く捕球し、ベースカバーに走った投手・村上に送球した。判定はアウト。たまらずヤクルトベンチはリクエストを要求したが、長いリプレー検証の末、判定は変わらずアウト。虎の〝村神様〟がまずは強打者を抑えた。

◆「ますだ家・レモンカンパニーpresentsきっちんくるりんぱスペシャルナイター」と題して開催され、昨年に引き続き「神宮球場グルメ大使」に就任した女優、工藤綾乃(26)が自身6度目となる始球式を務めた。背番号「910」のユニホームに袖を通してマウンドに立った工藤は、公言通り木沢と吉村の投球フォームをまねて、投球前に右手を上げ、指導の際に左足を後ろに振る「振り子投法」で投球。見事にノーバウンドで、捕手の中村が一歩も動かない〝ストライクゾーン〟に投げ込んだ。「ちゃんとキャッチャーが動かないで捕れるところに行ったのは初めてです。めっちゃ喜びました。昨年がだいぶ大暴投すぎたので、あの日からずっと悔しくて、もう一回チャンスが来るならめちゃくちゃ練習しようと思ってやったので、よかった。グルメ大使をさせてもらってからヤクルトの試合をよく見るようになって、木沢選手のファンになっちゃって。毎回声を出す姿がすごくスポーツ選手としてかっこいいなと。吉村さんはドラ1で入られて、頑張っていただきたいという期待を込めてやらせていただきました」始球式が決まった1カ月半前ほどから、野球経験のある友人と多い時で週3回キャッチボールをして制球力を磨いてきた。出来に関しては「200点です」と喜びを爆発させ、昨年は厳しい目線を送られた(?)つば九郎からグータッチで祝福された。登板前には神宮球場の名物「じんカラ」で腹ごしらえ。一仕事を終え、昨年に続いてビールを飲むことを宣言し「昨年なんてビールの味なんて覚えてないぐらいメンタルやられていたんですけど、きょうは宴ですかね」と笑った。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が五回先頭の第2打席に先制の2号ソロを放った。カウント2-0から小川のフォークを振り抜いた。体は泳ぎながらも、パワーで白球を右中間スタンドへ。今季1号を放った26日の巨人戦(甲子園)以来、3試合ぶりの一発に悠々とダイヤモンドを周った。この日の先発は同期入団の村上頌樹。ヤクルト打線をテンポよく抑えていく右腕に待望の援護点を届けた。二回の守備では同じく同期入団の中野が好プレーで村上をフォロー。2021年ドラフトトリオが神宮で同期の結束を見せつけた。

◆阪神・近本光司外野手(28)が五回2死一、二塁の好機で右前適時打。2-0とリードを広げた。佐藤輝の2号ソロで先制した五回。1死から坂本、木浪の連打で追加点の好機を作った。2死後に近本が打席へ。高めに浮いた小川の直球を見逃さなかった。右前に運ぶタイムリーで追加点をあげた。同じ淡路島出身の後輩、村上頌樹投手が先発する一戦。近本は12日の巨人戦(東京ドーム)、22日の中日戦(バンテリンドーム)と村上が先発した試合ではこれで3試合連続打点と後輩の力投にバットで応えている。先制ソロを放った佐藤輝も「フォークで少し前に出されてしまいましたが、いい角度の打球を打てたと思います。風もあったのでフェンスを越えてくれました。(村上)頌樹に援護点を取ることができてよかったです」とうなずいた。

◆阪神・近本光司外野手(28)が七回にこの日二本目のタイムリーを放った。2番手・木沢に対し、先頭の坂本が投手強襲の内野安打で出塁。捕逸と木浪の二ゴロで1死三塁の好機を作った。村上は三振で近本が打席へ。カウント1ー2から4球目を捉えた。左越えの適時二塁打で大きな3点目。今季14打点とし、セ・リーグ単独トップに躍り出た。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が八回に3号2ラン。この日2本目のアーチでヤクルトを突き放した。八回無死一塁の第4打席。カウント1-0から丸山翔の直球を完璧にとらえた。打った瞬間、スタンドインを確信した打球は弾丸ライナーで右翼席へズドン。佐藤輝は五回に先制の2号ソロを放っており、2022年5月15日のDeNA戦(横浜)以来となる1試合2本塁打をマークした。

◆またも勝ち星に恵まれなかった。ヤクルト・小川泰弘投手(32)が6回92球を投げ、5安打2失点と力投した。だが味方の援護がなく、3月31日の開幕戦(対広島、神宮)以来の2勝目はお預け。登板前に「隙を見せず、できるだけ全員で団結してやっていくことが必要。自分の力を出し切って、チームの勝利に貢献できるように集中してやっていきたい」と意気込んでいただけに、次回こそ白星を呼ぶ投球をする。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(29)が八回1死から中前打を放ち、猛打賞を達成した。坂本は五回の第2打席に左前打を放つと、七回の第3打席では投手を強襲する内野安打。近本の適時打で3点目のホームを踏んだ。27日の巨人戦(甲子園)から3試合連続でスタメンマスクをかぶり、計7安打と絶好調。守っては先発・村上頌樹投手(24)を七回まで無失点に導き、先発の試合はこの日まで6戦6勝の〝負けない男〟が攻守に躍動した。

◆全力で一塁ベースを駆け抜けた。ヤクルト・村上宗隆内野手(23)が二回先頭で一、二塁間へのゴロを放つ。二塁手・中野が捕球。ベースカバーに入った投手・村上の足が離れたように見えたがアウト。リクエストによるリプレー検証でも判定は覆らなかった。苦しい状況が続く。今は我慢の時だ。若き主砲は28日の阪神戦では3打数無安打。試合後には表情を崩さず「勝てるように頑張ります」と声を絞り出した。打率が1割台に沈み、打撃フォームを試行錯誤しながら臨む日々。「(復調には)まだまだ数十歩ぐらいある」と足元を見つめた。村上が苦しむ姿を誰が予想しただろうか。昨季は日本選手最多となるシーズン56本塁打を放ち、史上最年少での三冠王を達成。今年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では準決勝のメキシコ戦でサヨナラ打、決勝の米国戦で本塁打を放ち、世界一に貢献した。シーズンでの活躍を日本中が期待している。開幕前、村上はこう口にした。「どのチームもすごく手ごわいですし、143試合長い戦いですけど、一試合一試合気持ちを切り替えながら、その日その日でしっかり区切って、最終的に優勝するという目標だけ忘れずにやれば必ず勝てると思う」この日も打線は湿ったままでわずか3安打。村上は九回2死二塁の最終打席も三振で4打数無安打、2試合連続ノーヒットに終わった。2戦連続で今季4度目の零封負け。あーあ、泥沼の7連敗...。シーズンはまだ序盤。きっかけ一つで流れは変わる。スワローズの反攻を信じて待つしかない。

◆阪神が快勝。先発した村上頌樹投手(24)が、8回2安打無失点で今季2勝目。開幕から25イニング連続無失点とした。右腕は持ち前の制球力でヤクルト打線を翻弄。注目のヤクルトの4番・村上との〝村上対決〟は3打数無安打1奪三振と圧勝した。八回にヒットと、今季初の四球で1死一、二塁のピンチを背負ったが、代打・川端を左飛、代打・山田を右飛と踏ん張った。打線は佐藤輝明内野手(24)が五回に先制の2号ソロを放つと、八回はとどめの3号2ラン。不振に苦しんでいた大砲が完全復活の1試合2本塁打で、同期の村上を援護した。村上と同じ淡路島出身の近本も3安打2打点をマークするなど、好調の打線がつながった。阪神は3連勝。貯金は今季最多タイの4となった。

◆阪神が3戦連続完封勝利。101球を投げ、8回2安打7三振1四球で2勝目を挙げた村上頌樹投手(24)は開幕から25イニング連続無失点。規定投球回に達し、防御率0・00でリーグトップに躍り出た。打線は佐藤輝明内野手(24)が五回、八回とソロ本塁打を放ち、昨年5月15日のDeNA戦(横浜)以来の1試合2発を記録した。近本光司外野手(28)は2本の適時打。スタメンで7戦7勝の坂本誠志郎捕手(29)は3試合連続マルチ。ヤクルトは7連敗。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=13勝9敗1分、観衆=2万9752人)。ーー村上がすごい「すごいなあ」ーーどんな感じで見ている「いやあ、打てそうにないなあと見てるよ。ホンマ」ーー八回は抑え切るまで「最後なあ、上ずったけどなあ。まあ点数もあったし。本人もちょっと、バテた言うたから。もうな。雨も降ってきたし、アレや。点差もあったからな」ーー八回を自分の力で抑え切った「そうよ、あそこで1点でも打たれんのと、な。(八回1死一、二塁から代打で)川端、山田が出てきてな、おーん。自分で抑えたことは、もっと自信になると思うけどな」ーー佐藤輝はこのまま「おーん、だいぶ引っ張れるというかな、練習の時から引っ張ってな、おーん、一塁線というかライトの方にファウルにしてもな、おーん。だからそういう打球を打たんとなかなか戻ってけえへん。この間、雨の中止(4月25日の甲子園での巨人戦)のアレからやわ、おーん。ちょっと引っ張りだして。引っ張れ言うたんやけどな。それからやな、だいぶようなって来たな、おーん」ーーあそこが打つだけで得点力が「そらなあ、長打があるからな、ホームランというなあ」ーー坂本もよく打つ「坂本なあ、おーん。明日は使わへんけどな(笑)。明日は梅野にちょっと奮起させよ、そら。1年間の、長いシーズンあるんやから」ーー近本のタイムリーも大きい「大きい大きい。まあだからもう、(五回1死一、二塁でスリーバント失敗の)村上のバントも下手に前に転がってゲッツーなるよりかは三振の方がエエって、おーん。最後もそうだけど、いらんことせんように、前飛んでな、ゲッツーとかなったらな、お前。近本がずっとチャンスでええバッティングしとるからさ、もう2アウトでな、そら残っても、だからアレやんか、7(番)出たら、8(番)でバントで、近本勝負でエエわけやからな、結局は、そういうことやからなあ」ーーこの3試合、若い投手で完封「そうやなあ。なあ。まあ、明日くらいはそら点取られるよ。そんな上手いこと行けへんから。まあ打つ方がだいぶ活発になってきたから、ピッチャーの方もだいぶ違うよな。ずっと点取れてない時と、今は取ってくれる感じがあるし、ピッチャーもリズム良く、点取られても2点目を防ぐとか、そういういい流れになる」ーー二遊間がいい守備を見せている「なあ。ま、でもあのくらいずっと守ってるから」

◆覚醒の2発や! 阪神は7-0でヤクルトに快勝。佐藤輝明内野手(24)が五回先頭で先制の2号ソロを放つと、八回にも右越えへ3号2ランをかっ飛ばした。ゴールデンウイーク初日に、希望に満ちた豪快2発&4打点。完全に目覚めた大砲に導かれ、チームは今季2度目の3連勝。貯金を今季最多タイの4とした。神宮の雨雲を、復活と覚醒のアーチが切り裂いた。長いトンネルを抜けた虎の大砲は本来の輝きを取り戻す。敵地に響き渡った心地いい大歓声を背に、佐藤輝はダイヤモンドを2度、ゆっくりと周った。「速い球をしっかり打てたので、それはよかったと思います。2本目なんか、ファーストスイングで打てたんでよかったです」まずは五回先頭の第2打席だ。小川の128キロフォークに、体勢を崩されながらも、最後は右手一本で白球を押し込んだ。自慢のパワーに、神宮の風が味方する。右中間スタンドに運ぶ先制の2号ソロ。これが、2022年5月27日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来の決勝弾となった。この日の佐藤輝はこれだけに飽き足らない。八回無死一塁で迎えた第4打席はカウント1-0から丸山翔の直球を一閃。打った瞬間、スタンドインを確信した。打球は弾丸ライナーで右翼席へ。2022年5月15日のDeNA戦(横浜)以来となる1試合2本塁打に、九回は二ゴロで1打点を加え、計4打点。不振に苦しみ、悩んでいた頃の姿は、もう完全に消えていた。沖縄での春季キャンプを終え、甲子園に帰ってきた3月。飽くなき打撃への向上心から、佐藤輝は打撃フォームの改造に着手した。1センチ単位で微調整を繰り返し、たどり着いたのはスタンスを〝一足分〟ほど広げること。練習中からノーステップを試すなど、開幕に向け万全の準備を整えたはず...だった。しかし、野球の神様はプロ3年目の大砲に試練を与える。開幕直後から重度の不振に苦しみ、一時は打率・138にまで落ち込んだ。ベンチスタートのときもあった。「やってきたことを無駄にしないためにも頑張ります」それでもなお、変化を恐れず〝最高〟を追求した。暗闇の出口に立ったいまの姿は、復活か進化か-。「それはまだわからないです。でも、いい感じになってきたので。続けていきたい」。あの苦しみがあったから成長できたと、最後に笑って振り返るために、これからはひたすら上昇し続けていくだけだ。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が、あとほんの少し飛距離があれば...という惜しい打球を飛ばした。0-0の二回先頭でヤクルト先発・小川のスライダーを振り抜くと、白球は左翼ポール際の外野フェンス最上部付近を直撃。球場も先制アーチかと一気に沸いたが、結果はシングルヒット。岡田監督もベンチで苦笑いを浮かべた。九回には遊撃内野安打をマークし、3試合連続複数安打。打率・301に上昇し、11日の巨人戦(東京ドーム)以来となる3割に浮上した。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が好守で2021年ドラフト同期入団の村上を盛り立てた。0-0の二回先頭。村上が放った右前へ抜けそうな一、二塁間のゴロを回り込んで捕球すると、華麗な身のこなしでベースカバーの右腕へ送球。ヤクルトのリクエストでも判定は覆らず、間一髪でアウトに仕留め「打ち取った打球をアウトにするのが自分のやるべきこと。よかった」と胸を張った。5-0の九回無死二塁で右翼線へ適時二塁打を放ち「テル(佐藤輝)も含めてドラフト同期として助けることもできている」。同期の絆で快勝に貢献した。

◆長いトンネルの出口はどこにあるのか。ヤクルトは2戦連続、今季4度目の零封負けで昨年8月5―12日以来の7連敗。打線は散発3安打に終わり、高津臣吾監督(54)は淡々と総括した。「全然打てなかったね。たくさん準備して、いくつそれができたのかを確かめたい。できる範囲で僕の絞れる知恵を絞ってやっているつもりですけど、なかなかうまくいかないですね」最後は主砲のバットが空を切った。7点を追う九回2死三塁で、村上が空振り三振。神宮には燕党のため息が漏れた。二回先頭では二ゴロで懸命に走り、一塁カバーに入った阪神先発・村上の右足が一塁ベースから離れたかに見えたが、リクエストによるリプレー検証でも判定は覆らず。待望のアーチは61打席連続で生まれていない。打線は阪神の村上を攻略できず、20イニング連続無得点で5位に転落。それでも村上が「明日勝ちます」と言葉に力を込めれば、高津監督も「明日ゲームがあるのがプロ野球。しっかり反省をして、研究して明日を迎えないと。やるべきことをやらなきゃいけない」と前を向いた。なんとか光を目指し、チーム一丸で進むしかない。(赤尾裕希)

◆しぶとく右前を破る打球に、ベンチ脇で見守った背番号41が何度も手をたたいて喜ぶ。同郷の後輩・村上の前で、阪神・近本光司外野手(28)が頼もしい姿を見せた。2本の適時打で2打点を挙げ、リードを広げた。「(佐藤)輝の1点で終わらずに、みんなでつないで2点目を取ることができてよかった」佐藤輝のソロ本塁打で先制し、なおも2死一、二塁で迎えた五回の第3打席。先発・小川の内角の直球に詰まらされながら、右前へ運んで貴重な追加点を奪った。2―0の七回は2死三塁から、2番手・木沢の外角の変化球に「イメージの中のひとつでした」とバットが伸びた。左中間を切り裂く3点目でリードをさらに広げ「大事な1点を取ることができてよかった」と喜んだ。

◆阪神・坂本誠志郎捕手(29)は、先発マスクをかぶると7戦7勝と連勝記録を伸ばした。8回無失点の村上については「いや、すごいっすね。僕もちょっとよう分からないくらい。すごすぎて。それしかないっす」とたたえた。バットでも3安打2得点で、2020年9月17日の巨人戦(東京ドーム)以来3年ぶりの猛打賞。「いやー、自分が一番びっくりしていますね」と声を弾ませた。岡田監督が試合後「あしたは使わへんけどな(笑)。あしたは梅野にちょっと奮起させよ。1年間の長いシーズンあるんやから」と明かしており、才木が先発する30日の同カードでは梅野が先発マスクをかぶる見込みだ。

◆阪神・井上広大外野手(21)は「6番・右翼」で3試合続けて先発するも、5打数無安打。二回と六回は空振り三振に倒れ、佐藤輝の本塁打の直後に入った八回は3球で見逃し三振を喫するなど3三振となった。28日の第1打席に2試合連続となる左前適時打を放ったが、その後は9打数無安打で6三振と、苦しい打席が続いている。

◆ヤクルトは29日、育成選手の最速151キロ右腕、丸山翔大投手(24)と支配下選手契約を結んだと発表した。年俸450万円で、背番号は017から68に変更となる。「いろいろな人の支えのおかげで支配下登録していただくことができたので、素直にうれしい。必要な戦力になっていけるように頑張りたい」福岡・小倉工高から西日本工大を経て2021年に育成ドラフト4位で入団。この日、出場選手登録され、阪神戦(神宮)の八回から3番手で登板。ユニホームが間に合わず、背番号017で投げたが、佐藤輝に被弾するなど1回2失点で「まだまだ自分には足りないものが多いと改めて思った」と唇をかんだ。

◆いや~、試合前からワクワク、ドキドキの本日だったのだ!当然、試合結果も気になるけど、いや、ある意味それ以上に興奮した『村上様VS村上様』のショータイム!!真の村上様は、燕の元祖村上なのか? はたまた赤丸急上昇の虎の村上に軍配が上がるのか? どーせなら、世紀の対決をさらに盛り上げるために若き三冠王に贈呈された3億円の家を燕の村上くん賭けちゃえ! 賭けちゃえ!! って、やじ馬はお気楽でゴメンなさ~い!(笑)して、その結果は第1打席セカンドゴロ、第2打席ショートゴロ、そしてラスト対決の第3打席なんてキャッチャーフライを坂本が落球した後、三振を奪うWアウトということで、3億円の家は燕の村神様だけじゃなく、ヤクルト打線を8回2安打7奪三振と全く寄せつけなかった虎の村神様に献上!! ちょっと待てー!! その豪邸レース、俺も入れてもらうわ!!わーっ! 本日2アーチでついに目を覚ました佐藤輝も神様に名乗りを上げてきよったァ!!神様が続々出現する阪神は、向かうところ敵なしなのだー!!

◆4月29日は何の日? そう問うと「何言ってんの? 『昭和の日』に決まっているだろ!! 常識じゃん!!」と言われそうだが、意外と答えられない人も多いと思う。4月29日は、年間に16日ある国民の祝日の中で、これまで3回も改名してきた珍しい日だからだ。昭和初期、国民の祝日が制定される前は「天長節」と呼ばれていた4月29日。戦後、1948年に「天皇誕生日」となり、89年には「みどりの日」に変わった。そして、2007年からは「昭和の日」として今に至る。ちなみに、現在は「天皇誕生日」が2月23日で、「みどりの日」は押し出される形で5月4日に移った。内閣府のホームページには「昭和の日」について、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」と説明がある。戦争や高度経済成長など、まさしく激動の時代だった昭和。阪神タイガースが初の日本一に輝いたのも昭和60(1985)年だ。平成では日本一になることはできなかったが、18年ぶりのアレを目指して選手たちは頑張っている。そんな阪神の選手名鑑をながめていたら、改めてチームが若返ったんだと実感する。少し前までは、球児、福留、鳥谷、能見、糸井といった超ベテランたちがいたが、今年は32歳の二保と西勇がチーム最年長でともに平成2年生まれ。つまり、阪神には昭和生まれが一人もいない。他球団を見渡せば、球界最年長43歳のヤクルト・石川(昭和55年生まれ)、今季すでに2勝を挙げているソフトバンク・和田(昭和56年生まれ)、この日今季6本目となる通算460号を放った西武・中村(昭和58年生まれ)らまだまだ主力として活躍しているアラフォーもいる。球界全体で昭和生まれの選手は45人いるが、12球団最年長65歳の岡田監督が率いる阪神は12球団で唯一、全員が平成生まれの若いチームだ。

◆阪神が敗戦で連勝ストップ。先発した才木浩人投手(24)が試合を作れなかった。三回1死二、三塁から村上に左犠飛を浴び、チームとして実に31イニングぶりに失点を喫すると、続くサンタナに左翼席へ2ランを浴びた。今季最短の3回5安打3失点で降板。2番手でマウンドに上がった及川も五回に村上にタイムリーを許した。打線はヤクルトの先発、D1位の吉村(東芝)の前に沈黙。六回に中野拓夢内野手(26)が意地の1号ソロを放ったが、2安打1失点に抑えられ、終盤も追いつくことができなかった。連勝は3でストップ。首位・DeNAとは3ゲーム差に広がった。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
1570 0.682
(↑0.015)
-
(-)
12179
(+7)
65
(+4)
15
(-)
5
(-)
0.254
(↑0.001)
2.750
(↓0.02)
2
(-)
阪神
1391 0.591
(↑0.02)
2
(-)
12084
(+7)
63
(-)
11
(+2)
14
(-)
0.243
(↑0.003
2.550
(↑0.11)
3
(-)
広島
11120 0.478
(↓0.022)
4.5
(↓1)
12070
(+3)
70
(+4)
16
(-)
8
(-)
0.235
(↑0.005)
2.720
(↓0.06)
4
(1↑)
巨人
11130 0.458
(↑0.023)
5
(-)
11979
(+4)
90
(+3)
23
(+2)
1
(-)
0.236
(↑0.001)
3.590
(↑0.03)
5
(1↓)
ヤクルト
10131 0.435
(↓0.02)
5.5
(↓1)
11959
(-)
71
(+7)
13
(-)
21
(+1)
0.190
(↓0.004)
2.810
(↓0.14)
6
(-)
中日
8140 0.364
(↓0.017)
7
(↓1)
12156
(+4)
68
(+7)
4
(-)
6
(-)
0.242
(-)
2.740
(↓0.15)