ヤクルト(★0対4☆)阪神 =リーグ戦4回戦(2023.04.28)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:大竹 耕太郎(3勝0敗0S)
敗戦投手:高橋 奎二(2勝2敗0S)
  DAZN
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DAZN

◆阪神は初回、井上と坂本の適時打で3点を先制する。そのまま迎えた6回表には、大山の適時打で追加点を挙げた。投げては、先発・大竹が5回無失点。その後は継投でリードを守り、大竹は今季3勝目を挙げた。敗れたヤクルトは、打線が中盤の好機を生かせなかった。

◆ヤクルト山田哲人内野手(30)が出場選手登録され、「3番二塁」でスタメンに名を連ねた。16日ぶりの1軍復帰となる。12日DeNA戦(神宮)の4回、三ゴロで一塁を全力で駆け抜けた際に負傷し、交代。下半身のコンディション不良のため翌13日に離脱していた。その後、23日に1軍練習に合流。チームは27日DeNA戦(横浜)で今季初の5連敗を喫し、初めての借金生活に突入。4位に転落した。チーム打率は徐々に上向いてるものの12球団で唯一の1割台(1割9分6厘)と苦戦を強いられている。4番村上も打率1割6分2厘で、三振数は12球団ワーストの35個と本来の姿とはほど遠い。そんな中、精神的支柱であるキャプテン山田が戦線復帰。村上の負担も軽減される。連敗ストップへ、キャプテンの奮闘が期待される。

◆制球王が珍しく...。阪神大竹耕太郎投手(27)が阪神移籍後3試合目の先発登板で初めて四球を出した。初回1死、ヤクルト浜田に3ボール。1つストライクを取ったが、134キロが外れて歩かせた。大竹はここまで2戦2勝。試合前時点で12回2/3を無死四球、1失点に抑えていた。虎移籍後48人目の打者に初めての四球。その後は、3番山田、4番村上を打ち取り、涼しい顔でベンチに戻った。

◆阪神井上広大外野手(21)が2試合連続タイムリーで先制点をゲットした。初回2死満塁。佐藤輝明内野手(24)の四球の直後の初球だった。ヤクルト高橋から左前2点適時打。前夜3安打4打点の大暴れの勢いそのまま、2試合連続安打を決めた。「打ったのはストレート。スピードもある投手でとにかくコンパクトに(投手の)足元を狙って打ちました。先制することができてよかったです」とコメントした。2死一、二塁から坂本誠志郎捕手(29)も中前適時打で続いた。初回いきなり3得点。坂本は「いいところに飛んでくれました。井上に続けてよかったです」とコメントした。前日27日の巨人戦は今季最多19安打15得点の圧勝。虎の勢いは止まらない。「打ち疲れ」もない。阪神が15得点以上の次戦は通算40勝27敗1分けで勝率5割9分7厘。2リーグ分立後に限ると27勝17敗1分け。大勝後の吉兆データも後押ししている。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が「世界一バッテリー」から盗塁を成功させた。3回先頭、自身5試合連続安打となる一塁への内野安打で出塁。2死一塁となると、8番木浪への初球で二盗を決めた。ヤクルトは投手高橋、捕手中村の侍ジャパンコンビ。好スタートで余裕を持ってセーフになった。これで今季3盗塁目は、この時点でリーグ2位タイ。佐藤輝の走りからも目が離せない。

◆ラッキー? 阪神大竹耕太郎投手(27)が、ヤクルトの拙攻に救われた。3点リードの5回の投球。1死二、三塁とされ打者は1番並木。その初球、並木はバントするも三塁走者中村はスタートを切ることができなかった。大竹は落ち着いて捕球し一塁送球。難なく2死とすると、2番浜田を中飛に仕留め、ピンチを切り抜けガッツポーズを見せた。現役ドラフトでソフトバンクから移籍し、今季2戦2勝。阪神の移籍選手で2戦2勝は03年伊良部のみだ。大竹は73球ながら、5回無失点で降板。このまま逃げ切り、「伊良部超え」となる3戦3勝なるか。登板後には球団を通じて「まず、序盤からリードを奪ってくれた野手のみなさんに感謝します。正直、状態自体は良くはなかったですが、良くない中でどうやったら抑えることができるのか、(坂本)誠志郎さんと話しながら、諦めずに1人1人勝負できたことは良かったと思います。ただ、先発として5回で代わってしまったことは反省しなければいけないですし、6回、7回と、もう1イニングでも2イニングでも長く任せてもらえるような投球をできるように、次回に向けてしっかり準備したいと思います」とコメントした。

◆無傷の3連勝だ。大竹耕太郎投手(27)が5回無失点の好投で今季3勝目を挙げた。危なげない投球で、4回までに許した安打は1本。唯一のピンチとなった5回1死二、三塁の場面でも、並木が試みたセーフティースクイズを冷静に処理するなど、0点に抑えた。バトンを受けた石井、岩崎、K・ケラーも危なげなく無失点リレーで、今季4度目となる完封勝ちを収めた。ソフトバンクから新加入した大竹は今季3戦3勝。打線もかみ合った。前日27日の巨人戦は19安打15得点で大勝。勢いそのままに先制点をもぎとった。初回の2死満塁。前夜3安打4打点の6番井上広大外野手(21)が、左腕高橋の初球をたたき、三遊間を抜く適時打で2点を挙げ、続く7番坂本誠志郎捕手(29)も適時打を放ち、この回3点を入れた。前回のヤクルト3連戦では1勝1敗1分け。投打がガッチリかみ合い、まずはカード初戦をものにした。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(23)がチームも個人も調子が上がらない現状をひと言で表した。チームは6連敗。この日は完封負けだったが、6連敗の中身を見れば、どちらが勝ってもおかしくない接戦も含まれていた。この状況に「あと1歩、というところか」と問うと「いやいや、まだまだ。数十歩ぐらいあります」と厳しい言葉を残し、神宮を後にした。村上自身もここ10試合の打率が9分4厘と1割を切り、37三振も両リーグワーストという苦しい状況だ。

◆虎に不思議な現象が続いている。阪神がヤクルトに完封勝利。4点リードの9回にはK・ケラーが登板し無失点で試合を締めたが、4点差のためセーブがつかなかった。阪神は守護神湯浅京己投手(23)が右腕のコンディション不良で2軍調整中。16日に出場選手登録を抹消されてから、これで全10試合、セーブを記録した投手はいない。岡田監督は試合後、「そうやな、ないなあ。まあ、ええわ。別にセーブが欲しいピッチャー今はいてないから」。セーブシチュエーションでは誰が「代役守護神」としてマウンドに上がるのか、注目が集まる。

◆下半身を痛め離脱していたヤクルトのキャプテン山田哲人内野手が3番二塁でスタメン出場し、16日ぶりの復帰戦でいきなり安打を放った。6回先頭、阪神石井の137キロ直球を左前打。「痛いところもない。ボールも良く見えた」と好感触を得た。チームは6連敗。借金2は21年4月6日以来となるが「(19年に)16連敗した時は心がなかった。でも今はみんな気持ちを前面に出している。それを持っていれば、いずれ良い方向に向かう」と主将は熱く語った。▽ヤクルト高津監督(山田の復帰について)「まだ万全ではないが、彼がいるのといないのでは違う。ピリッとしましたね」▽ヤクルト並木(5回1死二、三塁でセーフティースクイズを試みるも投ゴロで無得点)「自分の判断で1点を取りに行くことを考えた。判断ミスだった」

◆下半身を痛め離脱していたキャプテン山田哲人内野手(30)が3番二塁でスタメン出場し、16日ぶりの復帰戦でいきなり安打を放った。6回先頭、阪神石井の137キロ直球を左前打。守備でも好守を見せた。以下、一問一答。-1軍に復帰した感想は「体もいい感じですし、フルで出ましたけど、痛いところもなく、スムーズにゲームに入れました。ゲームからちょっと離れていて、ボールとか見えないのかなと若干の不安はあったんですけど全くそんなことはなく、むしろ結構見えていた。何の違和感もなくスムーズに入れたと思います」-復帰戦で安打が出た「明日につながればいいかなと思います」-守備でもいい動きがあった「全然、動きも自分的にはしっかり動けていますし、しっかりさばけたので良かったかなと思います」-チームは6連敗。明日に向けて「もう切り替えるしかないですし、本当に技術、結果が全ての世界ですけど、やっぱり気持ちも大事かなと。テレビで見ていて思いましたし、勝ちたいという思いを持ってみんなやっているのは変わりないので。続けて、1人ひとりが勝ちたい気持ちでね、そういう気持ちを持っていれば、いずれいい方向に行くんじゃないかなと思います」-若い選手の頑張りについて「とにかくチーム全体を見て、どうしたら勝てるのだろうかとか、技術的な部分がやっぱりあると思うんですけど、僕が思うに、やっぱり心の部分かなと思うので、そこですかね」-心の部分が前面に出てないのか「いやいや、昨日の試合とかはすごく感じましたし、今日なんてベンチ入ってみましたけど、結果的には0点で完封負けという形になりましたけど、最後まで声も出ていますし、気持ちを前面に出している。1人ひとりがそういう気持ちを持っているなと実感した。あとはそういう気持ちさえ忘れなければ大丈夫なんじゃないかなと思います」-ベンチでその思いは伝えた「伝えてないですね。もとからみんなが思っていることですし、再確認というか。弱かったころ、何年前か。(19年に)16連敗した時とかもそうですけど、心がなかったというのは一緒にプレーしていて思っていました。そことは今は違う。いずれ上がって来ると信じてやるしかないと思います」

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が5回無失点の好投で3勝目を挙げた。現役ドラフト1期生としてソフトバンクから阪神に移籍した左腕。阪神の移籍選手で3戦3勝は03年の伊良部秀輝氏の2戦2勝を塗り替えた「伊良部超え」の記録だ。無傷の3連勝に沸く虎党は「大竹コール」で3勝目を祝福した。ヒーローインタビューに答えた大竹の一問一答は以下の通り。--無傷の3連勝「もうほんとに勝ちがつくとか負けがつくとか、そういうところではなく、目の前の1人1人に対して集中して対戦していくことを大事にしている。その結果3勝ということで。それは素直にうれしく思います」--途中はピンチも。振り返って良かったところは「ほんとに今日はランナーをたくさん出したんですけど、ここぞというところでしっかり勝負するところから逃げないで攻める気持ちを最後まで持ち続けたところが、結果に結びついたんじゃないかなと思います」--初回に3点。どんなことを感じた「緊張している中で初回に3点も取っていただいて。そのおかげでほんとに楽に投げられましたし、その中で坂本さんの素晴らしいリードもありました。ほんとに今日は中継ぎの皆さんもそうですし、助けられた勝ちだと思います」--神宮は大学時代日本一で胴上げ投手にもなった場所「岡田監督も早稲田出身ということで、やはり神宮はすごい思い入れのある球場です。登板前からいいイメージを持って、今日は臨めました」--ビジターでの登板「ほんとに今日はビジター球場とは思えないぐらいのご声援を頂いたので、ほんとに素晴らしいファンの皆さんに支えられて、今日も投げることができたと思います」--明日からゴールデンウイーク。熱いメッセージを「明日以降も投手陣みんなで頑張りますし、打線も頑張りますので、また応援よろしくお願いします」

◆阪神が今季4度目の完封勝ちで2連勝を決めた。先発大竹耕太郎投手(27)が5回無失点で3戦3勝。6番井上広大外野手(21)が初回に先制の2点適時打を放った。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。-大竹はランナーを出しても落ち着いていた「今日はちょっとコントロール悪かったよな。いつもよりな。最初に初回にフォアボールを出したから、ええって思ったけど。まあなんとか、今日はあまり良くなかったと思うけど、悪いなりにな、5回まで。向こうも変化球狙いというか、そんな感じで合うてきたから、ちょうど良かったよな。5回を投げきれてな」-悪いなりに組み立てられるのはどういう良さがあるからか「そうやな、ヤクルトは前回いいピッチングをして2回目やから、向こうも研究してくるから、そのへんな、どういう狙いというかなそういうのを察してな、5回まではうまく投げたと思うよ」-フィールディングもしっかり「いやいや、あれは全然大丈夫よ、フィールディングは。守備はね、おーん」-5回に安藤コーチがマウンドに。アクシデントではない「違う違う違う、狙い球がな、おまえ。山田、サンタナにな、初球な、あんな緩球をな、あないして、ある程度捉えられてきたからな、だから、まあ、その前に円陣組んどるしな、向こうの、だいたい分かるけど」-攻撃は昨日の今日で初回に6番7番が「そやなあ、ツーアウトからやからなあ、おーん。まあ心配したけどなあ、良かったわ(笑い)。おーん」-井上も甘いコースをコンパクトに振り抜いた「ちょうどな、チャンス来るからな、あそこな。6、7がなあ、打ったら点になるよなあ」-坂本は今日も「なあ、さえてるよな」-投手と息が合うのか「やっぱタイプ的にコントロールで勝負するというかな、そら合うんやろな、村上にしても右左違うけど、コントロールいいし、ボールの球威というかな、コンビネーションで抑えるピッチャーというかなあ」-大山の1点も大きかった「そら大きかったよ。セーブつくとかつかんとか、今そんなピッチャーおらんからのお(笑い)、別に何点取っても、ちょっとでも余裕ある方がええよな」-石井がイニングまたぎ「そうやな。だから、あれも休み肩というか。コンスタントにそんなうまいこと投げられへんからな、ゲーム始まったら。そらなあ、完封とかしたら当然空くし、負け試合もあるし。だからちょっと力んだら高めにいくというか、(肩が)軽いというかな。だからきょうは最初から2イニングいかすつもりだったよ。ちょっと投げてな、だいぶボールも低めにいくと思うけどな」-湯浅が不在の間、偶然にもセーブ機会がない「そうやな、ないなあ。まあ、ええわ。別にセーブが欲しいピッチャー今はいてないから」

◆期待の大砲候補が覚醒モードだ。阪神4年目の井上広大外野手(21)が、プロ初の決勝打で連勝を導いた。初回2死満塁でWBC世界一メンバーのヤクルト高橋から左翼線に先制の2点タイムリー。27日の巨人戦と合わせて2戦4安打6打点の大活躍で、右翼の定位置どりを猛アピールした。首位DeNAは今季初の5連勝でがっちり堅首。2ゲーム差で追う岡田阪神も負けじと食らいつく。初球から狙っていた。初回2死からみんながつないだ満塁のチャンス。井上がヤクルト先発高橋の真っすぐを完璧に捉えた。左翼線への2点タイムリーで高橋&中村の「侍ジャパンバッテリー」から2点を選手。左翼から大声援を送る東都の虎ファンを沸かせた。「とても速くて、吹き上がるイメージがある真っすぐでしたけど、それを1球ではじき返せた。これが次につながってくれればなと思います」 巨人戦の3安打4打点に続き、2試合連続の効果的な適時打で、チームの連勝を呼んだ。得点圏打率も5割5分6厘と起用に応えている。「得点圏にいる時は本当に走者をかえすという気持ちで立っている。それがほんとにいい結果につながっています」。充実の表情に自信があふれてきた。岡田監督が心配していた「打ち疲れ」も吹き飛ばした。前日27日の巨人戦で、チームは2本塁打を含む今季最多の19安打&15得点で圧勝。阪神が15得点以上の次戦は過去、通算40勝27敗1分けだったが、岡田監督は「多分明日は点を取れないだろう」と不安顔だった。高橋は2回以降立ち直っただけに、もし井上が第1打席で凡退していれば...。岡田監督も井上が先制パンチを食らわせ機能した打線にニンマリだ。「(打線を)心配したけどなあ、よかったわ(笑い)。6、7(番)が打ったら点になるよなあ」。井上に続いて適時打を放った坂本との履正社コンビをたたえた。首位を走るDeNAはこの日も勝って5連勝。2位阪神も食らいついていきたいだけに、負けてはいられない。高校時代、不動の4番として星稜との決勝で奥川(ヤクルト)から3ランを放つなど全国制覇した甲子園のスターは1歩ずつレベルアップ中だ。2月の沖縄・宜野座キャンプはMVPに選出されたが、好調だった森下らに押し出される形で開幕は2軍で迎えた。悔しさをバネにつかんだチャンスはもう離さない。「出る試合をしっかり自分のものにできるようにこれからもやっていきたい」。プロ4年目。期待の和製大砲候補が、覚醒の時を迎えようとしている。【三宅ひとみ】

◆連夜の履正社劇場だ! 阪神坂本誠志郎捕手(29)が、2安打1打点&好リードで、スタメンマスクの6試合連続勝利の不敗神話を継続した。履正社の後輩井上が先制2点打を放った直後の初回2死一、二塁。ヤクルト高橋から中前適時打を放ち、3点目を呼び込んだ。「前に頼もしい後輩がいるので、まねして打ちました」と照れ笑いした。前日27日の巨人戦も6番井上が3安打4打点、7番坂本が先制打を含む2安打2打点で15-0の大勝を演出した。高校時代は岡田監督(龍生氏、現東洋大姫路監督=61)、そしてプロでも岡田監督のもとで戦う履正社コンビが、2試合連続で白星に大きく貢献した。 前を打つ8学年下の後輩について「打点が求められる立場だと思う。ランナーがたまったところで1本打てるのはチームにも本人にも大きい」とたたえた。一方で「僕も負けないように頑張りたい」と刺激を受けている。今季初の2試合連続スタメンで、今季初の2試合連続マルチ安打。まだ23打席しか立っていないが、打率も3割1分6厘に上げた。「この球場(神宮)は1点でも多く取りたいし、1点でも少なく防ぎたいという思いがある」。守っては今季4度目の完封勝利を演出。「2人(バッテリー)で抑えるいつもの形ができた」と先発大竹の粘投を導き、3投手の継投も引っ張った。「なあ、さえてるよなあ」と、岡田監督のほおも緩みっ放しだ。不敗神話について問われると、「ピッチャーがいいところに投げてくれるからそうなってると思う。いいことは続けられるようにやりたいと思います」とさらり。きわめて謙虚に、虎党の歓喜が響く神宮を後にした。【中野椋】4番大山が2戦連続打点となる2安打で貢献した。初回2死一塁から左前打でチャンス拡大し先制の3点を演出。3点リードの6回2死三塁では、2番手小沢から中押しの適時打を左前に運んだ。「先制点を取りたいところで輝がつないで、広大がしっかり打ってくれた。その後ズルズル行ったけど、そこで1点取れて。投手陣がゼロで抑えてくれていたので。勝ててよかった」と振り返った。

◆勝率100%のニューフェースがまた勝った。阪神先発の大竹耕太郎投手(27)が、5回3安打無失点でハーラートップタイの3勝目を挙げた。現役ドラフトでソフトバンクから移籍した左腕は開幕から3戦3勝。チームでは03年に阪神に加入した伊良部秀輝の2戦2勝を超え、初の快挙だ。ヒーローインタビューを受けた後は、東都虎党の「大竹コール」が響き続けた。「目の前の1人1人に対して、集中して対戦していくことを大事にしている中で、その結果3勝というのは素直にうれしいです」本調子ではない中で、ゲームをつくった。初回1死から浜田に今季対戦48人目で初の四球を許したが、山田、村上を仕留めた。5回は先頭から連打を浴び、1死二、三塁のピンチで並木の一塁側へのセーフティーバントを好フィールディングで処理。最後は浜田を中飛に仕留め、左拳で渾身(こんしん)のガッツポーズ。岡田監督は「ある程度、捉えられてきたから」と早めの継投策を選択し、リリーフ陣にあとを託した。感情を表に出すスタイルに変貌したことが、新天地での好投の一因だ。野球を始めた少年時代からソフトバンク在籍時までは「感情を押し殺して野球をしてきた。ピッチャーたるもの、そうあるべきと思っていた」という。抑えても、打たれても淡々。だが、師と仰ぐ古巣の大先輩和田から「もっと(表に)出していった方がいいよ」と助言をもらい、年を重ねるごとにその重要さが分かってきた。「いいリズムで投げられたら、守備でもいいプレーをしてもらえる」と、この日もテンポよくアウトを積み重ね、何度も左拳を握った。感情を包み隠さないニュースタイルで、チームの士気も高めている。神宮は懐かしの庭だった。早大2年時の15年春季リーグ戦で最優秀防御率とベストナインを獲得し、優勝に貢献。通算38試合に登板し、11勝10敗、防御率2・86の成績でプロ入りへの足がががりをつかんだ原点だ。「神宮はすごい思い入れのある球場。登板前からいいイメージを持って今日は臨めました」。早大の先輩でもある指揮官に「勝利」で恩返しした。【古財稜明】阪神大竹が無傷の3勝目を挙げた。阪神の移籍選手で初登板から3戦3勝は球団初。大竹は2戦2勝で並んでいた03年伊良部秀輝を超えた。伊良部は2戦2勝で迎えた4月11日巨人戦では7回1失点と勝利投手の権利を持って降板したが、9回に味方が同点に追いつかれて白星が消えた。

◆阪神は4投手のリレーで、2試合連続の完封勝ちを決めた。まずは2番手石井だ。4点リードの6回に登板し、2回を1安打。中でも意地を見たのは主砲村上へのリベンジだ。昨年7月31日の対戦(甲子園)では、同点の延長11回に3打席連発となる1発を浴びて敗戦投手に。この日は外角直球で見逃し三振に斬り、「3連発という意識はあまりなく、邪念なく入れたんでよかった」と振り返った。8回は岩崎、9回はK・ケラーが打者3人ずつで片付け、ヤクルトに付け入るスキを与えなかった。守護神湯浅が右腕のコンディショニング不良で2軍調整中。16日に出場選手登録を外れてから、10試合連続でチームに3点差以内のセーブ機会での登板はない。岡田監督は「ないなあ。まあ、ええわ。別にセーブが欲しいピッチャー、今はいてないから」と悠然。この先、3点差以内の9回には誰が上がるのか。新勝利の方程式にも注目が続く。

◆ヤクルトは28日、山田哲人内野手(30)を出場選手登録した。山田は12日のDeNA戦(神宮)の四回先頭の第2打席で三塁線へゴロを放ち全力疾走した際に負傷し、交代。下半身のコンディション不良のため13日に出場選手登録を抹消されていた。22日からは1軍に帯同し、調整を進めていた。この日はチーム一番乗りで球場入りし、フリー打撃や守備練習などに汗を流した。今季はここまで11試合に出場し2本塁打6打点、打率・220、4盗塁としていた。代わって、宮本丈内野手(28)が再調整のため抹消された。

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神は開幕から2連勝中の大竹耕太郎投手(27)が先発する。25日の巨人戦(甲子園)が雨天中止となった影響で先発ローテーションが再編され、26日の登板予定がこの日にずれ込んだ。打線は今季最多の15得点を奪った27日の巨人戦(甲子園)から変更なしで、連日の猛打が期待される。

◆ヤクルトのスタメンが発表された。この日、下半身のコンディション不良から復帰し1軍に出場選手登録された山田哲人内野手(30)が「3番・二塁」でスタメン入りした。

◆阪神打線が27日の勢いそのままに初回から猛攻だ。「6番・右翼」で先発した井上広大外野手(21)が先制の2点左前打を放った。チーム全体で苦手とする左腕・高橋に対し、一回はあっというまに2死とされた。ただ、ノイジーが四球、大山が左前打、そして佐藤輝が四球で満塁の好機を作ると、27日の巨人戦(甲子園)でプロ初の猛打賞、プロ最多4打点をマークした井上が打席へ。その初球だった。真ん中に甘く入った直球をひと振りでとらえると、痛烈な打球は三遊間を抜けた。走者2人が生還する先制打。若虎が作った勢いに、続く坂本はなおも2死一、二塁から中堅にポトリと落とすタイムリーを放った。履正社出身の2人が巨人戦で今季最多19安打15得点と爆発した猛虎打線をけん引した。

◆29日の5回戦に先発する阪神・村上頌樹投手(24)はダッシュなどで調整した。「いまはサンタナが当たっていると思う。その前に走者を出さないようにやっていきたい」。前回登板した22日の中日戦(バンテリンドーム)では2安打完封でプロ初勝利。17回連続無失点の右腕は「1勝できたことはうれしい。しっかりと積み重ねていって、チームに貢献できるように」と意気込んだ。

◆阪神・井上広大外野手(21)が一回2死満塁の第1打席に先制の2点左前打を放った。「スピードもある投手でとにかくコンパクトに(投手の)足元を狙って打ちました。先制することができてよかったです」左腕・高橋の初球、ストレートを完璧にとらえた。三遊間を破る一打で打線を活気づかせると、大阪・履正社高の先輩でもある坂本が続く。なおも2死一、二塁から中前にポトリと落とす適時打で追加点。坂本は「いいところに飛んでくれました。井上に続けてよかったです」と気を吐いた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が激走の後、激走だ。三回先頭で迎えた第2打席。4球目をバットに当てたが、打球は一塁へボテボテの打球。一塁手・オスナから投手・高橋にトス。この〝競争〟に勝った。激走で一塁内野安打をもぎ取ると、2死として迎えた木浪の初球でスタートを切った。今季3つ目の盗塁は中野、植田、小幡の俊足トリオを抜いてチーム単独トップに浮上。これによって木浪は申告敬遠。投手・大竹は見逃し三振に倒れたが、四回は1番・近本から攻撃がスタートと打線の巡りをよくした。

◆29日の阪神戦(神宮)に先発するヤクルト・小川泰弘投手(32)はダッシュなどで調整。今季2勝目へ「勝ち切るところができていない。反省しつつ、気持ちを新たにスタートしたい」とうなずいた。相手先発は今季ここまで3試合計17イニングを投げ防御率0・00と好調の〝虎の村神様〟こと村上。「すごくいい投手。意識しすぎずに自分の投球をするだけ。うちにも村神様がいるので、一丸となって戦いたい」と力を込めた。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(27)は五回まで3安打無失点と快投を続けている。一回は1死から浜田に四球を与えるも、山田を捕邪飛、村上を三邪飛で無失点の立ち上がり。三回2死からヒットと盗塁で初めて得点圏に走者を背負ったが、浜田を空振り三振に斬った。最大のピンチは五回。先頭・中村、長岡と連打で無死一、二塁。代打・武岡は犠打で1死二、三塁とされ、ここで、セーフティースバントを敢行した1番・並木は落ち着いて投ゴロに。走者をくぎ付けにすると、最後は浜田を中飛に仕留めた。

◆先発したヤクルト・高橋奎二投手(25)は5回7安打3失点。今季3勝目を挙げることはできなかった。「守備からリズムというのが一番大事になってくると思う。攻撃に良いリズムでいけるように、しっかり守備からリズムをつくっていきたい」と意気込んで臨んだ登板。一回2死からノイジーに四球、大山に左前打、佐藤輝に四球で満塁のピンチ。井上に左前2点打を浴び、先制を許した。さらに、なおも2死一、二塁で続く坂本にも中前適時打を許し、0―3とされてしまった。二回以降は走者を出しながらも無失点で踏ん張ったが、五回を終えたところで球数は106球に到達。その裏の攻撃で打席が回ってきたところで代打が送られ、交代となった。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が自慢の俊足で魅せた。六回1死の第4打席。2番手・小沢から四球をもぎ取って出塁すると、続くノイジーの初球でスタート。悠々と二塁に到達した。三回は同期入団の佐藤輝がチームトップの3盗塁目をマーク。負けじと中野も今季3盗塁目で並んだ。中野の快足で好機を作った打線は、2死三塁とし、大山が左翼線へタイムリーを放って追加点。大山の2試合連続打点で4-0とリードを広げた。

◆チームの大黒柱が戻ってきた。下半身のコンディション不良により出場選手登録を抹消されていたヤクルト・山田哲人内野手(30)が、復帰し、さっそく「3番・二塁」でスタメンに名を連ねた。山田は12日のDeNA戦(神宮)の四回先頭に三ゴロを放ち、全力疾走した際に負傷し交代。翌13日に出場選手登録を抹消されていた。それでも22日からは1軍に帯同し、状態を見ながら出場選手登録のタイミングを計っていた。この日はチーム一番乗りで球場入りし、フリー打撃や守備練習などに汗を流していた。22日に1軍本隊に合流した際には「もうちょっと(時間が)かかるかなと思いましたけど、動けていますし。まだまだ試合は残っているので、しっかり万全にしてから登録という形になると思います」と話していた主将。離脱前まででは11試合に出場し打率・220、2本塁打、6打点、4盗塁としていた。一回1死一塁の第1打席では1ストライクから124キロのツーシームに捕邪飛に倒れた。四回先頭の第2打席では初球を打って右飛。序盤から快音を響かせることはできなかったが、チームが5連敗と苦しむ状況の中、頼れる主将が戦線に復帰した。(箭内桃子)

◆先発した阪神・大竹耕太郎投手(27)は5回3安打無失点でマウンドを降りた。開幕から2連勝で臨んだ左腕は丁寧にコーナーをつく投球でヤクルト打線を翻弄。最大のピンチは五回。1死二、三塁とされるがセーフティーバントを試みた並木を動じることなく落ち着いて打球を処理。投ゴロで得点を許さない。最後は浜田を中飛に抑えた。5回、73球、3つの三振を奪い、開幕から自身3連勝へ、中継ぎ陣に後を託した。

◆先発した阪神・大竹耕太郎投手(27)は5回3安打無失点。自身開幕3連勝へ、好投した。「序盤からリードを奪ってくれた野手のみなさんに感謝します。正直状態自体は良くはなかったですが、良くない中でどうやったら抑えることができるのか、(坂本)誠志郎さんと話しながら、諦めずに1人1人勝負できたことは良かったと思います」一回に阪神打線が3点の援護。落ち着いて、ヤクルト打線を封じた。5回を投げ、73球で降板。「先発として5回で代わってしまったことは反省しなければいけないですし、6回、7回と、もう1イニングでも2イニングでも長く任せてもらえるような投球をできるように、次回に向けてしっかり準備したいと思います」と反省も忘れなかった。

◆阪神が快勝。打線が苦手とする左腕・高橋を序盤で捉えた。一回、2死から満塁の好機を作ると、井上が2点左前打。27日の巨人戦(甲子園)でプロ初の3安打猛打賞、プロ最多の4打点をマークし、今季最多の19安打15得点を導いた若虎が、勢いそのままに、猛虎打線を活気づけた。続く坂本にもタイムリーが飛び出し、序盤から3点リードで試合を優位に進めた。 先発した大竹は5回3安打無失点で、開幕から自身3連勝をマーク。2番手・石井が2回無失点とつなぎ、岩崎、K・ケラーと完封リレーで締めた。投打の噛み合った阪神は連勝で貯金は3。3、4月の勝ち越しを決めた。

◆ヤクルトは今季3度目の零封負けで6連敗を喫した。それでも、下半身のコンディション不良で離脱していた山田哲人内野手(30)が昇格し「3番・二塁」でフル出場したことは好材料。4打数1安打で、守備でも軽快なプレーを見せた主将が復帰戦を振り返った。「体もいい感じですし、きょうも一日フルで出ましたけど、痛いところもなく、ゲームを少し離れていてボールとか見えないのかなとか、若干の不安はあったんですけど、全くそんなことはなく、むしろ結構見えていたので、何の違和感もなくスムーズに入れたと思います」チームに背番号1がいることは心強い。六回先頭では左前打を放ち「明日につながればいいかなと思います」。守備でも八回に近本の中前へ抜けそうな打球を処理し自分的にはしっかり動けていますし、しっかりさばけたので良かった」とうなずいた。チーム状況は決して良くないが、山田は下を向いていない。「本当に技術、結果がすべての世界ですけど、やっぱり気持ちも大事かなと。テレビで見ていて思いましたし、勝ちたいという思いを持ってみんなやっているのは変わりない。続けて、一人一人が勝ちたい気持ちを持っていれば、いずれいい方向に行くなと思う。結果的には0点で完封負けという形になりましたけど、最後まで声も出ていますし、気持ちを前面に出している。一人一人がそういう気持ちを持っているなと実感したので、あとはそういう気持ちさえ忘れなければ大丈夫。16連敗したときとかに心がなかったなというのは一緒にプレーしていて思っていますし、そことは今は違うなと思うので、いずれ上がってくると信じてやるしかない」主将の言葉を信じ、前に進み続けるしかない。

◆阪神が2試合連続完封勝ち。一回、ヤクルト・高橋奎二投手(25)を攻め、2死無走者から満塁の好機を作り、井上広大外野手(21)、坂本誠志郎捕手(29)の〝履正社高出身コンビ〟のタイムリーで3点。六回には大山悠輔内野手(28)の適時打で4点目を挙げた。大竹耕太郎投手(27)は5回無失点で3連勝。坂本のスタメン試合は6戦全勝。3、4月の月間勝ち越しを決めた岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=12勝9敗1分、観衆=2万8353人)。ーー大竹は落ち着いていた「今日はコントロール悪かったよな。いつもよりな。最初に初回にフォアボールを出したから、エエって思ったけど、まあ何とか、悪いなりに五回まで。向こうも変化球狙いというか、そんな感じで合うてきたから、ちょうど良かったよな。五回を投げきれてな」ーー悪いなりに組み立てられる「そうやな、ヤクルトは前回(8日の甲子園での一戦)いいピッチングをして2回目やから、向こうも研究してくるから、どういう狙いを察して、うまく投げたと思うよ」ーー五回に安藤投手コーチがマウンドに。アクシデントではない「違う違う違う、狙い球がお前。山田、サンタナにな、初球な、あんな緩球をな、あないして、ある程度捉えられてきたからな、その前に円陣組んどるしな、向こうの、だいたい分かるけど」ーー攻撃は一回に6、7番が「そやなあ、ツーアウトからやからなあ、おーん。まあ心配したけどなあ、良かったわ(笑)おーん」ーー井上も甘いコースをコンパクトに「チャンス来るからな、あそこな。(せき込む)6、7がなあ、打ったら点になるよなあ」ーー坂本は今日も「なあ、冴えてるよな」

◆ヤクルトは6連敗を喫した。4月14日の広島戦(マツダ)以来、今季3度目の零封負け。2021年4月6日以来の借金「2」となった。試合後の高津臣吾監督(54)の主な一問一答は以下の通り。――先発・高橋は初回に苦しんだがそれ以降は良かった「2死走者なしから(失点)だったので。いろいろ考え方はあるかもしれないですけども、全力であの3番の外国人選手(ノイジー)を取ってほしかったというのが本音ですね」――五回の攻撃では1死二、三塁の好機も、並木のミス(単独スクイズを試み、失敗)が大きかった「まあそうですね。あそこで1点2点取れておれば、また違った展開なったかなと思いますけどね」――連敗から抜け出せない「そうですね、まあこんなことはよくあることだとは思うんですけどもね。対策をしっかり練って、明日全力で戦うのみだと思います」――1軍復帰の山田が1安打「彼が、今万全ではないですけども、彼がいるといないではちょっと違うかなと感じましたね。ちょっとピリッとしました」――打線の爆発に期待「3回目なんでね、(阪神先発)大竹投手にやられるのね。オープン戦も入れてですけど、どうなんですかね。対策がうまくいっているかどうか、もう一回考え直したいと思います」

◆阪神の4年目、井上が一回に先制の2点適時打を放った。2死満塁の好機で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の高橋から左前にはじき返し「相手もボール先行になりたくないところで、初球から思い切って打てた。走者をかえす、という気持ちが結果につながっている」と胸を張った。真ん中に入ってきた初球の直球を逃さなかった。振り負けることなく対応し、長打3本で4打点と活躍した前夜に続いてバットで貢献。右翼の定位置確保へ向け「1試合1試合が大事になってくるので、しっかり自分のものにできるようにやっていきたい」と気を引き締めた。(神宮)

◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(69)は一回、適時打を放った井上広大外野手(21)、坂本誠志郎捕手(29)を高く評価すると同時に、阪神の選手層の厚さを感じた快勝劇だと語った。大量得点した次の試合の阪神打線を注目していたが、一回の攻撃は素晴らしかった。2死からの3点先制。攻撃が乗ってきた感じだ。何より褒めたいのは井上。2死満塁から初球を思い切って振り抜いての左前タイムリー。若い選手は、こういう場面は初球を見てしまうケースが多い。初球を振れる積極性が、今の井上の最大のセールスポイント。この気持ちは持ち続けて欲しい。もう一人の殊勲者は坂本。貴重な適時打で一気に攻め込む形が、最近の阪神はできていなかった。強さを感じさせる攻撃だ。ヤクルトの攻撃では五回1死二、三塁で並木がおそらく自分の判断でセーフティーバント。三走が全く反応できず、投ゴロに終わってしまった。このプレーを阪神は自分に置き換えるべき。近本、中野らの俊足打者がセーフティーを敢行するケースが出てくる。三走は心の準備が必要で、相手のミスから学んで、今後に生かしてもらいたい。阪神は流れをつかんだ感じがする。開幕メンバーから動かして、井上、坂本を起用することによって、いい変化が出ている。打線の固定にこだわる必要はない。捕手で言えば、現時点だけの評価なら、坂本の方が梅野より打撃もいいし、内角、高めを使うリード面でも冴えている。梅野の能力は高いから、いずれその力が必要になるが、今は打撃面もリード面も混乱している印象。しばらくは坂本で勝負してもらいたい。助っ人のノイジーも、「勝負強い助っ人」のイメージにはほど遠い。もし森下が状態を上げてきたら、外野は日本人3人にしても面白いのでは。こうして考えると、いろいろな布陣が思い浮かんでくる。戦力に厚みが出てきていることを感じさせる快勝だった。

◆甲子園さながらの大声援も力に変え、燕打線をねじ伏せた。大竹が5回3安打無失点で白星をゲット。調子が上がりきらない中でもゲームメークし、開幕から文句なしの3戦全勝だ。「ここぞというところでしっかりと勝負するところから逃げないで、攻める気持ちを最後まで持ち続けたところが結果に結びついたと思う」多彩な変化球を駆使し、三回2死まで無安打投球。並木に初安打と二盗を決められて招いたピンチでは浜田の内角に直球をズバッと決め、空振り三振に仕留めた。連打と犠打による五回1死二、三塁ではバントのゴロ打球を素早く処理し、一塁に送球して2死。三走・中村が本塁突入しない、ちぐはぐな攻めに助けられると、浜田を再び直球で中飛に打ち取ってピンチを脱出。ガッツポーズで感情を爆発させた。昨年の現役ドラフトでソフトバンクから入団した左腕。阪神に新加入した日本人投手が、先発として移籍初登板から3連勝するのは史上初という快挙。その歩みは8日のヤクルト戦(甲子園)から始まり、燕相手には計11回零封と、キラー襲名に申し分ない相性だ。神宮は早大時代に慣れ親しみ、2年時に日本一も味わった場所。当時の投球スタイルは変化球主体だった。バッテリーを組み、明大時代にこの地で対戦経験がある坂本も「(阪神に)入ってきて捕ってみたら、思ったよりも真っすぐの勢い、ベース盤での強さがあった」と変化に驚く。モデルチェンジは1年前の自主トレで、42歳のソフトバンク・和田にかけられた「その身体能力で150キロが出ない方がおかしい」との言葉がきっかけ。年齢を重ねても活躍する選手を見て「直球が軸となっていかないと厳しい」と気付いた。それ以降は上半身と下半身の連動、体幹や肩回りの安定性も強く意識。この日もさえた直球を生かして新天地で結果を残し、息長い現役生活を送る道を切り開いていく。「後ろを投げてくださる中継ぎのみなさん、初回に点数を取ってくれたり、しっかりとリードで引っ張ってくれた坂本さんの力で勝ちがついているだけ。本当にありがたい」五回での交代は先発として悔いたが、リーグトップタイの3勝目をマーク。新たな息吹が、虎をアレへと押し上げる。(須藤佳裕)?...阪神・大竹は昨オフの現役ドラフトで加入し、ここまで3戦に先発登板して3勝。阪神の新加入投手が移籍初登板から先発で3戦連続で勝利するのは、日本人選手では史上初?...阪神の2試合連続零封は今季初。昨年7月?日のDeNA戦(甲子園)、?日ヤクルト戦(同)以来

◆一度は三塁線の外に切れたかに見えた打球が、強烈なスピンでフェアゾーンに戻ってきた。大山がミラクルショットで貴重な4点目を追加。2試合連続打点で4番の仕事を果たした。「初回以降、追加点が取れなかった状況でランナーをかえすことができてよかった」3―0で迎えた六回2死三塁の第4打席。ヤクルトの2番手・小沢が投じた内角の直球にバットを合わせた。真芯では捉えられなかった打球が、三塁線上にふらふらと上がって左翼手の前に落ちる。27日の巨人戦(甲子園)で放った本塁打に続いて打点を生み出す執念の一打。2年続けて3割を超え、昨季は球場別打率が最も高い・367、2本塁打と相性のいい神宮での今季初戦で、早速結果を残した。岡田監督も背番号3の点差を4点に広げる駄目押し打に「そら大きかったよ。セーブつくとかつかんとか、今そんなピッチャーおらんから」と、守護神・湯浅不在の状況も踏まえて笑顔で語った。続けて「何点取っても、ちょっとでも余裕ある方がええよな」。開幕から打順も変わらず全試合でスタメン出場しているのは、1番・近本と4番・大山の2人だけ。将の厚い信頼を受け、ぶれない打線の柱として存在感を示している。「(初回以降は)ずるずるいってましたけど、あそこで1点取れて(よかった)。大竹もそうですけど、ピッチャー陣がよく投げてくれたので、勝ててよかった」虎党の声援を浴びながら、勝利の喜びを口にした。これからそのバットで数多くの白星をもぎ取り、18年ぶりのアレに導く。(邨田直人)

◆頼もしい!! こんな若虎砲を待ってたんや。阪神は4―0でヤクルトを下して2連勝。一回に井上広大外野手(21)が、2戦連続のタイムリーとなる先制打でチームを勢いづけた。これで満塁では4打数3安打で5打点をマーク。27日の3安打4打点に続いてここぞでの勝負強さが光る6番打者が、ゴールデンウイークも輝きを放つ。先輩たちが埋めつくした塁を見つめ、眼光鋭く、井上がひと振りで決めた。猛虎打線を勢いづけ、チャンスにめっぽう強い。こんな男を待っていた!! 脅威の6番を担う高卒4年目の若虎が、神宮の虎党を沸かせ2夜連続で打のヒーローだ。「チャンスだったので、相手もボール先行になりたくないところ。やっぱり初球から思い切って打てたということはよかったと思います」一回、2死から四球と安打でつないだ満塁の好機。試合前の時点で4敗(2勝)、通算防御率2・49と虎が苦手とするWBC日本代表・高橋の直球を捉えた。痛烈な打球は三遊間を突き破る。先制の2点左前打。〝虎キラー〟を撃つ値千金の一打に、三塁ベンチを指さして右手を突き上げた。「得点圏に(走者が)いるときは、本当にランナーをかえすという気持ちで立っているので、それがいい結果につながっていると思います」出場7試合で得点圏打率・556(9打数5安打)、7打点。勝負強さもさることながら、特筆すべきは満塁時の集中力だ。フルベースでの打率は何と・750(4打数3安打)。27日の巨人戦(甲子園)でプロ初の3安打、最多の4打点をマークした若武者は、2夜連続の活躍で〝虎の満塁男〟の称号を得た。井上は18日に1軍昇格。鳴尾浜から本拠地・甲子園に荷物を持ってやってきた。ロッカーの隣は、新外国人・ノイジー。グラウンドでは寡黙な助っ人と、試合前後にどんなコミュニケーションを取っているのか-。井上は「僕は英語があまりしゃべれないんですけど...。よくハイタッチされますよ。陽気なやつです」と笑った。海を渡ってやってきたN砲も気にかける若虎。いまや、猛虎打線に欠かせない存在になっている。今季最多の19安打&15得点で大勝した27日の一戦から一夜。打線爆発の次戦は、往々にして打線沈黙というジンクスもある。岡田監督は「まあ、心配したけどなあ。よかったわ」と、一抹の不安があったことを漏らした。ただ、それも井上が吹き飛ばしてくれた。指揮官は「ちょうどな、チャンス来るからな、あそこな。6、7(番)が、打ったら点になるよなあ」と覚醒した6番に目を細める。首位・DeNAとのゲーム差は2で変わらないが、連勝で貯金は3。3&4月の勝ち越しを決めた。「1試合1試合が本当に大事になってくると思う。出る試合というのをしっかりと自分のモノにできるようにこれからもやっていきたい」貧打に泣いた時期を脱し、つながり始めた猛虎打線。そのキーマンが井上だ。まだまだ満足はしない。真の主軸として認められるまで、打って、打って、打ちまくる。(原田遼太郎)?...阪神・井上は満塁機で4打数3安打(打率・750)、5打点(今季、通算とも)。チームの満塁成績は、今季は25打数11安打(同・440)、20打点。昨季は111打数43安打(同・387)、106打点?...阪神は昨季、ヤクルト・高橋と3試合対戦し防御率3・38(高橋の2勝1敗)。CSファイナルステージ第3戦では5回3失点で降板させたが、終盤に逆転を許してシーズン終戦を迎えた?...阪神は12勝9敗1分けで、2試合を残して3、4月の勝ち越しを決めた。2021年(20勝9敗)以来2年ぶり。昨季は9勝20敗1分け

◆本拠地でも止められなかった。ヤクルトは今季3度目の零封負けで、昨年8月5―12日に7連敗して以来の6連敗。高津臣吾監督(54)は3点を追う五回1死二、三塁で無得点に終わった場面を、厳しい表情で振り返った。「あそこで1点、2点取れておけば、また違った展開になったと思う」若手の懸命なプレーが裏目に出た。「1番・中堅」で今季2度目の先発となった並木が、セーフティースクイズを試み、一塁寄りに強めの打球を転がしたが、三走・中村はスタートを切れず投ゴロに。24歳の外野手は「自分の判断で1点を取りに行くことを考えていたのですが、自分の判断ミス」と反省。阪神先発の大竹には今季2戦計11イニングで無得点となった。ただ、光も見えた。下半身のコンディション不良で13日に出場選手登録を抹消されていた山田が昇格し「3番・二塁」でフル出場。六回には左前打を放ち、守備でも軽快なプレーを見せ「体もいい感じですし、痛いところもない。ゲームから少し離れていて不安はあったのですが、何の違和感もなくスムーズに入れた」とうなずいた。借金2となったが「結果が全ての世界だけど、やっぱり気持ちも大事。一人一人が勝ちたい気持ちを持っていれば、いずれいい方向に行くと思う」と山田。主将の言葉を信じ、心を一つにして戦うのみだ。(赤尾裕希)

◆大量得点の次の日は...と偉そうに言われるのだけは避けたいな、と思っていたら、まさかの先制パンチ。強いぞ、タイガース! 一番のヒーローは、一回2死一、二塁、フルカウントからのボールを見極めた佐藤輝だ。親友のヤクルトファンは「あれはストライクや!」とやかましいが、審判がストライクといえば、ストライクだ。そして、忘れてはいけないのが大竹の好投。試合前のこと。「神宮です。先発は大竹ですが、晴れてます」トラ番・原田遼太郎からの電話だった。ニュー雨男・大竹とはいえ、そうそう登板日に雨が降るわけでもない。そもそも、〝雨柳さん〟こと青柳が投げるたびに雨が降ると話題になってきた。そんな投手が先発ローテに2人もいて、本当に雨ばかりだったら、日程消化できない。シーズンが終わらない。原田と大竹は、ちょっとした縁があるらしい。といっても、原田の方から一方的だが。都の西北、ワセダ出身の原田。母校愛はほとんど持ち合わせないクールな学生だった(本人談)。3年生になったばかりの頃、「せっかくワセダの学生になったんだから、思い出に一度は野球の早慶戦というものを見ておこう」と思い立ったらしい。

◆よっしゃァ!! 前日、猛虎打線が大爆発して15点も奪ったから、翌日は当たりがピタッと止まって黒星という『プロ野球あるある』にはまるんじゃね~の、という心配はご無用でしたー!!若虎の大砲、井上くんの一回2死満塁からの先制2点タイムリーに燃えた!! 前日の長打3本、4打点に続いての炎のバット!! このまま気付いたらレギュラーのイスに座っちゃってくれー!! そして無キズの3勝目を挙げた大竹投手は現役ドラフトの王子様やー!!そんな派手な活躍の裏に、阪神には村神様ならぬ家(ホーム)の守り神がいるのに気付いていました? その名は坂本誠志郎捕手で~す!! 坂本がマスクをかぶって3試合連続の完封勝ち。正に神がかっているのだ!!捕手に防御率はないけど、8試合、67回でマスクをかぶって自責点1。防御率なら0・13。村上を7回パーフェクトに導くリード、伊藤将の106球での巨人戦完封も坂本が守り神になっているからですよ!! 梅野も気合入れて、2人で虎を日本一にしてくれー!!

◆八回に3番手で登板した岩崎が、危なげなく零封リレーをつないだ。この回先頭の代打・内山を中飛に打ち取り、この日1安打の並木は直球で空振り三振。浜田も1球で中飛に仕留め、11球で役割を果たした。左のセットアッパーとして、これで5試合連続無失点。安定感を示してブルペンを支えている。

◆佐藤輝が一回に四球を選んで得点に絡むと、その後一塁内野安打と右前打を放って今季3度目の複数安打で打率は・208に。6日の広島戦(マツダ)以来、約1カ月ぶりに2割台に浮上した。「最後の打席も当たりがよかったので、よかった」と手応えをにじませた。今季3盗塁目を三回の木浪の打席の初球に成功させ、中野とともにチームトップ。「1球目に行くと決めてたのでよかった」。打って走って勝利に貢献する。

◆坂本が好リードで2戦連続の無失点リレーに導き、先発マスクをかぶると6戦6勝の不敗神話を継続した。「投手がいいところに投げてくれるからそうなっている。いいことは続けられるように」と相棒たちに感謝した。バットでも井上の先制2点打の直後、一回2死一、二塁で中前適時打を放つなど、2試合連続の複数安打。今年1月に打力強化のために合同自主トレで弟子入りした中村、山田の前で成果を示し、打率・316とした。岡田監督は「さえてるよな。タイプ的にコントロールで勝負するというかな、そら合うんやろな」と評価した。

◆九回に登板したK・ケラーが打者3人で試合を締めた。先頭の山田を中飛に打ち取ると、4番・村上、5番・サンタナはともに低めの変化球で空振り三振。この日30歳の誕生日を迎えた背番号42は「投げられたらいいなと思っていたけど、まさか本当に投げられるとは」と喜んだ。5試合連続の無失点には「いいところで投げさせてもらって、いい仕事ができてよかった」と胸を張った。

◆今季初の回またぎとなった石井は2回1安打無失点と好投し、リベンジも成功。4-0の六回無死一塁で村上を外角への149キロ直球で見逃し三振に斬った。昨年7月31日の同戦(甲子園)で、1試合3発目となる決勝2ランを食らって以来の対戦だった。「何とか三振で。3連発という意識はあまりなく、邪念なく入れました」とうなずいた。岡田監督も「休み肩というか。(起用する機会で)コンスタントにうまいこと投げられへんからな。最初から2イニングいかすつもりだったよ」と意図を説明した。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
1470 0.667
(↑0.017)
-
(-)
12272
(+1)
61
(-)
15
(-)
5
(-)
0.253
(↓0.004)
2.730
(↑0.14)
2
(-)
阪神
1291 0.571
(↑0.021)
2
(-)
12177
(+4)
63
(-)
9
(-)
14
(+2)
0.240
(↑0.001
2.660
(↑0.13)
3
(-)
広島
11110 0.500
(↓0.024)
3.5
(↓1)
12167
(+4)
66
(+5)
16
(+1)
8
(+2)
0.230
(↑0.006)
2.660
(↓0.13)
4
(-)
ヤクルト
10121 0.455
(↓0.021)
4.5
(↓1)
12059
(-)
64
(+4)
13
(-)
20
(+1)
0.194
(↓0.002)
2.670
(↓0.06)
5
(-)
巨人
10130 0.435
(↑0.026)
5
(-)
12075
(+5)
87
(+4)
21
(+2)
1
(-)
0.235
(↑0.001)
3.620
(↓0.02)
6
(-)
中日
8130 0.381
(↓0.019)
6
(↓1)
12252
(-)
61
(+1)
4
(-)
6
(-)
0.242
(↓0.003)
2.590
(↑0.07)