阪神(☆15対0★)巨人 =リーグ戦5回戦(2023.04.27)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:伊藤 将司(1勝0敗0S)
敗戦投手:山﨑 伊織(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】近本 光司(2号・3回裏ソロ),大山 悠輔(2号・6回裏ソロ)

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◆阪神は2-0で迎えた3回裏、打者11人の猛攻で一挙6点を追加する。その後は8回に井上と中野の適時打が飛び出すなど、終わってみれば19安打で15得点を挙げた。投げては、先発・伊藤将が9回2安打無失点の完封で今季初勝利。敗れた巨人は先発・山崎伊が大乱調で、打線も沈黙した。

◆阪神伊藤将司投手(26)が27日の巨人戦(甲子園)に今季初先発する。3月中旬に左肩違和感で離脱したが、状態を上げて1軍合流。昨季の巨人との対戦成績は3戦3勝で2完封。甲子園では、自身10連勝中と好相性がそろっている。「去年は去年なので、今年も巨人打線はオコエだったり、いろんな選手がいる。低く丁寧に自分の投球ができたらなと思います」と意気込んだ。

◆巨人山崎伊織投手(24)が27日阪神戦(甲子園)に先発する。声出し応援が解禁されたアウェーの雰囲気の中で「全ての声援を力に変えて、少しでも長いイニングを投げられるように頑張ります」と気持ちを高めた。7回1失点で今季初先発、初勝利をマークした19日DeNA戦から中7日での登板。昨季5勝の右腕は結果を残して、ローテを守り続ける。

◆両チームのスタメンが発表された。阪神は「7番捕手」で坂本誠志郎捕手(29)を起用。22日中日戦以来、4試合ぶりのスタメン出場となった。前日26日に2番で出場した梅野隆太郎捕手(31)は、ベンチからのスタートとなった。「6番右翼」には2試合ぶりに井上広大外野手(21)が入った。

◆4連勝を目指す巨人が「6番左翼」にアダム・ウォーカー外野手(31)をスタメン起用した。ウォーカーは前日26日阪神戦で8回先頭で代打出場し、中前打を放っていた。ここ3試合は左翼でスタメン出場していた秋広優人内野手はベンチスタートになった。1番から5番までは3試合連続で同じ布陣を組み、「7番遊撃」には坂本、「8番捕手」には大城卓を並べた。阪神先発は左の伊藤将で、巨人は今季2度目の先発の山崎伊。7回1失点で今季初先発、初勝利をマークした19日DeNA戦から中7日での登板で、2連勝を目指す。

◆甲子園に名探偵コナンが現れた。現在、劇場版アニメ映画「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」が大ヒット公開中。同作品の主人公、江戸川コナンがファーストピッチセレモニーにマウンドに上がり、打者トラッキーを相手にワンバウンド投球。観客から拍手を浴びた。

◆ついに覚醒か。阪神井上広大外野手(21)が、プロ初の猛打賞をマークした。4点リードの3回無死満塁。137キロカットボールを左翼線へ打ち放った。2点適時二塁打でリードは6点に。続く坂本が投ゴロに倒れたところで、巨人は先発山崎伊から2番手代木にスイッチした。 井上は2回無死一塁でも左翼線への二塁打で好機を拡大させ、その後の先制点へつなげていた。 さらに8回1死一、二塁では右中間へ2点適時三塁打。5打数3安打4打点の大暴れだ。 4打点はプロ最多。この時点で打率を3割5分3厘へと上げた。オフに弟子入りし自主トレを行った巨人岡本和の前で進化を証明した。

◆阪神近本光司外野手(28)が「1イニング2安打」を決めた。3回先頭。今季甲子園初アーチとなる右翼への2号ソロで猛打の口火を切った。打者一巡し、7点リードで迎えた2死一、三塁では一塁への適時内野安打。1イニングで本塁打&適時打を放ち、チーム今季最多となる1イニング6得点の口火と締めを担った。

◆巨人先発の山崎伊織投手(24)が大炎上した。2回に井上の適時打、木浪の犠飛で2点を先制された。2点差なら...の希望は3回に音を立てて崩れた。先頭の近本にフルカウントからのカットボールを右翼席に運ばれた。続く中野に147キロ直球を中前打、ノイジーにも145キロ直球を左前打、大山はシュートが抜けて死球で無死満塁のピンチが続いた。佐藤輝に142キロシュートを二塁適時内野安打で追加点を許すと、井上に追い込みながらも137キロカットボールを左翼線に2点適時二塁打と歯止めがきかなかった。阿波野投手チーフコーチは2回、3回と立て続けにマウンドに向かった。3回1死二、三塁の場面で原監督から降板を告げられた。山崎伊は今季2試合目の1軍登板は2回1/3、8安打、8失点と猛虎打線に打ち込まれた。防御率8・38に膨れ上がった。ツイッターでは「阪神打線」がトレンド入り。「急に覚醒するじゃん阪神打線(笑)」「昨日の倍返しや!」「店のラジオ聞いてるんやけど阪神打線がなんかえらいことになっとるな」「阪神打線アチアチすぎる」と虎党が大いに盛り上がった。

◆岡田効果!? 阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)が不調のトンネルを脱出する快音を響かせた。3回に16打席ぶりの安打となる左前打。さらに4回には右前打を放った。今季8度目のマルチ安打を早々に決めた。前日26日の試合後、岡田監督は「ノイジーがなあ、今やったら一番悪いかもわからんわなあ」と心配していた。この日の練習時には通訳を介し会話するシーンも見られた。その内容について、試合前には「世間話や」と話していた指揮官。助っ人の復活を誰よりも喜んだ。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、プロ初の1試合2死球を受けた。2回1死の初打席で、巨人先発の山崎伊から死球。4回1死一塁の第3打席では、巨人2番手の代木のカーブが直撃した。4番の大山悠輔内野手(28)も3回の打席で右肘付近に死球を受けた。一塁へ歩きかけて痛みに耐えかねるような姿を見せ、治療のためにいったんベンチへ。すぐにグラウンドに戻ってきたが、試合前半で主軸2人が計3死球を受ける事態に、スタンドから抗議のようなうなり声があがった。

◆巨人中田翔内野手(34)が、ノーノーを阻止する左前打を放った。阪神伊藤将司投手を前に、4回までパーフェクトに抑えられる巨人打線。5回1死で第2打席を迎えた中田翔は、ど真ん中にきた143キロの直球をとらえ、左前へ運んだ。3回までに8点を失い、大量得点差を付けられる劣勢の展開で、意地を見せた一打。打った瞬間、阪神ファンのいるスタンドからは、ため息がもれた。ツイッター上では「中田翔さんノーノー阻止ありがとう」「わーいノーノー回避」「ノーノーを破ってきたのはやはり中田翔やったか」などの声であふれた。プロ野球スコアはこちら

◆得意の聖地で、巨人キラーが躍動だ。阪神伊藤将司投手(26)が本拠地甲子園で完封を果たし、今季初登板初勝利を挙げた。丁寧に投げ分け、3回までに早くも3三振。最高の立ち上がりは打線の奮起も呼び起こし、序盤3イニングで8得点。大量援護を受け、危なげない快投でチーム3連敗を阻止した。甲子園での登板は21年9月1日中日戦以降、破竹の11連勝。昨季2完封を含む3戦3勝を果たした巨人にも、変わらないキラーぶりを発揮した。プロ初勝利を挙げたのも、甲子園での伝統の一戦。この日も虎党の大歓声を味方に圧巻の投球を披露した。今季は開幕ローテーション入りを当確させながらも、左肩の違和感で出遅れた。8日のウエスタン・リーグ、オリックス戦で実戦復帰し、15日の同ソフトバンク戦では5回無失点。復調を示し、中11日でこの日の登板に至った。昨季の9勝中、7勝を挙げた本拠地甲子園。頼れるサウスポーがチームに帰ってきた。

◆阪神が巨人に完勝した。2回に坂本の適時打で先制するなど2点を先取。3回には巨人先発山崎伊の乱調にもつけこみ、先頭近本光司外野手(28)の2号ソロから大山の死球をはさみ7本の長短打を集めて6点を追加。今季チーム最多の8得点で序盤で大量リードを奪った。6回には大山にも2号ソロが飛び出すなど先発野手全員安打を記録。8回にも6点を加え15得点。今季セ・リーグ初の2ケタ得点をマークした。投げては今季初登板となった左腕伊藤将司投手(26)が、巨人打線を5回1死まで完全に抑えるなど完璧な投球を披露。昨季、巨人戦3戦3勝の相性の良さを発揮した。また、阪神では70~71年にかけて12連勝した村山以来となる、甲子園11連勝とした。昨季も甲子園の巨人戦は2戦2完封。伊藤将の「巨人戦×甲子園=最強」の図式は今季も健在だ。

◆岡田彰布監督の決断がハマった。阪神坂本誠志郎捕手がスタメンマスク5試合連続勝利と岡田監督の起用に応えた。捕手では今季初登板の伊藤将を好リード。本人推奨のカーブを有効に使うなどし、完封勝利をけん引。打っては2回1死二、三塁から右前への決勝となる先制タイムリーを含む2安打2打点と攻守で大勝に大きく貢献した。「出る試合は勝つつもりで全部行ってます」。指揮官は「(坂本スタメン出場時の先発投手が)ずっと無四球でしょ。リードもさえてるし、本当にピッチャーのいいところを引き出してる」と絶賛した。打率0割台と不振の正捕手梅野を休養させる目的もあり、大竹、村上が先発する28、29日の敵地ヤクルト戦でも坂本をスタメンで起用する予定だ。指揮官は「梅野はちょっとミニキャンプやな、はっきり言うて。ちょっと休ませたら頭もリフレッシュするやろ。打つ方でリードにもだいぶ影響してると思うし」と説明した。

◆今季1軍初登板初先発で完封勝利を飾った伊藤将司投手(26)のトークからも目が離せない。試合後のヒーローインタビューを終えた後の囲み取材。甲子園11連勝を飾った左腕は「なぜ甲子園で負けないのか?」と問われると少しの沈黙の後、「本拠地だからです」ときょとんとした。理由になっているのか、なっていないのか不明な「伊藤将流」の回答に、その場が和んだ。

◆阪神井上広大外野手(21)がプロ入り初の猛打賞&4打点で大量得点に貢献した。23日中日戦以来、2戦ぶりの「6番右翼」で出場。先発伊藤将の1軍復帰戦で5打数3安打、長打3本と大爆発。「(ヒットが)出なかった悔しさだったりを持って練習に臨んでいる。それが今日、結果として表れた」と喜びをかみしめた。2回の第1打席で先制につながる左翼への二塁打。大量6得点を決めた3回にも、再び左翼への2点適時打で貢献した。9点リードで迎えた8回には1死一、二塁から右中間を破る、ダメ押しの2点適時三塁打。「1打席目で打てることが少なかった。いつも以上に集中して打てたので、次の打席とかにつながった」と要因を明かした。今年一番の虎祭りは終わらず、この回6得点。5試合ぶりの2桁安打は、今季最多となる19安打にまで伸び、15得点を記録した。井上はこの試合までに3安打を放っていたが、左翼への当たりは初。「少しずつ打球とかも良くなっていた。いずれレフト方向の打球も出ると思いながら臨んでいた」と調子は上向きだ。この試合までのチーム打率はセ・リーグ4位タイの2割2分5厘。湿っていた打線の起爆剤に助っ人ミエセスの名前を挙げた岡田監督は「ミエセスの名前出したら、井上が打ちよったな」とニンマリだ。19年ドラフト2位で入団し、以降はコロナ禍に突入。声出し応援は今季が初体験だ。履正社3年時には4番打者として春夏で甲子園に出場。夏は準優勝も果たした。だが球場全体から受ける虎党の熱気は、記憶に残る大声援をも上回った。試合後はお立ち台にも選出。「自分がしゃべったとしても何も聞こえない感じ。こんな大音量の中で、生活も含めて(経験)したことがない。本当に温かいご声援を頂いていると思う」と驚きを語った。甲子園をわかせた大砲が、再び聖地で大歓声を浴びた。【波部俊之介】阪神の15得点は20年7月28日ヤクルト戦(神宮)での20-5以来。巨人戦の15得点は07年8月8日(東京ドーム)以来、16年ぶり。阪神の15得点以上での完封勝ちは1リーグ時代も含めて球団5度目。巨人戦での最多得点完封勝ちは13-0が最高で、球団史上最大の大勝になった。阪神が15点差で巨人に大勝。過去の巨人戦での最多得点差は05年9月13日(長崎)での16-1が最大。今回は15点差でこの試合と並び最多得点差タイ。<井上の初ものづくし>初猛打賞 1試合3安打はプロ入り後最多。1試合複数安打が初めてで、この日の試合前までで通算4安打だった。初の1試合4打点 4打点はプロ入り後最多。試合前まではプロ通算2打点。20年10月16日ヤクルト戦と23年4月20日広島戦(ともに甲子園)での各1打点だけだった。初得点 2回に木浪の左犠飛でプロ初得点を記録。3回と8回にも生還し、この日は3得点とダイヤモンドを駆け回った。初三塁打 8回1死一、二塁で左腕・今村から右中間に三塁打。すでに二塁打は放っており、残す長打は本塁打のみとなった。

◆阪神近本光司外野手(28)が、猛虎打線の導火線になった。2点リードの3回、先頭打者で打席に入ると、巨人山崎伊のカットボールをとらえた。「あの球をイメージしていたわけではない」というが、反応で打った鋭い打球が、右翼席に突き刺さった。大山と並び、チームトップの2号ソロ。これが口火だった。中野以下が死球をはさみ4連打。4点を追加し、打者一巡でこの回2度目の打席は2死一、三塁の好機で訪れた。巨人2番手左腕代木に一ゴロに打ち取られた...かに見えたが、一塁ベースカバーに入った代木よりも一瞬早くベースを踏み、適時内野安打となった。1イニング2安打2打点と攻撃の主役を担った。5、6打席目は四球を選び、4打数2安打2得点2打点とリードオフマン以上の働きで、チームを大勝に導いた。これで8試合連続安打、打点は4試合連続だ。打率3割5分1厘、12打点、14得点はチームトップ。2本塁打、27安打も加えチーム5冠の活躍ぶり。得点はリーグでもトップ、打点、出塁率4割6分4厘は同2位だ。だが、近本は、打点や得点について問われると「全然気にしないです」と淡々と振り返った。意識しているのは、ボール球を振らないことやイメージ通りのスイングができているか、その打球がどんな打球になっているのか、ということ。今季すでに16という四球の多さだが「フォアボール取ろうとかは思っていない」と話す。自分の打撃を突き詰めることで、チームを引っ張る。もっともっと、高みを目指す。【高垣誠】

◆先発した巨人山崎伊織投手(24)が、3回途中8失点の大炎上を猛省した。2回に2点を失い、3回には先頭・近本に打たれたソロ本塁打を皮切りに、波状攻撃を受けた。その回だけで6安打1死球6失点。2回1/3を8安打8失点でノックアウトされた。今季初勝利した19日DeNA戦から中7日で臨んだマウンドで「単調になってしまった。打たれたボールは全部甘かった。チーム全員に迷惑を掛けてしまった。早くマウンドを降りることになって悔しい。中継ぎ陣に申し訳ない気持ちです」。攻撃も阪神伊藤将司投手を前に沈黙し、歴史的大敗を喫した。

◆今季最多19安打15得点の猛打&完封で締めくくった一戦。先発伊藤将司投手(26)、坂本誠志郎捕手(29)、井上広大外野手(21)の3人がお立ち台に上がった。今季初登板での完封勝利に伊藤将は「今日は本当に誠志郎さんのおかげでいいピッチングができました」と感謝。22日中日戦以来、4試合ぶりのスタメン出場となった坂本は、無失点リードで左腕をけん引。15得点の火ぶたを切る先制決勝打も放った。「(伊藤将は)試合前から全然緊張していない。僕の方が緊張するくらいだったんですけど、いつも通り投げてくれました」と快投をたたえた。

◆阪神大山悠輔内野手が、死球禍をはね返す2号弾で、力投する伊藤将を支えた。8-0の6回1死から巨人鍵谷のストレートを捉えて左翼スタンドへ。「(カウント1-2と)追い込まれていましたが、しっかりと自分のスイングをすることができました」と8試合ぶりの1発を振り返った。甲子園のスタンドが騒然となったのは3回。近本の2号弾から始まった11人攻撃のさなか、巨人山崎伊から右腕に死球を受けた。めったなことでは表情を変えない大山が痛みに耐えかねるような姿を見せ、治療のためにベンチへ。だがすぐにグラウンドに戻り、中盤に貴重な中押し弾を放った。「(伊藤)将司がよく頑張って投げてくれていたので、1点でも多く(援護を)と思っていました」と復活した左腕の好投に心を熱くし、打撃で助けた。8回には中前打も放って、22日中日戦以来のマルチ安打。死球の痛みも、試合後は「大丈夫です」と力強く言い残し「明日に向けてしっかり準備したい」と28日からのヤクルト戦(神宮)に目を向けた。○...阪神中野がダメのダメを押した。3点を追加し12-0とした8回2死満塁。中野は右翼へ走者一掃の適時三塁打を放った。1、2打席目にヒットを打っていたが、その後3打席は三振2つと凡退していただけに「最後の打席打つ、打たないは全然気持ちの持ちようが違いますし、明日につながる打席だったと思う」と喜んだ。3安打3打点の活躍で、同期入団の伊藤将の今季初勝利を後押しした。○...阪神佐藤輝がプロ初の1試合2死球を受けた。2回に山崎伊から死球。4回には代木のカーブが直撃した。スタンドからは抗議のようなうなり声があがったが「そんな怖い球じゃなかったので、デッドボールも」と気にしていなかった。3回無死満塁では二塁への適時内野安打で今季最長の4試合連続安打をマーク。完封勝利を挙げた同期入団の伊藤将ついては「コントロールがよくて、頼もしいです」とたたえた。○...阪神ノイジーが不調のトンネルを脱出した。3回に16打席ぶりの安打となる左前打。さらに4回には右前打を放った。今季8度目のマルチ安打を早々に決めた。前日26日の試合後「ノイジーが一番悪いかもわからん」と心配していた岡田監督は、試合前に「あんまり考えこむな」と助言。指揮官は「けっこう細かいところチェックするタイプというかな。でも今日は2本出たからな。明日から違うと思うよ」と期待した。○...阪神木浪が今季3度目の猛打賞の活躍で、勝利に貢献した。2回に坂本の先制打に続き、犠飛で追加点。さらに3回1死二、三塁の場面では、巨人2番手代木の初球を中前適時打。7、8回にも安打を放ち大勝の演出する一員となった。木浪は「初球から行くことしか考えてなかった」と振り返った。3割5分4厘と高打率だが「打率のことは考えてない。自分にはチャンスメークという役割があると思う」と冷静だった。

◆虎の左腕エースが歴史的快投だ。今季初登板初先発の阪神伊藤将司投手(26)が巨人打線を2安打無四球で完封し、71年村山実以来となる甲子園11連勝を飾った。5回1死から中田翔に左安打を許すまで完全投球。左肩違和感で出遅れたが、不安を一切感じさせなかった。21年9月から聖地では負け知らず。完封勝利は通算3度目で、いずれも巨人戦という「Gキラー」ぶりを発揮した。「巨人戦×甲子園=最強」の図式は今季も健在だ。2軍で過ごす日々の中、伊藤将はふと気づいたことがある。「そういえば、朝の天気予報、初めて見たかもしれない」。2軍の試合はデーゲームがほとんど。自然と早寝早起きになる。毎朝、ぼーっとしたままテレビをつけると、画面に天気予報が映し出されることがよくあった。「高校でも大学でもあんまり見てこなかった。だけど、この期間はほぼ毎日、朝の天気予報を見てましたね」。プロでの過去2年間で計19勝。1軍のナイターゲームで投げ続けてきた男に、午前6時30分起床、午後11時就寝という新たな生活リズムが定着しつつあった。昨年末で退寮した26歳は、愛車を走らせ練習開始の1時間30分前には鳴尾浜へ。「早く1軍で投げたい...」。ハンドルを握り、何度そう思ったことか。復活星の夜。ヒーローインタビューを受け囲み取材を終えると、待ちわびた充実感とともに夜道を走ったことだろう。眠るのは日付を超えてから。朝の天気予報を見ることも、しばらくなさそうだ。【阪神担当=中野椋】

◆虎の左腕エースが歴史的快投だ。今季初登板初先発の阪神伊藤将司投手(26)が巨人打線を2安打無四球で完封し、71年村山実以来となる甲子園11連勝を飾った。5回1死から中田翔に左安打を許すまで完全投球。左肩違和感で出遅れたが、不安を一切感じさせなかった。21年9月から聖地では負け知らず。完封勝利は通算3度目で、いずれも巨人戦という「Gキラー」ぶりを発揮した。「巨人戦×甲子園=最強」の図式は今季も健在だ。大歓声を全身で浴びた。ヒーローインタビューの冒頭、伊藤将は甲子園の中心でファンに叫んだ。「最高です!」。声出し応援が解禁された甲子園の感想を問われると「最高です!」と再び言った。巨人の右打者の体重が何度もかかとに乗った。2回、中田翔を144キロの内角直球で見逃し三振。ボールをよけようと後ずさりするシーンは、この1度だけではない。試合前、捕手坂本に「最近いいっすよ」と伝えたカーブも緩急を生むスパイスになった。5回1死までパーフェクト投球にも「どっかでヒットあるやろ、と思っていたので」とケロリ。昨季も甲子園の巨人戦は2戦2完封。背番号27に「巨人戦×甲子園」とくれば、勝利したも同然だ。あの時の覚悟があったから、また甲子園で投げることができている。千葉・横芝中3年時、進路の選択肢は両手に収まり切らないほどあった。「多分、千葉県の学校はほとんど声をかけてもらっていたんじゃないかな...」。選んだのは地元ではなく名門・横浜(神奈川)。「自分、松坂さんに憧れていたので」。剛腕に夢を見た。1学年10人ほどの中学の軟式野球部出身。特別、体が大きいわけではない。剛速球を投げるわけでもない。かつてプロゴルファーの夢を追った父正宏さんに問われた。「レギュラーになれなくても横浜行くのか」。迷いはなかった。「それでも行くんだ」。高校時代は2度、甲子園に出場。慣れ親しんだマウンドは、今や無敵の舞台になった。3月中旬に左肩違和感で離脱した左のエースが、今季初登板でBクラス転落危機を救った。岡田監督からも「6回で100球いけば変えるつもりだった。ずっと少ない球数で『これは完封だな』という感じやった」とたたえられた。今季の目標はブレずに「2桁勝利と規定投球回。挽回してやろうという気持ちです」。ミスター甲子園の逆襲が始まった。【中野椋】伊藤将が完封で今季初勝利を挙げ、甲子園球場では21年9月1日中日戦から11連勝。甲子園球場で11連勝以上は90~93年斎藤雅(巨人=11連勝)以来だが、阪神投手では36~38年に14連勝の御園生、43~44年に11連勝の若林、66年に12連勝の村山、70~71年に12連勝の村山次いで4人、5度目になる。これで甲子園球場の巨人戦は22年5月22日、同7月14日に続いて完封勝ち。阪神投手が甲子園球場の巨人戦で3試合連続完封勝ちは、江夏が68年9月17日、同9月19日、69年5月10日に記録して以来、55年ぶり2人目だ。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は左肩の違和感で出遅れていた伊藤将司投手(26)が今季初登板する。3月に左肩の違和感を訴え、離脱した左腕だが、4月8日のウエスタン・オリックス戦(鳴尾浜)で実戦復帰し、3回5安打3失点。前回登板は15日のウエスタン・ソフトバンク戦(タマスタ筑後)で5回3安打無失点と昇格準備を整えてきた。甲子園では現在10連勝中で、勝てば1970年から71年にかけて12連勝した村山実以来の「11連勝」となる。本拠地で抜群の強さを誇る左のエースが、虎の連敗を止める。

◆巨人・高橋優貴投手(26)が28日の広島戦(東京ドーム)で先発する。27日は川崎市のジャイアンツ球場で調整し「1軍のマウンドで結果を出すために準備してきた。頑張るのみ」と決意を込めた。昨秋に受けた左肘の手術から復帰。昨年7月17日以来、約9カ月ぶりの登板に臨む。当初は25日からの阪神3連戦(甲子園)で先発予定だったが、25日の試合が雨天中止となった影響もあり、登板が先延ばしになった。23歳の戸郷、22歳の横川ら若手が先発陣を支えている。2021年にチーム最多の11勝を挙げた左腕は「自分より(年齢が)下の子たちが頑張っている。まずはそれに続き、引っ張っていけるように。まだそこに達していないけど、追いつけるように頑張る」と気を引き締めた。

◆今季初の4連勝を狙う巨人は、阪神の先発左腕、伊藤将を相手に、アダム・ウォーカー外野手(31)を「6番・左翼」に組み込んだ。

◆新助っ人の状態が深刻だ。阪神、シェルドン・ノイジー外野手(28)が「3番・左翼」で出場。一回1死一塁で山崎伊の144キロシュートに詰まり、遊ゴロ併殺に終わった。不調に苦しむ助っ人は26日の同戦でも4打数無安打と沈黙し、2度の併殺打を喫した。試合前の時点で3試合連続無安打となっている。

◆阪神は、25日の巨人戦(甲子園)が雨天中止となった影響で先発ローテが再編され、今季2戦2勝の左腕・大竹耕太郎(27)は28日のヤクルト戦(神宮)に先発する。この日はキャッチボールなどで軽めに調整し「その日に投げると思っていたら、どんどん後ろにズレて気持ちも体も緊張している状態が続くので、抜きどころは大事かなと思う」と話した。今季はここまで先発予定だった3試合が雨天中止の影響で流れているだけに、心身ともに切り替えて登板に臨む。

◆阪神が二回に先制した。1死から佐藤輝が死球で出塁すると、2試合ぶりに「6番・右翼」でスタメン起用の井上広大外野手(21)が山崎伊の144キロを引っ張って左翼線に二塁打。若虎の今季初長打で、1死二、三塁の好機を作った。打席には3試合ぶりに先発起用の8番・坂本誠志郎捕手(29)。カウント2ー2から134キロにバットを合わせた。一、二塁間を破る今季初タイムリー。さらに1死一、三塁から木浪の左犠飛で2ー0とリードを広げた。岡田監督の先発起用が序盤からかっちりハマった形となった。

◆阪神・近本光司外野手(28)が2号ソロを放った。2-0で迎えた三回先頭の第2打席。フルカウントから山崎伊の136キロ変化球を振り抜いた。白球は虎党の待つ右翼スタンドへ。23日の中日戦(バンテリンドーム)で先頭打者ホームランをマークして以来、2試合ぶりの2号ソロだった。近本は試合前の時点で打率・342、10打点でいずれもチームトップ。今季2本塁打目も、ノイジーと並んでチームトップタイと最強1番打者が打線をけん引している。

◆猛虎打線が爆発だ。2-0の三回、先頭・近本が右翼席へ2号ソロを放ち、リードを広げると、打線が活性化する。続く中野が中前打。さらに不振に苦しんでいたノイジーにも4試合ぶりの安打となる左前打が飛び出した。大山は死球で無死満塁。ここで佐藤輝が打席へ向かった。山崎伊の2球目、142キロに食らいつくと、打球は一、二塁間最深部を転々。二塁手・吉川尚がグラブに収めたが、佐藤輝の激走で二塁内野安打をもぎ取り、4-0とリードを広げた。猛虎打線の猛攻は続く。再び無死満塁から、6番・井上が左翼線にこの日2本目となる二塁打。走者2人が生還し、6-0と大量リードを奪った。

◆巨人・山崎伊織投手(24)が三回途中8安打8失点でKOされた。0-0の二回1死から佐藤輝に死球、井上の二塁打で二、三塁とされると坂本の右前適時打、木浪の左犠飛で2点を献上した。三回は先頭の近本に右越えソロを浴びると、そこから死球を挟み4連打と打ち込まれ4失点。原監督から交代を告げられ、2番手・代木にマウンドを譲った。代わった代木も踏ん張れず、この回一挙6点を奪われた。3連勝中と勢いに乗るチームだったが、序盤に大量リードを許した。

◆阪神・近本光司外野手(28)が三回先頭で2号ソロを放ち、一挙5得点の猛攻の口火を切った。「先頭バッターだったので、とにかく出塁することを意識していました。しっかりと自分のスイングができたと思います」。フルカウントから巨人先発・山崎伊の136キロカットボールを振り抜いた。右翼席へ運ぶ一打で打線を勢いづけると猛虎打線がつながる。安打と死球で無死満塁とし、佐藤輝が二塁内野安打で追加点。激走でもぎ取った打点に、佐藤輝は「バットも折られてしまい、強い打球じゃなかったので一生懸命走りました。ヒットで後ろに繋ぐことができてよかったです」と気を吐いた。さらに、なおも無死満塁から井上が左翼線に2点二塁打。巨人の2番手・代木に代わってからも止まらない。1死二、三塁から木浪が中前適時打を放つと、とどめは再び近本。2死一、三塁から一塁へボテボテの当たりも、カバーに走った投手・代木との競争に競り勝って適時内野安打とした。打者11人&7安打の猛攻で一挙6得点。8-0と大差をつけた。

◆甲子園のライトスタンドがどよめいた。四回1死一塁で迎えた阪神・佐藤輝明内野手(24)の第3打席。左腕・代木の投じた初球は大きくすっぽ抜けて、佐藤輝の背中に直撃。佐藤輝は二回の第1打席も巨人先発の山崎伊から死球。さらに三回には4番・大山も死球を受けており、早くも3度目の死球にスタンドからは大きな声が飛んだ。

◆左肩の違和感で出遅れ、今季初登板の阪神・伊藤将司投手(26)が圧巻の投球だ。一回、オコエを右飛、吉川尚を二ゴロ、ブリンソンは右飛とわずか8球で料理すると、二回は4番・岡本和を空振り、5番・中田翔を見逃し三振で斬った。四回まで一人の走者すら許さない圧巻のパーフェクト。大量リードで迎えた五回1死で中田翔に左前打を浴び、完全投球は途切れたが、続くウォーカーを中飛、坂本は二飛と落ち着いた投球で五回までスコアボードにゼロを並べ続けている。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が六回1死の第4打席に左中間スタンドへ2号ソロを放った。ここまで一邪飛、死球、見逃し三振と先発野手で唯一安打のなかった4番。それでもカウント1ー2から鍵谷の145キロを捉えた。美しい放物線を描いた打球は左中間スタンドへズドン。大山は16日のDeNA戦(横浜)以来の一発を放ち、阪神は先発野手全員安打を達成した。六回終了時点で早くも今季最多の12安打、9得点と猛虎打線が爆発した。

◆甲子園を包んだタイガースファンの大歓声は耳が痛かった。巨人・山崎伊織投手(24)が三回途中までに8安打を浴び、8失点。猛虎打線に序盤からつかまった。「声出し応援が解禁となって初めての甲子園での登板。全ての声援を力に変えて、少しでも長いイニングを投げられるように頑張ります」26日の意気込み通りとはいかなかった。0-0の二回。1死から佐藤輝に死球を与え、井上には左翼線二塁打を浴びて二、三塁のピンチを招くと、坂本に右前適時打、木浪に左犠飛を許して2点を先制された。三回は先頭の近本に右越えソロを被弾。その後も死球を挟み4連打とたたみかけられて4失点。1死を奪ったところで原監督に交代を告げられた。代わった代木も2本の適時打を許すなど、虎党の声援とともに加速する打線の勢いを止められず。三回までに8点の大量リードを奪われた。26日に13安打で8得点した打線は伊藤将の前に沈黙した。昨季、2試合連続で完封負けを喫した難敵から四回まで一人の走者も出せず。五回に中田がチーム初安打となる左前打を放ったが、後続が凡退し、五回まで二塁すら踏めなかった。今季2度目の3連勝中とチーム状態が上向きになっていただけに、序盤の大量リードが痛かった。(樋口航)

◆阪神が快勝。左肩の違和感で出遅れ、今季初登板となった伊藤将司投手(26)が巨人打線を圧巻の投球で抑えた。四回まで一人の走者も許さないパーフェクト投球。五回1死から中田翔に左前打を浴びたが、ウォーカーを中飛、坂本を二飛と落ち着いて後続を抑えた。九回のマウンドにも上がった伊藤将は、最後を締めて、9回2安打無四球無失点。今季初勝利を完封で飾った。甲子園では負けなしの11連勝とし、球団では村山実が12連勝して以来、52年ぶり4人目の記録をマークした。打線は二回に女房役の坂本が右前適時打を放って先制すると、三回は先頭・近本の2号ソロを皮切りに、打者一巡、7安打6得点の猛攻。六回には4番・大山にも2号ソロが飛び出し、九回は井上が2点三塁打を放った。井上はプロ初の3安打猛打賞、4打点。猛虎打線は九回にも、この日2度目の打者一巡の猛攻で、先発野手全員安打、今季最多の19安打15得点と爆発した。阪神は連敗を2で止め、貯金は再び2となった。

◆阪神が、いずれも今季最多の19安打&15得点で、巨人に圧勝した。一回に坂本誠志郎捕手(29)の適時打と木浪聖也内野手(28)の犠飛で2点を先取。三回は近本光司外野手(28)の2号ソロなど、打者11人7安打の猛攻を見せ、一気に6点を追加。六回には大山悠輔内野手(28)が2号ソロを放った。さらに6点を挙げた八回に2点三塁打を放った井上広大外野手(21)は初の1試合3安打。左肩の違和感で出遅れた伊藤将司投手(27)は今季初登板を完封で飾り、甲子園11連勝。1970年から71年の村山実の「12連勝」に次ぐ記録となった。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=11勝9敗1分、観衆=3万7198人)。★テレビインタビュー編--今季最多の19安打で15得点「急にみんな上がりましたね。こういうゲーム展開になるとちょっと雑になるんでね。最後も見極めて四球選んでいたんで、よかったかなと思いますけど」ーー井上は初の3安打「初めてか、言ったら、今までも3本打ってないいうから、トータルでもそんなに打ってなかったので。最後もあそこで打ったのは大きいですよね」ーー伊藤将の完封は(球数は106球)「六回で100球いけば代えるつもりだったんですけど、少ない球数でいったので、ゲーム展開もあったし、完封だなという感じやったですね」ーー坂本はスタメン起用で5戦全勝「ずっと(先発投手は)無四球でしょ? 坂本は。リードも冴えているし、ピッチャーのいいところを引き出しますね」ーー巨人に隙を見せない勝ち方「明日の心配をちょっとしていたんですけど、多分明日は点を取れないだろうと言ってたんだけど、ベンチでは。八回も点取ったんが明日につながってくれたらいいと思いますね」★囲み編「もうエエ? もうないな(笑)」ーー心配していたノイジーも2安打「2本出たからな、ちょっとは上がるかな思たら最後三振して裏で、まだちょっとこうなってるとかバッティングフォームやっとるから、あんまり考えこむな言うたんやけどなあ」ーー試合前にもそんな話を「俺が思ってることを言うただけであって。結構細かいところチェックするタイプというかな、結構そういうタイプ。考えこまないことが一番やな、そういう意味では、今日は2本出たからな、明日から違うと思うよ」ーー捕手は山崎伊と坂本が相性がよかったから「去年のは俺は全然見てないよ。初登板やったし、坂本でいって、(明日、明後日と)3試合連続になるけど、梅野はちょっとミニキャンプやな、はっきり言うて。ちょうどエエよ。ちょっと休ませたら、頭もリフレッシュするやろ。技術だけやなしにな、打つ方でリードにもだいぶ影響してると思うし、そういう意味ではうまいことな、明日明後日は坂本のピッチャーやから、梅野はちょうどいいリフレッシュできると思うよ」ーー監督も楽に見られた「だから、中田が5回にまたヒット打ってくれたからな」(五回一死まで伊藤将が完全投球)ーーパーフェクトよぎったか「そういうことやない。一緒やなぁと思って」ーーパーフェクトが「違うわ、名古屋でワンアウトからヒット打たれたのと一緒やないうことや、5番バッターに」(22日の中日戦で村上が五回一死から5番・福永に初安打)

◆巨人は、投打がかみ合わず大敗した。先発の山崎伊織投手(24)が三回途中8安打8失点で降板。序盤に大量失点と試合をつくれず、今季初黒星を喫し「いろんな球種を使って投げるべきだった。打たれたボールは甘かった。先発投手が打たれたら全員に迷惑をかけてしまうので、次はそうならないようにしたい」と肩を落とした。原監督は「やっぱりもう少し大きな汗をかきながら投げ抜くということが大事。やっぱりそんな甘い世界じゃないと思います。まあ、(山崎)伊織はまだまだスタートしたばかりだからね」と次戦の奮起に期待を込めた。

◆今季初登板となった伊藤将司投手(26)が9回2安打無四球無失点。今季初勝利を完封で飾った。打線は先発野手全員安打、今季最多の19安打15得点と爆発した。阪神は連敗を2で止め、貯金は再び2となった。?阪神・伊藤将司が今季初勝利。本拠地・甲子園球場では2021年9月1日の中日戦から無傷の11連勝となった。甲子園で11連勝を挙げたのは、1990-93年の巨人・斎藤雅樹以来30年ぶり。阪神の投手では70-71年の村山実(12連勝)以来52年ぶり。村山は66年にも甲子園12連勝をマーク。他に御園生崇男が36年秋-38年春に14連勝、43-44年の若林忠志が11連勝している。?阪神が開幕21試合目で今季初の2桁得点。2桁得点を挙げたのは、9日のロッテ(10点、対楽天)、15日の西武(10点、対日本ハム)に次いで3球団目で、セでは初。同一リーグで全球団が開幕から20試合以上を消化してから初めて2桁得点を記録したのは、2リーグ以降(50年)以降では初めてで、1リーグ時代の43年の大和が開幕29試合目にリーグ初の2桁得点(13点)をマークして以来80年ぶり。

◆巨人は、投打がかみ合わず大敗した。26日に13安打を放った打線が散発2安打と沈黙し、今季5度目の零封負け。投手陣も先発の山崎伊織投手(24)が三回途中8安打8失点で降板。救援陣も阪神打線の勢いを止めることができなかった。阿波野投手チーフコーチは「先発がああいう形で交代になってしまったところが、苦しい試合になってしまったことの一番の要因」と振り返った。試合後には、バッテリーミーティングを実施。阿部ヘッド兼バッテリーコーチは「こういう試合が二度とないように」と結果を受け止め、前を向いた。

◆巨人は、投打がかみ合わず大敗した。26日に13安打を放った打線が散発2安打と沈黙し、今季5度目の零封負け。投手陣も先発・山崎伊織投手(24)が三回途中8安打8失点で降板。救援陣も阪神打線の勢いを止めることができなかった。?巨人がスコア0-15の零敗。巨人が15点差以上の大敗を喫したのは、1994年8月9日の横浜戦(16点差=●2-18、東京ドーム)、2001年5月1日の中日戦(17点差=●0-17、東京ドーム)、03年9月16日の中日戦(17点差=●2-19、ナゴヤドーム)、05年9月13日の阪神戦(15点差=●1-16、長崎)に次いで18年ぶり5度目。対阪神では05年と並ぶ最大差。?15点差以上の零封負けは、01年5月1日の中日戦(17点差)以来22年ぶり2度目。対阪神では82年4月29日と昨年7月13日の13点差(いずれも甲子園)を上回るワースト記録。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は伊藤将司投手(27)と坂本誠志郎捕手(29)の阪神バッテリーを高く評価した。伊藤将に尽きる試合だった。連敗して、流れが悪くなりかけたタイミングでの完封でチームを救った。低めへの制球が抜群だった。スプリット系のツーシームを丁寧に際どいストライクゾーンの低めへ投げるから、見送ると三振。仕方なく早いカウントから打たざるを得なくなる。結果、球数が少なくなる。タイミングを外すカーブも効果的だった。七回2死から、岡本和にカーブを引っ掛けさせて遊ゴロに仕留めたシーンは象徴的。救援陣が休めたことも大きい。坂本のリードも見逃せない。打順が一巡すると配球を変えてタイミングが取りずらいリードをしていた。打者の狙いを見極める観察眼が優れているからこそだ。制球のいい投手をうまく引っ張れるのが坂本の特長。だから村上、大竹、伊藤将は相性が良くなる。長いシーズンは必ず好不調がでてくる。梅野と競い合うことがチームの底上げにつながる。

◆阪神・大山は8-0の六回に鍵谷の145キロを捉えて左中間席へ2号ソロ。三回に6得点した後の中だるみを防ぐ一発となり「(伊藤)将司がよく投げてくれたんで(援護は)何点あってもいいですし、そういう意味ではいいかなと思う」と汗をぬぐった。「きょうはきょうで終わりなので、明日に向けていい準備をして、やっていきたいと思います」と表情を引き締めた。

◆無風の夜空に思い切り飛ばした白球で、阪神打線に火をつけた。近本がファンの待つ右翼スタンドに突き刺す本塁打。15得点の大勝に貢献した。「先頭バッターだったので、とにかく出塁することを意識していました。しっかりと自分のスイングができたと思います」三回の先頭で打席に入り、巨人・山崎伊の6球目カットボールに反応。「手応えはそう(打った瞬間)でしたけど、甲子園なので何があるかわからないので」。一塁ベースまで勢いよく走ったが、フェンスの向こうに消えた打球を見届けて悠々とペースを落とした。2号ソロで打者一巡の猛攻を導くと、この回2度目の打席でも快速を飛ばして一塁への内野安打。ランナーを1人生還させ、1イニング2安打2打点で一挙6得点を締めくくった。21試合を消化して27安打、打率・351、2本塁打、12打点はいずれもチームトップ。出塁率も・464と、圧倒的な数字が残る序盤戦を過ごしている。大差がついた七回の第5打席、八回の第6打席にいずれも四球を選ぶ集中力を発揮。ここまでリーグトップの16四球で、〝塁上に近本あり〟の状態を生み出している。「あれはよかったですね。この展開で打席が多く回ってくる中で、集中力を持てるかというと難しい。その中でフォアボールが取れたのはすごくよかったと思います」チームが派手な15得点大勝の中で、近本は自分が評価する打席へ言葉を尽くした。頼もしいリードオフマンが、虎打線の先頭で輝いている。(邨田直人)?...近本は三回に右越えにソロ本塁打と一塁適時内野安打で2打点。阪神の打者で1イニング複数安打は昨年7月30日のヤクルト戦(○7-3、甲子園)の四回に島田が右中間二塁打と左前適時打を放って以来

◆阪神・ノイジー(前アスレチックス3A)は三回に左前へ4試合ぶりとなる安打を放つと、四回にもライトに弾き返す安打でマルチ安打をマーク。周りの打者が次々と安打を放って得点を重ねた中、「いい流れに乗っていけたと思います」と喜んだ。試合前練習では岡田監督から「もっとボールを見ていくように」と助言され、結果も出たことで納得の表情をみせた。

◆阪神・佐藤輝はプロ初の1試合2死球。二回は右肩付近にボールを受け、四回は背中に投球が直撃したが、試合後「(死球の影響は)大丈夫っす」と語り、大事には至らなかった。三回無死満塁では二塁への当たりで激走し、適時内野安打。この回6得点の猛攻に貢献し「強い打球じゃなかったので一生懸命走りました」と胸を張った。

◆歴史的G倒! 阪神は15-0で巨人に大勝し、甲子園の虎党を驚喜させた。巨人戦で15点差の勝利は1936年の初対戦から88年目で最大差での爆勝。三回と八回に打者一巡の猛攻を展開し、井上広大外野手(21)が3安打4打点で自身初の猛打賞をマークした。勝利の美酒がうますぎる!甲子園が快音の嵐に包まれる。ウル虎イエローユニホームの猛虎打線がスコアボードに刻んだ19安打15得点のウル虎勝利だ。井上が3本の長打で導いた歴史的G倒-。大歓声に押され、お立ち台に上がった打のヒーローは叫んだ。「最高です! 今年はやったります!」宿敵を完膚なきまでにたたき潰した猛攻はここから始まった。二回1死一塁で迎えた第1打席。山崎伊の144キロシュートを引っ張った。左翼線に弾む二塁打。「1打席目、いつも以上に集中して打席に立った中で打てたのが次につながった」。今季初の長打で先制点につなげると、若虎は覚醒する。三回無死満塁では再び山崎伊から左翼線に2点二塁打を放った。八回には左腕・今村から右中間を破る2点三塁打。塁上であどけない笑顔が弾ける。プロ初の3安打猛打賞にプロ最多の1試合4打点。刺激を受けたチームは先発野手全員で今季最多の19安打&15得点をマークし、プロ野球黎明期の1936年7月15日の初対戦から88年目、「伝統の一戦」2047試合目(阪神の861勝1111敗75分け)にして最大差となる15点差での爆勝だ。この日の猛虎打線の主役は文句なしに井上だ。「やばいっすね。調子も上がらなくて、全然打てないんですよ」-。ちょうど1年前の4月。鳴尾浜でもがき苦しむ若虎の姿があった。危機感ばかりが募る日々。変わるしかなかった。

◆阪神・中野は八回2死満塁で走者一掃の三塁打を放つなど、今季2度目の3安打猛打賞をマークし「そこまで状態がよくない中でヒットが出た」とうなずいた。戦列復帰して即快投をみせた同期入団の伊藤将について「ストライク先行で守りやすいリズムで投げてくれていた。同級生ということもあって、頼もしいと言ったらおかしいですけど、帰ってきてくれたなという感じがします」と歓迎した。

◆この夜もリードがさえた。D4位・門脇(創価大)を見逃し三振に仕留めたウイニングボールを手に、阪神・坂本はマウンドにいる伊藤将に駆け寄った。「試合前から全然緊張してないので。僕のほうが緊張するぐらいだったんですけど。いつも通り投げてくれました」勝利のお立ち台に並ぶと、今季初登板を無四球完封で飾った左腕に目尻を下げた。四回までパーフェクト投球。緩い変化球を織り交ぜて、巨人打線に的を絞らせず、2安打しか許さなかった。バッテリーでつかんだ完封勝利だ。坂本は「本人が『カーブがいい』ってすごい言うんで。向こうも印象にないと思うから有効だった」と胸を張った。リードだけでない。バットでも伊藤将を援護した。二回、1死二、三塁の好機。外角高めのカットボールを右前へ運ぶ先制タイムリーを放ち、「前に飛ばせば、内野の後ろに飛んで、なんとかなるんじゃないかと」と自画自賛だ。これで坂本が先発マスクをかぶるとチームは5戦5勝。8日のヤクルト戦(甲子園)は大竹の移籍初勝利。12日の巨人戦(東京ドーム)は、村上の7回完全投球を導いた。19日の広島戦(甲子園)は大竹の2勝目に貢献。22日の中日戦(バンテリンドーム)では村上の無四球完封でのプロ初完封をリードで支えた。岡田監督は「ずっと無四球でしょ? リードもさえているし、本当にピッチャーのいいところを引き出しますね」と称賛すると、「梅野はちょっとミニキャンプやな」とピシャリ。大竹、村上の順番で先発予定の28日、29日のヤクルト戦(神宮)も坂本に先発マスクを託すことを明言した。「出る試合は全部勝つつもりでいっています」。坂本は〝不敗神話〟を継続させることを誓った。(三木建次)

◆左のエースが帰還。無数のフラッシュを浴びながら耳にする六甲おろしの大合唱に胸が躍る。今季初登板を無四球完封で飾った伊藤将はお立ち台で最大級の喜びをシンプルな言葉に込めた。「最高です! 今年初登板なので思い切って勝負しようと思っていました」四回まで完全投球の最高の立ち上がり。五回1死で中田翔に甘く入った直球を左前へはじき返されたが、「平常心で頑張りました」と後続を断った。八回にも2死三塁と初めて得点圏に走者を背負うも、山瀬を右飛に料理。九回は三者凡退で締め、106球で今季初白星をつかんだ。打線の大量援護にも恵まれ、「野手が点を取ってくれたので、投げやすかった」と感謝。岡田監督は「6回で100球いけば代えるつもりだったけど、ずっと少ない球数でいったので。『これは完封だな』という感じやった」と最後までマウンドを託した。これで新人だった2021年から甲子園で負けなしの11連勝とし、球団では70~71年に村山実が12連勝して以来、52年ぶり4人目の連勝記録に到達。さらに巨人戦は昨年5月22日(甲子園)から4連勝とGキラーぶりを発揮した。3年目の今季は先発ローテの軸として期待されながら、3月中旬に左肩の違和感を訴えて離脱。治療とトレーニングに励む日々を過ごした。チームの戦いをテレビで見つめ、「悔しい気持ちもあった」。そんな心境の中で活躍を見せる同期入団の右腕・村上の姿に奮い立った。2学年下の後輩は今月12日の巨人戦(東京ドーム)で七回完全投球を見せると、22日の中日戦(バンテリンドーム)では無四球完封でプロ初白星。「自分と同じでコントロールを武器としている投手なので、ああいう結果は出せるんじゃないかな。いい刺激になる」。社会人卒と大卒で年齢は違うが、投手としてのタイプは同じ。なにより同期であり大切な仲間だ。伊藤将も先輩として負けじと快投した。「2年連続で規定投球回数に届いていないので、しっかり達成して2桁(勝利)も取れるように頑張ります!」出遅れたが、2桁勝利と自身初の規定投球回の目標はあきらめない。〝ミスター甲子園〟がここから巻き返す。(織原祥平)

◆ワッショイ、ワッショイ!! 「ウヒョ~、コロナも収束を迎え、祭りが完全復活やね! この盛大な勢いは、祇園祭でおますか? いや、東京の三社祭だろ~?」「ちゃいますわ! 阪神タイガース、日本一の前夜祭やないかー!」。ワッショイ、ワッショイ!!気をつけてやー! 若くて暴れん坊の〝井上町〟の長打みこし(2本の二塁打に三塁打)が来たでェ!! 〝近本町〟の一番みこし(一発に足で稼いだ適時内野安打)は速いだけじゃなく力もあるんや!! 〝中野町〟のWBCみこし(八回に走者一掃の適時三塁打)で駄目押しや!!あー、危ない!! 一発を打った〝大山町〟や3安打の〝木浪町〟に、元気を取り戻した〝ノイジー町〟のみこしがぶつかるー!! ドカーンの19安打15得点!! やっぱり祭りはええわー!!今季初登板の伊藤将の2安打完封はお見事!! 全員が42番を背負う米大リーグの「ジャッキー・ロビンソンデー」のように、次からの巨人戦は「伊藤将デー」にして阪神は全員が背番号27。そして巨人に全勝や!!

◆藤浪を応援していたんだけれどなぁ...。海の向こう。メジャーリーグを舞台に再び実現した、かつてのライバル対決。藤浪が先発ローテから外れたとはいえ、見ないわけにはいかない。やっぱり大谷ってヤツはすごい。ここ一番、必ず原稿になる活躍をする。世間が「大谷vs藤浪」を注目していることなんて気にしていないだろうが、キッチリと快音を発した。残念ながら現時点では「格」の差を見せつけられた印象だ。昨夜の当番デスク牧慈によると、編集局長・生頼秀基が「でも藤浪は自責点ゼロや」とやさしくかばっていたそうだ。が、負けは負けだ。2人が初めて対戦したのが高校時代、2012年春の選抜1回戦。大会初日の第3試合だった。花巻東・大谷が藤浪からホームランを放ったけれど、大阪桐蔭打線が大谷を攻略して...。大阪桐蔭はその勢いであの年、春夏連覇を達成する。実況していたのは、40年以上タイガース中継にも携わってきた毎日放送の赤木誠アナウンサーだった。そんな記憶をたどりながら、何気なく夕刻のMBSテレビ「よんチャンTV」を見ていたら...「全球ストレート勝負! 大谷がレフト前へ!」この声は??? 赤木アナではないか!偶然にも、ニュースのスポーツコーナーでライバル対決を報じていたのが、赤木アナだった(顔は映っていなかったが、すぐにわかる)。というわけで、ご本人に取材。

◆せっかくのチャンスに、もどかしいよ、山崎伊は。昨年は5勝5敗。今年は2桁勝利を挙げて、戸郷に続く先発2番手に...という、大事なシーズンではないのかね。コントロールは悪くない。いかんせん、それはストライクゾーンへのコントロール。ボールにならない、というもので、ストライクゾーンの四隅に投げ切れるレベルには至らない。ボールならボールで、アウトコース、インコースのゾーンから、徐々に遠ざかってくれた方がいいのに、なまじコントロールがあるから、甘いところへ寄ってしまう。痛打されるのはことごとく、このパターン。やはり昨年5勝5敗で、今年2桁勝利を期待される赤星にも、実は同じことがいえる。したがって、チームにとっても喫緊の課題だよ。5勝の上積み分を、どこに求めるのか。体の切れなのか、鍛え方なのか。いずれにしても2人には、何かをレベルアップさせる必要がある。くれぐれも、コレだけは言っておこう。20勝投手のような調整だけは、してはいけないよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
1370 0.650
(↑0.018)
-
(-)
12371
(+7)
61
(+6)
15
(+1)
5
(-)
0.257
(↑0.006)
2.870
(↓0.15)
2
(-)
阪神
1191 0.550
(↑0.024)
2
(-)
12273
(+15)
63
(-)
9
(+2)
12
(-)
0.239
(↑0.015
2.790
(↑0.14)
3
(-)
広島
11100 0.524
(↑0.024)
2.5
(-)
12263
(+3)
61
(+2)
15
(-)
6
(-)
0.224
(-)
2.530
(↑0.18)
4
(1↓)
ヤクルト
10111 0.476
(↓0.024)
3.5
(↓1)
12159
(+6)
60
(+7)
13
(+2)
19
(-)
0.196
(↑0.003)
2.610
(↓0.2)
5
(-)
巨人
9130 0.409
(↓0.02)
5
(↓1)
12170
(-)
83
(+15)
19
(-)
1
(-)
0.234
(↓0.007)
3.600
(↓0.58)
6
(-)
中日
8120 0.400
(↓0.021)
5
(↓1)
12352
(+2)
60
(+3)
4
(-)
6
(+1)
0.245
(-)
2.660
(↑0.03)