阪神(★4対8☆)巨人 =リーグ戦4回戦(2023.04.26)・阪神甲子園球場=
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巨人
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阪神
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勝利投手:戸郷 翔征(3勝1敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(1勝2敗0S)

本塁打
【巨人】長野 久義(1号・8回表3ラン)
【阪神】佐藤 輝明(1号・5回裏ソロ)

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◆巨人は1点リードの3回表、岡本和の2打席連続となる適時打などで4点を加える。その後1点差まで迫られるも、8回には代打・長野の3ランが飛び出し、相手を突き放した。投げては、先発・戸郷が7回途中4失点で今季3勝目。敗れた阪神は、先発・西勇が試合をつくれなかった。

◆巨人戸郷翔征(23)が、先発予定だった25日阪神戦の雨天中止を受けて翌26日にスライド登板する。甲子園での練習前に、中止が決定。「中止が決まったのが早かったので。ブルペンで投げてからの中止ではないので、違和感はない。ゼロではないけど、変わらずにいけそうです」と前向きにとらえた。キャッチボールや短いダッシュで調整。前回登板から中7日でマウンドに臨む。意外にも初のスライド登板となる。「あんまり雨天中止が僕はないので」と、晴れ男の初めての挑戦。チームは2連勝で右肩上がりで「チームもいい状況にきているんで、それが続けば一番」と今季3勝目でさらなる勢いをつける。27日は山崎伊が先発予定で、約9カ月ぶりの復帰登板を予定していた高橋は次回登板が未定となり「次に向けてやるしかない。自分の中でいつでもいけるようにしたい」と万全の準備を続ける。

◆阪神ナインが「ウル虎イエローユニホーム」で登場した。恒例の夏イベント「ウル虎の夏2023」で着用するユニホームで26日、27日巨人戦はそのお披露目デーとなっている。11年目となる同イベントだが、今年は「トランスフォーム」がコンセプト。岡田彰布監督(65)の新体制、コロナ禍などによる状況の変遷を「虎ンスフォーム」にもじって思いを込めた。発光をイメージした白のエネルギーラインなど、昨季とガラリと変わったSF仕様になっている。「ウル虎の夏2023」の本番は7月25日から27日の巨人戦、7月28日から30日の広島戦の6試合(いずれも甲子園)。試合開始2時間後までに入場した観客全員に限定オリジナルジャージーがプレゼントされる。

◆今季初となる甲子園での伝統の一戦。両チームのスタメンが発表された。貧打にあえぐ阪神は打線改造に動いた。「2番捕手」で梅野隆太郎捕手(31)を起用。20年9月17日の巨人戦以来、自身7度目の2番出場となった。今季ここまで2番に入っていた中野拓夢内野手(26)は「3番二塁」、佐藤輝明内野手(24)は「6番三塁」で出場する。

◆2連勝中の巨人が1番から8番まで2試合連続で同じオーダーを組んだ。坂本勇人内野手(34)が「7番遊撃」、2試合連続適時打をマークしている秋広優人内野手(20)が「8番左翼」に名を連ねた。先発マウンドには雨天中止だった25日阪神戦からスライドで戸郷翔征投手(23)が上がる。戸郷は昨季、甲子園でプロ初完封をマークするなど3試合1勝0敗、防御率0・72と相性抜群。前回登板から中7日で今季3勝目を目指す。

◆巨人岡本和真内野手(26)が先制適時打を放った。1回2死二塁から阪神西勇の134キロの低めフォークを左前に運んだ。カウント0-2と追い込まれてからファウルで粘った。フルカウントからの9球目を捉え、三遊間を破った。「追い込まれていたので何とか食らいついていきました。ランナーをかえせて良かったですし、このまま優位に試合を進めていきたいです」と振り返った。試合前まで3割5分1厘と高打率をマーク。ただ、得点圏では11打数1安打の9分1厘だった。今季初となる甲子園での伝統の一戦で、本来の勝負強さを発揮し、いきなり試合を動かした。

◆7月に甲子園と東京ドームで開催される「阪神タイガース Women」と「読売ジャイアンツ女子チーム」の初対戦を前に、タイガースWomenの3選手が始球式に登板した。半田渚(33)、石村奈々(22)、前田祐里(22)の3投手が登場。「伝統の一戦」のプレーボールを30分後に控え、両チームのファンが早くもスタンドを埋める中、打者役の球団マスコットのトラッキーらにボールを投じた。登板後は「初めてのことだらけすぎて、すごく緊張しました。これだけお客さんがいる中で投げてる方って本当にすごいなとあらためて感じました」(前田)など、人気カードならではの球場の雰囲気を3人とも体感した。7月には22日に甲子園で第1戦、同29日に東京ドームで第2戦が行われる。女子野球の「伝統の一戦」は初の試みだけに、半田は「どのチームにも負けられないんですけど、一番負けられない相手だと思うので、それに向けてチーム一丸となってレベルアップした上で勝てるように頑張りたいと思います」と意気込んだ。石村も「女子野球をアピールできるいい試合になると思います」と語り、前田は「今日投げてみて、こんなにたくさんのお客さんの中で投げられることってすごく幸せなことだと感じたので、女子野球も同じような形でプレーができるようにこの巨人戦で阪神が勝って阪神から女子野球を広めていけたらいいなと思います」と、熱い7月にすることを約束した。

◆巨人岡本和真内野手(26)がチャンスでバットが止まらなくなった。2打席連続適時打を放った。第1打席は1回2死二塁から強烈に三遊間を破った。先制点を生み出すと、第2打席も続いた。3回無死二塁から121キロカーブにうまく合わせ中前に運び、追加点をもたらした。試合前まで3割5分1厘と高打率をマークしていた中、得点圏では11打数1安打の9分1厘だった。この日は得点圏で2打席連続で勝負強さを示した。SNSでは「岡本が得点圏絶対打つマンになってるw」「流石4番だな」などの声があふれ、巨人ファンを喜ばせた。

◆阪神島田海吏外野手(27)が右翼の守備で"球際の勝負"を仕かけたが、痛恨の適時打となった。2点ビハインドの3回。1死一塁から3番大城の打球は右翼前に落ちるかという飛球に。ギリギリの打球にスライディングキャッチを試みたが、グラブが届かずフェンスに転がる適時三塁打に。手痛い追加点を許した。その後相手先発戸郷、オコエに適時打を許し、この回4失点。5点を追う展開となった。

◆阪神先発西勇輝投手(32)が今季ワースト5失点を喫し、同最短3回で降板となった。初回に岡本和に先制の適時打を浴びると、3回に再び岡本和に適時打を許すなど5安打で4失点。直後の攻撃で代打を送られ、計9安打2四球5失点での降板となった。西勇は今季登板した3試合全てでクオリティー・スタート(6回以上、自責3以内)を達成。前回登板の18日広島戦では9回1失点で完投し、サヨナラ勝利を呼び込んでいた。ここまで安定した投球を続けてきた中、今季初めて序盤での降板となった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)に待望の今季初アーチが生まれた。5点を追う5回の先頭。1安打と抑え込まれていた相手先発戸郷の2球目144キロ直球を強振。打球は虎党の待つ右翼席へ歓声とともに吸い込まれる131メートル弾となった。今季20試合目、75打席目での第1号ソロ。プロ入り後最遅の1発となった。佐藤輝は「良い感触で打つことができましたし、久しぶりにダイヤモンドを1周できて気持ちよかったです」と喜んだ。この1発で火が付いた打線は、その後4連打。この回一挙4点を追加し、1点差に迫った。

◆巨人戸郷翔征投手(23)がバットを粉砕されながら、自らを援護した。3点リードの3回2死一、三塁のチャンスで打席に入った。8番秋広が申告敬遠された後だった。阪神西勇の低め141キロシュートを打ちにいった。バットは真っ二つに。打球はどん詰まったが、遊撃手の頭上を越え、中前にポテンと落ちた。一塁ベース上で、右手を上げた。今季初安打で初適時打だった。実はバッティングは勝負強い。昨季は放った5安打のうち4本が適時打だった。SNSでは「戸郷タイムリー」「戸郷くん」がトレンド入りし、盛り上がりをみせた。

◆巨人大城卓三捕手(30)が"逆言霊"を起こした。3回1死から阪神西勇の139キロシュートを三塁打とした。強烈なライナーを右翼・島田が後逸。打球はフェンスまで転がり、大城卓は三塁に悠々と到達した。記録は適時三塁打となった。23日ヤクルト戦では3号2ランを含むサイクル王手の3安打の活躍。達成に足りなかった三塁打は「無理です」と笑っていたが、次の試合で実現した。大城卓の三塁打はプロ4本目で、昨季の7月15日広島戦以来だった。SNSでは「大城のスリーベース」がトレンド入りした。ツイッターでは「この間の『無理っす』がフラグに聞こえる笑」「大城のスリーベースってネッシーみたいなもんだと思っていた」「大城のスリーベースはパワーワード過ぎる ナイス大城!!」など書き込みがあった。

◆巨人中田翔内野手(34)がピンチを一塁守備で救った。1点リードの7回2死一、二塁のピンチ。阪神中野の一、二塁間のゴロを横っ跳びで好捕した。素早く立ち上がり、一塁カバーに入った大江にトスした。右前に抜けていれば、同点の可能性もあったが、それを許さなかった。SNSでは「中田うめええええええええええ」「中田の守備でかすぎる」「中田様様やろ」などの声があがった。

◆阪神が今季初めて本拠地甲子園で迎えた「伝統の一戦」を落とした。先発西勇が3回5失点でKO。初回に岡本和の適時打で1点を失うと、3回にも再び岡本和に適時打、大城にも適時三塁打を浴びるなどしてこの回4点を失った。打線は2番梅野、3番中野と大幅に組み替えて臨んだが勝利には結びつかず。5回には6番佐藤輝の今季1号となる右越え本塁打から5連打とつながって4得点を挙げるも追いつけなかった。8回には5番手岩貞が長野に3ランを浴びて突き放された。リーグ2位と順位は変わらないが、最多4あった貯金は1まで減った。

◆巨人が阪神に逃げ切り勝ちし、借金を3に減らした。先手をとった。1回に岡本和の左前適時打で先制した。3回には岡本和、大城卓、戸郷、オコエが適時打を放って打線がつながり、5点差に広げた。1点差と詰め寄られていた8回にはベテランが大きな仕事をした。代打長野が左中間へ3ランを放ち、再び流れを大きく引き戻した。先発の戸郷は7回途中まで6安打4失点で3勝目となった。5回に阪神佐藤輝の1号ソロなど5安打を集中され、4失点で1点差に迫られたが、同点は許さなかった。7回途中からは大江、田中千、直江とつなぎ、逃げ切った。今季初となる甲子園での伝統の一戦で勝利した。

◆巨人が3連勝。岡本和の2打席連続適時打などで3回までに5点を奪い、8回に代打長野の1号3ランで加点した。戸郷が7回途中6安打4失点で3勝目。阪神は西勇が3回5失点で2敗目。打線が5回に4点を返したが及ばず。

◆巨人長野久義外野手(38)が代打3ランを放った。1点リードの8回1死一、三塁で吉川の代打として登場。阪神岩貞の低め132キロスライダーを角度よく捉えた。白球は左中間スタンドに飛び込んだ。一時は5点リードから1点差に迫られていた中、一振りで貴重な追加点を生み出した。長野の甲子園での本塁打は18年5月26日、阪神桑原から打って以来。通算14本目となった。

◆巨人長野久義外野手(38)が巨人復帰後、初アーチとなる1号代打3ランを放った。1点差の8回1死一、三塁で左中間席に白球を運んだ。チームの3連勝に貢献し、お立ち台に上がった。ヒーローインタビュー-今の気持ちこの甲子園球場で打てたことが一番うれしいです。-甲子園で18年5月26日以来、5年ぶり本塁打うれしいですね。はい。-ここぞの場面での起用が多い。どんなことを考え調整をしているかいいところで使ってもらっているのですけど...できればプレッシャーがかからないところで打ちたいなと思います。-明日以降へ意気込みまた頑張ります。ありがとうございました。

◆巨人戸郷翔征投手(23)には反省の多い3勝目だった。4回まで1安打投球も、5回に阪神佐藤輝の1発を皮切りに5連打を集められて4失点。6回1/3を6安打4失点で3勝目を挙げるも「失点の回が反省すべきところです。今日の勝ちは野手の皆さんに勝たせてもらった」と振り返った。原監督も「うちのエース」と信頼を寄せるからこそ「もっと投げてもらいたかった。投げなきゃというところです」とした。

◆阪神が今季初めて本拠地甲子園で迎えた「伝統の一戦」を落とした。先発西勇が3回5失点でKO。打線は2番梅野、3番中野と大幅に組み替えて臨んだが勝利には結びつかず。5回には6番佐藤輝の今季1号となる右越え本塁打から5連打とつながって4得点を挙げるも追いつけなかった。8回には5番手岩貞が長野に3ランを浴びて突き放された。リーグ2位と順位は変わらないが、最多4あった貯金は1まで減った。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-佐藤輝がホームランで流れがきたが「おーう。流れがきたけどなあ」-5回はすごくつながった攻撃だったが「まあ、1点差やったら後半チャンスあったと思うけどなあ。やっぱりホームランが痛いわ。犠牲フライだと思っていたけど」-佐藤輝は復調のきっかけになるか「おーん、きっかけになるやろうなあ。きのうのなあ、室内(練習)からよかった。昨日(ホームランが)出る言うてたけどな」-今日は打線を組み替えた。2番梅野の意図は「意図って、お前。2番で打たそうと思ったんやんか」-本来のコンパクトな打撃を思い出させる狙いはあったのか「まあなあ、ちょっと強引に行くからな。(1番が)近本やから(塁に出て)右に打つとか、バントとかもできるかと思ったけど、そういう機会はなかったけどな。ちょうど(7回に)左で来たからのう、ちょうどあそこがちょっとポイントやったけどな」-最近、梅野にチャンスで回ってくる「それは何番打たせてもいっしょやって。みんなそうやんか。打順下げてもチャンスは回ってくるし。調子が悪いものに」-調子が悪い選手の打順下げるのではなく上げた「いや、その間に入れたんやけどな。あそこはな、絶対な、9番からでも左ピッチャー来るからな、間に入れといたらなあ、ちょうど当たるやろと思たらホンマになあ、ちょうどええタイミングやったけどなあ。(2番手)大江の時に」-及川のピッチングで流れができた「おー、やっぱり流れ変えるよなあ、ああいうのは。まあ西が打たれすぎよなあ、最初から。うーん、だからあんだけヒット打たれへんけどのお、うーん」-西勇が立て直せないのも珍しい「初回なあ、1点で逃れたからなあ、それですっといくと思たけどなあ」-ー気にしていたノイジーが「そうやねん、ノイジーがなあ、今やったらノイジーの方が一番悪いかもわからんなあ。(中日の)2戦目からやなあ、あれ、ストライクのね、そのあれからもう、ちょっと内容悪いよな、ノイジーな」-打順もまた、考えながら「まあ、そんなにコロコロ、コロコロ変えないからな、俺は。まあ、ノイジーも、何番打とうが、そらまず自分のいい時の感覚をもどさなあかんよ、それは。何番やからええとか、あかんとかじゃなしにな。バッターって何番うとうが、その選手の攻めをしてくるわけやからな、相手のチームは。だから、楽な打順なんかないわけやんか。クリーンアップ打ってるヤツが、7番になったら楽っていうことはないわけやから。それはやっぱりな、個人個人の調子をあげなあかんゆうことやからの」

◆あの放物線に夢を見た-。阪神佐藤輝明内野手(24)に待望の1発が飛び出した。巨人戦の5回に右翼へ今季1号ソロ。主砲が口火を切り、5連打などで1点差に詰め寄った。5点差逆転勝ちはならなかったが、佐藤輝が復調の兆しを見せたことはプラス材料。きょう27日に、リベンジのG倒だ。甲子園の雰囲気が一変した。5点ビハインドの5回。佐藤輝が先頭打者で打席に立った。巨人先発戸郷の2球目、144キロ内角直球を豪快にフルスイング。打球は鮮やかな放物線を描き、右翼席に突き刺さった。20試合、75打席目での今季1号。プロ3年目で一番遅いアーチだった。「いい感触で打つことができましたし、久しぶりにダイヤモンドを1周できて気持ちよかったです。ここまで時間かかってしまったけど、変わらずに、しっかり頑張りたいと思います」待望の1発に思わずガッツポーズも出た。「ウル虎の夏2023」のサードユニホームお披露目試合。今季初の甲子園での伝統の一戦で、若き主砲が意地を見せた。苦戦していた戸郷に対し、代打渡辺諒の適時二塁打など5連打で1点差に迫った。誰もが5点差逆転勝ちの夢を見た。ここまで打撃不振に苦しんだ。「結果が出るまで頑張るだけ」「切り替えてやるしかない」。日頃はマイペースな男も、自分と向き合い試行錯誤した。「細かい部分を修正して練習しています」。フリー打撃では、ノーステップや、すり足気味の打撃を試すなど必死にもがいた。本塁打の打席は、少し足を上げてタイミングを取っていた。「変わってくると思います」と復調の兆しをつかんだ。岡田監督も「きっかけになるやろうなあ。昨日の室内からよかった。昨日(本塁打が)出る言うてた」と爆発を期待した。反省もあった。1点を追う8回1死二塁からオコエの打球をはじいた。長野の3ランにつながる痛恨の失策だった。試合後、敗戦に表情を崩すことはなかったが、豪快な放物線は明日への希望。「徐々によくなっていると思うので、それを信じて。勝ちたいと思います」。虎が誇るスラッガーの逆襲が始まる。【三宅ひとみ】

◆阪神岡田彰布監督(65)が打線のテコ入れを敢行するも実らず、2連敗に沈んだ。打撃絶不調の梅野を7番から2番で起用。中野を3番に置き、ノイジーを5番、佐藤輝を6番に入れる新オーダーで臨んだ一戦。しかし得点源の2番から5番までの上位打線が無安打と沈黙。甲子園での伝統の一戦初戦を白星で飾ることはできなかった。20年9月17日の巨人戦以来、約3年ぶりに2番で出場した梅野が4タコに倒れた。初回1死から空振り三振、3回は2死一塁から遊ゴロに凡退。5回無死一、三塁では二ゴロ併殺打で追加点を挙げるも打点はつかず。1点を追う7回1死一、二塁の一打同点のチャンスでは空振り三振を喫し、打率はついに9分4厘まで落ち込んだ。梅野は試合後、悔しさをにじませながら報道陣の問いかけにも珍しく無言を貫いた。梅野の2番起用について指揮官は「2番で打たそうと思ったんやんか」と説明。「ちょっと強引に行くからな。(1番が)近本やから(塁に出て)右に打つとか、バントとかもできるかと思ったけど、そういう機会がなかった」。7回の打席は戸郷から左腕の大江にスイッチしたばかりで「ちょうど左で来たからのう、あそこがちょっとポイントやったけどな」と嘆き「何番打たせても一緒やって。打順下げてもチャンスで回ってくるし。調子が悪いものに」と頭を抱えた。5番に入ったノイジーも2併殺打など3試合連続無安打と振るわなかった。開幕序盤から3割台をキープしてきたが、下降線をたどる助っ人に指揮官は「今やったらノイジーが一番悪いかもわからんなあ。ちょっと内容悪いよな」と指摘。今後の打順変更については「そんなにコロコロ変えないからな、俺は。ノイジーも何番打とうがまず自分のいい時の感覚を取り戻さないとあかんよ」と奮起を促した。最大4つあった貯金はついに1つに。今季初の3連敗は阻止したい。【古財稜明】阪神中野(今季初の3番起用)「ランナーがいない状況の中で大きいのというか、二塁打狙いにいったりというところはあった。あとはそこまで変えたつもりはないです」近本の3試合連続打点も、逆転勝利につながらなかった。5点を追う5回。佐藤輝の1号ソロから島田、木浪、渡辺諒と安打が続き、2-5の無死二、三塁で3点目の適時打。18日広島戦からの連続試合安打も7に伸ばした。「打線がつながって、いい流れで回ってきた打席でしたし、とにかく自分も後ろにつないでいく気持ちでした」と振り返った。だがこの回に追いつくことができず、終盤に巨人に突き放された。渡辺諒が移籍後甲子園初ヒットを放った。佐藤輝のソロで1点を返してなお一、三塁。代打で打席に立つと、外角スライダーを左翼線に運ぶ適時二塁打を放った。続く近本も適時打を放ち、打線がつながった。代打での起用が続く渡辺諒だが「ほんとに1打席しかないので、結果を出すしかない。そういったなかでファーストストライクからいけたので良かった」と振り返った。右翼手島田が痛恨の後逸を悔やんだ。2点ビハインドの3回。1死一塁から大城卓の飛球は右翼前に落ちるかという打球になった。果敢にもスライディングキャッチを試みた島田だが、打球はグラブの下をすり抜けて外野を転がった。一塁走者岡本和が生還する適時三塁打。エラーではなかったが「思っているよりもドライブで下に落ちてしまった。止めることは出来たと思う。西さんに申し訳ない」と振り返った。

◆流れを変えた。阪神及川が2回1安打4奪三振無失点で巨人打線を封じ、打線の反撃を呼び込んだ。「ある程度腕が振れて、しっかり低めに投げられた。そんなに苦しくない投球が出来た。気負うことなく投げられた」と振り返った。先発西勇がまさかの3回5失点で降板。嫌なムードの中、5点ビハインドの4回に登板した。いきなりの中軸対決も、3番ブリンソンを空振り三振。岡本和を投ゴロ、中田翔を空振り三振と3人で料理。回またぎでの5回も1安打を浴びたが2三振を奪った。最速は151キロを記録し、序盤3回で9安打を放った相手打線を封じ込めた。快投に打線も奮起。直後に反撃の4得点を上げた。「ヒットは打たれたけど、ストライクが先行して流れ良くいけた。それがその後の攻撃につながってくれたと思う」と納得の表情。流れを呼ぶ投球に岡田監督も「やっぱり流れ変えるよなあ、ああいうのは」と目を細めた。18日に湯浅に代わり、1軍昇格。これで3戦連続無失点と好調をキープ。「どんな場面でもゼロに抑えるということは変わりない。しっかりやっていきたい」。守護神を欠く中、若き左腕の奮闘が頼もしい。【波部俊之介】先発西勇が今季最短&ワースト失点となる3回9安打5失点でKOされた。初回、岡本和に先制適時打を浴びると、3回には大城卓に適時三塁打、投手の戸郷にも適時打を許すなど4失点。その裏の打席で代打を送られた。今季はここまで3試合いずれも6イニング以上を投げて自責点3以下のクオリティー・スタート(QS)だったが、試合序盤にまさかの降板。今季2敗目を喫した右腕は「言い訳は出来ない。次の試合も切り替えてやるだけなんで。もう終わったことやし、前向くしかない」と切り替えを強調した。岩貞が今季5試合目で、初被弾、初失点となった。4-5の8回に5番手で登板も、先頭のウォーカーに安打を許し、三塁・佐藤輝の失策も絡んで1死一、三塁とピンチは拡大。代打・長野に試合を決定づける3ランを浴びた。先頭打者の出塁が痛恨の失点につながり「打たれるのと抑えるのとでは違うので、次回に生かしていきたいです」と語った。

◆阪神大山悠輔内野手(28)が、死球禍をものともしない2号弾を放った。8-0の6回1死の第4打席で、巨人3番手の鍵谷から豪快な一発を左翼スタンドへ。マウンドの鍵谷が、打球が上がった瞬間にがっくりと肩を落としたほど強烈な2号ソロだった。大山は3回に巨人先発の山崎伊から右肘付近に死球を受け、治療のためにいったんベンチへ。阪神ファンを心配させたが、治療を受けてすぐにグラウンドに戻った。さらにファンを安心させるアーチをかけた。大山のアーチで、阪神は先発野手全員安打をマークした。

◆阪神が宿敵巨人相手に大勝した。打線は先発野手全員安打の、ともに今季最多の19安打15得点をたたきだし、左肩違和感から復活した先発伊藤将司投手(26)が今季初登板で完封勝利を挙げ、破竹の甲子園11連勝を飾った。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー)-完璧な試合運びでしたが「いやいや、もう、ねえ。伊藤(将)がね、初登板ということで、最初はちょっと心配したんですけどね。まあ、ね。今年初めてぐらいの打線が点を取ったんで。久しぶりにゆっくりゲームができましたねえ」-今季最多の19安打、15得点。打線は個々の状態を上げていきたいと話していたが「いやいや、急にみんな上がりましたね。ほんとに。だから、まあ、ちょっとヒット出ない選手もいてたんですけど、まあ、つられて打ったというか、だから、こういうゲーム展開になるとちょっと雑になるんでね。最後もボールを見極めて四球とか選んでいたんで、それはよかったかなと思いますけど」-スタメン抜てきの井上が、いい流れをつかむ3安打「そうねえ。『(3安打)初めてか』言ったら、今までも『3本打ってない』いうから、トータルでもそんなに打ってなかったので。まあだから、右ピッチャーだったんだけど、ずっと自分の納得いくバッティングはできてないかもわからないけど、ヒットが出ているっていうことはね、自信にもなっただろうし。今日は最初も良かったけど、最後ももう1本っていうところであそこで打ったのは大きいですよね」-伊藤将を最後まで投げきらせることをどの時点で判断したか「もう球数で100球ぐらいと思っていて、6回で100球いけば代えるつもりだったんですけど、ずっと本当に少ない球数でいったので、ゲーム展開もあったし、『これは完封だな』という感じやったですね」-坂本はスタメン起用すると5試合全てが白星につながっている「そうですね。だから、ずっと(坂本スタメン時の先発投手が)無四球でしょ? 坂本は。まあコントロールがいいピッチャーにあたっているのもあるかもわからないですけど、そういう意味ではリードもさえているし、本当にピッチャーのいいところを引き出しますね」-巨人に一分の隙も見せない勝ち方は次につながるのでは?「いやいや、明日(28日の敵地ヤクルト戦)の心配をちょっとしていたんですけど、多分明日は点を取れないだろうと言ってたんだけど、ベンチでは。だから、だからそういうのはやっぱりこうね、最後まできっちりやればね、そういうゲーム展開でもね、明日につながると思うし、最後までね、諦めずに四球とか絡まして8回も点とったんがね、それが明日につながってくれたらいいと思いますね」-明日の予告先発は大竹「またね、雨で昨日流れたんだけど、まあ神宮はね、慣れてるとこだと思うんで、また頑張ってくれると思いますね」「(自ら)読売(テレビの放送で)4連勝、言うたろかな思たのに。読売だけ4連勝やなあ」(囲み)「もおええ? もう(話すこと)ないな(笑い)」-心配してたノイジーも2安打「そうやなあ、2本出たからな、ちょっとは上がるかな思たらお前、最後三振して裏でまだちょっとこうなってるとかバッティングフォームやっとるから、もうちょっとなあ、あんまり考えこむな言うたんやけどなあ」-試合前にもそんな話を「いやいや、まあ、俺が思っることを言うただけであって、それがどうこういうのはこれから、結構細かいところチェックするタイプというかな、結構そういうタイプ、あんまりなあ、そら1年間打てない時もみんああるわけやから、考えこまないことが一番やな、そういう意味ではな、まあでも結果今日は2本出たからな、それはまただいぶ明日から違うと思うよ」-3回近本から。パワーもついて「だから、打てる球を選んでるいうたらおかしいけど、そういうふうに見えるよね、うーん。今日見たらがむしゃらに打ちにいっとたけどな、早いカウントでも。そういう意味では打てる球をじっくり絞って、スイングしてるいう感じやけどな」-捕手は山崎伊と坂本が相性よかったところでか「いやいや、去年のは俺は全然見てないよ。まあね、初登板やったし、坂本でいって、(明日、明後日と)3試合連続になるけど、まあ梅野はちょっとミニキャンプやな、はっきり言うて。ちょうどええよ。ちょっと休ませたら、頭もリフレッシュするやろ。技術だけやなしにな、打つ方でリードにもだいぶ影響してると思うし、そういう意味ではうまいことな、明日明後日は坂本のピッチャーやから、梅野はちょうどいいリフレッシュできると思うよ」-こういう試合で各打者が調子や数字を上げるのは大切「うーん、そら大きいよ。だからまぁ、だいたいこういう次の試合は、って言うやんか。まあ1、2点でも大竹がビシっといってくれたらいいよ」-監督も心身共に楽に見られたか「だから、中田が5回にまた(巨人初)ヒット打ってくれたからな」-パーフェクトがよぎったか「いやいや、そういうことやない。(22日の敵地中日戦の村上と)一緒やなあと思って」-パーフェクトが?「違うわ、名古屋で(5回の)ワンアウトから(福永に)ヒット打たれたのと一緒やな言うことや、5番バッターに」

◆2連勝中の巨人は今季初の敵地での伝統の一戦。野手は23日のヤクルト戦(神宮)と同じオーダーを並べた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は打順を大幅に入れ替えた。「3番・二塁」は中野拓夢内野手(26)。相手先発の戸郷とは前回対戦の11日・巨人戦(東京ドーム)で3打数1安打。「苦手意識はない」と自信をのぞかせている。前回は戸郷の前に打線全体で7回3安打無失点に抑えられて敗戦。好調の中野を、2022年5月8日の中日戦(バンテリンドーム)以来の3番に据えた。開幕から中野が任されていた2番には打率・102と苦しむ梅野隆太郎捕手(31)が入った。上位打線で浮上のきっかけをつかむ。

◆阪神の先発・西勇輝投手(32)が一回に失点した。先頭のオコエに中前打を浴びると、続く吉川は犠打で1死二塁のピンチを背負う。ブリンソンを遊ゴロで2死二塁としたが、4番・岡本和を2球で追い込み、ファウルで粘られて9球目。134キロ変化球を捉えられ、左前打。先制点を献上した。西勇は続く中田翔に二塁打を浴び、2死二、三塁としたが、大城は右飛に仕留め、最少失点で切り抜けた。

◆女子硬式野球チーム「阪神タイガースWomen」の半田渚投手(33)、石村奈々投手(22)、前田祐里投手(22)がファーストピッチセレモニーを行った。3投手が3カ所に並んで、それぞれに伸びのある直球を捕手のミットへ投げ込んだ。半田は「(女子野球とは)桁違いのお客さんの中、自分の試合じゃないので違う雰囲気でフワフワしていました」と笑顔。石村は「何回か甲子園で投げさせていただいているんですけど、いつマウンドに立っても緊張感があってドキドキしたんですけど、3人一緒だったんでなんとかストライクが入ったと思います」と胸をなでおろした。甲子園での登板は未経験だった前田祐は「初めてのことだらけすぎて本当にすごく緊張しました。こんなにお客さんがいるなかで投げてる方々はすごいなって改めて感じました」と振り返った。タイガースWomenは今年本格的に始動した「読売ジャイアンツ女子チーム」と甲子園(7月22日)、東京ドーム(同29日)で交流戦を行うことが決定。半田は「男子の阪神|巨人戦は『伝統の一戦』といわれている。女子も巨人には負けられない。それにチーム一丸となって勝てるように頑張りたい」と力を込めた。

◆巨人・岡本和真内野手(26)が2打席連続適時打をマークした。一回2死二塁。フルカウントから西勇のチェンジアップを捉え、先制の左前適時打を放った。三回無死二塁で迎えた第2打席でも初球のカーブを振りぬき、中前適時打。先発の戸郷に援護点をプレゼントした。試合前までで打率・351、2本塁打を記録しながらも、得点圏に走者がいなかったこともあり打点はわずか4だった。2年連続打点王に輝いたことのある主砲の勝負強さが戻ってきた。

◆「7番・右翼」で2試合ぶりに先発出場した阪神・島田海吏外野手(27)が三回に痛恨の後逸だ。三回、ブリンソン、岡本和の連打で0ー2とリードを広げられ、なおも1死一塁。大城の痛烈な打球が右翼を襲った。前進し、スライディングキャッチを試みた島田だが、打球は無情にも島田のグラブをすり抜けて外野を転々。一走・岡本和が生還し、適時三塁打としてしまった。踏ん張りたい先発の西勇だが、1死三塁から坂本を投ゴロで2死とするものの、秋広は申告敬遠で2死一、三塁。そこから投手・戸郷に中前打を浴び、0-4と大きく差を広げられた。

◆巨人・戸郷翔征投手(23)が三回の打席で中前適時打を放った。三回2死一、三塁で阪神・西勇のシュートにバットを折られながら中前へ運ぶ一打で、スコアを4-0とした。この後オコエも中前適時打を放ち、チームはこの回4得点で5-0と大量リードを奪った。3勝目を目指す戸郷は、投げては一回に近本、梅野、中野を3者連続で空振り三振に仕留めるなど圧巻の立ち上がり。〝二刀流〟の躍動で主導権をもたらした。

◆阪神の先発・西勇輝投手(32)が巨人打線につかまった。一回先頭のオコエにいきなり中前打を浴びると、岡本和に左前適時打を浴びて先制点を献上する。二回は1死から一、二塁のピンチを背負うも何とか後続を断って無失点。しかし、三回。ブリンソン、岡本和の連打で、わずか3球で失点すると、1死一塁から、大城の打球を右翼手・島田が後逸(記録は適時三塁打)。戸郷、オコエにも適時打を浴びて、三回の攻撃で代打を送られ、降板した。今季最短の3回9安打5失点と精彩を欠いた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が五回に待望の1号ソロを放った。カウント0-1から2球目。戸郷の144キロを振り抜いた。打った瞬間の打球は、虎党の待つ右翼席へ。打球速度172キロ、打球角度31度、飛距離131メートルの今季1号だった。開幕から不振に苦しんできた大砲が今季75打席目で待望の初アーチ。反撃ののろしとなる一打に甲子園が沸いた。

◆猛虎打線がついに戸郷をとらえた。0-5の五回。先頭の佐藤輝明内野手(24)が右翼席へ1号ソロを放つと、打線が爆発する。続く島田が投手強襲の内野安打で出塁すると、木浪が右前打で無死一、三塁。代打・渡辺諒が左翼へ適時二塁打を放ち追加点を奪った。さらに近本が中前適時打を放って3-5。梅野は二ゴロ併殺に倒れたが、その間に三走・渡辺諒が生還し、4-5と一気に差を縮めた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が五回の第2打席に右翼席へ運ぶ待望の今季1号ソロを放った。「良い感触で打つことができましたし、久しぶりにダイヤモンドを一周できて気持ちよかったです。このあと逆転できるように頑張ります」戸郷の144キロ直球を一閃した。この試合の前の時点で打率・175と不振に苦しんでいた大砲。目覚めの一発に甲子園は大歓声に包まれた。

◆オレンジ色に染まった左翼席から応援歌が鳴りやまない。マウンドの阪神・西勇輝投手(32)の表情からは少しずつ笑顔が消えていく。序盤から巨人打線につかまり、今季最短の3回5失点でKOとなった。「いつも通り、どのバッターが来ようが変わらない」登板予定だった25日が雨天中止となり、そのまま26日にスライド。「切り替えを上手にやっていきたい」と仕切り直して臨んだマウンドだったが、試合開始から苦しい展開となった。一回、先頭のオコエに許した中前打から2死二塁のピンチを招き、4番・岡本和にファウルで粘られた末に左前へはじき返されて先制点を献上。中田翔にも左翼線二塁打で二、三塁とされたが、大城を右飛に打ち取って最少失点で乗り切った。しかし、三回に再び苦境に立たされる。先頭のブリンソンに左翼線二塁打を許すと、再び岡本和に初球のカーブを中前へ運ばれてあっさりと2点目を失った。中田翔は中飛に仕留めたが、大城卓の右翼へのライナー性の打球を右翼手・島田が捕球できず、白球は後方へ。適時打三塁打とされると、その後も投手・戸郷にもバットを折られながら中前打にされるなど打者一巡の猛攻を食らって一挙4失点。その裏の攻撃で代打が送られて降板となった。11日の同戦(東京ドーム)では6回?を投げ3失点(自責2)で初黒星も「次につながるピッチングになった」と前向きに捉えていたが...。前回、3安打と分が悪かったオコエにまたも2安打を許すなど粘り切れず。開幕投手の青柳が連敗を喫するなど先発投手陣の調子が上がり切らない状況の中、チーム最年長として投球でチームを引っ張ることはできなかった。(織原祥平)

◆阪神は0-5の五回、佐藤輝のソロで1点を返してなお無死一、三塁のチャンスで、代打・渡辺諒と近本が連続タイムリーを放った。渡辺諒が外角スライダーを左翼線へ運ぶタイムリーで1点を返すと、続く近本は1ストライクから外角直球を中前にはじき返してさらに2点差まで追い上げた。渡辺諒は「(佐藤)テルがホームランで勢いをつけてくれました。みんながチャンスを作ってくれたので、自分もしっかりつなぐことができてよかったです」とコメント。近本は「打線がつながって良い流れで回ってきた打席でしたし、とにかく自分も後ろにつないでいく気持ちでした」と息をはずませた。

◆阪神が同点の好機を逃した。4-5の七回1死から代打・井上が四球で出塁すると、巨人は2番手・大江にスイッチ。1番・近本は死球で1死一、二塁の好機を作った。しかし、2番・梅野は空振り三振。3番・中野は一ゴロに倒れ、あと一本が出なかった。

◆や~っと出た! ひと振りで甲子園のムードを一変させた。佐藤輝明内野手(24)が今季出場20試合目、75打席目で今季1号を放ち、反撃ののろしをあげた。開幕から不振に陥っていた大砲がお目覚めだ。「良い感触で打つことができましたし、久しぶりにダイヤモンドを一周できて気持ちよかったです」持ち前のパワーを発揮し、胸を張った。0-5の大差をつけられて迎えた五回先頭。カウント0-1から好投する巨人先発・戸郷の内角への144キロ直球を振り抜き、右翼席へ白球をたたき込んだ。打球速度172キロ、131メートルの弾丸アーチの勢いに乗り、猛虎打線も目覚めた。続く島田、木浪が安打で続き、無死一、三塁で代打・渡辺諒が左翼線への適時二塁打を放ち、「(佐藤)テルがホームランで勢いをつけてくれました」と声を弾ませた。なおも二、三塁で近本も中前適時打をマークし、「打線がつながっていい流れで回ってきた」と好循環にうなずいた。梅野の二ゴロ併殺の間にも走者が生還し、一気に1点差に迫った。背番号8の一撃が、重たい雰囲気を吹き飛ばした。試合前の時点で打率・175(63打数11安打)、0本塁打、2打点と若虎は苦しんでいた。岡田監督も「まあ一本なあ、ヒットとかよりもやっぱり一発、ホームラン出たらなあ。だいぶ違うと思うで、うーん。どっちかというと、ホームランの方やろな、あいつにしたらな」と心配していた。足の上げ方など、試行錯誤を続けてきた佐藤輝は虎将が復調のきっかけと口にしたアーチをついに描き、トンネルを抜けた。打線は四回までヒットは近本の右前打のみと貧打ぶりが際立っていた。虎将も今季初の「2番・梅野」「3番・中野」に打線を組み替え、攻撃力の活性化を図った。直近3試合連続で2得点以下と点が線にならずに苦しんできた虎は、長距離砲の覚醒で迫力を取り戻し、戸郷を七回途中でマウンドから引きずり下ろした。(新里公章)

◆5番手で八回に登板した阪神・岩貞祐太投手(31)が痛恨の一発を浴びた。先頭の代打・ウォーカーに中前打を浴びると、続く代打・門脇は犠打。さらに、オコエの打球を三塁手・佐藤輝が失策し、1死一、三塁のピンチを背負った。打席には代打・長野。カウント2-1から4球目だった。132キロスライダーを捉えられると、打球は無情にも左中間スタンドへ。点差を再び4点に広げられる無念の一球となった。

◆広島から5年ぶりに古巣復帰した巨人・長野久義外野手(38)が復帰後初アーチを放った。5-4の八回1死一、三塁の好機に代打で出場。カウント2-1から岩貞のスライダーを一閃。左中間席へ1号3ランをたたき込んだ。巨人での本塁打は、2018年10月4日の広島戦(マツダ)以来。帰ってきた背番号7が値千金の一発でリードを広げた。

◆今季初の甲子園で伝統の一戦。かつて聖地を沸かせたスターたちがそろって躍動した。13試合連続で1番打者として出場する巨人・オコエ瑠偉外野手(25)が、プロ8年目で甲子園初安打を記録した。一回先頭。カウント1-1から西勇のスライダーを捉え、中前にはじき返した。楽天から移籍1年目のオコエにとって、これがプロ入り後、聖地での公式戦初安打。その後は、岡本和の左前適時打で二塁から快足を飛ばして先制のホームを踏んだ。三回2死一、二塁でも中前適時打。「やっぱり(甲子園は)言葉にできない、独特な雰囲気がある」。東京・関東一高3年夏に4強進出した思い出のグラウンドで思う存分、駆け回った。リードオフマンの働きに主砲もバットで応えた。奈良・智弁学園高3年時に春夏連続で甲子園に出場した4番・岡本和は一回2死二塁の好機で先制の左前適時打をマーク。「追い込まれていたので何とか食らいついていった」。三回無死二塁で回ってきた第2打席でも中前適時打を放ち、3試合連続の複数安打を記録。ここまで4打点にとどまっていた主将が、2打席連続の適時打で先発・戸郷を援護した。打線は、三回までに9安打を放ち5得点を挙げ、西勇をノックアウトした。高校時代、甲子園で輝きを放った2人が今季初の聖地凱旋(がいせん)で存在感を示した。(樋口航)

◆阪神は巨人に敗戦。先発した西勇輝投手(32)が誤算だった。一回に岡本和に先制打を許すと、三回は一挙4失点を喫するなど、3回9安打5失点。先発の役目を果たせなかった。打線は五回に佐藤輝明内野手(24)が、今季1号ソロを放つなど5連打で4得点し、一時1点差にまで詰め寄る。しかし八回、5番手の岩貞が代打・長野に3ランを浴び、再び4点差。打線は梅野を2番、中野を3番に置くなど大幅に組み換えたが、5番・ノイジーが2度の併殺打に終わるなど機能しなかった。阪神は連敗で貯金は1となった。

◆巨人が3連勝。岡本和の2打席連続適時打などで三回までに5点を奪い、八回に代打長野の1号3ランで加点した。戸郷が七回途中6安打4失点で3勝目。阪神は西勇が3回5失点で2敗目。打線が五回に4点を返したが、及ばず。

◆打線を大幅に変更した阪神が2連敗。今季初の「6番」に入った佐藤輝明内野手(24)が5点を追う五回、75打席目にして今季初本塁打。さらに2点を追加したが無死一、三塁で2020年9月11日の広島戦(甲子園)以来の「2番」を務めた梅野隆太郎捕手(31)が二ゴロ併殺に倒れ、反撃は4点止まり。七回の好機でも空振り三振に倒れ、打率は・094。昨年5月8日の中日戦(バンテリンD)以来の「3番」に入った中野拓夢内野手(26)は無安打。「5番」のシェルドン・ノイジー外野手(28)は2併殺で14打席連続無安打。西勇輝投手(32)は3回5失点。首位DeNAと2差となった岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=10勝9敗1分、観衆=4万295人)。ーー佐藤輝の本塁打で流れが来たが「おーう。流れが来たけどなあ」ーー五回は打線がつながった「1点差やったら後半チャンスあったと思うけどなあ。やっぱりホームランが痛いわ(八回の巨人・長野の代打3ラン)。犠牲フライだと思っていたけど」ーー佐藤輝は復調のきっかけに「きっかけになるやろうなあ。昨日、室内からよかった。おーん。昨日(ホームランが)出るう、言うてたけどな」ーー2番・梅野の意図「意図って、お前。2番で打たそうと思ったんやんか」ーー本来のコンパクトな打撃を出させる狙いも「ちょっと強引に行くからな。近本やから(塁に出て)右に打つとか、バントとかもできるかと思ったけど、そういう機会はなかったけどな。(七回)左で来たからのう、ちょうどあそこがポイントやったけどな」ーー梅野にチャンスが来る「それは何番打たせても一緒やって。みんなそうやんか。打順下げてもチャンスは回ってくるし。調子が悪い者に」ーー調子が悪い選手の打順を上げた「その間に入れたんやけどな。あそこはな、絶対な、9番からでも左ピッチャー来るからな、間に入れといたらな、ちょうど当たるやろと思たらホンマになあ、ちょうどエエ、タイミングやったけどなあ。大江の時に」ーー及川のピッチングで流れができた(2番手で四回から登板し、2回4三振無失点)「流れ変えるよなあ、ああいうのは。西が打たれ過ぎよなあ、最初から。うーん、だからあんだけヒット打たれへんけどのお、うーん。ーー西勇が立て直せないのも珍しい「初回なあ、1点で逃れたからなあ、それですっと行くと思たけどなあ」ーー気にしていたノイジーが...「そうやねん、ノイジーがなあ、今やったらノイジーの方が一番悪いかもわからんなあ。2戦目(22日の中日戦)からやなあ。ストライクのね。あれから内容悪いよな」ーー打順も考えながら「まあ、そんなにコロコロ、コロコロ変えないからな、俺は。ノイジーも、何番打とうが、自分のいい時の感覚を戻さなアカンよ。何番やからエエとか、アカンとかじゃなしにな。バッターって何番打とうが、その選手の攻めをしてくるわけやからな、相手のチームは。だから、楽な打順なんかないわけやんか。クリーンアップ打ってるヤツが、7番になったら楽っていうことはないわけやから。個人個人の調子を上げなアカンゆうことやからの」

◆巨人・戸郷翔征投手(23)が七回途中6安打4失点で3勝目(1敗)を手にした。五回に先頭・佐藤輝の本塁打から5連打で4失点したが、野手の援護と自らの適時打などで白星をつかみ、「今日の勝ちは野手の方に感謝したい」と語った。原監督は「うちのエースですので。リズムよく、テンポよく。そこが打線にも影響があったかもしれませんね」とねぎらった。

◆巨人が今季2度目の3連勝。原辰徳監督(64)は、1点リードに肉薄された八回に代打で1号3ランを放った長野久義外野手(38)に賛辞の言葉を並べた。長野を2010年のプロ入り時から監督として見てきた指揮官は「本当にいい当たりだったね。そうそう彼の本塁打を何年間も見ていないので」と笑顔。長野が巨人で本塁打を放つのは、広島に移籍する前の2018年10月以来だった。指揮官は続けて「そういう意味では『まだまだ若いぜ! まだまだ力はあるぜ!』というところでしたね。やっぱりうちの切り札ですから、非常によかった」とご機嫌だった。

◆八回に5番手で登板した岩貞は、代打・長野に今季初被弾となる3ランを浴びた。先頭の代打・ウォーカーにフォークを拾われ中前打を許し、佐藤輝の失策で招いた1死一、三塁でスライダーを左翼席に運ばれた。初登板から4試合連続で無失点だったが、それもストップ。「次回抑えられるように頑張っていきます」とリベンジを誓った。

◆「7番・右翼」で出場した島田は三回の失点につながった守備を反省した。1死一塁で大城のライナー性の当たりに対してグラブを弾かれ後逸。打球が転々とする間に一走の生還を許した。「打球が思っていたよりもラインドライブで下に落ちた。(体で)止めることができず西さんに申し訳ないことをした」と唇をかんだ。

◆2番手・及川が好救援で反撃への流れを作った。「低めにも集められて変化球でもカウントを取れていた。気負うことなくしっかり投げられた」。四回に登板すると、2奪三振を含む三者凡退。五回は1死で右前打を許しながらもしっかりと後続を断ち、その裏に打線が4得点を挙げた。「ストライク先行で流れよく投げられた。それが攻撃につながってくれたのかな」とうなずいた。

◆中野は昨年5月8日の中日戦(バンテリンドーム)以来の3番起用だったが、4打数無安打と沈黙。4-5の七回2死一、二塁は一、二塁間への打球を中田のダイビングキャッチに阻まれ、得点できず。「自分のなかでランナーがいない状況で二塁打を狙いにいったところはあった。あとは(意識を)変えたつもりはない」。チャンスメークと得点源を両立し、次戦はやり返す。

◆背番号7の輝きが戻ってきた。巨人は26日、阪神4回戦(甲子園)に8-4で勝ち、今季2度目の3連勝を飾った。広島から5年ぶりに古巣復帰した長野久義外野手(38)が、5-4の八回に代打で1号3ランを放った。〝気配り男〟としても知られるチームきっての人格者が、今季初の敵地での伝統の一戦で〝切り札〟の役目を全うした。快音を残した打球は、甲子園の夜空にきれいな放物線を描いた。大観衆の歓声とため息が交錯する中、巨人に復帰後、初本塁打の長野は軽い足取りでダイヤモンドを一周した。「甲子園で(本塁打が)出たことが一番うれしい。いい場面で使ってもらったので何とかできてよかった」5点リードから1点差に迫られて迎えた八回1死一、三塁、カウント2-1から岩貞のスライダーを左中間席へ運んだ。2019年にFAで加入した丸の人的補償で広島へ移籍した長野にとって、巨人での一発は18年10月4日の広島戦(マツダ)以来1665日ぶり。ベンチ前で仲間とハイタッチしたベテランは、最後は犠打でつないだD4位・門脇(創価大)の頭をそっとなで、ルーキーをたたえる〝らしさ〟を見せた。昨オフ、無償トレードで巨人に復帰した38歳。帰ってきたのは、グラウンドでの勝負強さだけではない。長崎でDeNA戦が行われた今月18日。チームはナイター後、翌日の佐賀での試合に備え、バス3台で2時間をかけて移動した。車内にはピザが5枚ずつほど用意されていた。タフな日程を戦うナインや裏方のスタッフのために、長野がさりげなく注文して差し入れたものだった。5年前までも、地方遠征でのバス移動の際には毎回のように、長野による軽食の差し入れが届いていた。ピザを食べたスタッフは「今回も長野さんかなと思ったら、やっぱりそうだった」と感謝した。どんなときも周囲に気を配る姿も、チームに戻ってきた。長野の活躍で3連勝し、原監督は「『まだまだ若いぜ! まだまだ力はあるぜ!』というところでしたね。うちの切り札ですから」と賛辞を惜しまなかった。ヒーローインタビューで「本当にいいところで使ってもらっているんですけど、できればプレッシャーのかからないところで行きたい」と笑った長野。ファンに愛され、周囲に慕われる背番号7が、価値ある1勝をもたらした。(樋口航)

◆お待たせ!! 阪神は巨人に4-8で敗れた。今季初となった甲子園での伝統の一戦で悔しい黒星も、「6番・三塁」で出場した佐藤輝明内野手(24)が五回にソロ本塁打を放ち、今季20試合75打席目で待望の一発。ようやく飛び出した1号をきっかけに勢いに乗り、勝利に導くアーチを描いていく。待ちに待った瞬間に甲子園が揺れる。右翼席に着弾した白球を見つめ、佐藤輝は大歓声に応えた。敗戦の中、夜空にきらめいた弾道が一筋の光-。手に残る確かな感触を噛み締めるように、復活の兆しを見せた虎の大砲はゆっくりとダイヤモンドを一周した。「久々に打ったので...よかったです。(気持ちも)変わってくると思います」0-5の大差で迎えた五回。戸郷の144キロ直球を完璧に捉えた。巨人のエースから放った通算3発目の本塁打は反撃の合図となる今季1号ソロ。4万295人の大観衆が割れんばかりの拍手と声援を送る。甲子園の空気が完全に変わった。「ここまで時間がかかってしまった。まあ、でも変わらずにしっかり頑張りたいと思います」今季初めて5番から6番に打順を下げ、開幕から20試合目、75打席目にして、やっと出た初アーチだった。シーズン始めから不振に悩み、試合前の時点で打率・175(63打数11安打)、0本塁打、2打点。試行錯誤を繰り返しながらも、結果がついてこない。苦しみ、もがき続ける日々。それでも、佐藤輝には〝帰る場所〟があった。「たまに家(実家)に帰っていますよ。リラックスできます。おいしいご飯が食べられるので」甲子園からほど近く、西宮市内にある実家は沈んだ気持ちを立て直せる〝ホーム〟。そして、25日は家長である父・博信さんの56歳の誕生日だった。「『おめでとう』『ありがとう』くらいですけど連絡だけしました」。1日遅れにはなったが、感謝の思いを込めた祝砲を父に届けた。不振脱却の兆しを代名詞のホームランで印象付けた息子に博信さんも「3年連続で誕生日プレゼントいただきました!」と声を弾ませる。続けて「この後の打席が大事です」。まだまだ、これから。どんなときでも味方でいてくれる父から送られたエールだった。佐藤輝の復活弾もむなしく、甲子園では今季初の伝統の一戦は悔しい敗戦で貯金は1。首位・DeNAとは2ゲーム差に広がった。ただ、岡田監督は「きっかけになるやろうなあ。きのう(25日)のなあ、室内(での練習)からよかった。おーん」と目を細めた。待望の一発から始まった5連打、4得点の猛攻は、敗戦の中で輝いた光だ。やはり、輝が打てば虎は勢いに乗る。「(調子は)徐々によくなっていると思うので。(27日は)勝ちたいと思います」暗闇の出口はもうすぐそこ。次こそは、勝利のアーチを架け、まばゆい光と大歓声を背にお立ち台へ-。完全復活した姿とともに、ファンに、父に、感謝の思いを届けてみせる。(原田遼太郎)

◆25日の巨人戦が雨天中止となった影響でスライド登板した西勇は、今季最短の3回9安打5失点で2敗目を喫した。「不運(な当たり)だとかそんな言い訳できない」。三回、投手・戸郷に中前にはじき返されるなど計4本のタイムリーを許した。投球内容には反省しながらも「次の試合も切り替えてやるべきかなと思う。前を向くしかない」と次を見据えた。

◆渡辺諒は五回一、三塁で代打起用され、戸郷のスライダーをとらえて左翼線への適時二塁打を放った。「ファーストストライクをしっかり振っていこうと打ちにいけたのはよかったと思います」。21日の中日戦(バンテリンドーム)では代打で出たが甘い球を見逃し、結果的に三ゴロに倒れた悔しい経験を生かした。主に代打での途中出場となっているが「1打席しかないなかで結果を出すしかない」と誓った。

◆4-5の七回、1死一、二塁。不振で7番から2番に起用された梅野はカウント2-2からの5球目。巨人の左腕、大江の外角低めのチェンジアップにバットが空を切った。見逃せばボール。岡田監督はベンチで渋い表情を浮かべた。「何番打たせてもいっしょやって。みんなそうやんか。打順下げてもチャンスは回ってくるし。調子が悪いものに。ちょうど左(投手)で来たからのう。あそこが、ちょっと(きょうの)ポイントやったけどな」今季初めて3番に入った中野も一ゴロに倒れて得点できず。直後の八回に岩貞が、代打・長野に3ランを被弾。甲子園のスタンドはため息に包まれた。指揮官は、試合前の時点で打率・102と不振にあえぐ梅野の2番起用について「ちょっと強引に行くからな。(1番は)近本やから(塁に出て)右に打つとか、バントとかもできるかと思ったけどな」と説明。梅野にとっては3年ぶりとなる2番。打撃の調子を取り戻させるための苦肉の策だったが...。

◆願わくば、単なる1敗であってくれと祈るのみなのだ...。貧打線に岡田さんは業を煮やしたのだろうか? 打順を動かしてきた。スタメンを聞いたとき俺は自分の耳を疑ったのだ! えーっ! まだ20試合目やんか!? 動かん方がええやろー! しかも、『2番・梅野』って??? いや梅野の打撃が好調ならその選択もありかもしれないけど...。ホラ、ヤクルト打線が湿っているときにキャッチャーの中村を2番に起用して、そこからチームに勢いがついて終わってみれば優勝なんての野球ファンは覚えてません? ただし、あくまで梅野の調子が良ければの話で今季梅野は絶不調なのだ。あ~、それなのに何で? 何で? 勝負事の恐ろしさは思い切った賭けに出たときは何があっても勝たないと地獄が口を大きく開けて待っているのだ!! そして、本日その梅野がチャンスで併殺打に、クソボールを振って三振...。ウソやろ~。で、梅野を責める? 否!! じゃ、起用した岡田さん? 否!! 俺が責めるのは、こーしてしまったふがいない中心打者や~!!

◆サトテルが、三ゴロを大きくはじいて、直後に長野にドカンと致命的な3ラン。絵にかいたような負け試合だった。ミスからの敗戦。テレビ中継の放送席で解説していた矢野前監督がさい配を振るっていた時代なら、「やっぱり」だけれど、ことしは、痛恨のミスはあまりなかった。だから、許そう。ミスを見かけなくなったという時点で、タイガースは生まれ変わっている。「E」マークを、どんどん、見慣れない光景にしていこう。見慣れないといえば、試合前のことだった。あぁ、これが噂の「スイッチ」&「SDGs」か...。伝統の阪神-巨人戦の試合前。巨人ナインがグラウンドに登場。編集局の窓際が定位置だから、初めて目撃した黒ずくめの姿に仰天した。わが社の巨人担当が以前に記事にしていたので、頭の片隅には残っていたが、それでも〝ホンモノ〟を見ると、やっぱりビックリだ。記者席にいた巨人担当キャップ・谷川直之が教えてくれた。「巨人が持続可能な開発目標『SDGs』を導入したんですよ。試合前の練習もユニホームではなく、専用の練習用トレーニングウエアで行ってます。洗濯回数を減らすことで二酸化炭素の排出量削減につなげるそうです」さらに付け加えて...「原監督がキーワードに掲げたのが『スイッチ』。練習のスタイルと、試合が始まってのユニホーム姿もスイッチなんです」まあ、伝統ある巨人が率先して新しいことに取り組めば、他球団も追随しやすい?とはいっても、黒衣の集団は仮面ライダーのショッカーの戦闘員に見えなくもない。

◆巨人の数年来の懸案事項が、ようやくクリアされそうだ。それは、打線の「けん引車」。1番・オコエだよ。一回は先頭で中前打を放ち、先制パンチにつなげた。三回2死一、二塁でも中前打。最終的に決勝点となる5点目を叩き出した。チャンスメークもできて、チャンスが巡ってくればモノにする。まさに打線を活気づける存在だね。一見すると、ブリブリ勢いで振っているように映るけど、軸足の右足には体重が残っている。そこから、外角球をきっちりセンター返し。今の成績は決してフロックではない。本物に近づいているよ。こういうタイプが、巨人にはずっといなかった。現役ドラフトで加入しただけに、なおさら存在は大きい。オコエにけん引されて、他の打者の目もさめるだろう。ひょっとして、長野の代打3ランを引っ張り出したのもオコエだったのかな。そうこうしているうちに、岡本和が本塁打を量産し始めれば文句なし。巨人に明るい兆しをみたね。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆打線改造が機能せず、ここ一番で痛恨失策。ローテの軸も大乱調...。いろいろあった伝統の一戦に、言いたいことは山ほどある。トラ番として、ふがいないタテジマを嫌というほどみてきた上田雅昭記者が、誰よりもタイガースを愛する阪神OB・上田二朗氏(75)=本紙専属評論家=に鋭く(?)迫った。上田雅昭記者(以下、上田) 四回までは、今季ワーストの試合だと嘆いていたら、五回にサトテルの一発から猛反撃。絶対逆転できると信じてみていたんですが。上田二朗氏(以下、二朗) 待ちに待った一発だったからね。でも、六回以降を見てみろ。一本もヒットを打てていない。勢いがあれば一気に逆転したはず。反撃があの1度ということは、チーム力はホンモノではない証拠だな。上田 追いつけない中で八回に岩貞が長野に痛恨の一発を浴びてしまいました。二朗 岩貞の投球自体は悪くなかった。痛いのは佐藤輝の失策。痛すぎる。1点も許されない状況で、リリーフがヒット、バントで1死二塁のピンチを招いた。どんなことをしてもアウトを一つずつ積み重ねなければいけない。そこで飛び出した雑にみえるプレー。どうしても投手目線になるが岩貞がかわいそうだ。あの失策がなければ本塁打も絶対に出ていない。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
DeNA
1270 0.632
(↑0.021)
-
(-)
12464
(+5)
55
(+2)
14
(+1)
5
(-)
0.251
(↑0.004)
2.720
(↑0.1)
2
(-)
阪神
1091 0.526
(↓0.03)
2
(↓1)
12358
(+4)
63
(+8)
7
(+1)
12
(-)
0.224
(↓0.001)
2.930
(↓0.21)
3
(-)
ヤクルト
10101 0.500
(↓0.026)
2.5
(↓1)
12253
(+2)
53
(+5)
11
(-)
19
(+1)
0.193
(↑0.004)
2.410
(↓0.14)
3
(-)
広島
10100 0.500
(↓0.026)
2.5
(↓1)
12360
(+3)
59
(+6)
15
(+1)
6
(+2)
0.224
(↓0.002)
2.710
(↓0.08)
5
(-)
巨人
9120 0.429
(↑0.029)
4
(-)
12270
(+8)
68
(+4)
19
(+1)
1
(-)
0.241
(↑0.006
3.020
(↓0.05)
6
(-)
中日
8110 0.421
(↑0.032)
4
(-)
12450
(+6)
57
(+3)
4
(-)
5
(-)
0.245
(-)
2.690
(↓0.02)