中日(★0対2☆)阪神 =リーグ戦2回戦(2023.04.22)・バンテリンドーム=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0000020002600
中日
0000000000210
勝利投手:村上 頌樹(1勝0敗0S)
敗戦投手:髙橋 宏斗(1勝2敗0S)
  DAZN
チケットぴあ 中日戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆阪神は両軍無得点で迎えた6回表、近本の適時三塁打と中野の犠飛で2点を先制する。投げては、先発・村上が9回無失点10奪三振の快投。うれしいプロ初勝利を完封で飾った。敗れた中日は、先発・高橋宏が好投を見せるも、打線がわずか2安打と振るわなかった。

◆阪神先発の村上頌樹投手(24)が「10イニング連続パーフェクト」に到達した。前回12日の巨人戦(東京ドーム)で7回完全投球。中9日のマウンドでも立ち上がりから全開だ。初回は大島、岡林、アルモンテを3者連続三振に仕留める好発進。2回は石川昂、福永、細川を3者凡退に仕留めた。3回は8番龍空を空振り三振に仕留めるなど、3人で片付けた。3回まで毎回の5奪三振と中日打線を寄せ付けていない。今季初登板となった1日DeNA戦(京セラドーム大阪)から数えると、連続打者アウトは33人に到達。"村上無双"はどこまで続くか。

◆阪神村上頌樹投手(24)の「パーフェクト」が途切れた。5回1死、5番福永に137キロをはじき返され、中前打を許した。前回12日の巨人戦(東京ドーム)で7回パーフェクト。この日も5回1死までは完全投球を続けていたが、ついに走者を許した。完璧な立ち上がりで「完全継続」を予感させた。初回は大島、岡林、アルモンテを3者連続三振に仕留める好発進。2回は石川昂、福永、細川を3者凡退に仕留めた。3回は8番龍空を空振り三振に仕留めるなど、3人で片付けた。3回まで毎回の5奪三振と中日打線を寄せ付けていない。4回も大島から始まる上位打線を3者凡退に抑えていた。今季初登板となった1日DeNA戦(京セラドーム大阪)から数えると、連続打者アウトは37人でストップ。ただ、その後は細川、加藤匠を打ち取り、5回まで無失点投球を続けている。

◆"同郷コンビ"で先制だ。阪神近本光司外野手(28)が待望の先制打で先発の村上頌樹投手(24)を援護した。両軍無得点の6回。村上自ら相手先発高橋宏から左前安打を放ち出塁。続く近本が右中間への三塁打で一気に先制。その後近本も犠飛で生還し、2点リードとした。同じ兵庫・淡路島の出身の2人。近本は村上が前回登板した12日巨人戦でも延長10回に決勝打。7回まで完全投球を披露したものの初勝利とはならなかった後輩をねぎらっていた。

◆阪神は先発村上頌樹投手(24)がプロ初完封で初勝利を飾り、チームの連敗を2で止めた。7回完全投球の前回12日の巨人戦に続き、5回1死までパーフェクト。5回1死、5番福永に137キロをはじき返され、中前打を許しても、安定した投球は変わらなかった。8回にこの日2本目となる安打を許しても、代打アキーノを空振り三振に仕留め切り抜けた。6回には村上が自ら左前打を放ちチャンスメーク。プロ2本目となる快音を響かせた。続く近本光司外野手(28)が右中間へ適時三塁打を放ち、先制&決勝のホームを踏んだ。村上と近本は兵庫・淡路島出身の同郷。「淡路島コンビ」で勝利をたぐり寄せた。さらに中野拓夢内野手(26)の犠飛で2点目を呼び込んだ。ナゴヤドーム時代も含めて、バンテリンドームでの通算勝率は、今試合前時点で3割5分9厘。これはセ・リーグ本拠地別ではワーストで、次いで悪い東京ドームの4割9厘を大きく下回っていた。「鬼門」名古屋で第2次岡田政権初の勝利を挙げた。

◆「7回完全」の勢いそのままに、阪神村上頌樹投手(24)がプロ初勝利を完封で飾った。7回パーフェクトで降板した前回12日巨人戦(東京ドーム)から中9日。初回から全開だった。3回まで毎回奪三振。5回1死まで完全投球で、またも偉業への期待を抱かせる快投だった。5回1死、5番福永に137キロをはじき返され、中前打を許しても、安定した投球は変わらない。うれしいプロ3年目の初勝利だ。栄光も挫折も味わってきた。奈良・智弁学園3年時のセンバツでは5戦全て完投し、決勝ではサヨナラ二塁打で初の全国制覇へ導いた。東洋大では1年春からリーグ戦に登板。3年春には6勝無敗で投手3冠、ベストナインを獲得し春季リーグ4連覇に貢献。アマ時代は輝かしい実績とともに歩んできた。プロの壁にぶつかった。1年目の21年5月30日西武戦で1軍初登板初先発も、2回1/3で5失点KO。同年8月28日の広島戦も先発で3回5失点だった。ウエスタン・リーグでは最多勝(10勝)、最優秀防御率(2・23)、勝率1位(9割9厘)の「3冠」に輝き、先発のタイトルを総なめしたが、1軍では歯が立たない。2年目の昨季も2軍では最優秀防御率(3・09)、勝率1位(7割)で2冠。ただ、1軍での登板はなかった。今オフは青柳晃洋投手(29)の自主トレに参加し「フォームがバチッとかみ合った」と、手応えを得た。その結果、平均球速も2、3キロ程度アップ。ホップするように「真っスラ」の軌道を描く独特の球質を持つ直球が大きな武器になった。兵庫・淡路島の同郷近本光司外野手(28)も「村上が直球でこれだけ押しているところを見たことがない」と、周囲も驚くレベルアップ。この日も堂々と投げ込み、中日打線を寄せ付けなかった。佐藤輝、伊藤将、中野の主力に加え、今季売り出し中の石井とは同期入団。黄金の20年ドラフトから、また1人頼もしい右腕が現れた。

◆3年目の阪神村上頌樹投手(24)が9回2安打無失点、10奪三振の完封でプロ初勝利を挙げた。前回登板の12日の巨人戦(東京ドーム)で7回パーフェクト。この日も4回まで完全と、前回と合わせると試合またぎで11回を完全投球した。5回1死で中日福永にこの日の初安打となる中前打を許したが、打たれたのは2安打のみで竜打線を寄せつけなかった。ヒーロー村上の一問一答は以下の通り。【村上】-大きな拍手受けて「最高です!」-プロ初勝利を成し遂げた「本当になかなか勝利できなくて、1軍にも登板少なかったですけど、やっと(勝つことが)できてうれしいです」-初完封で無死球と素晴らしい投球「無駄なランナーを出さずにいけたことがそこにつながったのかなと思います」-前回の7回完全をしてからの今日の投球「1人1人しっかり抑えていくというイメージで攻める投球をしたいと思っていたので、それができて良かったです」-完全がチラつく中での投球だったが「そこは意識せずに本当に1人1人を抑えるイメージでやっていました」-自分のヒットで先制点の突破口「そうですね、あれが一番うれしいです(笑い)」-同じ淡路島出身の近本が返した「あの人は勝手に打つので、しっかり帰れて良かったです」-激走していた「いっぱい助けてもらうので、これからもいっぱい打ってもらいます」-リード後のマウンドは「1点取られても大丈夫と言うイメージでずっと投げていました」-プロ3年目での初勝利「去年は悔しかったので、ここでこういう勝利ができて良かったと思います」-ファンに一言「これからも応援よろしくお願いします!」

◆「7回完全」の勢いそのままに、阪神村上頌樹投手(24)がプロ初勝利を完封で飾った。7回パーフェクトで降板した前回12日巨人戦(東京ドーム)から中9日。初回から全開だった。3回まで毎回奪三振。5回1死まで完全投球で、またも偉業への期待を抱かせる快投だった。佐藤輝、伊藤将、中野の主力、さらには今季ブレーク中の石井ら「黄金の20年ドラフト」から、また1人頼もしい右腕が現れた。

◆阪神岡田彰布監督(65)が完封でプロ初勝利を挙げた村上頌樹投手(24)を絶賛した。制球力のよさを勝因に挙げ「あとはええやろ。村上に聞いたって」と、試合後の会見はわずか2分ほどで終了した。一問一答は以下の通り。-先発の村上が今回もすごい投球をした「うん、なあ。もう村上に聞いたってくれ、もう俺はええわ。なあ、すごいなあ」-やっぱりコントロールですね「そうやろ。2試合無四球やろ。大竹も2試合無四球やんか。なあ。そういうことやんか。155キロとか、出ても甘かったらはじき返されるということやな」-8回に村上に打席回ったところで迷いはなかったか「いやいや、もう、今日は最後までなあ。ちょうど100球でいくんちゃうか、といっとったけどなあ」-途中までパーフェクトだったが「おーう。ちょっと心配した。ちょっとホッとした。1本打たれた時にちょっとホッとしたわ。これで、いつでも代えれると思ったら...。(でも)これ、もう行ってしまうと思うたけどな」-オープン戦からアピールしていたが、この2試合は監督の想像以上か「いやいや、そら想像以上よ。誰もが想像以上やろ。なあ」-打撃もいい「なあ。いや、バッティングはあかんって平田(ヘッドコーチ)が言うとったよ。2軍でDHばっかりで、それでバントも下手やなと思ったら、(前回登板の)東京ドームでも失敗したからな」-捕手坂本も好リード「坂本はなあ、ほんと、大竹の時もそうやけどなあ、おーん。やっぱコントロールがいいから要求通りに投げれるからやろうな。坂本もそらリードしやすいというか、自分の打ち取り方というかな、そういうのが、やっぱコントロールいいから思うとおりに打ち取れるから余計に乗ってくるよな、キャッチャーが」-プロ初勝利だが、チームを活気づかせる刺激になる「そら刺激になるよ、なあ。ほとんど1軍で投げてないようなピッチャーやからな。あとはええやろ、村上に聞いたって」-鬼門のバンテリンで勝てた「オレはあまり関係あらへん(笑い)」

◆阪神村上頌樹投手(24)がプロ初勝利を挙げた。9回2安打完封。7回完全投球で降板した12日巨人戦の勢いそのまま、5回1死までパーフェクトを継続させた。今試合前までプロ0勝だった右腕はなぜ打たれないのか。バッテリーを組んだ坂本誠志郎捕手(29)は「コントロール」「緩急」「直球の強さ」の3つを要因に挙げた。村上は身長175センチ。剛球よりも、アマ時代からコントロールとキレを武器に勝負してきたタイプだ。「コントロールも、いいところに投げているし、真っすぐも強さがある。だからファウルを取れて変化球でゴロで打たせられる」と坂本。「変化球で空振りを取ったり変化球を意識させて押し込めるとか、強弱が効いている」とも言った。この日は100キロ台前半のスローカーブもはさんだ。青柳との自主トレを経て威力が増した140キロ台中盤の直球がより生きる配球だ。それらを自在に操るコントロールも抜群。無四球で、2時間22分で試合を終わらせた。村上とともに仕事を終えた坂本は「ある程度、思ったところに投げられて、緩急をつけて投げられたのが良かったんじゃないのかなと思います。あとは頌樹(村上)に聞いてください」と言い、球場を後にした。

◆村上に白星を届けたのは同郷の先輩だった。阪神近本光司外野手(28)が決勝打となる先制三塁打を放ち、兵庫・淡路島の後輩でもある先発村上のプロ1勝目につなげた。村上と中日高橋宏の投げ合いが続き、スコアボードに淡々と「0」が並ぶ。流れを変えたのは虎が誇るリードオフマンだった。0-0の6回。9番村上が自ら左前打で出塁した直後の無死一塁、高め151キロ直球を捉え、右中間最深部を割った。「(直球を)張っているとかはなかった。どういう風に打つか、しか思っていなかった。それが高めでコースが厳しくなかったので、あそこに飛んで行った感じですね」今季5つ目となる三塁打で一塁走者村上を一気に生還させ、「淡路島コンビ」での先制劇を完成。さらに「ただ行くしかないと思っていた」と中野の浅い左犠飛で自身もホームに生還し、リードを2点に広げた。例年、オフは淡路島で自主トレを行う。20年ドラフト入団の村上も同年12月に初参加し、昨年12月にも2年ぶりに参加。プロ入り決定時から目をかけてきた後輩だった。村上が7回完全投球を披露した前回12日巨人戦では、先輩は延長10回に決勝打を記録。今度はしっかりプロ初星をプレゼントしてみせた。頼れる先輩のサポートに、村上は「あの人は勝手に打つので。しっかりかえれて良かったです」とニッコリ。自身の激走には「(近本から)『足遅い』って言われました。あの人が速すぎます」と照れ笑いだ。チームとしても連敗を「2」で止める貴重な勝利。同郷コンビが投打で流れを変えた。【波部俊之介】近本が早くも今季5本目の三塁打。5本はすべて4月に打っており、セ・リーグで月間5本以上の三塁打は60年5月長嶋(巨人)6本、65年8月中(中日)5本、92年5月久慈(阪神)に次いで4人目。近本がセ・リーグ記録の長嶋へあと1本に迫った。○...佐藤輝が11打席ぶりに安打を放った。2回1死の第1打席で中日高橋宏の初球156キロをはじき返し、左中間二塁打を放った。「しっかり真っすぐに合わせて1球で打てたのは良かった」。完封でプロ初勝利を挙げた村上とは20年ドラフト入団の同期。三塁から見守った背番号41のプレーに「安定した投球ですごいなと思いました」と笑顔で祝福した。○...中野が犠飛で貴重な追加点を奪った。6回、近本が先制の適時三塁打を放った直後の無死三塁。2ボール2ストライクからWBCで同僚だった中日高橋宏の直球を左翼に打ち上げ、欲しかった追加点を奪った。8回1死二塁の第4打席は田島から四球を選択。打率3割6厘の2番打者は同期村上の快投に「守備からリズムをつくりやすい投球で本当にナイスピッチングでした」と口にした。

◆完全からの完封! 阪神村上頌樹投手(24)が史上初の快挙でプロ初勝利を挙げ、チームの連敗を2で止めた。 9回10奪三振2安打無四球で中日打線を完封。前回12日巨人戦で7回を完全投球した勢いそのまま、5回1死まで1人も走者を許さなかった。無四死球&2桁奪三振での完封初勝利はプロ野球史上初の快挙。岡田阪神にまた1人、頼もしい若虎が現れた。プロ3年目の阪神村上が、通算5試合目の登板でプロ初勝利を挙げた。完封で初勝利を挙げたのは19年の楽天弓削(新人)以来だが、阪神では85年の仲田幸司以来38年ぶり。仲田は当時、高卒2年目で、2度の中継ぎ登板を経て、5月5日の中日戦(甲子園)で初先発。5回4失点で負け投手になったが、同12日のヤクルト戦(神宮)で再び先発。3安打8奪三振の快投で2点のリードを守り切り、プロ4戦目にして初勝利初完封。同年の仲田は25試合に登板し3勝4敗、防御率4・38の成績を残した。また、2桁奪三振の完封でプロ初勝利となると、14年5月7日浜田(中日)以来で、阪神では36年4月29日金鯱戦でプロ初登板の藤村富が11三振を奪って1安打完封して以来2人目だ。この日の村上は与四死球が0。「無四死球&2桁奪三振の完封」でプロ初勝利はプロ野球史上初の快挙だった。

◆完全からの完封! 阪神村上頌樹投手(24)が史上初の快挙でプロ初勝利を挙げ、チームの連敗を2で止めた。9回10奪三振2安打無四球で中日打線を完封。前回12日巨人戦で7回を完全投球した勢いそのまま、5回1死まで1人も走者を許さなかった。無四死球&2桁奪三振での完封初勝利はプロ野球史上初の快挙。岡田阪神にまた1人、頼もしい若虎が現れた。村上は岡田監督の隣で、少しまぶしそうに笑顔をつくった。大量のフラッシュがヒーローの証しだ。「最高です! 去年は悔しかったので、ここで、こういう勝利ができて良かったと思います!」。昨年1軍登板ゼロの男が勝利球を手に、ヒーローインタビューで喜びをかみしめた。12日巨人戦で7回を完全投球した勢いは止まらなかった。この日も5回1死、福永に中前打を浴びるまでパーフェクト。「必死なので1人1人。その結果、ただただアウトになって良かったという感じです」と記録を意識する暇はなかった。時に吹き上がるように「真っスラ」する直球を武器に、試合をまたいで11イニング連続の完全投球を継続させた。岡田監督は試合後、「1本打たれた時にちょっとホッとしたわ。これで、いつでも代えられると思ったら...。これ、もう行ってしまうと思うたけどな」と苦笑いした。百戦錬磨の指揮官さえも「完全試合」を予感した快投。8回無死一塁も3者連続三振で切り抜け、二塁すら踏ませなかった。智弁学園ではエースとしてセンバツを制し、東洋大では1年からリーグ戦で投げ続けた。栄光を知る男にも陰はある。昨年末、兵庫・淡路島で同郷の先輩近本とスポーツ教室を開催して、現実を知った。虎のスター選手と比べて、もらえる拍手が圧倒的に少ない。「村上選手、知ってる人ー?」。100人超はいるはずなのに、目にした挙手は数えられるほどだった。決して悪意のない子どもたちの視線が痛かった。「そりゃあ、今の成績なら誰も僕のこと知らないと思うので...。でも、絶対に近本さんにも負けたくないんです」この日は6回、プロ通算2安打目となる左前打で出塁。「あれが一番うれしい」と照れ笑いした一打で、1番近本の適時三塁打を呼び込み、先制のホームまで踏んだ。反骨心を原動力に投打で輝いての1勝だ。「慢心せず、またバッターに向かっていく気持ちでやっていきたいと思います」勝利球は淡路島に住む両親へ渡す予定。「村上頌樹」を故郷に、いや、日本の野球ファンに知らしめる105球だった。【中野椋】村上頌樹(むらかみ・しょうき)1998年(平10)6月25日生まれ、兵庫県出身。智弁学園では岡本和(現巨人)の2学年下。3年春の甲子園では高松商との決勝で延長11回、自らサヨナラ打を放って優勝。東洋大を経て、20年ドラフト5位で阪神入団。21年5月30日西武戦で1軍デビュー。昨季は1軍登板がなかった。2軍では21年に最多勝、最優秀防御率、勝率1位の3冠。昨季も最優秀防御率、勝率1位。175センチ、80キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸750万円。○...村上は試合後、勝利球は両親に渡すのか? と問われるとジョークを投げ込んだ。「それがベターだと思うんですけど、ブルペンキャッチャーの片山さんに渡したいと思います。そういう話をしてたので...」。裏方思いの村上らしい、いい話だと報道陣がうなずいていると「冗談ですよ」と球団広報のスタッフ。本当は両親に? と再度問われると「そうです」とニッコリ。マウンドでの真剣な表情とはまた違った、ユーモアあふれる24歳の素顔が垣間見えた。プロ3年目の阪神村上が、通算5試合目の登板でプロ初勝利を挙げた。完封で初勝利を挙げたのは19年の楽天弓削(新人)以来だが、阪神では85年の仲田幸司以来38年ぶり。仲田は当時、高卒2年目で、2度の中継ぎ登板を経て、5月5日の中日戦(甲子園)で初先発。5回4失点で負け投手になったが、同12日のヤクルト戦(神宮)で再び先発。3安打8奪三振の快投で2点のリードを守り切り、プロ4戦目にして初勝利初完封。同年の仲田は25試合に登板し3勝4敗、防御率4・38の成績を残した。村上が10三振を奪って完封勝ち。プロ初勝利を完封で記録したのは19年7月30日弓削(楽天)以来となり、阪神では85年5月12日仲田幸以来、38年ぶり。2桁奪三振の完封でプロ初勝利となると、14年5月7日浜田(中日)以来で、阪神では36年4月29日金鯱戦でプロ初登板の藤村富が11三振を奪って1安打完封して以来2人目だ。この日の村上は与四死球が0。「無四死球&2桁奪三振の完封」でプロ初勝利はプロ野球史上初の快挙だった。阪神は、この日の中日戦で1人も交代なしの"9人野球"だった。6日の広島戦でも交代がなかったが、これは6回途中降雨コールドによるもの。9イニング戦での9人野球は、18年9月29日中日戦(ナゴヤドーム)以来5年ぶり。このときは藤浪(現アスレチックス)が5安打完封。4-0で快勝している。

◆「5番・三塁」で先発出場した阪神・佐藤輝明内野手(24)が二回1死の第1打席に左中間を突き破る二塁打を放った。WBC日本代表だった中日先発・高橋宏の投じた初球、156キロを捉えた。鋭い打球が左中間を弾む間に、悠々と二塁へ到達。両手をパンッとたたいて喜びを表現した。佐藤輝は21日の同戦で3打席連続空振り三振を喫するなど不振に苦しむ。これが19日の広島戦(甲子園)の第3打席で左前打を放って以来、11打席ぶりの安打だった。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が先発し、2試合にわたって〝完全試合を達成〟した。一回はカットボールやツーシームを制球よく投げ込み、大島、岡林、アルモンテを三者連続三振。続く二回も石川昂を二ゴロ、D7位・福永(日本新薬)を中飛、細川は外角への直球を決めて見逃し三振に打ち取り、ゼロを並べた。前回登板した12日の巨人戦(東京ドーム)では7回打者21人をパーフェクトに抑えており、自身初となるバンテリンドームのマウンドでも最初の6人を打ち取り、27人連続アウト。続く三回も加藤匠を二ゴロ、龍空を空振り三振、高橋宏を一ゴロに封じ、序盤3回をノーヒッターで滑り出した。

◆先発した阪神・村上頌樹投手(24)の連続打者アウトが「37」で止まった。一回を三者連続三振に打ち取って滑り出し、五回先頭の石川昂を中飛に抑えるまで無安打投球。続くドラフト7位・福永(日本新薬)に中前打を許して久々に走者を背負った。それでも続く細川を中飛、加藤匠は一邪飛に仕留め、五回まで無失点と安定感を示している。リリーフで今季初登板した1日のDeNA戦(京セラ)では先頭に安打を許したが、後続3人を打ち取って1回無失点。前回登板した12日の巨人戦(東京ドーム)では7回打者21人をパーフェクトに抑えており、福永の一打までは登板3試合にわたって37人連続アウトだった。

◆阪神が先制。先発の村上頌樹投手(24)の左前打を皮切りに近本光司外野手(28)が適時三塁打を放った。五回先頭で打席に立った村上は高橋宏の154キロを左前へ。中日打線を5回1安打無失点に抑える右腕がバットでも光るセンスを見せると、同郷・淡路島の先輩、近本が応えた。高めに浮いた151キロを捉えると、打球は右中間を破る。この打球に一塁から村上が激走。先制のホームを踏んだ。自主トレをともにする淡路島コンビが試合の均衡を破ると、なおも無死三塁で中野が左犠飛を放って追加点。2-0とリードを広げた。

◆阪神・近本光司外野手(28)が0―0の六回無死一塁の第3打席で先制の適時三塁打を放った。「村上も頑張っているので、とにかく先制点を取りたいと思っていました。積極的に打ちにいった結果、いい所に打球が飛んでくれたと思います」同じ淡路島出身の後輩、村上頌樹投手が先発し、六回先頭で自ら口火を切る左前打。燃えないわけがなかった。カウント0-1から2球目、高橋宏の151キロをはじき返し、今季5本目の三塁打だ。続く中野の左犠飛で2点目のホームを踏んだ選手会長。浅いフライながら、俊足で追加点をもぎ取った近本に、中野は「近本さんありがとうございます」と感謝した。

◆先発した中日・高橋宏斗投手(20)は相手投手に許した安打から先制点を献上した。両軍無得点で迎えた六回、先頭の阪神・村上にレフト前へポトリと落とされる安打を許すと、続く近本には右中間への適時三塁打を浴び先制点を与えた。さらに中野の犠飛で2点目を失った。後続は断ったが緊迫の投手戦で痛い失点を喫し、直後の攻撃で代打を送られ交代した。高橋宏はWBC優勝から戻ったあと、今季初登板となった4月6日のヤクルト戦に6回1失点で初勝利をマークした。このあと15日の巨人戦、この日の阪神戦と2試合連続で白星から見放された。

◆阪神が接戦を制した。先発した村上頌樹投手(24)が投打で躍動。7回完全投球した12日の巨人戦(東京ドーム)に続き、圧巻の投球を見せる。この日も四回までパーフェクト。五回1死から福永に中前打を許したが、後続を断ちスコアボードにゼロを並べ続けた。 六回先頭の打席で左前打で出塁すると、同じ淡路島出身の近本の三塁打に一塁から激走。先制のホームを踏んだ。村上は9回2安打無失点、10奪三振の快投。プロ初勝利を完封で飾った。阪神は連敗を2で止め、貯金は再び3となった。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が先発し、2安打無四球でプロ初完封初勝利を手にした。智弁学園高から東洋大を経て2021年ドラフト5位で入団の3年目右腕。前回12日の巨人戦では七回パーフェクトピッチングを演じるも白星はならなかった。中9日。一回を三者連続三振に打ち取って滑り出すと、五回1死まで無安打投球。ドラフト7位・福永(日本新薬)に中前に運ばれて初安打を許したが、後続を断って5つ目のゼロを刻んだ。その後は六、七回が三者凡退。再び福永に中前打を打たれて初めて回の先頭を出塁させた八回も、細川、代打・木下、代打・アキーノから一回以来の三者連続三振斬りで反撃を断ち、九回は三者凡退で試合を締めた。力のある直球に織り交ぜたカットボールやツーシームも制球よく投げ込み、竜打線に二塁すら踏ませなかった。バットでも六回先頭で高橋宏から左翼線に落とす安打をマーク。近本の右中間三塁打の間に先制のホームに滑り込むなど投打にわたる活躍で連敗を「2」で止めた。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が先発し、2安打無四球でプロ初完封初勝利を手にした。歓喜のヒーローインタビューは以下の通り。--拍手を受けて「最高です」--初勝利です「なかなか勝利できなくて1軍でも登板少なかったんですけど、やっとできてうれしいです」--しかも無四球完封「無駄なランナーを出さずにいけたことが完封につながったかなと思います」--前回も7回完全。それを受けてきょうのマウンドは「一人一人しっかり抑えていくというイメージで、攻めのピッチングをしたいと思っていたので、それができてよかったです」--四回までパーフェクト「そこは意識せず、一人一人を抑えるというイメージでやっていました」--自らのヒットで先制のチャンスをつくった「あれが一番うれしいです」--適時打は同じ淡路島出身の近本「あの人は勝手に打つので、しっかりかえれてよかったです(笑)」--しかも激走「いっぱい助けてもらおうと思うので、これからも助けてもらおうと思います」--リードしてからは「1点取られても大丈夫というイメージでずっと投げてました」--3年目でつかんだ勝利「去年とか悔しかったので、ここでこういう勝利ができてよかったと思います」--ファンに「これからも応援よろしくお願いします」

◆阪神・村上頌樹投手(24)がプロ初勝利を完封で飾った。7回完全だった12日の巨人戦(東京D)に続いて、五回一死まで、1日のDeNA戦(甲子園)での中継ぎ登板を含め、37人連続してアウトを奪うなど、105球を投げ、2安打10三振無四球の圧巻の内容だった。打線は六回、左前打の村上を一塁に置いて、近本光司外野手(28)が適時三塁打、中野拓夢内野手(26)が犠飛で続いて2点を挙げた。佐藤輝明内野手(24)は二回の二塁打が11打席ぶりの安打。スタメンから外れた井上広大外野手(21)の出番はなかった。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=10勝7敗1分、観衆=3万4763人)。ーー村上が完璧な投球「もう村上に聞いたってくれ、もう俺はエエわ。すごいなあ」ーーコントロールがいい「そうやろ、2試合無四球やろ。大竹も2試合無四球やんか。なあ、そういうことやんか。155キロとか出ても、甘かったら弾き返されるということやな」ーー八回、打席が回った場面で交代は「今日は最後までな。ちょうど100球で行くんちゃうか、と言ってたけどなあ」ーー途中までパーフェクト「おーう、ちょっと心配した。ちょっとホッとした。1本打たれた時にちょっとホッとしたわ。これで、いつでも代えれると思ったら。これ、もう行ってしまうと思うたけどな」ーーオープン戦からアピールしていたが想像以上か「そら想像以上よ。誰もが想像以上やろ。なあ」ーー打撃もいい「バッティングはアカンって平田(ヘッドコーチ)が言うとったよ。2軍でDHばっかりで、それでバントも下手やなと思ったら、東京ドームでも失敗したからな」ーー坂本も好リード「坂本はホント、大竹の時もそうやけどなあ。コントロールがいいから要求通りに投げれるからやろうな。坂本もそらリードしやすいというか、自分の打ち取り方というかな。コントロールいいから思う通りに打ち取れるから余計に乗ってくるよな、キャッチャーが」ーー村上はチームを活気づかせる「そら刺激になるよ、なあ。(昨季まで)ほとんど1軍で投げてないようなピッチャーやからな。あとはエエやろ、村上に聞いたって」

◆オリックス、阪神で176勝を挙げ、引退後も両チームでコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家の星野伸之氏(57)は、10奪三振で完封し、プロ初白星をつかんだ阪神・村上頌樹投手(24)を絶賛した。村上は言葉がないくらい完璧なピッチングを見せてくれた。全ての球種がよかったが、特に低めのストレートのコントロールが抜群だった。指にかかったボールで、シュート回転しない。球速は145キロ前後だが、伸びを感じた。中日打線がボールと判断して見逃しても、予想以上に伸びてきてストライクになる。見極めが難しく、多少のボール球でも手を出さないといけなかったことが10奪三振につながったと思う。7回パーフェクトだった前回登板は高めに浮くボールもあって84球で交代となったが、この日は105球でも最後までしっかり低めにコントロールできていた。これを9イニング続けることは本当に難しい。150キロを超えるストレートを投げるピッチャーはたくさんいるが、改めて投手はコントロールだと思わせてくれた。自分のピッチングをするという前回と同じ意識でマウンドに上がっていたと思うし、心のコントロールができていたことも素晴らしい。守護神の湯浅が不在の中、今の阪神の投手陣に求められるのが先発の頑張り。西純が登録を抹消され、青柳もらしくない内容が続いているが、こうやって長いイニングを投げられる村上が台頭したことは大きい。

◆阪神・中野が六回1死三塁で左犠飛を放ち、貴重な2点目をたたき出した。さらに二塁守備では、村上が取ったアウト27個のうち、ゴロ5つとフライ1つを堅実に処理。「いいピッチングをしていたので、打ち取った当たりはしっかりアウトにしてあげる気持ちを持って守り切れた」と完封を喜んだ。同期入団の村上の投球を「ストライク先行で守備からリズムを作りやすい投球をしてくれたおかげで、守備もいいプレーが多く出たと思う」とたたえた。

◆阪神・佐藤輝は二回、高橋宏の初球の直球をとらえて中越えの二塁打。3試合11打席ぶりの安打に「真っすぐが速いので、しっかり真っすぐに合わせて1球で打てたのはよかった」とうなずいた。勝利後はマウンドの村上に駆け寄り「おめでとう」と祝福。同じ大卒3年目の快投に「本当に安定した投球で、すごいなと思いました」と感心しきりだった。

◆〝平田スカウト〟も感無量だ。村上のプロ初勝利の瞬間を三塁側ベンチから見届けた阪神・平田ヘッドコーチは感激のあまり、声をはずませた。「よかったね。素晴らしい。少年野球のころから知っているからな。(感慨)ひとしおだよね」平田ヘッド(当時は2軍監督)は2010年に兵庫・淡路島で野球教室を開いた。そこに小学6年だった村上少年がいた。「1人、目立っていたよ。将来はプロ野球選手になると確信したんだよな」。村上は智弁学園高3年の春、選抜の優勝投手になり、東洋大でもエースとして活躍。21年ドラフト5位で入団が決まると「本人も覚えていてくれたみたいでね。こんな出会いがあるのか、と互いに驚いたなあ」。だが、プロ入り後は順風満帆ではなかった。昨年まで2年間、2軍監督という立場で村上と接し、奮起をうながしてきた。「よく叱ったよ。性格が優しすぎるんだ。プロの世界は弱肉強食。強いハートを持たなきゃ、2軍では通用しても1軍では活躍できないとね」。プロ3年目。村上は〝7回完全男〟で一躍、時の人に。それから10日。初勝利を完封で飾る快挙に、平田ヘッドは「若い選手や、ファーム(2軍)の子たちのすごい励みになるよな」と感慨深げだった。(三木建次)

◆村上の完封勝利を導いた坂本は「真っすぐの強さもあってファウルがとれる。変化球を意識させて押し込めるとか、強弱が効いている」と右腕の快投を分析した。自身はスタメンマスクをかぶった4試合で全勝。計2失点と好リードが光る。白星をもたらす女房役は「先に点をやらないことが大事。それが一番の僕にできること」とうなずいた。

◆阪神・村上頌樹投手(24)が先発し、2安打無四球でプロ初完封初勝利。1軍の舞台を目指してファームで奮闘する〝戦友〟も、自分のことのように喜んだ。同期入団で同学年の左腕・岩田は「仲も良いのでうれしい。僕も負けていられない」と笑顔で話した。昨年の村上の誕生日には湯浅とケーキを購入し、寮の部屋で3人で〝プチ誕生日会〟を行うほどの気心の知れた仲で「(村上は)関西人らしいところもあって、面白い。ボケたりとか一緒にちょけたりすることもある」と明かした。村上の1学年下で、同じドラフト5位入団の岡留は先輩の投球に「本当にすごい。さすがの一言です」と感服。ともに今年1月の青柳との合同自主トレに参加し、期間中は村上と2人で食事に出かけて寿司をごちそうしてもらったこともあった。「ずっと『今年は1軍で(活躍する)』とおっしゃっていた。自主トレでは(練習を)人一倍やっていた」と証言。すぐそばで見てきた後輩だからこそ、1軍で見せた村上頌樹の活躍に納得した様子だった。(織原祥平)

◆虎の〝村神様〟が待望の初白星! 阪神の大卒3年目右腕・村上頌樹(しょうき)投手(24)が中日打線を10奪三振で散発2安打に抑え、プロ初勝利を無四球完封で飾った。12日の巨人戦での7回完全投球に続く好投で、2軍では無双だった男がついに完全覚醒。チームをヤクルトとの同率首位に再浮上させた。苦節の2年間がまるで嘘だったかのように、落ちつき払ったマウンドさばき。村上は9個のゼロを並べて竜打線をねじ伏せ、力強く拳を握った。3年目で念願となるプロ初勝利は、2安打無四球での完封。虎党の大喝采を浴びた。「なかなか勝利できなくて、1軍でも登板は少なかったんですけど、やっとできてうれしい。攻めのピッチングをしたいと思っていたので、それができてよかったです」2年ぶりの先発だった前回12日の巨人戦(東京ドーム)では7回パーフェクト。その投球が〝まぐれ〟ではなかったことを証明した。一回に三者連続三振を奪って好発進。力のある直球、織り交ぜたカットボールやツーシームも制球よく投げ、2試合にわたって完全試合を超える11イニング連続完全投球。五回1死からD7位・福永(日本新薬)に中前への初安打を許しても「ピンチにならないように、という意識で」と後続を断った。再び福永を安打で出した八回は細川、代打で続いた木下とアキーノを3者連続K斬り。「そんなに取っていたんですか?」と自己最多の10三振を奪い、六回に自らの安打を機に先制点を得ると、105球でゲームセットまで投げきった。奈良・智弁学園高時代はエースとして、3年春の2016年選抜で全国制覇に導いた誇らしい実績を持つ。それでも周囲には「選抜で優勝したことは言わないでください」と見上げられることを少しばかり嫌う。その心は「藤浪さん(大阪桐蔭高で2012年春夏連覇、現アスレチックス)のようなポテンシャルがあるわけでもない。仲間に恵まれて優勝させてもらえただけで、自分の力ではない」。過去の実績にうぬぼれることなく、「もっとプロで活躍してから言ってもらえるようにしたい」と現在地を見つめて日々を過ごしてきた。

◆投げるだけではない。プロ初勝利を完封で飾った阪神・村上は打って、走って、自ら先制点をもぎ取った。淡路島の先輩の闘志に火をつける快音をバンテリンドームに響き渡らせ、先輩さながらの快足を飛ばした。「あれ(ヒット)が一番うれしいです」六回先頭で迎えた第2打席。高橋宏の154キロ直球にバットを合わせた。左翼線にポトリと落とす一打で先制機を演出。投球だけでなく打撃センスも光った。そして、この一打に燃える男がいた。同じ淡路島出身の近本だ。後輩が作った好機に、151キロ直球を一閃。右中間を真っ二つに割り、自慢の俊足を飛ばした。〝7回完全投球〟した村上にプロ初勝利をつけられなかった12日の巨人戦(東京ドーム)の試合後、決勝打を放ちながらも近本は「勝ちをつけたい思いはありました」と悔やんだ。この日も快投する後輩をセンターの位置から見て思った。「きょうも抑えているな。点取らんと」今度こそ村上に勝ち星を-と放った有言実行の一打は、セ・リーグ単独トップとなる今季5本目の三塁打。淡路島コンビで勝ち取った決勝点だった。村上の技あり一打を予感させる〝伏線〟があった。昨年12月に故郷・淡路島で開催したスポーツ教室。子供たちに見せたのが打者・村上、投手・近本の特別対決だ。快音を響かせた村上は「まだまだ自分は打てそうだなと思いました」とニヤリ。ひそかに深めた打撃への自信。そしてなにより、地元をもり立てる先輩と並び、いつかプロ野球選手として追い越したいと思った。「やっぱり、負けないようにやっていきたいですね」一塁から、昨季の盗塁王・近本さながらの激走で突っ込んだ決勝のホーム。「(試合の)途中で(近本から)『足、遅い』と言われました。あの人、速すぎるので。速すぎます」。お返しとばかりに、村上も冗談めかして近本に感謝だ。「あの人(近本)は勝手に打つので。しっかり(本塁に)かえれてよかったです」気心知れた名コンビが虎を勢いづける。淡路島から、近本に次ぐ、ニューヒーローが誕生した。(原田遼太郎)...岡田監督は村上に「すごいなあ。そら想像以上よ」と脱帽した。前回12日の巨人戦では七回までパーフェクトだった村上に代打を送り、球界を巻きこむ論争に。今回は「(五回に)1本(ヒットを)打たれたときにホッとしたわ。いつでも代えられると思ったら」と苦笑いしつつ「きょうは最後まで、100球でいくんちゃうかと言っとった」と安心して九回まで投げさせた。WBC日本代表で初対戦の中日・高橋宏に黒星をつけたことにも言及せず、「2試合無四球やろ」と村上への賛辞に終始した。

◆プロ初白星に恩師も歓喜! 奈良・智弁学園高で村上を指導し、2016年春の選抜で甲子園初優勝に導いた小坂将商監督(45)が22日、取材に応じ、教え子の初勝利を祝福した。登板後に本人から送られてきたメッセージは「慢心せずに頑張ります」―。どんなときでも貫く謙虚な姿勢は高校時代に小坂氏から学んだことだった。プロ初勝利おめでとう! チームの相性があまり良くないバンテリンドームで勝ててよかったね。立派でした。私は野球部の練習中だったのでテレビで見られていませんが、こまめにチェックはしていました。この前の巨人戦(12日、東京ドーム)で見せたいいピッチングがまぐれと言われないように頑張れ、と思っていました。途中経過を見たときに六回の時点で2―0で勝っていたので、そのままいけ、と内心で応援していて、結果的にそのまま勝ってくれたのでよかったです。最近の投球を見ていて感じたのは、直球にスピンがかかっているということ。プロに入って体もできて、スピンに磨きがかかっているように見えるし、意図したボールが投げられていることがいい投球ができている要因だと思います。私の法大時代の同級生の安藤(投手コーチ)ともよく連絡を取り合っていて、「村上が今、一番状態がいい」と言っていたし、その通りの結果でした。試合後も「ファームでずっと見てきたから勝って本当にうれしい」と喜んでいましたよ。高校のときに彼を一度叱ったことは今でも覚えています。周りがエラーをして、マウンドで不満を顔に出したのが理由です。それ以降は自覚を持ってやるようになったし、なにより野手の気持ちも分かるようになった。だから今では走者を出しても勝てるようになったのだと思います。試合後にLINEで本人に連絡を入れたら、すぐに「慢心せずに頑張ります」と返ってきました。村上の投球は見ていて楽しいですし、これからがとても楽しみです。

◆青々としたターフに、まっさらなスタンド-。普段、馬券を買うのは日本ダービーと有馬記念くらいという競馬はまったくの素人だが、テレビ中継を見ると、きれいな競馬場が映し出されていた。リニューアルされた京都競馬場が22日にグランドオープン。約2年半にわたる改修工事を終え、ようやく902日ぶりに競馬ファンを迎えることができた。円形だったパドックが楕円(だえん)形に変更されるなど、出走馬をよりチェックしやすくなり、そのパドックの近くには歴代3冠馬の像が並ぶ「三冠馬メモリアルロード」が新設された。スタンドも美しく生まれ変わり、芝やダートも全面改修。テレビを見ながら、この関西の新たな注目スポットに早く行ってみたくなった。競馬は新たな舞台での開催がスタートした一方、阪神タイガースは鬼門での戦い。なんといっても〝完全男〟村上に注目が集まった。試合前、バンテリンドームで取材している虎番・須藤佳裕は「『完全試合頼むぞ』というプラカードを掲げるファンもいて、期待の高さがうかがえますね」と伝えてきた。村上が7回完全投球を披露した12日の東京ドームでの巨人戦。実は、須藤はプライベートで生観戦していた。

◆全国の虎党の皆さ~ん、そして阪神タイガース・村上頌樹投手、プロ初勝利&プロ初完投&プロ初完封に加え、2試合またぎの9回パーフェクト達成、最後に『シン村神様』襲名オメデトウございまーす!!いや~、前回の巨人戦で7回完全の村上が、本日も四回まで一人も走者を許さず〝11回パーフェクト〟だもん、うれしいを通り越してビックラこいた~!!終わってみれば、2安打無四球、10奪三振の大快投ありがとう!!と喜びつつも年寄りだから結構タチ悪い俺も「ブツブツ...。2安打とも福永だって...。全くこれだからルーキーは空気読めてなくていやだね~」とぼやいていたりするのだった...。2試合続けて若武者西純、エース青柳がコントロールが定まらず負けてモヤモヤしていただけに、このシン村神様の完封劇は虎党と岡田さんには最高の精神安定剤となったことでしょう!!いや、岡田さんのことだから歓喜のあまり「村上はあれやからそやろ、そやから2安打であれや...」と周囲を惑わしているのでは? う~む、阪神も最近話題のチャットGPTの会話バージョン導入の時か?

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
1071 0.588
(↓0.037)
-
(-)
12545
(+2)
36
(+4)
8
(-)
18
(-)
0.183
(↓0.001)
1.890
(↓0.12)
1
(2↑)
阪神
1071 0.588
(↑0.025)
0
(↓1)
12553
(+2)
53
(-)
5
(-)
12
(-)
0.229
(↓0.001)
2.740
(↑0.16)
3
(1↓)
DeNA
970 0.563
(↓0.037)
0.5
(-)
12750
(-)
47
(+3)
11
(-)
3
(-)
0.250
(↓0.001)
2.800
(↑0.03)
4
(-)
広島
1080 0.556
(↑0.027)
0.5
(↓1)
12554
(+3)
49
(-)
12
(+1)
4
(-)
0.228
(↓0.001)
2.550
(↑0.16)
5
(1↑)
巨人
7120 0.368
(↑0.035)
4
(↑1)
12455
(+4)
61
(+2)
15
(-)
1
(-)
0.231
(↑0.001)
2.960
(↑0.12)
6
(1↓)
中日
6110 0.353
(↓0.022)
4
(-)
12642
(-)
53
(+2)
4
(-)
4
(-)
0.241
(↓0.009)
2.770
(↑0.05)