◆広島は4回裏、1死一塁からマクブルームの安打に相手失策が絡み1点を先制する。さらに続く好機で西川の2ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、先発・床田が7回無失点の好投で今季2勝目。敗れたDeNAは、打線が相手を上回る7安打を放つも、つながりを欠いた。

◆DeNAが、ノーアウト満塁の大チャンスで無得点に終わった。3点を追いかける8回、先頭の大和が11球粘った末に四球で出塁し、山本が左前打、神里も左前打で続き、3つの塁を埋めた。スタンドから「BAY BLUE ANTHEM」が流れる中、佐野は一ゴロ併殺、2死二、三塁から代打楠本が右飛に倒れ、絶好機を逃した。

◆DeNAは、名手の桑原将志外野手（29）の失策が絡み、広島に先制点を奪われ、チームも敗れた。0－0で迎えた4回1死一塁、広島マクブルームが左中間への安打を放ち、回り込んだ中堅の桑原がゴロを後逸し、一塁走者の秋山が一気に生還した。先発の大貫が、次打者の西川に2ランを浴び、この回3失点。打線は床田、松本、栗林に完封リレーを許した。

◆広島がゼロ封返しで、DeNAに前夜のリベンジを果たした。先発床田がストライク先行のテンポのいい投球で7回無失点に抑えると、中継ぎ陣も無失点リレーで締めくくった。打線は4回にマクブルームの中前打に相手のミスが絡んで先制すると、西川の2号2ランで突き放した。試合後の新井貴浩監督（46）の談話は以下の通り。－試合を振り返って新井監督　まずは床田がナイスピッチングでしたね。テンポも良かったですし、四球もなかったですし、ナイスピッチングでしたね。－床田投手はいい投球だけに、もう1イニングという考えは新井監督　あそこで代えようというのは、ちょっと前から決めていた。ブルペンもみんな頑張っているので、ちょっと前からこのイニングで代えるというのは決めていました。－6回、8回と苦しいところで併殺。守備も良かった新井監督　しっかりとね、ライアン（マクブルーム）もそうですし、投手もしっかり頑張ってくれていますし、守備もしっかりと守っています。そのあたりは信頼関係ですからね。良かったと思います。－守り勝つ野球ができている新井監督　そうですね。しっかりと地に足が付いて戦えているんじゃないかなと思います。－菊池選手が先発から外れた新井監督　彼もプレーを見ていたら、開幕からアクセル全開でここまで頑張ってくれているので。休養を入れてあげられるときは、挟みながらとは考えていたので。－西川選手は昨日の無安打から1発含む2安打新井監督　昨日10何試合ぶりにヒットがなかったけど、即、結果を出してチームの勝利に貢献するというのは、いい選手の証し。もちろん、いい記録や連続安打というのは、絶対いつか途切れる。途切れた次の日というのが大切。そう思って彼を見ていたけど、さすが龍馬だなと。－今季10勝中6勝が相手より少ない安打で勝ち切っている新井監督　いいじゃないですか。ワンチャンスをモノにできているということでしょう。もちろんヒットがたくさん出るに越したことはないけど、（相手より多く）ヒットを打つゲームじゃなく、得点を入れるゲームなので。そう考えると、いい傾向だと思いますよ。ワンチャンスで、みんながよしここでいくぞと集中力を持って得点できているということだから。いいことだと思います。

◆広島の5番西川が前日の悔しさをひと振りで吹き飛ばした。1点を先制した4回なお1死二塁。DeNA大貫のスライダーを振り抜き、右翼席へ2号2ランを突き刺した。ゼロ封負けした前日、自身の連続安打も14試合で止まった。仕切り直しの一打は値千金の1発となった。新井監督は「（連続安打が止まって）即、結果を出してチームの勝利に貢献するというのは、いい選手の証し。途切れた次の日というのが大切。さすが龍馬」と称賛した。7回の右前打で今季5度目のマルチ安打。打率3割1分7厘に上げたが、状態は「良くはない」と自己評価は厳しい。4割超の打率を維持する3番秋山の存在が好影響を与えている。「34、35歳のおっちゃんがよう打つから。僕は必死に食らいついていく感じで。（秋山の）入り方を見て、僕も一緒の入り方をしているという感じです」。先輩とともに、新井カープをけん引していく。【前原淳】○...床田が7回を5安打で0封し、2勝目を挙げた。3回無死一塁は大貫の投手前へのバントを素早いフィールディングで併殺に。6回1死から連打で招いたピンチも、宮崎を三ゴロ併殺で切り抜けた。立ち上がりからストライク先行のテンポのいい投球で与四球0。「向こうもすごくいい投手なので、流れに乗って一緒になって投げようと思いました」と投手戦の展開を味方につけた。

◆DeNAが4併殺の拙攻で、今季2度目の0封負けを喫した。不振のソトに代わって、大和をスタメンではプロ初の一塁で起用したが、打線が沈黙。開幕から15試合連続安打だった宮崎も無安打に終わった。三浦大輔監督は「形は作れたと思いますけど、もう1本が出なかった」と唇をかんだ。○...今季初先発の大貫が1発に泣いた。0－0の4回、1死一塁からマクブルームの中前打を中堅の桑原が後逸する間に先制点を献上。次打者の西川に2ランを浴びた。5回3失点（自責2）で黒星を喫し、「（4回は）失投もあり、味方のエラーをカバーすることができず、もったいなかったです」と悔しさをにじませた。

◆広島が無失点リレー。床田が７回を５安打に抑えて２勝目を挙げ、八回は松本、九回は栗林で７セーブ目。打線は四回にマクブルームの安打が失策を誘って先制し、続く西川の２号２ランで加点した。ＤｅＮＡは打線が精彩を欠いた。

◆広島の西川が勝利を引き寄せる一発を放った。四回、相手の失策で先制し、なお１死二塁。内角へのスライダーを右越えに運び「思ったよりも完璧で自分でもびっくり」と会心の一振りを喜んだ。２１日は無安打で連続試合安打が１４で止まり、チームは零敗。「迷惑をかけたので、ここで打たないと、と頑張った」と５番打者としての自覚を口にした。（マツダ）

◆右肩肉離れから復帰したＤｅＮＡ・大貫晋一投手（２９）が今季初登板で５回７２球、４安打３失点（自責２）。味方守備の失策により先制点を許し、打線の援護もなく初黒星となったが、制球良く安定した投球だった。「プラン通りに投げられたので、西川さんに投げた一球がもったいなかった」と失投のカーブを拾われ、２ランを被弾した四回の場面を悔いた。

◆１点の曇りなくマツダスタジアムのスコアボードにゼロを並べた。広島は３投手のリレーでＤｅＮＡをシャットアウト！！　お立ち台に上がった先発・床田がナインの熱い思いを代弁した。「絶対ゼロでいこうと強い気持ちを持って投げた。明日も勝てるように頑張ります！！」強風が吹く悪条件下で三塁すら踏ませず、７回５安打無失点で開幕から無傷の２連勝を挙げた。無四球と制球が安定し、５奪三振。３─０の六回には１死一、二塁を招いたが、好調の宮崎を外角ツーシームで三ゴロ併殺打に仕留め、流れを渡さなかった。３点リードの八回に松本は無死満塁をしのぎ、九回は栗林が締めくくり今季３度目の零封。２１日の１戦目の零封負けの借りを返して、新井監督は「地に足が付いて戦えている」と満足そうにうなずいた。床田にとっては因縁の相手だった。前半戦だけで８勝を挙げた昨年８月３日のＤｅＮＡ戦（横浜）の打席で一塁へ走った際に右足首をひねり骨折。そのままシーズンを終えた。真夏の悪夢が頭をよぎりそうだが、「ハマスタではないし、まだそんなに暑くない」とテンポよく投げ、援護を待った。すると四回にマクブルームの中前打を中堅・桑原がはじき、先制。さらには西川が右翼への特大２ランで援護した。「打った瞬間、入ったと思った。さすが。ありがとう！！　もうちょっと打って、僕の時に〝打ってんな〟と思わせるように打ってほしい」と床田。同学年の西川にさらなる援護を求めるちゃっかり者だ。チームは連敗を阻止して、貯金２。けがを乗り越えた左腕が今年こそフル回転する。（柏村翔）

◆広島が零封勝ちで３連戦のタイに戻した。四回に相手の適時失策と西川の２ランで先制し床田、松本、栗林のリレーで逃げ切った。新井貴浩監督（４６）の一問一答は次の通り。─―試合を振り返って「床田がナイスピッチングでした。テンポも良かったですし、四球もなかった」──打線は四回に西川の２号２ラン「大きかったです。彼も風の向き、強さとかが頭に入っていたと思うんですよね。彼らしさが詰まったホームランだったと思います」──九回は栗林が先頭打者を出しながら締めた「もうナイスピッチングですよね。先頭四球で出たんですけどね、その後しっかり落ち着いていました」──守り勝つ野球ができている「そうですね。しっかりと地に足が付いて戦えているんじゃないかなと思います」──菊池がスタメンを外れた「彼のプレーを見ていたら、開幕からアクセル全開でここまで頑張ってくれている。休養を入れてあげられるときは、挟みながら、というふうに考えていた」―１０勝中６勝が相手より少ない安打で勝ちきっている「ワンチャンスをモノにできているということでしょ。それも素晴らしいじゃないですか。ヒットたくさん出るに越したことはないけどヒットを打つゲームじゃない。みんな、よしここでいくぞと集中力を持って得点できているということだから、いいことだと思います」