ヤクルト(☆3対0★)巨人 =リーグ戦1回戦(2023.04.21)・明治神宮野球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
巨人
0000000000500
ヤクルト
11000010X3500
勝利投手:高橋 奎二(2勝1敗0S)
(セーブ:田口 麗斗(0勝1敗6S))
敗戦投手:ビーディ(0勝3敗0S)
  DAZN
チケットぴあ ヤクルト戦チケット予約 巨人戦チケット予約

DAZN

◆ヤクルトが3連勝。ヤクルトは初回、オスナの適時打で先制する。続く2回裏に武岡の適時打で1点を加点すると、そのまま迎えた7回にはサンタナの適時二塁打で貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・高橋が6回3安打無失点の好投で今季2勝目。敗れた巨人は、打線が沈黙した。

◆ヤクルト高橋奎二投手(25)が21日巨人戦(神宮)に先発する。中8日での登板に「疲れもあったので間が空いて体の状態はすごくいい」と万全。昨季は5度先発し3勝1敗と相性の良い巨人相手だが「長打がある打線だと思うのでホームランは避けて流れを渡さずに何とか単打でいけたら。去年も神宮での巨人戦は乱打戦になったので、しっかり低めを丁寧に意識して投げていきたい」と気を引き締めた。

◆今日から今季初のヤクルト-巨人戦。昨年のこのカードはヤクルト35本、巨人44本の両軍合わせて79本と、両リーグで最も本塁打が飛び出した。ヤクルトは村上の8本、巨人は岡本和の9本が最多で、9月13日の24回戦では両者とも2本塁打を放った。今季は1回戦からいきなり2人の打ち合いが見られるか。

◆巨人ドラフト2位の萩尾匡也外野手(22)が1軍初合流した。慶大では4年時の秋のリーグ戦で六大学リーグの3冠王を獲得。開幕から2軍で経験を積み、イースタン・リーグでは18試合に出場し、打率2割8分8厘、2本塁打、13打点の成績を残している。外野手では丸が19日のDeNA5回戦(佐賀)で負傷交代。4回2死一、二塁で吉川の左前打で二塁から本塁に突入するも憤死し、右太もも付近を気にするそぶりがあった。5回は守備にはついたが、6回からベンチに退いた。原監督は佐賀から帰京した前日20日、帰京後に精密検査と治療に向かうことを明かした上で「ジャイアンツも、けがしてる人間を使うほど落ちぶれちゃいない。カバーしてあげないと」と説明。丸の21日ヤクルト戦の出場については当日判断で、有事に備えて2軍からバックアップ要員も呼び寄せるとしていた。この日の試合前練習では丸も姿を見せた。

◆19日のDeNA戦(佐賀)で負傷交代していた巨人丸佳浩外野手(34)が、試合前練習で快音を連発した。ドラフト2位の萩尾匡也外野手(22)が1軍初合流して、有事に備えたが、出場選手登録は抹消されなかった。フリー打撃では20スイング中7本の柵越えを放ち、キャッチボールなどのメニューをこなした。丸は開幕から10試合は打率0割台と苦しんだが、直近3試合中2試合でマルチ安打を放つなど、状態は上向きだった。しかし、19日のDeNA戦で負傷交代。4回2死一、二塁で吉川の左前打で二塁から本塁に突入するも憤死し、右太もも付近を気にするそぶりがあった。5回は守備にはついたが、6回からベンチに退いた。原監督は佐賀から帰京した前日20日、帰京後に精密検査と治療に向かうことを明かしたうえで「ジャイアンツも、けがしてる人間を使うほど落ちぶれちゃいない。カバーしてあげないと」と説明。この日のヤクルト戦の出場可否は当日判断するとしていた。

◆巨人のスタメンが発表され、19日のDeNA戦(佐賀)で負傷交代していた巨人丸佳浩外野手(34)がスタメンから外れた。試合前練習ではフリー打撃で快音を連発。20スイング中7本の柵越えを放ち、キャッチボールなどのメニューをこなした。ただ守備練習は行わず、シートノックにも入らなかった。代わりにオコエが右翼に入り、ウォーカーが「5番左翼」で先発。19日の同戦で1号2ランを含む3安打を放っていた吉川は8番から6番に打順を上げた。来日初勝利を狙う新外国人ビーディが先発マウンドに上がる。

◆巨人が幸運の"キレキレダンス"で験を担いだ。試合前の円陣で重信慎之介外野手(30)が声出し役としてナインの輪の中心へ。「起立お願いします! 小さく集合!」と声かけをすると、小刻みにステップを踏むダンスを全員で披露した。3試合ぶりに白星を収めた19日DeNA戦(佐賀)での試合前の円陣でも声出し役を務めた重信。その際にも小刻みステップの"キレキレダンス"を行って勝利していた。2連勝へ向けて験を担ぐべく、ダンスで結束した。

◆ヤクルト武岡龍世内野手(21)が適時打を放ち、今季初打点を挙げた。「1番二塁」で2試合連続スタメン出場。1-0の2回2死二塁、巨人先発ビーディに対し、カウント1-1からの3球目、内角ツーシームを左前にはじき返した。「どんどんアピールしないといけないので、若々しく、がっついていきます」と振り返った。二塁から生還したのが長岡秀樹内野手(21)。高卒4年目、同期入団の2人で奪った1点に、SNSでは「武岡龍世」「長岡秀樹」「長岡くん」などがトレンド入り。「武岡くんが長岡くん返すの胸熱すぎる」「長岡が出て武岡で返す これずっと前から見たかったやつ」「たけのタイムリーで長岡くんご生還。そんなのおばちゃん泣いちゃう」とファンのコメントが続いた。

◆ヤクルトの人気マスコット「つば九郎」が巨人との初対戦で今季から打撃チーフコーチに就任した「デーブ大久保」こと大久保博元コーチ(56)を得意のフリップ芸で"口撃"した。つば九郎は「でーぶさん、げんばふっきですね、おかえりなさい」と現場復帰を祝福した上で「しんばしのいざかやさんと2とうりゅうですか?」と大久保コーチが新橋で経営する「肉蔵でーぶ」をイジった。

◆巨人ルイス・ブリンソン外野手(28)が"珍ヒット"も暴走でタッチアウトとなった。3点を追う8回1死、止めたバットにヤクルト清水の投球が当たり、一塁線を抜けた。ブリンソンは一時、驚いて打席で立ち止まるも、打球はフェアになって急いで走り出した。そのまま二塁へ突入するも、右翼並木の二塁送球が悠々間に合ってタッチアウト。反撃のチャンスをふいにした。それでも9回1死の守備で中村の浅い飛球をスライディングしながらのスーパーキャッチ。思わずガッツポーズで感情を爆発させた。

◆巨人が昨季王者との今季初対戦で今季4度目の完封負けを喫し、最下位に転落した。来日初勝利を狙ったビーディだったが、序盤からつまずいた。1回2死一、二塁、オスナに右前へ適時打を浴びて先制を許した。2回には2死二塁から武岡に左前へ適時打を打たれてリードを広げられた。ビーディは5回3安打2失点で初勝利ならず。「先制を許し、2失点目は失投を打たれてしまったのが反省。調子が良かったのに長いイニングを投げられなくて悔しかった」と振り返った。打線は"ゲッツー沼"にはまった。2点を追う5回無死一、二塁の好機で吉川が犠打を試みるも捕邪飛で失敗。ベンチの原辰徳監督は思わず両手で頭を抱えた。1死一、二塁からは大城卓が二ゴロ併殺に倒れ無得点に終わった。1回に中田翔、4回にも中田翔、5回の大城卓、6回には中山が併殺打。6回まで3イニング連続で4併殺を食らった。9回も1死一塁から代打丸が一併殺打で5個目の併殺打で終了。プロ野球ワーストの1試合6併殺はかろうじて免れた。ヤクルト先発の高橋奎、石山、清水、田口と無失点リレーをつながれて試合終了。今季2度目の連勝はならず、12敗目を喫して借金6となった。

◆巨人打線がドツボにはまった。2点を追う5回無死一、二塁の好機で吉川尚輝内野手(28)が犠打を試みるも捕邪飛で失敗。ベンチの原辰徳監督(64)は思わず両手で頭を抱えた。なお1死一、二塁で大城卓三捕手(30)は二ゴロ併殺に倒れ無得点に終わった。1回に中田翔、4回にも中田翔、5回の大城卓、6回には中山が併殺打。6回までに3イニング連続併殺。さらには9回も1死一塁から代打丸佳浩が一併殺打で5個目の併殺打で終了。プロ野球ワーストの1試合6併殺は免れたが、"ゲッツーの沼"にはまった。

◆巨人が5併殺に阻まれ今季4度目の完封負けを喫した。ヤクルト投手陣の前に好機がことごとく消えた。1回に中田翔が投ゴロ併殺、4回にも遊ゴロ併殺に倒れた。5回1死満塁では大城卓が二ゴロ併殺、6回は中山が二ゴロ併殺で3イニング連続で"併殺の沼"にはまった。3点を追う9回にも代打丸が一ゴロ併殺でゲームセット。絶好機だった5回が痛すぎた。先頭の岡本和が二塁打、ウォーカーが四球を選んで無死一、二塁で犠打を試みた吉川が痛恨の捕邪飛。ベンチで思わず頭を抱えた原監督は「やっぱり、あそこのバントの場面がね」と振り返りつつ「なかなかつながらなかったですね」と嘆くしかなかった。今季12敗目で借金6に膨らみ、再び最下位に転落した。

◆ドクターKの新境地ヤ!! ヤクルト高橋奎二投手(25)が6回3安打無失点で2勝目を挙げ、チームをリーグ10勝一番乗りに導いた。4イニングで走者を出しながら、粘り強く4併殺を奪いピンチを脱出。昨季は102回2/3を投げて113三振を奪った力投型も、今季はここまで16回で9奪三振と"変身"。本拠地お立ち台では「野手の方々にゲッツーを4つ取ってもらって、すごくいいリズムで投げられました」と好投を支えたバックに感謝した。持ち味の直球に加え、変化球もさえた。1回1死一塁、巨人中田をチェンジアップで投ゴロ併殺に仕留めると、5回1死満塁では大城をスライダーで二ゴロ併殺。「本当は(三振を)取りたいんですけど。いつも力んでいるのがあるので、そこで冷静になれたのが、良い結果につながったのかなと。打たせて取るピッチングも出来るとは自分でも思います」とうなずいた。この日はWBCでともに戦ったロッテ佐々木朗、DeNA今永も勝利投手に。高橋は「自分も頑張りたいなと思ってますし、しっかりチームを勝たせる投球をしていきたい」とキッパリ。投球の幅を広げた左腕が、これからも白星を積み上げていく。【鈴木正章】▽ヤクルト中村(高橋を好リード)「前回(12日DeNA戦)は曲がり球がなかなかストライクは入らなかったので、今日は曲がり球、頑張ろうよと。緩急を使って打たせていくのは今日のプランだった」

◆巨人大久保博元打撃チーフコーチ(56)は試合後、「僕の責任」と繰り返した。5安打完封負けで、5併殺打。プロ野球ワーストの1試合6併殺に迫る"ゲッツー沼"にはまった。「ランナーが出たからって、簡単に打てない。一生懸命に打ちにいき、ポイントを前に、ヒットを打たせられなかったのが僕の責任。あいつらにゲッツーの責任は何もない」と選手をかばった。ヤクルト先発高橋を攻略できず、完封負けは今季4度目。「明確に指示をしてあげなかったのが申し訳ない。僕らが読んだ通りの配球で、対策を立てた通りのことはやってくれてんだけど、もうちょっとボールが前に飛ばせなかったってのは俺の責任なんです」と語った。2点を追う5回無死一、二塁の好機で吉川がバントを試みるも捕邪飛で失敗。裏目に出たことについても、大久保コーチは「もうちょっと徹底させていなかったのが自分の責任」と話した。

◆ヤクルト高卒4年目の武岡龍世内野手(21)が攻守で躍動した。2試合連続の「1番二塁」で先発。1-0の2回2死二塁、ビーディから左前に適時打を放ち今季初打点を挙げると、守備でも軽快な動きで4つの併殺に絡んだ。正二塁手山田不在の間に結果を出し、「僕からすれば全部アピールの場。なんとかセカンド山田さんっていうのを、覆すじゃないですけど、そこは挑んでいきたい」と力強く話した。

◆巨人がヤクルトに勝利し、15日以来1週間ぶりの最下位脱出となった。阪神に敗れた中日とはゲーム差なしで、勝率により5位となった。メガゴジラが抜てきに応えた。プロ3年目で「7番左翼」で初スタメンとなった秋広が、2回2死一塁から同点の適時二塁打を放った。4回1死満塁では大城卓が右翼線へ勝ち越しの2点適時二塁打。6回2死一、二塁からはオコエが適時二塁打で追加点を奪った。投げては先発グリフィンが6回を4安打1失点の好投で3勝目。7回からは直江が登板。今季8試合目の登板で初安打を許し、失策も絡み1点こそ失ったが、続くピンチはしのいだ。8回は田中千、9回は大勢とつなぎ、逃げ切った。借金を5に減らした。

◆ヤクルトは打線があと一押しできず、連勝が3で止まった。初回にオスナの適時打で幸先よく先制も、2回以降は散発3安打で相手失策絡みの1点のみ。4打数無安打3三振に終わった村上は「やるしかないっす。ピッチャーに対して、しっかり入って行けるように、やっていこうという感じです」と奮起を誓った。○...エース小川が5回5安打3失点で2敗目を喫した。同点の4回1死満塁で、昨季5打数3安打3本塁打と相性の悪い大城卓に勝ち越しの2点適時二塁打を浴びた。「もうひと踏ん張りですね。少し甘くなってしまった。あの回だけですかね、うまく打たれてしまいました」と悔しそうな表情。最後は「しっかり調整して次、やり返せるようにしたいと思います」と前を向いた。▽ヤクルト高津監督(打線について)「これからも初対戦のピッチャーとやる可能性も十分あると思うので。研究というか勉強というか、そういうところをやっていく必要がある」

◆巨人・丸佳浩外野手(34)が先発メンバーを外れた。19日の試合の走塁で脚に異変が生じたとみられる。この日は試合前にフリー打撃を行ったが、守備練習は実施せず。原監督と言葉を交わして引き揚げた。ベンチ入りメンバーには名を連ねた。

◆ヤクルトの高卒4年目・武岡龍世内野手(21)が「1番・二塁」で先発出場し、今季初適時打を放った。「どんどんアピールしないといけないので若々しくがっついていきます」1―0で迎えた二回。2死二塁で打席に入り、カウント1―1から巨人先発・ビーディーの高め149キロを振り抜き、左前適時打とした。武岡は20日の中日戦(神宮)で今季初スタメン。5打数1安打1盗塁をマークしていた。この日は点差を2点に拡大する貴重な一打で存在感を放った。

◆22日の巨人戦(神宮)に先発するヤクルト・小川泰弘投手(32)はダッシュなどで調整した。3月31日の開幕戦(対広島、神宮)以来、白星を挙げられていないが、防御率0・47はセ・リーグトップと抜群の安定感を誇る。巨人打線については「一発を打てる打者もいるし、足のある打者もいる。何を仕掛けてくるかわからないけど、自分の投球をして攻めていきたい」と意気込み、2勝目を狙う。

◆来日1年目の巨人、フォスター・グリフィン投手(27)が、22日のヤクルト戦で先発する。六回途中4安打2失点で2勝目を挙げた前回15日の中日戦(バンテリンドーム)に続く白星を目指す。初登板となる神宮のマウンドの感触を確認した左腕は「ストライク先行の形をつくり、テンポの良い投球でチームにリズムをつくりたい」と表情を引き締めた。

◆売り出し中の若武者が、泥臭く「H」ランプを灯した。6試合連続でスタメン出場の巨人・中山礼都内野手(21)が5試合連続安打をマークした。「出された試合でしっかり役割を果たせるようにという思いは常に持っている」ここまで打率・130と打撃不振の坂本に代わって「2番・遊撃」で先発。2点を追う四回1死の第2打席。追い込まれてから高橋の外角スライダーに右手一本で食らいついた。高橋の真横を通過した打球は、平凡な二塁へのゴロとなったが、全力疾走で内野安打に。四回1死まで無安打に封じ込まれていた高橋からチーム初安打を放った。愛知・中京大中京高から2021年に巨人に入団した3年目の遊撃手。14日の中日戦(バンテリンドーム)から先発に抜擢(ばってき)され、15日の同戦では同級生の高橋宏から先制の中前適時打を放つなど、2安打1打点。少ないチャンスをものにし、アピールを続けている。赤丸急上昇中の左打者に原監督も「しぶといね。今、うちの打者に一番必要なところ」と評価する。「1軍に定着して、レギュラーを取ってやるんだという気持ちは変わらない。そういった強い気持ちを常に持ってやりたい」と中山。不動の定位置を確立するまでは打って、打って、打ちまくる。(樋口航)

◆巨人がヤクルト・高橋を前に、六回を終えて4併殺打の拙攻を見せた。悔やまれるのは2点を追う五回だ。無死一、二塁で吉川がバントを失敗して捕邪飛。原監督は思わず頭を抱えた。続くブリンソンの中前打で1死満塁の絶好機をつくったが、大城卓が二ゴロ併殺打に倒れた。

◆新兵器を使いこなし、G打線を翻弄した。ヤクルトの先発・高橋奎二投手(25)は6回をわずか3安打無失点の好投。緩急巧みに4つの併殺を奪うなど、打者を手玉に取った。満員御礼となった今季初の〝東京ダービー〟。前回12日のDeNA戦(神宮)から中8日での先発に「しっかり低めを丁寧に意識して投げていきたい」と意気込んで迎えたマウンドで、躍動した。WBC日本代表として世界一獲得に貢献した左腕。大会を終えて帰国後、伊藤投手コーチの助言で、ある〝魔球〟の習得を開始した。練習したのは米大リーグ、ブルワーズの守護神・ウィリアムズが投じるチェンジアップ「エアベンダー」。スライダーの回転をしながら空気抵抗に反して左打者の内角に食い込むように沈む軌道が特徴で、ゴロを打たせる目的でブルペンや実戦で取り組み始めた。思惑は、面白いようにハマった。一回。1死から2番・中山に四球を出したが、続く中田翔を132キロエアベンダーで投ゴロ併殺。「真っすぐで入ってくるだろうなというときに投げて、ゴロを打たせたりできたらいい」という意図の通りに投げ切った。もらった援護は2点。五回には先頭岡本和の右中間二塁打から1死満塁のピンチも迎えたが、最後は大城卓を二ゴロ併殺に仕留めて切り抜けた。「ピンチは多くなってしまいましたが何とか粘って投げられましたし、野手の方が助けてくれたので野手の方々に感謝です」。今季2勝目の権利をつかみ、鉄壁リリーフ陣にマウンドを託した。(箭内桃子)

◆G打線を翻弄した。ヤクルトの先発・高橋奎二投手(25)は6回をわずか3安打無失点の好投。緩急巧みに4つの併殺を奪うなど、打者を手玉に取った。満員御礼となった今季初の〝東京ダービー〟。前回12日のDeNA戦(神宮)から中8日での先発に「しっかり低めを丁寧に意識して投げていきたい」と意気込んで迎えたマウンドで、躍動した。WBC日本代表として世界一獲得に貢献した左腕。大会を終えて帰国後、伊藤投手コーチの助言で、ある〝魔球〟の習得を開始した。練習したのは米大リーグ、ブルワーズの守護神・ウィリアムズが投じるチェンジアップ「エアベンダー」。スライダーの回転をしながら空気抵抗に反して左打者の内角に食い込むように沈む軌道が特徴で、ゴロを打たせる目的でブルペンや実戦で取り組み始めた。もらった援護は2点。この日、新球を封印したが、持ち球のスライダーとチェンジアップを操り、要所を締めた。五回には先頭岡本和の右中間二塁打から1死満塁のピンチも迎えたが、最後は大城卓を二ゴロ併殺に仕留めて切り抜けた。「ピンチは多くなってしまいましたが何とか粘って投げれましたし、野手の方が助けてくれたので野手の方々に感謝です」。終わってみれば今季6度目の零封リレーとなり、今季2勝目をゲットした。(箭内桃子)

◆ヤクルトは3連勝でリーグ最速の10勝目。再び単独首位となった。高橋奎二投手(25)が6回無失点の好投で2勝目(1敗)。3点リードの九回は田口麗斗投手(27)が1安打無失点で切り抜け今季6セーブ目を挙げた。試合後、田口はツイッターを更新。2勝目を挙げた高橋や先制打のオスナらナインの奮闘を称賛し「カード初戦nice勝利だ!明日は土曜日じゃけどもナイターです。間違えないように!」とつづった。

◆ヤクルトが3連勝。一回にオスナの右前打で幸先よく先制すると、二回は武岡の左前打、七回はサンタナの右越え二塁打で加点した。先発の高橋は6回無失点の好投で2勝目(1敗)を挙げた。オスナのヒーローインタビューは以下の通り。ーーナイスバッティング「アリガトウゴザイマス」(日本語で)ーーチャンスの場面、どんな球を狙っていたか「強く打てる球を待っていまして、真っすぐが来たので自分も良いスイングができて結果的に打点が入って良かったです」ーー打った時の手ごたえは「しっかりと自分らしい良いスイングができたので良かったです」ーー20日に続いて第1打席でタイムリー「今自分の調子も非常に良いと思いますし、まずチームの勝利に貢献できることが第一でピッチャー陣が本当に頑張っているので、その力になれればと思っています」ーー3連勝「チームの状態はとても良いです。先週ちょっと負けが重なってしまったんですけど、今の状態良いと思います。開き直って連勝を伸ばしたいと思います」

◆ヤクルトの武岡が2試合連続で「1番・二塁」で先発し、1―0の二回に今季初の適時打をマークした。2死二塁でビーディの速球を流し打って左前に運び、同期入団の長岡を本塁に迎え入れた。青森・八戸学院光星高からドラフト6位で入って4年目を迎えた内野手。昨季、年齢もポジションも同じ長岡が遊撃の定位置をつかみ、2軍で悔しさを募らせた。下半身のけがで欠場が続く山田の代役として巡ってきた出場機会。二塁の守備もそつなくこなし「全部がアピールの場だと思っている。何とかセカンド山田さんに挑んでいきたい」と目の色を変えている。(神宮)

◆ヤクルトが3連勝でセ・リーグ10勝一番乗りで単独首位に浮上した。先発した高橋奎二投手(25)が6回3安打無失点で今季2勝目を挙げた。緩急自在に4つの併殺を奪い、巨人打線を手玉に取った。一回1死一塁では中田翔を132キロチェンジアップで投ゴロ併殺に。一番のピンチとなった五回1死満塁では大城卓をスライダーで二ゴロ併殺に仕留めた。前回登板の反省点であった変化球を修正。お立ち台では「昨日、中村(悠平)さんが前回ふがいないピッチングをして情けなかったと言われたので、今日も中村さんに怒られないように頑張って投げました」と笑顔を見せた。この日はロッテ・佐々木朗、DeNA・今永と、WBC日本代表で共闘した投手陣が先発にそろい踏み。終わってみれば全員が勝利を挙げた。左腕は「ジャパンだけに限らず自分も頑張りたい。しっかりチームを勝たせられるような投球をしていきたい」とさらなる高みを見据えた。

◆巨人は今季4度目の零封負けを喫した。ヤクルト先発・高橋の前に6回まで散発3安打。それでも3四球を奪うなど、走者を塁に出したが、5併殺と拙攻が目立ち1点が遠かった。原監督は「なかなかつながらなかったですね」と頭をかいた。先発のビーディも5回2失点で3敗目。昨季のリーグ覇者との今季初対戦で敗れ、借金6。投打がかみ合わず最下位に転落した。

◆ヤクルトが3連勝。一回にオスナの右前適時打で先制すると、二回は武岡の左前適時打、七回はサンタナの右越え適時二塁打で加点した。先発の高橋は6回無失点の好投で2勝目(1敗)を挙げた。高橋のヒーローインタビューは以下の通り。--ピッチングを振り返って「昨日中村さんが、前回不甲斐ないピッチングをして情けなかったと言われたので、今日も中村さんに怒られないように頑張って投げました」--中村捕手のリードは「サインがいつも一致してすご投げやすく、今日も内野手の方にゲッツーを4つ取ってもらって、良いリズムで投げられました」--どんな思いで試合に「しっかり調整もできましたし、8日空いたということで昨日も中継ぎがみんな投げていたのでなんとか長いイニングを投げようと思っていました」--今季の投手陣「田口キャプテンを筆頭に本当に良いチームワークで、ピッチャー陣は頑張っていると思うので、僕もその流れに乗って投げれたので良かったです」--今季の目標勝利数は「目標はしっかり2桁勝ちたいなと思っているので、一戦一戦頑張って投げたいなと思います」--WBCの経験は生きているか「本当に勝つって良いなと思ったので、またスワローズでリーグ3連覇と日本一奪還を目指しているんで、それに目指して頑張りたいと思います」--ファンに向けて「いつも熱いご声援ありがとうございます。明日明後日は土日なのでまた満員御礼でいっぱいにして、僕たち勝つので応援よろしくおねがいします」

◆ヤクルトが3連勝でセ・リーグ10勝一番乗り。単独首位に浮上した。高津臣吾監督(54)の試合後の主な一問一答は以下の通り。――先発・高橋の出来は「注文をつけるところはいくつかありますね。ストライクボールがはっきりしていて、球数が増えていくという所を考えると、球威であったり、変化球があればもっとゾーン内で勝負したりとかね。それができるようになってきているのは確かですけど、もっともっと次のレベル、次の段階にいこうとするには、ストライク先行の投球というのは必要になってくるのかなと思いますけどね。まあ、でも、あそこまでゼロでいったので、合格だと思います」――それだけ求めるものが高い「そうですね。彼のポテンシャルを考えるとこんなもんじゃないと思っているので、ほんとに大きく育てなきゃいけないと思っているので、もちろん要求することは多いですね」――今年初めての巨人戦。印象は「たくさん勉強してビデオも見て、相手投手も3連戦初めて、3つ目(23日)はあれですけど、(21、22日の先発は)外国人外国人でわからないことだらけ。投げる方、バッテリーの方もなかなか対戦がここまでなかったので、データとか資料とかもなくて。まあなくはないですけど、こうやってゲームを重ねていくことがいろんな引き出しを詰めていく作業だと思っていますので、きょう、いろんな問題というのをしっかり洗って、明日に備えたいなと思います」――今季10勝目。セリーグ一番乗り「そう(笑) 11勝目を目指します」――今季6度目の完封勝利。投手陣の頑張りについては「リリーフは毎日投げるのが仕事ですし、先発はゲームを作るのが仕事ですし、まあしっかり、なんて言ったら良いんですかね、まだ始まったばかりなんで何とも言えないですけど、よく頑張っているというのは間違いないと思います。その程度にしておきます」

◆下半身の違和感で先発メンバーから外れた巨人・丸佳浩外野手(34)が九回1死一塁で代打で出場し、一塁併殺打に倒れた。19日のDeNA戦(佐賀)の四回の走塁で脚に異変が生じたとみられ、途中交代。この日は試合前にフリー打撃を行ったが、守備練習は実施しなかった。原監督は「思ったほど(状態は)悪くない」と明かすも「スタメンは難しいでしょう」と説明。大久保打撃チーフコーチは「体の状態が良くなれば、スタメンでいきますけど、今は無理はさせない」と話した。

◆?ヤクルトのリーグ10勝一番乗りは、1951年(同年の最終順位は5位)、66年(同5位)、95年(同1位)、97年(同1位)、2011年(同2位)、19年(同6位)に次いで4年ぶり7度目。リーグ優勝した95、97年は日本一にも輝いた。?無失点勝利は18日の中日戦(○2-0、松山)以来で、今季両リーグ最多の6度目。開幕17試合目までに6度記録したのは、39年の阪急、44年の巨人、69年の阪神と並ぶ最多回数。

◆山田さん、負けません!! 青森・八戸学院高から入団4年目のヤクルト・武岡龍世内野手(21)が2試合連続で「1番・二塁」で先発出場し、二回に巨人・ビーディから左前適時打。今季初打点で勝利に貢献し、笑みを浮かべた。「全部アピールの場だと思っているので、ヒットを打てたことだったり、打点をとれたことが大事だと思っている」狙い通りのスイングだった。二回の攻撃前、ベンチ前で円陣を組み、ナインは大松打撃コーチから「低めの球を捨てて高めの球を打っていこう」と指示を受けた。カウント1―1からの3球目、高めの速球を捉え「ミーティング通りにできて良かった」。起用に好結果で応えた。正二塁手の山田が試合中のプレーで下半身を痛めて離脱中。武岡は「そこに少しでも食い込んでいくようにと思っている。挑んでいきたい」と力強かった。(赤尾裕希)

◆スタンドのファンは、ため息に次ぐため息。巨人は5併殺打と拙攻の嵐で、今季4度目の零敗を喫した。原辰徳監督(64)は「なかなかつながらなかったですね」と嘆いた。昨季3勝を献上した高橋の球威に押された。痛恨だったのは2点を追う五回だ。無死一、二塁で吉川がバントを失敗し捕邪飛。思わず頭を抱えた指揮官は「あそこの場面がね」と悔やんだ。ブリンソンの中前打で1死満塁と好機を広げたが、続く大城卓が二ゴロ併殺打に倒れた。ゲーム差なしで並んでいた中日と入れ替わり、再び最下位に転落。川相総合コーチは「どうしたら外野フライ(犠飛)を打てるか。僕らは準備を手伝えるけど、打席では何もできない」と指摘した。正念場を乗り越えるため、それぞれが打開策を見いだしたい。(鈴木智紘)

◆両軍の打線の差はどこにあったのか。「工夫」の2文字に尽きるね。巨人の5併殺打。紙一重で結果がそちらに転んだのだから、仕方ないにしても、1番から8番まで全員、ホームランバッターかと思うほど、ブリブリ振り回す。バットを短く持つとか、ボールに食らいついて粘るとか、いやらしく、ねちっこいタイプがいない。そもそも試合前のチーム打率は・231しかなかった。普通に打っている場合ではないだろう。一か八かで走者を動かすとか、きっかけをつかむ策も必要だよ。さて、スコアボードで視線をずらすと、ヤクルトの数字だって驚くほど低い。同じく試合前のチーム打率は、なんと・184。この日も安打は5本だけ。それでいて、効率よく3点を奪った。打者が三振しても走者が盗塁を決めて、先制点につなげる。スリーバントでしっかり送って、3点目を呼ぶ。はたまたセーフティーバントの構えで、バッテリーを揺さぶる。なんとかしようという姿勢が随所にみえる。その差が、最下位と首位という順位に、はっきりと分かれているね。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
1061 0.625
(↑0.025)
-
(-)
12643
(+3)
32
(-)
8
(-)
18
(+2)
0.184
(-)
1.770
(↑0.11)
2
(1↑)
DeNA
960 0.600
(↑0.029)
0.5
(-)
12850
(+1)
44
(-)
11
(-)
3
(-)
0.251
(↓0.007)
2.830
(↑0.2)
3
(2↓)
阪神
971 0.563
(↓0.037)
1
(↓1)
12651
(+1)
53
(+4)
5
(-)
12
(-)
0.230
(↓0.004)
2.900
(↓0.09)
4
(-)
広島
980 0.529
(↓0.034)
1.5
(↓1)
12651
(-)
49
(+1)
11
(-)
4
(-)
0.229
(↓0.002)
2.710
(↑0.12)
5
(1↑)
中日
6100 0.375
(↑0.042)
4
(-)
12742
(+4)
51
(+1)
4
(-)
4
(-)
0.250
(↓0.001)
2.820
(↑0.13)
6
(1↓)
巨人
6120 0.333
(↓0.02)
5
(↓1)
12551
(-)
59
(+3)
15
(-)
1
(-)
0.230
(↓0.001)
3.080
(↓0.02)