阪神(★5対7☆)広島 =リーグ戦5回戦(2023.04.20)・阪神甲子園球場=
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広島
2003000207910
阪神
31000000151310
勝利投手:ケムナ 誠(1勝0敗0S)
(セーブ:栗林 良吏(0勝2敗6S))
敗戦投手:西 純矢(1勝2敗0S)
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◆広島は初回、マクブルームの適時打などで2点を挙げ、先制に成功する。その後逆転を許すも、4回表には代打・松山の走者一掃となる適時二塁打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、2番手・ケムナが今季初勝利。敗れた阪神は、先発・西純が乱調だった。なお、この試合で広島・松山が通算500打点を達成した。

◆阪神井上広大外野手(21)が、貴重な同点適時打を放ち、スタメン起用に応えた。2試合連続で「6番右翼」で先発出場。1点を追う初回1死満塁のチャンスで、カウント1-1からの3球目、広島アンダーソンの内寄り高め151キロ直球を右前にはじき返し、同点の走者を本塁にかえした。2試合連続ヒットで、試合を振り出しに戻した。この日は同学年で同期入団の西純矢投手が先発で、「純矢が頑張って投げてくれていましたし、こうやって1軍で一緒に試合に出られるのも初めてなので、なんとか援護することができてよかったです」と喜んだ。タイムリーヒットは20年10月16日ヤクルト戦(甲子園)以来2年半ぶり。直後に梅野の遊撃への内野ゴロで逆転に成功した。

◆阪神大山悠輔内野手(28)が、12試合44打席ぶりのタイムリーを放った。1点リードの2回1死満塁。広島アンダーソンの甘く入った変化球を捉え、左前へ。リードを広げる一打となった。16日の敵地DeNA戦では今季1号アーチを放っていたが、久々の適時打に「(西)純矢が粘り強く投げていたので、少しでも多く点を取ってあげたいという気持ちでした。しっかり振り切ることができたと思います」とコメントした。初回1死一塁からも左前打を放っており、8試合ぶりのマルチ安打とした。

◆広島松山竜平外野手(37)が代打で走者一掃の逆転3点二塁打を放った。2点を追う4回1死満塁で代打登場。1ボール1ストライクから西純の低め直球をミートし、中堅フェンス直撃の大飛球で走者3人を生還させた。「流れが悪かったので、流れを変える一打が打てて良かったです」代打を主戦場とする今季はこれで5打数3安打の打率6割。「代打の神様」を地で行っている。

◆阪神の先発西純矢投手(21)が、4回途中6安打で自己ワーストの5失点でKOされた。初回にいきなり無死満塁のピンチを招き、マクブルームに中前打を浴びるなどして2失点。直後に味方打線が逆転に成功し、2、3回は立て直して無失点に抑えた。しかし4回に連打と四球で再び無死満塁のピンチを招き、田中を二飛に打ち取るも、1死満塁から代打松山に左中間を破られる走者一掃の3点適時二塁打で一気に逆転を許し、直後に投手交代を告げられた。西純は球団を通じ「野手の方が逆転してくれたにもかかわらず、粘ることができませんでした。先発としての仕事ができず申し訳ないです」とコメントした。

◆阪神糸井嘉男スペシャルアンバサダー(SA、41)の「絶叫解説」にSNSも盛り上がった。試合開始から終了まで放送するサンテレビの「サンテレビボックス席」にゲスト解説者として出演。2回2死満塁から井上が特大ファウルを放つと「ワァー!」と絶叫した。4回大山の打席でも声を上げる場面があった。解説では21歳井上について「どういう選手か?」と問われて「好きです!」と即答。同じ近大出身で現役時代からかわいがる佐藤輝については「いろいろ言われてますけど、まだ始まったばかり。元気を出してやったらそれだけでいいと思います」と背中を押した。後輩たちを優しいまなざしで見守るような解説。さらに一般のファンのように試合を楽しむ姿に、SNSも反応。「糸井さんの解説最高~」「糸井さんの解説は楽しいな」「糸井さんのリアクション面白い」など、好意的なコメントが相次いだ。

◆阪神近本光司外野手ののバットが止まらない。1回に2点を先取されたがその裏、先頭で右前打で反撃ののろしを上げた。2回にも1死から内野安打で出て4点目のホームを踏んだ。4回にもヒットを放ち、19日の3打席目から5打席連続安打は自己最長タイだ。近本は「自分のイメージ通りの球が来ているからヒットになっているだけなんで」と淡々。その後2打席は凡退したが、今季2度目、通算55度目の猛打賞で打率を3割に乗せた。

◆阪神の先発西純矢投手(21)が、4回途中を自己ワーストの5失点で今季2敗目を喫した。2点リードの4回、連打と四球で無死満塁のピンチを招いた。田中を二飛に打ち取るも、代打松山に左中間を破られる走者一掃の3点適時二塁打で一気に逆転を許し、そのまま投手交代。右腕はマウンドからうつむいたままベンチに下がった。「野手の方が逆転してくれたにもかかわらず、粘ることができませんでした。先発としての仕事ができず申し訳ないです」立ち上がりから苦しんだ。初回先頭から2連打、四球で無死満塁とされると、マクブルームに中前へのポテンヒットを浴び先制点を献上。続く西川にも左犠飛を許して2点目を失った。その裏、味方打線が3点を奪い逆転に成功。2、3回は立て直したが、4回に試合をひっくり返された。リベンジを果たすことはできなかった。これで広島戦は5回3失点で今季初黒星を喫した6日に続き、2戦2敗。生まれ育った地元の球団に苦戦を強いられている。プロ入り後セ・リーグでは広島以外の4球団から勝ち星を挙げており、セ界制覇はまたしてもお預けとなった。岡田監督は「普通は立ち直るけどなあ。5回までのでもな」と険しい表情。今季登板3試合で本来の投球ができていない右腕に「3回目やけど、ほとんどおんなじやで。立ち上がりから」と指摘した。次回登板については「いやいや、まだそんなわからへん。いま終わったばかりで」と話すにとどめた。この日は19年ドラフト同期組の井上、及川と3人が初めて1軍の同じ舞台に立った。井上は初回に1死満塁から右前への同点タイムリーを放ち、及川は6回に3番手で登板し、1回無失点と力投。高校時代に甲子園を沸かせた同学年3人そろった記念すべきゲームで、勝利を飾ることはできなかった。【古財稜明】

◆阪神の前日の勝利の立役者・佐藤輝明外野手(24)が不発に終わった。走者を置いて4度、打席に立ったが、出塁したのは1回1死一、二塁の場面だけ。2回は1死満塁で空振り三振。同点、逆転の期待がかかった9回無死一、二塁では左飛に倒れた。佐藤輝は「打ててないんで、また明日から頑張ります」と言葉少なに話した。

◆広島新井貴浩監督(46)が守護神の栗林良吏投手(26)に熱いゲキを飛ばし、息を吹き返させた。3点リードの9回裏に栗林良吏投手(26)を投入した。守護神は2日前の18日に逆転サヨナラ打を浴びるなど、試合前時点で今季阪神戦2戦2敗。それでも信頼して送り出した。栗林が先頭から3連打で2点差に迫られると、なおも無死一、二塁の場面で指揮官が就任後初めてマウンドへ。「おまえが打たれたら本望だから、思い切って投げろ」と声をかけると、守護神は後続2人で3アウトをもぎ取った。苦しい展開だった。1回表に4番ライアン・マクブルーム内野手(31)の中前適時打などで2点を先制。先発のドリュー・アンダーソン投手(29)が2回8安打4失点の大乱調で試合をひっくり返された。それでも2点を追う4回無死一塁、16打席連続無安打中だった6番マット・デビッドソン内野手(32)が左前打でチャンスを拡大。1死満塁から代打の松山竜平外野手(37)が中堅フェンス直撃の逆転3点二塁打を決めた。リリーフ陣は3回以降ゼロ封リレーを続け、最後は栗林が耐えた。指揮官としては3試合目で甲子園初星となり、3連敗を阻止。阪神時代の古巣でもある聖地での初勝利に「普通にうれしい。選手から3連敗だけは絶対にしないという気迫が伝わってきた。今日の勝ちはチームを成長させると思う」と胸を張った。▽広島松山(2点を追う4回1死満塁で代打登場し、走者一掃の逆転3点二塁打で通算501打点に)「(準備は)結構急ぎでしたけど、いつでもいけるようにしていました。とにかく抜けてくれと思っていました」

◆阪神が逆転負けし広島に同一カード3連勝はならなかった。先発西純矢投手(21)は自己ワーストの5失点で4回途中でKOされた。岡田彰布監督(65)は「そら誤算やろ」と嘆いた。試合後の一問一答は以下の通り。-最後の攻撃は雰囲気があった「いや、そらあるどころちゃうやろ。(点差は)2点までや言うとったけどなあ。3点じゃきつかったなあ」-1回に逆転したが、先発の西純が粘れなかった「いやいやそらもう、普通は立ち直るけどなあ。5回までのでもな」-4回途中5失点。ずっとよくないといっていたが内容も同じ「いやいや、だからおんなじことをな、(開幕から)3回か。3回目やけど、ほとんど同じやで。立ち上がりから」-ストライクとボールがはっきりしている「いや、ずっと言ってるやん、それもな。コントロールよ」-西純の次回は「いやいや、まだそんなわからへん。わからへんけど。いま終わったばかりで」-ピリッとした姿を見せてくれないと「いやいや、見えてないやろ? なあ」-打線はつながりは出てきた「流れ的にはな、逆転したからな。あそこでピッチャーが踏ん張れば、すんなり行ったと思うけどな」-大山にも「まあそらヒットはな。上がってこんものもおるけどな」-欲を言えば2回に突き放したかった「あそこもそうやけど、最後もそうやけどな、ボール球をやっぱり。パッと途切れてしまうよな。まあ、5(番)、6(番)でどっちが打たなあかんねん。普通に考えても(笑い)」-井上にも初打点「井上の立場からするとな、あないして打点ついてなあ、どういう当たりであろうとな、そらな」-1、2番もチャンスメークしてる「おお、流れ的にはなあ、打つ方はな、上がってくると思うけどなあ」。-4回は先頭近本が出たが、点差が開いて動きづらかったか。「いやいや、なかなか走れんからなあ。もうそんなん言い出したら、きりないねんけど」。-及川はいい投球「まあ、(今季)初めてやからなあ。及川にしても。富田の方がな、ずっと投げとったからな。まあ、回またぎでな。(及川は)できれば1回いうのもあったからな。打順も入れ替えんかったけど。だから、あの、石井ももう(登板間隔が)6日開いとったからな。1点差やからな。それで投げさせたんやけどな。負けてる時に投げさせたくないけど、1点だし、東京ドームから投げてなかったからな。横浜も。あんまり開きすぎてもなというところがあったからな。開きすぎた影響があったやろうな」-このところ先発がずっと頑張ってという勝ちパターンだった。西純は誤算「そら、誤算やろ。誰が見ても誤算やん。そら西純が一番分かっとるんちゃう。先発があんだけ長いイニング投げてるていうことは。そういうことやろ。それで立ち上がりからああいうピッチングになるわけやからな。そら、しょうがないわ。ある程度抑えていったら、(打線が)点取れるようになったというのは分かるわけやんか。どんだけ辛抱して投げたら自分に勝ち投手がつくかって、そんなの当然のことやんか」(歩きながら)-西純は下の投手との比較か「分からん言うてるやん。本人がどう思ってるかやろうなあ」

◆広島新井貴浩監督(46)は穏やかな笑みを浮かべながら、栗林良吏投手(26)のもとへゆっくり歩いた。9回裏。守護神は先頭から3連打を食らい、2点差に迫られていた。なおも無死一、二塁。動揺を隠せない守護神の腰に手を置き、冷静に、熱い言葉を伝えた。「おまえで打たれたら本望だから。思い切って腕を振ってこい」3点リードの9回裏、栗林を投入した。守護神は試合前時点で今季阪神戦2戦2敗。2日前の18日には逆転サヨナラ打を浴びていた。それでも迷わず送り出した。ピンチを招いても、信頼は一切揺るがなかった。「彼の野球に対する向き合い方だったり...。彼が背負っているものを自分はすごく感じているので、正直な気持ちを伝えた」現役時代は広島、阪神で主軸を張り続けた。「チームの顔」の重圧を人一倍知る男だから、覚悟を決められた。就任後初めてマウンドに向かった直後、栗林は後続2人で3アウトを奪った。「新井さんの言葉でいい意味で開き直れた。もうやるしかない、という気持ちになれた」。そう感謝した右腕を「それは彼の力でしょう」とねぎらった。選手を信じ抜いた末の3連敗阻止だ。1回表に2点を先制しながら、先発アンダーソンが2回8安打4失点と大誤算。逆転のきっかけは悩める男の一打だった。2点を追う4回無死一塁、15打席連続無安打でも変わらずスタメン起用した6番デビッドソンの左前打からチャンスを拡大。代打松山の逆転3点二塁打を呼び込んだ。救援陣は3回以降の6イニングを無失点リレー。信じた新助っ人が、守護神が信頼に応えてくれた。指揮官3試合目での甲子園初星。何より内容に納得顔だ。「普通にうれしい。選手から3連敗だけは絶対にしないという気迫が伝わってきた。まさにチーム一丸の勝利。今日の勝ちはチームを成長させると思う」4位ながら首位に0・5ゲーム差まで肉薄。新井カープが再び上昇気流に乗りそうな気配だ。【佐井陽介】

◆阪神西純矢投手(21)の2軍降格が濃厚になった。先発で4回途中を自己ワーストの5失点で今季2敗目。2点リードの4回、連打と四球で無死満塁のピンチを招いた。田中を二飛に打ち取るも、代打松山に左中間を破られる走者一掃の3点適時二塁打を浴び一気に逆転を許した。そのまま投手交代を告げられ、マウンドからうつむいたままベンチに下がった。「野手の方が逆転してくれたにもかかわらず、粘ることができませんでした。先発としての仕事ができず申し訳ないです」立ち上がりから苦しんだ。初回先頭から2連打、四球で無死満塁とされると、マクブルームに中前へのポテンヒットを浴び先制点を献上。続く西川にも左犠飛を許して2点目を失った。その裏、味方打線が3点を奪い逆転に成功。2、3回は立て直したが、4回に試合をひっくり返された。カープ打線にリベンジを果たすことはできなかった。広島戦は5回3失点で今季初黒星を喫した6日に続き、2戦2敗。生まれ育った地元の球団相手に苦しい投球が続いた。プロ入り後セ・リーグでは広島以外の4球団から勝ち星を挙げており、セ界制覇はまたしてもお預けとなった。3試合連続失点で防御率は5・65まで膨らんだ。岡田監督は「普通は立ち直るけどなあ。3回目やけど、ほとんどおんなじやで。立ち上がりから」と指摘。直近は先発が踏ん張り、少ない得点で勝利を重ねてきただけに「そら誰が見ても誤算やん」と語気を強めた。ファームでは左肩違和感で出遅れている伊藤将が昇格を目指しているが、西純の今後の処遇については「まだ分からへん。本人がどう思ってるかやろなあ」と話すにとどめた。先発ローテーションの一角として期待された今季。21歳の右腕が苦境に立たされた。

◆信念の聖地初星だ。広島新井貴浩監督(46)が猛ゲキで守護神の栗林良吏投手(26)を立ち直らせ、指揮官として甲子園初勝利を手にした。3点リードの9回裏、今季阪神戦2戦2敗だった栗林を迷わず投入。3連打で2点差に迫られると、就任後初めてマウンドへ。「お前が打たれたら本望」と伝え、後続を断ち切らせた。選手を信じ抜くスタイルで3連敗を阻止。再び首位に0・5ゲーム差まで迫った。新井監督は穏やかな笑みを浮かべながら、栗林のもとへゆっくり歩いた。9回裏。守護神は先頭から3連打を食らい、2点差に迫られていた。なおも無死一、二塁。動揺を隠せない守護神の腰に手を置き、冷静に、熱い言葉を伝えた。「お前が打たれたら本望だから。思い切って腕を振ってこい」3点リードの9回裏、栗林を投入した。守護神は試合前時点で今季阪神戦2戦2敗。2日前の18日には逆転サヨナラ打を浴びていた。それでも迷わず送り出した。「彼の野球に対する向き合い方だったり、彼が背負っているものを自分はすごく感じているので」。現役時代は広島、阪神で主軸を張り続けた。「チームの顔」の重圧を人一倍知る男だから覚悟を決められた。就任後初めてマウンドに向かった直後、栗林は後続2人で3アウトを奪った。「新井さんの言葉でいい意味で開き直れた。もうやるしかない、という気持ちになれた」。そう感謝した右腕を「それは彼の力でしょう」とねぎらった。2点を追う4回は15打席連続無安打でも先発起用した6番デビッドソンの左前打から逆転劇が生まれ、中継ぎ陣は3回以降の6イニングを無失点リレー。指揮官3試合目での甲子園初星。何より内容に納得顔だ。「普通にうれしい。選手から3連敗だけは絶対にしないという気迫が伝わってきた。まさにチーム一丸の勝利。今日の勝ちはチームを成長させると思う」4位ながら首位とは0・5ゲーム差。新井カープが再び上昇気流に乗りそうな気配だ。【佐井陽介】

◆阪神が広島に同一カード3連勝を逃し、リーグ最速10勝到達はお預けとなった。首位はキープしたが、ヤクルトに並ばれた。痛い逆転負けだが、明るい材料はあった。「6番右翼」で先発した井上広大外野手(21)が初回に916日ぶりにタイムリーを放った。19日の初スタメンから2戦連続安打。将来の大砲候補が打線に活力を与えた。同一カード3連勝は逃した。リーグ最速10勝到達もお預けになった。それでも暗くなる必要はない。最終回に見せた追い上げムード。そして、将来の大砲候補の井上が、本拠地で快音を響かせた。1点を追う初回1死満塁。広島アンダーソンの内角直球をフルスイング。詰まりながらも、右前に運び、一時同点の適時打を放った。20年10月16日のヤクルト戦以来となるタイムリー。満員のスタンドはお祭り状態になった。「(西)純矢が頑張って投げてくれていましたし、こうやって1軍で一緒に試合に出られるのも初めて。強引にならず、しっかりバットも内から出てたのでいい安打になった」先発西純は19年ドラフト1位で、井上は2位。ポジションは違うが、同じ高卒の同期入団として2軍時代から互いに支え合ってきた大切な仲間だ。初回のタイムリーの直後、井上はベンチ前の西純らナインに向け笑顔でガッツポーズ。西純もグラブをたたいて喜んだ。沖縄・宜野座での春季キャンプで、井上は1軍の実戦7試合で3本塁打の活躍。岡田監督から「野手MVP」に選ばれた。開幕こそ2軍スタートとなったが、決してマイナスには捉えなかった。「下(2軍)で結果を出さないと、1軍でも結果が出ない。いつでも出られる準備をするだけです」。一時期、2軍戦では1試合3三振と苦戦したが、必死にもがいて乗り越えた。ウエスタン・リーグで打率2割5分8厘、4本塁打と成績を残し、ドラフト1位森下との入れ替わりで1軍昇格をつかんだ。首脳陣から、打線のカンフル剤として期待されていた。前日19日の今季初先発から2試合連続安打。岡田監督も「井上の立場からするとあないして打点ついてなあ、どういう当たりであろうとな」と目を細めた。低迷していた打線も2試合11得点。「打つほうは上がってくると思うけどな」と指揮官も手応え十分だ。井上は2回2死満塁で空振り三振に倒れるなど、その後の打席は沈黙。「チャンスで1本出るか出ないかで、本当にゲーム展開が違ってくる。もっと打てるようにやっていきたい」と納得しない。高卒4年目の若虎がガムシャラにバットを振り、猛虎打線に活気を与える。【三宅ひとみ】井上の前回適時打 20年10月16日ヤクルト戦(甲子園)の8回無死一塁から代打で登場。左腕久保から右中間へ適時二塁打を放ち、プロ初安打で初打点を記録した。阪神の高卒新人野手で打点を記録したのは74年の掛布雅之以来46年ぶり。「まさか、1年目でこの舞台に立てると思っていなかった」と振り返り、あいさつ代わりの一打で甲子園を沸かせた。2月1日 2年ぶりの1軍宜野座キャンプスタート2月15日 練習試合の楽天戦(金武)で今季実戦1号となる左中間へ特大の3ラン。2月27日 1軍キャンプ打ち上げで野手MVPに選出。岡田監督も「一皮むけたっていうかね。やっとなんかつかんだというか」。沖縄での1軍実戦では7試合でチームトップの3本塁打、10打点を記録。3月16日 打席数確保のため2軍へ降格。岡田監督は「まだ決定したわけじゃないからな」と意図を説明した。3月18日 ウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)で2打席連続本塁打。いずれも直球を捉え、「真っすぐを打てたのは良かった。2本目はクイックピッチ。うまく反応できた」。4月18日 ドラ1新人の森下と入れ替わる形で今季初の1軍昇格。この日は出場機会はなかったが、「チームの戦力になれるように。出番があれば準備して、しっかり自分のできる100%を出せたら」。4月19日 広島戦(甲子園)で今季初スタメンで初出場。5回の第2打席に右前打を放ち、「なんとか次につなげたい気持ちだった。これからも結果を出し続けていきたい」。

◆阪神及川雅貴投手(22)が今季初登板し1回無安打無失点に抑えた。甲子園のマウンドは2年ぶり。6回にリリーフカーに乗って姿を見せると、横浜高校の先輩でタレントの上地雄輔(44=アーティスト名は遊助)が昨年、及川のためにアレンジしてくれた「オセロ」が初めて流れた。先頭デビッドソンにこの日最速の151キロ直球で空振りを奪い、スタンドから大歓声。3球で右飛に仕留め、続く坂倉は四球も、田中、会沢も直球で右飛に打ち取った。「だいぶ緊張しました。ボールが先行しましたが、ある程度まとまって投げられてよかったかなと思います」と振り返った。1軍登板は昨年8月4日の巨人戦(東京ドーム)以来。21年に中継ぎで39試合に投げ、昨季は先発転向しさらなる飛躍を目指した。だが、中継ぎ再転向し、オープン戦で右脇腹筋を挫傷。登板わずか1試合と不本意なシーズンとなった。今季は2軍で3試合、8回2/3を無失点と結果を残し、湯浅に代わり18日に昇格。この日は19年ドラフト組の1位西純、2位井上、3位及川と3人が初めて同じ1軍の舞台に立った。甲子園を沸かせた同学年がそろった記念すべきゲームから再び1軍定着を目指す。【石橋隆雄】4番大山が勝負強さを発揮した。1点リードの2回1死満塁。広島アンダーソンのカットボールを左前へ運ぶ適時打を放った。「(西)純矢が粘り強く投げていたので、少しでも多く点を取ってあげたいという気持ちでした」。1打席目にもノイジーの犠飛の後、好機を広げる左前打を放つなど猛打賞をマーク。だが、8回に今季チーム初となる適時失策で点差を広げられ「きょうはあのエラーがすべてなので、申し訳ないです」と、敗戦の責任を背負った。ドラフト6位の富田が甲子園デビューで快投した。逆転を許して迎えた4回1死二塁の場面で2番手登板。菊池、野間をともに遊ゴロに仕留めると、続く5回も秋山らクリーンアップを抑えた。1回2/3を無安打無失点。「(4回は)1点差だったので、これ以上は点をやれないと思って投げていた」と踏ん張った。大垣商(岐阜)時代は無名の存在だったが、甲子園を沸かせた西純、井上らとは同学年。あこがれの聖地で存在感を示した。

◆信念の聖地初星だ。広島新井貴浩監督(46)が猛ゲキで守護神の栗林良吏投手(26)を立ち直らせ、指揮官として甲子園初勝利を手にした。3点リードの9回裏、今季阪神戦2戦2敗だった栗林を迷わず投入。3連打で2点差に迫られると、就任後初めてマウンドへ。「お前で打たれたら本望」と伝え、後続を断ち切らせた。選手を信じ抜くスタイルで3連敗を阻止。再び首位に0・5ゲーム差まで迫った。広島新井監督は現役時代の涙を今も忘れていないはずだ。プロ1年目のあるゲームで一飛を落球した直後のベンチ。当時の達川監督が「あんなヤツ、代えろ! もう2軍に落とせ!」と激怒する中、西田打撃コーチが「あと1打席だけお願いします。僕が責任を取りますから」と頭を下げていた。その直後、崖っぷちの打席でヤクルト川崎から右翼へアーチを放った直後、ダイヤモンドを回りながら涙が止まらなくなったそうだ。「西田さんの言葉が聞こえてきた時点でもうグッと来ていてね。ホームランの後、ベンチ裏でもまた泣いてしまって、金本さんにだいぶちゃかされたよ」照れ笑いで当時を振り返っていた指揮官。監督になった今、信頼がどれだけ選手を震い立たせるのかをよく知っている。【野球デスク=佐井陽介】

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神・井上広大外野手(21)が2試合続けて「6番・右翼」で先発。今季初スタメンだった19日は、1軍公式戦で915日ぶりとなる安打を放ち、先制点をお膳立てした。2夜連続の活躍に期待が懸かる。先発は今季1勝1敗の西純矢投手(21)。前回広島と対戦した6日の登板では、5回3失点で降雨コールドとなり、敗戦投手に。リベンジと今季の甲子園初勝利を狙う。

◆阪神・渡辺諒内野手(27)が、試合前練習で本職ではない一塁でノックを受けた。「延長とかで代走とか送られて、誰が守るんだと(なることもある)。練習しておくに越したことはないし、できないよりはできた方がいいので」と説明した。日本ハム時代には一塁を守った経験があり、「いろんなところを守れた方がセ・リーグに関しては得だと思う」と不測の事態に備える。

◆先発の阪神・西純矢投手(21)が、試合開始直後の一回に2失点を許した。先頭の菊池に左前打、続く野間に中前打を許して打率・455と絶好調の秋山と対戦。決め球をことごとく見切られ、四球で無死満塁のピンチを招いた。無失点で切り抜けたいところだったが、4番・マクブルームの中前へポトリと落ちる適時打で1点を失い、続く西川にも左犠飛で1点を追加された。デビッドソンを中飛、坂倉を一ゴロに打ち取って2失点でとどめたが、3アウトまで30球を擁する苦しい立ち上がりとなった。

◆阪神が0-2の一回、3得点を奪って逆転に成功した。先頭の近本、続く中野がともに右前打で出塁。無死一、三塁から3番・ノイジーの右犠飛で1点を返すと、大山の左前打、佐藤輝の四球で1死満塁とした。ここで2日続けて「6番・右翼」で先発出場した井上広大外野手(21)が広島・アンダーソンの3球目をたたいて右前適時打を放ち、同点に追いついた。さらに7番・梅野のが放った遊ゴロで三走が生還し、この回3得点で勝ち越した。阪神は2連勝中で、この試合に勝てばリーグ最速で10勝に到達する。

◆阪神が3-2の二回に1点を追加した。一死から1番・近本が2打席連続の右前打で出塁。中野も中前打で続くと、ノイジーが右翼へ大きく打ち上げた当たりも風に戻されて右翼手の前に落ち、1死満塁のチャンスを迎えた。ここで打席に入ったのは4番・大山悠輔内野手(28)。広島の先発・アンダーソンの4球目カットボールをたたき、左前へ運ぶ適時打で1点を追加した。大山は16日のDeNA戦(横浜)で放った本塁打以来、3試合ぶりの打点で4番の役割を果たした。

◆阪神の先発・西純矢投手(21)が4-2の四回に3点を失い、この回途中でマウンドを降りた。この回先頭の5番・西川、続くデビッドソンに左前打を浴び、坂倉に四球を与えて無死満塁。8番・田中は二飛に打ち取り、投手の打順で代打・松山を迎えた。3球目に投じた真ん中低めの速球を痛打され、打球は中堅の頭を越えてフェンス直撃の二塁打に。3人の走者全員が生還し、逆転を許した。西純はここで交代を告げられ、マウンドには2番手でドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=が上がった。菊池と野間をいずれも遊ゴロに抑え、さらなる失点は防いだ。

◆力を込めた直球を打ち砕かれ、押し殺せない悔しさが表情ににじんだ。阪神・西純矢投手(21)が今季最短となる四回途中KO。赤ヘル打線の餌食となり、5失点は自己ワーストとなる炎上だった。「オープン戦から甲子園で投げられていないので、早く投げたいなという気持ちはすごいありましたし、ホームなので、いいイメージを持ってマウンドに上がりたい」そう語っていたが、一回から苦しい投球だった。連打と四球で無死満塁とされ、マクブルームは内角への152キロで詰まらせたものの、力で中前にポトリと落とされて先制点を献上。続く西川にも左翼ファウルゾーンへの犠飛を打たれ、さらに1点を失った。得意のフォークは明らかなワンバウンドになる場面が多く、攻めの投球は影を潜めた。直後に同学年の井上が右前適時打を放つなど、打線が3得点で逆転してくれたが、それでも立ち直れない。カーブを効果的に使うなどして組み立てて二、三回は無失点で乗り越えたが、2点リードの四回は一回のリプレーを見てるかのように先頭からの連打と四球で無死満塁のピンチ。1死後に代打・松山に中堅フェンス直撃の二塁打で走者を一掃され、4―5とリードを奪われた。ベンチの限界もここまで。3回1/3を6安打5失点。うつむき気味にダッグアウトに引き揚げた。6日の前回対戦(マツダ)は不運にも雨に降られて六回表途中コールドとなり、打線の援護機会も断たれて6安打3失点で5回完投負け。2週間ぶりの再戦はリベンジのマウンドでもあった。西勇と大竹の好投もあって2連勝でバトンが巡り、岡田監督からも「これで自分だけ負けられないでしょ。あした(20日)はね、西(純)もね」と期待をかけられていたが、右腕は流れに乗ることができなかった。(須藤佳裕)

◆阪神のドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=が2番手で登板し、公式戦での甲子園デビュー。1回2/3を投げて無失点と好救援した。4―5と逆転を許した先発の西純のあとを受け、四回1死二塁で登板。1番・菊池、続く2番・野間をともに遊ゴロに仕留めてこのピンチを断った。さらに、クリーンアップとの対決となる五回も続投した。好調の秋山をスライダーで捕ゴロに仕留めてまず1死。マクブルームは得意のカーブで攻めた結果、四球で歩かせることとなったが、多彩な変化球で攻めて西川を投ゴロ併殺打に打ち取りこの回も無失点にしのぎ、虎党からの拍手を浴びた。

◆阪神・及川雅貴投手(22)が3番手として4-5の六回から登板。昨年8月4日の巨人戦以来となる今季の1軍初登板を果たした。この回先頭のデビッドソンを142キロのツーシームで右飛に打ち取り、坂倉に四球を与えた後は田中、会沢をともに直球で右飛に抑えた。17球を投じて最速151キロ。安定した投球で役割を果たした。今季の開幕を2軍で迎えた及川は、右前腕の張りなどを考慮されて1軍登録を抹消された湯浅京己投手(23)に代わり、18日に1軍登録。故障の影響などで1軍での登板が1試合にとどまった昨季からの巻き返しに向け、「去年は悔しい思いをしたシーズンだった。今年はしっかりと1軍の戦力として、先発としても中継ぎとしても両方で貢献していけたら」と意気込んでいた。

◆バットを最後まで振り抜いた分、白球に力が乗った。完璧な当たりではなかったが、気持ちで外野まで運んだ。2試合連続の「6番・右翼」で先発した阪神・井上広大外野手(21)が一時同点となる適時打を放ち、先発登板した同期入団の西純を援護した。「(西)純矢が頑張って投げてくれていましたし、こうやって1軍で一緒に試合に出られるのも初めてなので、なんとか援護することができてよかったです」先輩たちが作った好機を台無しにはできなかった。2点を先制された直後の一回裏の攻撃。無死一、三塁からノイジーの犠飛で1点を返すと、大山が左前打、佐藤輝も四球でつないで1死満塁で打席が回ってきた。カウント1―1からのアンダーソンの3球目、内角高めの151キロ直球をフルスイングすると、白球は右翼手の手前にポトリ。同点打とした。直後に梅野の遊ゴロで三走が生還し、勝ち越しに成功。2020年ドラフト2位の井上が一時逆転を呼び込み、同年のD1位でともに高卒で入団した先発の西純を勇気づけた。4年目の今季、2月は沖縄・宜野座での1軍キャンプに参加し、岡田監督から野手のキャンプMVPに選出されたが、オープン戦の後半では思うように結果を残せず、開幕は2軍で迎えた。18日にD1位・森下(中大)の代役として1軍に昇格すると、19日に今季初スタメンを飾り、3打数1安打で勝利に貢献した。試合前の打撃練習から徹底しているのが低い打球を打つことだ。パワーが自慢の井上だが、柵越えをするような大きな打球はあえて狙わない。浜風のある甲子園ではゴロやライナーを打ちにいく意識でバットを振っている。「(甲子園は)風があるので、低い打球でそれを打ちにいって、打ち損じが間に抜ければいいなと思っている」。一回の適時打は、狙い通りの低い弾道ではなかったが、練習での〝つなぎ〟の意識が試合で生きた。19日に1軍で915日ぶりに安打を放った井上について岡田監督が「Hのランプがつくと野手というものは元気になる」と語っていたように、前夜の勢いそのままに、この日は打点を稼いだ。(織原祥平)

◆広島が逆転勝ちで連敗を2で止めた。一回にマクブルームの適時打などで2点を先制。2点を追う四回に代打松山の3点二塁打で試合をひっくり返した。2番手のケムナが今季初勝利。栗林が6セーブ目。阪神は西純が5失点と粘れず。

◆阪神が逆転負けで今季2度目の同一カード3連勝を逃した。2点リードの四回、西純矢投手(21)が代打・松山竜平外野手(37)に3点二塁打を浴びて、降板。八回は大山悠輔内野手(28)の適時失策もあり、2点を失った。打線は一回に井上広大外野手(21)の同点打など3点を挙げ、二回には大山の適時打で4点目を追加。九回は2点差に詰め寄ったものの、無死一、二塁で佐藤輝明内野手(24)が左飛に倒れるなど好機を逸した。井上はプロ初安打を適時打で記録した2020年10月16日のヤクルト戦(甲子園)以来のタイムリー。及川雅貴投手(22)が1回無失点で、昨年8月4日の巨人戦(東京D)以来の登板を果たした。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=9勝6敗1分、観衆=4万32人)。ーー最後は雰囲気があった「そらあるどころちゃうやろ。2点までや言うとったけどなあ。3点じゃきつかったなあ」ーー一回に逆転したが西純が粘れなかった「そらもう、普通は立ち直るけどなあ」ーー内容も同じ「だから同じことをな、3回か。3回目やけど、ほとんど同じやで。立ち上がりから」ーーストライクとボールがはっきりしている「ずっと言ってるやん、それもな。コントロールよ」ーー次回は「まだそんなわからへん。わからへんけど。今終わったばかりで」ーーピリッとした姿を見せてくれないと「見えてないやろ? なあ」ーー打線はつながりが出てきた「流れ的にはな、逆転したからな。あそこでピッチャーが踏ん張れば、すんなり行ったと思うけどな」ーー大山にも「ヒットはな。上がってこんのもおるけどな」ーー欲を言えば二回に突き放したかった「あそこもそうやけど、最後もそうやけどな、ボール球をやっぱり。パッと途切れてしまうよな。まあ、5(番)、6(番)でどっちが打たなアカンねん。普通に考えても(笑い)」ーー井上にも初打点「井上の立場からするとな、あないして打点ついてなあ、どういう当たりであろうとな、そらな」ーー1、2番もチャンスメークしている「流れ的にはなあ、打つ方はな、上がってくると思うけどなあ」。ーー四回は先頭・近本が出たが、点差が開いて動きづらかったか「なかなか走れんからなあ。もうそんなん言い出したら、キリないねんけど」ーー及川はいい投球「まあ、(今季)初めてやからなあ。及川にしても。富田の方がな、ずっと投げとったからな。まあ、回またぎでな。(及川は)できれば1回いうのもあったからな。打順も入れ替えんかったけど。石井も(登板間隔が)6日あいとったからな。1点差やからな。それで投げさせたんやけどな。負けてる時に投げさせたくないけど、1点だし、東京ドームから投げてなかったからな。横浜も。あんまり、あき過ぎてもなというところがあったからな。あき過ぎた影響があったやろうな」ーー先発が頑張るのが勝ちパターンだった。西純は誤算「そら、誤算やろ。誰が見ても誤算やん。そら西純が一番分かっとるんちゃう。先発があんだけ長いイニング投げてるていうことは。そういうことやろ。それで立ち上がりから、ああいうピッチングになるわけやからな。そら、しょうがないわ。ある程度抑えて行ったら、(打線が)点取れるようになったというのは分かるわけやんか。どんだけ辛抱して投げたら自分に勝ち投手がつくかって、そんなの当然のことやんか」(歩きながら)ーー西純は下の投手との比較か「分からん言うてるやん。本人がどう思ってるかやろうなあ」

◆阪神で1994年に新人王に輝き、米大リーグのアスレチックス、ジャイアンツ、楽天と渡り歩き、日米通算91勝をマークしたサンケイスポーツ専属評論家の藪恵壹氏(54)は八回に2点を失った阪神・石井大智投手(25)の起用法など、湯浅京己投手(23)の離脱後、勝利の方程式が見えないことに言及した。序盤の逆転で広島相手に3連勝の可能性が膨らんだだけに、この敗戦は痛い。八回には大山の失策絡みで失点するなど、嫌なムードで次のカードに臨まなければならない点もマイナス要素だ。気になったのは八回に2失点した石井。明らかに調子は良くなかった。登板間隔の空きすぎが原因だろう。13日の巨人戦(東京D)以来の登板。今シーズン、結果を残してきたが、セットアッパーなどの経験は不足している。若い投手は登板間隔はできるだけ空けずに投げさせるべき。12、13日に連投しているが、たとえば負け試合だったが16日のDeNA戦(横浜)に投げさせて、感覚を維持させてほしかった。石井を大事な場面で投げさせる投手と認識しているのなら、なおさら起用法は考えるべき。そして、一番の疑問は現状で誰がクローザーで、誰がセットアッパーなのか、はっきりしていない点だ。湯浅が離脱して、当面はどういう方程式で臨むのか。岡田監督なら明言しそうなものだが、それが聞こえてこない。岡田監督らしくない気がする。開幕直後、湯浅の前は浜地を想定していたが、不調で2軍落ち。それ以降、セットアッパーは明言されないままだった。石井が浮上したが、今度は湯浅が離脱してしまった。クローザーは誰で、セットアッパーは誰。この2人を明言して、固定していれば、クローザーが離脱した場合、セットアッパーが〝昇格〟すればいい。ところが、決まっていないから、落ち着いた戦いができていない。後ろの2人を確定することが最優先事項だ。

◆阪神・木浪が意地の一打で反撃ムードを作った。4―5の六回先頭で打席に入ると、島内との勝負は9度のファウルを挟む驚異の粘りを発揮し、14球目を左前に運んで上回った。「ああやってヒットで出るということがチームを勢いづける一本になったのでよかった」。10試合連続で遊撃スタメン出場中。名古屋遠征でも場面に応じた結果を残すべく「集中して臨めるようにちゃんと準備していきたい」と意気込んだ。

◆執念見せた!! 阪神は広島に5-7で敗れ、同一カード3連勝ならず。リーグ10勝一番乗りはお預けとなったが、中野拓夢内野手(26)が4-7の九回、先頭で守護神・栗林から反撃の中前打を放つなど今季初の3安打をマークした。チームはヤクルトと並んでまだ首位。これからも最後まであきらめず、粘り強く戦っていく。試合が終わる瞬間まで決してあきらめない。白球が中堅手の後ろへ転がると、中野はアクセル全開で快足を飛ばした。九回に〝栗林撃ち〟で得点を呼び込み、執念を見せた。打って走って守って、敗戦の中でも泥臭く汗をかいた。「追い込まれながらもしっかり対応できたことはよかったかなと思う」序盤に逆転に成功し、四回に試合をひっくり返された殴り合いの展開で最後まで意地を見せたのが中野だった。4―7の九回、先頭で打席に立つと、18日の対戦でサヨナラ打を放った広島の守護神・栗林からチャンスを切り開いた。「九回の先頭(打者)が簡単に終わってしまうと球場の雰囲気もきょうはダメなのかな、という雰囲気になってしまう。そうならないためにも出塁することが大事だなと思っていた」

◆阪神・ノイジーが来日初の複数打点を挙げた。0―2の一回1死一、三塁で右犠飛を放つと、4―7の九回無死三塁では栗林の153キロ直球をしぶとく右前に落とし、計2打点。ただ、試合後は「負けたので関係ない」と悔しさを示した。この日は2安打で打率・306と好調。21日からの中日戦へ「野球をするだけ」と前を向いた。

◆背番号32がまた甲子園で輝いた。井上が一時同点に追いつく適時打で、1軍では916日ぶりの今季初打点をあげた。「強引にならず、バットも内から出ていたのでいいヒットになったかなと思います」今季初出場の前夜に続いて「6番・右翼」で先発し、2点を先制された直後の一回裏。ノイジーの犠飛で1点を返し、なお1死満塁で第1打席を迎えた。広島・アンダーソンの内角高め直球に反応し、右翼手の手前にポトリと落ちる同点打。2020年ドラフト2位の井上が、同年のD1位でともに高卒入団の先発・西純を勇気づけた。初安打の前日に続いて結果を出したが、二回の2死満塁では空振り三振と奮わず。九回1死一、二塁の場面では代打を送られた。「2打席目の三振とか、あそこで1本出るか出ないかでゲーム展開も違うと思う。そういったところで打てるようにやっていけたら」。反省の打席を糧に、さらに大きな結果を目指す。(邨田直人)

◆阪神D6位・富田(三菱自動車岡崎)が甲子園初登板で好投した。逆転を許した先発・西純に代わって、4-5の四回1死二塁で登板。菊池、野間をともに遊ゴロに仕留めてピンチを断った。五回も続投し、好調の秋山らを三者凡退。「1点差だったので、1点もやれないなと思いながら投げた。オープン戦で1回投げているので、いつも通り投げられたかな」と胸を張った。

◆阪神・大山は3-2の二回1死満塁で迎えた第2打席で左前適時打。3試合ぶりの打点でリードを2点に広げた。守備では4―5の八回、無死二塁から一ゴロを後逸。走者が生還する適時失策で、リードを広げられた。九回無死一塁からこの日3本目の左前打を放ったが、逆転にはつながらず。試合後は「きょうはあのエラーがすべてなので、申し訳ないです」と言葉を残して球場を後にした。

◆阪神・佐藤輝は4-2の二回1死満塁でバットが空を切り、追い上げムードが高まった九回無死一、二塁では左飛に倒れた。4打数無安打に終わり、「打ててないので、また明日から頑張ります」と顔を上げた。一回の得点機は四球を選んでチャンスメークしたものの、求められるのは相手バッテリーを震え上がらせる豪快な打撃だ。岡田監督も「まあ、5(番)、6(番)でどっちが打たなあかんねん。普通に考えても(笑)」と奮起を促した。

◆阪神は、中野の前を打つ1番・近本も猛打賞。一回の第1打席は右前打、二回の第2打席は遊撃への内野安打で好機を作って本塁まで生還。四回の第3打席にも中前打を放った。19日の三塁打2本から5打席連続安打。打率を中野に次いでチーム2位の・317とした。「イメージ通りのボールが来ているからヒットになっているだけ。きょうは(思い通りの安打は)ないです」。満足も納得もせず、さらに自身の打撃を追求していく。

◆その人物はキョロキョロしていた。甲子園球場に〝挙動不審〟の男、出現-。「ここへ踏み入れたのは12年ぶりですよ。プライベートでも来ることがなかったんで。駅前も変わっていたし、甲子園歴史館なんてなかったですから。入ってみたいなと思ったら、(WBC)トロフィー展示で90分待ちと言われて諦めました」4月1日付で運動部に舞い戻ってきたデスク・川端亮平。現場の感覚も取り戻そうと、志願の阪神戦観戦だった。2011年秋。壮絶な時期に、トラ番だった川端はレース部へ異動していった。ちょうど、真弓監督の進退で大揺れ。当時キャップ堀啓介(現運動部長)以下、トラ番たちは連日の張り込みで超ピリピリ状態。さらに、前年にイチローのシーズン最多安打(210安打)を更新する日本記録を達成したマートンが2年連続の最多安打。いい話と、ややこしい話が入り乱れて、何がなにやら、訳がわからない時期だった。そんな中、川端は各方面へ異動の挨拶に出向くことに。「ちょうど真弓監督が歩いてこられて。周囲から『一足お先に阪神を去ります』と挨拶してこい!』と言われたんです。さすがに、それだけは拒否しました」ひどい先輩がいたもんだ。なんとなく、そんな指示をした記憶があるような、ないような。競馬は全くのド素人だった川端。異動の辞令が下ると、タイガースそっちのけ(?)で競馬の入門書を読み始めた。「あの年は、オルフェーヴルが3冠を達成した年だったんです。でも、恥ずかしながらオルフェーヴルを知らなかったんですよ、ボク。なのに、いきなり3冠がかかった菊花賞を取材するハメに」

◆う~ん、勝ちながら若虎を育てるのは至難の業なのだ...。本日先発の西純矢はピチピチの21歳。昨年は6勝を挙げているし、順調に育ってくれれば将来のエースになること間違いなし!! しかし、今日は全体的にコントロールは定まらないわ、ストレートはシュート回転するわ...。何より、昨年のふてぶてしいまでのマウンドでの威圧感が消滅していたのだ。もちろん、岡田監督もあっけなく奪われた一回の2点でそれには気付いていたのだろうが...。味方打線がこれまたあっけなく逆転してくれたことにより、西純の強運(?)に賭ける勝負に出たと思うのだ! それじゃなきゃ、四回無死一、二塁のピンチで左の坂倉、田中と続くのに投げさせないと思う。坂倉に四球を与え、無死満塁となっても交代させなかったことで、俺の想像は確信に変わったのだ!!結果、左の代打・松山に逆転打を許したのだが、全国の虎党はこの岡田采配どう思います? 目先の1勝か、将来のエースか? その答えは西純だけが知っているのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ヤクルト
961 0.600
(↑0.029)
-
(↓1)
12740
(+3)
32
(+2)
8
(-)
16
(+1)
0.184
(↑0.002)
1.880
(↑0.02)
1
(-)
阪神
961 0.600
(↓0.043)
0
(-)
12750
(+5)
49
(+7)
5
(-)
12
(-)
0.234
(↑0.009
2.810
(↓0.14)
3
(1↓)
DeNA
860 0.571
(-)
0.5
(↓0.5)
12949
(-)
44
(-)
11
(-)
3
(-)
0.258
(-)
3.030
(-)
4
(-)
広島
970 0.563
(↑0.03)
0.5
(↓1)
12751
(+7)
48
(+5)
11
(-)
4
(-)
0.231
(↑0.003
2.830
(↓0.09)
5
(1↑)
巨人
6110 0.353
(-)
4
(↑0.5)
12651
(-)
56
(-)
15
(-)
1
(-)
0.231
(-)
3.060
(-)
6
(1↓)
中日
5100 0.333
(↓0.024)
4
(-)
12838
(+2)
50
(+3)
4
(+1)
4
(-)
0.251
(↓0.001)
2.950
(↑0.1)