阪神(☆6対1★)広島 =リーグ戦4回戦(2023.04.19)・阪神甲子園球場=
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広島
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阪神
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勝利投手:大竹 耕太郎(2勝0敗0S)
敗戦投手:遠藤 淳志(1勝2敗0S)
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◆投打のかみ合った阪神が快勝。阪神は1点リードの6回裏、ノイジーと佐藤輝の適時打で2点を追加する。続く7回には近本と中野の適時打で3点を挙げ、試合の大勢を決めた。投げては、先発・大竹が7回途中1失点の好投で今季2勝目。敗れた広島は、投打ともに振るわなかった。

◆阪神4年目の井上広大外野手(21)が「6番右翼」で今季初のスタメンに名を連ねた。打撃不振で2軍に降格したドラフト1位森下に代わり、前日18日の広島戦から昇格するも、出番はなかった。ウエスタン・リーグ通算33発を誇る長距離砲が、1軍初アーチとなるか注目だ。先発はソフトバンクから現役ドラフトで移籍した「新・雨男」とささやかれる大竹耕太郎投手(27)。曇天の空のもと、坂本誠志郎捕手(29)とのコンビで本拠地で虎2勝目を目指す。

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が、またも雨にたたられそうになった。阪神移籍後、先発登板が2度雨で流れている大竹は、その雨男ぶりにSNSなどで「大雨さん」「大雨降太郎」などと"異名"がつく事態になっている。先発のこの日も、朝から雨が降った。その後上がったが、試合開始前、スタメン発表中に突然土砂降りに。雨はしばらくして上がったが、大竹の雨男ぶりが発揮されたのかも...。

◆阪神佐藤輝明外野手(24)が、気迫のヘッドスライディングでチームに流れを呼び込んだ。両軍無得点の5回先頭で、広島遠藤の内角直球に詰まりながらも左翼線へチーム初ヒットとなるポテンヒットで出塁。そのまま一塁を蹴って二塁へ頭から滑り込んでチャンスメーク。さらにこの日スタメンに抜てきされた井上が今季初ヒットとなる右前打で出塁。無死一、三塁から坂本が右越えの犠飛で、阪神が1点を先制した。佐藤輝は16日のDeNA戦(横浜)でも7回2死走者なしから決死のヘッドスライディングで二塁打を放っていた。泥臭いプレーで突破口を開いた。2点リードの6回2死二塁の打席では、広島2番手島内の外角154キロ直球を振り切らないスイングで捉え、三遊間を破る適時打をマーク。「いい形ではなかったけど必死に食らいつきました。抜けてくれてよかったです」。今季15試合目、55打席目での23年初タイムリーで貴重な追加点をたたき出した。

◆阪神が打線爆発で2連勝。4日ぶりに単独首位に立った。5回、先頭佐藤輝明の左翼ライン際に落ちる二塁打からチャンスをつくり、今季初先発となった井上の右前打で一、三塁。続く坂本の右犠飛で1点を先制した。6回にはノイジーの右中間への適時二塁打、佐藤輝の左前適時打で2点を追加。7回には近本の適時三塁打で2点を挙げた。近本はこの試合2本目の三塁打だった。先発大竹が7回途中6安打1失点と力投で今季2勝目。リリーフ岩貞も好投した。

◆阪神が開幕以来となる今季最多タイの6得点を挙げて単独首位に立った。5回、先頭の佐藤輝明内野手(24)の左翼ライン際に落ちる二塁打からチャンスを作り、今季初先発となった井上の右前打で一、三塁。続く坂本の右犠飛で1点を先制した。佐藤輝は6回に今季初タイムリーとなる左前打もマーク。岡田彰布監督(65)は「汚い当たり」と笑ったが、「まあでもチャンス広げたからな」と大砲の復調気配を喜んだ。指揮官の試合後の一問一答は以下の通り。(テレビインタビュー) -久しぶりに6得点での勝利「あーん、ねえ。開幕以来ですかね。おーん。まあ、そんなに悪いは続かないしね。まあ、きょうは、うまくね。むこうの遠藤もよかったし。まあ、どっかで、後半はあるかなあと思ったんですけど。まあ、うまく点がとれましたね、きょうは」-先制点は坂本の犠飛だったが「いやいや、その前にセーフティースクイズで、先に1点取ろうかなと思っていたんやけど。まあ、ね。チャンスのときに、坂本もすごいいい仕事をするんでね。なんとか、先に点を。まあ犠牲フライだけどね、先に点がほしかったんでね、よかったですね」-大竹がすばらしい投球だった「そうね。あの、前の(登板の)方がよかったんかな。今日は5回ぐらいから、ちょっとボールも上ずっていて、まあ7回いくかなあというのはあったんだけど。まあ、あれは準備してたんでね。だから、なんというか1点よりも2点とって...。3点になったんだけど。また1点とられたんだけど、後ろのピッチャーのためにも、もっと点を取りたかったんで。負けてるチームの攻撃みたいになったけど、あとのピッチャーもそれで楽になるんでね」-西純矢で3連勝を狙う「いやいや、西もねえ、この間巨人戦1つ勝っとんでね、ずーっとあんまい調子良くないんや、ずーっと言ってるんだけどね。でもまあ、これで自分だけ負けられないでしょ。明日はね、西もね」(ペン囲み)-佐藤輝にようやく「ようやくてお前(笑い)汚い当たりで2本で(笑い)まあでもチャンス広げたからな」-これをきっかけに「それはやっぱりなあ、数字も上がるし、そらきっかけになると思うよ(笑い)。身長ぐらいか、まあもうちょっと上がってると思うで(笑い)」-タイムリーも「いやいや、もう何て言うかな、コンパクトにねえ、あれもボール球振っとったからな、おーん。コンパクトにいけ言うたんや」-今日は打つべき人が打ったので、これだけ点が入った「そらあ、なあ、打つべき人が打てば、その打順でやっぱり打点にもなるしな。チームも助かるし」-井上が初スタメンで初安打「すごい進塁打やなあ(笑い)。うーん。もう狙とったんやろうなあ。ライトに」-何とか結果を出したいという気持ちが出ていた「いや、そら、みんなそうや。出たらなあ。おーん。まあ、いつも言うように出んよりヒット出た方がいいよな。どんな当たりにしてもな。Hのランプがつくと野手というものは元気になるもんでな」-中野の背走キャッチも大きかった「おお、大きかったね。いやいや、もう、ベンチからあの高さ上がったから捕れるなと思っていたけどね」-岩貞、岩崎でいくと言われていたが、9回がK・ケラーだったのは「まあ、点差開いたからや」-大竹も日にちが開いた中でうまく調整した「そうやな。おーん。まあ、なあ。(今日も試合前に)雨降ってきたしなあ(笑い)、また。何となく嫌な感じやったけど。まあでも2回とも、あんなピッチングしたらなあ」-打線が勢いをと言っていて、6点とれた「ちょっとああいう流れ的には、打線も、つながりという意味でな。そういう意味では、明日はどういう打線がつながるかやろうな。明日つながったらもう、大丈夫と思うけどな」-近本が昨日から三塁打3本「いや1本目言うたんよ、ヒット打たんと走られへんでって、いうたんよ。そしたらまた、三塁打打ちよったから。走られへんからな、あいつもう。言うとったらほんま、また三塁打打ちよったから。裏でヒット打てって」

◆広島は2戦連続1得点と打線が振るわず、3連勝後の2連敗で4位に転落した。好投する阪神大竹の前に3回1死二塁、4回2死三塁と好機をつくるも先制点を奪えず。3点を追う7回に1死一、三塁から1点をかえすだけで精いっぱいだった。中でも新助っ人の6番マット・デビッドソン内野手(32)は4月15日ヤクルト戦から15打席連続ノーヒット。そのうち7打席で三振を喫し、打率は1割3分まで落ちている。それでも新井貴浩監督(46)は「慣れるまでは打席数が必要。しっかり練習にも取り組んでいる。こちらも最初から慣れるまで、というつもり」と冷静。打順降格などの措置についても「まだ考えていないです」と否定した。▽広島遠藤(6回途中3失点で2敗目)「そんなに悪くはなかったと思うけど、前回の登板でもピンチを迎えて失点して(ベンチが)代えざるを得ない状況をつくっていた。(6回のピンチも)投げたかったですけど、そこはまた反省して、次に長いイニングを投げられるようにしたい」

◆虎に負けない男がやってきた。現役ドラフトで加入した阪神大竹耕太郎投手(27)が、7回途中6安打1失点、無四球で今季2勝目を挙げた。立ち上がりからエンジン全開。7回に上本の適時打で初失点して降板したが、安定感抜群の投球で広島打線をねじ伏せた。阪神に移籍した投手の2戦2勝は03年伊良部以来2人目で左腕では初の快挙。だが本人は貪欲だ。「コントロールはよかったけど、守りに入ってしまった。勝負できなかった。7回を投げきらないといけない」。「新・雨男」の本領も発揮した。移籍後初先発予定の5日広島戦は雨で中止。初勝利後の15日のDeNA戦も中止と2度も雨で流れた。その雨男ぶりにSNSでは「大雨降太郎」など、青柳に次ぐ雨男と注目されている。この日も試合開始約30分前、スタメン発表中に突然の土砂降り。お立ち台では雨との縁に「神からのお告げだと思ってやっています」と笑いを誘った。岡田監督も「雨降ってきたしなあ(笑い)。何となく嫌な感じやったけど。まあでも2回とも、あんなピッチングしたらなあ」と負けない雨男に感謝感謝だ。安定感の源はサッカーボールだ。練習時に常に持ち込む相棒だ。「(生まれが)田舎なので、外で遊ぶしかなくて。サッカーは好きっすね」。サッカーボールを左手に持ち、体全体を使って投げる動作を繰り返す。球の軌道がブレないようにする訓練だが、もう1つ理由があるという。「外側に意識を向ける癖づけでやっています」。ボールを蹴りながらジョギングし、考えすぎないように意識改革。ピンチの場面でも冷静に対峙(たいじ)できるように、習慣づけも怠らない。2戦2勝で甲子園のお立ち台も2戦連続。規定未満ながら防御率は0・71まで下げた。負けない男が、阪神への移籍投手では前人未到の3戦3勝に臨む。【三宅ひとみ】

◆阪神が広島相手に2連勝を飾り、4日ぶりに単独首位に浮上した。先発した大竹耕太郎投手が7回途中1失点の好投で今季2勝目。7回2死二、三塁から登板した2番手岩貞祐太投手は、ピンチを火消し。熊本出身左腕2人が投手リレーをつなぎ、勝利に導いた。ヒーローインタビューの一問一答は以下の通り。【大竹】-大竹投手、ナイスピッチングでした「ありがとうございます。雨の関係でなかなか投げられない日が続いたんですけど、今日もちょっと雨降って不安にはなったんですけど、間をあけていただいている分、しっかり調整の時間があるので、しっかり投げていこうという気持ちで今日は投げていこうと思いました」-ファンも雨は話題に。どんな気持ち「どんな気分、ええまあ、雨でズレるというのは、(甲子園で投げるための)神からのお告げという気持ちでやっています」-坂本のリードは「6大学で対戦している時から本当にいい捕手だなと思っていたので、1イニング1イニングうちの攻撃中に『次の回どうしますか』というのを丁寧に会話しながら、コミュニケーションをしっかり取れるので、本当に頼もしい存在です。なんか移籍してきた感じがしないというか、ここがホームグラウンドなくらいな気持ちで投げられています」【坂本】-好リードをみせました「正直、大竹に助けられているというか、僕がこう思うというところでも自分の意思を持っているので、それをすりあわせながら、本当にコミュニケーションをとって2人で打者を抑えるということができているのがいい結果につながったんじゃないかなと思います」-先制犠飛が決勝点に「何とか先に点が欲しかったので、何とかなってくれと思って振りました。(点が入って)よかったです」-日々どんな思いでプレーを「ほんとに頼もしい先発投手と頼もしい中継ぎ投手がたくさんいるので、みんなでつないで打つ方も守る方もつないでつないで勝つということがアレにつながると思うので、その思いだけで、なんとかつなぎたいという思いでやっています」【岩貞】-7回一打同点のピンチだった「抑えたくてウズウズしてましたー」-マウンド上でしびれたんじゃないですか「...ウズウズでした」-イニングまたいで無失点に「もう1イニング行くんだなと思いました」-本当はすごく緊張していたんじゃないですか「いや、めっちゃ緊張してました」-大竹と岩貞は同じ熊本出身。大竹はどんな男ですか「いやー、たいぎゃーよか男ばい」-大竹から見て岩貞は大竹 たいぎゃーむしゃんよかですね。-投手陣でつないで勝利をつかんで単独首位です。明日以降に向けて「毎日たくさんのお客さんに甲子園に足を運んでいただいて、僕らはものすごくやる気出てます。もっとウズウズした場面で投げられるように、そしてそこで抑えられるように練習頑張ります」

◆大竹の母校・熊本県立済々黌高校の関西地区同窓会でつくる「大竹投手応援有志の会」が、左翼席から声援を送った。世話役の高比良光洋さん(50)は「甲子園と関西地区同窓会は切っても切れないところ。大竹投手が12年、13年に甲子園で活躍した時もみんなで応援しました」と明かした。1879年(明12)に創立した熊本屈指の進学校で、有志の会の年齢も20代から70、80代と幅が広い。ソフトバンクで活躍した18年、19年は京セラドーム大阪でのオリックス戦に30人以上で駆けつけた。今回の阪神移籍で久々に活動を再開したが、超人気チームだけにチケットが入手困難で来れたのは5人。高比良さんは「みんなで公式ファンクラブに入って先行発売で確保しようとしてます」と苦笑いだ。「今日は本当にいい投球でした。これからも甲子園での試合はみんなで応援にいきます」。スクールカラーの黄色いタオルを掲げ、新天地で奮闘する左腕に力を届ける。【阪神担当 石橋隆雄】

◆阪神が打線爆発で2連勝。4日ぶりに単独首位に立った。近本光司が2本の三塁打を放ち、今季15試合で4本目とした。広島秋山と並び12球団最多タイで、143試合に換算すると38本ペース。シーズン最多の三塁打は1951年(昭26)に阪神の金田正泰が記録した18本。近本は日本記録を上回るハイペースで量産中だ。

◆虎に負けない男がやってきた。現役ドラフトで加入した阪神大竹耕太郎投手(27)が、7回途中6安打1失点、無四球で今季2勝目を挙げた。立ち上がりからエンジン全開。7回に上本の適時打で初失点して降板したが、安定感抜群の投球で広島打線をねじ伏せた。大竹耕太郎が昨年オフの現役ドラフトで阪神に移籍後2戦2勝。阪神の移籍選手で初登板から2戦2勝は03年伊良部秀輝のみ。左腕では球団初だ。伊良部はレンジャーズから7年ぶりに日本球界に復帰。開幕2戦目の3月29日横浜戦(横浜)に7回途中3失点で先発勝利すると、開幕7戦目の4月4日ヤクルト戦(大阪ドーム)は8回1失点。開幕から2戦2勝を飾った。3戦目は勝ち負けつかずだったが、大竹は次回に伊良部超えなるか。

◆やっと出た! 阪神佐藤輝明内野手(24)が開幕15試合&55打席目の初タイムリーなどマルチ安打で4日ぶりの単独首位を導いた。5回に先制を呼ぶ二塁打を放つと、6回は中押し適時打。ヘルメットを飛ばした激走、ヘッドスライディングで執念を体現し、ユニホームを泥だらけにして勝利に貢献した。不振でスタメン落ちも味わうなど苦しむ3年目。背番号8が打てば打線も活気づく。今季最多タイの6得点で首位がっちりだ。待望の3点目は、佐藤輝"らしくない"スイングから生まれた。2点リードの6回2死二塁、2ナッシングと追い込まれての4球目。島内の外角154キロの直球に逆らわず、振り切らずにミートした。打球は三遊間を破り、今季15試合、55打席目の23年初タイムリー。得点圏15打席目での初ヒットが、4日ぶりの単独首位浮上を大きくたぐり寄せた。佐藤輝 いい形ではなかったけど必死に食らいつきました。どんな形でも結果は結果なので、よかったと思います。価値ある一打は、フルスイングから軽打に切り替えた産物だった。直球攻めにマン振りで対抗したが2球連続空振り。ファウルを挟み、コンタクトを重視したスイングでとらえた。岡田監督から「コンパクトにいけ」と助言があったといい「何でもよかったので、前に飛んでくれてよかったです」と胸をなで下ろした。相手先発は前回5回0封され、降雨コールドで敗れた遠藤。食らいつき、泥臭いプレーで突破口を開いた。両軍無得点の5回先頭。内角直球に詰まりながらもチーム初ヒットを左翼線に落とした。「1つでも先の塁にと思ってるんで」と、一塁を蹴ってギアを上げ、二塁へ頭から滑り込んでチャンスメーク。井上が右前打で続き、無死一、三塁から坂本の右犠飛で先制の本塁を踏んだ。開幕戦以来14試合ぶりとなるマルチ安打で打線を活気づけ、今季最多タイ6得点の快勝に導いた。まだまだ本調子ではない。それでも勝利のために、必死に体を張った。ようやく出た初適時打に、岡田監督は「ようやくておまえ、汚い当たりで」と笑いながらも「まあでもチャンス広げたからな」と及第点を与えた。打率も1割9分1厘まで上げ「身長(187センチ)くらいか? まあもうちょっと上がってくると思うで」と白い歯を見せ、復調への期待を膨らませた。タイムリー後の7回の守備に就く際には、スタンドの虎党から「テール、テール」とたたえられ、帽子を取って深々と頭を下げた。泥だらけのユニホームで汗を拭い「この先も何回も聞けるように頑張ります。3つ勝ちたい」と気合を入れ直した。さあお次は待望の初アーチだ。【古財稜明】

◆トラの1番打者は、ミスター三塁打だ。阪神近本光司外野手(28)が2打席連続三塁打で勝負を決めた。まずは1点リードで迎えた6回だ。先頭で打席に入ると、広島遠藤から右翼線へ痛烈な打球を飛ばした。無死二塁でもOKだったが、フェンスに当たって跳ね返る打球。右翼手の位置取りを見て「行ける」と瞬時に判断し、一気に三塁を陥れた。1死からノイジーの適時二塁打で2点目のホームを踏んだ。7回はダメを押した。1死三塁から代打原口が四球を選び、代走小幡が二盗で二、三塁。「犠牲フライでいい」という気持ちで入った打席で、今度は左中間を破る2点適時三塁打でリードを4点に広げた。広島のマウンドは、左腕黒原で、関学大の後輩にあたる。「(後輩は)バリバリ意識します。申し訳ないなと。でも何が最善かなと思ったら犠牲フライかなと」。前日も左中間への三塁打を放つなど、2日間で3本を稼いだ三塁打は、広島秋山と並び開幕15試合でリーグ最多の4。日本記録の18を大幅に更新する勢いだ。それでも本人は「二塁打を増やしたいと思っていたので、二塁打が増えないのは悩みです。ホームランも打ちたいですね」と笑った。一方で今季の盗塁はまだ1個。岡田監督からは、6回の三塁打のとき「ヒット打たんと走られへんで」と言われたという。ぜいたくな悩みを口にできるほど三塁打を量産すれば、もっと簡単に得点できる。【高垣誠】近本が2本の三塁打を放ち、今季15試合で4本目とした。広島秋山と並び12球団最多タイで、143試合に換算すると38本ペース。シーズン最多の三塁打は1951年(昭26)に阪神の金田正泰が記録した18本。近本は日本記録を上回るハイペースで量産中だ。3番ノイジーのバットで追加点を奪った。1点リードの6回、1死三塁。遠藤のチェンジアップをとらえ、右中間への適時二塁打を放った。「なんとか外野まで打ちたいという気持ちだったよ。大事な場面で、チームの力になれてうれしいね」と笑顔。本人は「状態はあまりよくない」というが、打率2割9分3厘と好打率をキープしている。今季初スタメンの井上が今季初安打を放った。5回無死二塁で広島遠藤の変化球を逆方向に飛ばし右前打。岡田監督の起用に応える安打で先制点につなげてみせた。1軍での安打は20年10月16日ヤクルト戦(甲子園)以来となった。18日に1軍に今季初昇格したばかりで「なんとか次につなげたい気持ちだった。これからも結果を出し続けていきたい」と振り返った。K・ケラーが1回無失点でラストを締めた。5点リードの9回に登板。1死からマクブルームに右前打を許すも、最速154キロの直球で押し込む投球で西川、デビッドソンを連続の空振り三振で仕留めた。「大竹、サダ(岩貞)といつも通りいい仕事をしてくれて、その流れに乗ってきっちりと締められてよかった」と振り返った。

◆前日逆転サヨナラ打を放った阪神2番の中野拓夢内野手(26)が、連日の大活躍で勝利に貢献した。まずは7回の守備。1死一、三塁で、広島デビッドソンの詰まった当たりが二塁後方へ上がった。背走しながら打球を追い、後ろ向きで好捕。この回を1失点で切り抜けるビッグプレーで、岡田監督も「大きかったね」とたたえ、中野も「ピッチャーを助けられたかなと思います」とにっこりだ。その裏、2点を追加してなお1死三塁。ダメ押しの右前タイムリーで5点差に拡大した。「しっかり守りからリズムつくっていけば、こういう締まった試合ができると思う」と会心だ。試合前には、出身の山形県からビッグなプレゼントがあった。侍ジャパンの一員としてWBCで世界一に貢献した栄誉をたたえられ、プロ野球選手で初めて「山形県スポーツ栄光賞」を授与された。吉村美栄子知事(71)は「多くの県民の皆さんに勇気と感動を届け、子どもたちに夢と希望をもたらしてくれました」と説明。中野は21年に盗塁王を獲得した際に同県の「スポーツ特別賞」を受賞しているが、「山形県の有名人になれるように、自分自身ももっと活躍してやっていきたい」と決意新た。受賞に花を添える連日の奮闘で感謝を伝えた。【高垣誠】

◆両軍のスターティングメンバーが発表。プロ4年目の阪神・井上広大外野手(21)が「6番・右翼」で先発出場する。スタメン出場は2022年8月14日の中日戦(京セラ)以来。今季、2軍戦では打率・258(66打数17安打)、4本塁打、13打点と長打力が武器の若虎が連勝に貢献する。先発は2勝目を狙う大竹耕太郎投手(27)。今季初登板だった前回、8日のヤクルト戦(甲子園)は6回3安打無失点と好投し、虎初星をマークした。小気味いいテンポで凡打の山を築く新加入の左腕が、好調の鯉打線を抑える。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(27)が三回、四回のピンチを無失点で切り抜けた。三回1死から会沢に右中間へ二塁打を浴び、この日初安打を許した左腕。それでも続く遠藤を空振り三振に仕留めると、菊池は二飛で切り抜けた。続く四回も1死から秋山に右翼フェンス直撃の二塁打でピンチ。それでも、4番・マクブルームを遊ゴロに仕留めると、2死三塁とし、西川を一ゴロに抑えた。打線は広島先発・遠藤の前に三回まで無安打。白熱の投手戦が続いている。

◆阪神が五回にチーム初安打。佐藤輝明内野手(24)がラッキーな二塁打を放った。先頭で打席に向かうと、カウント2ー1から遠藤の144キロを強振。どん詰まりの打球はふらふらと舞い上がり、三塁ベース後方へと落ちた。一塁ベースを蹴り、一度はスピードを緩めた佐藤輝だったが、打球の行方を見て、二塁へ猛進。ヘッドスライディングで二塁打とし、先制機を作った。阪神は続く井上が右前打で今季初安打。無死一、三塁と好機を広げると、7番・坂本が右犠飛を放ち、先制した。

◆阪神の新助っ人、シェルドン・ノイジー外野手(28)が貴重な追加点となる適時二塁打を放った。1-0の六回。先頭の近本が遠藤の133キロチェンジアップを引っ張ると、打球が右翼線を転々とする間に快足を飛ばして三塁へ。しかし、中野が二ゴロに倒れて1死。ノイジーが打席に向かった。2球で追い込まれて3球目。遠藤の134キロチェンジアップを捉えると、打球は右中間へ。スライディングキャッチを試みた中堅手・秋山だが、ボールは外野芝生で弾んだ。ノイジーはこれで3試合連続安打。13日の巨人戦(東京ドーム)以来、4試合ぶりの打点をマークした。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が、六回に左前適時打を放ち、今季初タイムリーをマークした。2-0とリードを広げた六回2死二塁で迎えた第3打席。2番手・島内の154キロ直球にバットを合わせた。鋭い打球は三遊間を抜け左前へ。二走・ノイジーが一気にホームへと生還した。佐藤輝はこの日の試合前の時点で打率・163、0本塁打、1打点と不調に苦しむ。それでも、五回の第2打席はラッキーな二塁打で先制点をお膳立てすると、このタイムリーで、4月1日のDeNA戦(京セラ)で放った中犠飛以来の打点をマーク。3月31日の開幕戦(対DeNA、京セラ)以来の複数安打もマークし、長かったトンネルの出口がようやく見えてきている。

◆阪神の先発・大竹耕太郎投手(27)は七回途中1失点で降板した。一回、先頭・菊池の打球を好フィールディングで投直に仕留めると、3者凡退の立ち上がり。三回、四回といずれも得点圏に走者を進めたが、要所を締める投球で無失点で切り抜けた。最大のピンチは3ー0で迎えた七回。先頭の秋山に二塁打を浴び、無死二塁のピンチを背負う。それでも、マクブルームを120キロチェンジアップで空振り三振。西川に左前打で1死一、三塁としたが、デビッドソンの打球は二塁手・中野が背走でグラブにおさめる好プレーで得点は許さない。しかし、続く上本に左前打を浴びて、6回2/3を6安打1失点で無念の降板。それでも、力投した左腕に球場の虎党から大きな拍手が送られた。阪神はなおも2死二、三塁と一打同点のピンチで2番手・岩貞がマウンドへ。会沢を三ゴロに仕留め、大竹の勝ち投手の権利を守った。

◆日本の11人組人気男性アイドルグループ、JO1が試合前の甲子園のグラウンドに登場。外野芝エリアでダンスパフォーマンスを披露し、直後にメンバーの豆原一成(20)がマウンドに、川西拓実(23)が打席に立ってファーストピッチセレモニーを行った。豆原の投球はワンバウンドでミットへ。豆原は「今までで一番緊張しました。点数は20点ぐらい。コースにいってたんですけど、ちょっと下にいっちゃった。ただ、気持ちで投げられたかなと思います。すごく楽しかったです。甲子園球場でマウンドに立てることがなかなかない。うれしかったです」と笑顔で振り返った。かつて高校球児だった川西は甲子園での初めてのパフォーマンスに「最高です。フライの球を追いかけている時の仕草はかっこいいなと思います」と余韻に浸っていた。

◆阪神・近本光司外野手(28)が、七回1死二、三塁の第4打席に2点三塁打を放った。カウント0-1から、関学大の後輩でもある広島・黒原の147キロ直球をとらえた。打球は左中間を突き破る2点打。快足を飛ばして一気に三塁に到達した。近本は六回の第3打席も先頭で三塁打を放ち、貴重な追加点をお膳立て。今季、三塁打はすでに4本と驚異的なペースで量産している。阪神はなおも1死三塁から中野が右前適時打を放ち、6-1と大きくリード。5得点以上をマークするのは4日の広島戦(マツダ)以来、11試合ぶりと久々に打線がつながった。

◆投打の噛み合った阪神が連勝した。打線は五回。佐藤輝のラッキーな二塁打を皮切りに、今季初スタメンの井上が右前打でつないで、無死一、三塁の好機を作ると、坂本が右犠飛を放って先制した。六回は近本の三塁打からノイジーが適時二塁打を放って追加点。佐藤輝も左前打を放ち、今季初タイムリーをマークした。七回は近本の2打席連続三塁打などで、3得点と打線がつながった。先発の大竹は七回途中1失点で今季2勝目をマーク。七回に2死一、三塁から上本に左前適時打を浴びて降板したが、なおも2死二、三塁のピンチを岩貞が抑えて踏ん張った。阪神は今季最多タイの貯金4。DeNAが敗れたため、単独首位に立った。

◆阪神が2連勝。五回、坂本誠志郎捕手(29)の右犠飛で先制し、六回にはシェルドン・ノイジー外野手(28)の二塁打で加点。さらに佐藤輝が15度目の得点圏打席で初安打を左前に運び、今季55打席目にして初適時打を記録した。七回、近本光司外野手(28)の2点三塁打、中野拓夢内野手(26)の適時打がダメ押しとなった。「6番・右翼」で今季初スタメンの井上広大外野手(21)の五回に放った右前打は、プロ初ヒットをマークした2020年10月16日のヤクルト戦(甲子園)以来、2本目。6回2/3を投げて1失点の大竹耕太郎投手(27)は2勝目。単独首位に立った岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=9勝5敗1分、観衆=4万49人)。ーー佐藤輝にようやく「ようやくて、お前(笑)。汚い当たりで(笑)。まあでもチャンス広げたからな」ーーこれをきっかけに(試合後で47打数9安打、打点2で打率・191)「それはやっぱりなあ、数字も上がるし、そらきっかけになると思うよ(笑)。(打率は)身長ぐらいか。まあ、もうちょっと上がってると思うで(笑)」ーータイムリーも「いやいや、もう何て言うかな、コンパクトにねえ、あれもボール球振っとったからな、おーん。コンパクトに行け言うたんや」ーー打つべき人が打ったので、これだけ点が入った「そらあ、なあ、打つべき人が打てば、その打順で、やっぱり打点にもなるしな。チームも助かるし」ーー井上が初スタメンで安打「すごい進塁打やなあ(笑)。うーん。もう狙とったんやろうなあ。ライトに」ーー何とか結果を出したいという気持ち「いつも言うように出んよりヒット出た方がいいよな。どんな当たりにしてもな。Hのランプがつくと野手というものは元気になるもんでな」ーー中野の背走キャッチも大きかった(七回1死一、三塁でデビットソンの右前への飛球を好捕)「おお、大きかったね。いやいや、もう、ベンチから、あの高さ上がったから捕れるなと思っていたけどね」ーー岩貞、岩崎で行くと言われていたが、九回がK・ケラーだったのは「まあ、点差開いたからや」ーー大竹も日にちが開いた中でうまく調整した「そうやな。おーん。まあ、なあ。(今日も試合前に)雨降ってきたしなあ(笑い)。何となく嫌な感じやったけど。でも2回とも、あんなピッチングしたらなあ」ーー6得点「そういう意味では、明日は打線がつながるかやろうな。明日つながったらもう、大丈夫と思うけどな」ーー近本が2日間で三塁打3本「いや1本目言うたんよ、ヒット打たんと走られへんでって、言うたんよ。そしたらまた、三塁打、打ちよったから。走られへんからな、アイツもう。言うとったらホンマ、また三塁打、打ちよった」

◆阪神は打線のつながりで勝てたことは大きい。打線がつながる象徴が犠牲フライの多さだ。この日も五回に坂本が右犠飛で先制したのだが、ことしになって、犠牲フライが多いのが阪神の攻撃の特長になっている。犠飛が打てるということは、逆方向への意識が徹底していることが挙げられる。「大きいのを打とう」という意識が強すぎると、無意識に引っ張りに入って、引っ掛けてしまう。今の阪神の打者は逆方向へ意識することにより、バットの面が打球が上がる角度になって出ている。新しい首脳陣の徹底が、チームに浸透している証拠だ。つながりで得点して勝った試合だったが、肝心のクリーンアップ、特に期待の大山、佐藤輝の状態がなかなか上がってこないことが気になる。佐藤輝はバッティングになっていない。タイミングが全く合っていないのだ。自分のポイントで球を捉えることができないから、すごく窮屈そうな打撃に見えたり、すごく力んで振っているように見えたりする。本塁打を放つタイミングにはほど遠い。いろんなアドバイスを受けて、工夫はしているのだろう。でも、タイミングは自分にしかわからないもの。一日も早く、自分のタイミングを思い出さなければいけない。その意味で、2安打したことはいいチャンス。どちらも全くタイミングは合っていなかったが、打者はラッキーヒットで気楽になり、自分の本来の姿を思い出したりする。少なくとも入団直後は、自分のタイミングで打てていたのだから、後は思い出すだけ。新たな打撃フォームを追求することは悪くないが、「あの頃はどうだったんだろうか?」とさかのぼって考えることも大事だろう。(本紙専属評論家)

◆広島は3連勝のあと2連敗。初対戦の大竹を打ちあぐね、新井監督は「制球が良かったし、緩急も効いていた。捉えた打球も正面に行ったりしたからね」と話すしかなかった。1点を追う六回は当たっている秋山の打席の際、一塁走者の野間がけん制に戻れず、二塁手前で刺された。0―3の七回に3安打で1点を返すのが精いっぱいだった。打率3割を超える5番西川に続く新戦力の6番デビッドソンは打率1割3分。打線がつながらないが、新井監督は「慣れるまでは打席数が必要。打順を下げることは考えていない」と我慢を強調した。

◆テルの気迫で快勝! 阪神は19日、広島に6-1で勝利した。不振にあえぐ佐藤輝明内野手(24)は、五回には先制へつなげる気迫のヘッドスライディングで、六回には今季初適時打で魅せた。佐藤輝によってつながった虎打線は今季最多タイ6得点で2連勝。DeNAが巨人に敗れ、単独首位に浮上した。チームが勝つためだったら、どんな形でもいい。佐藤輝が二塁に向かって飛んだ。泥だらけになったユニホームは気迫と執念を前面に押し出した勲章。久々に聞いた〝輝コール〟の大合唱を心に刻み、もがき苦しむ男はまた前を向いた。「何でもよかったので、前に飛んでくれてよかった。(ヘッドスライディングは)1つでも先の塁にと思って。(チームが)勝ったので、よかったと思います」試合前の時点で打率・163。五回先頭の第2打席で、遠藤の144キロ直球に詰まりながら左翼手の前方、三塁手の後方の誰にも捕れない左翼線上にポトリと落とした。一塁ベースを蹴り一度ストップした佐藤輝だが、打球の処理を見ると二塁に向かって再スタート。気迫のヘッドスライディングでチーム初安打を二塁打としてみせ、先制点をお膳立てした。六回2死二塁の好機は、2番手・島内の154キロ直球にバットを合わせ、左前へ。得点圏15打席目にして放った執念の一打は待望の今季初タイムリーだ。直後には甲子園に〝輝コール〟が響き渡り「この先、何回も聞けるように頑張ります」と忘れられない瞬間となった。

◆ヒットメーカー、阪神・近本光司外野手(28)の〝足とバット〟が早くも本調子だ。1-0の六回、遠藤のチェンジアップを捉えた打球は右翼線最深部へ。二塁を回って一気に加速し、悠々三塁に到達。ノイジーのタイムリーで2点目のホームを踏んだ。3-1の七回1死二、三塁では関学大の後輩・黒原と対戦。「バリバリ意識してました」と言いつつ左中間を深々と破る2点三塁打を放った。セ・リーグ最多記録に並ぶ1試合2本の三塁打で、4打数2安打。打率も・291まで上げた。三塁打はこれで早くも「4」とし、広島・秋山に並びセ・リーグトップに。パ・リーグの1位は「1」だけに〝超ハイレベル〟な争いだが「二塁打を増やそうと思っていたんで、二塁打の数字が伸びないのは悩みですね」と言ってニヤリ。ベンチでは岡田監督に「また三塁打か、(盗塁で)走られへん」と茶々を入れられたといい「じゃ、一塁で止まっておきます」と笑って応じた。指揮官とそんな軽妙なやりとりができるのも好調の証し。昨季は3、4月は打率・231と低調だったが、今季はすっかり〝スロースターター〟を返上だ。(上阪正人)

◆見えない力に導かれるように甲子園のマウンドに上がった。阪神・大竹耕太郎投手(27)が6回?を6安打1失点で開幕から2戦2勝。虎を単独首位に引き上げた。「雨で(登板日が)ずれるっていうことは、そういう...神からのお告げだと思ってやっています」伝説の助っ人、グリーンウェルは〝神のお告げ〟で電撃引退し虎党の度肝を抜いたが、昨オフにソフトバンクから現役ドラフトで移籍した左腕は仕事を果たした。0-0の三回1死から会沢に右中間への二塁打を食らったが後続を断ち、四回1死で秋山に右越え二塁打を浴びても、マクブルーム、西川を仕留めた。「ツーベースを打たれたましたが、だからといって抑えなきゃって力まずに投げられた」とうなずいた。七回2死一、三塁で上本に左前適時打を許し3-1となったところで岩貞にバトンを託したが、同じ熊本出身の先輩が食い止めてくれた。お立ち台で「たいぎゃあ、むしゃんよかですね(とてもかっこいい)」と方言で感謝した。

◆1-0の六回1死三塁から、ノイジーが右中間を破る適時二塁打を放った。無死三塁から中野が二ゴロに倒れた直後だけに、価値ある追加点。「ランナー三塁の場面だったので、なんとか外野まで打ちたいという気持ちだったよ。大事な場面でチームの力になれてうれしい」。3試合連続安打で、打率・293、2本塁打、6打点。来日1年目にもかかわらず、日本の野球に順応。今や虎に欠かせない存在だ。

◆振り抜いたバットの先に、未来を切り開いた。阪神・井上広大外野手(21)がしぶとく右前に運び、915日ぶりに1軍でHランプをともした。3年前はコロナ禍で聞けなかった歓声を聞き、3度塁上で手をたたく。派手さはなかったが、間違いなく勝利に貢献した。「(佐藤)輝さんが先頭で出てくれたので、なんとか次につなげたい気持ちで打席に入った」0-0の重い展開で迎えた五回。先頭の佐藤輝が気迫でもぎとった二塁打に、続かないわけにはいかなかった。広島・遠藤に2球で追い込まれるも、4球目のチェンジアップにバットを伸ばし、右前に打球を落として一、三塁とした。坂本の先制犠飛を呼び込む一打は、2020年10月16日のヤクルト戦(甲子園)以来となる1軍戦での安打。自身にとっても重みのある1本だった。D1位・森下(中大)との入れ替えで18日から1軍に合流。この日初出場を果たし、二回の第1打席は空振り三振だった。しかし、この打席が今季初の1軍出場だった井上に自信を与えた。「しっかりストライクのボールをスイングできた。『大丈夫だな』って気持ちになりました」

◆岩貞は3-1と2点差に迫られた七回2死二、三塁のピンチで2番手で登板。一打同点の場面で会沢を三ゴロに仕留めてしのぐと、八回も続投して三者凡退に抑える好救援をみせた。守護神の湯浅が離脱した中で重要な勝ちパターンの継投を任され「積み重ねだと思うので。シーズン終わったときのポジションが一番大事だと思うので、コツコツやっていきたいと思います」。好投を継続してさらなる信頼を勝ち取っていく。

◆中野が背走スーパーキャッチで失点を防いだ。3-0の七回1死一、三塁。デビッドソンの二塁後方に上がった飛球を後ろ向きのままキャッチ。「それがあったから最少失点で抑えられた。ピッチャーを助けられたかなと思う」と胸を張った。前日は逆転サヨナラ打のヒーローとなり、この日も七回にダメ押しの適時打を放って攻守に奮闘。岡田監督も「(中野なら)捕れるなと思っていたけど。大きかったね」とねぎらった。

◆猛虎打線爆発や!! まだ15試合やけど、単独首位!! AREに向かってこのまま突っ走れー!! と派手に喜ぶかたわら、本日の勝利に俺は「小さなことからコツコツと」。そうあの関西お笑い界の大御所、そして元国会議員の西川きよし師匠の名言(?)をジワ~ッとかみしめていたのだ。今季から縦ジマのユニホームを着て本日2勝目を挙げた大竹は、現役ドラフトでソフトバンクから来た。現役ドラフト、考えようによれば「優しい優しい戦力外」だよね?そして、その大竹とバッテリーを組んだ坂本は岡田新監督に「今季は梅野でいく!!」と公言され、片隅に追いやられていた存在だったのだ。その2人が、丁寧に丁寧にコツコツと広島打線を打ち取る姿は...。いや~実に美しきかなでした!! 頭が下がります、コツコツコンビ!!さらには六回、サード佐藤輝からのそれた送球を確実に捕球した中野(七回の背走超美技もアリガトウ)や、牽制(けんせい)で誘い出したのに大山のあわや悪送球をキチンとグラブにおさめてタッチアウトにした木浪のプレーにも、キャンプからのコツコツ守備練習の成果が見えたのだ!! 昨年までのエラーの虎返上させていただき、まだまだ走りまっせー!!

◆「どこの社(の記者)?」「サンケイスポーツです」「サンスポかぁ。じゃ、明日から出禁!」出禁とは、出入り禁止の意味。新聞記者の取材現場では「取材拒否」ということになる。新聞社的に、冒頭の問答は大事件である。この「出禁」を、出勤して取材した日、ほぼ毎日、食らっているサンスポのプロ野球担当記者がいた。わが社が誇る(?)カープ番・柏村翔だ。「はい、そうなんですよ。監督の囲み取材で僕が質問したら、必ず『どこの社?』と尋ねられて。その都度、『サンスポの柏村です』と返事して、出禁を宣告されて、大爆笑で監督取材が終わるパターンが続いています」そう、出禁を命じているのは、広島・新井監督なのだ。柏村によると、2月のキャンプ中からずっと続いているとか。なぜ、そうなったかといえば...広島の監督取材は、必然的に広島の地元の記者によって、地元のファン向けへの質問が集中する。関西のスポーツ紙が、阪神中心の新聞を作っていることを、広島に当てはめていただけたら分かりやすい。その会見の最後の方で、柏村が「阪神・岡田監督をどう見てますか?」とか、「佐藤輝は?」「青柳は?」と〝広島向けではない〟質問をぶち込む。急にテーマが変わるから、新井監督が困りながらも(?)ていねいに答えて、その後に「出禁」が発令されるらしい。もちろん、本気ではない。監督自身も面白がって、2カ月以上経過しても、柏村の名前を尋ね、出禁を発し続けているという。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
阪神
951 0.643
(↑0.028)
-
(-)
12845
(+6)
42
(+1)
5
(-)
12
(+1)
0.225
(↑0.002
2.670
(↑0.12)
2
(1↑)
ヤクルト
861 0.571
(-)
1
(↓0.5)
12837
(-)
30
(-)
8
(-)
15
(-)
0.182
(-)
1.900
(-)
2
(1↓)
DeNA
860 0.571
(↓0.044)
1
(↓1)
12949
(+1)
44
(+5)
11
(-)
3
(-)
0.258
(↓0.008)
3.030
(↓0.18)
4
(1↓)
広島
870 0.533
(↓0.038)
1.5
(↓1)
12844
(+1)
43
(+6)
11
(-)
4
(-)
0.228
(↓0.001)
2.740
(↓0.27)
5
(-)
中日
590 0.357
(-)
4
(↓0.5)
12936
(-)
47
(-)
3
(-)
4
(-)
0.252
(-)
3.050
(-)
6
(-)
巨人
6110 0.353
(↑0.04)
4.5
(-)
12651
(+5)
56
(+1)
15
(+2)
1
(-)
0.231
(↑0.003)
3.060
(↑0.14)