1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 1 | 0 |
楽天 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 3 | 7 | 0 | 1 |
勝利投手:田中 将大(2勝1敗0S) (セーブ:松井 裕樹(0勝0敗4S)) 敗戦投手:和田 毅(1勝1敗0S) 本塁打 |
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◆楽天は2回裏、1死一二塁から安田の3ランが飛び出し、先制に成功する。投げては、先発・田中将が5回無失点7奪三振。その後は4投手の継投でリードを守り、田中将は今季2勝目を挙げた。敗れたソフトバンクは、打線が相手を上回る10安打を放つも、つながりを欠いた。
◆楽天-ソフトバンク戦は日米通算191勝の楽天田中将大と同156勝のソフトバンク和田毅が先発する。両者の先発対決はメジャー時代に1度もなく、日本での07年5月2日(ヤフードーム)21年9月20日(楽天生命)の2度。07年は田中将が7回2失点で勝利、和田が7回4失点で敗戦。21年は田中将5回5失点で敗戦、和田は4回3失点で勝敗付かずだった。3度目の投げ合いの結果は?
◆楽天鈴木大地内野手(33)と岡島豪郎外野手(33)が、今季初めて1軍に合流した。チームは現在5連敗中で、チーム打率1割8分2厘、17得点はともにリーグワースト。辰己、島内、浅村、阿部ら打線の核を担う選手たちが打率1割台と不調。キャンプでアピールに成功していた黒川や伊藤裕も結果を残せていない。13日に阿部と黒川は出場選手登録を抹消された。2軍戦で、鈴木大は打率2割5分、岡島は打率3割3分3厘と状態は上々。打線の立て直しへ、ベテラン2選手に期待がかかる。
◆楽天安田悠馬捕手(23)が、プロ本拠地1号を放った。0-0で迎えた2回1死一、二塁で第1打席を迎えると、和田の初球外角142キロ直球を強振。右翼へ1号3ランを放った。「チャンスだったので、先制できて良かったです。最後まで勝てるように頑張ります」と切り替えた。ルーキーイヤーの昨季の本塁打は、3月29日オリックス戦(京セラドーム)のみ。飛躍を目指す"東北のゴジラ"が、東北のファンの前で初めて1発を見せた。
◆ソフトバンクは10安打を放ちながらホームが遠く、今季2度目の完封負け。10安打で完封負けを喫するのは、12年9月19日の西武戦以来、11年ぶりとなった。球団ワーストは4月23日の毎日戦、87年10月9日阪急戦の12安打無得点。0-0の2回1死一、三塁では、9番甲斐拓也捕手(30)が初球から2球連続でセーフティースクイズを試みるもファウル。結果は空振り三振に倒れ、無得点に終わった。3点を追う6回1死一、三塁では代打アストゥディーヨが遊撃への併殺打。4、7、9回以外の6イニングで得点圏に走者を進めたが、勝負どころで拙攻が響いた。連勝は「3」でストップした。
◆楽天田中将大投手(34)がレジェンド対決を制し、負の連鎖を断ち切った。首位ソフトバンクで日米通算156勝の和田毅投手(42)とのマッチアップ。毎回走者を許しながらも、5回7安打無失点と要所で踏ん張り続け、今季2勝目を挙げた。チームは5連敗中で、金曜での試合は昨年の5月13日西武戦以降19連敗と「ブラックフライデー」に陥っていた。悪い雰囲気が流れるチームを日米通算192勝目で一変させ「花金」に添えた。仕切り直しで、再浮上を狙う。負の雰囲気を一身に背負い、田中将は、踏ん張り続けた。1、2、3回に得点圏に走者を背負う投球。それでも、勝負どころで三振を奪ってしのいだ。5回2死一、三塁。牧原大を内角低め136キロスライダーで空振り三振に仕留めた。「すべてを出し切ろうという気持ちでいた」。昨季は0勝2敗、防御率9・00と苦しんだソフトバンク打線を封じ、雄たけびを上げた。"原点回帰"が、好投を呼び込んでいる。昨季は126奪三振中の主要な決め球は、直球で33個、スプリットで36個、スライダーで46個。追い込んでから、満遍なく持ち球を使ってきた。一方で今季は、17奪三振中、直球で3個、スプリットで1個にとどまり、スライダーでは12個。この日も7奪三振中、5個がスライダーだった。配球の変化は、今季常にバッテリーを組む安田との話し合いか、自身の考え方の変化か-。「どっちもです。自分で話すときもありますし、ゲーム中に会話しながら変えてみたり。相手があるところだからいろいろ変化する」と説明する。駒大苫小牧高時代の代名詞とも言える球種。相手の反応を見ながら有効に使えると判断し、決め球として投げ込む。「変化球の中では一番操れる球」と自信を持っている。「その中でも今日は効果的に使えた」と満足した。今季の防御率は1・02。奪三振率は8・66。登板3試合ではあるが、日本球界復帰以降最高だった21年の7・28を上回る数字だ。今季すべての球種の中で最も多く投げ込んでいるスライダーが、抜群の安定感を支えている。勝利を呼び込んだが「個人というより、チームが勝てたことが大きい。これをきっかけにチームが変わっていかないといけない」と表情を引き締める。シーズンは始まったばかり。10年ぶりの優勝へ向けて、仕切り直す。【湯本勝大】▽楽天石井監督(田中将に)「全体的にキレもあったし、出だしからいいピッチングをしてくれた。ゲームはいろんなヤマがある。そこでしっかり集中してくれて、0点に抑えてくれて、中盤まで持ってきてくれた」
◆楽天安田が本拠地1号を放った。0-0で迎えた2回1死一、二塁、和田の初球外角142キロ直球を強振し、右翼へ今季1号3ラン。プロ1年目の昨季は、敵地で放った3月29日オリックス戦(京セラドーム)の本塁打のみ。"東北のゴジラ"が、地元ファンの前で初めてアーチを架けた。これが決勝点となり、チームの連敗ストップに貢献。「ほんまに勝ちがほしかったので、一番は勝てて良かったです」と胸をなで下ろした。オフにソフトバンク柳田と自主トレを行った。教えを乞い、打撃フォームをまねた。この日の1発も、腰を鋭く回転させ、打球をスタンドへと突き刺す"本家"ばりの打撃。師匠の前での恩返し弾に「素直にうれしいです」。試合後は初めてのお立ち台にも上がり、楽天ポイント10万ポイントをゲット。「家族にあげます。ほしいものを買います」と親孝行を宣言した。
◆開幕から自身2連勝を狙ったソフトバンク和田が1球に泣いた。立ち上がりから直球を主体に投げ込んだが、2回1死から辰己、田中和に連続四球を与えると9番安田に初球の142キロのストレートを右翼スタンドに運ばれた。着弾点を確認するとベテラン左腕は顔をしかめ唇をかんだ。「あそこだと思う。あの1球で試合を壊してしまった。四球でのランナーだったのでやってはいけないこと。あれで試合が壊れてしまったので申し訳ない」。試合後、和田は厳しい表情で痛恨の1球を振り返った。4回83球を投げ、毎回の5安打。失点は安田の1発による3失点だったが、イニングを稼げない苦しい投球でもあった。楽天先発の田中将とは通算3度目の対決。7安打を許しながら何とか5回を無失点にしのいだマー君に投げ負け、今季初黒星でチームの連勝も3で止まった。「(次回)自分の投げるときにいいボールを投げるようにしていかないと」。ベテラン左腕は雪辱を誓った。<田中将対和田の投げ合い>07年5月2日(ヤフードーム) 高卒1年目の田中が和田に投げ勝った。和田は2回に山崎武に先制2ランを浴びると、4回に再び山崎武に被弾。5回にも適時打を打たれて7回4失点で黒星。田中は7回にブキャナンに2ランを許すも、7回2失点で勝利投手。21年9月20日(楽天生命パーク) ともにメジャーを経て14年ぶりの投げ合い。和田は2回に小深田の2点二塁打などで3点を先行され、4回3失点で降板。田中将は4回にデスパイネに2ランを浴びると、5回は栗原に逆転2ラン。5回5失点で黒星を喫した。
◆拙攻の鷹! ソフトバンクが今季2度目の完封負けを喫した。10安打を放ちながらホームが遠く無得点。10安打で完封負けを喫するのは、12年9月19日の西武戦以来11年ぶりとなる大拙攻だった。FAで新加入した近藤健介外野手(29)はプロ初の1試合4三振。打線がかみ合わず、連勝は3で止まった。打撃職人の異例の光景でゲームセットとなった。FA加入の近藤が、この日4つめとなる空振り三振で最後の打者になった。1試合4三振はプロ入り後初だ。「出塁の鬼」として知られる男は、天を仰いで敗戦を受け止めた。首位を走るソフトバンクらしからぬ拙攻が続いた。3点を追う6回1死一、三塁。甲斐の代打で登場した新外国人のアストゥディーヨが、遊撃への併殺打に倒れた。藤本監督は「なんとか1点を取っておけば変わったかも分からんね。まぁ本人も必死にやっているわけだから。結果、ダブルプレーでもしょうがないです」と責めなかったが、痛恨の一打だった。3者凡退は7、9回のみ。6イニングで得点圏に走者を進めたが、ホームベースが遠かった。10安打を放ちながら今季2度目の無得点負け。10安打で完封負けを喫するのは、12年9月19日の西武戦以来11年ぶりの屈辱だった。指揮官は「流れが悪かった。個人の状態は悪くない。まぁ流れが悪かっただけです。(好機で)1本はね、毎回毎回打てるもんじゃない。流れが悪かった」と、同じ言葉を繰り返しながらため息をついた。0-0の2回1死一、三塁では、甲斐が初球から2球連続でセーフティースクイズを試みるもファウル。3球目で空振り三振に倒れ、1番周東も二ゴロに終わった。直後に先発和田が決勝3ランを被弾。藤本監督は「2回の攻撃は1点を取っていれば、(和田は)いいピッチングしてるかも分からない」と悔やんだ。先制点を取れば開幕から8戦8勝。先行逃げ切りに持ち込めなかった。明るい材料は主砲柳田が今季4度目のマルチ安打。打率は3割1分4厘に上昇した。近藤、柳田、栗原を軸とした強力上位打線で、次は爆発する。【只松憲】
◆楽天・安田悠馬捕手(23)が「9番・捕手」で先発し、今季1号本塁打となる右越え先制3ランを放った。0-0、二回1死一、二塁。相手先発、和田の初球を強振。ベンチ前でキャッチボールをしていた味方先発、田中将は笑顔を浮かべた。安田は球団広報を通じて「打ったのはストレートです。チャンスだったので、先制できてよかったです。最後まで勝てるように頑張ります」とコメントした。
◆踏ん張って先発の役割を果たした。楽天・田中将大投手(34)が今季3度目のマウンドで5回7安打無失点で2勝目。チームの連敗を5で止めた。安田が二回に1号3ラン。松井裕が4セーブ目を挙げた。データBOXは以下の通り。楽天が金曜日に勝利したのは、昨年5月6日のオリックス戦(○3-2、京セラ)以来。同13日の西武戦(●2-4、ベルーナドーム)から続いていた敗戦が「19」で止まった。田中将も昨季は金曜日に3試合で先発し、0勝2敗、防御率7・31(16回、自責点13)。勝ったのはメジャー移籍前の2013年9月13日のオリックス戦(9回、2失点で完投、Kスタ宮城)以来10年ぶりとなった。
◆ソフトバンクは10安打を放つも、11残塁の拙攻で今季2度目の零敗。二回は田中将から1死一、三塁をつくるも、甲斐が三振、周東が二ゴロに倒れた。その直後に3ランで先制を許しただけに、藤本監督は「1点でも取っておけば。流れが悪かった」と悔やんだ。0―3の六回は代わった宮森を攻めて、2安打などで再び1死一、三塁。ここで甲斐の代打アストゥディーヨが遊ゴロ併殺打で好機を逸した。監督は「必死にやった結果だから仕方ない。切り替えていく」と前を向いた。
◆楽天・田中将大投手(34)が5回7安打無失点、7奪三振で2勝目。チームの連敗を5でストップさせ、昨シーズンから続くチームの金曜日の連敗も19で食い止めた。決勝弾となる今季1号3ランを放った安田悠馬捕手(23)とのヒーローインタビューは以下の通り。--どんな思いで登板「チームも連敗中で、個人的にホークス打線にも昨シーズンやられていたので、今年は違うぞというところを見せたかった」--投球内容について「長いイニングは投げられなかったが、自分がマウンドにいる間は、絶対に点は与えないという気持ちでした」--五回(1死一、三塁から連続三振)は雄たけび「あそこはすべてを出し切ろうという気持ちでした。安田がいい配球でリードしてくれたので助かりました」--安田の先制3ランをみて驚いていた「今シーズン(安田は)あまり遠くまで飛ばしていなかったので、びっくりしました」--連敗ストップ「金曜日は約1年ぶりに勝ったらしいので、今年はたくさん勝てるようにチーム一丸となって、みなさんと一緒に勝っていきたいなと思います」
◆大黒柱が〝呪縛〟を解いた。楽天・田中将大投手(34)が5回無失点で2勝目。チームの金曜日の連敗を19で食い止めた。「僕個人というより、チームが勝てたことが大きい。金曜日に、約1年ぶりに勝ったらしいので、今年はファンの皆さんと一緒に勝っていきたいなと思います」〝暗黒の金曜日〟は、昨季5月13日の西武戦(ベルーナ)での敗北から始まった。田中将は7安打を許し、四回以外は得点圏にも走者を出したが、生還させなかった。勝利投手の権利が懸かった3―0の五回は、1死一、三塁のピンチで「全てを出し切る」とギアを最大まで上げた。4番栗原は追い込んでから、この日最速の151キロで見逃し三振に。続く牧原大も空振り三振に仕留め、「個人的に昨季すごく打ち込まれた相手なので、今年は違うぞというところを見せたかった」と気迫を前面に押し出した。7個の三振を奪い、日米通算2498奪三振とした。節目の2500奪三振まで2つ。次回登板予定の21日の日本ハム戦(楽天モバイルパーク宮城)が〝Xデー〟となりそうだ。石井監督は「三振が一番、効率のいいアウトの取り方。打者の立場からいえば、三振すると何も起こらない。記録は励みになると思う」と奪三振能力の高さをたたえた。チームの今季連敗も5でストップ。マー君の力投で杜の都は活気づいた。(広岡浩二)
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
8 | 3 | 0 | 0.727 (↓0.073) | - (-) |
132 | 41 (-) | 23 (+3) | 5 (-) | 7 (-) |
0.256 (↑0.002) | 1.840 (↓0.14) |
2 (-) |
ロッテ |
7 | 5 | 0 | 0.583 (↑0.038) | 1.5 (↑1) |
131 | 42 (+2) | 40 (-) | 6 (-) | 4 (-) |
0.230 (↑0.001) | 3.320 (↑0.32) |
3 (1↓) |
ORIX |
6 | 6 | 0 | 0.500 (↓0.045) | 2.5 (-) |
131 | 42 (-) | 40 (+2) | 11 (-) | 2 (-) |
0.267 (↓0.016) | 3.360 (↑0.09) |
3 (1↓) |
西武 |
6 | 6 | 0 | 0.500 (↓0.045) | 2.5 (-) |
131 | 33 (+2) | 31 (+5) | 8 (+1) | 7 (-) |
0.236 (↓0.004) | 2.380 (↓0.27) |
5 (-) |
楽天 |
4 | 7 | 0 | 0.364 (↑0.064) | 4 (↑1) |
132 | 20 (+3) | 40 (-) | 7 (+1) | 8 (+2) |
0.186 (↑0.004) | 3.620 (↑0.37) |
6 (-) |
日本ハム |
4 | 8 | 0 | 0.333 (↑0.06) | 4.5 (↑1) |
131 | 37 (+5) | 41 (+2) | 6 (+1) | 8 (-) |
0.213 (↑0.006) | 3.190 (↑0.11) |
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