巨人(☆7対1★)阪神 =リーグ戦1回戦(2023.04.11)・東京ドーム=
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阪神
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巨人
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勝利投手:戸郷 翔征(2勝0敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】中田 翔(4号・8回裏2ラン),大城 卓三(1号・8回裏2ラン)

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◆巨人が快勝で連敗を止めた。巨人は初回、梶谷の適時打で先制する。その後は、7回裏にオコエが適時打を放つと、続く8回には中田翔と大城卓の2ランで4点を加え、相手を突き放した。投げては、先発・戸郷が7回3安打無失点の好投で今季2勝目。敗れた阪神は、打線が戸郷の前に沈黙した。

◆阪神西勇輝投手(32)が11日の巨人戦(東京ドーム)で今季初勝利を目指す。前回4日の敵地広島戦は7回途中3失点で勝ち負けつかず。昨季巨人戦は4試合の登板で2勝1敗、防御率0・90と相性はいい。関東遠征6連戦の初戦を託された右腕は「カード頭で自分の仕事は分かっている。いつも通り徹底した仕事をしていきたいと思ってます」と引き締めた。

◆巨人戸郷翔征投手(23)が「ダルスラ」で伝統の一戦の先陣を切る。11日阪神戦に先発予定。5連敗中のチーム状況に「少し負けが続いている。いい流れを持ってこられるように、勝つことを意識してやっていきたい」。連敗脱出から再浮上へつながる投球を目指す。決め球のアップデートに自信を深めた。WBC期間中にパドレスのダルビッシュから直伝されたスライダーは変化量に磨きがかかった。「カーブとスライダーの間のスラーブみたいな感覚で投げている。曲がり方も安定してきた」。今季初先発となった前回登板の4日DeNA戦は6回無失点で、"侍ジャパン最速勝利投手"をつかんだ。昨季までは直球で押し込み、フォークを決め球として多投してきた。見せ球だったスライダーも決め球に加わり「使える球種が3球種になったら、もっともっと完投とかも増える」と手応え十分。まずは戸郷が虎の先手を阻む。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、同学年の巨人戸郷との直接対決を心待ちにした。11日の同戦で先発予定の右腕について「対戦は初めてなんですけど、同級生なので負けてられない。打っていきたいなと思っています」と闘志を燃やした。直近2試合はベンチスタート。起用法について岡田監督は「相手ピッチャーとの兼ね合い」と説明。「明日や、明日」と、11日からスタメン復帰させる可能性を示唆した。

◆阪神岡田彰布監督(65)が10日、東京ドームでの11日からの巨人3連戦へ向け東京へ出発する際に対応した。打率1割6分と不振の佐藤輝明内野手(24)も狭い東京ドームでの復活を期待した。--佐藤輝が不振「明日(11日)は東京ドームやからな」--ちょっと気持ち的にも変わるか「そりゃ変わるやろ、東京ドーム行ったら。T(-岡田)と一緒やん。オリックスのときもそうやったやん、T(-岡田)だって、打ったしよ、お前。東京ドームでお前、レフトにホームラン打ってそれからやん」--佐藤輝は甲子園を除けば過去2年間で最も打点が多かったのは東京ドーム。頭を切り替えることも大事か「東京ドーム行ったらイメージが何かな、狭いっていうかな。すぐ(打球がスタンドに)いきそうな感じやからな」--打者心理では大きい「そりゃ大きいよ、そんなん」--タイミングが遅いという話はコーチとも話をしているのか「そらしてるよ」--東京ドームの室内練習場は使えるのか「(使えるのは)ブルペンやん」--打ち込んだりはできない?「あの囲い(ケージ)の中しかできひんからな。そんなん開幕してすぐに打ち込みっておかしいやん」--チーム本塁打はまだ1本。そろそろ東京ドームで出てくれたら「一緒やって。終わってみたら一緒ぐらい打ってるわ、おーん。そんなんホームランで勝負するんちゃうんから」--ミエセスが身内の不幸で一時帰国「しゃあないよ、そんなんは」--発熱で離脱中の渡辺諒は「今日(10日)、動いとんちゃうか。ランニングとか。明日(11日)からファームに合流できるみたいやけどな」--森下は2試合ベンチスタートだったが、東京ドームでは。森下の起用法は固まっているか「明日(11日)や、明日」--森下は疲れが出ている「疲れが出るてお前、このぐらいで疲れ出ちゃあかんけどな。勝つためのメンバーでいかんと。オープン戦ちゃうんやから。相手ピッチャーとの兼ね合いとかいろんなのでこっちの方が打てるかとかな」--公式戦入ったら攻め方とかも違う「攻め方っていうか、基本的な話で攻め方が厳しいから打たれへんじゃあかんやんか。言うてるやんか。(ホーム)ベースは一緒やん。オープン戦も、公式戦も。ベースの幅は一緒なんやから。そこに来た球を打ったらええだけの話。普通にシンプルにいかな、しゃあないやん。早い球を狙って、変化球を打つっていう」--巨人原監督とは久しぶりの対戦。腹のさぐりあいとかは。「いやまだ、そんなんないよ。そんなん。負けてるチームとやるのは嫌やけどな。はっきり言うて。(5連敗中の)巨人だけじゃなしにな。対戦のときに連敗のチームとやる方は嫌や。やっぱりそんなに普通にな、できる状態じゃないからな。負けてる方は何してくるか分からんしな。分からへんよ」-ーメンバーもコロコロ変わる。「そらまあ、負けると変えてしまうんよ。しゃあないやん、それは。それは勝つためにどうしたらええかという話だけやから」ー-今年の巨人はどう見てるか。「まだ分かれへんよ、やってないやんか。この間(3月22日オープン戦)でもメンバーおらんしな、初めてみたいなもんやんか、おれへんのやから、3番、4番が。キャッチャーも違うしな」--巨人もまだ開幕したばかりで手探り状態「知らんよ、そんなことお前。原のことまで知らんよ。なあ(笑い)。負けてたら代えたなる言うてるだけやんか。代えるから手探りだとか、そんなん分からへんやん。そんなん。そんな本音言うわけないやないか。そんなんは第三者が考えるだけで、分からへんのやから。こっちも本音のことは絶対に言えへんし。言わんよ」-相手の先発も新しい戦力が「でも、(オープン戦で)当たっているやろあれ(メンデス)は」--岩貞は「待ってたら来るよ。何を言ってんのよ。おったら来るは東京に」--岩貞が入ることによって中継ぎに厚み「厚みていうか、そら人数入れるんやからな。ベンチ入りの。厚みとかいう問題じゃない。ええもんを置いとかなあかんわけやからな」--適度に休ませることもできる。連投とか続いてたら「いやいや。だから、今はオレは全然知らんから。休ますことなんて考えてないよ。何で休ませなあかんの。はっきり言って。浜地は今の調子じゃ投げさせられへんからというだけや。それは、そんな、お前、おかしいよ。休養日とか。プロ野球選手でお前、それが今の野球かも分からんけど、オレはそんな考えは一切ないよ。そうやろ。何で休ませなあかんの。毎日給料もろてんのに」

◆阪神岡田彰布監督(65)が試合前、明日12日から渡辺諒内野手(27)が1軍に合流すると明かした。渡辺諒は発熱のため、7日に特例2023で出場選手登録を外れていた。「もう新幹線乗ったんちゃうか。まだ明日(練習を)見てからや」と話した。渡辺諒は2軍中日戦(鳴尾浜)に1番三塁でスタメン出場し、左飛、中安打、死球の3打席2打数1安打で途中交代。その後、東京へ移動した。正三塁手の佐藤輝が打率1割6分と不振を極める中、三塁も守れる渡辺諒の戦列復帰は大きい。また左肩の張りで開幕2軍スタートの中継ぎ左腕・岩貞については「まあ、横浜からやな」と、14日からのDeNA3連戦(横浜)で1軍合流させる考えだ。岩貞はこの日の2軍中日戦に2番手で6回から登板し、1回を無安打1奪三振無失点に抑えた。

◆今季初の「伝統の一戦」が行われる東京ドームで阪神、巨人両軍の選手が試合前に交流した。WBCで世界一に輝いた侍ジャパンの阪神湯浅京己投手(23)、巨人大勢投手(23)が談笑。"ガチアツトーク"に中野拓夢内野手(26)も加わっていた。阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)は、巨人原辰徳監督(64)にあいさつ。石井昭男打撃コーチ(67)も交え、談笑。中大の先輩、阿部慎之助ヘッド兼バッテリーコーチ(44)にもしっかりとあいさつしていた。12日に先発する阪神村上頌樹投手(24)は智弁学園(奈良)の先輩、巨人岡本和真内野手(26)にあいさつ。岡本と同学年の阪神中野も笑顔で話していた。試合前はリラックスした様子が見られた両軍の選手たち。試合は午後6時からプレーボールだ。

◆両軍のスタメンが発表された。阪神は岡田彰布監督(65)が、打撃不振でスタメン落ちの可能性にも言及していた佐藤輝明内野手(23)を「5番三塁」で継続してスタメン起用。阪神は西勇輝投手(32)、巨人は戸郷翔征投手(23)が先発。

◆巨人は6連敗阻止に向け、打順を組み替えた。今季初の「伝統の一戦」に向け、2番は丸佳浩外野手(34)、3番は梶谷隆幸外野手(34)を並べた。原監督は9日の広島戦後、「流れをやっぱりいい形で変えていかないとね。東京ドームから、またスタートするというところですね」と話していた。先発は戸郷翔征投手(23)で負の連鎖を断ち切る。

◆阪神がわずか35分で3回までの攻撃を片付けられた。3回表2死、先発の9番西勇輝投手(32)が巨人中田の失策を誘う一塁へのゴロを放つまで、戸郷に完全投球を許していた。ようやく走者が出たが、1番近本光司外野手(28)が左飛に倒れチェンジ。この時点で午後6時35分。戸郷は3回までわずか31球で、すいすいと気持ちよく投球をさせてしまっている。

◆巨人中田翔内野手(33)が魂のヘッドスライディングも間一髪届かなかった。4回先頭、左中間へ二塁打を放って出塁。坂本が2球連続でバントを試みるも転がせず、追い込まれてから右飛を放った。二塁走者の中田翔はこれに二塁からタッチアップ。三塁にヘッドスライディングするも、阪神ルーキーの森下と中野のカットプレーに阻まれてタッチアウトとなった。中田翔はユニホームを土で汚しながら、下を向いてうつむきながら悔しがった。

◆阪神が完璧な中継プレーを決め、巨人のチャンス拡大を阻止した。1点ビハインドの4回無死二塁。2ストライクから坂本が右飛を放った。右翼森下翔太外野手(22)は捕球すると、素早く二塁中野拓夢内野手(26)へ返球。中野は三塁佐藤輝明内野手(24)へノーバウンド送球で、タッチアップを試みた二塁走者中田翔をタッチアウトに仕留めた。中田も三塁へヘッドスライディングする気迫を見せたが、阪神の中継プレーが上回った。

◆いち早く「ピッチクロック」制度導入? 今季初の「伝統の一戦」の試合テンポの早さにSNSで困惑するファンが見られた。巨人の先発はセ・リーグで20年、21年と2年連続で最も平均投球間隔(無走者時)が短い投手に送られる「スピードアップ賞」を受賞して"殿堂入り"した戸郷翔征投手(23)と、制球の良さで知られる阪神西勇輝投手(32)。西勇は1回に1点を失うも、以降は両投手5回終了まで無失点。5回終了の時点で経過した時間は約1時間15分だった。SNSでは「東京ドームだけ先行的にピッチクロック導入してる? 今日の巨人阪神戦やたらと進みが早いな笑」「もう6回って早いな」「7時で5回終了って、なんなん?」「戸郷の投球テンポ、早すぎやろw」とのツイートが見られた。

◆巨人が"天敵"から1点をもぎとった。1回1死二塁、梶谷隆幸外野手(34)が阪神西勇輝の3ボールからの外角シュートを左前にはじき返した。今季初の伝統の一戦で初回に先制打をマークし「チャンスだったので、積極的にいこうと思って打席に入りました。カウントが3ボールでしたが、狙い球を思い切って打ちにいけました。先制できて良かったです」と振り返った。チームは相手右腕の西勇に昨季は開幕から28回連続無得点だった。「3番左翼」でスタメン出場した梶谷の一打で先手をとった。

◆深刻なタイムリー欠乏症だ。阪神が6回表の攻撃も無得点に終わり、これで40イニング連続適時打なしとなった。6回でわずか3安打。巨人先発戸郷を攻略することができず、テンポよく試合が進んでしまっている。6回表途中で降雨コールド完封負けを喫した6日広島戦(マツダ)以降の4試合は犠飛2本と内野ゴロの間の3得点のみ。ヤクルトとの3連戦は全て1得点のみと得点力不足に苦しんでいる。

◆オコエが詰まった、落ちた、突き上げた! オコエ瑠偉外野手(25)が5年ぶりの猛打賞だ。1点リードの7回2死満塁、阪神西勇の内角144キロシュートを詰まりながらも、右前に落とした。「気持ちで打ちました。戸郷が頑張っていたので援護できて良かったです」。走者2人を生還させる2点適時打に一塁ベース上で両拳を突き上げた。1回先頭で左前打、3回先頭でもあとひと伸びで本塁打という右翼フェンス最上段直撃の二塁打で打線をけん引。7回の2点適時打で、この日3安打で18年9月15日ロッテ戦以来となる猛打賞を決めた。ツイッターでは「オコエマジでいいやん!」「オコエもよーここまできたわ...泣」「オコエいいなあ酒が美味い」「何?今度はオコエ個人軍なの?」「オコエ覚醒」「オコエたまらん」などとファンが投稿した。

◆この日34歳の誕生日を迎えた巨人丸佳浩外野手(34)に代打が告げられた。3点リードの7回2死一、三塁、阪神の2番手左腕・富田が登板した場面で、原監督から右の代打ブリンソンがコールされた。丸はこの日、1回に右翼守備でスーパーキャッチを見せたものの打撃では遊ゴロ、中飛、空振り三振と3打数無安打。34打数3安打で打率8分8厘と苦しんでいた。

◆巨人梶谷隆幸外野手(34)が先制打を放った。1回1死三塁、阪神西勇の外角141キロシュートキロを左前にはじきかえした。カウント3-0から迷いなく振った。「チャンスだったので、積極的にいこうと思って打席に入りました。狙い球を思い切って打ちにいけました」。一塁ベース上で、手をたたいた。暗闇の中にいた。DeNAからFA加入1年目の21年10月、腰椎椎間板ヘルニアの手術を受け、昨年5月には左膝内側半月板縫合手術を受けた。思うように体が動かない。「野球選手じゃないんじゃないか」と漏らすほど不安にもかられた。今季は育成契約から再出発。再発の不安と闘いながら、もがいてきた。初めてスライディングの練習をしたのは3月4日。怖さを封じ込めながら、寝転ぶようにゆっくり芝に滑り込んでいた。わずか5週間前だ。この試合前までチーム5連敗。その間、計7得点とホームベースが遠かった。ここ5試合の得点圏打率は26打数2安打で打率0割7分7厘。計40安打ながら、あと1本が出ない展開で、黒星が続いた。3番に起用された梶谷は9日広島戦で無安打だったが、この日は1打席目から仕事を果たした。長いリハビリを経て、輝く1軍の舞台に戻ってきた。まだ完璧とは言えないが、最前線で戦える喜びをかみしめる。「心は変わりましたね。野球めちゃ楽しいな」と笑う。今季初の伝統の一戦。はい上がった男は強かった。【上田悠太】

◆守備の名手・巨人中田翔内野手(33)の守備が乱れた。3回2死、阪神西勇の一塁線よりの打球をはじいて今季初失策。さらに3点リードの7回1死二塁、近本の平凡なゴロをシングルハンドで捕球しに行くも、ショートバウンドの打球を捕球できず。この日2失策目でピンチを広げた。一塁手部門で5回のゴールデン・グラブ賞に輝き、今季も好守で何度もチームを救ってきた中田翔だったが、この日は精彩を欠いた。

◆巨人中田翔内野手(33)が2失策の汚名を返上する4号2ランを放った。2点リードの8回1死三塁、阪神浜地の内角148キロ直球に肘をたたんで捉えた。外野手が1歩も追わなかった打球は左翼席への2試合連続アーチ。広島デビッドソンに並ぶリーグトップの4号を決めた。3回2死には、阪神西勇の一塁線よりの打球をはじいて今季初失策。さらに3点リードの7回1死二塁、近本の平凡なゴロをシングルハンドで捕球しに行くも、ショートバウンドの打球を捕球できずに、この日2失策目でピンチを広げていた。守備の汚名を返上する確信アーチでチームにリードをもたらした。

◆阪神に42イニングぶりにタイムリーが飛び出した。3点ビハインドの8回1死一、三塁。2番中野拓夢内野手(26)が巨人高梨から中前適時打を決めた。阪神ファンで埋め尽くされた左翼スタンドは大盛り上がり。中野は一塁ベース上で、三塁ベンチのナインに向けて右手を上げてポーズを決めた。阪神は4日の広島戦の9回に大山悠輔内野手(28)が適時打を放って以来、タイムリーが出ていなかった。6回表途中で降雨コールド完封負けを喫した6日広島戦(マツダ)以降の4試合は犠飛2本と内野ゴロの間の3得点のみ。ヤクルトとの3連戦は全て1得点のみと得点力不足に苦しんでいた。

◆投打がかみ合った巨人が連敗を5でストップした。試合前まで5勝2敗1分けで2位につけていた阪神と今季初の「伝統の一戦」に臨んだ。1回にオコエの二塁打からチャンスを作って1死三塁から梶谷の先制適時打で早々と先手をとった。先発の戸郷はテンポの良い投球で7回3安打無失点5奪三振、無四死球と安定感抜群の投球を披露。「無四球、無失点に抑えられて良かったです。野手の方が早い回から点を取ってくれたのでリズム良く投げられました。7回点がほしい所で取ってくれて良かった」と振り返った。今季は13イニング無失点を継続中のまま、マウンドを降りた。若き右腕に打線も応えた。7回2死満塁、オコエが阪神西勇から右前に落とす2点適時打。この日3安打目でリードを3点に拡大した。戸郷が退いた後、中田翔のこの日2つめの失策も絡み、高梨が1点を失う。それでも8回、中田翔の2戦連発で広島デビッドソンに並んでリーグトップとなる4号2ランを放つと、1死二塁から大城卓が右翼席へ1号2ランを放って一気にリードを広げた。投打がかみ合い、4日DeNA戦(横浜)以来、6試合ぶりの白星を収めた。今季初の伝統の一戦で勝利し、原監督は「今日は非常にいいピッチング、いいバッティングというものが出ましたので、そこは明日また気を引き締めて戦っていきたいと思います」と話した。

◆巨人坂本勇人内野手(34)が3試合連続安打を放った。8回1死走者なし。阪神浜地の134キロカットボールを角度よく捉えた。左中間フェンス直撃の二塁打とした。開幕から22打席連続ノーヒットの不振だった。8日広島戦で今季23打席目にして、初安打、初本塁打をマークするなど2安打。9日広島戦も左前打を放っており、トンネルを脱して、お目覚めとなった。SNSでは「坂本勇人、完全復活しはったなこれ」「勇人さんツーベース 泣くよね」「少し先で打ってフェン直ならもう心配ないでしょ」とファンも歓喜した。

◆阪神が、今季初の巨人戦に敗れた。1回、先発の西勇輝投手(32)が先頭オコエに左前打され、左翼ノイジーのエラーもあり無死二塁のピンチ。続く梶谷に適時打され、1点を先制された。その後は立ち直り、2回以降は味方の好守備もあって6回まで追加点を許さなかったが、7回2死満塁からオコエに中前2点適時打を浴び降板した。8回にも3番手の浜地が中田翔、大城卓にそれぞれ2ランを打たれダメを押された。打線も、侍ジャパンの巨人戸郷の前に7回まで散発3安打に封じられ、8回、代わった高梨から中野の適時打で1点を返したが遅かった。5連敗していた巨人に白星を献上。岡田彰布監督の15年ぶりの巨人戦勝利もお預けとなった。

◆巨人が連敗を5で止めた。先発の戸郷は7回3安打無失点で2勝目。1回に梶谷の適時打で先制し、7回にオコエの2点打、8回は中田翔の2ランなどでリードを広げた。阪神は打線が機能せず、西勇の力投を生かせなかった。

◆阪神浜地真澄投手(24)は3試合連続失点で2軍降格が濃厚となった。2点差に迫って迎えた8回裏、5番中田、7番大城に2ランを献上。1死しか取れないまま4失点で降板した。1イニング2被本塁打は自身初で、ベンチで涙を浮かべる場面も。不調の要因について「分からないです...。分かったつもりだったけど、分かっていなかった」と厳しい表情。岡田監督は今後について「そら考えなあかんやろな。これだけ投げて打たれとったらな。そらしょうがないわ」と2軍再調整を示唆した。

◆阪神が、今季初の巨人戦に完敗した。1回、先発の西勇輝投手(32)が先制点を許した。その後は粘ったが、7回に2失点。8回に3番手の浜地が中田翔、大城卓にそれぞれ2ランを打たれダメを押された。打線も、巨人戸郷の前に7回まで無得点。8回、代わった高梨から1点を返すのがやっとで、5連敗していた巨人に白星を献上した。岡田彰布監督(65)の試合後の一問一答は以下の通り。-打線がまず...「(苦笑しながら)打てんなあ。差し込まれるばっかり、ポップフライばっかりやもんな、フライが」-戸郷も状態は良いほうだったと思うが?「思ったよりもストレートが多かったよなあ、きょうは。うーん、前半からなあ。そら多いのはわかるわけやからなあ」-なかなか佐藤輝の兆しがみえない「そら見えへん。見ての通りやんか。そんなん、お前。そういう質問はわかってることやから、あんまり...。結果論を言うてもしゃあないやん」-クリーンアップが無安打「おーん。もうだから差し込まれのフライばっかりやからなあ」-森下も3試合ぶりにスタメンに出たが「いや~ちょっとまたおかしなってんもんな。バット出えへんもんな。なぁ」-巨人打線は状態上がってきた「いや、状態上がってるいうか、今日はオコエなぁ。ほとんど勝負ではオコエにやられたような(もの)みたいやけど。だから、状態上げるようなんやったらあかんわな。最後、浜地にしてもな。ほんま、何とか立ち直るそういうアレをやったけど、しんどいよな。ボールが飛ぶよな、なぁ。ホームラン3本か。ヤクルトからな」-1点返したあとだけに「いやいや、2点なあ。1点取って分からへんし、ちょうどな、いい展開いうたらおかしいけど、浜地も立ち直るにはええ点差いうたらおかしいけどな、おーん、そう思たけどな」-下(2軍)も考える「そら考えなあかんやろな、こんだけそらお前、えー、結果、投げて打たれとったらな。そらしょうがないわ」-西勇は「そうやなあ、だからオコエの相性もな、オコエが一番タイミング合うとったけどな、そこ何とかのー、長野のゲッツーもあったけどな、もう1人な、頑張ってくれとったら分からんかったけどな」-守備は中継プレーだったり、いいプレーが出たが「まあでも、お前点取れん...お前1点じゃ、ずっと4試合1点かいな。4試合1点じゃそりゃな、なかなか勝てんわな、うん」-もう少し辛抱っていうイメージ?「いや、それはわからん。いや、変えたくないとは言うてないよ」-久々に出たタイムリーっていうのを今後にどうつなげていくか「まあタイムリーっていうか、まあそらチャンスもな、ほとんどなかったし。まあな、あそこでまあ残ってクリーンアップやからな。2人ランナー残ってクリーンアップで。まあなんとかな、ピッチャー代わったから。そりゃピッチャーは代わるわな。次、右が続くんやから、そんなん代わるのはもう予定してることやけど、そこでな。やっぱりな、なんとかこうな、もうちょっとええ内容で対応せんとあかんわな。まあ打ち取られ方が悪い。はっきり言うて」

◆巨人原辰徳監督(64)がこの日2失策の中田翔内野手(33)への変わらない信頼を強調した。3回2死、阪神西勇の一塁線よりの打球をはじいて今季初失策。さらに3点リードの7回1死二塁、近本の平凡なゴロをシングルハンドで捕球しに行くも、ショートバウンドの打球を捕球できず。この日2失策目でピンチを広げた。それでも2点リードの8回1死三塁、阪神浜地の内角148キロ直球を捉えて、左翼席への2試合連続アーチとなる4号2ラン。広島デビッドソンに並ぶリーグトップの4号を決めた。原監督は試合後、「守備力という点ではファースト守らせたら僕はプロ野球界で一番上手な人だと思います。まあしかし、今日はああいう形になりましたけど、でも、その中でさらに集中力を出して、まあさすがですね」と称賛した。

◆巨人戸郷翔征投手(23)がダル直伝の「高め直球&スライダー」で虎打線を封じた。最速148キロと本調子ではないながらも、意図した通りの投球で7回3安打無失点。チームの連敗を止めた。鍵になったのは侍ジャパンでダルビッシュに助言された「高め直球」の使い方だった。4回2死一塁では佐藤輝を内角高めの143キロ直球で二飛に仕留めた。6回無死一塁では侍ジャパンでも同僚の中野を145キロ直球で空振り三振。「意図したボールだったので、結構、自信になりました」とうなずいた。スライダーも活用し、カウントを整えて無四死球。今季は13イニング連続無失点を継続する。「高めの真っすぐで空振りを取れたら、逆にフォークが生きるとか、逆にもう1球続けても空振りが取れたり。いろいろな相乗効果がある。(WBCで)得たものはもうでかすぎた」と成長を実感した。原監督は「配球等々において、真っすぐをうまく使えた、フォークボール以外のボールをうまく使えたというところに良さがありますね。WBCに行って1つ2つ大きくなって帰ってきたなと。これから先さらに若武者として期待したい投手です」と称賛した。

◆巨人原辰徳監督(64)が火消しに成功した田中豊樹投手(29)に感謝した。2点リードの8回に2番手高梨が登板するも、中田翔の失策も絡んで1死一、三塁とピンチを招くと、阪神中直に中前適時打をあびた。1死一、二塁で右打者のノイジー、大山を迎え、右の田中豊にスイッチ。一打同点のピンチを遊ゴロ、二飛で仕留めた。原監督は試合後、「8回というのがね。私を含め7回8回というのがメディアさんも含め、特にその部分がここのところ言われていると逆に彼らが意識をしすぎてしまっているのかなと。本来のピッチングであるならば、高梨もあんなに左打者に打たれる投手ではないんですが、(田中)豊樹は本当によくあの場面を抑えてくれたのは大きかったですね」と開幕前日に育成から支配下に復帰した右腕をたたえた。

◆巨人大城卓三捕手(30)が今季1号2ランで連敗ストップに貢献した。4点リードの8回1死二塁、阪神浜地の内角低め145キロ直球をすくい上げて右翼席まで運んだ。ダメ押しとなる2ランに「いい流れで打席が回ってきたので、落ち着いて打席に入れました。入ってくれて良かったです」と喜んだ。原監督は開幕から全試合スタメンで起用する大城卓について「よくやってると思いますよ。なかなか点数が取れない中で、リリーフ陣たちを引っ張っていってるし、勝ちに恵まれてなかったという点では、キャッチャーというポジションは、勝たないと責任を背負うらしいんだな。そういう意味では今日の勝利というのは自分が打ったことよりも勝利したことの方が大きいんじゃないでしょうか」とたたえ、打撃面以上に扇の要としての価値ある白星だったとした。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、15年ぶりの伝統の一戦で完敗した。前回指揮を執った08年10月以来の東京ドームで原巨人と対決したが、ノイジー、大山、佐藤輝の中軸が先発戸郷らの前に12の0に抑えられるなど沈黙。8回に中野の42イニングぶりの適時打で1点をかえすのがやっとで、5試合連続1得点以下と貧打が深刻な状況だ。岡田監督と原監督 岡田監督は57年11月25日、原監督は58年7月22日生まれで岡田監督が1学年上。79年の日米大学野球では、早大・岡田が4番ショート、東海大・原が3番サードで出場した。ドラフトは岡田が79年1位(6球団競合)で阪神、原が80年1位(4球団競合)で巨人に入団。ともに新人王を獲得した。監督では岡田監督が阪神、原監督が巨人で06~08年の3年間セ・リーグで同時期に対戦。07、08年は巨人が優勝し、特に08年は最大13ゲーム差を逆転。岡田監督はこの年限りで辞任した。オリックス監督時代も含めると、岡田監督の原監督との直接対決は41勝41敗1分けの五分となった。昨秋のドラフトでは、高松商・浅野の1位抽選で一騎打ちとなり、原監督が引き当てた。今季の12球団では岡田監督が最高齢の65歳、原監督が次いで64歳。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、15年ぶりの伝統の一戦で完敗した。前回指揮を執った08年10月以来の東京ドームで原巨人と対決したが、ノイジー、大山、佐藤輝の中軸が先発戸郷らの前に12の0に抑えられるなど沈黙。8回に中野の42イニングぶりの適時打で1点をかえすのがやっとで、5試合連続1得点以下と貧打が深刻な状況だ。岡田監督も「そりゃ勝てんわな」と嘆くしかなかった。東京ドームの白い天井に、高々と飛球が舞い上がるばかりだった。27アウトのうち、半分以上の15個がフライアウト。岡田監督は「えへへっ。打てんなあ。差し込まれるばっかり、ポップフライばかりやもんな」と苦笑いするしかなかった。8回に中野が42イニングぶりの適時打で1点をかえして2点差に迫ると、ファンは盛り上がった。だが、なお1死一、二塁で3番ノイジーは遊ゴロ、4番大山はこの日自身3つめの飛球となる二飛で凡退。「2人(走者が)残ってクリーンアップで。まあ、打ち取られ方が悪い。はっきり言うて」と嘆くしかなかった。クリーンアップで12打数無安打。出塁すらできなかった。狭い東京ドームならと代えずに5番に入れた佐藤輝は、バットを折られる遊ゴロ、3球フォークを続けられて空振り三振など、4打数無安打。指揮官は「(復調の兆しは)見えへん。見ての通りやんか。結果論を言うてもしゃあないやん」と、静かに話した。大山は「しっかり反省して、また明日試合あるので頑張ります」と言い、佐藤輝も「切り替えてやるしかないです」と必死に前を向いた。一方で岡田監督は「点取れん。4試合(連続で)1点じゃ、そりゃなかなか勝てんわな」と厳しい表情で、「(メンバーを)変えたくないとは言うてないよ」とコメント。発熱で離脱していた渡辺諒を合流させる12日のテコ入れに、含みを持たせた。岡田監督は15年ぶりとなる、因縁の東京ドームだった。前回指揮を執った08年10月8日、猛追してきた巨人との最終戦に1-3で敗れ、141試合目で初めて首位を陥落。最大13ゲーム差を逆転されて2日後の10日にリーグ優勝をさらわれ、引責辞任に追い込まれた。その日先発し、4回2失点で敗戦投手となった安藤が現在投手コーチを務め、5番三塁で3打数無安打だった今岡が打撃コーチとして、第2次岡田政権を支えている。雪辱は持ち越しになったが、あの悔しさを胸に刻むコーチ陣とともに、若いチームを強く育てる覚悟。12日の第2ラウンドは、攻撃陣の奮起でスカッと快勝したい。【石橋隆雄】岡田監督は阪神の監督としては、08年以来の巨人との公式戦となった。同年のこのカードは、8月30日(甲子園)から7連敗で閉幕。13差を覆されてのV逸につながった。15年の月日を超え"8連敗"となった。

◆巨人が連敗を5で止めた。リードオフマンのオコエ瑠偉外野手(25)が、"超・積極的打法"で3安打2打点の5年ぶり猛打賞で打線を引っ張った。先発の戸郷翔征投手(23)が"超・高低差投法"で7回3安打無失点、2勝目をマーク。今季初の「伝統の一戦」は先制、中押し、ダメ押しで畳みかけて快勝した。オコエは超イケイケに振りまくった。5打席のうち、ストライクの5球はひとつも見逃さない。全部にバットを出した。1回は1ボールからの2球目を左前打。3回は1球ファウルでカウント3-1から右中間フェンス直撃の二塁打。そして7回2死満塁では、1球ファウル後の2球目を詰まりながら右前に落とし、貴重な2点の追加点を生み出した。楽天時代の18年9月15日ロッテ戦以来となる猛打賞。「間違いなくいい方向に進んでいる。短期間にならないように継続していければ」とうなずいた。4打数無安打だった開幕戦の教訓があった。この日と同じ1番での出場。1点を追う8回、中日小笠原に見逃し三振を喫した。2ボールと打者有利のカウントからストライク2球を見逃した。1球ファウルの後、最後はバットが出なかった。ストライク3球を見逃した姿勢に、坂本から「最後の打席、見にいくぐらいでいったろ」と指摘された。図星だった。「フォアボールが欲しかったというのもあったんです」と説明すると、続けられた。「フォアボールを取れるバッターは打ってナンボ。まず打たないと始まらない」。慎重になりすぎていた姿勢を悔いた。その反省を生かした。髪も短くなっていた。実は「もみ上げをそろうとして、このまま上までいっちゃった」とバリカン操作も勢いありすぎてミスしてしまったが、バットは狙い通りになった。強気のオコエが巨人をアゲアゲ軌道に押し上げる。【上田悠太】巨人大城卓(8回1死二塁、阪神浜地から今季1号2ラン)「いい流れで打席が回ってきたので、落ち着いて打席に入れました。入ってくれて良かったです」巨人梶谷(1回1死三塁から左前へ先制適時打)「チャンスだったので積極的にいこうと思って打席に入った。カウントが3ボールだったが、狙い球を思い切って打ちにいけた」

◆阪神ドラフト6位富田が無失点で伝統の一戦デビューを飾った。先発西勇が招いた7回2死一、三塁のピンチで登板。丸に代わって右の代打ブリンソンが登場したが、116キロの変化球で右飛に打ち取り、失点を防いだ。「左打者のどこかで、と思って準備していました。声援は大きかったけど、やるべきことを明確にしていけたのでよかった」と振り返った。

◆阪神西勇輝は粘投報われず、今季初黒星を喫した。1回裏は左翼ノイジーの失策も絡んで2安打で先制点を献上。それでも3、4回はともに無死二塁から無失点で切り抜けた。7回2死満塁から1番オコエに右前2点打を許したが、6回2/3を6安打3失点としっかりゲームメーク。「前半、中盤と味方のいい守備に恵まれて、球数を少なく行くことができた。リードも良かった。結果に対して自分が考えることも大事だけど、過程としては次につながるピッチングだった」と次戦へ前を向いた。

◆巨人戸郷がダル直伝の「高め直球&スライダー」で虎打線を封じた。最速148キロと本調子ではないながらも、意図した通りの投球で7回3安打無失点。チームの連敗を止めた。鍵になったのは侍ジャパンでダルビッシュに助言された「高め直球」の使い方だった。4回2死一塁では佐藤輝を内角高めの143キロ直球で二飛に仕留めた。6回無死一塁では侍ジャパンでも同僚の中野を145キロ直球で空振り三振。「意図したボールだったので、結構、自信になりました」とうなずいた。スライダーをカウント球、勝負球として有効利用し、テンポ良く無四死球。開幕から13イニング連続無失点を継続する。「高めの真っすぐで空振りを取れたら、逆にフォークが生きるとか、逆にもう1球続けても空振りが取れたり。いろいろな相乗効果がある。(WBCで)得たものはでかすぎた」と成長を実感した。

◆好プレーも課題も出た「伝統の一戦」デビューとなった。阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22)が今季初の巨人戦に「6番右翼」で3試合ぶりにスタメン復帰。両軍ファンの大声援が飛び交った一戦に「特に他の試合と変わらないです」と泰然自若で臨んだ。1点ビハインドの4回裏無死二塁。守備で沸かせた。坂本の右中間への右飛をキャッチすると、中継に入った二塁中野に素早く送球。中野が三塁佐藤輝へノーバウンド送球し、タッチアップを試みた二塁走者中田翔をタッチアウトにした。「練習通りできたのでよかった。ライトフライならタッチアップするだろうと、頭の中で準備していたので予想通り」。岡田監督の方針でカットマンへの返球をキャンプから徹底してきた。結果的に終盤に点差は広がったが、1点差の中盤に大きなプレーが飛び出した。一方、4打数無安打とバットは湿ったまま。これで13打席連続無安打だ。同学年の戸郷に歯が立たず「これから打てるようにしないと」と危機感を持った。岡田監督は「ちょっとまたおかしなってんもんな。バット出えへんもんな」と嘆く。打率は2割8厘まで低下。このままズルズルとはいきたくない。【中野椋】

◆テルよ、東京ドームで目を覚ませ! 阪神・岡田彰布監督(65)が11日からの巨人3連戦(東京ドーム)に向け、東京に新幹線で移動する前に新大阪駅で対応。打率1割台と不振を極める佐藤輝明内野手(24)について、東京ドームで「変わる!」と予言した。その根拠に、オリックス監督時代の2010年、まな弟子で、パ・リーグ本塁打王に輝いたT-岡田外野手(35)を例に挙げた。一夜明けて、怒りは消えていた。今季初の巨人戦。岡田監督にとっては2008年以来となる伝統の一戦に臨む。打のキーマンはもちろんこの男。期待を込め、不振の佐藤輝を指名した。「そりゃ、変わるやろ。東京ドームに行ったらイメージが何かな、狭いっていうかな。すぐ(打球がスタンドに)行きそうな感じやからな」勝てば首位だった前日9日のヤクルト戦(甲子園)。佐藤輝は2度の好機で空振り三振に倒れて無念のドロー。怒りの指揮官は「打てんかったら外すよ。しゃあない」と吐き捨てた。開幕8試合で打率・160、0本塁打。得点圏打率・000(7打数無安打)。直近5試合は打率・067(15打数1安打)と苦しむ背番号8。直球に振り遅れ、変化球にも対応できない。指揮官もお手上げ状態のなか、13年前の記憶を思い出した。「T(―岡田)と一緒やん。東京ドームでお前、レフトにホームラン打って。それからやん」オリックス監督時代の10年。開幕5試合で打率・118(17打数2安打)と苦しんだT-岡田は東京ドームでの2連戦(対日本ハム)の初戦で本塁打を含む3安打。翌日も左翼席に3ランを放ち、2試合連続本塁打で自信を取り戻した。それからアーチを量産し、33発で、プロ5年目で初タイトルとなる本塁打王を獲得した。岡田監督はかつてのまな弟子に、開幕から乗り切れない虎の若き大砲をだぶらせた。

◆阪神・岡田彰布監督(65)が11日から今季初の巨人戦(東京ドーム)に挑む。チームは34イニング適時打から遠ざかっており、佐藤輝明内野手(24)は得点圏12打席で7打数無安打(4四球1犠打)と拙攻貧打が続くが、巨人も5連敗中。先発は阪神が西勇輝投手(32)、巨人が戸郷翔征投手(23)。D1位・森下翔太外野手(22)=中大=の3試合連続のベンチスタートを明言した指揮官の主な一問一答は以下の通り。「巨人も(広島に)3連敗するか」ーー身内の不幸で一時帰国したミエセスは時間がかかりそう「しゃあないよ、そんなんは」ーー渡辺諒は「今日、動いとんちゃうか。ランニングとか。明日から、ファームに合流できるみたいやけど」ーー佐藤輝は東京ドームで打ち込みは「あの囲い(ケージ)の中しかできひんからな。そんなん開幕して、すぐに打ち込みっておかしいやん。そんなもん、お前」ーーチーム本塁打はまだ1本「一緒やって。終わってみたら一緒ぐらい打ってるわ、おーん。そんなんホームランで勝負するんちゃうんから」ーー森下は東京ドームでは「いやいや、明日はまだ休ませるよ」ーー疲れが出ている「疲れが出るて、お前、このぐらいで疲れ出ちゃアカンけどな。勝つためのメンバーで行かんと。オープン戦ちゃうんやから。相手ピッチャーとの兼ね合いとか、いろんなので、こっちの方が打てるかとかな」ーー公式戦入ったら攻め方とかも違う「攻め方っていうか、基本的な話で、攻め方が厳しいから打たれへんじゃアカンやんか。言うてるやんか。(ホーム)ベースは一緒やん。オープン戦も、公式戦も。ベースの幅は一緒なんやから。そこに来た球を打ったらエエだけの話。難しく考えても、4割も打たれへんもん。そういうことを考えるのが、おかしいって」(さらに続けて)「配球読んでとかやな、そんなんバチバチ当たったら4割打ってるヤツがおるよ。何が来るか分からんのやから。そらコンピューターとかで球が分かればエエけど、分からへんやろ。普通にシンプルに行かな、しゃあないやん。速い球を狙って、変化球を打つっていう」

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=は「6番・右翼」で7日のヤクルト戦(甲子園)以来、3試合ぶりに先発に名を連ねた。この試合の前の時点で出場3試合、9打席連続無安打のルーキー。ただ、東京ドームでは3月22日のオープン戦で左中間にホームランを放っている。直近3試合で3得点と元気のない打線に黄金ルーキーが勢いを与える。

◆巨人は丸佳浩外野手(34)が2試合ぶりに「2番・右翼」で先発出場する。ここまで9試合に出場し、打率・097(31打数3安打)。9日の広島戦(マツダ)ではスタメンから外れていた。吉川尚輝内野手(28)も「8番・二塁」で先発復帰する。

◆阪神・岡田彰布監督(65)が東京ドーム到着後、練習前に報道陣に対応。中日との2軍戦(鳴尾浜)で「1番・三塁」で出場した渡辺諒内野手(27)の再昇格を示唆すると同時に、2番手で1回無失点だった岩貞祐太投手(31)を14日のDeNA戦(横浜)から1軍に呼ぶ方向で調整を進めることを明らかにした。主な一問一答は以下の通り。ーー渡辺が2軍戦で死球を食らった(2打数1安打。四回の第3打席で死球を受ける)「おう。あれ足やろ」ーー12日に東京入りか「もう新幹線に乗っているよ。まだ乗ってないか。無理やろな」ーー昇格は練習を見てから「そうやな」ーー状態がよければスタメンは「いや、明日見てからや。ヒットを打ったといっていたけどな」ーー岩貞も投げた「岩貞の方が(伊藤将より)先に来ると思うけどな。まあ横浜(14日からの敵地での3連戦)からや」ーー今後の入れ替え「入れ替えはちょっとあるかもわからんな。まあ、伊藤がちゃんとローテーションに入るまでは、そこの一つ、先発をやらしたいヤツもおるしな」ーー12日先発の村上も必死「でもお前、チャンスかもわからへんし」ーー井上が2軍で頑張っているが「もうちょっとな。人数の枠があるんやからな。そらな、チーム状態がめっちゃ悪くて代えなアカンとかな。そんなんだったらアレだけど、こういう時はあんまり動きたくないしな。何人かはな、1人、2人のアレ(降格)はあるけど。あんまりそう、打順とかもそうやし、流れ的には、そんなに代えたくない」ーーひと回り対戦が終わるまでは動きたくない「ピッチャーの右左はあるけどな。おーん。まあそれは右やから左、左やから右とかで。ある程度、対応というかな、経験せんと。長丁場やから。7月、8月ぐらいになってある程度、対戦して、これはちょっと(相手投手と)合わんなとなったら、そういう右とかはやるとかもわからんけど。今はまだ白紙の状態でな、左対左でもどういう対応をするかとか、まだわからへんわけやから」ーーここまで、いい感じで来ているのか「そうやん。言うてるように最初からスタートでバーンと行くとかな、そんなんムリやと思ってるから。新しいチームになってメンバーも変わった、ポジションも変わった中で、形ができればな。いい感じできているよ。思っていた通りというか、今だったら思っていた以上やな。おーん。以上の感じでやってくれているよ。まあ、新しいメンバーもな」ーー特に手応えというのは「手応えって。(開幕3連勝したDeNAとの)最初の3試合は、うまいこと行き過ぎやからのう。あんなん一年間通したら、お前。楽勝に勝っているけど。あんなにうまいこと行けへん。ヤクルト戦みたいな、あんなんの繰り返し。逆にああいうゲームは若い選手は力つけていくもんな。自信になってるもんな。ピッチャーも野手もな」ーーヤクルトとは年間を通じて、ああいう試合になるか「いや、そうではないわ。そら村上でも打ちよるやろ。いつまでも抑えられへんわ(笑)。そんなん」ーーヤクルトは投手がいいが、スコアラーに洗い直しの指示は「そんなんないわ。去年の教訓というかな。やられた分を解消するという、アレではやっていると思うけどな」ーーバントが決まっている「バントは成功して、当たり前の部分があるやんか。失敗した方がすごい影響が大きいというか。それも一緒やん。当たり前をな、ちゃんとやっていると思うよ」

◆阪神が守備のミスから先制点を献上した。一回、巨人の先頭・オコエが放った左前打を左翼手・ノイジーがファンブル。先発の西勇が無死二塁といきなりピンチを背負うと、丸の遊ゴロで1死三塁。3番・梶谷に左前に運ばれた。阪神は昨年まで5年連続でリーグワーストの失策数を記録するなど、守備力の改善は課題の一つ。今季はこの試合の前の時点で、ヤクルトと並んでリーグ最少タイの3失策だったが、弱点が露呈した形となった。

◆阪神は0ー1の四回。先頭の中野拓夢内野手(26)が右前打を放ち、チーム初安打を放ち、無死一塁と同点の起点を作った。しかし、3番・ノイジーはカウント2ー0から3球目を三飛。4番・大山が初球を右飛と簡単に2死と追い込まれると、5番・佐藤輝は3球目を二飛。同点どころか走者を進めることすらできなかった。巨人の先発・戸郷に四回までわずか1安打。球数も40球と味気ない攻撃が続いている。

◆阪神の華麗な中継プレーが飛び出した。0-1の四回。先発の西勇が先頭の中田に二塁打を浴び、無死二塁とピンチを背負った。打席には6番・坂本。バントを試みる坂本に対し、2球ファウルで追い込み、3球目だった。右翼に舞い上がった打球を、D1位・森下が捕球すると、タッチアップで三塁を狙った中田に対し、森下→二塁手・中野→三塁手・佐藤輝とそつなく完璧な中継プレー。一気に2死を奪ったプレーに、西勇も拍手でたたえた。

◆阪神打線がつながらない。0-1で迎えた六回。先頭の近本が7球目をしぶとく右前に運び、無死一塁とした。しかし、続く中野が空振り三振。ノイジーが二飛に倒れると、4番・大山も2球目を高々と打ち上げ二飛。巨人の先発・戸郷の前に得点圏にすら走者を進めることができず、苦しい展開が続いている。

◆先発した阪神・西勇輝投手(32)は6回2/3を投げ、6安打3失点(自責2)で降板した。一回先頭のオコエに左前打を許すと、この打球を左翼手・ノイジーがファンブル。味方のミスで得点圏に走者を進めると、1死三塁から梶谷に左前打を許し、先制点を献上した。ただ、その後はしっかりと立ち直り、三回無死二塁のピンチでは丸を中飛、梶谷を遊飛、岡本和を遊ゴロに仕留めて追加点を与えなかった。しかし、0-1のまま迎えた七回。1死から坂本に四球を与えると、大城が二塁打、吉川に死球で満塁のピンチを背負う。代打・長野を一ゴロに抑えるも、1番・オコエにこの日3本目の安打となる2点右前打を浴び、無念の降板となった。

◆黒を基調としたサードユニホームで新リードオフマンの存在感が光った。2試合連続で1番に座った巨人・オコエ瑠偉外野手(25)が3安打を記録。5連敗中のチームに勢いをもたらした。「1番打者は、良くも悪くも、いい方向にも駄目な方向に持っていくこともあると思う。そういったところはしっかり意識してやっていければ」一振りで流れをつくった。一回の第1打席。阪神先発・西勇が投じた2球目のシュートボールを一閃。痛烈な打球を左前にはじき返し、左翼手・ノイジーが失策する間に二塁を陥れた。続く丸の遊ゴロで三塁に進み、梶谷の左前適時打で先制のホームを踏んだ。三回の第2打席も右翼フェンス直撃の二塁打。1-0の7回2死満塁は右前に落ちる2点適時打を放ち、ベンチに向かって右手を突き上げた。8日の広島戦(マツダ)から3試合連続の複数安打。今季初の伝統の一戦で1番打者として打線を引っ張った。昨年12月に現役ドラフトで楽天から巨人に加入。楽天時代は、故障などに苦しみ出場は2019年の52試合が最多。昨季は左膝の影響もあり、6試合の出場にとどまった。身体能力の高さは誰もが認めるところだが、結果を残すことができず、野球をやめることすら考えていた時期もあったという。「(去年は)完全に心が折れていた。野球ができているだけでありがたい」。プレーできる喜びをかみしめ、背番号50が新天地で躍動している。(樋口航)

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が0-3の八回に中前適時打を放った。2番手・高梨に対して、先頭の木浪が左前打、1死から近本の打球を一塁手・中田翔がファンブルして作った一、三塁の好機だった。中野が高梨の144キロを中前にはじき返した。直近3試合は犠飛や内野ゴロの間による得点のみだった打線は、4日の広島戦(マツダ)の九回に大山が放って以来、42イニングぶりのタイムリー。ここから一気に反撃に出たい虎打線だったが、3番・ノイジーは遊ゴロ。2死二、三塁と一打同点の場面で、4番・大山は二飛に倒れ、1得点に終わった。

◆3番手で八回のマウンドに上がった阪神・浜地真澄投手(24)が巨人打線に飲み込まれた。先頭の梶谷に二塁打を浴びると、岡本は遊ゴロで1死二塁。しかし、代走の増田大に三盗を決められた。直後、中田翔に左翼席へ2ランを被弾。動揺を隠せない浜地は、坂本に左中間フェンス直撃の二塁打を浴びると、続く大城にも右翼席へ2ランを許し、マウンドを降りた。昨季は52試合の登板で防御率1・14、21ホールドと抜群の安定感を残し、今季は勝ちパターンでの起用が見込まれていた右腕。しかし、4日の広島戦(マツダ)から、これで3試合連続失点と精彩を欠く投球が続いている。

◆巨人が連敗を5で止めた。先発の戸郷は7回3安打無失点で2勝目。一回に梶谷の適時打で先制し、七回にオコエの2点打、八回は中田翔の2ランなどでリードを広げた。阪神は打線が機能せず、西勇の力投を生かせなかった。

◆阪神が完敗。巨人の先発・戸郷の前に、打線が散発の3安打と封じられた。四回、六回といずれも先頭を出しながら、得点圏に進めることすらできず。八回に2番手・高梨から、中野が中前適時打を放ち、チームとして実に42イニングぶりに、タイムリーでの得点を挙げたが、なおも1死一、二塁の好機で、3番・ノイジーが遊ゴロ。2死二、三塁では大山が二飛に倒れた。先発の西勇は一回に味方の失策が絡んで先制点を献上するも、粘りの投球。しかし、0-1のまま迎えた七回2死満塁からオコエに痛恨の2点右前打を浴びた。1-3で迎えた八回は浜地が中田に2ラン、大城にも2ランを浴びて4失点。流れをつかむことができなかった。

◆飛球を打ち上げるたびに、あぁ~という虎党のため息が漏れた。岡田阪神が巨人の先発、戸郷の前に手も足も出ない。0-3の八回に中野の適時打でチーム42イニングぶりを放つのが精いっぱいだった。不振の佐藤輝どころか、打線全体も覇気を失ってしまった。「そら、いい感じできているよ。思っていた通りというか、今だったら思っていた以上やな。新しいメンバーもな」岡田監督は試合前に取材に応じ、8試合消化時点で5勝2敗1分けでセ・リーグ2位につけるチームに手応えを口にしていたが...。一、二回は三者凡退。0-1の三回2死走者なしから西勇が一塁の失策でこの日初めて出塁したが、後続が続かない。四回先頭で中野が右前打を放つも、またも無得点に終わった。指揮官は、まだチームの戦い方をジッと見つめている時期であることも明かし「最初からスタートでバーンといくとかな、そんなんムリやと思うているから。新しいチームになったというか、メンバーも変わった、ポジションも変わったという中で、ある程度、形ができればな。徐々にみんな上がっていく。けどまだ、ちょっと手探りな部分もあるもん」とも語っていた。D1位・森下(中大)や開幕遊撃を任せた高卒5年目の小幡の躍動もあり、シーズンインから新生タイガースは勢いづいた。だが、宿敵との一戦を前に、佐藤輝は開幕8試合で打率・160、0本塁打、得点圏打率・000(7打数無安打)と苦しんでいる。ノイジーや大山は好調だが、試合前の時点で今季の野手陣は原口の1本塁打のみにとどまり、この日も打線全体でポップフライばかりを打ち上げた。守備は初回のノイジーの失策が絡んでその後の失点につながったが、成長もみせた。2月のキャンプから鍛えた連係プレーを、0-1の四回無死二塁で発揮。坂本の右飛を森下が素早く送球し、二塁・中野、三塁・佐藤輝の中継プレーで、三塁を狙った中田をアウトにし、ピンチ拡大を防いだ。粘りのディフェンスで反撃のチャンスを狙い続けた。虎将は、1勝1敗1分けに終わった燕との首位攻防戦(7-9日、甲子園)を引き合いに出し、「ヤクルト戦みたいなな。あんなんの繰り返しでな。ああいうゲームは、若い選手は力つけていくもんな。あんなんで自信になってるもんな。まあピッチャーも野手も結局」と成長過程のチームへ期待を寄せた。4試合連続で1得点。八回にも失点を重ね、大敗だ。若きタイガースの反発力が、開幕から試されている。(新里公章)

◆阪神は3点を追う八回、中野拓夢内野手(26)がチーム42イニングぶりの適時打を放ったが、直後に浜地真澄投手(24)が2本塁打を喫して、大敗した。西勇輝投手(32)は一回、シェルドン・ノイジー外野手(28)の失策もあり、先制点を許し、七回2死満塁で2点打を浴びて降板した。D1位・森下翔太外野手(22)=中大=は3試合ぶりのスタメンで無安打。不振にあえぐ佐藤輝明内野手(24)もノーヒット。チームは5試合連続で1得点以下。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=5勝3敗1分、観衆=3万9042人)。ーー打線が「えへへっっ、打てんなあ。差し込まれるばっかり、ポップフライばっかりやもんな、フライが」ーー戸郷も状態はよかった「思ったよりもストレートが多かったよなあ。今日は。うーん、前半からなあ。そら多いのはわかるわけやからなあ」ーー佐藤輝の兆しが見えない「見ての通りやんか。そんなん、お前。そういう質問はわかってることやから、あんまり...。結果論を言うてもしゃあないやん」ーークリーンアップが無安打「おーん。もうだから差し込まれのフライばっかりやからなあ」ーー森下も3試合ぶりのスタメン「いや~ちょっとまたおかしなってんもんな。バット出えへんもんな」ーー巨人打線は状態上がってきた「状態上がってるいうか、今日はオコエなぁ。ほとんど勝負ではオコエにやられたようやけど。だから、状態上げるようになったらアカンわな。最後、浜地にしてもな。ホンマ、何とか立ち直るそういうアレをやったけど、しんどいよな。ボールが飛ぶよな。ホームラン3本か。ヤクルトからな」ーー1点返した後だけに「いやいや、2点なあ。1点取って分からへんし、ちょうどな、いい展開言うたらおかしいけど、浜地も立ち直るにはエエ点差言うたらおかしいけどな、おーん、そう思たけどな」ーー2軍も考える「そら考えなアカンやろな、こんだけそらお前、投げて打たれとったらな。そらしょうがないわ」ーー西勇は「そうやなあ、だからオコエの相性もな、オコエが一番タイミング合うとったけどな。もう一人頑張ってくれとったら分からんかったけどな」ーー守備は中継プレーだったり、いいプレーが出たが(四回、坂本の右飛で、スタートを切った二走・オコエ瑠偉を森下ー中野ー佐藤輝の中継プレーで三進阻止)「まあでも、お前点取れん...お前1点じゃ、ずっと4試合1点かいな。4試合1点じゃそりゃな、なかなか勝てんわな、うん」ーー辛抱というイメージ「いや、それはわからん。いや、代えたくないとは言うてないよ」ーー久々のタイムリーを、どうつなげて行くか「まあタイムリーっていうか、そらチャンスもな、ほとんどなかったし。まあな、あそこでまあ残ってクリーンアップやからな。2人ランナー残ってクリーンアップで(八回1死一、二塁でノイジーは遊ゴロ、続く大山は2死二、三塁で二飛)。何とかな、ピッチャー代わったから。そりゃピッチャーは代わるわな。次、右が続くんやから、そんなん代わるのはもう予定にしてることやけど、そこでな。やっぱりな、何とかエエ内容で対応せんとアカンわな。まあ打ち取られ方が悪い。はっきり言うて」

◆巨人・オコエ瑠偉外野手(25)が「1番・中堅」で先発し、3安打2打点と大暴れ。チームの連敗を5で止める立役者となった。原監督がたたえたのは一回の第1打席。西勇が得意とする内角のシュートを捉え、痛烈な左前打を放った。指揮官は「初打席のシュートボールをあそこに見事にはね返したというのは、ここ数年ジャイアンツの選手にはいなかった。そういう意味では、あの一本は大きいですね」と称賛した。オコエは1-0の七回2死満塁で再び西勇のシュートを捉えて右前2点打を放ち、5年ぶりの猛打賞。「気持ちで打ちました。戸郷が頑張っていたので援護できて良かった。シーズンはまだまだ長いのので、安心せずに頑張っていきます」と表情を引き締めた。

◆巨人・中田翔内野手(33)が、名誉挽回の4号2ランを放った。2点差に迫られた直後の八回1死三塁で内角の直球を腕をたたんで捉え、2試合連続の一発を左翼席中段へほうり込んだ。昨季ゴールデングラブ賞に輝いた一塁手は、珍しくゴロの捕球ミスが続き2失策。そのうち1つは失点に絡んだ。「エラーを2つしていたので無我夢中でした。それだけです」と汗を拭った。

◆巨人・戸郷翔征投手(23)が西勇との投げ合いを制し、自身2連勝を飾った。7回を散発3安打に抑え、無四球で無失点。チームの連敗を5で止めた新任の投手主将は「チームが勝つのが一番。苦しいときでも投手で支えていけたらと思っていた。それが実行できてよかった」と胸を張った。WBCで日本の世界一に貢献。ともに日の丸を背負ったダルビッシュ(パドレス)に助言を仰いだ高めの直球を効果的に使い、スライダーとフォークボールを低めに制球して打ち取った。「(高めを)こんなに多投したのは初めて。他の球種に生きると教えていただいた。これからもっと(投球の)幅が広がるかな」と手応えをにじませた。スライダーもダルビッシュから指南を受けた球種。「ある程度操れるようになってきて、試合運びがだいぶ楽になったというか、一つ幅が増えた」とうなずいた。原監督は「WBCに行って、一つ二つ大きくなって帰ってきた。これから先、若武者として期待したい投手」と評価した。

◆阪神のドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=はわずか2球で火消しを成功させた。先発の西勇の後を受けて七回2死一、三塁で登板し、代打・ブリンソンをカーブで右飛に料理。「自分のやるべきことを明確にしてしっかり投げ切れたのでよかった」。4月1日のDeNA戦(京セラ)以来の2度目の登板は伝統の一戦となり「やっぱり応援は大きいなと思った」と振り返った。

◆あぁ「1」地獄...。阪神は巨人との今季最初の「伝統の一戦」に1-7で大敗した。ポップフライの山を築いて七回まで二塁も踏めず、4試合連続で1得点どまり。岡田彰布監督(65)も「4試合1点じゃそりゃな、なかなか勝てんわな」と嘆きが止まらない。狭い東京ドームでも一発は出ず、開幕9試合で1本塁打という球団ワースト記録も更新。辛抱を続ける将も、打線へのテコ入れを示唆した。東京ドームに舞い上がる力のない飛球をみながら何度も首をかしげた。今季初の巨人戦。岡田監督は15年ぶりとなる伝統の一戦に臨んだが、関東の虎党を喜ばせることはできなかった。「点が取れん。ずっと4試合(連続で)1点かいな。4試合、1点じゃ、そりゃな。なかなか勝てんわな。うん」0-3の八回に中野がチーム42イニングぶりの適時打となる中前打を放ち、完封負けを阻止するのがやっと。6日の広島戦(マツダ)の零封負け(六回途中降雨コールド)以降は4試合連続で1得点。いくら先発投手が粘投し救援陣が奮闘しても、こうも「1地獄」で勝てるわけがない。この日も打撃陣は、巨人の先発・戸郷のキレのある直球と角度のあるフォークに翻弄された。フライアウトは計15。四回、先頭の中野がチーム初安打となる右安打を放つも、主軸のノイジーは三飛、大山は右飛、佐藤輝も二飛に打ち取られて得点を奪えず。クリーンアップの3人は計12打数無安打と快音は聞かれなかった。「打てんなあ。思ったよりもストレートが多かったよなあ。(球威に)差し込まれる。ポップフライばっかりやもんな、フライが...」本塁打が出やすいとされる東京ドーム。東京入りした10日には岡田監督は「イメージが何かな、狭いっていうかな。すぐ(打球がスタンドに)行きそうな感じやからな」と、不振の佐藤輝に復調のきっかけとなる一発が出ると予言していたが、効果はなかった。4打数無安打で、打率は・138まで急降下。開幕9試合で本塁打はゼロだ。岡田監督は「(兆しは)そら見えへん。見てのとおりやんか。そんなん、お前。結果論を言うてもしゃあないやん」と頭をかいた。

◆阪神・木浪聖也内野手(28)が3試合連続でスタメン起用したベンチの期待に応えた。五回は戸郷の148キロを中前打、八回先頭は左腕・高梨の直球を捉える左前打で出塁し、その後の中野の適時打で生還した。「今はつないでいくだけ。ピッチャーを助けられる役割を、下位でやれたら」と力を込めた。3打数2安打で打率・556に上昇。チャンスを作り、上位打線に回す。

◆虎の意地をバットに込めた。まだ終わっていないぞ-。沈黙するチームを鼓舞するように阪神・中野拓夢内野手(26)が右手を突き上げた。完敗で始まった2023年の伝統の一戦。42イニングぶりに刻んだタイムリーでの1点が、せめてもの救いだ。「速いボールを狙いに行っていたので、そこはしっかり仕留められた」0-3で迎えた八回1死一、三塁の好機。2番手・高梨の直球に的を絞り、144キロを振り抜いた。中前に弾む反撃の適時打。直前のヤクルト3連戦(甲子園)で、犠飛と好機の内野ゴロでしか点を奪えていなかった虎打線にとって、4日の広島戦(マツダ)の九回に大山がマークした決勝打以来、5試合&42イニングぶりのタイムリーとなった。5試合でわずか4得点と拙攻に苦しむ打線全体の中で、中野は3試合連続安打。四回の第2打席はチーム初安打となる右前打を放ち、2試合連続マルチと一人、気を吐いている。野球日本代表侍ジャパンの一員として、世界一に貢献した3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。チームメートの大谷(エンゼルス)が全力でチームを鼓舞する姿に感化され、自分もそうなりたいと思った。

◆阪神の先発、西勇輝投手(32)は、6回?を投げて6安打3失点(自責2)で今季初黒星を喫した。「味方のいい守備に恵まれて、球数少なくいくことができた。配球もうまく投げることができた」。六回まで1失点と粘ったが、七回2死満塁でオコエに2点打を許して降板した。敗戦にも「次の試合に向けて、いい経験ができた」と前向き。岡田監督は「(七回に)もう一人頑張ってくれとったら(結果は)分からんかったけどな」と話した。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)は1点を返して反撃ムードの高まった八回2死二、三塁で高々と二飛を打ち上げ、逆転の機運を逃した。4打数無安打に終わり、「しっかり反省して、明日も試合があるので頑張ります」と顔を上げた。この回は3番・ノイジーの場面で巨人は右腕の田中豊にスイッチし、いずれも凡退。岡田監督は「右が続くんやから、代わるのはもう予定してることやけど、そこでな。もうちょっとええ内容で対応せんとあかんわな。打ち取られ方が悪い」と唇をかんだ。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が守備で魅せた。3試合ぶりに「6番・右翼」でスタメン出場。0-1の四回無死二塁のピンチで坂本が右飛を放つと、素早く二塁・中野へ送球、さらに三塁・佐藤輝への中継プレーで二走・中田をアウトにした。「ライトフライだったらタッチアップすると思って、準備は頭のなかでしていた。予想どおり」と冷静だった。初の伝統の一戦でバットは4打数無安打で打率・208。岡田監督は「ちょっとまたおかしなってんもんな。バットでえへんもんな」と首をかしげた。

◆巨人は11日、阪神1回戦(東京ドーム)に7-1で快勝。連敗を5で止めた。現役ドラフトで楽天から加入したオコエ瑠偉外野手(25)が「1番・中堅」で先発し、3安打2打点と打線をけん引。5年ぶりの猛打賞で2008年以来、15年ぶりの岡田阪神との伝統の一戦初戦を白星発進に導いた。久々に広がる光景をしっかりと目に焼き付けた。東京出身のオコエが3安打2打点と大暴れ。移籍後初のお立ち台に上がり、本拠地・東京ドームに集まった大観衆からの拍手を一身に浴びた。「自分の人生を変えたく頑張っていたので、本当にこの舞台に立ててすごく光栄です」黒を基調としたサードユニで臨んだ2008年以来、15年ぶりの岡田阪神との今季初の伝統の一戦。主役は間違いなく背番号50だった。1-0で迎えた七回2死満塁。この日2安打放っている西勇から詰まりながらも、しぶとく右前へ。駄目押しの2点打に塁上でガッツポーズを見せた。楽天時代の2018年以来、5年ぶりの猛打賞で5連敗中のチームに大きな1勝をもたらした。人生を変えたい-。その一心で新天地に飛び込んだ。楽天での7年間はけがに苦しんだ。昨年は左膝のけがで、出場はわずか6試合。周囲の期待に応えられず、嫌でも批判が耳に入った。「完全に心が折れていた」。家族に野球をやめる覚悟を打ち明けることもあった。周囲の支えが再起への原動力となった。

◆終わってみれば1-7の大敗...。いや得点差なんて、まったくど~でもいいの!! つらいのはわが阪神が日本一になるために、絶対に譲れない主力投手と中心打者が変わっていない現実にあるのだ!!先発・西勇は曲げる、落とす、胸元をえぐる、ベースをかすめるの好投手には間違いない!! その証拠に昨年も防御率2・18である。ただし、成績は9勝9敗...。まさにそれが本日の試合にも出たのだ!! 一回、不運なエラーがあったとはいえ、巨人に先制点を許してしまう...。全てのポイントはそこ!! 好投手を超える大投手は、石にかじりついてでも相手より先に得点を許さないのだ!! それができない投手じゃないから、ムカムカムカあ~、腹が立つ!!打者で言えばノイジー、大山の3、4番も何球ミスショットしとんねん!! 開幕から9試合でホームランは代打・原口の一本だけで寂しいけど、正直虎党は一発はほぼあきらめているから!! 一発よりセンター中心のヒットや有効打をくれー!! えっ、大不調の佐藤輝? 第2戦からストライクゾーンを半分に縮めて打席に入れ!!

◆やればできる。今季の巨人には、そう言葉をかけるような試合がなかっただけに、まさに会心の勝利ではないかな。外野のポジションが空いていることでチャンスをもらったオコエが、1番でしっかりモノにする。復活をかける3番・梶谷が、オコエを生還させる。そして、中田翔が勝利を決定づける2ラン。先制点、追加点、駄目押し点と、流れるような展開だった。打線の駒はそろっている。そしてみな、地力はあるんだ。もちろん、流れを呼び込んだ立役者は先発・戸郷だ。四回無死一塁、六回1死一塁。1点を守る、ここぞの場面は力で押して、フライアウトでねじ伏せた。なにより、七回まで封じたことが重要。五回や六回とは大きく違う。先発は最低でも七回まで! それが基本線なんだ。〝鬼門〟とされる八回に失点し、課題は残るにせよ、こういう勝ち方をしていかないとウソだし、きっかけになる一戦だと思うよ。もうひとつ、原、岡田両監督の久々の対決も面白かった。岡田は岡田でどっしり構え、じっくり野球をやっていた。今後ますます楽しみだね。(本紙専属評論家)

◆得点力不足は深刻だ。中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めた本紙専属評論家の田尾安志氏(69)は、阪神・大山悠輔内野手(28)が早いカウントから4打席凡退したことを例に挙げ、「追い込まれるまでは、コース、球種の両方を絞って待つ権利が打者にある。それが感じられない」と指摘。チーム全体が狙い球を絞り切れていなかったことを悔やんだ。戸郷の調子が良かったとはいえ、阪神打線があまりにも寂しすぎだ。絞り球をしっかり決めて臨んだとは見えない打席が多く、凡退を繰り返していた。何よりも、あまりにもボール球に手を出し過ぎだ。特にファーストストライクに対しては、打者は「球種とコース」の両方を決めて待てるはず。その権利を打者は持っている。少なくとも、追い込まれるまでは絞って待てる。そうすれば、それ以外の球は見逃せる。ところが、何でも振りに行く。まるで、振らなくていけないかのように映った。その象徴が大山だ。4度の打席で、一度も追い込まれていない。カウント0-1からが3度、初球打ちが一度。ということは、自分の狙った球を振っているはずなのに、狙って打ったような打球はなかった。4番がこの内容は残念だ。佐藤輝に至っては、言いようがないぐらいに悪い。高めのボール球を振る。低めのボール球のフォークを振る。ストライク、ボールの見極めが全然できていないのだ。こうなると、投手はストライクを投げる必要がなくなってくる。迷いがあるのだろうか。この状態では、スタメンを継続するのは厳しいのではないか。2人に比べると森下は、結果こそ出なかったが、投手が「ストライクゾーンで勝負しなければ」と思う打撃をしていた。各打者はもう一度、「絞り球」への意識を徹底して打席に入ってもらいたい。試合展開的には、悔やまれるのは、八回を投げる投手の人選。1点返しての2点差は、まだ勝負を諦める展開ではなかった。状態が良くないことを分かっていた浜地の復調を期待するのではなく、いい投手、勝ちパターンに近い投手、たとえば石井をつぎ込んで「諦めていないぞ」「まだわからんぞ」というベンチの思いが伝わる継投をしてほしかった。巨人もしばらく登板していない守護神・大勢には不安があったはず。結局、点差が開いて、楽な勝ち方をさせてしまった。ただ、明るい材料もあった。それは守備。四回の右飛で三塁を狙った走者を刺したプレーは絶賛したい。森下のクイックスロー、中野の正確な中継プレー。全く無駄がなかった。七回満塁からの難しい一ゴロで本封した大山の守備も褒めたい。中盤までは締まった試合ができていた。去年までは、守備で試合を壊すシーンを何度も見せられてきたが、ことしは「守備では崩れない」は感じた。岡田野球が、去年までとは違うぞという姿を見せてくれたことは光明だろう。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
721 0.778
(↑0.028)
-
(-)
13325
(+6)
11
(+3)
8
(+1)
13
(+1)
0.177
(↑0.009)
0.990
(↓0.22)
2
(-)
阪神
531 0.625
(↓0.089)
1.5
(↓1)
13427
(+1)
28
(+7)
1
(-)
5
(-)
0.234
(↓0.012)
2.850
(↓0.42)
3
(-)
広島
540 0.556
(↑0.056)
2
(-)
13427
(+4)
21
(+1)
7
(-)
3
(-)
0.231
(↑0.01)
2.190
(↑0.16)
4
(1↓)
DeNA
450 0.444
(↓0.056)
3
(↓1)
13430
(+3)
34
(+6)
8
(+2)
1
(+1)
0.254
(↑0.001)
3.570
(↓0.35)
5
(-)
巨人
460 0.400
(↑0.067)
3.5
(-)
13331
(+7)
29
(+1)
9
(+2)
1
(+1)
0.249
(↑0.008
2.540
(↑0.3)
6
(-)
中日
270 0.222
(↓0.028)
5
(↓1)
13413
(+1)
30
(+4)
1
(-)
1
(-)
0.219
(↓0.002)
3.270
(↑0.04)