阪神(1対1)ヤクルト =リーグ戦3回戦(2023.04.09)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:-
敗戦投手:-
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◆阪神は3回裏、無死一三塁からノイジーの内野ゴロの間に1点を先制する。一方のヤクルトは、そのまま迎えた7回に代打・川端が適時二塁打を放ち、試合を振り出しに戻した。その後は両軍の投手陣が相手に得点を許さず、4時間29分に及ぶ熱戦は規定により引き分けに終わった。

◆スタメンが発表され、「6番右翼」に板山祐太郎外野手(29)が入り、ドラフト1位森下翔太外野手(22)は2試合連続でスタメンを外れた。また7番捕手では梅野隆太郎捕手(31)が出場し、2試合ぶりのスタメン復帰となった。先発は今季2勝目を狙う才木浩人投手(24)が登板する。

◆阪神先発の才木浩人投手(24)が6回を終え10三振を奪い、プロ7年目で初の2桁奪三振を達成した。初回は三者三振に仕留めなど、3回までで8個を数える奪三振ショー。150キロ超えの直球にカーブ、フォークを合わせ、打者を翻弄(ほんろう)した。6回には昨季セ・リーグ最年少三冠王に輝いた村上から、10個目の三振を奪った。前回4月2日の開幕第2戦DeNA戦でも7回途中1失点で8奪三振。打者を手玉に取っていた。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が守備でビッグプレーをみせた。1-1の9回、マウンドには守護神で同学年の湯浅が登板。先頭オスナの三塁線への痛烈な打球に飛び込み、ダイビングキャッチ。流れを呼び込み、その後湯浅は中村を中飛、赤羽を空振り三振に仕留め、今季5試合目の登板で初の3者凡退に仕留めた。

◆阪神が今季初の引き分けで単独首位浮上のチャンスを逃した。1-1の同点のまま延長12回までもつれたが、試合を決めることができなかった。打線は再三のチャンスを生かすことができなかった。初回は1死満塁から佐藤輝、板山が連続の空振り三振で凡退。3回は無死二、三塁からノイジーの遊ゴロの間に1点を先取。同点に追いつかれた直後の7回は2死一、三塁のチャンスでノイジーが中飛に倒れ、無得点。8回は先頭大山が左中間への二塁打で出塁したが、佐藤輝、代打原口、梅野と3者連続の空振り三振。9回も1死一、二塁のサヨナラ機をものにできず。延長11回は1死一、二塁から近本がまさかの遊ゴロ併殺打に倒れた。先発した才木浩人投手(24)が圧巻の奪三振ショーをみせた。初回に3者連続三振を決めると、4回までで毎回の9奪三振。6回は2死から村上を外角フォークで空振り三振に斬り、プロ初の2桁奪三振を達成。7回は2死一、二塁から代打川端に右翼線への同点適時二塁打を許し、この回で降板。勝ち負けこそつかなかったが、18年8月22日の中日戦(ナゴヤドーム)以来となるプロ最長の7回を投げ1失点と好投した。才木の後を受けた中継ぎ陣も仕事をきっちり果たした。8回から2番手で上がった岩崎は青木を投ゴロ、山田を一邪飛、村上を左飛に仕留め3人斬り。9回は守護神湯浅が三塁佐藤輝の好守にも助けられ、今季初の3者凡退でつないだ。延長10回に登板した石井も3人で片付けた。11回はK・ケラーが無死三塁の絶体絶命のピンチを招くも、山田を一邪飛、村上を空振り三振、オスナを三ゴロに抑え、ホームを死守した。12回は加治屋が1死二塁のピンチを背負いながら、リードを許さなかった。

◆阪神梅野隆太郎捕手(31)は手負いの状態で12イニングを守り切った。1点リードで迎えた7回表1死一、二塁、才木が2ボール2ストライクから8番長岡に投じたショートバウンドを懸命に止めた際、右手親指付近を痛めた。1度はベンチに下がったが、再びプレーを続行。延長12回までマスクをかぶり続けた。「マジで痛かったですけど、あれを止めていなかったら逆転されていたかもしれない。チームのためにも止められて良かった」11回にはショートバウンド送球で二盗を許す場面もあった。「腫れはあったけど、なんとか自分のゲームなんで最後までと思って。痛いままでしたけど、進む中で少しずつ良くなってきたので、なんとか最後までかぶりきれて良かった」11日からの敵地巨人戦出場に向けては「次は大丈夫だと思います。骨に異常はなさそうで良かった」と言葉に力を込めた。

◆ヤクルトの救援陣が踏ん張り、阪神との首位攻防戦で引き分けて首位を守った。開幕9試合でのべ34人のリリーフ陣が投げ、36回1/3で無失点。チーム防御率は12球団トップの0・77と、唯一の0点台だ。6回から1イニングずつ星、石山、清水、木沢、田口、小沢が投げ、延長12回は山本と大西が締めた。8回先頭の阪神大山に左中間へ二塁打を打たれた清水は、後続を3者連続三振。「みんな後ろにゼロでつなぐことしか考えていない。点が取れなくてもピッチャーが点を取られずに頑張っていればこういうゲームもできる」と語った。9回2死一、二塁、一打サヨナラの場面ではWBC優勝捕手の中村がマウンドに行き「何点入れられてもサヨナラだし、腹くくって来いよ」と木沢に気合を入れ、ノイジーを遊ゴロに打ち取った。7~9、11回で得点圏に走者を許しても0行進。「おびえていちゃダメなところ、ピッチャー陣も腹くくって攻められている。僕も何とか良い球をチョイスしてあげられればと思ってる」と話した。「たぶん初めて」ベンチ入り投手を使い切った高津監督は、救援陣について「この1球、あの1球をよく理解した投球ができている」とたたえ、「負けなかったことを評価していい」とうなずいた。【三須一紀】

◆阪神が今季初の引き分けで単独首位浮上のチャンスを逃した。1-1で延長12回までもつれたが、試合を決めることができなかった。打線は今カード3試合で1点ずつしかとれず、34イニング連続で適時打なしと苦戦が続く。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-中継ぎ陣がよくしのいだ「まあ、なあ。まあ、なんとも言えんよな、ほんま」-打線はあと1本というところだった「うーん。初回からやからな。結局。三振はなんにも起きんもんな。ほんと。ボテボテでも打てと思うけど」-佐藤輝は早くいいところでの1本が欲しい「いやあ、そら、お前。みんなそうやけどな。余計に目立つわな。あそこでチャンスが回ってくるからな、結局は」-先発で崩したかった「まあ初回やな。まずなあ。初回もそうやし、何回もチャンスあったけどなあ。どっかで1本出ていたら、そら違った展開になっていると思うけどな」-佐藤輝を見てどういう風に思うか「えっ、いや、どういう風にって? 見ての通りよ。そら。結果が出ないんやからさあ」-タイミングの取り方も遅い「いや、もうそれはずっとよ。ずっと言い続けていることやから。渡辺(諒)がいないんよ。それだけよ。ちょうど熱が出て」-渡辺がいたら外してもおかしくない状態か?「そら打てんかったら外すよ。しゃあない」-下位打線はここ何日か入れ替えている「下位打線やからな」-期待するのは上位打線「そら当たり前やん。ずっと出しているわけやから。今シーズン初めて出るやつとかな、昨日今日で、木浪は3本打って、機能してるやんか。やっぱり、打つべき人が打たんと、試合というのはいい流れにならんよ、それは」-才木はいい投球「良かった、そらねえ。まあなあ、もう1人、あそこなあ」-あそこは任せるところ「いやいや、追い越されるまではいかすつもりやったよ。あの回」-同点で止めたのは大きい「まあ大きかったよ。それは先にいいに行かしたから。追い越されるまで才木でいくからっていうのはな」-リリーフ陣もこういう試合を抑えることで上がってくる「いやいや、岩崎もだいぶ状態上がってきたよな。だいぶな、あの辺が、石井にしてもね、湯浅にしてもね、ある程度いけるというな、調子も戻ってきたしな、あの辺は」-3試合を通して村上に打たせなかった。バッテリーの対策がうまくいっている「それはバッテリーコーチに聞けよ、そこまでオレも頭回らんわ、そんなもん、お前(笑い)。そこまでやったら、しんどい」-相手の主砲を抑えることは今後に向けても「今後ていうか、でも結局打たれたらあかんバッターやんか、一緒やんか、上位打線とそれのな、やっぱり打つべき人が打ったらチームは勝てるということやんか。そのために4番とかクリーンアップに置くわけやからさ、チームとしては。やっぱりその辺が打ったらチームは盛り上がるしな、たまにやで、下位打線が打ってヒーローなるとか、そんなんホントたまにやんか、いつもいつもそうじゃないよ、やっぱりな、打つべき人が打たんと、なかなか長いシーズンいい流れでいかんよ、それはな、やっぱりな」-開幕から3カード終わった。緊迫した試合が続いている「緊迫してる? そう。オレには見えんな、緊迫してるようにはな。そら、両方ヒットが出んとかなあ、完璧な投手戦やったら、そういうのが緊迫のゲームて言うけど、まあ、もうなあ、どっちかって言うと拙攻のゲームやんか。まあ、これは両方かも分からんけどもな。それはピッチャーがしのいで、しのいでのこういう展開やからな。そら、相手も思うてんちゃう? ノーアウトサードでなあ、クリーンアップで点入らんていうのは考えられへんことやんか。でも、そういうことが起きるんよな。まだ、この、チームが落ち着いてないからやろ。だから、打つべき人が打ってないから、こういうゲーム展開になるだけであって。そんな簡単なことや。緊迫したゲームちゃうよ、お前。もう、お前、遊んどってもええゲームやんか、オレらも。もう打たれるなあ、もう打つなあと思うてんのが、ずっと12回続いたんや、お前、せやろ」-森下はヤクルト先発吉村との兼ね合いで外したのかか「いやいや、今日も外すつもりやったよ。板山もヒットが出てなかったからな。三振ばかりしてるからな、1本くらい打たしてやろかなと思ったけど、あかんかったなあ。ほんまにもう。まあ別にそんなん、使う、使わんとかそういう問題じゃなしに、1年間ね、ベンチ入りのみんなでやっていかなあかんわけやから。まあ木浪もな、今日ヒット出たしな。東京ドームからまた小幡でいくつもりやったけど、また考えなあかんな。そらあ打ってる人は代えられんからな。でも打たん人は代えれるよ。チームとして機能せなあかんからな、やっぱり」-ヤクルトの投手がいい「ヤクルト、ピッチャーいい。ホンマええよな。何であんな球、速なったん。ホンマ不思議やなあ。誰か1点取られたらズルズルいきそうやけどな。取られへんよなあ、ホンマに」

◆輝よ奮い立て! 阪神岡田彰布監督(65)が、不振を極める5番・佐藤輝明内野手(24)について「そら、打てんかったら外すよ。しゃあない」とスタメンから外す可能性も含め強烈なゲキを飛ばした。ヤクルトとの延長12回、4時間29分の死闘は、1-1で今季初のドロー。34イニング適時安打なしの打線の湿り具合は深刻で、特に佐藤輝は5試合、19打席で1安打と元気なし。ロングゲームを終えて岡田監督はぼやきモードに突入していた。「打つべき人が打たんと、試合というのはいい流れにならんよ」。得点は3回無死一、三塁からノイジーの遊ゴロでの1点のみ。4日広島戦(マツダスタジアム)の9回に大山が適時二塁打を打って以来、4試合、34イニング連続で適時安打が出ない。初回、1死満塁で5番佐藤輝、6番で今季初スタメンの板山が連続三振。「初回からやな。三振は何にも起きんもんな。ボテボテでも打てと思うけど」。佐藤輝は8回無死二塁の第4打席でも空振り三振。4打数無安打3三振。最近5試合、19打席でわずか1安打とブレーキになっている。指揮官は「見ての通りよ。(タイミングの取り方が遅いのは)もうずっと言い続けていることやから。渡辺(諒)がいないんよ。それだけよそら、打てんかったら外すよ。しゃあない」と、発熱のため7日に特例2023で出場選手登録を抹消された渡辺諒は二塁手だが、三塁守備も継続中。ベンチにいればスタメンから外していたと話した。開幕から8試合不動の5番・三塁として使い続けてきた。「余計に目立つわな。あそこでチャンスが回ってくるからな、結局は」。得点圏では12打席立ち、開幕2戦目1日DeNA戦での中犠飛での1打点のみで無安打だ。佐藤輝も何とか結果を出そうと、すり足などタイミングの取り方を試行錯誤し続けている。9回の守りでは三塁線のライナーに飛びつくなど貢献した。本人も初回のチャンスで打てなかったことに「いやあ、もちろん(悔しい)」と責任を感じている。「切り替えて頑張ります」と前を向いた。これまでも期待が高いからこそ、岡田監督は佐藤輝だけでなく大山、青柳ら主力には厳しい言葉で奮起を促してきた。11日からは今季初となる巨人との伝統の一戦、さらに4連勝中のDeNAとの関東遠征6連戦が待つ。昨季佐藤輝は東京ドームでセ敵地最多12打点、横浜で敵地最多4本塁打と得意としている。首位ヤクルトとは0・5差の2位。18年ぶりの「アレ(=優勝)」には、輝のバットは欠かせない。【石橋隆雄】

◆日曜日の奪三振ショー開演だ。阪神才木浩人投手(24)が7回5安打1失点と力投。今季2勝目は手に出来なかったが、自己最多11三振を奪った。「(フォークが)ブルペンで浮いてて何球か結構たたきつける感じで投げた。中盤うまくいいところに落ちてくれて三振も取れた」。渾身(こんしん)の114球は手応え十分だった。初回からエンジン全開だ。150キロ台の直球に鋭く落ちる勝負球のフォーク。初回から丸山和、青木、山田を3者三振で料理し、3回まで9つのアウト中8つが三振。自身初の1試合2桁三振となる10三振目は昨季3冠王、村上から奪った。前回登板の4月2日DeNA戦でも8奪三振を記録。計19奪三振は、まだ2試合ではあるが、12球団トップだ。3月19日のヤクルトとのオープン戦ではオスナに内角直球を続け被弾。この日は1打席目からフォークを続け空振り三振を奪うと、3打席目は高めの149キロ直球で2三振目。3打数無安打に抑えた。才木は「あの試合打たれたからどうこうってのはない」と前置きしながら「インコース続けるのを注意したり、高めにしっかり投げ切ることを今日は意識した。梅野さんがうまく配球してくれた」と納得顔だ。リードした梅野も「左右高低含めて配球的な部分もうまくいった。低いところ高いところしっかり投げてくれた」とたたえた。18年以来自己最長タイとなる7回を投げきった。同イニング1死一、二塁で危機を招くと安藤投手コーチ含めナインがマウンドへ。岡田監督は場面を振り返り「追い越されるまでは行かすつもりやったよ。あの回。それは先に言いに行かしたから。追い越されるまで才木でいくからっていうのはな」と舞台裏を明かした。2死とした後に代打川端から同点打を浴びたが「(同点で止めたのは)大きかったよ」と目を細めた。白星はつかみ損ねたが、2桁奪三振は新境地。「三振取れてるのは多分ボールがいってる(走っている)証拠。継続して取れるように」。登板日は毎週日曜日。週末恒例の奪三振ショーにしてみせる。【波部俊之介】

◆阪神のリリーフ陣が鉄壁の「無失点リレー」を形成した。延長12回までもつれたロースコアゲームで、8回から中継ぎ陣を5枚投入し、再三のピンチを背負いながらも踏ん張り、勝ち越しを許さなかった。岡田監督は「岩崎もだいぶ状態上がってきたよな。石井にしてもね、湯浅にしてもね、ある程度いけるというな、調子も戻ってきたしな、あの辺は」とうなずいた。ブルペンの先陣を切った岩崎が流れをつくった。1-1の8回から登板。丁寧に低めにボールを集め、青木、山田、村上と上位打線を3人斬り。9回は守護神湯浅が先頭オスナの三塁線へのライナーを佐藤輝が好守で阻み、中村、赤羽を退けた。今季5試合目で初めて1回を3者凡退で片付けた右腕は「テルさんにも助けてもらいましたし、これからも3人で終われるように頑張りたい」と引き締めた。延長10回は今季絶好調の石井が「落ち着いて、普段通りを意識して投げることができた」と、1回ピシャリでチーム最多の4ホールド目をゲット。11回はK・ケラーが先頭青木に四球を許し、盗塁、暴投で無死三塁のピンチを招くも、山田を一邪飛、村上を内角153キロで空振り三振、オスナを三ゴロに封じ、絶体絶命のピンチを切り抜けた。「自分で自分の首を絞めてしまったけど、何とか抑えられてよかった」と胸をなで下ろした。12回の加治屋は1死二塁と追い込まれたが、無失点で締めくくった。中継ぎ陣をけん引する岩崎は「みんなでいいポジションを目指してやっていきたい」。切磋琢磨(せっさたくま)による相乗効果が、チームに好影響をもたらしている。【古財稜明】

◆阪神4番大山は今季8試合目で早くも4度目のマルチ安打を決めた。1回1死一、二塁でしぶとく中前に落とすと、8回は中堅左へ大飛球の二塁打。「今日はいい感じでしたけど、まだミスショットに近いものもある。そこをしっかりやっていきたい」。打率は3割4分5厘と高水準をキープ。今季初アーチも近そうだ。

◆阪神木浪聖也内野手(28)は闘志むき出しのヘッドスライディングで千載一遇のチャンスをモノにした。2戦連続の遊撃スタメンで猛打賞。「このチャンスで結果が出なかったら、また(ベンチに)戻ることになる。そんなことはしたくなかった。チャンスを生かすために準備してきた。それが今日結果になって良かった」と充実感を漂わせた。同点とされた直後の7回裏無死、今季初安打を中前へ。9回裏も先頭で中前に運んだ。さらにハイライトシーンは11回裏1死での最終打席だ。1ボール2ストライクから小沢の内角チェンジアップを右翼線へ運び、頭から二塁ベースに飛び込んだ。「3本ともチャンスメークできたのは本当に良かった」。いずれも得点に結びつかなかったが、打力を存分に見せつけた。遊撃レギュラー争いで後輩小幡に先を許し、開幕6試合はベンチスタート。前日8日ヤクルト戦からようやくスタメン機会が巡ってきた。この日も2打席目までは凡退したが「逆に開き直っていった感じが良かった」と納得顔だ。岡田監督は「東京ドーム(11日巨人戦)からまた小幡で行くつもりやったけど、考えなあかんな。そらあ打ってる人は代えられんからな」と木浪のスタメン継続を示唆。白熱のバトルはまだ続きそうだ。【佐井陽介】

◆85年阪神日本一監督・吉田義男氏(89=日刊スポーツ客員評論家)が15年ぶりに復帰した岡田監督を激励に訪れた。甲子園で2人が会うのは就任後初。「開幕から岡田らしさが随所に出ている。優勝争いするのは間違いないです」。佐藤輝に「おれだれかわかるか?」と声を掛けると「吉田さんですよね」と答えたという。「ほれぼれする体してるがな。もっともっとノックを受けたら体が柔らかくなるし、打撃も良くなる。その意味を彼がどうとらえるかですわ。未完の大器です」。各選手、コーチからあいさつを受けて「楽しみです」と手応えを感じていた。

◆阪神・板山祐太郎外野手(29)が「6番・右翼」で今季初スタメン出場する。1軍定着を目指す8年目の今季は、オープン戦で打率・179(28打数5安打)も、1本塁打、7打点と勝負強さを発揮。シーズンではここまで出場4試合いずれも途中出場で、3打数無安打3三振と打撃面では悔しい結果が続いているが、開眼のきっかけをつかむ一戦にしたい。先発は4月2日のDeNA戦(京セラ)で今季初勝利を挙げた才木浩人投手(24)が務める。

◆阪神が一回の先制機を逃した。先頭・近本が四球で出塁し、中野が犠打成功。ノイジー(前アスレチックス3A)も四球で歩き、大山は146㌔に詰まらされながらもしぶとく中前に落として満塁のチャンスを作った。しかし、ここから佐藤輝、今季初スタメンに抜てきされた板山が連続で空振り三振。丸山和、青木、山田から三者連続三振を奪って最高の形で立ち上がった先発・才木を援護しする絶好機だったが、ホームを踏めなかった。相手先発のドラフト1位・吉村(東芝)とはオープン戦で2度対戦し、2月25日(沖縄・浦添)に2回無安打無失点2奪三振、3月19日(神宮)には5回3安打7奪三振無失点と抑えられている。

◆阪神の新外国人、シェルドン・ノイジー外野手(28)=前アスレチックス3A=が先制点を挙げた。三回、先頭の近本の右翼線二塁打。中野も左前打で続いて無死一、三塁とチャンスを広げ、ノイジーが打席へ。遊ゴロで三走が生還して先制のホームを踏んだ。その後も佐藤輝の四球などで2死一、二塁と追加点の好機は続いたが、板山が投ゴロに倒れて1得点で攻撃が終了した。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発し、奪三振ショーを繰り広げた。伸びのある直球と鋭く落ちる得意球・フォークのコンビネーションがさえ、一回に丸山和、青木、山田から三者連続三振を奪って開演。二回はオスナ、サンタナをともにフォークで三振の山を築いた。勢いは止まらず、三回は長岡、吉村、丸山和から、この試合2度目の1イニング3奪三振で、この時点で8K。1点のリードをもらった四回は先頭・青木を151㌔で空振り三振に斬り、自己最多タイの9個目とした。二塁打と死球などで招いた四回に2死二、三塁と安打と犠打による五回2死二塁のピンチもしのぎ、5回まで無失点。三回に受けた援護の1点を守っている。

◆阪神・才木浩人投手(24)が先発し、自己最長の7回を投げて5安打1失点、自身初の2桁となる11奪三振を奪って降板した。序盤から奪三振ショーだった。伸びのある直球と鋭く落ちる得意球・フォークのコンビネーションがさえ、一回に丸山和、青木、山田から三者連続三振を奪って開演。二回はオスナ、サンタナをフォークでバットの空を切らせ、三回は長岡、吉村、丸山和から、この試合2度目となる1イニング3三振を奪った。この時点で8Kとし、四回に青木を151㌔で空振り三振に斬り、自己最多タイに到達。六回2死では村上をフォークで空振り三振に仕留め、自身初の2桁奪三振とした。先頭のオスナから11個目の三振を奪った1―0の七回は、2死一、二塁で代打・川端に一塁線を破る適時二塁打を許して同点に追いつかれたが、続く1番・丸山和は148㌔直球で押し切って中飛に封じた。昨季に右肘のトミー・ジョン手術から復活し、今季初登板だった前回4月2日のDeNA戦(京セラ)で術後の公式戦最多となる107球を投げていたが、今回はそれを上回る114球という熱投だった。直後の攻撃は2死一、三塁のチャンスを作るも3番手・石山を打ち崩せず無得点。勝ち投手の権利は得られなかった。

◆ヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=がプロ2度目の先発登板を果たし、5回4安打1失点。粘投を見せたが味方打線の援護がないまま1点ビハインドの六回に2番手・星にバトンを渡した。「今日はストレートが抜けてしまい、なかなか修正するのが難しかった。一球でも早く修正できるように、もう少し工夫をしながら調整していきたい」初めてとなった甲子園のマウンド。敵地での大歓声に緊張からか一回からいきなり2死満塁のピンチを背負ったが佐藤輝、板山を2者連続の空振り三振に仕留めて無失点スタート。三回に無死一、三塁のピンチを背負い、ノイジーの遊ゴロの間に走者が生還して1点を失ったが、その後は要所は締めて点を失わなかった。前回4月2日の広島戦(神宮)では5回2失点の力投。社会人卒の期待のルーキーが2試合続けて試合を作る粘投を見せたが、プロ初勝利はまたもお預けとなった。

◆〝代打の神様〟の一打で追いついた。ヤクルト・川端慎吾内野手(35)が1点を追う七回2死一、二塁から代打で登場。右翼線適時二塁打を放ち、二塁ベース上で両拳を握った。阪神先発・才木の直球を捉えた打球は、一塁手・大山の左側を鋭く抜けた。「ピッチャーが頑張っていたので取り返してあげたかった。その気持ちで打ちました」。18年目の今季はキャンプから2軍で調整を進め、4日に1軍昇格。2021年にシーズン代打安打で歴代2位となる30安打を放った男が、試合を振り出しに戻した。

◆阪神は延長戦の末、今季初めて引き分けた。 七回以降は3イニング連続で無死で出塁したが、得点にはつながらず、延長に突入した。 十一回に登板したK・ケラーが先頭の青木に許した四球から無死三塁とピンチを招いたが、山田を一邪飛、4番・村上を空振り三振、最後はオスナを三ゴロに仕留めてしのいだ。 その裏、1死から木浪が右翼線二塁打で出塁し、代打・糸原が四球でつないで一、二塁。しかし、近本が遊ゴロに倒れてサヨナラのチャンスを逸した。 十二回に登板した加冶屋は1死二塁とされながらもゼロで切り抜けて、最後の攻撃につないだが、その裏の攻撃は三者凡退で試合終了となった。 チームは4日の広島戦(マツダ)の九回に大山が適時二塁打を放って以来、4試合連続タイムリーなし。この試合は再三のチャンスを作りながらも2点目のホームが遠かった。

◆互いに決め手を欠き、引き分けた。ヤクルトは0―1の七回に代打川端の適時二塁打で追い付いたが、延長十一回無死三塁で山田、村上、オスナが倒れた。阪神は再三の好機を生かせず、十一回1死一、二塁で近本が併殺打に倒れた。

◆阪神が再三好機を作りながら、延長十二回、1ー1のドローに終わった。4日6日の広島戦(マツダ)から4試合連続適時打ナシで3試合連続1得点。佐藤輝明内野手(24)は一回1死満塁、八回無死二塁でいずれも空振り三振に倒れ今季、12回の得点圏打席で、7打数無安打(4四球1犠飛)。2試合連続スタメン落ちとなったD1位・森下翔太外野手(22)=中大=は延長十回に代打で登場し、見逃し三振後に右翼守備に就いた。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=5勝2敗1分、観衆=4万2501人)。ーー打線は、あと一本「初回からやからな。結局。三振は何にも起きんもんな。ホント。ボテボテでも打てと思うけど」ーー佐藤輝は、いい場面で一本ほしい「そら、お前。みんなそうやけどな。おーん。余計に目立つわな。あそこでチャンスが回ってくるからな、結局は」ーー佐藤輝はどう映る「えっ、いや、どういう風にって? 見ての通りよ。そら。結果が出ないんやからさあ」ーータイミングの取り方も遅い「それはずっとよ。ずっと言い続けていることやから。渡辺(諒)がいないんよ。それだけよ。ちょうど熱が出て。うん」ーー渡辺諒がいたら「そら打てんかったら外すよ。しゃあない」ーーーリリーフ陣も調子が上がってくる「岩崎もだいぶ状態上がってきたよな。石井にしても、湯浅にしてもね、ある程度いけるというな、調子も戻ってきたしな、あの辺は」ーー3試合を通して村上に打たせなかった「それはバッテリーコーチに聞けよ、そこまで俺も頭まわらんわ、そんなもん、お前(笑)。そこまでやったら、しんどい」ーー相手の主砲を抑えることは今後に向けても「たまにやで、下位打線が打ってヒーローなるとか、ホントたまにやんか、いつもいつもそうじゃないよ、やっぱりな、打つべき人が打たんと、長いシーズンいい流れで行かんよ」」ーー開幕から3カード終わった。緊迫した試合が続いている「緊迫してる? そう。俺には見えんな。完璧な投手戦やったら、緊迫のゲームて言うけど、どっちかって言うと拙攻のゲームやんか。このチームが落ち着いてないからやろ。打つべき人が打ってないから、こういうゲーム展開になるだけであって、おーん。そんな、簡単なことや。緊迫したゲームちゃうよ、お前、遊んどってもエエゲームやんか、俺も。もう打たれるなあ、もう打つなあと思うてんのが、ずっと十二回続いたんや、お前、せや」ーー森下はヤクルト先発・吉村との兼ね合いか「今日も外すつもりやったよ。板山もヒットが出てなかったからな。三振ばかりしてるからな、1本くらい打たしてやろかなと思ったけど、アカンかったなあ。木浪もヒット出たしな(3安打)。(11日からの)東京ドームから、また小幡でいくつもりやったけど、また考えなアカンな」ーーヤクルトの投手がいい「ヤクルト、ピッチャーいい。何であんな球速なったん。ホンマ不思議やなあ。誰か1点取られたらズルズルいきそうやけどな。取られへんよなあ、ホンマに」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は2度の好機で三振に倒れた佐藤輝明内野手(24)に言及した。ヤクルトの投手陣は強力だったが、それでもチャンスは何度もあった。三回のノイジーの内野ゴロの間の1点だけは寂しい。振り返ると、一回1死満塁、八回無死二塁で空振り三振に倒れた佐藤輝が痛かった。この日の佐藤輝は、変化球を意識しすぎていたような気がする。ストレートに対して全くタイミングが合わず、三塁側へのファウルを何本も打っていた。元々、ストレートを待って、タイミングを合わせながら、変化球に対応してきた。なぜ、急に変わったのか、本人の言葉を聞かないと分からないが、タイミングが取れないことで迷いが生じたのか、高めのボール球の見極めもおかしくなっていた。こういう姿を見せると、中村のような経験豊富な捕手は見逃してくれない。高め、外角を意識させて、最後の決め球は内角ストレートという配球で、簡単に打ち取られてしまった。ただ九回のオスナの三塁線の打球を好捕した守備は評価したい。試合な中で集中力は維持している。打席でも、あの集中力で臨めれば...。巨人戦前の休養日を大事に使って、リフレッシュしてもらいたい。ヤクルト投手陣に苦労して、3試合ともに1点しか奪えなかった阪神打線だが、それでも1勝1敗1分け五分で乗り切れた要因は、もちろん投手陣の頑張り。村上をノーヒットに抑え込んだことが大きかった。成功の秘訣が梅野、坂本、梅野と毎試合捕手を代えたことを挙げたい。特に大竹が先発した2戦目にマスクをかぶった坂本が徹底的に内角を意識させるリードをした。怖がって逃げたくなるところを、あえて攻め込んだ。この〝日替わり〟の配球が村上を迷わせたように映った。今後の村上対策のヒントになるかもしれない。

◆ヤクルトは4時間29分の死闘の末に今季初の引き分けに終わった。開幕から36イニング連続で無失点を続ける救援陣の奮闘に高津臣吾監督(54)は「すごいね。みんな勝負どころの投球がよくできている。リリーフにとってすごく大事な、この一球、あの一球をよく理解している」と評価した。先発のドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)が5回4安打1失点と粘投。2番手・星にバトンを渡すと石山、清水、木沢、田口、小沢が1イニングずつ無失点リレー。延長十二回は山本が中野を一ゴロに仕留め、最後は大西が無失点に封じた。ベンチ入りしたすべての投手陣をマウンドに送り込んだ総力戦だった。これで敵地での阪神3連戦は1勝1敗、1分けで首位キープ。指揮官は「こういう試合をやっていかないといけない。今日は勝ち切れなかったけど、接戦をどうやって取っていくか。ロースコアの試合を引き続き、しのいでしのいで。勝てなかったけど結果は負けなかったということはすごく評価していい」とうなずいた。

◆8日に続いて2試合連続でスタメンを外れた阪神D1位・森下翔太外野手(22)=中大=は延長十回の先頭に代打で打席に立ったが、カウント1-2から田口の内角直球に手が出ず、見逃し三振に倒れた。試合前にはベンチ前の円陣で声出しを務めて「今日のテーマは攻める野球」とナインに声を掛けて鼓舞したが、自身は快音を響かせることはできなかった。

◆「8番・遊撃」で2試合連続先発出場の阪神・木浪聖也内野手(28)が猛打賞に「3安打ともチャンスメークできた」。七、九回は先頭で中前打を放ち、延長十一回は1死から右翼線へ。ヘッドスライディングで二塁打とする気迫も見せた。「このチャンスで結果が出なかったら(ベンチスタートに)戻ることになる。そんなことしたくない」。岡田監督は「(11日の)東京ドームから、また小幡でいくつもりやったけど、また考えなあかんな」とスタメン継続を選択肢に入れた。

◆阪神・石井大智投手(25)は延長に入った十回のマウンドを任され、期待通りに三者凡退に仕留めた。お立ち台に上がった8日から連投で、開幕から5試合連続無失点投球。「落ち着いて、意識せず、いつも通り投げることができた。緊張せずできた」と結果を出すごとに自信を深めている。

◆阪神・大竹耕太郎投手(27)が移籍後初登板勝利から一夜明け、古巣ソフトバンクの和田毅投手(42)からLINEで祝福されたことを明かした。「『1―0の勝ちはすごい』と(褒められた)。『自信を持ってストレートを投げられたのでそこは良かった』と言いました」。投手が打席に入るセ・リーグの試合中は慌ただしい上に肘当ての着用に困惑。「手間取ったのでその練習をしようかな」と周囲を笑わせた。

◆阪神・梅野隆太郎捕手(31)が必死のブロックで先発の才木浩人投手(24)を助けた。七回1死一、二塁での長岡の打席で、5球目のフォークがワンバウンド。右手の付け根付近に当たったが、後ろにはそらさなかった。「痛かったけど、止めていなかったら逆転されていたと思うから」。ベンチでの治療後、復帰。直後に川端に同点打を許したが、延長十二回まで投手陣を好リードした。患部の状態については「(骨が)折れているわけじゃないので大丈夫だと思う」と語った。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)は2安打を放ち、三回には左前打でチャンスを無死一、三塁に広げて唯一の得点に絡んだ。しかし、九回1死一、二塁のサヨナラ機では木沢の152キロに手が出ず見逃し三振に倒れ、延長十二回は先頭で打席に入るも、左腕・山本に一ゴロに抑えられた。試合後は「チャンスで打てなかったので、チャンスに強くなれるように頑張ります」と言葉少なだった。

◆九回に登板した阪神・湯浅京己投手(23)は先頭のオスナの三塁線への強烈なライナーを佐藤輝の好捕に助けられ、その後は中村を中飛、サンタナを空振り三振に仕留めて三者凡退。「テルさん(佐藤輝)に助けてもらいました」と息をついた。11日から敵地で巨人との3連戦を迎える。「しっかり東京ドームで勝てるように頑張ります」と守護神としての責任感を示した。

◆プロ2度目の登板となったヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=は5回4安打1失点と粘投した。立ち上がりから制球を乱し「直球が抜けてしまい、修正するのが難しかった」と反省。初勝利はお預けとなったが、一回1死満塁で佐藤輝、板山を連続三振に抑えるなど実力も見せ、高津監督は「いい球もあったのでさすがだなと。疲れもある。そのうちリフレッシュする時間も与えたい」と口にした。

◆執念のドロー劇だ。セ・リーグ首位のヤクルトは2位・阪神と4時間29分間の熱戦を演じ、プロ野球で今季初の引き分け。ベンチ入りした全9投手を起用する采配を見せた高津臣吾監督(54)は、〝負けなかった〟選手たちをたたえた。「勝ち切れなかったけど、接戦をどうやって取っていくか、引き分けにもっていくかということはすごく大きい。負けなかったということはすごく評価していいと思う」投手陣の粘りが負けなかった要因だ。八回には清水が無死二塁、延長十一回には小沢が1死一、二塁のピンチを招いたが点を与えない。同十二回には山本が先頭・中野を一ゴロに抑えたところで大西に交代。ブルペンには誰も残っていない状況で最後まで「0」のバトンをつなぎ、救援陣は開幕から計36回1/3無失点と奮闘している。高津監督は「もう、なんて言ったらいいんだろうね。すごいね。みんな勝負どころの投球がよくできている」と賛辞を贈り、最後の場面については「ここまで来て負けたくないので、大西にはちょっと無理して頑張ってもらいました」と労をねぎらった。打線の状態が上がらなければ、投手陣が踏ん張る。チームスワローズの強さだ。(赤尾裕希)

◆救援陣一丸でゼロをつなぎ、〝村神様〟も完璧に封じ込めた。ブルペン最年長で大黒柱の岩崎は3人でピシャリと抑え、後輩にバトンを渡した。「みんなで良いポジション(ブルペン内での序列)を目指してやっていこうといっていた。(抑えることができて)よかったです」先発・才木の後を受けて八回に登板。青木、山田をテンポよく打ち取り、最後は4番・村上をスライダーで左飛に料理して任務を完了させた。その後も、湯浅、石井と無失点でつないで延長十一回へ。マウンドを託されたK・ケラーは先頭の青木への四球から、二盗と暴投が重なって無死三塁の大ピンチを招いたが、粘った。山田を一邪飛、村上を高めの直球で空振り三振に仕留めるなど、無失点で危機を脱し「三塁ランナーだけは帰さないようにすることだけ考えていた」とうなずいた。借りを返した。昨年7月31日(甲子園)で岩崎は1点リードの九回、村上に被弾。七回には渡辺雄がソロを許し、延長十一回は石井が決勝の2ランを献上していた。その悔しさを胸に臨んだ今カードでは虎の投手陣が11打数無安打と仕事をさせず。ブルペンのまとめ役である岩崎が軸となってヤクルト打線を抑えた。力投したリリーフ投手たちに岡田監督も「岩崎もだいぶ状態が上がってきたよな。石井にしても湯浅にしてもある程度、調子も戻ってきたしな」と目を細めた。4時間29分の投手陣の頑張りが何よりの収穫。守り勝つ野球を掲げる岡田阪神の中心は鉄壁のブルペンだ。(織原祥平)★虎投、ヤクルト・村上への3連続被弾VTR 昨年7月31日の甲子園。七回、2番手・渡辺雄が村上にソロを許して1点差とされると、九回に岩崎が同点弾を献上。さらに2-2の延長十一回2死一塁で石井が決勝の2ランを打たれた。阪神が同一打者に3打席連続を許したのは2012年5月8日、広島戦のニック以来、10年ぶり。村上は8月2日の中日戦(神宮)で第1打席から2打席連発。5打席連続本塁打のプロ野球新記録を樹立した。

◆鳴かぬなら、鳴くまで待てん! 阪神はヤクルトと延長十二回の末、1-1で引き分けた。今季のプロ野球で初のドロー。勝てば単独首位だったが12残塁の拙攻だった。岡田彰布監督(65)は2度の得点機で空振り三振に倒れ、打率1割台の佐藤輝明内野手(23)に「打てんかったら外す」とイエローカード。11日からは東京ドームでの巨人3連戦。佐藤輝が打たなきゃ、誰が打つんや!執念のドローなのか。いや、岡田監督の見解は勝てた、だった。今季最長の4時間29分の末、12球団で初の延長十二回ドロー。得点圏6度で1点しかとれない。9安打で12残塁。佐藤輝へのもどかしい思いを口にした。「打てんかったら外すよ。しゃあない」一回1死満塁の先制機、1-1の八回無死二塁でいずれも空振り三振に倒れた。「初回からやからな、結局。三振は、なんにも起きんもんな。ほんと。ボテボテでも打てと思うけど」。直球に遅れ、変化球に体が崩される。ボール球も振ってしまう。D1位・吉村(東芝)を攻略できなかったことに加え、打率・160、0本塁打と上がり目が見えず、得点圏打率は・000(7打数無安打)。四球は近本に次ぐチーム2位の8個でも、5番に適時打どころか犠飛も出ない打線は、6日の広島戦から34イニング適時打なし。好調のノイジー、大山が出塁しても得点力は半減する。「(佐藤輝の状態は)見ての通りよ。結果が出ないんやからさ。渡辺(諒)がいないんよ」就任直後から「よほどのアクシデントがない限り全試合、最後まで出す」と強調していた。ところが昨秋から佐藤輝の状態が上がらず、日本ハムからトレードで加入した渡辺諒が三塁を練習し始めた。渡辺諒は7日に発熱とのどの痛みを訴え、特例2023で出場選手登録を抹消中。佐藤輝にとっては不幸中の幸いも、指揮官はスタメンはく奪のイエローカードを出したというわけだ。

◆開幕から苦しむ燕打線の目覚めを許さず、力と技でなぎ倒した。阪神・才木が自己最多となる2桁の11奪三振。開幕2連勝とはならずとも、明確にレベルアップを示す7回1失点だった。「何度かあったピンチも切り抜けて、回を重ねても力強いボールを投げることができていた」うなりをあげる真っすぐと消えるように鋭く落ちるフォークが、さえにさえた。丸山和、青木、山田を3者連続三振で立ち上がると、二回2死一塁でのサンタナから四回先頭・青木まで5者連続三振。六回2死で4番・村上をフォークでねじ伏せて2桁に到達した。七回先頭のオスナを力のこもった151キロで斬り、11個目。「三振を取れているのは、すごくボールがいっている証拠だと思う。継続して取れるように(したい)」と、虎党からの喝采を膨ませたシーンには胸を張った。しかし、この直後の2死一、二塁で代打・川端に一塁線を破られて、1点のリードを守れず。岡田監督は試合後に「追い越されるまではいかすつもりやったよ、あの回」と明かし、右腕は続いた2死二、三塁のピンチを期待に応えてしのいでみせたが、結果が1―1の引き分けなら、悔いる1点となった。

◆どんな試合が首位攻防戦にふさわしいか、野球界に定義は特にない。でも、日曜日のデーゲームに繰り広げられた延長十二回、1-1の緊迫感あふれる死闘は「これぞ首位攻防」と言っていいと思う。ナマで観戦した4万2501人の、95%くらいの阪神ファンと、5%いるかいないかのヤクルトファンは、十分に堪能されたことだろう。もちろん、テレビの前の虎党も...。「一回に佐藤輝が打っていれば...」「この3連戦、村上が完ぺきに抑えられたなぁ」「佐藤輝の三塁線のファインプレーは、すごかった」「いや、最後のアウト、村上のファインプレーの方がすごいぞ」「プロ野球ニュースの『プレー オブ ザ デー』はどっちやろ?」(すみません、この原稿を書いている時点では分かりません。全く別のプレーかも)そんな他愛もない話をしているだけで、みんな幸せになれる野球は、ホントすばらしい。全く長く感じない、至福の4時間29分だった。この本拠地開幕、ヤクルト3連戦は、始まる前からすべてチケット完売。阪神電車の各駅の改札には毎日「本日の入場券はありません」のボードが貼り出されていた。

◆打てない阪神打線にオレの脳が壊れてく~!!5者連続を含む自己最多の11奪三振の先発才木をはじめ、耐えに耐えた虎の6投手に打撃陣はどない顔向けするんや!! 三振といえば一回1死満塁で連続三振の佐藤輝に板山、それ以上に嘆かわしいのは同点の八回先頭の大山が2ベースで出塁した後の佐藤輝、原口、梅野の3者連続三振ってどないなっとんねん!?三振は悪い!! でもそれ以上にまだ八回で延長になれば当然、主砲大山に打順が回るのに、大山に代走植田を送った「決めたれや!!」の岡田はんのメッセージをどーして受け取れんのや!!ちゅーかこの4試合で得点はわずかに「3」。攻撃は34回あって3点だから、11回に1点しか奪えない計算になるってんだもん...脳も壊れるでしょう...グスン。ただ、ただですよ、それでも2位にいるってことはまだ虎は野球の神様に見捨てられてないってことですよ!! 神様に(あるいは投手陣に)そっぽを向かれる前にクリーンヒットでなくてボテボテの内野ゴロでも得点が入ることに気付いてくれー!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
621 0.750
(-)
-
(-)
13419
(+1)
8
(+1)
7
(-)
12
(+2)
0.168
(↓0.007)
0.770
(-)
2
(-)
阪神
521 0.714
(-)
0.5
(-)
13526
(+1)
21
(+1)
1
(-)
5
(-)
0.246
(↓0.006)
2.430
(↑0.33)
3
(-)
DeNA
440 0.500
(↑0.071)
2
(↑0.5)
13527
(+8)
28
(-)
6
(+2)
0
(-)
0.253
(↑0.024)
3.220
(↑0.46)
3
(-)
広島
440 0.500
(↑0.071)
2
(↑0.5)
13523
(+4)
20
(+2)
7
(+2)
3
(+1)
0.221
(↑0.001)
2.350
(↑0.06)
5
(-)
巨人
360 0.333
(↓0.042)
3.5
(↓0.5)
13424
(+2)
28
(+4)
7
(+2)
0
(-)
0.241
(-)
2.840
(↓0.19)
6
(-)
中日
260 0.250
(↓0.036)
4
(↓0.5)
13512
(-)
26
(+8)
1
(-)
1
(-)
0.221
(↓0.009)
3.310
(↓0.76)