阪神(☆1対0★)ヤクルト =リーグ戦2回戦(2023.04.08)・阪神甲子園球場=
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ヤクルト
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阪神
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勝利投手:大竹 耕太郎(1勝0敗0S)
(セーブ:湯浅 京己(0勝0敗3S))
敗戦投手:尾仲 祐哉(0勝1敗0S)
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◆阪神は初回、大山の犠飛で1点を先制する。投げては、先発・大竹が6回3安打無失点の好投。その後は岩崎、石井、湯浅の完封リレーで逃げ切り、大竹は移籍後初勝利を挙げた。敗れたヤクルトは、投手陣が粘りを見せるも、打線が散発の4安打と振るわなかった。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、ヤクルトの先発投手変更にも、あわてずにどっしりと迎え撃つ。予告先発の左腕ディロン・ピーターズ投手(30)が登板できない状態となり、急きょ尾仲祐哉投手(28)に変更になった。岡田監督は「(練習開始の)10時に聞いた。(ピーターズの)ビデオを見たとこやった」と話し、昨季まで阪神に在籍した尾仲については「あまり知らんのや」と話した。阪神はここまで開幕から6試合、投手以外は不動のオーダーで戦っている。左腕から右腕への変更も問題なさそうだ。

◆阪神才木浩人投手(24)が自身2連勝を狙い、9日ヤクルト戦(甲子園)の先発マウンドに上がる。3月12日、巨人とのオープン戦以来となる甲子園のマウンド。この日の練習後には「楽しみですし、甲子園は自分はすごく投げやすい印象がある。いい投球ができればなと思います」と力を込めた。ヤクルト打線については「村上選手だけじゃない。山田さんや青木さん、そういう良い打者がたくさんいます」と警戒。「村上選手だけじゃなくて他の選手にも、全体的にしっかり投げきることができるように、自分の投球をしっかり貫きたい」と意気込んだ。前回2日のDeNA戦(京セラドーム大阪)では、トミージョン手術後から復帰後最多となる107球の熱投だった。「コンディションは問題ない」と万全の状態で中6日の登板に向かう。

◆ヤクルトの予告先発が尾仲祐哉投手(28)に変更になった。当初予定だったピーターズ(30)がコンディション不良のため。尾仲は昨季まで阪神に在籍していたため、古巣との対決となる。尾仲は16年ドラフト6位でDeNAに入団。18年から阪神に移籍。プロ7年目で初の先発マウンドとなる。

◆スタメンが発表され、阪神は下位打線がガラリと大きく変わった。開幕戦から6番だったドラフト1位森下翔太外野手(22)はスタメンから外れ、島田海吏外野手(27)が「6番右翼」となった。また、正捕手の梅野隆太郎捕手(31)に代わって「7番捕手」で坂本誠志郎捕手(29)が今季初のスタメンマスクを被る。遊撃も小幡竜平内野手(22)から「8番遊撃」で木浪聖也内野手(28)がスタメン入りした。先発は虎デビュー戦となる大竹耕太郎投手(27)が務める。ヤクルト先発はピーターズに代わって、緊急登板で尾仲が先発する。

◆「J:COM 超速ネット光デー」として開催された阪神ヤクルト2回戦で、サッカー元日本代表FWの大久保嘉人氏(40)が始球式を務めた。右打者の外角にノーバウンド投球を決め「今日は超速でいこうと思っていたけど、どうでした? 自分の中では130キロくらい出ていたかな」と笑った。小学3年までは少年野球をしていた。自身の現役時代の背番号13を背負い、見事な投球を見せた。セレッソ大阪、ヴィッセル神戸と関西のクラブでプレーしてきた。甲子園にはプライベートで観戦に訪れたこともある。「アリアスとか、桧山さんの応援歌がすごく耳に。いいなあって思っていました」。マウンドから聖地の雰囲気を味わい「すごいっすね。小さい時から見ていましたし、大阪が長かったので、常に阪神じゃないですか。すごかったです」と興奮気味に言った。今季の阪神に向けては「優勝でしょ、優勝したら関西が盛り上がるので見たいです」とエールを送った。

◆リクエストやっと成功! 阪神が今季5回目にしてリクエストを初成功させた。初回1死、2番中野拓夢内野手(26)が尾仲から中堅右への二塁打で出塁。続く3番シェルドン・ノイジー外野手(28)の右翼へのライナー性の打球を右翼手サンタナが地面すれすれ付近で捕球し、二塁へ送球。二塁走者中野が戻れなかった形となり、併殺と判定され、岡田彰布監督(65)がリクエストした。数分後、笠原主審が「ただいまワンバウンドしておりましたので、1アウト一塁、三塁で再開します」とアナウンスし、リクエストが成功。直後、1死一、三塁から4番大山悠輔内野手(28)が中堅への犠飛を放ち、1点を先制した。

◆虎に幸運のハト!? 甲子園にハトが上陸した。6回表の阪神の守備。当初は左翼ノイジーの前にいたが、2死一塁となると二塁ベース後方に5羽が集まった。二塁手中野、遊撃手木浪が気にするそぶりを見せたが、試合は続行。ハトに気づいた甲子園のファンも、少しばかりざわついた。ハトは6回裏の阪神の攻撃前に飛び立った。

◆阪神が連敗を2で止め、岡田彰布監督(65)がタテジマのユニホームでは第1次政権の08年9月29日広島戦以来、5304日ぶりに甲子園で白星を挙げた。連敗ストップのため、指揮官が動いた試合だった。開幕から不動だったスタメンを変更。ドラフト1位森下翔太外野手(22)を6試合目で初めてスタメンから外し、6番から島田海吏外野手(27)、坂本誠志郎捕手(29)、木浪聖也内野手(28)を並べた。初回1死二塁では、3番シェルドン・ノイジー外野手(28)の右翼へのライナー性の打球を右翼手サンタナが地面すれすれ付近で捕球し、二塁へ送球。二塁走者中野拓夢内野手(26)が戻れなかった形となり、併殺と判定されたが、リクエストを要求した。これがセーフ判定に覆り、今季5回目にしてリクエスト初成功。大山悠輔内野手(28)の先制犠飛につながった。先発大竹耕太郎投手(27)は持ち味を発揮した。3回から3イニング連続で3者凡退。打たせて取る投球でスコアボードにゼロを並べた。6回84球、3安打、無失点の快投。現役ドラフトで移籍した投手の中では、12球団最速で勝利を挙げた。7回からは岩崎優投手(31)にスイッチ。8回は石井大智投手(25)を起用し、無失点で応えた。継投に入り、リードを守り切った。今季最多4万2580人のファンが入った、今季初の土曜日の甲子園でヤクルトにリベンジした。

◆もっと点とらな...。連敗を2で止めた阪神岡田彰布監督(65)が試合後、打線にハッパをかけた。先発大竹耕太郎投手(27)ら4投手の完封リレーで好投も、打線は5安打で、初回の大山悠輔内野手(28)の犠打の1点のみと投手陣の援護に苦しんだ。指揮官も「勝ちってお前、1-0やで(笑い)。勝ちって言えるのかどうか分からへんけど。2点3点いければいいけど、昨日の今日だし、1点取ったけど、あんまり良い気持ちはしなかった、逆にね」とチクリと発言した。また、9日のヤクルトの予告先発はドラフト1位吉村貢司郎投手(25)。オープン戦では計2試合対戦し、どちらも無失点に抑えられている。岡田監督も「(吉村には)いいピッチャーだけど、1点じゃなしに、2点3点取らないといけないですね、明日は」と打線の活性化を促した。

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が6回3安打無失点の快投を披露し、今季の12球団移籍組では一番乗りで白星を挙げた。現役ドラフトで移籍した投手6人の中で最速の勝利。大竹自身ではソフトバンク時代の20年10月25日西武戦以来、895日ぶりの白星をつかんだ。8回は石井大智投手(25)がマウンドに送られ、無失点で起用に応えた。打線は4番大山悠輔内野手(28)が初回に犠飛を決め、1点を先制。これが決勝点となった。大竹、大山、石井のヒーローインタビュー-ナイスピッチでした大竹 ありがとうございました。-ウイニングボールを受け取ったが、どこに大竹 ポケットに入っています。(ポケットからボールを出して、大歓声)-今の心境大竹 本当にすごく緊張したんですけど、落ち着いてしっかり打者と勝負できたので、よかったなと思います。-お立ち台に立って自己紹介がしたいと大竹 現役ドラフトでホークスから入団しました、大竹です。これからチームの戦力になれるように精いっぱい頑張りますので、よろしくお願いします。-縦じまのユニホームを着ながら、声援受けて大竹 本当に想像していた以上に、びっくりするくらいの声援だったので、その声援の力を自分の力に変えて投げることができました。ありがとうございます。-投球振り返って大竹 長打を打つ打者が多い中、逃げる投球じゃなくて、しっかり攻めに行くことをテーマにしてやっていた。そこは6回の最後までしっかり勝負できたかなと思います。-意気込み大竹 まだ1試合目なのでこれから1年間投げ抜くというのが目標。今日の1試合だけじゃなくて来週、再来週と良いピッチングができるようにまた調整していきたいなと思います。-先制の犠飛が決勝点大山 本当に勝てて良かったですし、今日は大竹が初先発ということで、先に1点をとって追加点をと思ったんですけど、なかなか取れない中、大竹、(石井)大智、湯浅の3人が本当に投げてくれたので。あっ、あとザキさん、すみません!-先発の大竹を見て大山 良いテンポというか、リズムがよくてこっちにも流れが来る投球をしてくれていたので、すごく守りやすかったです。-ファンの声援は届いていたか大山 はい、いつも届いています。いつもありがとうございます!-甲子園初勝利。ファンに一言大山 いつも熱い応援ありがとうございます。まだ始まったばかりですけど、たくさんの応援よろしくお願いします。-石井投手は今日も無失点石井 大竹さんにしっかり勝ちをつけたいなと思って、3人で抑えられてよかったです。-緊迫した場面で正直緊張した石井 はい、緊張しましたけど、今の方が緊張します。-初のお立ち台石井 はい、すごい人がいっぱいいて、ありがとうございます。-コロナ禍での入団で大観衆はあまりない石井 そうですね、初めてです。-そこで好投見せた石井 本当に皆さんの声援のおかげでいいピッチングができていると思うので、これからもご声援よろしくお願いします。-意気込み石井 1試合、1試合本当に戦うだけだと思うので、自分の力をしっかり出せるように。またチームの"アレ"に向かっていけるように頑張ります。

◆阪神大竹耕太郎投手(27)が、今季の12球団移籍組では一番乗りで1勝を挙げた。現役ドラフトで移籍した投手6人の中でも最速の勝利となった。大竹自身は、ソフトバンク時代の20年10月25日西武戦以来、895日ぶりの勝ち投手だ。6回84球、3安打、無失点。リーグ2連覇のヤクルト打線に対し、持ち味の打たせて取る投球がさえ渡った。甲子園のお立ち台に初めて立つと、勝利球をファンに披露し大歓声を浴びた。「想像していた以上に声援が大きい。声援の力を自分の力に変えて投げることができました。ありがとうございます」と感謝。「現役ドラフトでホークスから入団しました大竹です。これからチームの戦力になれるように精いっぱい頑張りますのでよろしくお願いします!」と自己紹介し、虎党の心をグッとつかんだ。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)が連日の好守備で甲子園を沸かせた。1点リードの2回表。ヤクルト・オスナの左翼への大きな当たりを追いかけ、フェンスに激突しながらもキャッチ。阪神先発大竹を救うファインプレーで流れを渡さなかった。ノイジーは前日7日の同戦でも、初回の村上の左翼へのフライを、強い雨の影響で一時は打球を見失いながらも飛び込んでキャッチ。この日、大山の先制犠飛につながる安打を放った助っ人が、バットだけでなく守備でも存在感を示した。

◆連敗を2で止めた試合後、阪神岡田彰布監督(65)からおなじみのフレーズ「そらそうよ」が飛び出した。7回岩崎優投手(31)、8回石井大智投手(25)という順番で起用した場面について「あのクリーンアップは岩崎にいってもらわないと」と説明。ヤクルト4番村上が先頭の7回を岩崎に任せた意図を話した。さらに「彼(岩崎)の経験があるからか?」と問われると「そらそうよ」と言い切った。守護神湯浅までつなぐ今後の勝利の方程式については「7、8は分からない」と、流動的であると明かした。今後も相手打順とのめぐり合わせを考慮し、経験値のある岩崎に重要な局面が任されそうだ。

◆阪神が連敗を2で止め、岡田彰布監督(65)がタテジマのユニホームでは第1次政権の08年9月29日広島戦以来、5304日ぶりに甲子園で白星を挙げた。岡田監督の一問一答は以下の通り。-ノイジーは守備もつなぎも存在感「そうやなぁ、守備固めいかしたら、けっこう怒りよるねん。元気で9回までいける言うて。この間も広島の時もな、今日は足の具合がええとか言うて(笑い)」-ノイジーの守備力は「いやいや、見ての通りやな、おーん。昨日の初回なんかでも、何やろな内野も経験してるからああいうプレーができるんやろな」-チャンスを得点につなげられて勝ちにつながっている「勝ちってお前、1-0やで(笑い)。勝ちって言えるのかどうか分からへんけど」-坂本のリードは「いやいや、うまくね。ちょうど大竹の時ってちょっと考えていたんだけど。この間は雨だったし、ちょうどそういう意味では昨日の負けが他の選手もうまく使えるようにな、負けが使えるようになったって言ったらおかしいけど、でもまあ、1年間通じて長いシーズン考えたら、そういう使い方もありかなとは思うけどね」-今日は石井を起用したが「そうやね、やから後ろは湯浅がいるから。昨日もねちょっと浜地、湯浅で行こう思ったけどその前でね。今日はね、岩崎も久しぶりに持ち味というかね、低め低めに丁寧に投げていたので。春先が悪いって、まあ俺は今年からやけど、ちょっと春先はあまり良くないんで。どっちかというとどんどん投げさした方がええんかなと思うんやけどね、うん。でも開幕の時よりかはだいぶ良くはなってるよね、岩崎はね」-石井は8回で行く「いやいや、8回というか7、8は分からないけど、まだあのクリーンアップは岩崎に行ってもらわないと」-彼の経験から「そらそうよ」-先発の大竹は緩急つけたり内角直球も「やっぱり、コントロールがいいからいけるんやろうな、おーん。甘くならないというかな、コントロールミスしない、ねえ、おーん」-雨で流れたが、広島でも絶好調だったと。そのままいけた感じ「そうやな、おーん。今日ブルペンなんか試合前はえらい、軽く投げとったらしいな。なんでかなと思ったけど、もうそのぐらいの方がええんちゃうか言うとった」-現役ドラフトで指名した選手が、きっちりキャンプから評価して活躍されるというのは「いやいや、それはうれしいよ、だから、おーん。そんな初めての試みだしな、あれもな、うん」-監督にとって、久しぶりの甲子園での公式戦勝利に。格別な思いも「まあ、そうでもないよ。まあ、まだまだ、ここで70試合ぐらいせなあかんのやで。70試合ていうかな、60くらいねえ」-こういう接戦を取るのは、気持ち的にもいいもの「いや、気持ちよおない。そんな、ええことはないよ、うん、うん。そら、体に悪い方や」-開幕から結構、ベンチでも笑顔が「いやいや、それはあれや、表情と心は違うよ、そら。そんな、勝ってんのに渋い顔もできへんしな」-2軍では伊藤将が投げた「おう、聞いた聞いた。なんか、3失点しとったみたいやな。まあ、まだもう1回ぐらい投げてからやで、うん。まあ、岩貞の方がな、早いかも分からんけどな、おーん。そのへんはおいおいな、また。だから岩貞もまた、ブルペンに入るから、そういう意味でも、あんまきちっとまだな、決められへんっていうのもあるよ。まだ1カードね、全部当たるぐらいまではね、そういうので、おーん。やっていけると思うよ、それはね」

◆阪神岡田彰布監督(65)が試合後、左肩違和感で2軍調整中の伊藤将司投手(26)について「まだもう1回ぐらい投げてからやで」と、早期の1軍合流は見送ると明かした。伊藤将はこの日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)に先発し、3回5安打3失点だった。今後は2軍で実戦を積んで1軍昇格を目指す。また、同じく2軍戦に登板し1回1失点だった岩貞祐太投手(31)については「岩貞の方がな、早いかも分からんけどな」と説明。「岩貞もまた、ブルペンに入るから、そういう意味でも、きちっとまだな、決められへんっていうのもあるよ。まだ1カードね、全部当たるぐらいまではね。(現状のメンバー)やっていけると思うよ」と見通しを明かした。

◆阪神が連敗を2で止め、岡田彰布監督(65)がタテジマのユニホームでは第1次政権の08年9月29日広島戦以来、5304日ぶりに甲子園で白星を挙げた。試合後の岡田監督の一問一答は以下の通り。-しびれる試合「そうですね。まあ、昨日の今日なんでね。ああいう点の入り方というか、まあ、どうやろ。向こうもピッチャーいいしね。あと1点ね、入っていたら楽だったんだけど、しょうがないですね。打線の調子が悪いとね」-最後、湯浅は落ち着いていた「もう最後はね、そこまでつないで湯浅に託さないといけないと思っていたんで。何とかしてくれるとは思っていましたけどね」-ストッパー湯浅が板についてきた「そうですね、はい。開幕はフォアボール3つ出したりはあったけどね。まあ、だいぶ落ち着いてね。そこまでいくピッチャーがね。もうちょっとね。心配な面はありますけどね、はい」-石井はずっと安心感がある「ほんと、キャンプの実戦からずっと0点に抑えて。まあ、ちょっと自信を持って投げているというか、マウンドの姿もね。たいぶ様になってきたんじゃないですか」-大竹が6回3安打、無四球で抑えたが「ちょっと立ち上がりはあんまりよくなかったと思うんだけど、結構ストレートで押してたんでね。だから、まあ、どうなんですかね。本当の持ち味は緩急だと思うんだけど。まあ3回ぐらいから緩急を使って、ほんと、ナイスピッチングだったですね」-村上のバットを折るシーンもあったが「いやいや、やっぱりなんというか、無四球もそうだけど、コントロールですよね、やっぱり」-相手の予告先発が変更になった「そうですね。本当、グラウンドに出る前くらいに連絡があったんだけど」-ヤクルト尾仲から中野が打って勢いをつけた。風がなければ本塁打のような打球「いやいや、まあ、どうですかね。まあまあ、ちょっと知らなかったんですよね。(尾仲が)タイガースにいてたというのもあって。ミーティングでは梅野に言わせたんだけどね、どんなピッチャーかというのをね。映像もそんなになかったしね。2月の浦添の映像はあったんだけど」-リクエストが大きかった「いやいや、こっちから見るとヒットと思ったから。まあみんな『前に落ちている』と言っていたので」-監督から目視で見えていた「いや、見えているっていうか、打った瞬間、ヒットと思ったから。捕るとかじゃなしにね」-大山がきっちり犠飛。4番の仕事「まあね、2点3点いければいいけど、昨日の今日だし、1点取ったけど、あんまり良い気持ちはしなかった、逆にね」-打線は1点。どう見ていたか「うーん、ちょっとはね...。ヤクルトのピッチャーは出てくるピッチャーはすごくボールが速くなっているというかね、ちょっとそういう意味ではこっちの打線よりもヤクルトの投手のスピードとか切れとか、ちょっとビックリしましたね」-森下、梅野、小幡をスタメンから外した「いやいや、まあ、1年間不動のメンバーでできないし、ちょうどね、おーん、雨中抜きでね、昨日はね、おーん、普通のゲームで負けたんで。そういう意味でも今日はだから、ホントはあそこ、(当初先発予定のヤクルト)ピーターズだったら森下だったんだけどね、右だったんで島田もいけたんでね。みんなもこれでスタメンとして開幕したし、おいおい調子とかもあるんでね、それは代えていこうとは思いますけどね」-ピーターズなら森下の予定だった「ああそうです、はい」-結果的には休養という位置付け「まあ休養というほど、そんな力ないと思うけどね、はっきり言うて、おーん。だからちょっとね、連敗したんでね、気分転換というか、長いシーズンね、そういう使い方になるかなと思いますね」-明日は才木だが、まずは打線か「そうね、だって(ヤクルト予告先発の吉村には)神宮でも抑えられたし、浦添でも抑えられてるピッチャーだからね。いいピッチャーだけど、1点じゃなしに、2点3点取らないとね、いけないですね、明日はね」

◆阪神湯浅京己投手(23)が、初めて「1-0」のシチュエーションで3セーブ目を挙げた。1点リードの9回に登板。「別にいつも通りですよ」と強心臓は健在だった。先頭山田に四球を許したものの、続く村上を二ゴロに打ち取り、後続も断った。侍ジャパンのチームメートで同い年の村上はフォークで打ち取り「余裕あれば1回くらい真っすぐ勝負したいですけど」と熱く言った。ただ、「あの場面は考えながら、しっかり向かって行けたので、あそこから自分のピッチングができたと思います」と冷静さも失っていなかった。8回を抑えた石井との「独立リーグ出身リレー」も完成。「(8回が)3人で終わったので、(9回は)3、4番からだなと思って気持ち引き締めていました」と振り返った。

◆佐藤輝が17打席ぶりの安打を放ち、終盤には同期入団の石井を助ける好守備も見せた。4回1死の第2打席、ヤクルト2番手大西の変化球を引っ張り右前に持っていった。「(打撃は)まだ合ってないところがあるので、修正して頑張ります」。8回守備で代打川端の三遊間に抜けそうな難しいバウンドの打球をキャッチし、難なく三ゴロをもぎ取って石井を助けた。

◆頼れる4番大山が唯一の得点を挙げた。初回1死一、三塁、DeNA尾仲の初球144キロをたたき、中堅へ先制&決勝犠飛を放った。直前には3番ノイジーが放った右翼方向への地面すれすれの打球を巡って岡田監督がリクエスト。次打者席で少しの間が出来たが「集中できていました。ヒットでかえすことはできなかったけど、先制できたことは良かった」と直後の1球で得点をもぎ取った。開幕から期待に応えている。打点はリーグ3位タイの6打点。勝利打点3はヤクルト村上と並んでリーグトップだ。開幕から7試合を終えて放物線こそ描いていないが、主軸としての役割を果たしている。前日7日には一塁守備で打者走者と交錯するアクシデントもあったが、この日は何食わぬ顔でプレー。無言でチームを鼓舞する。試合は1点を守り切ってスミ1勝利。「勝って良かった。大竹、ザキさん、大智、湯浅、野手陣が守ってついた(勝利)打点なので。本当はもっと取りたいと思いますけど、こういう試合も多くなる。全員でつかみ取った勝利かなと思う」。試合後は、ゼロのバトンをつないだチームメートをたたえた。

◆阪神3年目の石井大智投手(25)が、今季最多4万2580人のファンの視線を集めた。初のヒーローインタビューで「(マウンドより)今の方が緊張します」と照れ笑いした。1点リードの8回に登板し、3者凡退無失点で3ホールド目。開幕前の実戦10試合に加え、シーズンも4試合連続無失点と無傷の男だ。零封リレーを演出し「声援のおかげでいいピッチングができた」と感謝。岡田監督も「マウンドの姿もたいぶ様になってきた」と目を細めた。2年前は未熟だった。プロ1年目の21年開幕戦。7回に登板するも失点し、先発藤浪の勝ち星を消してしまった。「晋太郎さんの人生を変えてしまったかもしれない...」。頭を抱えたが「俺も中継ぎを経験して、気持ちは分かるから」と先輩になぐさめられた。1年前は焦りがあった。6月3日の日本ハム戦。ブルペンで準備していたが、チームは最大6点差を大逆転。出番がなかった。「今日も投げられない...」。思わず態度に出してしまい「気持ちは分かるけど、勝っている時は態度に出さないように。1人になってからいくらでも考えたらいい」と岩崎に指摘された。2人の言葉は忘れない。重要な局面を任されるようになった現状を「自分としても目指していたところですけど...」と話した後、言葉に力を込めた。「でも(阪神の)中継ぎは全員いい投手。助け合いながら、誰かが悪い時にカバーできるのが強みだと思う。自分が悪い時もあると思うので」。打たれる悔しさ、投げられない苦悩。痛みを人一倍知っているからこそ、そう言える。ワンチームのブルペンの先頭を今、石井が走っている。【中野椋】

◆阪神岡田彰布監督(65)が名采配で1点を守り抜き、連敗を2でストップさせた。虎の指揮官としての甲子園白星は第1次政権の08年9月29日広島戦以来、5304日ぶり。最後は坂本が体勢を崩しながらミットの先で飛球をキャッチし、試合終了。なんとか接戦をモノにして「そら、体に悪い方や」とニヤリ笑った。試合前から想定外だった。ヤクルト予告先発の左腕ピーターズがコンディション不良のため、急きょ右腕尾仲に変更となった。「あまり知らなかったんで」。ミーティングでは昨季まで阪神に在籍していた右腕の特徴について梅野に説明させ、難局打開を図った。開幕から不動のオーダーだったが、7試合目で6番森下、7番梅野、8番小幡の3人を一気にスタメンから外した。「まあ1年間不動のメンバーでできないし。(左腕の)ピーターズだったら森下だったんだけどね。休養というほど力はないと思うけど、連敗したんでね、気分転換というか」。流れを変えにかかった。リクエストも効果的だった。1回1死二塁でノイジーの右翼へのライナーを、サンタナがスライディングキャッチして一時はアウト判定。二塁走者中野も戻れず併殺となったが、ここですかさずリクエストした。判定はワンバウンド捕球の安打に覆り、1死一、三塁で再開。4番大山の中犠飛で決勝点となる1点を奪った。「こっち(一塁側ベンチ)から見るとヒットと思ったから」。開幕から4回連続で失敗だったリクエストをここぞの場面で成功させ、流れを呼び込んだ。8回は前日7日に2ランを被弾した浜地ではなく好調の石井を投入し、無失点で守護神湯浅へつないだ。ズバリ采配が際立った1日。それでも落ち着き払ったブレない態度が頼もしい。「まだここで60、70試合ぐらいせなあかんのやで」。18年ぶりの「アレ(=優勝)」に向け、久しぶりの甲子園星の余韻に浸ることはなかった。【石橋隆雄】

◆現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手(27)が、今季初先発したヤクルト戦(甲子園)で6回3安打無失点と好投し、自身3年ぶりの白星を手にした。チームの3連敗を阻止した1勝は昨オフ移籍組、現役ドラフト組で一番乗りの白星となった。阪神大竹は2年間未勝利だった。ソフトバンクの巨大戦力の中で埋もれそうになっていた。結果を残さなければ2軍どころか3軍に落ちる。「『1点取られたら終わり』というメンタルで投げていた」。自分との戦いに負けていた。"気づき"をくれたのは師匠和田との自主トレだった。ソフトバンク1軍で活躍する藤井や板東らの一挙手一投足に「結果を出している人の考え方を見て、僕は1軍の選手になりきれていないな、と」。気持ちに余裕がないまま練習していてはダメだと知った。阪神移籍後は青柳、西勇と何年も先発ローテを守る手本にも出会えた。「やっぱり一喜一憂しないし、気にしてない」。目先ばかりにこだわらなくなって今がある。登板前日の7日にはダルビッシュのYouTube動画からネガティブな気持ちを受け流す術を学んだ。「今日もそういうの(弱気)が何回も頭をよぎったけど、俯瞰(ふかん)できた」。それは動画チェックの成果だけではなく、心に余裕ができたからだ。【阪神担当=石橋隆雄】

◆現役ドラフトでソフトバンクから阪神に移籍した大竹耕太郎投手(27)が、今季初先発したヤクルト戦(甲子園)で6回3安打無失点と好投し、自身3年ぶりの白星を手にした。チームの3連敗を阻止した1勝は昨オフ移籍組、現役ドラフト組で一番乗りの白星となった。早大の先輩でもある岡田彰布監督(65)にタテジマ5304日ぶりの甲子園星もプレゼント。掘り出し物の左腕が18年ぶりの「アレ(=優勝)」への強力な新戦力となりそうだ。大竹にとって3年ぶりの白星は、第1回を終えたばかりの現役ドラフトにとっても価値ある1勝となった。「いい意味で先駆け、前例になった。この制度自体が選手にとってポジティブな機会というイメージがつくように活躍していけたら」と充実感を漂わせた。緩急が持ち味の技巧派左腕だが、序盤は直球で押した。4番村上には内角直球で詰まらせ、初回の第1打席は右飛、4回の第2打席はバットを折って二ゴロ。ツバメ打線に二塁も踏ませなかった。「変化球を生かすためにも直球を磨け」。そう教わり続けてきた早大の先輩、ソフトバンク和田に恩返しの白星だ。初めて0勝に終わったプロ4年目のオフに門をたたき、22年1月の自主トレに初参加した。「大学も一緒だし、それまでは、かしこまり過ぎちゃうところがあった。でも『このままじゃ、もう終わっちゃうな』という感覚もすごくあった」。勇気を振り絞った。当時の大竹について、和田は「頭がいい子なのでいろんなことを勉強しよう、覚えようとしていたけど、僕から見れば迷走していた。『枝葉』ばかりで、体幹の芯というか『幹』になるものがまだまだなかった」と振り返る。もがくほど即効性がほしくて小手先だけに走っていた後輩に、もう1度投手に必要な体幹、基礎を鍛えるよう伝えた。阪神移籍後も電話をすればアドバイスをくれる大先輩は、42歳になった今も先発ローテの一角を担う立場。後輩も負けてはいられない。プロ入りは17年育成ドラフト4位。「東京6大学から育成でプロに行くの? っていう世間体があった」。周囲からは厳しい声もあった中、当時2例目となる早大からの育成入団で道を切り開いてきた。初めての関西生活も「おいしいお店、もう見つけましたよ」と、すっかりなじんだ様子。阪神タイガースという新天地で、大竹が再び輝き始めた。【石橋隆雄】阪神大竹が移籍後初登板で初勝利。大竹が勝利投手になったのは、ソフトバンク時代の20年10月25日西武戦(ペイペイドーム)以来3年ぶり。このときは先発して5回1失点だった。<大竹耕太郎(おおたけ・こうたろう)アラカルト>生年月日 1995年(平7)6月29日出身地 熊本県熊本市球歴 済々黌2年夏、3年春に甲子園出場。早大では通算11勝。17年育成ドラフト4位でソフトバンク入団プロ成績 18年に支配下へ昇格し、8月1日西武戦に初先発初勝利。昨オフ、現役ドラフトで阪神移籍。昨季までの通算成績は35試合登板で10勝9敗、防御率4・07好物 宮崎のギョーザ人気店「黒兵衛」にサイン色紙がある。「宮崎に行ったら絶対行きます」合気道 ソフトバンク時代から合気道を練習に取り入れ、バランス感覚を養う。以前まで師範には兵庫から福岡に出張を依頼していたが、引っ越し後は「(師範が)隣の駅に住んでるので継続します」。1月下旬には仲良しのソフトバンク武田と一緒に出稽古サイズ 184センチ、87キロ早大の先輩でもある阪神岡田監督は大竹の勝利を喜んだ。「ほんと、ナイスピッチングだった。無四球もそうだけど制球がいい」と絶賛した。早大時代から存在は知っていた。「初めての現役ドラフトで獲得したけど、キャンプから見ていて当然、このままいけるんじゃないかなという気持ちもあった。今後も使う」。先発ローテの1人として、さらなる期待を寄せた。今季初スタメンの坂本が起用に応えた。先発大竹ら4投手の持ち味を引き出し、完封リレーに貢献。「風がちょっと強かったので、考えながら、大竹は内角を突いたり、いいところに投げてくれた」と笑顔を見せた。9回最後の打者、内山の飛球は風にあおられてお手玉しながら何とか捕球。「最後、僕が一番(風に)やられそうになりました」と胸をなで下ろしていた。

◆先発投手が発表され、ヤクルトは当初予告されていた新外国人左腕、ディロン・ピーターズ投手(30)ではなく、新加入の尾仲祐哉投手(28)が先発すると発表された。ピーターズは何らかのアクシデントがあったとみられる。尾仲は2017年に広島経大からドラフト6位でDeNAに入団。翌18年に阪神からFA移籍した大和の人的補償として阪神に移籍したが、昨季限りで戦力外となり、今季からヤクルトに加入した。これまで1軍では33試合に登板しているが、先発登板はなくプロ初先発となる。

◆2連敗中の阪神は島田海吏外野手(27)、木浪聖也内野手(28)、坂本誠志郎捕手(29)がスタメン入り。開幕から6試合続けてスタメン出場していたドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=、小幡竜平内野手(22)、梅野隆太郎捕手(31)はスタメンを外れた。先発の大竹耕太郎投手(27)は昨年の現役ドラフトで加入し、この日が初登板となる。ヤクルトは先発で予告されていた新外国人左腕、ディロン・ピーターズ投手(30)が登板を回避し、昨季まで阪神に在籍した尾仲祐哉投手(28)がプロ初先発のマウンドに上がる。

◆試合に先立ち、サッカー元日本代表の大久保嘉人氏(40)が始球式を行った。現役時からゆかりの背番号「13」を背負って登場。右打者の外角にノーバウンドで力強い1球を投げ込んだ。「J:COM 超速ネット光デー」にちなんで「超高速で投げようと思ったんですけど、どうでした? 自分の中では130キロくらい出た感じです」と笑顔で振り返った。現役時代はC大阪に所属し、プライベートで甲子園に応援に来たこともあるという大久保氏はマウンドから見る景色を「全員がユニホームを着ていて、すごく広く感じた。プレッシャーのかかり方がサッカーとはまた違うと思った」と緊張感の違いを表現。阪神に向け「優勝してほしいなと思います。優勝すれば大阪中が、関西がめちゃくちゃ盛り上がるので」とエールを送った。

◆阪神・シェルドン・ノイジー外野手(28)=前アスレチックス3A=が二回に美技をみせた。先頭オスナの大きな飛球をフェンス際でジャンプしながら左腕を目いっぱい上に伸ばしてキャッチ。スタンドからどよめきとともに大きな歓声と拍手が起こった。前夜も雨の振る難しい状況で難しい飛球を好捕。連日の好プレーでチームを盛り立てている。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が集中力を研ぎ澄まして先制点をたたき出し、虎を勢いづけた。0-0の一回1死一、三塁から、阪神にも在籍したヤクルト先発・尾仲の初球144キロを捉え、中犠飛を放った。「リクエストで少し間が空きましたが集中できていました。ヒットで返すことはできなかったけど、先制できたことは良かった」と4番が声を弾ませた。直前には、岡田監督の〝アシスト〟もあった。1死二塁から、ノイジーが右翼へライナー性の打球を放ち、サンタナがスライディングキャッチを試みて、一度はアウトと判定された。飛び出した二走・中野もアウトになり、攻守交代と思われたが、虎将がリクエスト。リプレー検証の結果、打球のワンバウンドが確認され、判定は覆った。試合前の時点で打率・364と好調な背番号3が中心となって、首位・ヤクルトを打ち破る。

◆ヤクルト・尾仲祐哉投手(28)がプロ初先発し、3回2安打1失点で降板した。この日、先発予定だった新外国人左腕、ディロン・ピーターズ投手(30)に何らかのアクシデントが発生し、球場に訪れたものの登板を回避。尾仲は急遽(きゅうきょ)役目が回ってきた。「急遽、先発という流れになりましたが、自分にとってはチャンスだったので、思い切ってどんどん腕を振っていこうという気持ちでマウンドに上がりました。今後、長いイニングを投げることがあると思うので、しっかり調整していきたい」一回は、先頭・近本を左飛に打ち取ったが、続く中野の打球を中堅手・浜田が追いついたかに見えたが二塁打に。続くノイジーの右翼への打球をサンタナがスライディングキャッチして二塁に送球し併殺が完成したかと思われたが、リプレー検証の結果、判定が覆って一、三塁とピンチを招いた。4番・大山には初球の144キロを中犠飛とされ、先制点を献上。ただ、その後は粘り強く得点を許さず、最少失点で切り抜けて四回から大西にバトンを渡した。尾仲は2017年に広島経大からドラフト6位でDeNAに入団。翌18年に阪神からFA移籍した大和の人的補償として阪神に移籍したが、昨季限りで戦力外となり、今季からヤクルトに加入した。

◆先発した阪神・大竹耕太郎(27)が6回を3安打無失点に抑える好投を見せた。一回は1死から青木に中前打を許したが、山田を一飛、村上を右飛に抑えて無失点。四回は3番・山田を見逃し三振、続く村上に対しては内角141キロ直球でバットをへし折って二ゴロに打ち取るなど圧倒した。内外自在の直球とコーナーを丁寧につく変化球の組み合わせで凡打の山を築いた。昨年12月の現役ドラフトでソフトバンクから加入。初登板を前に「オープン戦で投げてきたそのまんまの感じで、気負いすぎず。ちゃんと打ち取れる打者を打ち取っていきたい」と意気込んでいた背番号49が、新たな本拠地となった甲子園で躍動した。

◆阪神が今季の甲子園初勝利をつかんだ。 今季初めて野手の先発3人を入れ替えて臨んだ一戦。一回1死二塁から、ノイジーが右翼へライナー性の打球を放ち、サンタナがスライディングキャッチを試みて一度はアウトの判定。これに岡田彰布監督(65)がリクエストを要求し、リプレー検証の結果、打球のワンバウンドが確認され、判定が覆った。1死一、三塁のチャンスに4番・大山悠輔内野手(28)が中犠飛を放ち、先制に成功した。 投げては昨年の現役ドラフトで加入し、初先発となった大竹耕太郎投手(27)が好投。一回は1死から青木に中前打を許したが、山田を一飛、村上を右飛に抑えて無失点。四回は3番・山田を見逃し三振、続く村上に対しては内角141キロ直球でバットをへし折って二ゴロに打ち取るなど圧倒した。内外自在の直球とコーナーを丁寧につく変化球の組み合わせで6回を無失点に抑えた。七回からは岩崎、石井、湯浅とつないで0封リレーを成立させた。 追加点こそ奪えなかったが初回の1点を守り切り、岡田監督は2008年9月29日以来、実に5304日ぶりとなる甲子園でのシーズン勝利をつかんだ。

◆ヤクルトは今季初の零封負けを喫した。先発予定だった新外国人左腕、ディロン・ピーターズ投手(30)=前パイレーツ=がコンディション不良で登板を回避。代役を務めた新加入の尾仲祐哉投手(28)=前阪神=が3回2安打1失点と役目を果たし、救援陣も無失点でしのいだが、打線にあと一本が出なかった。高津臣吾監督(54)の主なコメントは以下の通り。――2試合連続の接戦だったが、あと一本が出なかった「まあ、今日だけじゃなくて、昨日も一昨日もなかなか点が入らないですね。ちょっと考えないといけないですね。考えていると思うんですけど、バッティングコーチもね」――打撃の部分で再考が必要か「技術的なことはよく分からないんだけれども、もっと振っていいと思うんですね。ちょっと映像見てないからわからないんですけど、甘い球も見逃していると思うので、やっぱり積極的に振っていくというところは(投手側は)投げていて嫌なので、相手の嫌がることをやっていかないとね。こちら本意でバッティングってできないとは思っているんで、失投を見逃さないというところは大事なんじゃないかなと思います」――尾仲投手が急遽先発を任された「尾仲はすごくよく頑張ったと思います。急に、すごく申し訳なかったですけど。でも残念ですね、新外国人が全員戸田(2軍)に集合したというね。まあ、そういうこと言ってもしようがないですけど」――ピーターズはどの部分を痛めた「まあ、コンディション不良としておいてください」――明日以降は抹消する「そうです。今日抹消できなかったので」――長引きそうか「今日の段階では何とも言えないです」――病院に行って検査する「そうですね。はい。そうなります」――尾仲にはいつ先発を伝えたか「今日の練習中です」――投手陣はずっと頑張っている「そうですね。良いピッチングをされたら打てないのは、点を取れないのはなかなかあれなんですけど、僕も何か作戦ないかなと思いながらいろいろ考えてはいるんですけど、なかなか点数が入らないですね」――サンタナに2本出た「そうですね。そろそろ、そろそろと思いながらずっと使っていたんですけど、良かったし、本人もすっきりしたんじゃないですか。すっきりかどうか分からないですけど、ホッとしたんじゃないですかね」――長岡が好機でなかなか打ててない印象「いいんですよ、と言ったらあれですけど、8番でフリーで打たせているんで、まだ勉強段階なので。いろいろ失敗を繰り返して、反省しての毎日だと思います」

◆阪神・岡田彰布監督(65)が2008年9月29日の広島戦以来、5304日ぶりの甲子園白星を飾った。一回、大山悠輔内野手(28)の犠飛で挙げた1点を、6回無失点の大竹耕太郎(27)、岩崎優(31)、石井大智(25)、湯浅京己(23)の4投手で守り抜いた。大竹は現役ドラフト移籍投手で最速勝利。佐藤輝明内野手(24)は四回、17打席ぶりの安打を右前に放った。岡田監督は一回1死二塁からのシェルドン・ノイジー外野手(28)の右前への打球を捕球と判定されたプレーに対し、リクエストを要求。5度目で初めて覆り、先制点につながった。スタメンから外れたD1位・森下翔太外野手(22)=中大=の出番はなかった。主な一問一答は以下の通り(成績=5勝2敗、観衆=4万2580人)。★テレビインタビューーー相手の予告先発が変更(ピーターズから尾仲に変更)「本当、グラウンドに出る前くらいに連絡があったんだけど。知らなかったんですよね。タイガースにいてたというのもあって。ミーティングでは梅野に言わせたんだけどね」ーーリクエストが大きかった。「こっちから見るとヒットと思ったから。みんな『前に落ちている』と言っていたので。打った瞬間、ヒットと思ったから。捕れるとかじゃなしにね」ーーピーターズなら森下の予定だった「ああそうです、はい」ーー結果的には休養という位置付け(梅野も小幡もスタメンから外れ出番なし)「まあ休養というほど、そんな力ないと思うけどね、はっきり言うて。連敗したんで気分転換というか、長いシーズンね、そういう使い方になるかなと思いますね」★ペン囲みーーノイジーは守備で存在感(二回、オスナの打球をフェンス際で好捕)「そうやなぁ、守備固めいかしたら、結構、怒りよるねん。元気で九回までいける言うて、この間も広島の時もな、今日は足の具合がエエとか言うて(笑)」ーーチャンスをつなげて勝ちにつながっている「勝ちってお前、1-0やで(笑)。勝ちって言えるのかどうか分からへんけど」ーー八回は石井「岩崎も久しぶりに持ち味というかね、低めに丁寧に投げていたので。俺は今年からやけど、春先はあまり良くないんで、どんどん投げさした方がエエんかなと思うんやけどね。開幕の時よりかは、だいぶ良くはなってるよね、岩崎はね」ーー石井は八回に行く「七回、八回はわからないけど、まだあのクリーンアップは岩崎に行ってもらわないと」ーー彼の経験から「そら、そうよ」ーー現役ドラフトで指名した選手が活躍「それは嬉しいよ。初めての試みだしな、アレもな、うん」ーー久しぶりの甲子園勝利。格別な思いも「そうでもないよ。ここで70試合ぐらいせなアカンのやで。70試合ていうかな、60くらいねえ」ーー接戦を取るのは、気持ち的にもいいもの「気持ちよおない。そんな、エエことはないよ、体に悪い方や」ーー開幕からベンチでも笑顔が「それはアレや、表情と心は違うよ。勝ってんのに渋い顔もできへんしな」ーー2軍では伊藤将が投げた(3回66球で3失点)「聞いた聞いた。3失点しとったみたいやな。まだもう一回ぐらい投げてからやで。岩貞の方がな、早いかもわからんけどな、おーん」

◆ヤクルト打線は4安打に終わり、今季初の零封負けを喫した。七回2死一、三塁では長岡が二ゴロ。九回は先頭の山田が四球で出塁したが、本塁が遠かった。3試合連続で本塁打以外での得点はなく、チーム打率・175は12球団最下位。高津監督は「もっと振っていいと思う。積極的に振られると投げていて嫌なので、相手の嫌がることをやっていかないと」と積極性を求めた。

◆阪神が0封リレーで今季の甲子園初勝利。最後を締めたのが守護神・湯浅京己投手(23)だ。力なく二塁手・中野のグラブに収まる村上の打球を涼しい顔で見送った。虎の守護神の貫禄を見せつけるアツアツ投球で、侍ジャパン対決を制した。「クイックになって、ムネ(村上)からしっかり修正して投げられた。あそこからは自分のピッチングができたのかな」1―0の九回、先頭の3番・山田に四球を許し、無死一塁で迎えた最重要局面。2球で追い込むと、「マウンドでも『大丈夫やな』と思った」。3球勝負でフォークを投じ、芯を外して二ゴロを打たせた。5番・オスナもフォークで空振り三振に切って二死とすると、続く内山には直球で押す。2球で追い込んだところで、今季最多4万2580人がスタンドを埋めた甲子園からは、2019年以来4年ぶりの「あと1球」コールが響いた。大きく風に流された飛球を坂本が捕球すると、大歓声の中で自然と笑顔が浮かんだ。共に日本を代表して戦った同学年の村上とは7日の試合前に再会。笑顔で言葉を交わしたが、マウンドに立てば当然敵同士と言わんばかりの投球で、一回に挙げた1点を守り切る0封リレーを完結させた。岡田監督が「託さないといけないと思っていたんで。何とかしてくれるとは思っていましたけどね」と全幅の信頼を寄せる背番号65は、甲子園で初セーブを達成。今季早くも3セーブ目と役割を果たして胸を張った。「0でつないできてくれて、自分が壊すわけにはいかないので。自分の仕事ができたんじゃないかと思います」しびれる場面を乗り越えた湯浅が、アレに向けてさらなるセーブを積み重ねていく。(邨田直人)

◆阪神・岩崎優投手(31)が好救援で無失点リレーをつないだ。3連投となった2日以来の登板で七回のマウンドに上がり、先頭の村上を二ゴロ。続くオスナに四球を与えるなど2死一、三塁とされたが、最後は長岡を二ゴロに打ち取った。「本当に大竹が頑張っていた。(加入後)最初の登板で勝ちをつけてあげられたのでよかった」。頼もしい左のリリーフエースは、新戦力の好投をねぎらった。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)は一回に自身の犠飛で挙げた1点が決勝点となり、2019年から4年連続でチームトップを記録している勝利打点をマーク。「その1点しか取れなかったので、それを大竹、ザキさん(岩崎)、大智(石井)、湯浅、野手陣で守って勝てたことでついた打点。僕は感謝しかない」と喜んだ。タイムリーによる得点ではないが「点が入ることが大事。しっかりそういう打点も増やしていきたい。そういう引き出しを増やすことも自分の課題」と主砲の心構えを語った。

◆1点リードの八回に登板した阪神・石井大智投手(25)は8球で三者凡退に仕留め、今季4試合連続で無失点を継続。初めて甲子園のお立ち台に上がった。「大竹さんに勝ちをつけてあげたいとみんな思っていたし、ほんとに勝ててよかった」と大きく息をついた。勝ちパターンで抑えにつなぐ大事な役割を任され「自分としても目指しているところ。中継ぎは全員いい投手。シーズン通して助け合いながらやっていきたい」と充実感を漂わせた。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が先制のホームを踏んだ。一回1死から中堅へ放った打球は、浜田がグラブに当てるも捕れず、記録は二塁打。大山の犠飛で生還した。「強くボールはたたけました。結構いい内容だったんじゃないかなと思います」。追加点は取れなかったものの、1―0での勝利に「守って勝った試合。打てないときはこういう試合をしていかないと勝てない」と力を込めた。

◆今季初めてスタメンマスクをかぶった阪神・坂本誠志郎捕手(29)は、先発の大竹など投手陣を巧みにリード。「風も強かったので、それも考えながらいい球を投げてくれたからこういう結果になったと思う」と初白星の左腕をねぎらった。特に相手の主砲・村上に対しては積極的に内角を攻めて無安打に封じた。「しっかりいくところはいってくれたから、後ろの投手も助かっているところはある」とマウンド度胸をたたえた。

◆急遽(きゅうきょ)、任された役目を全うした。新加入のヤクルト・尾仲祐哉投手(28)=前阪神=がプロ初先発で3回2安打1失点。先発予定だったディロン・ピーターズ投手(30)=前パイレーツ=がコンディション不良を訴えて、試合前練習中に先発を言い渡されたが、堂々とマウンドに立った。「変に考えることはなかった。投げられたら別にそれでいいかなと。とにかく腕を振って投げようと決めていた」凱旋(がいせん)登板だった。2017年に広島経大からドラフト6位でDeNAに入団。FAの人的補償で移籍した18年から戦力外となった昨季までの5年間、阪神で育った。初めてビジターとしてかつての本拠地を訪れ、最初はブルペンの場所も分からなかったが「甲子園は投げやすいイメージしかない」と自信を持って臨んだ。一回1死一、三塁から大山の中犠飛で先制を許したが、粘りの投球で最少失点。高津監督は「すごく申し訳なかったですけど、尾仲はすごくよく頑張った」と目を細めた。救援陣は4投手がまたも無失点。尾仲の力投を、阪神3回戦の白星につなげ、開幕3カード連続勝ち越しを狙う。(赤尾裕希)

◆阪神は8日、甲子園でのヤクルト戦に1―0で勝ち、今季初の無失点で連敗を2で止めた。昨年の現役ドラフトでソフトバンクから加入した大竹耕太郞投手(27)が、6回無失点の好投で今季初勝利。要所での強気の投球が光った。声出し応援が可能になり、4年ぶりに聖地に響いた大歓声。0・5ゲーム差に迫った首位・ヤクルトに連勝し、もっともっと虎党を熱くさせる。超満員4万2580人の観客席をお立ち台からぐるりと見まわす。絶え間ない歓声と無数のフラッシュを浴びて感情が高ぶった。虎移籍後初登板で今季初勝利を挙げた大竹が、ヒーローインタビューで喜びをマイクに乗せた。「想像していた以上にびっくりするぐらいの声援の大きさだったので、その声援を自分の力に変えて投げることができました!」ファンの声も耳に入るほどの冷静な投球で燕打線を圧倒した。一回1死から青木に中前へはじき返されても焦らない。山田を外角直球で一飛に仕留めると、4番・村上にはファウルで粘られながらも最後は内角の143キロで右飛に料理。「インコースに投げるのは怖いけど、そこに投げないと僕は抑えられない」。四回にも内角を突いて村上のバットを折るなど、勝負どころでの強気な真っすぐが光った。味方の好守にも助けられながら1点のリードを死守し、6回を投げて散発3安打、無四球無失点の好投でうれしい初白星。現役ドラフトで指名してくれた岡田監督に、5304日ぶりの甲子園での白星をプレゼントした。早大の後輩でもある左腕に岡田監督も「ほんとナイスピッチングだった。コントロールがいいからいけるんやろうな、おーん。甘くならないというかな、コントロールミスしない」と賛辞を惜しまなかった。

◆-―甲子園で連敗を止めて勝利を挙げた「メンタル的に気負い過ぎると駄目というのは自分でも分かっているので、オープン戦で投げるときと変わらずというか。普段通りを意識しました」―-落ち着いて投球できた要因は「YouTubeでダルビッシュさんがしゃべっている動画を昨日の夜に見て、それです。ここで打たれたらホームラン怖いなとか、打たれたら2軍に落ちるかもしれないとか、いろいろ過去の悪い記憶がフラッシュバックしたりしてくるけど、それを自分の声だと思わないという話をされていた。『メンタルはスキルだから』っていう言葉があぁって思って。スルースキル、受け流すのは技術だからっていう話を聞いたら、気が楽になって確かにって。そんな感じです」―-不安はあった「もちろんあります。西(勇)さんに広島で投げる前日だったんですけど、『お前、きょう外食いけるか?』と言われて『いや、登板前日に外食はいかないですね』ってみたいに言ったら『そういうとこやで』みたいに言われて。『でも2軍戦やったら行くやろ?』と言われたら『2軍戦だったら行きますね』って。なので昨日は外食に行ってステーキを食べて。それくらいの余裕というか、試合前の調整にしても、これもやってあれもやって、とやっちゃっていたので。パパッとやっていいや、っていう余裕、ゆとりがあるとバッターと向かえると。そういうふうに今日はできました」

◆何年も前から甲子園のレフトを守っているかのような好プレーで、ノイジーが大竹の背中を押した。バットでも先制点の呼び水になる一打。攻守で〝開幕星〟に貢献し、充実感をにじませた。「ホーム球場の最初の勝利は、いつでもうれしいことですね」まずは打撃だ。0-0の一回1死二塁で、昨年まで阪神に在籍したヤクルト先発・尾仲の145キロをライナー性の打球で右翼へ弾き返した。サンタナがスライディングキャッチ。一度はアウトとなったが、リプレー検証でワンバウンドが確認された。右前打となって1死一、三塁とチャンスメークし、大山の先制犠飛につなげた。「修正しないといけないところがある。そこを取り組みながら、いい状態を保ちたい」と打撃面の成長にどん欲だが、八回にも三塁内野安打で今季4度目のマルチ安打をマーク。打率・370と好調なバットで3番打者の役目を果たしている。まるでニンジャのように俊敏で正確な動きを披露したのは、得点を奪った直後の二回の守備だ。先頭のオスナが2ボールから大竹の直球を強振した。2試合連続被弾かと虎党から悲鳴があがったが、背番号7が左中間フェンス手前でジャンプしながら、左腕を目いっぱい伸ばしてキャッチ! 白球を収めたグラブを掲げて歓声を浴びた。打席に入る際の登場曲は、人気アニメ「NARUTO―ナルト―」の作品内で使用される「NARUTO Main Theme」。「佐藤(輝)が選んだよ」と明かしたノイジーは、雨が降るなか行われた7日の同戦でも、飛球を一時見失いながら、落下寸前に体を投げ出してギリギリでキャッチした。シュババッと落下点に入って披露する球際の強さでも、勝利に貢献した。岡田監督は「守備固めいかしたら、けっこう怒りよるねん。元気で九回までいける言うて。この間も広島(4日、マツダ)の時もな」と、助っ人の守備への熱い思いを明かした。ノイジーは「(甲子園は)風の向きは毎回気にしています。打球の正面でプレーできるように心掛けています」と隙のない心構えで白球を追う。9日も攻守でハッスルし、燕を倒して首位に立つ。(新里公章)

◆わがタイガースはヤクルト戦で緊張感たっぷりのしびれる試合展開が続く中、大阪・難波のサンスポ編集局でも緊張の面持ちでデスク席に座る男がいた。4月1日付でレース部から運動部に復帰した川端亮平だ。「レース部では1年半ほどデスクをやりましたが、競馬は前日から次の日のコンテがほぼ決まっているので、紙面の心配をすることはほとんどありませんでした。でも、スポーツの紙面は阪神の結果次第で大きく変わりますもんね。だから阪神の試合がどうなるか心配で、昨日はあまり寝られなかったですよ」川端はこの日がCDデビュー。CDといっても歌手デビューしたわけではない。チーフデスク(CD)、いわゆる当番デスクに初めて入った日だった。2005年の入社後は虎番も務めるなど野球担当記者として活躍していた川端だが、スコアブックをつけるのは12年ぶり。安打や四球などをわかりやすく色ごとに記入するため、4色ペンを購入してテレビの前でスタンバイしていたが、いざ試合が始まるとブランクに戸惑った。「守備妨害の記号なんて全然覚えていなかったですし、スコアブックをどうやって書いていたのか、手探り状態です」ちなみに四回裏に佐藤輝がとられた守備妨害はイリーガルプレーの略で「IP」と表記する。まあ、スコアブックの書き方なんて、誰かに見せるわけではないのだから、自分が分かれば何だっていいのではないかと思うが、慣れないことの連続だった。そんなピヨピヨCD川端を、初日ということで特別に運動部デスク歴5年の阿部祐亮が、まるで自動車教習所の教官のようにつきっきりサポートした。当番デスクはすべての野球を把握する必要があり、本当に忙しい。虎番との打ち合わせはもちろん、オリックス担当や広島担当からも電話がひっきりなしにかかってくる。東京サンスポの野球デスクとも連係をとり、それらの情報を集約し、紙面総括に報告。最終的に会議にはかり、紙面を決めていくという流れだが、阿部が丁寧に川端にアドバイスを送っていた。

◆恩師も祝福! 早大時代に監督として大竹を指導した高橋広氏(68)=現神戸医療未来大野球部監督=が、移籍後初白星を挙げた教え子に祝福メッセージを寄せた。早大野球部で学生コーチを務めていた4年時に、当時1年だった岡田彰布監督(65)を指導していた高橋氏は後輩2人のタテジマでの活躍を喜んだ。初勝利おめでとう! 大竹の勝利は知人からの連絡で知り、本人に祝福のメッセージを送ったらすぐに「岡田監督を胴上げします!」と返信が来ました。彼から連絡が来ることはめったにないのですが、現役ドラフトで阪神に移籍が決まったときは私に電話をかけてきて「ドラフトされて阪神に移籍します」と報告してくれましたね。大学時代からの彼の持ち味であるコントロールと緩急を、甲子園のマウンドで出せたのだと思います。当時を振り返ると、2年時はブルペンで彼の投球を後ろから見ていてもスピード以上に怖さを感じました。それが3年になると、プロを意識して球速アップを目指したのか、テークバックが大きくなってフォームのバランスが崩れたこともありました。本来であれば、右打者の外角高めにシュート回転する直球と、スローカーブで目線と角度を変えて打たせて取る投球ができる投手。3年時は三振を取りたいという気持ちもあったからか分かりませんが、クロスファイアを意識して右打者の内角低めに投げるあまり、うまくいかなかったこともあったと記憶しています。彼は球速は出ないけど、緩急とクレバーな投球で打ち取るタイプ。阪神でいえば、下柳さんや星野(伸之)さん(サンケイスポーツ専属評論家)のような投手を目指していってほしい。これから先発ローテを守るとなると、セ・リーグ5球団と2回り以上対戦することになる。プロの打者は何回か対戦するうちに目が慣れて対応してくるなかで、どう対応していけるかが大事になると思う。1軍で勝ち続けていくためにコントロールと緩急を追求して、これからも頑張ってほしいと思います。(神戸医療未来大野球部監督)

◆何や~! この大山の犠牲フライだけのセンブリ茶とドクダミ茶をブレンドしたような渋い渋いスミ1勝利は!? おまけに、最後のアウトはランナーを一塁において、高々と舞い上がったキャッチャーフライを坂本が一度ミットではじいて、それを空中でつかみ捕るって...。どんだけハラハラさせるんやー!!試合は終始冷や汗タラタラだったけど、その裏で『死んでたまるか!!』の人間ドラマを俺は見たのだ。虎の先発・大竹は現役ドラフトでソフトバンクからやってきた。KOでも食らって「チーム変わっても所詮そんなもんさ」と言われてたまるかの6回無失点!! しびれたぜー!! そして、リードした坂本の魂のリード。村上へのインコース攻めとか男やないかー!!さらに、ピーターズのコンディション不良で緊急先発したヤクルト・尾仲は昨年阪神から戦力外を告げられた投手なのだ。本日3回1失点の気迫のマウンドは「何で俺を出したんやー!」の姿に見えた。プロ野球ってやっぱ素敵じゃねーか!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
620 0.750
(↓0.107)
-
(-)
13518
(-)
7
(+1)
7
(-)
10
(-)
0.175
(↓0.006)
0.770
(↓0.04)
2
(-)
阪神
520 0.714
(↑0.047)
0.5
(↓1)
13625
(+1)
20
(-)
1
(-)
5
(-)
0.252
(↓0.008)
2.760
(↑0.47)
3
(1↑)
DeNA
340 0.429
(↑0.096)
2.5
(↑1)
13619
(+3)
28
(+1)
4
(+1)
0
(-)
0.229
(↑0.015)
3.680
(↑0.44)
3
(1↑)
広島
340 0.429
(↑0.096)
2.5
(↑1)
13619
(+6)
18
(+3)
5
(+1)
2
(-)
0.220
(↑0.007)
2.410
(↓0.11)
5
(2↓)
巨人
350 0.375
(↓0.054)
3
(-)
13522
(+3)
24
(+6)
5
(+1)
0
(-)
0.241
(↑0.005)
2.650
(↓0.4)
6
(2↓)
中日
250 0.286
(↓0.047)
3.5
(-)
13612
(+1)
18
(+3)
1
(+1)
1
(-)
0.230
(↓0.005)
2.550
(↓0.13)