ソフトバンク(★0対3☆)西武 =リーグ戦1回戦(2023.04.08)・ひなたサンマリンスタジアム宮崎=
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西武
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ソフトバンク
0000000000410
勝利投手:髙橋 光成(1勝0敗0S)
(セーブ:増田 達至(0勝0敗2S))
敗戦投手:大関 友久(1勝1敗0S)

本塁打
【西武】愛斗(2号・1回表ソロ)

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◆西武は初回、愛斗の先頭打者本塁打で先制する。1-0のまま迎えた9回表には、ペイトンの適時二塁打と柘植のスクイズで貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・高橋光成が8回無失点11奪三振の快投で今季初勝利。敗れたソフトバンクは、打線が終盤の好機を生かせなかった。

◆ソフトバンク-西武1回戦のスタメンが発表され、西武外崎修汰内野手(30)が外れた。家庭の事情のためで、明日9日のソフトバンク戦(鹿児島)も含め、欠場となる見込みだ。外崎に代わり、平沼翔太内野手(25)が二塁で出場する。

◆西武高橋光成投手(26)が自身初の1イニング4奪三振をマークした。2回、先頭のソフトバンク4番栗原を直球で見逃し三振に。5番牧原大をフォークで空振りさせるも、捕逸で振り逃げに。6番中村晃を直球で空振り三振にして2死。今宮に安打されたが、8番上林をフォークで空振り三振にした。パ・リーグでは史上12人目、13度目(ソフトバンク千賀が2度)。最近では、ロッテ佐々木朗希投手(21)が昨年7月1日楽天戦(ZOZOマリン)で、1イニング4奪三振を記録している。

◆西武愛斗外野手(26)が自身初の初回先頭打者本塁打を放った。1番右翼でスタメン出場した初回、ソフトバンク大関の2球目の144キロを振り抜くと、打球は風にも乗り、左翼席へ吸い込まれた。球団を通じ「先頭打者なので、チームに勢いがつく打席にしたく、何とか塁に出たいと思っていました」とコメント。勢いづく"愛斗1発!"になった。

◆ソフトバンク先発の大関友久投手(25)がプレーボール直後の1球を悔やんだ。初回先頭、愛斗へのカウント1-0からの2球目。外角寄りの直球を左翼への先制ソロにされた。「あの1点で負けてしまった。その1点が、相手投手とまだ差があったと感じた。先頭のホームランは流れ的にも苦しくなる」。2回以降は西武打線を散発4安打無失点に封じただけに、痛恨の1球になった。初の開幕投手を務めた3月31日のロッテ戦は7回2安打無失点で白星をつかんだ。連勝発進を目指して気合十分だったが、打線の援護なくいきなり浴びた先制パンチが最後まで響いた。「2回以降は自分らしく粘り強い投球ができた。次回の登板は違った姿を初回から見せていきたい。しっかり9回投げ切るようにしたい」。8回1/3、107球の奮投。次戦は白星で飾る。

◆西武高橋光成投手(26)には敵地がホームに見えた。ソフトバンクファンが緑のユニホームをまとう、ひなたサンマリンスタジアム宮崎。「僕の色でしたね。アウェーじゃない感じがしました、勝手に」。平常心の投球がより落ち着く。群馬・沼田市出身で緑が大好き。その色のグラブを豪快に振り、首位ソフトバンクから三振の山を築いた。振り逃げによる1イニング4奪三振を含む、自己最多タイ11奪三振で圧倒し、うれしい1勝目だ。3番柳田以外のスタメン全員を、空振り三振に。「真っすぐで押せている分、フォークが生きているイメージですかね」。この日の最速は152キロも、3月31日の開幕戦では自己最速156キロを投げた。「すごく手応えを感じているし、まだまだいけるという手応えです」と胸を張る。左足をがに股のように上げる。バレエの動きをとり入れた新フォームで球速、球威の増強に成功した。「あんな優雅じゃないです」と笑いながら、やってのけた仕事は華麗だ。投げるだけではなく、8回無死二塁のピンチでは犠打を軽やかに処理し三塁封殺。「キャンプの成果が出たかなと思います」。宮崎・南郷の花粉症対策でマスクをつけながら徹底した、守備練習の答えも出した。日南からは応援ツアーも訪れた。球場の9割がタカ党でも、多くの光成コールはうれしい。「今日は球場に来ていただいてありがとうございます。みんなで優勝しましょう!」。防球ネットにかじりつき、ヒーロー高橋の姿に興奮し拍手した少年たちは、ホークス応援の装い。エースの姿はかっこいい。【金子真仁】

◆西武柘植世那捕手(25)は潔かった。「あれはもう、僕のミスっす」2回1死、ソフトバンク5番牧原大をフォークで空振り三振にした...はずだった。しかし柘植がまさかの捕逸。奇しくも、その振り逃げがあったことで高橋光成投手(26)が1イニング4奪三振の珍記録を樹立。「柘植のおかげですね」と笑った。柘植のフォークのサインに対し、高橋はフォークを投げた。しかし。「ちょっとカット、フォースラっていうか。ちょっと、そこで捕れなかったです」。フォークがわずかに横の動きをしたことで、取り損ねたという。しかし、高橋の8回無失点投球をお膳立てしたのも柘植だ。「真っすぐがちょっと風の影響もあって、すごくいろんな動きをしてたので」。相手打者の特徴も踏まえながら、臨機応変に風の作用を使っていった。9回にはスクイズを成功させ、大きな3点目に貢献した。「もう、決めるしかないと。(サインが)出た瞬間、驚かずに。普通に」。僅差続きの日々に経験を重ね、古賀悠斗捕手(23)との正捕手争いのレベルもどんどん上がっていく。【金子真仁】

◆西武高橋光成投手(26)が首位ソフトバンク打線を8回無失点に封じ、今季1勝目を挙げた。1イニング4奪三振(振り逃げあり)を含む11奪三振の力投。キャンプ地の宮崎・南郷から応援ツアーも訪れる中、エースにふさわしい働きを見せた。前方の長髪大柄のシルエットが、なんとなく西武のエースに見えた。2月10日、南郷キャンプ初めての休日。こちらはルーキーのいちご狩り取材を終え、南郷へ戻る自動車の中。すれ違う。思わず独り言が出る。「あっ、やっぱり」。高橋は上り坂で自転車を必死にこいでいた。短髪の宮川哲投手(27)も一緒にこいでいた。宮崎県南部の海岸線を走る、国道220号線。海と橋がおりなす景観が美しい日南・大堂津でのこと。買い物にでも行くのだろうか。きついキャンプの休日に、なぜ苦笑いを? 2月は午後の早い段階で西日がまぶしくなり始める。2つの笑顔が照らされる。さながら青春ロードムービーのようなシーンだった。翌日、キャンプ地で投げ終えた宮川に尋ねた。「鵜戸神宮に行ったんです。自分、神社参拝とかたまに行くんで。それで、コウナ(光成)と一緒に行こうかって話をして、自転車で行こうってなって」南郷にあるチーム宿舎から、県を代表する観光地、鵜戸神宮を目指して電動自転車で出発した。しかし。「2人ともなめてたんすよ。行ったら、片道で2時間くらいかかって。きつかったっすね。風が強くて進まなくて」南郷と鵜戸神宮は同じ日南市内にあるものの、約22キロある。小刻みながらアップダウンが何度もあり、電動とはいえ、それなりに体力を削られる。道中、宮川は旅のBGMとして鳥羽一郎「兄弟船」などのラインアップを口ずさんだ。昨年、ブルペン待機中にボー・タカハシ投手(26)に伝授した十八番。もう1人の"タカハシ"にも聞かせると「なんで?」と笑われたという。高橋は「人と違うものを使いたい」と、グラブにしても緑色を選ぶ。開幕投手も固定概念を脱し、中4日で臨んだ。トライ&トライ。岩のてっぺんに巻かれた縄に玉を投げ込む鵜戸神宮名物「運玉」も2個入れるなど、決める時は決める。前向きな好奇心と発想で、山あり谷ありのシーズンを走りきる。なおこの日、2軍調整中の宮川もイースタン・リーグの日本ハム戦(鎌ケ谷)に先発し、4回7奪三振の力投で1軍昇格をアピールした。さすがの兄弟船だ。【金子真仁】

◆首位ソフトバンクが今季初の完封負けで2連敗を喫し、九州6地区を巡る「ファイト! 九州デー」の第1弾は黒星スタートとなった。19年5月から21年9月まで9連敗を喫した西武先発高橋の前に打線が沈黙。かつての天敵に8回を3安打に抑え込まれた藤本博史監督(59)は「最高のピッチングをされた」と脱帽し「完全に高橋君にやられたので、次はやり返しましょう」と前を向いた。150キロを超える直球に加え、カットボールとフォークに手を焼いた、2回は牧原大が振り逃げで出塁したが、栗原見逃し、中村晃空振り、上林空振りで1イニング4三振。18年7月8日にオリックス・ディクソンに喫して以来、チーム5年ぶりの屈辱も味わった。計11三振を喫し、打線が完全に分断された。「ああいうところはしっかりしないといけないよね」と、指揮官が嘆いたのは8回の攻撃だ。1点を追う展開で先頭上林が二塁打。打球が一塁ベースを直撃し、ラッキーな形でのチャンスメークだった。だが、続く甲斐が送りバントを失敗。上林は三塁で憤死し、好機がしぼんだ。藤本監督は「しっかりやらないと得点にならないからね。だれしも失敗はするけど、これから失敗がないようにね」とカツを入れた。キャンプ地宮崎での試合は21年に続き2連敗。9日は「「ファイト! 九州デー」第2弾の鹿児島開催。エンスを打って、しっかり借りを返したい。【只松憲】ソフトバンク先発の大関がプレーボール直後の1球を悔やんだ。初回先頭、愛斗へのカウント1-0からの2球目。外角寄りの直球を左翼への先制ソロにされた。「あの1点で負けてしまった。その1点が、相手投手とまだ差があったと感じた。先頭のホームランは流れ的にも苦しくなる」。2回以降は西武打線を散発4安打無失点に封じただけに、痛恨の1球になった。初の開幕投手を務めた3月31日のロッテ戦は7回2安打無失点で白星をつかんだ。連勝発進を目指して気合十分だったが、打線の援護なくいきなり浴びた先制パンチが最後まで響いた。「2回以降は自分らしく粘り強い投球ができた。次回の登板は違った姿を初回から見せていきたい。しっかり9回投げ切るようにしたい」。8回1/3、107球の奮投。次戦は白星で飾る。ソフトバンクの1イニング4三振 18年7月8日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で8回にディクソンに喫して以来5年ぶり。この時は全員空振り三振で、松田宣浩(現巨人)、西田哲朗(現球団広報)、牧原大成(振り逃げ)、長谷川勇也(現1軍打撃コーチ)が苦渋をなめた。ソフトバンク23年の「ファイト! 九州デー」・4月8日=宮崎(西武戦)・4月9日=鹿児島(西武戦)・4月25日=北九州(楽天戦)・5月9日=熊本(日本ハム戦)・6月25日=福岡(オリックス戦)・8月29日=長崎(オリックス戦)

◆西武の高橋は8回3安打無失点で今季初勝利。速球と切れのある変化球で11奪三振と好投した。増田が2セーブ目。愛斗が一回、先頭打者本塁打を放ち2号。ソフトバンクの大関は九回途中1失点だったが打線の援護がなかった。

◆ソフトバンクは相手先発の高橋にひねられ今季初の零敗を喫した。150キロ台の速球とフォークボールに手を焼き、11三振。2連敗となり藤本監督は「最高の投球をされた。完全にやられた」とお手上げだった。痛いミスも出た。0―1の八回、先頭の上林の打球が、一塁ベースに当たって幸運な二塁打に。だが、続く甲斐のバントは投前へ転がり上林が三塁でタッチアウト。反撃ムードはしぼみ、周東、近藤も力なく倒れた。監督は「誰しも失敗はする。これからはないようにね」と切り替えを強調した。

◆西武の愛斗がプロ8年目で初となる初回先頭打者アーチを放った。大関の1ボールからの速球を左翼席に運び、先制点をもたらし「強くしっかり打てて本塁打にすることができた。勝てたので良かった」と喜んだ。4試合連続で1番を務めている。「どこ(の打順)にいてもやることは変わらない」と持ち味の積極性を貫き、打線を引っ張っている。松井監督は「先頭で愛斗のホームランもあるというのは、チームにとっても非常に大きい」と手応えを語った。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
520 0.714
(↓0.119)
-
(-)
13629
(-)
14
(+3)
4
(-)
4
(+1)
0.254
(↓0.02)
1.740
(↑0.13)
2
(1↑)
西武
430 0.571
(↑0.071)
1
(↑1)
13617
(+3)
15
(-)
4
(+1)
3
(-)
0.222
(↓0.004)
1.710
(↑0.29)
2
(1↑)
ロッテ
430 0.571
(↑0.071)
1
(↑1)
13622
(+5)
26
(+4)
3
(+2)
3
(-)
0.251
(↑0.012)
3.750
(↓0.04)
4
(2↓)
ORIX
440 0.500
(↓0.071)
1.5
(-)
13527
(+2)
29
(+6)
6
(-)
2
(-)
0.272
(↓0.006)
3.630
(↓0.34)
5
(2↓)
楽天
340 0.429
(↓0.071)
2
(-)
13614
(+4)
17
(+5)
5
(+2)
6
(+1)
0.191
(↑0.005)
2.470
(↓0.47)
6
(-)
日本ハム
260 0.250
(↑0.107)
3.5
(↑1)
13520
(+6)
28
(+2)
1
(-)
7
(+2)
0.179
(↑0.018)
3.130
(↑0.17)