1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 11 | 1 | 0 |
広島 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | X | 4 | 9 | 1 | 1 |
勝利投手:大瀬良 大地(1勝1敗0S) (セーブ:栗林 良吏(0勝1敗1S)) 敗戦投手:ビーディ(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆広島は1点を追う3回裏、西川の適時打とデビッドソンの犠飛で2点を挙げ、逆転に成功する。そのまま迎えた6回には、代打・堂林のソロで貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・大瀬良が6回2失点の好投で今季初勝利。敗れた巨人は、打線が相手を上回る11安打を放つも、つながりを欠いた。
◆広島大瀬良大地が巨人戦先発。このカードは通算12勝8敗を残しているが、球場別の成績を出すとマツダスタジアム9勝0敗、東京ドーム2勝7敗、京セラドーム1勝0敗、上毛敷島0勝1敗。プロ入りから無敗の本拠地巨人戦で今季初勝利を目指す。
◆巨人は打順を一新したスタメンで挑む。1、2番には3年目の中山礼都内野手(20)とDeNA3連戦で覚醒したルイス・ブリンソン外野手(28)の2人を並べた。開幕から2番だった吉川は8番に回った。開幕から19打席無安打の坂本勇人内野手(34)はベンチスタートで、遊撃には中山が入った。2試合連続完封負けから打線のてこ入れを図った。
◆プロ入り後初めて1番でスタメン出場の巨人中山礼都内野手(20)が有言実行の一打を放った。1回先頭、広島大瀬良の2球目フォークを捉えた。中前にはじき返し、打線の先陣を切った。試合前には円陣の声出し役を担当。「今日絶対勝ちましょう! 僕が勢いつけるので、その後に続いていただければありがたいです。絶対勝ちましょう! さあいこう!」と快音を宣言。1打席目から言葉通りに今季初安打を放って見せた。力強い円陣にベテランの松田も感心。「いいねいいねいいね! 味がある! やっぱり、きっしゃんと違う! 岸田と違う!」と声を張り上げ、"円陣番長"と呼ばれる岸田をイジりつつ、20歳の若武者をたたえた。
◆巨人の内野守備走塁コーチだった木村拓也さん(享年37)がくも膜下出血で亡くなってから7日で、13年が経過した。広島遠征のタイミングと命日がたまたま重なったこの日、巨人スタッフがチームを代表して広島市内の墓前を訪れた。巨人公式ツイッターでも「一生懸命」と掘られた墓石の写真とともに「ここ広島の地で木村さんがかつて所属した読売ジャイアンツと広島東洋カープ両チームの健闘を祈ります。#一生懸命 #永遠のヒーロー」などと投稿した。ファンもこのツイートに反応。「天国から両チームの試合を楽しんでいただきたい」「キャッチャーをした試合が忘れられません」「一生忘れない日」「今でも大好きです」「ご冥福をお祈りします」などのツイートが見られた。
◆巨人タイラー・ビーディ投手(29=パイレーツ)が、自身を援護する2点適時打で逆転に成功した。2度目の先発登板で、初回に1点を失った直後、2回の攻撃。1死二、三塁で打順が回ってきたビーディは、静かに打席に入った。初球、広島大瀬良のスライダーにバットを合わせ、左前へ2点タイムリー。外角への変化球に見事に対応した。記念のボールは巨人ベンチまで送られ、熱男こと松田宣浩内野手が確保。打ったビーディに代わって、天に向かって高々とボールを突き上げた。ビーディは前回登板で、巨人では史上初となる新外国人選手として開幕投手を託された。6回5安打2失点で白星を逃し「この間のドーム開幕戦は雰囲気が独特で緊張したけど、そういうときはしっかり呼吸していることを自分で確認して、そういう雰囲気すらまた投げられることを楽しみにしている」と臨んでいた。自らのバットで逆転した後の2回には、3者凡退で切り抜け1点リードを守った。
◆ツイッターで「ジエンゴ」がトレンド入りした。巨人タイラー・ビーディ投手(29)が2回1死二、三塁から一時逆転となる2点適時打を放った。2試合連続完封負けだったチームに得点をもたらした。自らを援護(ジエンゴ)する貴重な1打。SNSでは「久々の得点がビーディのジエンゴで草」「ビーディさんジエンゴ覚えるの早すぎでは」「ジエンゴできる投手は貴重やで」「羨ましいな投手自らジエンゴできて」などの投稿が相次いだ。
◆巨人長野久義外野手(38)が"マツダ凱旋(がいせん)打"をマークした。7回1死一、二塁で代打として登場。昨季まで所属した広島ファンからも歓声を浴びた。ターリーの153キロ直球をしぶとく右前に運んだ。今季から巨人に5年ぶりに復帰。移籍後、マツダスタジアムでは初打席で、しっかりチャンスを拡大させた。4年間を過ごした古巣との試合で、頼れるベテランが仕事を果たした。
◆巨人坂本勇人内野手(34)は今季初の四球を選んだ。20打席で初の出塁でもあった。9回先頭で代打で登場。広島栗林からファウルで粘って、一塁に歩いた。これまで開幕から19打席連続無安打。今季初安打こそお預けとなったが、チャンスを演出した。
◆巨人が3連敗を喫し、借金1となった。初回に失策も絡み、先制点を献上。1度は逆転したが、3回に試合をひっくり返された。6回に広島堂林にソロを浴び、2点差に広げられた。前日まで2試合連続完封負けだった打線を組み替えて挑んだ。3年目の中山礼都内野手(20)をプロ入り後初めて1番で起用し、2番には開幕から下位打線を務めることが多かったルイス・ブリンソン外野手(28)を配置した。しかし、2点止まり。先発のタイラー・ビーディ投手(29)が2回1死二、三塁から放った、一時逆転となる2点適時打だけだった。中盤以降、チャンスを作ったが、あと1本が出なかった。これまで19打席連続無安打だった坂本勇人内野手(34)は9回先頭に代打で登場し、四球を選んだ。20打席目で今季初四球で、初出塁でもあった。苦しむ坂本がチャンスを演出したが、勝利には結び付かなかった。
◆まさかここで!? 「BSフジ」が広島巨人1回戦を中継。勝負を大きく分けたタイミングで、メインチャンネル(181チャンネル)からサブチャンネル(182チャンネル)に移行した。巨人が2点を追う7回1死満塁。オコエが快音を残した。歓声が響き、これは同点適時打か...。その瞬間。メインチャンネルは放送終了となり、CMに突入した。サブチャンネルは画面が黒くなった。再び映像が映し出された時には、二塁にボールが送られ、遊直で飛び出した走者もアウト。併殺になっていた。見事に、ちょうどチャンネル移行のタイミングが重なった。遊撃田中広がオコエのライナーを捕球する瞬間だけが、ピンポイントでライブで放送されないという状況に。もともとメインチャンネルの放送は画面上に20時55分までと記されていたが、オコエが打った瞬間に、その時を迎えてしまった。SNSでは「182チャンネルに切り替わる瞬間にショートライナーゲッツーとか」「BSフジ、えぐいタイミングでサブチャンネルに移行して爆笑した」「最悪なタイミングで182へチャンネル切り替えでコマーシャル入り」「BSフジさん、併殺が完成する直前にチャンネルを切り替え巨人ファンに配慮する」などの投稿が見られた。
◆広島が、新井イズムが体に染み込む大瀬良大地投手(31)と堂林翔太内野手(31)の活躍で、巨人との接戦をものにした。前日6日の雨天コールドによる12球団最遅の今季初勝利から、この日は投打がかみ合って逃げ切った。開幕4連敗の悪い流れを完全に吹き飛ばす1勝で、連勝街道を描いていく。総立ちの広島ベンチで、新井監督が誰よりも派手に喜びを爆発させた。1点リードの6回2死、代打に送ったのは開幕6戦目にして初出場の堂林。カウント1-1から巨人大江のスライダーを振り抜いた。打球は指揮官の叫び声に押されるように、左翼席に吸い込まれた。新井監督 オープン戦のときから打席の内容は良かった。今季初打席、貴重な追加点となるホームラン。彼にも言いました、"格好いいじゃん"と。堂林は新井監督が現役だった16年オフに弟子入りし、17年1月には護摩行に同行した。現役引退後も電話や球場を訪れた際に助言をもらい、昨季は代打率3割3厘を残した。再び共闘することとなった今季、「7番右翼」で先発予定だった5日阪神戦は雨天中止で流れた。前日6日の同戦も出番なし。「いつもは雨がうれしいんですけど、一昨日の雨は悔しかった。何とか仕事ができて良かった」。ようやく巡ってきた今季初打席。2球目を空振りしたことで「力が抜けて、ベストスイングできた」と、新井監督仕込みの打撃で放物線を描いた。先発大瀬良も、新井監督と現役時代ともにプレー。グラウンドだけでなく、食事にも何度も行き、野球人としてだけでなく、人としての助言も受けてきた。「人間の本質はしんどいときに姿として出る」。コンディション不良を隠しながらの登板を続けた昨季終盤、その言葉を胸にマウンド外でも凜(りん)とし続けた。この日も1度は逆転を許し、6回まで毎回走者を背負いながらも粘り強く投げ切った。新井監督も「本当に粘り強く投げてくれた。勝負どころで気迫が出ていた。うちのエースですからね」とたたえた。先制した1回に、再逆転した3回は打線のつながりで得点した。開幕4連敗から連勝。新井イズムはチーム全体に浸透しつつある。【前原淳】
◆広島は投打がかみ合い、接戦をものにした。1回に先制しながら2回に逆転を許すと、3回は1、2番の連打から西川の同点打、デビッドソンの犠飛で勝ち越し。6回は2死から代打出場の堂林が1号ソロを放ち、リードを広げた。6回2失点の大瀬良が今季初勝利を挙げ、9回を締めた栗林が今季初セーブを挙げた。広島新井貴浩監督(46)の試合後談話は以下の通り。-先発大瀬良が6回まで粘った新井監督 大地が粘り強く投げてくれた。最後(6回2死二、三塁)のブリンソンのところはしびれましたね。-2番の野間選手が足を生かして攻撃を活性化新井監督 彼を2番に置いているのは、彼の足を使いたいというのもある。打撃の方も何か事を起こしてくれる、しつこい打撃をしてくれると期待しての起用ですから、良かった。-堂林選手は今季初打席で代打弾新井監督 格好いいですね。オープン戦のときから打席の内容は良かったんですよね。四球もしっかり取れていた。少ない打席だったので率は残っていなかったですけど、しっかりととらえた打球が正面にいったりと。今シーズンの初打席は貴重な追加点ホームランですよね。彼に言いました。かっこいいじゃん、と。-打線がかみ合い始めた新井監督 まだ5試合。彼らの本来の力はまだまだこんなものじゃない。-栗林投手は無失点に抑えてセーブを記録新井監督 彼もホッとしたんじゃないですか。うちのクローザーですから、信頼しています。今日抑えて今シーズン初セーブがついたことで、彼自身ホッとしたところもあると思います。
◆巨人岡本和真内野手(26)が打率4割2分3厘となり、セ・リーグのトップに浮上した。この日は4打数3安打。5回に右前打を放つと、7回と9回には左前打で続いた。今季2度目の猛打賞となった。20年、21年には2年連続で本塁打、打点の2冠を獲得した新キャプテン。まだ本塁打、打点は0だが、開幕7試合目で安打数11もリーグトップ。試合前まで3割6分4厘だった打率を、さらに上昇させた。
◆巨人は元コーチの木村拓也さんの命日に白星を届けられなかった。追う展開で6回は1死二、三塁、7回は1死満塁の好機をつくりながら、得点を奪えず3連敗を喫した。10年4月7日に亡くなった木村さんに、原辰徳監督は思いをはせて臨んだ一戦。打線組み替えを敢行も、13残塁とチャンスをものにできず、原監督は「ちょこちょこ出てはいるんですけどね」と消化不良に終わり借金1となった。巨人ビーディ(5回5安打3失点で、2回には来日初安打となる2点適時打で自らを援護も来日初勝利ならず)「良いコンタクトとアジャストされてしまい、自分のリズムに持ってくることが難しかった」
◆3年目の巨人中山礼都がプロ初の1番で存在感を示した。1回先頭、広島大瀬良のフォークを捉えて中前打。4回2死でも左前打でマルチ安打とした。試合前の円陣では「僕が勢いつけるので、続いていただければ」と宣言しており、有言実行の一打で坂本に代わっての遊撃の役割をこなした。一方、1点を追う6回1死二、三塁では遊飛に倒れ「次は違う打席の入り方をできれば」と前を向いた。
◆広島が、新井イズムが体に染み込む大瀬良大地投手(31)と堂林翔太内野手(31)の活躍で、巨人との接戦をものにした。前日6日の雨天コールドによる12球団最遅の今季初勝利から、この日は投打がかみ合って逃げ切った。開幕4連敗の悪い流れを完全に吹き飛ばす1勝で、連勝街道を描いていく。総立ちの広島ベンチで、新井貴浩監督が誰よりも派手に喜びを爆発させた。1点リードの6回2死、代打に送ったのは開幕6戦目にして初出場の堂林。カウント1-1から巨人大江のスライダーを振り抜いた。打球は指揮官の叫び声に押されるように、左翼席に吸い込まれた。新井監督 オープン戦のときから打席の内容は良かった。今季初打席、貴重な追加点となるホームラン。彼にも言いました、"格好いいじゃん"と。堂林は新井監督が現役だった16年オフに弟子入りし、17年1月には護摩行に同行した。現役引退後も電話や球場を訪れた際に助言をもらい、昨季は代打率3割3厘を残した。再び共闘することとなった今季、「7番右翼」で先発予定だった5日阪神戦は雨天中止で流れた。前日6日の同戦も出番なし。「いつもは雨がうれしいんですけど、一昨日の雨は悔しかった。何とか仕事ができて良かった」。ようやく巡ってきた今季初打席。2球目を空振りしたことで「力が抜けて、ベストスイングができた」と、新井監督仕込みの打撃で放物線を描いた。先発大瀬良も、新井監督と現役時代ともにプレー。グラウンドだけでなく、食事にも何度も行き、野球人としてだけでなく、人としての助言も受けてきた。「人間の本質はしんどいときに姿として出る」。コンディション不良を隠しながらの登板を続けた昨季終盤、その言葉を胸にマウンド外でも凜(りん)とし続けた。この日も1度は逆転を許し、6回まで毎回走者を背負いながらも粘り強く投げ切った。新井監督も「本当に粘り強く投げてくれた。勝負どころで気迫が出ていた。うちのエースですからね」とたたえた。先制した1回に、再逆転した3回は打線のつながりで得点した。開幕4連敗から連勝。新井イズムはチーム全体に浸透しつつある。【前原淳】広島大瀬良(6回2失点で今季初勝利)「1つ1つの球は悪くはなかったと思いますけど、決めにいく球が一番甘くなってしまった。そこは反省かなと思います」広島栗林(中田翔、長野を抑えてピンチを切り抜け、今季初セーブに)「1年目ぐらいの緊張感とアドレナリンも出たし、本当に抑えられて良かった」
◆広島栗林が今季初セーブを挙げた。2点リードの9回。先頭の代打坂本を四球で歩かせるも「引きずることなくいけた」。続く丸を空振り三振。岡本和に安打を許しても動じない。中田翔を一邪飛、長野を空振り三振で締めた。「1年目ぐらいの緊張感とアドレナリンも出たし、本当に抑えられて良かった」。失点して敗戦投手となった前回登板から修正し、チームを勝利に導いた。
◆巨人公式ツイッターは、2010年4月7日にくも膜下出血で急逝したOBの木村拓也さん(享年37、当時内野守備走塁コーチ)の命日にあたるこの日、木村さんの墓前に供えられた花などの写真を投稿。「本日は故・木村拓也さんの命日です。ここ広島の地で、木村さんがかつて所属した読売ジャイアンツと広島東洋カープ 両チームの健闘を祈ります」と木村さんをしのんだ。木村さんは09年に現役を引退し、内野守備走塁コーチ就任1年目の10年4月2日の広島戦(マツダ)での試合前のノック中に倒れ、亡くなった。
◆巨人は中山礼都内野手(20)が「1番・遊撃」で今季初めて先発起用された。開幕2カードで21打数9安打の打率・429、1本塁打、6打点と好調のルイス・ブリンソン外野手(28)=前ジャイアンツ=が、前戦の6番から2番に昇格した。
◆巨人のタイラー・ビーディ投手(29)=前パイレーツ=が自ら逆転打を放った。開幕投手も務めた新助っ人は、一回に味方の失策も絡んで1失点。直後の二回の攻撃では1死二、三塁の好機で打席へ。広島のエース、大瀬良の初球のスライダーを捉え、遊撃手の頭上を通過する痛烈なライナーを左前へ運び、逆転の2点打となった。ビーディは一塁上で力強くガッツポーズを決めた。DeNAに2戦連続零封負けを喫していたチームにとって、これが実に3試合ぶりの得点だった。
◆広島・新井貴浩監督(46)が初めてリクエストに成功した。0─0の一回無死一塁で野間の一ゴロが併殺と判定されたものの、リプレー検証の結果、覆った。3月31日のヤクルトとの開幕戦(神宮)と4月4日の阪神戦(マツダ)で1度ずつリクエストを試みたが、いずれも失敗に終わった。3度目の正直で初めて成功した新井監督はベンチで控えめに両手をたたき喜びを表現した。
◆12日に21歳となる巨人の中山が今季初先発に発奮した。1番打者として一回は大瀬良の変化球にきっちりバットを合わせて中前へ。四回は左前へ流し打った。試合前には円陣で声出し役を務めて「きょうは僕が勢いをつける」と宣言した様子が球団公式ツイッターで紹介された中、有言実行の活躍となった。遊撃を長年守る坂本の後継者と期待され、愛知・中京大中京高出3年目の今季は定位置奪取を目指す。その坂本が開幕から不調で今季2度目のベンチスタート。5日のDeNA戦では遊撃にドラフト4位ルーキー門脇が起用されていたが、ようやく訪れた出番で存在をアピールした。
◆花冷えのマツダスタジアムで特別な一戦が行われた。この日は巨人や広島などでプレーした木村拓也氏の命日。原監督は「十四回忌? 早いな。キャッチャーをやってくれてね」と記憶の糸をたどった。木村氏は巨人の内野守備走塁コーチを務めた2010年、マツダスタジアムでの広島戦前の練習中にくも膜下出血で倒れ、37歳の若さで急逝した。現役時代は投手を除く全ポジションを守ったバイプレーヤー。当時もチームを率いた指揮官は「ファイター」と評する。語り草となっているのは、巨人の選手だった09年9月4日のヤクルト戦。当時第3捕手だった加藤健(現2軍バッテリーコーチ)が負傷し、急きょマスクをかぶったのが内野手登録だった木村氏だった。この日は球団関係者がチームを代表し、広島市内にある木村氏の墓地を訪れた。墓石に刻まれているのは、故人の座右の銘「一生懸命」。阿部ヘッド兼バッテリーコーチや長野、坂本らともにプレーした面々はその遺志を継ぐ。必勝を期したナインは0―1の二回1死から3連打を放ち、20イニングぶりの得点を挙げた。投手のビーディが逆転の2点適時打を放った。投げては5回3失点とまとめたが...。「1番・遊撃」で今季初先発した20歳の中山ら次世代を担う若手も奮闘を続ける。それぞれの雄姿は天国に届いているはずだ。
◆来日初勝利を目指した巨人のタイラー・ビーディ投手(29)は、粘投したものの敗戦投手となった。5回101球を投げて5安打3失点(自責点2)。「調子は悪くなかった。勝てなかったのは残念」と唇をかんだ。二回に逆転の左前2点打を自ら放ったが、三回に先頭から連打を許すなどして試合をひっくり返された。「相手にアジャストされてしまい、自分のリズムに持ってくることが難しかった」と振り返った。原監督は「少し大胆さも入れる必要があるかな。でも、粘り強い投手という印象ですね」と評価した。
◆愛知・中京大中京高から入団して3年目の中山礼都内野手(20)が「1番・遊撃」で今季初先発し、2安打を放った。「緊張はもちろんあったけど、よし、やってやるぞ...という気持ちだった」と汗を拭った。不振の坂本に代わって出場した左打者は一回先頭で中前打を放つと、四回には追い込まれてから外角のカットボールを逆らわずに左前へ。亀井打撃コーチは「去年より明らかに力がついた。速い球にも今は対応できる」と評価した。遊撃を本職としながらオープン戦では二塁や三塁に加え、不慣れな一塁も守った。「ずっとショートをやってきた。そこにこだわってやっていきたい」と言葉に力を込めた。
◆広島の栗林が今季初セーブを挙げた。4―2の九回、先頭への四球から1死一、二塁を招いても中田翔を一邪飛、長野を空振り三振とした。4日の阪神戦で九回に勝ち越されて黒星を喫した雪辱も果たし「大瀬良さん、リリーフ陣がいい投球をしていたので、登板前から久しぶりに緊張していた。1年目ぐらいのアドレナリンも出た」と充実した表情だった。腰の張りでワールド・ベースボール・クラシックでは登板機会がなく日本代表を離脱。本調子ではない中でも3年連続30セーブに向けた第一歩を踏み出した。
◆広島は2連勝を飾り4位タイに浮上した。1点を追う三回に西川の適時打とデビッドソンの犠飛で逆転し、六回には堂林のソロで突き放した。試合後の新井貴浩監督(46)のインタビューは次の通り。──大瀬良が6回7安打2失点で今季初勝利「粘り強く投げてくれた。最後(六回2死二、三塁)のブリンソン(を空振り三振)のところはしびれました」──打線は1点を追う三回に西川とデビッドソンが打点を挙げ逆転「マット(デビッドソン)もリョーマ(西川)も試合をこなして段々と対応している。リョーマにしても、微調整しながら彼本来の打席も増えている」──野間は一回の併殺崩れなど足が生きた「彼を2番に置いているのは足を使いたいというのもある。バッティングの方もしつこいバッティングをしてくれる。何か事を起こしてくれると期待しての起用ですからよかった」──1点リードの六回に代打として今季初打席に立った堂林が1号ソロで加点「かっこいいですね。オープン戦のときから打席の内容はよかったんです。フォアボールもしっかりとれていた。少ない打席だったので率は残っていなかったですけど、しっかりととらえた打球が正面にいったり、私は彼のバッティングの状態と内容はよかったと思っていました。今シーズンの初打席は貴重な追加点ホームランですよね。彼にいいました。かっこいいじゃん、と」──ファンへ「きょうもたくさんのファンの方にたくさんの声援をいただいて、選手は力をもらったと思います。また明日もよろしくお願いします」
◆ヒーローは現れなかった。巨人は13残塁の拙攻が響いて3連敗。相手を上回る11安打を放ったがつながりを欠き、原辰徳監督(64)は「ちょこちょこ(安打は)出てはいますけどね。やっぱり中心選手がいかないとね」と言葉少なだった。DeNAに2戦連続零敗を喫した得点力不足は続いた。0―1の二回、先発投手のビーディが2点打を放ち、一時逆転。20イニングぶりに得点したが、終わってみればそれが全得点に。全2打点を挙げたのが投手という結果に、指揮官は「ビーディがいいところで打ったね」と力なく笑うしかなかった。開幕19打席無安打の坂本は今季2度目のスタメン落ち。代わって「1番・遊撃」で起用された中山は2安打で応えたものの、1点を追う六回1死二、三塁では遊飛に倒れた。停滞ムードを一掃するラッキーボーイとはなれなかった。この日は巨人や広島でプレーした木村拓也氏の命日。同氏は内野守備走塁コーチを務めた2010年、マツダスタジアムでの広島戦前の練習中にくも膜下出血で倒れ、37歳の若さで亡くなった。試合前には球団関係者がチームを代表し、広島市内にある木村氏の墓前に手を合わせただけに、勝利を飾りたい日だった。原監督が「ファイター」と称した同氏のような勝利への執念が、今のチームには必要だ。(谷川直之)
◆新井監督が初めてリクエストに成功し控えめに喜んだ。「一生懸命選手が走っていた。うれしい」。0─0の一回無死一塁で野間が一ゴロ併殺とされた場面だった。リプレー検証を求めた結果、打者走者はセーフという判定に覆った。3月31日のヤクルトとの開幕戦(神宮)と、4月4日の阪神戦(マツダ)で1度ずつリクエストを試みたがいずれも失敗に終わり〝3度目の正直〟となった。
◆マウンドで雄たけびを上げ、力強く右こぶしを握った。3─2の六回2死二、三塁。広島・大瀬良がフルカウントからブリンソンをスライダーで空振り三振に仕留め、無失点に切り抜けた。「ピンチの時に『頑張れ』の声が届いた。ああいう場面は逃げがち、弱気になりがちになるが、腹をくくっていけた」大瀬良は二回に投手のビーディに2点打を浴びて一時は逆転を許したものの、6回110球を7安打2失点7奪三振と粘りに粘った。エースの闘志は、すぐに打線にも乗り移る。六回2死走者なしで大瀬良の代打として打席に立った堂林が、2番手・大江から左翼へ特大の1号ソロ。待望の追加点が入った。中継ぎ陣がリードを守り、新井政権では初の連勝。大瀬良はマツダスタジアムの巨人戦は2014年のデビューから負けなしの10連勝となった。〝マツダGキラー〟を、新井監督は「勝負どころで気迫が出ていた。彼はうちのエース」と絶賛した。大瀬良にとって待望の本拠地登板だった。新型コロナウイルス禍の3年間はモチベーションを上げるため、テレビやインターネットで満員のマツダスタジアムのマウンドに立つ自身の映像を何度も眺めた。「あの声援の中で投げるのはアドバンテージになる」と常々感謝を語り、この日勝利で恩返しした。「ファンの声援が背中を後押ししてくれた。ありがとうございます」お立ち台で直接、真っ赤なスタンドに感謝を伝えた律義な右腕。チームは開幕4連敗から2連勝と息を吹き返し、4位タイに浮上。「緒方-佐々岡-新井」の3政権に渡ってエースと務める男が、先頭に立って新生カープを引っ張っていく。(柏村翔)
◆広島の守護神・栗林が4─2の九回に登板し、1回無失点に抑え今季初セーブを挙げた。「1年目ぐらいの緊張感とアドレナリンが出た。本当に抑えられてよかった」。先頭打者への四球から招いた2死一、二塁のピンチでは、昨季までのチームメート長野と対戦しフォークで空振り三振。黒星を喫した4日の阪神戦の嫌な流れを断ち切った。
<セ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ヤクルト |
6 | 1 | 0 | 0.857 (↑0.024) | - (-) |
136 | 18 (+3) | 6 (+1) | 7 (+2) | 10 (+1) |
0.181 (-) | 0.730 (↓0.05) |
2 (-) |
阪神 |
4 | 2 | 0 | 0.667 (↓0.133) | 1.5 (↓1) |
137 | 24 (+1) | 20 (+3) | 1 (-) | 5 (-) |
0.260 (↓0.031) | 3.230 (↑0.04) |
3 (-) |
巨人 |
3 | 4 | 0 | 0.429 (↓0.071) | 3 (↓1) |
136 | 19 (+2) | 18 (+4) | 4 (-) | 0 (-) |
0.236 (↑0.013) | 2.250 (↓0.17) |
4 (-) |
DeNA |
2 | 4 | 0 | 0.333 (-) | 3.5 (↓0.5) |
137 | 16 (-) | 27 (-) | 3 (-) | 0 (-) |
0.214 (-) | 4.120 (-) |
4 (2↑) |
広島 |
2 | 4 | 0 | 0.333 (↑0.133) | 3.5 (-) |
137 | 13 (+4) | 15 (+2) | 4 (+1) | 2 (-) |
0.213 (↑0.014) | 2.300 (↑0.07) |
4 (-) |
中日 |
2 | 4 | 0 | 0.333 (-) | 3.5 (↓0.5) |
137 | 11 (-) | 15 (-) | 0 (-) | 1 (-) |
0.235 (-) | 2.420 (-) |
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