広島(★4対5☆)阪神 =リーグ戦1回戦(2023.04.04)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
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広島
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勝利投手:浜地 真澄(1勝0敗0S)
(セーブ:湯浅 京己(0勝0敗2S))
敗戦投手:栗林 良吏(0勝1敗0S)

本塁打
【広島】坂倉 将吾(1号・7回裏2ラン)

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◆阪神は1-1で迎えた4回表、森下の適時二塁打で勝ち越しに成功する。その後同点とされるも、9回に大山の適時二塁打で決勝点を奪った。投げては、先発・西勇が7回途中3失点。3番手・浜地が今季初勝利を挙げた。敗れた広島は、終盤に追いつく粘りを見せるも及ばなかった。

◆阪神大山悠輔内野手(28)、安藤優也投手コーチ(45)、久保田智之投手コーチ(42)が、練習前に広島新井貴浩監督(46)にあいさつした。大山は相手指揮官とがっちりと握手。わずかな時間だったが談笑した。安藤、久保田両コーチは、現役時代、新井監督とはチームメートだった。この日は新生岡田阪神、新生新井広島の初対戦。08年に監督と選手同士だった2人が監督として激突する。

◆試合前にWBC優勝記念セレモニーが行われ、阪神湯浅京己投手(23)、中野拓夢内野手(26)とともに、広島栗林良吏投手(26)に花束が贈呈された。さらにサプライズで栗林には、新井監督からWBC金メダルが授与され、湯浅からは侍ジャパン全選手のサイン入りユニホームを手渡された。

◆阪神小幡竜平内野手(22)が初回にスーパープレーを決めた。広島先頭菊池の中前へ抜けそうなゴロを、グラブを目いっぱい伸ばして好捕。すぐさま一塁へストライク送球し、間一髪アウトにした。広島新井監督がリクエストを要求するも判定は覆らず。身長184センチで長い手足を持ち、強肩が武器の小幡ならではのファインプレー。三塁側ベンチの岡田監督もニンマリだ。小幡は2日の京セラドーム大阪でのDeNA戦でも、中継プレーで強肩を披露し、本塁突入を狙った相手の追加点を阻止している。売り出し中の22歳が、2試合連続で"爆肩"を披露し、持ち味の守備で存在感を発揮した。

◆阪神森下翔太外野手(22)が2試合連続のマルチ安打を放った。4回、の第2打席。1死一、二塁から先発九里の131キロフォークを捉え、左翼フェンス上部へ。「少し崩されましたが、しっかりと振り切ることができましたし、良い感触でとらえることができました。チームに勢いをつけることができたかなと思います」 あと1歩でプロ初本塁打を逃したが、2打席連続打点となる適時勝ち越し二塁打となった。続く第3打席にも2死一塁から右翼前へ安打を放ち、走者ノイジーが三塁に向かう間に二塁を陥れる好走塁も見せた。マルチ安打は2日のDeNA戦から2試合連続。第1打席では先制となる犠飛も放っており、3戦連続の安打、打点も記録した。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、プロ初となる1試合3四球を選んだ。2、4、7回に四球で出塁した。昨年6月23日の広島戦で2四球1死球はあったが、四球3つは初めて。この打席を終えた時点で今季は4試合ですでに7四球。これは12球団単独トップだ。6番のドラフト1位森下翔太外野手(22)が打率4割超えと絶好調な現状、佐藤輝に1発こそ出ていないが、大きなつなぎ。この日も佐藤輝四球→森下適時打が4回にあった。ドラ1コンビが打線に好循環を生んでいる。

◆阪神が接戦を勝利し、開幕から4連勝と絶好調だ。開幕4連勝は08年5連勝以来、2リーグ分立後4度目と勢いが止まらない。4番大山悠輔内野手(28)がV打を含む、4試合連続安打&打点を記録。虎の主砲として打線を支えた。4-4で迎えた9回2死二塁。広島の守護神栗林の直球を捉え、勝ち越しの中越え適時二塁打を放ち、勝利をたぐり寄せた。また、ドラフト1位森下翔太外野手(22)も3試合連続打点&2試合連続マルチ安打で勝利に貢献した。先発西勇輝投手(32)は初回からテンポのいい投球で相手を寄せ付けず、6回まで1失点と好投が続いたが、7回に坂倉に右越え2ランを浴び、7回4安打3失点(自責点2)で降板となった。これで岡田彰布監督(65)就任後、無敗の開幕から4連勝と勝率10割をキープした。

◆阪神が15年ぶりの開幕4連勝を飾った。前回の08年は岡田監督、3番新井貴浩で開幕ダッシュを決めた2人が、阪神と広島の監督としてシーズン初対決。第1ラウンドは8回に追いつかれた阪神が9回、大山悠輔内野手(28)が決勝打を放って競り勝ち。4番が開幕4戦連続打点の大活躍で勝負強さを見せつけた。阪神の開幕4連勝は、前回の岡田監督時代の08年5連勝以来、2リーグ分立後4度目。岡田監督は同年限りで退任しており、阪神の監督としては"2年連続"の4連勝以上となった。なお2リーグ分立後阪神の開幕4連勝以上は、ほかに56年4連勝、02年7連勝。この3シーズンでセ・リーグ優勝はないが、今季はどうか。

◆広島は最大3点差を追いつくも、9回に栗林良吏が打たれ開幕4連敗となった。同点の9回。今季初登板の守護神は2死二塁から4番大山との勝負を選択。2ボールから投じた直球を捉えられ、左中間への決勝二塁打となった。新井監督は「彼はうちのクローザーだから、信頼は変わらない」と責めなかった。球団の新任監督の4連敗は50年ぶりで、新人監督に限れば球団ワーストとなった。▽広島栗林(今季初登板も敗戦投手に)「追いついてもらったので、何とかゼロで抑えていい流れを、とは思ってました」

◆阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22)が3試合連続打点で開幕4連勝に大きく貢献した。2回に自らの犠飛で1点を先制。その後同点とされて迎えた4回1死一、二塁の第2打席だった。広島先発九里の132キロのフォークを強振し、左中間フェンス上部へ直撃。あと数センチでプロ1号となる痛烈な当たりで、一時勝ち越し適時打を放った。「少し崩されましたが、しっかりと振り切ることができましたし、良い感触でとらえることができました。球はよく見えていた」バットだけではない。隙のないプレーも見せた。5回2死一塁から、2番手島内の152キロ直球を初球打ち。右前打で出塁したが、送球間に二塁へ激走。広島投手陣にプレッシャーをかけた。さらに、マルチ安打は2日のDeNA戦から2試合連続。背番号1が開幕戦から勢いが止まらない。「自信は多少なりともついてきたし、チームも勝っているので、チームも良い感じにきている」人生初のマツダスタジアムで躍動し、日に日に手応えをつかんでいる。ルーキーながら6番を任され大奮闘。開幕2戦目で初安打&初打点を記録すると、3戦目では2安打2打点でプロ初お立ち台も経験した。打率3割8分5厘、リーグ3位の5打点。チャンスで巡っても自分の力を出し続けている森下は、強打者としての強い自覚を抱いている。「(佐藤)テルさんが打席に入ると、2死でも打席が回ってくると思っている。今日は良い形で打球方向もよかったので、これをまた、明日あさっても続けて打点を取れればなと思います」。新戦力の頼もしい若虎がさらに打線を勢いづける。【三宅ひとみ】

◆広島が最大3点差を追いつくも、9回に守護神栗林良吏が失点して開幕4連敗となった。本拠地開幕戦。先発九里は4安打6四球4失点で責任投球回を投げ切れず、4回1/3で降板した。打線は開幕から当たりが止まっていた野間に適時打、坂倉に2ランが飛び出すなど粘りを見せたが、勝ち越すことはできなかった。本拠地開幕を勝利で飾れず、4連敗となった新井貴浩監督(46)の試合後談話は以下の通り。-初登板の栗林投手が踏ん張れなかった新井監督 彼はうちのクローザーだから、信頼は変わらない。-打線は3点差を追いついたが新井監督 ビハインドだったけどね。何とかしたい、何とか勝ちたいという気持ちというのは、こちらにも伝わった。-坂倉選手は開幕カード苦しんだ中で1発が出た新井監督 そうだね。彼も今年キャッチャーに戻って初めてシーズン。試合に慣れてくれば、普通に打つと思っているので。でも、ナイスホームランだったよね。-本拠地の声援新井監督 後押しになったね。何とか勝ち切りたかったけどね。あれだけ、お客さんも入って、声援を送ってくれたので。-9回1死一塁からけん制球に飛び出した大盛の走塁(盗塁死)については新井監督 それは(作戦面のことなので)ちょっと言えない。-あとは白星が新井監督 そうだね。もちろん。-先発した九里投手について新井監督 彼にとっての開幕だったので、少し硬さはあったかなと。また次に期待しましょう。

◆阪神が広島との接戦をものにし、08年(5連勝)以来15年ぶり、2リーグ後では4度目の開幕4連勝を飾った。同点に追い付かれた直後の9回、4番大山悠輔内野手(28)が2死二塁から左中間へ決勝適時二塁打を放った。試合後、岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-同点にされた後、守護神から4番が打った「そうやなあ、おーん。一番ええとこで打ったなぁ」-それまでに犠飛もあった。内容もいい「そうよなあ。まあ4番に置いとるわけやから。な、一番ええとこで打ってくれたよな。おーん。まあここはな、最後もな、簡単にはいかんと思ってたからな」-森下も活躍「なあ、森下が一番タイミングおうとったな(笑い)」-初回から小幡もいい守備で西勇を助けた「うん。そうよなあ、まああの、今日あんまヒットでんかったけど、うまいこと点とっていったけどな。まあ、それは広島も負けてて、本拠地帰ってやから、そんなにすんなりいくとは思わんかったからな。もう1、2点あればあれやったけど。そらお前、向こうも3連敗できてるから、そらな、そういう本拠地で初戦で勝ついうかな、そらまあ、だから昨年タクシーの中で何回聞いたか。勝ったと思ったら延長なって追い付かれたとか。昨年久しぶりに解説きた時にそんなんばっかりやったから。またそれもよぎった、ちょっと(笑い)。悪いのがよぎる」-いろんな展開で勝ちきってる「そうやな。同点なったけど、浜地もな。西(勇が浴びた)のホームランももったいなかったけどな。次いこうと思ったけどな、あの出たらな、まあでもホームランはなあ、ちょっとあれは痛かったけど、浜地にしてものお、あのやっぱり追い越されんかったのはな、なんとかなるというか、その後すぐ1点取り返したから、まあまだ、落ち着いては野球できへんよ、はっきり言うてそやで。そら明日も向こうも必死でくると思うしな」-4番が打って連勝が伸びるのは大きい「それは大きい大きい、おーん。まあな、四球がうまいこと絡んでな、ほんまそうよ。ヒットの割にはやっぱりチャンス、四球でチャンスつかめるしな」-7回石井、8回浜地。勝ちパターンは試合をやりながらと言っていたが「いやいやもう最初から石井やったよ。あのだから西がホームランじゃなしにつながっても次は石井いく予定やったから。それはもうすぐいけたよ」-新井監督との対戦は意識なしか「いやいやそれは新井よりも、球場意識するよな。ここはな。そういう意味ではな。やっぱり後半なって、接戦、シーソーゲームなったら嫌なイメージというかな。選手も去年の(イメージを)持っているかも分からんしな。俺は去年知らんから。どっしり座っとるだけやけど。同点まではOKやと思っていたけどな」-08年以来の開幕4連勝「ああそう。まあ1つずつや。まだな。始まってあれやから。ひと周りあたるぐらいまではこんなんちゃうか。うっしゃ、ういういういういうい」

◆阪神大山悠輔内野手(28)が9回に勝ち越し打を放ち、開幕4連勝に大きく貢献した。終盤に広島打線が猛追。4-4の9回2死二塁の場面で、広島守護神栗林から中越え適時二塁打を放ち、見事V打を決めた。ヒーローインタビューに答えた大山の一問一答は下の通り。-打席の気持ち「もうかえすだけだと思って、打席に入りました。投手陣もなんとかあそこで抑えてくれたので、なんとか自分がと思って打席に入りました」-守護神の栗林がマウンドに「自分の中で整理しながら打席に入れたので、それがすごくいい結果になってよかったなと思ってます」-振り抜いた打球は左中間を抜けた「抜けるとは思ったのでよかったですし、まだ1点で試合終わってなかったので、次の1点というところを考えてました」-仲間からは「普通に『ナイスバッティング』っていう言葉がありました。まだ試合が終わってなかったので、もう次の守備に向かって気持ちは向かってました」-今日はまさにチームに勢いを呼び戻す一打「自分が打って勝つというより、誰が打ってもチームを勝つことが一番。今日は僕がその仕事をできたのでよかったなと思います」-チームの雰囲気「すごくいい雰囲気で試合ができてると思うんですけど、まだ4試合ですし、油断であったり、スキを見せてしまったら、本当に崩れるのは一瞬だと思う。そういう面でもう1度、引き締めてやりたいと思います」-メッセージ「明日も応援よろしくお願いします、ありがとうございました!」

◆阪神岡田彰布監督(65)は試合後、9回に決勝打を放った大山悠輔内野手(28)に「一番ええとこで打ったなあ」と目を細めた。直前の8回に追いつかれ、同点で迎えた9回2死二塁。栗林の154キロ直球を左中間へ。値千金の決勝二塁打で試合を決めた。この試合で大山は開幕から4戦連続の安打。打率はチームトップの4割1分2厘を記録している。今季、「4番一塁」での固定起用を明言する主砲に指揮官は「まぁ4番に置いとるわけやから。一番ええとこで打ってくれたよな。まあここはな、最後もな、簡単にはいかんと思ってたからな」とたたえた。

◆阪神の守護神湯浅京己投手(23)が、2セーブ目を挙げた。大山悠輔内野手(28)の適時打で1点を勝ち越した直後の9回裏に登板。1死一塁から代走大盛をけん制で誘い出し、盗塁死を記録した。最後は菊池を空振り三振に仕留め、1点差を守り抜いた。昨年は広島と初対戦となった3月29日、9回途中で登板しサヨナラ打を浴びているが「全然(頭には)よぎってないです。試合に入ってからはそんなことを考えずにいっていますし、今、やるだけです」と言い切った。冷静さも合わせ持つ背番号65が頼もしい。

◆阪神の5番佐藤輝明内野手(24)が、プロ初となる1試合3四球を選んだ。2、4、7回に四球で出塁。4試合で7四球は12球団単独トップだ。要因を問われ「努力のたまものじゃないですか」とにっこり。6番森下が好調な現状、佐藤輝に1発こそ出ていないが打線にいい流れを生んでいる。「僕が出て打ってもらえれば点が入る。良い流れかなと思う」とうなずき、帰りのバスに乗り込んだ。

◆虎の勢いが止まらない。阪神が15年ぶりの開幕4連勝を決めた。同点に追いつかれて迎えた直後の9回、4番大山悠輔内野手(28)が広島守護神の栗林から中越えの勝ち越し二塁打。オープン戦は大不振だった主砲が、開幕4戦連続打点&2戦連続V打で完全に目覚めた。昨季借金7を背負ったDeNA戦に続き、開幕から9連敗を喫した広島にも初戦快勝。苦手をカモに岡田阪神が進撃の勢いだ。マツダスタジアムに阪神ファンの歓声と広島ファンの悲鳴が交錯した。二塁ベースに到達した大山悠輔内野手は、真剣なまなざしを崩さない。9回2死二塁の決勝打。沸き立つ三塁ベンチをちらっと見て、また戦闘モードに戻った。「まだ1点で試合が終わっていなかったので、次の1点、というところを考えていました」4番の集中力はマックスだった。8回裏に同点に追いつかれ、マウンドには広島の守護神栗林。心の中で「もう、かえすだけ」と覚悟を決めた。カウント1-1から内角の速球を強打。打球は左中間真っ二つだ。「抜けるとは思った」と確信する勝ち越し適時二塁打。ベンチで「ナイスバッティング」と声をかけられても「もう次の守備に気持ちは向かっていました」と、気持ちを切らさなかった。 秋、春のキャンプではフリー打撃で誰よりも打球を飛ばした。「今年はキャリアハイを」と高みを目指す中、「10球やったら、10球、100球やったら100球を目指していかない」と完璧を求め続けてきた。そんな男が、開幕を迎え、スイッチを切り替えた。「どんな当たりであっても、もうオープン戦じゃない。シーズンは結果」。泥くさく目の前の1点を取りにいく。5回には犠飛で4試合連続打点を決め「最低限の仕事ができた」。どんな形でも、チームのためになればそれでいい。岡田監督からも「4番に置いとるわけやからな、一番ええとこで打ってくれたよな」と称賛された。指揮官が「うっしゃ、ういういういういうい」と独特の"岡田節"を発し、上機嫌に会見を締める喜びようだった。指揮官の気分も高揚させるほどの打棒は、4試合で打率4割1分2厘、チームトップタイ5打点。安打数7はノイジーと並びリーグ1位だ。オープン戦で打率1割台と苦しんだ姿は、もうない。「まだ4試合。油断であったり、隙を見せてしまったら、崩れるのは一瞬だと思う。もう1度引き締めてやりたいと思います」昨季7つ負け越した開幕DeNA戦に続き、昨季開幕9連敗の広島戦も初戦に勝利した。15年ぶりの開幕4連勝。隙のない4番が、猛虎の中心にどっしり座る。【中野椋】

◆阪神の新外国人シェルドン・ノイジー外野手(28)が抜群の対応力を発揮した。広島戦で2安打を記録し、今季3度目のマルチ安打。4戦連続の安打となった。「いい状態は続いている。失投をしっかり打つことができているので、この状態を続けていきたい」4回の第2打席。先発右腕九里から左前打を放つと、続く5回の第3打席。無死二、三塁から126キロフォークを捉えた。前進守備の三遊間を痛烈に抜く今季2打点目の左前タイムリー。「チャンスの場面だったし、どんな形でもいいから、ランナーをかえしたいという気持ちだった。チームに貢献できてうれしい」。直後に森下が右前打を放つと迷わず激走。三塁を陥れ、好機を拡大した。これで開幕から4戦すべてで安打を記録。18打数7安打、打率は3割8分9厘で大山に次いでチーム2位の数字となった。シュアな打撃で好調を継続する「3番・左翼」の新助っ人が、開幕から結果を残している。【波部俊之介】

◆阪神岡田彰布監督(65)が、広島新井貴浩監督(46)との「師弟対決」第1ラウンドを制した。前回監督を務めた08年に選手の間柄で戦った2人が、15年の時を経て監督同士で初対決。昨季幾度となく終盤で逆転負けし、開幕から9連敗を喫した広島を振り切った。岡田監督 新井よりも、球場を意識するよな。やっぱり後半なって、接戦、シーソーゲームなったら嫌なイメージというかな。選手も去年の(イメージを)持っているかも分からんしな。俺は去年知らんから。どっしり座っとるだけやけど。同点まではOKやと思っていたけどな。新井監督は現役当時、広島在籍中の07年オフに国内FA宣言し、岡田監督率いる阪神に移籍した。直近2シーズン連続100打点超えの大砲に、岡田監督は「当然クリーンアップよ」と期待を寄せ、宣言通り開幕から3番で起用を続けた。新井監督も期待に応える活躍で、08年は阪神が序盤から首位を独走。だが、夏の北京五輪で腰を疲労骨折して離脱。失速したチームは巨人に最大13ゲーム差をひっくり返され、岡田監督が電撃辞任に追い込まれた。今年の開幕直前の3月26日。NHK「サンデースポーツ」のセ・リーグ監督座談会で、岡田監督が新井監督に"先制口撃"を見舞った。15年前を振り返り、「僕は迷惑しましたけどね」といじって苦笑い。同席した巨人原監督は「(優勝は)新井君のおかげだよ」と冗談交じりに感謝していた。そんな"因縁"もあった注目の初対決。貫禄を示した岡田監督は、いつになくご機嫌だった。【古財稜明】<岡田監督語録>-広島に競り勝った岡田監督 あんまヒット出んかったけど、うまいこと点取っていったけどな。広島も負けてて、本拠地帰ってやから、そんなにすんなりいくとは思わんかったからな。もう1、2点あればあれやったけど。そらお前、向こうも3連敗できてるから、本拠地で初戦で勝つっていう...。だから去年(球場から帰りの)タクシーの中で何回(ラジオで)聞いたか。勝ったと思ったら延長なって追いつかれたとか。昨年久しぶりに解説きた時にそんなんばっかりやったから。またそれもよぎった、ちょっと(笑い)。悪いのがよぎる。-この勝ちは大きい岡田監督 そうやな。同点なったけど、浜地もな。西(勇が浴びた)のホームランももったいなかったけどな。浜地にしても追い越されんかったのは、何とかなるいうかな。その後すぐ1点取り返したから。まあまだ、落ち着いて野球できへんよ、はっきり言うて、そやで。そら明日も向こうは必死でくると思うしな。-4番が打って連勝が伸びるのは大きい岡田監督 それは大きい大きい、おーん。四球がうまいこと絡んでな、ほんまそうよ。ヒットの割にはやっぱりチャンス、四球でチャンスつかめるしな。-7回石井、8回浜地。勝ちパターンは試合をやりながらと話していたが岡田監督 いや、もう最初から石井やったよ。西がホームランじゃなしに(相手が)つながっても、次は石井いく予定やったから。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。開幕3連勝を飾った阪神はこの試合も1番から8番まで不動のオーダーとなった。「1番・中堅」で先発する近本光司外野手(28)は広島の先発・九里に対して、通算打率・405(42打数17安打)と抜群の相性を誇る。開幕3連戦は打率・455で、2試合連続複数安打中と絶好調。リードオフマンとしてチームに勢いを与える。阪神の先発は西勇輝投手(32)。自身の今季初登板で虎を破竹の開幕4連勝へと導く。

◆3月のワールド・ベースボール・クラシックの日本代表として世界一に輝いた阪神・湯浅京己投手(23)、中野拓夢内野手(26)が、試合前に行われたWBC優勝記念セレモニーに参加した。セレモニーでは広島・新井貴浩監督(46)から花束を手渡され、場内の観客から大きな拍手がおくられた。また、このセレモニーには広島・栗林良吏投手(26)も参加。腰の張りで大会中に無念の離脱となった右腕だが、サプライズとして日本代表メンバーのサインが書き込まれたユニホームが用意され、WBC戦士を代表して湯浅が手渡した。

◆「8番・遊撃」で出場した阪神・小幡竜平内野手(22)が連日のファインプレーで虎党を沸かせた。一回先頭の菊池の打席だった。フルカウントから7球目。痛烈な打球が二遊間を襲うも、二塁ベース後ろ付近で小幡が捕球し、反転から強肩で一塁へ。ヘッドスライディングした菊池だが一歩及ばずアウトがコールされた。たまらず広島・新井監督がリプレー検証を要求も判定は変わらず。先頭を小幡のビッグプレーでアウトに仕留めた阪神先発の西勇は一回を打者3人できっちりと抑えた。

◆阪神がノーヒットで先制。ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が先制の中犠飛を放った。二回先頭の大山が四球で出塁すると、続く佐藤輝も四球。さらに、最後の一球が暴投となり、無死一、三塁の好機でドライチが打席へと向かった。2球で追い込まれながら、ボール球を見極め、6球目。九里の130キロ変化球を捉えると、打球は飛距離十分の中犠飛となった。森下はこれで1日のDeNA戦(京セラ)から3試合連続打点とした。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が勝ち越しの適時二塁打を放った。1ー1の同点に追いつかれた直後の四回。先頭のノイジーの左前打を皮切りに、1死一、二塁の好機を作ると、先制の中犠飛を放ったルーキーが打席に向かった。カウント2ー1から4球目、九里の128キロを捉えると、高々と舞い上がった白球は左中間フェンス直撃の二塁打。スタンドインまであと1メートルの一打で阪神が勝ち越した。森下はプロ4本目のヒットで初の長打を記録した。

◆阪神が貴重な追加点をあげた。2ー1の五回。先頭の近本が四球で出塁すると、中野が初球を三塁線に絶妙なバント。これが九里の悪送球を誘い、無死一、三塁の好機を作った。打席には3番、シェルドン・ノイジー外野手(28)=前アスレチックス3A。九里の2球目、126キロを捉えた。打球は左前に弾む適時打。足を絡めて作った好機で新助っ人がしっかりと仕事を果たした。ノイジーは四回にもチーム初安打となる左前打を放っており、これで開幕から4試合連続安打。複数安打は3試合目と好調を維持している。阪神はなおも1死一、三塁で、大山が左犠飛を放って4ー1とリードを広げた。チームはこれで開幕から4試合すべてで犠打と犠飛を記録した。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)が四回の勝ち越し打を振り返った。「少し崩されましたが、しっかりと振り切ることができましたし、良い感触でとらえることができました。チームに勢いをつけることができたかなと思います」1ー1の四回1死一、二塁の場面。九里の128キロフォークを捉え、勝ち越しの適時二塁打を放った。勢い止まらない黄金ルーキーは、五回に2番手・島内の152キロ直球をとらえて、右前打。2試合連続のマルチ安打をマークした。

◆先発した阪神・西勇輝投手(32)は6回0/3を投げ、4安打3失点(自責2)だった。一回先頭の菊池を遊撃手・小幡の好プレーで打ち取ると、野間は見逃し三振、秋山を一ゴロに仕留めて3者凡退の立ち上がり。0-1の三回2死一塁から野間に適時二塁打を浴び、同点とされたが、再び勝ち越して迎えた四回は4番・マクブルームを空振り三振。四球と盗塁で二塁まで進まれるも、デビッドソン、坂倉を空振り三振と、アウト全てを三振で奪い、ピンチをしのいだ。その後も持ち味の制球力を生かした投球で凡打の山を築き、七回のマウンドへ。しかし、先頭のデビッドソンの打球を三塁手・佐藤輝が失策すると、続く坂倉に痛恨の2ランを被弾し、無念の降板となった。

◆広島・坂倉将吾捕手(24)が本拠地開幕戦に「7番・捕手」で出場し2023年のマツダスタジアムの公式戦で最初のホームランとなる2ランを放った。「ケムナさんも粘り強く頑張っていたので、ピンチの後に追い上げることができてよかった。チームが勝てるようにまだまだ頑張りたい」1─4の七回、先頭・デビッドソン(前アスレチックス傘下)の三ゴロを佐藤輝がはじき、無死一塁で坂倉が打席へ。球威が落ち始めた西勇の内角球を鋭くふり抜き、美しい軌道で右翼席へ運んだ。〝打てる捕手〟の一発にベンチの新井監督は両手をたたいて喜んだ。

◆阪神が逃げ切り開幕から4連勝。4-4の九回に4番・大山悠輔内野手(28)が広島の守護神・栗林から適時二塁打を放って勝ち越した。ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が2安打2打点と躍動。二回無死一、三塁で先制の中犠飛を放つと、同点で迎えた四回は左中間フェンス直撃の適時二塁打。五回にも右前打を放ったドライチは3試合連続の安打&打点、2試合連続マルチ安打と躍動した。打線は3番・ノイジーが左前適時打、4番・大山は4試合連続打点と主軸が活躍した。先発した西勇輝投手(32)は、七回途中を4安打3失点(自責2)。七回無死一塁から坂倉に2ランを浴びて降板したが、後を託された石井が後続を断って1点差のまま八回へ。しかし、三番手・浜地がデビッドソンに中犠飛を浴びて同点とされた。勝ち越して迎えた九回は湯浅が締め、阪神が開幕から4連勝とした。

◆阪神が開幕5戦全勝だった2008年以来の4連勝。同点に追いつかれた直後の九回2死二塁、大山悠輔内野手(28)が栗林良吏投手(26)から決勝二塁打を放った。D1位・森下翔太外野手(22)=中大=は犠飛と二塁打で2打点。先発の西勇輝投手(32)は3点リードの七回、佐藤輝明内野手(24)の失策後に坂倉将吾捕手(24)に2ランを浴びて降板。その後同点となったため、初勝利を逃した。チーム四球は「8」を加えて、4試合で「24」。自身最長の開幕連勝まで、あと「1」とした岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=4勝、観衆=2万9329人)。ーー同点にされた後、守護神から4番が打った「そうやなあ、おーん。一番、エエとこで打ったなぁ」ーーそれまでに犠飛もあった。内容もいい「そうよなあ。4番に置いとるわけやから。な、一番エエとこで打ってくれたよな。おーん。まあここはな、最後もな、簡単にはいかんと思ってたからな」ーー森下も活躍「なぁ、森下が一番タイミングおうとったな(笑)」ーー一回から小幡もいい守備で西勇を助けた(先頭菊池の二遊間へのゴロを処理)「うん。そうよなあ、今日は、あんまりヒット出んかったけど、うまいこと点取って行ったけどな。広島も負けてて、本拠地帰ってやから、すんなり行くとは思わんかったからな。もう1、2点あれば、アレやったけど。そら、お前、向こうも3連敗で来てるから、本拠地で初戦で勝ついうかな。だから昨年タクシーの中で何回聞いたか。勝ったと思ったら延長なって追いつかれたとか。昨年久しぶりに解説来た時にそんなんばっかりやったから。またそれもよぎった、ちょっと(笑い)。悪いのがよぎる」ーーいろんな展開で勝っている「そうやな。同点なったけど、浜地もな。西のホームランも、もったいなかったけどな。次行こうと思ったけどな。ホームランは痛かったけど、浜地にしても、追い越されんかったのはな、何とかなるというか、その後すぐ1点取り返したから、まだ落ち着いては野球できへんよ、はっきり言うて、そやで。そら明日も向こうも必死でくると思うしな」ーー4番が打って連勝が伸びるのは「それは大きい大きい、おーん。まあな、四球がうまいこと絡んでな、ホンマそうよ。ヒットの割には四球でチャンスつかめるしな」ーー七回石井、八回浜地。勝ちパターンは試合をやりながらと言っていたが「最初から石井やったよ。西がホームランじゃなしに、つながっても次は石井行く予定やったから。それはもうすぐ行けたよ」ーー新井監督との対戦は意識なしか「新井よりも、球場意識するよな。ここはな。そういう意味ではな。やっぱり後半なって、接戦、シーソーゲームなったら嫌なイメージというかな。選手も去年も持っているかも分からんしな。俺は去年知らんから。どっしり座っとるだけやけど。同点まではOKやと思っていたけどな」ーー08年以来の開幕4連勝「ああそう。一つずつや。始まってアレやから。ひと周り当たるぐらいまでは、こんなんちゃうか」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)は2打点のD1位・森下翔太外野手(22)=中大=と懐の深さと3四球を選んだ佐藤輝明内野手(24)に代表されるチームの四球数の多さ(4試合で24個)を絶賛した。クリーンアップの出塁率が高く、6番の森下の勝負強さに阪神の強さがある。常にチャンスで打席が回る森下は何かを持っているのだろう。捕手目線で言わせてもらうなら、三振を取る配球をしても、なかなか空振りしないのが今の森下だ。広島バッテリーは2ストライクと追い込んでから、低めへ落としたり、外へ逃げるスライダーを投げたり、三振を奪おうとした。ところが、常に自分のタイミングで振るから、ファウルで粘るし、ボール球を見極める。詰まらせようと、攻め方を変えて、内角に投げても、スイングスピードが速いため、ファウルになる。打ち取るのが非情に難しいタイプの打者だ。2ストライクに追い込まれるまでの思い切った打撃と、追い込まれてからのセンター返しに徹した、しぶとい打撃。臨機応変に変えられる点も見事だ。おそらく他球団も研究してくるだろうが、高い技術を持った森下がどう対応していくか。見ものだ。阪神打線でホメたいのは、四球の多さ。ヒットを重ねるのは大変だが、四球が加われば一気につながりのある打線になる。5得点のうち、四球の走者がホームを踏んだのは3度。特に佐藤輝が3四球は立派だ。ノイジー、大山が好調だから、そこに選球眼を身に付けた佐藤輝が加わって、クリーンアップが常に出塁している。新しい首脳陣が「見極め」を徹底しているのだろう。これだけ四球を選べれば、得点力が急に落ち込むことは考えにくい。

◆広島は八回に追い付いたものの、九回に栗林が打たれて今季初勝利はまたお預けとなった。開幕4連敗は、1分けを挟んで4連敗した2013年以来。本拠地初戦を白星で飾れず、新井監督は「大きな声援を送ってもらったので何とか勝ちたかった」と悔やんだ。開幕から湿りがちの打線は、1―4の七回に坂倉が2ラン、1点差の八回はデビッドソンが犠飛と粘った。九回1死一塁での盗塁死など積極姿勢が裏目に出る場面もあったが、新井監督は「何とか勝ちたいという、みんなの気持ちは伝わった」と前向きに捉えた。新監督の方針で、今季は勝っても負けても試合後に整列してファンにあいさつする。熱い声援に、早く勝利で応えたい。

◆阪神が5-4で競り合いを制して開幕4連勝。ヒーローの大山悠輔がスタンドの声援に応える(撮影・松永渉平)

◆広島が開幕から4連敗となった。打線は2度ビハインドから追いついたが、4─4の九回に守護神・栗林の勝負手を打ったが大山に決勝打を浴び敗戦。試合後の新井貴浩監督(46)の一問一答は次の通り。──栗林が2死二塁から粘れなかった「彼はうちのクローザーだから信頼は変わらない」──コーチがマウンドにいって確認。何を「それはこっちのこと。言えない」──先発の九里が五回途中4安打4失点(自責2)の評価は「彼にとっての開幕だったので、少しかたさはあったかな。また次に期待しましょう」──打線は2度のビハインドで粘った「なんとかしたい、勝ちたいという気持ちはすごく伝わった」──七回に坂倉が1号2ラン「ゲームに慣れてくれば普通に打つと思っている。ナイスホームランだった」――足を絡めた攻撃はミスも出たが継続する「もちろん、もちろん。そうだね」──菊池が気迫のヘッドスライディング「なんとかしたい気持ちは伝わるし、引っ張っていってくれていると感じる」――本拠地の声援は後押し「後押しになった。なんとか勝ちきりたかった。あれだけ、お客さんも入って、声援を送ってくれたので」──九回1死一塁で代走・大盛の二盗のスタート(盗塁死)「それはちょっと言えない」──試合後には今季から本拠地の試合は勝っても負けてもグラウンドに整列して一礼をする「最初から『勝っても負けてもあいさつする』と選手らに言っていた。その通りのことをしただけ」──打線は8安打4得点。開幕時と比べて状態は上向き「みんなの気持ちもすごく伝わっている」――あとは勝利「そうだね。もちろん」

◆広島の夜空に高々と上がった白球が、左中間フェンスと金網の間に当たってはね返る。あと少しでスタンドイン! D1位・森下(中大)も塁上で笑みを浮かべた。ただでは打席を終えない〝三振しない男〟の執念で、3試合連続打点とした。「(四回の二塁打は)自分的には(スタンドまで)いかない感じだったので。あそこまで伸びたか、って印象ですね」ファンの目をくぎ付けにしたのは1-1で迎えた四回の第2打席。前を打つ佐藤輝が四球を選び、1死一、二塁と好機が広がった場面でも冷静だった。内角の球を2球見逃した後、九里の4球目フォークを捉え、あと50センチ飛んでいれば本塁打という特大の一撃。岡田監督も「一番タイミング合うとったな」と笑顔を見せた。開幕から4試合で16打席に立って5安打、2四球で三振はゼロ。この日の第1打席も2球で追い込まれた後に粘って、6球目を中犠飛にした。「ボールがよく見えていた」と語る森下は2ストライク後の意識付けについて「変化球と真っすぐに両対応できる形」、「犠牲フライや出塁で次につなげることを意識して、気持ちを切り替える」などと語っていた。時間をかけて取り組んできた成果が発揮された。大山と並ぶチームトップの5打点を、いずれも前を打つ佐藤輝が四球を選んだ直後に奪った。2年早く同じドラフト1位で選ばれた左の主砲に続く6番打者。「テルさんが打席に入っている時点で、2アウトでも回ってくるって思ってネクストにいるので」と確固たる信頼で打席に備える。春季キャンプで打ち解け、練習中のキャッチボールをするコンビ。オープン戦中は佐藤輝から森下へ「けがだけはないように。(オープン戦は)成績も気にせずにやる」とアドバイスを送っていた。頼もしい先輩から力をもらって開幕を迎え、主砲の警戒を糧に結果を出し続けている。「きょうはいい形で打球方向もよかったので、これを続けていって打点を取れれば。チームも勝っているので、いい感じに来られている」森下が力を込めた。フルスイングだけじゃない。思考力で、これからもボールを捉え続ける。(邨田直人)

◆さすが、4番! これぞ、大山だ! 阪神は広島に5-4で勝ち、2008年以来の開幕4連勝を決めた。4-4と追いつかれた直後の九回2死二塁で大山悠輔内野手(28)が左中間に勝ち越し二塁打。敵地でイヤ~な空気が漂っていただけに、岡田彰布監督(65)は上機嫌。試合後の会見を「うっしゃ、ういういういういうい」と勢いよく切り上げた。猛虎が完全復活や~!ひと振りでチームを窮地から救った。これが4番の仕事だといわんばかりの打球を大山がかっ飛ばし、虎を開幕4連勝に導いた。昨季虎が苦しめられたマツダで先勝し、勢いは増すばかり。どっしり構える主砲の存在感が、頼もしすぎる!「ピッチャー陣もなんとか抑えてくれたので、なんとか自分がと思って打席に入りました。自分の中でいろいろ、整理しながら打席には入れた。それがすごくいい結果になった」広島に足を運んだ虎党から大きな拍手が送られた。4-4の九回1死。守護神・栗林から中野が四球をもぎとり、続く島田の二ゴロの間に二進。大山はカウント1-1から内角直球を捉えた。左中間を破る適時二塁打で勝ち越しに成功。その裏は湯浅が抑えて競り勝った。阪神の開幕4連勝は、岡田監督自身が率いた2008年以来。八回に浜地が同点とされたとき、指揮官は評論家時代に経験したマツダの独特な雰囲気を思い出したという。「昨年(球場からの帰りの)タクシーの中で何回聞いたか。勝ったと思ったら延長になって追いつかれた、とか。またそれもよぎった、ちょっと。悪いのがよぎる」。緊迫した場面の連続。百戦錬磨の虎将でさえ、冷や汗をかいた。だからこそ「まあ一つずつや。まだな。始まってあれやから。ひと周りあたるぐらいまではこんなんちゃうか」と冷静に話しながら「うっしゃ、ういういういういうい」と上機嫌で球場を後にした。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)がプロ初の1試合3四球。昨季も51四球と課題だった選球には改善が見られたが、今季は4試合ですでに7四球。「努力の賜物じゃないですか」と笑った。好調の6番・森下を〝目〟でアシストする5番打者は「(森下に)打ってもらえれば点も入るのでいい流れかなと思います」とうなずいた。七回の失策が2失点につながったものの、攻撃では存在感を示した。

◆阪神のシェルドン・ノイジー外野手(28)は四回にチーム初安打となる左前打。4試合連続安打とすると、五回無死二、三塁の第3打席は九里の126キロフォークを左前に運び、貴重な追加点をあげた。開幕から4試合で3度のマルチ安打と絶好調の助っ人は「失投をしっかり打つことができている。この状態を続けていきたい」と力強かった。

◆4-3の八回を託された阪神・浜地真澄投手(24)は1死二、三塁からデビッドソンに中犠飛を許し、追いつかれた。なおも2死三塁のピンチは坂倉を三邪飛。直後に味方が勝ち越し、今季1勝目をマークしたが「原因もはっきりしていて、変化球が浮いてしまった。そこは修正しないといけない」と猛省。一方で岡田監督は「やっぱり追い越されんかったのはな。何とかなるというか。その後、すぐ1点を取り返したから」と右腕をかばった。

◆阪神・石井大智投手(25)が広島打線の勢いを止めた。七回、西勇が2ランを許した直後に、2番手でマウンドへ。「ノリに乗っていると思ったので、まずは自分がそこに飲まれないように。平常心を保つように意識しました」。2死とし、菊池に三塁内野安打を許したが、最後は野間を中飛に料理した。これで、3試合連続の無失点と評価を上げている。

◆先発した阪神・西勇輝投手(32)は6回0/3を4安打3失点(自責2)。七回無死一塁から坂倉に2ランを浴び、悔しい降板にも「(チームが)勝ったし、よかった」とうなずいた。オリックス時代の2014年以来、9年ぶりのシーズン初登板勝利投手とはならなかったが「仕事として投げ切れたことがデカかった」と前を向いた。

◆「8番・遊撃」の小幡竜平内野手(22)が連日の好守だ。一回先頭・菊池の打球を二塁ベース後方で好捕すると、体を反転して一塁へ矢のような送球。広島ベンチがリクエストをするも、判定は変わらず、アウトに仕留めた。2日のDeNA戦(京セラ)は強肩を生かした中継プレーを完成。「自分のアピールポイントはスローイング。そこは自信を持ってやっている」。日々、遊撃手として成長する姿を見せている。

◆男心に、男がほれる岡田阪神の開幕4連勝!! まるで任?(にんきょう)映画のような『弱きを助け強きをくじく』野球なのだ!!本日、八回に同点とされた直後の九回。守護神・栗林から4番・大山が勝負ありの決勝タイムリー!! 1日のDeNA戦だって延長十二回、近本の一振りでハマの守護神・山崎をマウンドに沈めてんだかんね。もうウットリするしかないやろ!?まだ4試合だけど阪神打線の低めの球を見切り、高めに意識を集中する徹底ぶりにはおそれいるのだ!! その証拠に4試合で6犠飛は2013年のロッテの年間記録54の4倍のぺースだし...、何? たまたまだって? じゃあ昨年四球が51だった佐藤輝が、ここまで7個で驚異の250ペースってのは、低めを意識的に見切っているのを物語っているのだ!!そして何よりこの4連勝の大きな価値は、本日も2安打2打点と活躍したルーキー森下を「普通にプレーすれば通用するんだな」と本物のプロ野球選手に仕上げてくれたことにあるのだ!!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
400 1.000
(-)
-
(-)
1399
(+1)
2
(-)
4
(-)
5
(-)
0.183
(↓0.019)
0.500
(↑0.17)
1
(-)
阪神
400 1.000
(-)
0
(-)
13923
(+5)
14
(+4)
1
(-)
5
(-)
0.304
(↓0.02)
3.000
(-)
3
(-)
巨人
310 0.750
(↑0.083)
1
(-)
13917
(+9)
8
(-)
4
(+1)
0
(-)
0.246
(↑0.051)
1.500
(↑0.5)
4
(-)
中日
130 0.250
(↓0.083)
3
(↓1)
1398
(-)
9
(+1)
0
(-)
1
(-)
0.224
(↓0.019)
2.120
(↑0.76)
5
(-)
DeNA
040 0.000
(-)
4
(↓1)
13910
(-)
27
(+9)
1
(-)
0
(-)
0.208
(↓0.006)
6.140
(↓0.94)
5
(-)
広島
040 0.000
(-)
4
(↓1)
1396
(+4)
13
(+5)
2
(+1)
2
(+1)
0.184
(↑0.021
2.730
(↓0.1)