ソフトバンク(☆5対3★)ロッテ =リーグ戦3回戦(2023.04.02)・福岡PayPayドーム=
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ロッテ
00000300031000
ソフトバンク
04000010X5800
勝利投手:東浜 巨(1勝0敗0S)
(セーブ:オスナ(0勝0敗1S))
敗戦投手:美馬 学(0勝1敗0S)
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◆ソフトバンクが3連勝。ソフトバンクは2回裏、甲斐と近藤の適時二塁打で4点を先制する。その後1点差に迫られるも、7回には相手の暴投の間に貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・東浜が6回途中3失点と試合をつくり今季初勝利。敗れたロッテは、先発・美馬が誤算だった。

◆ソフトバンクは2日のロッテ戦で、球団創設85周年・ドーム開業30周年記念イベント「ダブルアニバーサリーデー」を開催する。記念すべき福岡ドーム初の公式戦は1993年4月17日、近鉄戦。ダイエー先発の村田勝喜が1失点完投も、打線が近鉄の野茂英雄に2安打のみで、0-1の完封負けを喫した。現1軍監督の藤本博史は「7番一塁」でスタメン出場していた。始球式には歌手の森口博子さんが打席に立った。森口さんは、今日この日のセレモニアルイベントに登場する。福岡ドーム開業のアラカルトは以下の通り。一番乗り 一塁側内野席の先頭を陣取っていたのは、粕屋郡篠栗町の阿高和枝さん。午前7時に駆け付けた。「パ・リーグトーナメントも全部来ているんですよ」と試合前から気合十分。応援団 応援団のトランペットが15本、太鼓が内野に1つ、外野に2つまでと制限された。「ずっと平和台の応援を続けたいけど、やむを得ません」と応援会連合会の伊藤康雄事務局長。当日券 当日は外野ファンクラブ席1000枚と内野指定席200枚を用意。開場10分前の11時30分に発売を始めたが、並んでいる時点で定員になり次第締め切った。徹夜組 前日の午後3時ごろから熱心なファンが並んでいたが、保安上午前0時でドームを閉鎖した。そのため整理券150枚を発行したので徹夜組はなし。警備員 福岡ドームの経営母体であるツイン・ドーム・シティ(TDC)側から、パ・リーグトーナメント時と同様、警備員約100人、アルバイト約1800人が動員された。ベスト3 応援グッズの売上ベスト3は、Vメガホン、応援用のはりせん、ドームキャンデーだった。お弁当 パ・リーグトーナメントの時より1000食多い6000食を用意したが、7回までに完売した。人気商品は「ホームラン弁当」と「野球弁当」(1000円)。ビール ビールは約1万7000本(一本500ミリリットル、650円)が売れた。

◆開幕連敗スタートのロッテ吉井理人監督(57)が、スターティングメンバーを大幅に入れ替えた。ロッテはチームとして1967年(昭42)以来56年ぶりとなる2戦連続完封負けを喫した。先発からポランコ、井上、藤岡を外し、岡、角中を起用。前日1日に代打でプロ初出場したドラフト2位ルーキー友杉を「2番遊撃」に抜てきした。捕手も美馬との相性なども考慮し、開幕から2試合連続で先発した田村ではなく松川がマスクをかぶる。吉井監督にとっての初得点、初勝利となるか-。

◆ホークス球団創設85周年とドーム開業30周年を記念したイベント「ダブルアニバーサリーデー」として、試合前に記念セレモニーが実施された。この日のテーマは福岡ドーム(当時)が開業した93年。ドーム開業後に初めて開催した公式戦、93年4月17日近鉄戦の始球式で打席に立った森口博子(54)が登場した。その試合で2番二塁で出場していた、球団OBの湯上谷竑志氏(56)も参加した。湯上谷氏は「ものすごくカラフルになって、場違いなところに来ちゃったかなという雰囲気ですね。当時より球場が狭くなった雰囲気で、ホームランテラスとかができて。もうちょっと後に選手になったら、もうちょっとホームラン打てたんじゃないかな」。森口は「スタンドのみなさん、ただいま~!森口博子です。93年の映像を見て、いろんな歴史を感じてグッときております。スタンドのみなさんとひとつになって熱くなったことが忘れられません」と話した。セレモニアルピッチでは湯上谷氏の投じたボールが森口の頭上を通過し、それぞれ苦笑い。泣きの1球で、ストライクのボールを森口が空振りして悔しがった。湯上谷氏は「とにかく森口さんを打たせないとあかんと思って投げたんですが、だめでした」と頭をかいた。森口は「30年前の映像を見てうるっときてしまって。すごくいいボールだったので、打てなくて当然。湯上谷さんの渾身(こんしん)の1球でした。芸能生活38年目の渾身の、歴史的スイングをお届けしました」と笑顔だった。なお、93年のドーム初陣で当時のダイエーは近鉄と8回まで0-0の死闘を演じ、9回にエースの村田勝喜が決勝点を奪われ、0-1で敗れた。近鉄の先発は野茂英雄で、完封勝利を許していた。

◆ロッテが開幕3戦目にして、ようやく得点を挙げた。今季から指揮を執る吉井理人監督(57)にとっても初得点となった。0-4の6回、1死満塁から「5番DH」で今季初先発の角中勝也外野手(35)が三塁線を破る左前2点適時打を放った。「うれしいです。これで他の選手にも火が付いたと思います」。開幕から24イニング目での今季初得点に、レフトスタンドのロッテファンも沸いた。さらに、「6番一塁」山口航輝内野手(22)も左中間への適時二塁打で続き、一挙3得点で1点差に迫った。。

◆ソフトバンクがロッテ打線を5回まで無得点に封じ、開幕から23イニング連続無失点。53年の南海以来、70年ぶりの球団タイ記録だ。開幕戦は大関、松本裕、オスナのリレー。2戦目は藤井、嘉弥真、又吉、大津でロッテ打線を沈黙させた。球団記録の更新がかかった6回は、先発東浜がつかまり3失点。なお球界最長記録は、96年近鉄の25イニングだ。

◆ロッテのドラフト2位ルーキー友杉篤輝内野手(22)が「2番遊撃」でプロ初先発出場し、6回1死から遊撃内野安打を放ち、プロ初安打を記録した。「飛んだところが良かったです。足をいかした自分らしいヒットで、とりあえず1本出て良かったです」と笑顔。走者としても武器の足で相手野選を誘発し、角中の適時打でチームとして開幕3試合目での初得点となるホームも踏んだ。前日1日には代打でプロ初出場を果たし、四球を選んでいた。

◆ロッテの主軸を担う山口航輝内野手(22)が「6番一塁」で先発出場し、ようやく今季初安打を放った。5回1死から中前打を放つと、2-4とした6回には1死一、二塁で左中間に適時二塁打。「吉井監督に『とにかく思いっきりいってくれ』と言ってもらえたので、気負わずにいけました。ヒットもタイムリーも出て少しホッとしました」と塁上でガッツポーズし、喜んだ。今季の対外試合で7本塁打を放ち、主砲としての期待が集まっていたが、オープン戦終盤から結果が出ずに苦しんでいた。前日1日も4打席連続三振を喫し、試合後のベンチでは悔しさで目を潤ませる場面もあった。3月21日の広島とのオープン戦以来、21打席ぶりの快音に、敵地に駆けつけたロッテファンからも大きな「ヤマグチ」コールを浴びた。

◆ソフトバンクが「侍カルテット」の活躍で、パ・リーグ唯一の開幕3連勝を飾った。0-0の2回に牧原大成内野手(30)、甲斐拓也捕手(30)、FA加入の近藤健介外野手(29)の二塁打で一挙4得点。6回の守備では中堅の周東佑京内野手(27)が同点を阻止する好プレーでチームを救った。開幕ダッシュの勢いそのままに、4日からの2カード目、宿敵オリックス戦に向かう。世界一の実力を存分に示した。0-0の2回1死満塁。9番甲斐の左翼越え適時二塁打で2点を奪った。昨季、満塁では7打数0安打。しかし、WBCで頂点を経験した今年は違う。甲斐 何とか食らいついて打つことができた。緊張の中でやっているのは変わりませんが、(WBCの)経験をさせてもらった。そこは自分の中でプラスにして。メンタルの部分も強くしていきたい。侍4人で勝った。2回は先頭で牧原大が左中間二塁打。メンバーで最後に招集された「ラストサムライ」が口火を切り、甲斐の決勝打は生まれた。その後2死二、三塁でFA加入した近藤が中越え2点打。移籍後初打点で一挙4得点だ。守備で光った侍もいる。2点を返された6回1死一、二塁の場面だ。東浜がロッテ山口に左中間二塁打を浴びる。同点の危機...だったが、中堅周東が快足を飛ばして回りこみ、外野の間を割らせなかった。一塁走者だった角中を三塁でストップ。藤本監督は「あの守備は最高。あれを二、三塁で止めたのが今日の勝因です。普通やったら2人(ホームに)帰ってきているかも分からない。あれは超ファインプレー」と絶賛した。7回には盗塁も決めた。ソフトバンクの誇る「侍カルテット」で、パ・リーグ唯一の開幕3連勝。21年の4連勝、22年の8連勝に続き、3年連続のスタートダッシュを決めた。投手陣も3試合で3失点と盤石。投打ががっちりかみ合っている。次カードの4日からは敵地でオリックス3連戦。昨季は勝率で並びながら、直接対決の結果でリーグ優勝を明け渡した宿敵だ。殊勲打の甲斐はお立ち台で「昨年はとても悔しい思いをした。今年こそ必ず最後は(ファンも含めた)みんなで笑えるように」と宣言。リベンジに燃えるソフトバンクが、勢いそのままに大阪へ乗り込む。【只松憲】○...FAで新加入した近藤が、移籍後初打点を挙げた。2-0の2回2死二、三塁で中越え2点適時二塁打。4点差に広げる貴重なタイムリーで「チャンスだったので初球からどんどんいこうと思った。いい結果につながった」。開幕3戦で打率4割1分7厘、出塁率は4割6分2厘と持ち味を発揮。決勝打の甲斐とお立ち台に上がり「最高です! 」と喜びを爆発させた。○...新加入のオスナが、移籍後初セーブを挙げた。2点リードの9回にマウンドへ。先頭の代打佐藤都を二飛に打ち取ると、続く茶谷も三ゴロに。2死から藤原に左前打を許したが、最後は代打のポランコを空振り三振に仕留めた。昨季プレーした古巣相手に守護神としての役割を果たし「満足しています。ファンのみなさんに見せることができて良かったです」と話した。▽ソフトバンク中村晃(全4打席出塁で打率6割2分5厘)「状況はあまり考えず、1打席1打席集中してやっていきます。継続できるように頑張ります」▽ソフトバンク松本裕(7回に登板し3者連続三振)「今年初めて、1点差の緊迫した場面で投げられて、いい形で集中して入れたと思います。いい投球ができたのは、まずはひと安心ですし、良かったと思います」▽ソフトバンク津森(今季初登板で、8回の1イニングを無失点)「しっかりオスナにつなげられるように、みんなで頑張っている状態です。緊迫する場面だったので、気持ちが入りました」▽ソフトバンク村松外野守備走塁コーチ(6回の周東の好守備について)「足が速いから普通の定位置で(外野間の打球は)追いつける。あれは大きかった。センターの守備範囲が広いと、レフトも左中間をそんなにケアしなくてよくなる」

◆ソフトバンク東浜巨投手(32)が、今季初先発で6回途中3失点と粘投し今季初勝利を挙げた。開幕から2戦連続無失点勝利の流れに乗って、東浜も5回までは0封。チームとして開幕から23イニング連続無失点を続け、南海時代の53年以来、70年ぶりに球団記録に並んだ。「開幕から2試合、チームとしてすごくいい勝ち方をしていたので、初回が大事だと自分に言い聞かせて、全力で飛ばしました」と立ち上がりに気迫を込めた。初回先頭の岡から2者連続の三振を奪うなど、3人斬り。2回1死で角中の投ゴロが脚に当たるアクシデントもあったが、崩れることはなかった。6回に角中、山口の連続適時打で3点を失ったところで降板。「納得のいくパフォーマンスを出すことはできませんでしたが、沖縄の先輩2人に助けてもらい、とても心強かった」と、後続を断った救援の嘉弥真、又吉に感謝した。チームは開幕3連戦で計3失点、防御率1・00と投手陣全体が安定。背景には課題だった四球数の減少がある。昨季は12球団ワースト474与四球だったが、ここまでは計5個。パ・リーグ5球団で最も少ない数字だ。この日は6投手で無四球。斎藤学投手コーチは「みんなが意識して、徹底しているところではあるので。その成果というか、気持ちは十分、伝わっているなと思いますね」とうなずいた。【山本大地】

◆<ソフトバンク5-3ロッテ>2日ペイペイドームソフトバンクが新生吉井ロッテを蹴散らして3年連続の開幕3連勝。「もっともっと全力で頑張ります」。試合後の藤本監督は納得の試合運びにも、さらに貪欲な姿勢を崩さなかった。打撃不振にしかめ面だったオープン戦から一転、侍組が打線に加わって活性化した。投手陣の踏ん張りはもちろんのこと、やっぱりゲームは打線が打って点を取らないことには勝てない。試合前からちょっとワクワク感があった。この日は球団創設85周年&ドーム開場30周年のダブルアニバーサリーゲーム。ドーム球場内にはダイエー時代の球団歌「ダイヤモンドの鷹」が流れ、ホークスは黒の記念ユニホームで戦った。2戦目から5番に座る牧原大のバットが打線に勢いを呼び込んだ。2回の攻撃。先頭の牧原大が中堅左へ打球を放つと「いつも次の塁に行ければ行くという気持ちでいます」と、迷いなく一塁を蹴って二塁打とした。このヒットを足がかりに1死満塁から9番甲斐の左翼越え二塁打と近藤の中越え二塁打で大量4点を先制した。牧原大の二塁打はホークスにとって「メモリアル」な一打でもあった。1リーグ時代を含め、チーム通算9万4000本目のヒットだった。ホークスが産声を上げた1938年(昭13)8月27日の巨人戦で西端利郎選手が右前打を放ったのが記念すべき「ホークス初安打」。牧原大の一打は球団史の重さを想起させてくれた。さらに6回先頭で中村晃がしぶとく中前打。このヒットは1950年(昭25)にパ・リーグとなってからチーム通算8万6000本目のヒットとなった。1000本刻みの区切りの数字を1試合の中で通過するのは何とも珍しい。まさにW記念デーにふさわしい2本の快打だった。試合を振り返れば、豪快に打ち勝ったというわけではない。1点差に詰められた7回には中前打で出塁した周東が二盗を決め、近藤の遊ゴロで三進。暴投を誘ってホームを踏んだ。快足男の「足の揺さぶり」が生んだ追加点だったし、今宮は3犠打を成功させチャンスメーク。これで主砲柳田が復調したら、どんな打線になる? Wメモリアルイヤーにふさわしい戦いが待っている。

◆ロッテ吉井理人監督の初白星は本拠開幕に持ち越された。先発メンバーを4人入れ替え、打順も大幅変更。起用に応えた角中が6回1死満塁から左前適時打で開幕から24イニング目の今季初得点。主砲の期待を背負う山口にも初安打と初打点が生まれたが、勝利にはあと1歩及ばなかった。指揮官は「点が入ると楽しいですね。選手の特徴をしっかり見極めて、力を出せる場面や環境をつくっていきたい」。チームとしての新監督3連敗発進は99年の山本功児監督以来24年ぶりだ。

◆ロッテのドラフト2位ルーキー友杉篤輝内野手(22)が「2番遊撃」でプロ初先発出場し、6回1死から遊撃内野安打を放ってプロ初安打を記録した。ソフトバンク東浜の直球を三遊間に運び、「飛んだところが良かった。足をいかした自分らしいヒットで、とりあえず1本出て良かったです」と反撃の口火をきった。走者としても武器となる俊足で相手野選を誘発して好機を広げ、角中の適時二塁打で開幕3試合目でのチーム初得点となるホームも踏んだ。吉井理人監督(57)は「3試合に1回はスタメンで出したいなと思っていたので、予定通り出して、期待通りのスピードを生かしたプレーをしてくれた。初ヒットも出て良かった」。遊撃のポジションを、今後は藤岡裕大内野手(29)らと併用していく考えを明かした。【鎌田直秀】

◆ロッテの角中勝也外野手(35)が、0-4で迎えた6回1死満塁で三塁線を破る左前2点適時打を放ち、「5番DH」での今季初スタメン起用に応えた。1ボールから、ソフトバンク東浜の144キロシンカーを捉えた。「打席の前に福浦さん(ヘッド兼打撃コーチ)に『ちょっとスタンスが広すぎじゃないか』と言われて微妙に狭くした。1足分ないくらい修正して、それが良かったかなと思います」と感謝した。チームにとっては今季3試合目、24イニング目での初得点。タイムリーは3月26日に行われた中日とのオープン戦(バンテリンドーム)の1回に中村奨吾内野手(30)が打点を挙げて以来、31イニングぶりだ。角中は8回の第4打席でも左前安打を放ち、4打数2安打2打点の活躍だ。「うれし、です。これで他の選手にも火が付いたと思います。まずはチームが良い形で勝つことが大事。スタメンにこだわらず、後ろからいっても、どういう状況でも、求められる役割をしっかりやっていきたい」。プロ17年目を迎えたベテランは、やっぱり頼りになる男だ。4日のZOZOマリン開幕となる日本ハム戦では、吉井理人監督(57)の初勝利を導く一打が期待される。【鎌田直秀】

◆ロッテの山口航輝内野手(22)が一塁塁上でレフトスタンドのファンから送られた「ヤマグチ」コールに右手を上げ、少しだけ安堵(あんど)の表情を浮かべた。初戦、2戦目と「3番左翼」で先発出場したが、2戦合計で7打数無安打6三振。スタメンを大幅に入れ替えた中、「6番一塁」で起用された5回1死、1ボールからソフトバンク東浜が投じた141キロの低めのカットボールに体勢を崩さず、中前にようやく初安打を放った。2-4とした6回1死一、二塁では1ボール2ストライクと追い込まれたが137キロのスライダーを振り抜き、1点差に迫る左中間への適時二塁打。「何とかしたいという気負いが力みにつながっていた。打席に立って右も左も分からなくなっていたので、吉井監督に『とにかく思いっきりいってくれ』と言ってもらえたので、冷静に気負わずにいけました。ヒットもタイムリーも出て少しホッとしました」。初打点には二塁塁上でガッツポーズ。「試合前のバッティング練習から振りが大きくなっていたので、小さくコンパクトにいこうと思ったので、それが良い結果につながったと思います」と分析した。今季の対外試合で7本塁打を放って主砲としての期待が集まっていたが、オープン戦終盤から結果が出ずに苦しんでいた。前日1日の試合後は開幕から2戦連続完封負けの責任を感じてベンチから立ち上がれず、悔しさで目を潤ませた。自身としては3月21日の広島とのオープン戦以来、21打席ぶりの快音となったが、「勝たないと意味がない。監督や先輩方にやりやすい環境をつくってもらっているので、背負いすぎは良くないかもしれないですけれど、チームを引っ張っていけるように頑張りたい」。4日のホーム開幕での今季初勝利に向けて前を向いた。吉井監督は球場入りした試合前、山口と会話したことを明かした。「かなり自分がチームを引っ張らなきゃという思いが強かったみたいなので、『お前はまだ見習いだから思い切っていけ』と言ったんですけれど、それが良かったかどうかは分からないですが、本人もいろいろ考えていると思いますけれど、自分の力で壁を乗り越えていってほしいと思います」。打撃指導はコーチ陣に任せているが、「ちょっとでも気持ちを楽にさせるのが私の仕事かな」と、山口の2安打1打点の結果に少しだけ表情を緩めた。【鎌田直秀】

◆開幕戦から2試合連続で零封負けしたロッテは、スタメン野手を4人を入れ替え、打順を大幅に変更。「2番・遊撃」にドラフト2位の友杉篤輝内野手(22)=天理大=が入り、「5番・DH」にはベテランの角中勝也外野手(35)が名を連ねた。先発は美馬学投手(36)が務める。

◆ソフトバンク・近藤健介外野手(29)が「2番・左翼」で先発出場。2点を先制した二回2死二、三塁の第2打席で、美馬学投手(36)から左中間へ2点二塁打を放ち、移籍後初打点を記録した。WBC日本代表でも世界一奪回に貢献した安打製造機は開幕から3試合連続安打をマークした。

◆2試合連続で完封負けを喫していたロッテは、開幕から24イニング目で待望の初得点を挙げた。0-4の六回、1死から友杉、荻野が連続安打で出塁。中村奨の三ゴロが野選となり1死満塁とチャンスを拡大した。ここで5番・角中が左前へ2点適時打を放った。ロッテはスタメン4人を入れ替え、打順を大幅に変更。「2番・遊撃」でプロ初スタメンのドラフト2位の友杉がチャンスをつくり、「5番・DH」で今季初出場した角中がタイムリーを記録。起用に結果で応えた。このあと、1死一、二塁から山口の適時二塁打も飛び出し、3ー4と1点差に詰め寄った。

◆ロッテ先発の美馬学投手(36)は、4回を投げて6安打4失点でマウンドを降りた。0-0の二回、1死満塁から9番・甲斐に左翼越えの2点適時二塁打を浴びて先制され、なお2死二、三塁の場面では2番・近藤にフェンス直撃の中越え2点適時二塁打を許した。美馬は「相手の勢いにのまれてしまい、勢いを止めることができなかった。調子のいいバッターと勝負しなくちゃいけなくなり、打たれてしまいました」と振り返った。

◆「2番・遊撃」で初めてスタメンに名を連ねたロッテのドラフト2位・友杉篤輝内野手(22)=天理大=がプロ初安打をマークした。0-4の六回1死で迎えた第3打席。東浜の3球目を捉えて遊撃の深いところへ転がし、内野安打とした。ルーキーの一打から打線がつながり1死満塁のチャンスをつくると、5番・角中の左翼線への2点適時打で生還。開幕から24イニング目でチーム初得点となるホームを踏んだ。友杉は球団を通して「飛んだところが良かったです。足を生かした自分らしいヒットでとりあえず1本出てよかったです」とコメントした。

◆ソフトバンクが開幕3連勝を飾った。二回に甲斐と近藤の2点二塁打で4点を先制。七回にも1点を加え、継投で逃げ切った。東浜は六回途中3失点で白星、オスナが初セーブを挙げた。ロッテは追い上げたが、あと一歩届かなかった。

◆ソフトバンクが開幕3連勝を飾った。ロッテは追い上げたが、あと一歩届かず3連敗を喫した。?ソフトバンクの開幕からの連続イニング無失点が23でストップ。開幕から23イニング連続無失点は、1940年の阪神(25)、41年の阪神、53年の南海(各23)、96年の近鉄(25)に次いで27年ぶり5度目。球団(前身を含む)では53年と並ぶ最多記録。?ロッテ(前身を含む)の開幕から23イニング連続無得点は67年(36)以来56年ぶり2度目。開幕3連敗は2021年(5連敗)以来2年ぶり。ロッテの新人監督の開幕3連敗は99年の山本功児以来24年ぶり。

◆打線を大幅に組み替えたが、特効薬にはならなかった。ロッテは敵地の開幕カードで3連敗。初白星が遠い就任1年目の吉井理人監督(57)は、淡々と現状を受け止めた。「ご覧の通り(ソフトバンクと)チーム力としての差がかなりある。やるのは選手ですけど、これから手助けをして、戦えるチームにつくりかえていきたい」開幕から2試合連続で零封負けして迎えた第3戦。大胆な手を打った。ドラフト2位の友杉(天理大)を「2番・遊撃」に抜擢(ばってき)するなど、前日からスタメン4人を入れ替えた。六回1死から友杉がプロ初安打となる遊撃内野安打で出塁すると、続く荻野が右前打を放って今季初の連打を記録。その後、「5番・DH」で今季初出場した角中が左翼線へ2点適時打をマークした。代わって入った選手が起用に応え、今季24イニング目で待望の初得点を挙げ、指揮官は「点が入ると楽しいね」と振り返った。4日からは本拠地で日本ハム3連戦。吉井監督は「選手の特徴を見極めて、力を出せる環境をつくっていく」と巻き返しを誓った。(武田千怜)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
300 1.000
(-)
-
(-)
14016
(+5)
3
(+3)
2
(-)
3
(+2)
0.309
(↓0.015)
1.000
(↓1)
2
(1↓)
ORIX
210 0.667
(↓0.333)
1
(↓1)
14013
(+1)
8
(+4)
4
(+1)
1
(-)
0.275
(↓0.035)
2.670
(↓0.78)
2
(1↑)
楽天
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
1408
(+2)
6
(+1)
3
(-)
1
(-)
0.204
(↓0.028)
2.000
(↑0.5)
4
(1↑)
西武
120 0.333
(↑0.333)
2
(-)
1408
(+4)
13
(+1)
2
(+1)
3
(+2)
0.243
(↓0.01)
3.210
(↑1.05)
4
(1↓)
日本ハム
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
1406
(+1)
8
(+2)
0
(-)
3
(+3)
0.181
(↓0.041)
2.250
(↑0.59)
6
(1↓)
ロッテ
030 0.000
(-)
3
(↓1)
1403
(+3)
16
(+5)
0
(-)
0
(-)
0.188
(↑0.052
5.630
(-)