西武(☆4対1★)オリックス =リーグ戦3回戦(2023.04.02)・ベルーナドーム=
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ORIX
0000001001611
西武
00000103X4601
勝利投手:佐藤 隼輔(1勝0敗0S)
(セーブ:青山 美夏人(0勝0敗1S))
敗戦投手:ワゲスパック(1勝1敗0S)

本塁打
【オリックス】ゴンザレス(1号・7回表ソロ)
【西武】マキノン(1号・6回裏ソロ)

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◆西武は0-0で迎えた6回裏、マキノンのソロで試合の均衡を破る。その後同点とされるも、8回には鈴木の適時三塁打などで3点を加え、再びリードを奪った。投げては、先発・平良が7回1失点9奪三振の好投。敗れたオリックスは、4番手・ワゲスパックが誤算だった。

◆西武平良海馬投手(23)が、2日のオリックス戦(ベルーナドーム)でプロ初先発する。前日の1日は、ベルーナドームのブルペンで19球の投球練習。「あまり緊張感はなくて、オープン戦の延長という感覚です。楽しみの方が強いです」と心待ちの様子だった。昨季までの5年間通算203試合に登板し、31セーブ、94ホールドをマーク。通算防御率1・66と抜群の安定感を誇るリリーバーとして活躍し、昨オフには先発転向を直訴。今季から正式に先発転向することが決まっていた。オープン戦では17イニング無失点と万全の状態で臨む。オリックス打線を「(昨日は2本の)ホームランということで、外野フライは怖いなと思いましたし、そうならないためにゴロを打たせる投球をしていきたいなと思いました」と細心の注意を払う構えだ。

◆13年ぶりの開幕2連勝となったオリックスの3戦目のスタメンが発表された。打線は2番二塁に西野真弘内野手(32)を入れるなど、前夜から2人の打順を変更。ポジションは遊撃の野口、捕手の森、三塁の宗以外の6人を入れ替えた。ここまで3戦連続で異なるオーダーとなった。1日は、開幕戦から7人の打順やポジションを入れ替えて14安打9得点で勝利。若月健矢捕手(27)をプロ初の指名打者で先発させるなど、大胆な采配が光った。難敵の西武平良を打ち崩し、3連勝なるか。

◆タレント柳沢慎吾(61)がいろいろと詰め込んで、およそ8分ほどの始球式を行った。前日1日に閉幕したばかりとあってか、まずはセンバツ高校野球の開会式を再現。山野辺翔内野手(28)平沼翔太内野手(25)山村崇嘉内野手(20)の3人が選手役となり、大会委員長に扮(ふん)した柳沢が壇上であいさつ。「え~、君たち、おめでとう」と話し始めたが、長くなりそうなためにカットされた。その後、大会歌「今ありて」をアカペラで斉唱した。熱唱後ようやく、柳沢はマウンドへ。三菱UFJ信託学園(神奈川)対CHIBEN(和歌山)という設定のセンバツ決勝戦。柳沢は智弁和歌山のアルプス席でおなじみ「アフリカン・シンフォニー」を歌いながら、途中にペッパーミル・パフォーマンスや、WBCでの大谷翔平の「憧れてしまったらそこを超えられないので」とインスパイアしたVTRを絡めた。警察のトランシーバーネタも混ぜ込んだ。最後にようやくど真ん中にストライク。捕手役は15年春に敦賀気比(福井)でセンバツ優勝投手になった平沼。三菱UFJ信託学園の校歌を歌い、メロディーは例年通り、やはり横浜高校風だった。【金子真仁】

◆プロ初先発した西武平良海馬投手(23)の先発初白星は、次回の登板以降に持ち越しとなった。通算防御率1・66を誇っていた絶対的リリーバーは、昨オフに球団に直訴し、今季から先発に転向した。この日はプロ6年目、自身通算204試合目の登板にして初めての先発マウンドだった。6回まで無失点に抑え、チームも1-0とリードしていたが、7回にオリックス・ゴンザレスに同点ソロを浴びた。その裏に味方打線が勝ち越せず。8回から2番手水上にマウンドを譲った。7回115球、5安打9奪三振で1失点だった。本塁打は浴びたものの、外野フライは1本もなかった。今季の対外試合で続けていた連続イニング無失点は「26」で止まった。降板後、球団広報を通じ「初先発でしたが緊張はしなかったです。最後にホームランを打たれましたが、7回1失点という内容は全体的にまずまずだったと思います。ここ最近調子も良く、自分にとっては今日が開幕でしたが、楽しんで投げることができました。特に森さんとの対戦は面白かったです」とコメントした。

◆西武の新外国人デビット・マキノン内野手(28)が来日第1号を放った。両チーム無得点の6回1死、オリックス山岡の浮いたチェンジアップを引っ張り、打球は左翼席最前列に吸い込まれた。来日12打席目での1発は、投手戦での貴重な先制ソロに。試合中、球団広報を通じ「前の2打席と少し手の動き、リズムの取り方を変えようと思って打席に入ったんだ。難しい球だったと思うけど、うまく打つことができて良かったよ」とコメントを寄せた。マキノンは昨季途中までエンゼルスでプレーし、大谷翔平投手(26)とチームメートだった。3月16日のWBC準々決勝、イタリア-日本(東京ドーム)も生観戦。大谷の投球をスタンドから見つめ、後日には「日本のファンの皆さんのエネルギー、盛り上がる熱い応援も見ることができたので、すごく楽しく興奮する試合でした」と回想していた。【金子真仁】

◆オリックス新助っ人のマーウィン・ゴンザレス内野手(34)が、開幕3戦目で来日1号ソロを放った。1点を追う7回1死。西武の先発平良の149キロツーシームを捉えた打球は、左翼スタンドギリギリに吸い込まれた。「チームに勝つチャンスを与えることができたという意味で、いいホームランだった」。その後勝ち越しを許してチームは今季初黒星を喫したが、これからのシーズンにつながる1発となった。ダイヤモンドを1周しベンチに戻ると、カメラではなく杉本に向かって「かめはめ波ポーズ」を披露していた。「シーズンが始まる前にラオウ(杉本)とパフォーマンスについて話をした。その中で『かめはめ波やろうかな』という話をしていて、ちょっと遊んだだけで。みんなに分からないように、小さくやったんですけど、バレてたよ」今後も続けるかを聞かれると「たぶん、そう考えているよ」と返答。次は4日からホームでソフトバンクを迎える。「かめはめ波」を連発したい。

◆オリックスが開幕3連勝を逃した。先発の山岡泰輔投手(27)は西武平良と投げ合い、5回2/3を3安打1失点と粘投。1点を追う7回1死、7番マーウィン・ゴンザレス内野手(34)が左翼スタンドギリギリへ来日1号ソロを放ち、1度は同点に追いついた。しかし、4番手のジェイコブ・ワゲスパック(29)が、先頭に四球を出すなど2安打3失点。今季初黒星となった。中嶋聡監督(54)は山岡を「本当にいいピッチングだった」とねぎらい、一方でワゲスパックには奮起を促した。「ちょっと最近、四球が増えてきたのかなと思うんだけど。力で押し込めるはずなので、そこはやってもらいたいと思いますけどね」。3戦目は黒星となったが、2勝1敗と開幕カードを勝ち越し。「勝ちたいのは当たり前のことなんですけどね。内容といろんなことを照らし合わせながら、やっていかなきゃいけないと思いますし、長いシーズンが始まった1カード目なんでね」。次戦はホーム開幕戦となる4日ソフトバンク戦(京セラドーム大阪)。一喜一憂せず、3連勝の相手に挑む。▽オリックス山岡(5回2/3を3安打1失点と粘投)「なんとか先に点を与えないように、最少失点でいきたいと思ってマウンドに上がっていた。6回はホームランもだが、その後の四球を反省しないといけない」

◆西武松井稼頭央監督(47)の胸が高鳴った。「選手の時はこれほどドキドキしたことはなかった。見守るっていうのはあらためて、これだけ自分が緊張するのかと」。現役時代、数々の勲章を得たスターがホッとひと息ついた。采配の2文字に直面した3連戦だった。クローザーに抜てきしたドラフト4位青山が開幕戦でオリックス森に同点弾を打たれたが、この日も9回に送り出した。「やり返してほしいと思ってましたから。リードしたら何点差でも行くって決めてました」。西武は今、黄金時代ではない。勝利と育成の両立。難しい命題に選手、コーチ陣と手を取り合って取り組んでいる。記念すべき1勝は8回、鈴木の2点適時三塁打で決めた。今年のチームスローガンを「走魂」に定めた。「二塁打を三塁打に。そこって一番盛り上がると思うんですよ。ファンの皆さんもベンチも盛り上がる。エンターテインメントですからね」。巨漢の山川は一塁から激走し、ホームを踏んでわかせた。満員のファンの中、思い描いたシーンが勝利に導いてくれた。8回の大ピンチで森を力強く抑えた2年目佐藤隼の心意気もほめた。「栗山や中村がいて、山川もいてるわけですから。若い選手が思いっきりやってもらえたら」追える背中がいるから、勇気を出せる。輝ける未来を信じ、とことん寄り添う。皆で大きな獅子になるための1年だ。【金子真仁】○...白星こそつかなかったものの、先発転向した平良は見事な投球だった。多彩な球種を駆使し、7回115球で1失点。「110球とか投げたことがないので、投げてみて新しく可能性が広がったと思います」と笑顔を見せた。外野フライを打たれないよう意識して臨み、実際に外野フライのアウトはゼロ。「本塁打で外野に打球が上がった以外は、100点だと思います」と胸を張った。

◆西武青山美夏人投手(22)が堂々と9回を抑え、松井稼頭央監督(47)の記念すべき指揮官1勝目に大きく貢献した。ヒーローインタビューを終え、今年から復活したビクトリーロードの階段を上る。「初めてのヒーローインタビューで、今年(チームで)初めてのが自分だったので。初めてづくしで。変な感覚っていうか。プロになったんだなって思いました」と照れた。3月31日の開幕戦、1点リードの9回のマウンドに抜てきされた。2死後、オリックス森に同点弾を浴び、チームはその後延長戦で敗れた。その夜よりも、1日の夜の方が考え込んだ。「昨日の夜のほうがなんか、それで負けが続いちゃったので、昨日の夜のほうが寝られなかったです」託された仕事の責任の大きさをあらためて実感する夜だった。ただ、1日は笑顔もあった。連敗した試合後、ファンとのエアハイタッチイベントに参加。約500人と交流した。「抑え、頼むぞ」「応援してます」と多くの言葉が。「勇気をもらった気がします」。だから、ビビることなんてない。僅差で進んだこの日の開幕3戦目。「大事な試合、燃えてました」。ブルペンで待機していると8回、先頭のマキノンが四球を選んだ。「ランナーが8回に出た瞬間にもう(勝ち越しを)信じてたので。『今日、絶対行くぞ』というのは心で思っていました」3点差のマウンドには、開幕戦以上の拍手と歓声で送り出された。ありあまる勇気を胸に投げ込む。横浜隼人高の先輩、宗にいきなり安打されるなどでピンチを迎えたが「ここで折れたら、この前の負けが生きてこない。そこはもう、強気で攻めました」。あどけなさが残る表情から投げ込むボールは、数字以上に力強い。亜大4年秋、国際大会の疲労から球威を落としたことで4位指名まで残っていたが、当初は"ドラ1"の12人に名前が挙がった逸材。「このポジションを任された以上は、1年目とか関係なく、チームに貢献することだけを考えてやってます」。入団早々、いきなりの試練が待っていたフレッシュマンは、すぐさま頼もしくやり返した。【金子真仁】

◆西武佐藤隼輔投手(23)が修羅場をくぐり抜け、勝利投手になった。同点の8回、2番手水上が四球の走者を許し、その後2死三塁に。オリックス5番の森を迎えるところで「左対左」となり、佐藤隼がマウンドへ向かった。初戦にはチームが9回に同点弾を浴びている、元同僚。しかもリーグ屈指の強打者。だが佐藤隼は「昨日のほうが緊張したんで」と堂々と投げ、やや深めながら中飛に打ち取った。プロ2年目の今季はリリーフ左腕として期待される。前日1日には自己最速155キロを投げ、連投となったものの「練習から身体も普通に動いてたんで。張りも問題ないです」と頼もしく話す。8回裏に味方が勝ち越し、勝利投手になった。「そうです、実は」と笑顔。「平良がしっかり投げてくれたので、僕は付いただけです。平良がナイスピッチだと思います」とチームメートをたたえていた。【金子真仁】

◆西武のドラフト4位、青山美夏人投手(22)は人知れず"ある感情"を抑えていた。プロ初セーブを挙げた。両親への思いを問われると「やったぞ、やり返したぞ、って言いたいです」と笑顔で胸を張った。3点差を守り、チームを今季初勝利に導いた。お立ち台に立った。「初めてづくしで。変な感覚っていうか。プロになったんだなって思いました」とあどけなさの残る表情で照れた。開幕戦の9回、同点弾を浴びた。「早く投げたい。早くリベンジしたい」。悔しさは出さずとも、ボールには確かに乗り移った。しかし。悲しみだけは、誰にも見せなかった。リベンジを期していた2日の試合前、父洋さんからLINEが届いた。「ばあちゃんが今朝、亡くなりました。試合に出たら頑張ってくれ」祖母の佳園子(かえこ)さんが2日未明、息を引き取った。84歳だった。「自分、ばあちゃん子だったんですよ。小さい時とかも、近くに住んでいたので、泊まりに行ったりもして。本当に優しくて。自分、1人っ子だったので」開幕戦で打たれ、翌1日もチームは敗れた。「開幕戦の夜よりは、負けが続いちゃったので、昨日の夜のほうが寝られなかったです」。寮のベッドで責任を感じていた、そんな時間帯のことだった。「これから長いシーズンになると思いますが、自分がしっかり最後を締めくくって、もっともっと勝利を届けたいと思います」ばあちゃんのために-。満員のファンに笑顔で誓ったその裏で、好青年は涙を隠していた。【金子真仁】

◆西武鈴木将平外野手(24)のひと振りが、チームに今季初勝利をもたらした。6番左翼として今季初めてスタメン出場し、迎えた同点の8回2死一、三塁での第4打席。「自分が決めてやろうって思って打席に入っていたので」。オリックス・ワゲスパックにフルカウントを作り、最後の149キロ直球を豪快に引っ張る。一塁線を転がり、2点適時三塁打になった。「なかなかタイムリーが出ない展開がずっと続いてたので。そういう中で自分が1本打てたっていうのはすごくうれしいです」二塁を回り、走者が生還し、歓声もどんどん大きくなる。「ここまで歓声を受けてヒットを気持ちよく打てたことは、今まではなかなかなかったので」。声出し応援が解禁となったベルーナドームで、盛り上がりは3連戦での最高潮に達した。ドラフト1位で蛭間拓哉外野手(22)が入団した。「自分たちが固定できないからこそ、蛭間がドラ1で入ってきたと思うんで。悔しさはすごくありました」。とはいえ、バットコントロールと粘り強さは鈴木の真骨頂。3連戦で活躍した愛斗外野手(25)は守備力では誰にも負けない。それぞれがプロの技を出し、チームに貢献する。「ファームからお世話になった監督に、まず1勝目を自分の打点で取れたのはすごくうれしかったですし。こういう試合がもっと増えるように」キャンプから猛アピールしながらオープン戦の守備で負傷した西川愛也外野手(23)も、2軍での実戦復帰が近づいている。誰が一気に突き抜けるか。1勝2敗と負け越しスタートながら、成長過程のチームに好材料は多い。【金子真仁】

◆西武松井稼頭央監督(47)が監督としての記念すべき1勝目を挙げた。笑顔がさわやかな監督にある日、1枚の写真を差し出した。球場の小部屋の写真。じっと眺める。「うーん、どこやろ。東北の上の方かな。うーん、秋田?...いや、ちゃう。あ、盛岡だ」正解だった。メジャーから日本球界に復帰し、楽天入り。岩手県営野球場にも公式戦で訪れた。同球場で長年、用務員を務めてきた松尾ナツエさん(75)が回想する。「松井稼頭央さんがね、私たちの休憩部屋に突然来てくれたの。『ねぇ、ここ、女子会やってるの?』って。私たちも『入って、入って』って。人懐こく入ってきてくれて、にぎやかにちょこちょこ話して」おばあちゃんたちの井戸端会議は、岩手では"お茶っこ"と呼ばれたりする。松井監督もじっと写真を見ながら、柔らかな顔で当時を懐かしむ。「あの時は確か、お菓子とかもらいに行ったんちゃうかなぁ。地方球場に行くとね、球場のおばあちゃんとかって親しみやすさがすごくて。自分のおばあちゃんみたいに感じて」元メジャーリーガーのプライドなど見せず、軽やかに加わった。キャンプインから2カ月。コーチ陣の仕事を尊重しながらも、選手たちに親身に接してきた。西武で育ち、西武に恩返しする立場に。今も昔も球団への思いは変わらない。「やっぱり、ライオンズはファミリーですから」次の時代へ-。岩手県営野球場が53年間の歴史に幕を閉じた2日後、指揮官としての第1歩を飾り、後輩たちの輪に軽やかに飛び込んだ。【金子真仁】

◆西武の新助っ人、デビッド・マキノン内野手(28)が来日初アーチとなる1号ソロを放った。0―0の六回1死。オリックス・山岡のチェンジアップアップを捉えた打球は左翼席ポール際に吸い込まれた。マキノンは「むずかしい球だったけど、うまく打つことができてよかった」とコメントした。

◆オリックスの新外国人・マーウィン・ゴンザレス内野手=前ヤンキース=(34)が、来日初となる1号ソロを放った。「打ったのはツーシームです。センター方向へ打ち返す意識で打席に入っていました。少し遅れ気味のタイミングになってしまったけど、なんとかスタンドまで届いてくれてよかったです!」0-1の七回一死。右腕・平良に対し左打席に入り、カウント1-1からの3球目、外角の149キロのツーシームを逆らわずに左翼席へ弾き返す同点に追いつく一発だった。開幕2戦目では、来日初安打を含む、両打席で2安打をマーク。メジャー通算107発と実績のある助っ人が本領を発揮する。

◆西武が今季初勝利。1ー1の八回、鈴木の2点三塁打などで3点を勝ち越した。平良がプロ初先発で7回1失点と好投し、好救援した3番手の佐藤隼が勝ち星で、新人の青山が初セーブ。オリックスは4番手のワゲスパックが崩れた。

◆オリックスは開幕3連勝を逃した。0―1の七回、好投を許していた平良からゴンザレスが来日初本塁打のソロを放って追い付いたが、八回に登板したワゲスパックが誤算だった。先頭への四球をきっかけにピンチをつくり、鈴木に勝ち越しの2点三塁打。さらに暴投でもう1点失った。昨年の日本シリーズで胴上げ投手となった剛腕の独り相撲に、中嶋監督は「最近四球が増えてきた。力で押し込めるはずなので、そこはやってもらいたいと思う」と改善を求めた。

◆西武の平良は通算204試合目の登板で初先発し、7回で5安打1失点。勝敗は付かなくても、昨季の最優秀中継ぎ投手は転向した先発で役目を堂々と果たし「全部が初めてのことだったので、本当に楽しめた」と充実感を漂わせた。力強い速球にカットボールも鋭く、9奪三振。1―0の七回1死でゴンザレスに外のツーシームを左越えへ同点ソロとされても後続は断った。100球を過ぎても球速は150キロ超。115球を投げ「疲れはあるが、悪くない(体の)張り」とスタミナ面の収穫も得た。

◆開幕3戦目で初勝利を手にした。就任1年目の西武・松井稼頭央監督(47)が首脳陣と握手をした後、外崎からウイニングボールを受け取った。「初勝利は選手たちがよくやってくれた結果。現役時代はこれほどドキドキしたことはなかった」日米通算465盗塁を誇った指揮官はスローガンに「走魂」を掲げた。42年ぶりの最下位に沈んだ昨季はリーグ最少の60盗塁。チーム伝統の機動力復活を目指した。「教えることも大事だが、教えないことも大事」。まずは選手の自発を促し、春季キャンプのスタートを2月6日に遅らせたのも、選手主導で練習をさせるため。ただキャンプ初日には約115メートルのインターバル走を8本、課した。この日の鈴木と愛斗の2盗塁は得点に結びつかなかったが、山川がスローガンを体現した。同点の八回2死一、三塁。鈴木が右翼線へ打球を放つと、体重103キロの主砲・山川が一塁から一気に生還。指揮官は「穂高がああいう姿を見せるってのは非常に大きい」と目を細めた。狙うのは2019年以来のリーグ優勝、08年以来の日本一。「これでライオンズの2023年がスタートする。いいときも悪いときもあるが、常に前向きにやっていきたい」。白星に浮かれることなく、表情を引き締めた。(石井孝尚)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
300 1.000
(-)
-
(-)
14016
(+5)
3
(+3)
2
(-)
3
(+2)
0.309
(↓0.015)
1.000
(↓1)
2
(1↓)
ORIX
210 0.667
(↓0.333)
1
(↓1)
14013
(+1)
8
(+4)
4
(+1)
1
(-)
0.275
(↓0.035)
2.670
(↓0.78)
2
(1↑)
楽天
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
1408
(+2)
6
(+1)
3
(-)
1
(-)
0.204
(↓0.028)
2.000
(↑0.5)
4
(1↑)
西武
120 0.333
(↑0.333)
2
(-)
1408
(+4)
13
(+1)
2
(+1)
3
(+2)
0.243
(↓0.01)
3.210
(↑1.05)
4
(1↓)
日本ハム
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
1406
(+1)
8
(+2)
0
(-)
3
(+3)
0.181
(↓0.041)
2.250
(↑0.59)
6
(1↓)
ロッテ
030 0.000
(-)
3
(↓1)
1403
(+3)
16
(+5)
0
(-)
0
(-)
0.188
(↑0.052)
5.630
(-)