巨人(☆3対2★)中日 =リーグ戦3回戦(2023.04.02)・東京ドーム=
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中日
1000000102810
巨人
00000111X3701
勝利投手:鍵谷 陽平(1勝0敗1S)
(セーブ:大勢(0勝0敗1S))
敗戦投手:清水 達也(0勝1敗0S)

本塁打
【巨人】丸 佳浩(1号・8回裏ソロ)

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◆巨人は1-1で迎えた7回裏、代打・長野の適時打で勝ち越しに成功する。直後に同点を許すも、8回には丸のソロが飛び出し、再びリードを奪った。投げては、先発・赤星が7回1失点の好投。4番手・鍵谷が今季1勝目を挙げた。敗れた中日は、救援陣が振るわなかった。

◆コンディションの問題で開幕から2試合で登板回避していた巨人の守護神・大勢投手(23)が、試合前練習に参加し、傾斜で捕手を座らせて9球を投げ込んだ。約70メートルの距離でキャッチボールすると、距離を縮めて約20メートルで平地で立ち投げ。阿波野投手チーフコーチやトレーナーと話し合った後、東京ドームの外野に設置された傾斜にロジンを持参して移動。変化球も交えて9球を投げ込んだ。前日2日の試合前練習では約50メートルのキャッチボールを行い、ランニングやノックなどのメニューを消化していたがベンチから外れた。原監督は同戦後、「昨日とそうそう変わりはなかった。明日は明日になってというところですね。投げられない人をなかなかベンチに入れる余裕はありませんので、明日はまたどういう風になるかというところですね」と説明していた。3月31日の開幕戦ではベンチ入りも1点リードの9回に登板せず、チームは逆転負け。試合後、原監督は「マウンドに上げる状況ではなかったということですね」と話し、阿波野投手チーフコーチも「コンディションの部分を考えて、試合前である程度、意思統一させてもらいました。1日ずつ状態を確認しながらということになります」と説明していた。

◆東京ドームのライトスタンドの「○○より巨人」パネルに注目が集まっている。WBC期間中は「妻より大谷」の応援パネルがSNSでも話題に上がった。「見つかったら明日家族会議やろ」と心配する声も...。3月31日開幕戦の中日戦でも「妻より巨人」の応援パネルを掲げる男性ファンが発見された。「妻より大谷」と同一人物かは不明。さらに1日の第2戦では「妻より巨人」の男性ファンが2人並び、その隣には「彼より巨人」を掲げる女性ファンが出現した。WBCをきっかけに「○○より○○」パネルが増殖中だ。今日2日の3戦目は一体「○○より巨人」が新たに掲出されるのか...。「宿題より巨人」「仕事より巨人」「花見より巨人」などさまざまなパターンが予想させる。また、SNSでは、かつて甲子園では阪神の勝利時に「阪神勝って夫婦円満」という横断幕が掲げられていた時代もあったという情報も寄せられている。

◆今日こそはチームで戦う! 巨人の新副キャプテン・吉川尚輝内野手(28)が円陣の声出し役を担当。「昨日はナイスゲームでした。ここ2試合、『中田個人軍』なので、今日は巨人軍として戦いましょう!」と声を張り上げた。ナインからは中田翔に向けてとみられる「ヘイヘイー!」というやじも。明るい雰囲気で試合前のベンチをもり立てた。開幕から2試合は全5打点を中田翔が挙げ、SNS上では「中田個人軍」がトレンド入りしていた。ファンはツイッターで「中田個人軍卒業しないと」「チーム内でもイジってて草」「中田個人軍て言われてたの知ってるのね」とのつぶやきが見られた。

◆女性お笑いコンビの「天才ピアニスト」が始球式を務めた。2人は昨年12月に開催された日本テレビ系番組「女芸人No.1決定戦THE W」で優勝し、副賞として始球式への出演権を獲得した。竹内知咲(31)がマウンドに。ツーバウンドで上沼恵美子さんのモノマネで知られる捕手役のますみ(35)に投じた。竹内は「さんまさんの番組より緊張します。ソフトボール日本代表みたいな顔してるんだから、届かせたかったんですけど」と悔しがった。ますみは「H神タイガースファン」と思わず、ぽろりした上で「やっぱり4万人以上のお客さんに囲まれて、迫力満点でめちゃくちゃいい経験になりました」と感謝した。

◆自らのバットで有言実行した。巨人の新副キャプテン・吉川尚輝内野手(28)が1点を追う6回2死一、二塁、中日福谷の148キロ直球にしぶとく当てて左前に落とした。アルモンテが処理にもたついている間に二塁走者大城卓が本塁に生還し、試合を振り出しに戻した。一塁ベース上で力強く右拳を掲げて喜んだ。これが中田翔を除いたチーム初打点となった。開幕から2試合は中田翔が全5打点をマーク。前日1日にはSNS上で「中田個人軍」がトレンド入りした。この日の試合前の円陣で声出し役を担当した吉川は「ここ2試合『中田個人軍』なので、今日は巨人軍として戦いましょう!」と声を張り上げていた。自らの言葉通り、今季初打点を挙げて「中田個人軍」卒業に貢献した。

◆開幕3戦目にして、巨人は中田翔内野手(33)以外から打点が生まれた。「脱中田個人軍」にファンも安堵(あんど)した。1点を追う6回2死一、二塁。吉川が左前適時打を放った。開幕からの2試合は全5打点を中田翔が挙げ、SNSでは「中田個人軍」がトレンド入りした。これにツイッター上では「やっと中田個人軍から抜け出したわw」「【祝】中田個人軍脱出」「中田個人軍が終わった」「ようやく中田個人軍脱却」などのつぶやきが相次いだ。

◆巨人が「サカチョー」で勝ち越した。同点の7回無死一、二塁、今季ここまで無安打の坂本がきっちり犠打を決めた。大城卓が申告敬遠され、代打長野久義外野手(38)がコールされた。広島から5年ぶりに巨人復帰初打席は絶好の場面だった。カウント1-1から中日勝野の外角スライダーに食らいついた。三遊間をしぶとく左前適時打。打球に視線をやりながら右拳を突き上げて一塁へ向かった。ベース上ではベンチのナインを指さし、呼応した。勝ち越しの一打に坂本もベンチの前まで飛び出して両手でガッツポーズをつきあげた。5年ぶりに長野久義が、5年ぶりにサカチョーが巨人に復活した。

◆「サカチョー」コンビで勝ち越し点をもぎ取った。7回無死一、二塁、今季いまだに無安打の坂本が1球で犠打を決めて1死二、三塁。続く大城卓が申告敬遠で歩かされ、ブリンソンの場面で代打長野が復帰後初打席へ。長野はカウント1-1から中日勝野のスライダーを捉えて左前へ。勝ち越し適時打を放って一塁ベース上で笑顔でガッツポーズした。SNS上では5年ぶりにタッグを組んだ坂本と長野の「サカチョー」コンビの姿にファンが歓喜。「サカチョー尊い」「サカチョーは永遠」「坂本がチームプレーに徹して長野がチャンスで1本出た」とのツイートが見られた。

◆巨人坂本勇人内野手(34)がチャンスでバットを横に寝かせた。7回無死一、二塁。中日がマウンドに集まる間に三塁コーチの亀井善行打撃コーチと話を交わした。その初球。ここまで開幕から9打席無安打だった坂本は送りバントをした。勝野の133キロスライダーを投手前にうまく勢いを殺して転がした。チャンスを拡大させた。この犠打が勝ち越しにつながった。1死満塁から長野が左前適時打。「サカチョー」で勝ち越し、ベンチの坂本も笑顔をはじけさせた。

◆「マルチョー」コンビがともに外野守備についた。今季から5年ぶりに巨人に復帰した長野久義外野手(38)が、7回1死満塁、ブリンソンの代打で復帰後初打席に立つと、左前に同点適時打を放った。そのまま8回に左翼の守備についた。中堅だったブリンソンが下がったため、右翼だった丸が中堅に。投手交代の場面では2人で外野で話し込む場面もあった。長野は19年1月に広島から巨人にFA加入していた丸の人的補償で広島に移籍となっていた。SNSでは「長野さんと丸の守備が見られるなんて幸せ」「こんな光景見られると思ってなかった」「レフト長野、センター丸、エモすぎる」とのツイートが相次いだ。

◆開幕から12打席目での初安打が、最高の仕事となった。巨人丸佳浩外野手(33)が勝ち越し&決勝の1号ソロを放った。2-2の同点に追い付かれた直後の8回1死。中日清水の初球を一振りで仕留めた。123キロカーブにタイミングを合わせた。速球を待ちながら、うまく反応した。打った瞬間に、それを分かる打球で右翼席に運んだ。今季初安打は試合を決める1発となった。「僕自身、打ててなかったですし、ヒットを打ちたい気持ちだった。何とか後ろの打者が調子いいので、どんな形でも塁に出ようと思って思いっきりいったんですけど、久しぶりにいい当たりが打てました」とかみしめた。前の2試合は全5打点を中田翔が挙げ、SNSでは「中田個人軍」がトレンド入りした。この日の試合前の円陣では吉川が「ここ2試合、『中田個人軍』なので、今日は巨人軍として戦いましょう」は鼓舞していた。丸は「今日はそれを体現できたと思います」。見事に試合を決めた。

◆巨人が「中田個人軍」を卒業して開幕カード勝ち越しを決めた。2年目右腕の先発赤星が1回に先制を許すも、以降は粘りの投球を見せた。変化球を交えながら尻上がりに安定感のある投球で7回5安打1失点とハイクオリティースタートを達成した。打線も赤星の好投に応えた。6回2死一、二塁、吉川が左前へ同点適時打。開幕2戦は全5打点を中田翔が挙げていたが、初めて中田翔以外の打点で試合を振り出しに戻した。すると7回1死満塁から、長野が代打で5年ぶりの復帰後初打席に立つと、左前に勝ち越し適時打を放った。8回に中日細川に同点打を浴びるも、裏にすぐさま丸が1号勝ち越しソロ。最後は開幕2戦を登板回避していた大勢が3者凡退で締めて、今季初セーブ。2勝1敗で、カード勝ち越しを決めた。

◆巨人「サカチョー」にSNSが涙した。同点の7回無死一、二塁、今季ここまで無安打の坂本がきっちり犠打を決めた。大城卓が申告敬遠され、代打長野久義外野手(38)が一時勝ち越しとなる左前適時打をマークした。5年ぶりに広島から復帰し、初打席初安打にツイッターでトレンド入り。「満塁で代打長野のタイムリーに感極まってしまった」「坂本バントで敬遠挟んで代打長野ほんで打つんは敵ながら鳥肌もんやった」「坂本っちゃんが一番嬉しそうだったなぁ」「それにしても長野の応援歌はマジ最高すぎだわ!」「こんなん全巨人ファン泣くじゃん...」と投稿が相次いだ。坂本がベンチの前まで飛び出して長野に向かって両手でガッツポーズをつきあげたシーンがファンの心に染みた。5年ぶりに長野久義が、5年ぶりにサカチョーが巨人に復活した。

◆今季から5年ぶりに巨人に復帰した長野久義外野手(38)が、復帰後初打席で貴重な勝ち越し適時打を放った。7回1死満塁、ブリンソンの代打で登場。カウント1-1から中日勝野のスライダーを捉えて左前へ。勝ち越し適時打を放ち、一塁ベース上で笑顔でガッツポーズした。長野は「(岡本)和真、(中田)翔、(坂本)勇人みんながつないでくれたチャンスだったので何とかしなければという打席でした。ファンの皆さんの声援が打たせてくれました。ありがとうございます」と感謝した。東京ドームのファンも長野の帰還に大歓声で歓迎した。代打長野がコールされると、場内から割れんばかりの大歓声が起こった。さらに左前適時打を放った後、チェンジして左翼守備につく時など、繰り返し大声援で貴重な一打をたたえていた。

◆開幕2戦の登板を回避していた巨人大勢投手(23)が圧巻投球で戻ってきた。1点リードの9回に登板すると、中日の溝脇、加藤翔をフォークで内野ゴロに打ち取ると、最後は岡林をフォークで空振り三振。最速157キロの直球とフォークの組み合わせで3者凡退に仕留めた。直球5球の平均球速は156キロだった。9回を締めて豪快にガッツポーズ。お立ち台では「ただいま帰りました! すごく後押ししていただいたので抑えることができました、ありがとうございました」と感謝した。開幕戦はベンチ入りも原監督は「マウンドに上げる状況ではなかったということですね」と1点リードの9回に登板せず、チームは逆転負けを喫した。1日の同戦ではベンチから外れ、この日登録メンバーに復帰となった。出場できなかった2試合は「責任を感じてましたし、去年ずっと9回を投げてたので。セーブシチュエーションで、自分が立ってないことに悔しい気持ちはありますし、何もできないっていう悔しい気持ちはあった」と指をくわえて見ていた。野手陣からは「戻ってきたときに返してくれよ」と言葉をかけられ「まだ1試合ですけど抑えられてよかった。140試合近く残っているので、ファンの声援を力に変えて、チームのために力になれたらいいなと思います」と力を込めた。

◆開幕2戦の登板を回避していた巨人大勢投手(23)が「#大勢は塩」ポーズとともに東京ドームに戻ってきた。1点リードの9回に登板して3者凡退で勝利を締めくくると、お立ち台で決勝アーチの丸の隣でおとぼけ顔で塩ふりポーズを披露した。WBCで世界一に貢献した大勢は、ヌートバーが見せる「ペッパーミルパフォーマンス」に合わせて塩をふるポーズを披露。日刊スポーツ侍ジャパン担当がフォロワーからの意見を募って決定した「#大勢は塩」はすぐさまグッズ化され話題に。この日も登板後には「#大勢は塩」がトレンド入りしていた。

◆巨人ドラフト4位の門脇誠内野手(22)が開幕3戦目でプロ初打席に立った。長野の適時打直後の7回1死満塁、代打で登場。中日勝野の初球フォークをフルスイングも二ゴロに倒れた。開幕2戦目までは出場機会なく、創価高校1年時から大学4年まで、公式戦999イニングでフルイニング出場中だった記録は途切れたが、プロの舞台で積極姿勢を示した。

◆巨人大勢投手(23)が「大谷理論」で左打者が並んだ中日打線を封じた。1点リードの9回に登板すると、中日の溝脇、代打加藤翔をフォークで内野ゴロに打ち取った。最後は岡林をフォークで空振り三振に仕留めた。昨季は被本塁打が対右が1本に対して対左が6本。左打者を3人並べた中日打線に対して、WBC期間に学んだエンゼルス大谷の教えを生かした。大勢は「左左左だったので去年のデータだったらそうくるかなと。大谷さんにもWBCで左打者対策を聞いていたので、自信をもっていけました」と感謝した。具体的な内容については「ちょっといえないですね」と企業秘密を貫いたが「いろいろなこと、気持ち的にも技術的にもそうですし、いろんなことを教えていただきました」とスーパースターの教えを胸に刻み込んだ。

◆巨人赤星優志投手(23)は7回5安打1失点で先発の役目を果たした。失点は初回の1点だけ。2回から7回までスコアボードには0を並べ続けた。得意のシュートで右打者の内角をえぐった。新球チェンジアップも効果的にまぶした。「しっかりカウントを取れましたしゴロを打たせることもできた」とうなずいた。勝ち負けは付かなかったが、安定感ある投球で、7回まで84球で投げきった。「初回に先制点を取られてからずっと走者を出しての投球だったが、粘って0でつなげられて良かった」と振り返った。原監督は「尻上がりに良くなってきましたね。1球1球、少々自信を持ちながら投げている姿というのは昨年より成長したなと思います」とたたえた。▽巨人赤星(7回を5安打1失点)「初回に先制点を取られ、走者を出しての投球だったが、そこからは粘って0でつなげられたのでよかった。(新球チェンジアップは)しっかりカウントを取れたし、ゴロを打たせることもできた」

◆巨人坂本勇人内野手(34)が、チャンスでバットを横に寝かせた。7回無死一、二塁。中日がマウンドに集まる間に三塁コーチの亀井善行打撃コーチと話を交わした。その初球。ここまで開幕から7打数無安打だった坂本は送りバントをした。勝野の133キロスライダーを投手前にうまく勢いを殺して転がした。チャンスを拡大させた。この犠打が一時勝ち越しにつながった。1死満塁から長野が左前適時打。「サカチョー」で勝ち越し、ベンチの坂本も笑顔をはじけさせた。原監督は試合後、「あれ100人いたら、何人くらいがバントと思ったでしょうかね。僕は100人いたら100人バントだと思ったけどね。彼も1発目で決めたのがね。流れを出してくれた」とたたえた。

◆中日は2年連続で開幕巨人3連戦を負け越した。ビシエド、大島を外し、2番からカリステ、アルモンテ、アキーノを並べ、6番に細川と新戦力を起用したが、2得点止まり。同点の8回に清水達也が丸に決勝ソロを浴び連敗した。立浪監督は「清水も不用意にいったわけじゃない」と、セットアッパーを擁護。打線組み替えには「ビシエド、大島は休みもいれながら、競争もしながらやっていく」と説明した。▽中日清水(同点の8回に登板し、丸に勝ち越しソロ被弾)「(カーブは)自信を持っている球。丸さんがうまく打ったとしか言えない。悔いはない」▽中日福谷(6回4安打1失点で降板)「次はないと思って毎回投げている。最後に点を取られたのが、他の5人と違うところだと思います」▽中日細川(移籍後初スタメンで8回に一時同点となる適時打)「思い切って振った。与えられたチャンスでアピールしたい」

◆巨人のサカチョー復活に東京ドームが揺れた。坂本勇人内野手(34)が犠打でつなぎ、長野久義外野手(38)が代打適時打を決めた。同点の7回1死満塁、岡本和、中田翔、大城卓を塁上に、5年ぶりにチームに帰ってきたベテランが一時勝ち越し打をマークした。同点に追いつかれた8回には丸が1号決勝ソロ。9回は守護神大勢が今季初登板で初セーブを挙げ、中日との開幕カードを2勝1敗で勝ち越した。坂本はサインにうなずいた。同点の7回無死一、二塁、中日勝野を前に上体をかがませた。初球の133キロスライダーを投前にきっちりと犠打を決めた。長野は一塁側ベンチ裏のミラールームで準備を整えていた。大城卓の申告敬遠で1死満塁、代打長野がコールされた。広島から復帰後、初打席。大歓声で東京ドームが揺れた。4年間、聞けなかった応援歌が響いた。坂本がタオルを首からかけて、ベンチ下手の最前列から身を乗り出した。スタンドは応援歌からチャンステーマに切り替わった。長野が打席の土を蹴りながら漆黒のバットを立てた。カウント1-1からの外角に逃げる137キロスライダーをつかまえた。ワンバン、ツーバン、スリーバンと弾み、三遊間を破った。坂本はベンチの柵を越えて飛び出した。両手でガッツポーズした。無邪気に両手をたたいて喜んだ。長野は右拳を突き上げた。「和真、翔、勇人、みんながつないでくれたチャンスだったので何とかしなければという打席でした」。左人さし指を立ててベンチに呼応した。11年前の伝説の名シーンとシンクロした。2012年。坂本と長野が最終戦で最多安打のアベック受賞を決めた。3安打目で安打数が追いついた二塁ベース上の坂本に、長野は一塁側ベンチから両手でガッツポーズを繰り返した。背番号6と7。サカチョーには2人だけの深い絆がある。スタンドのみならず、全ての巨人ファンがつくりだす特別な空気感が、サカチョーを物語っている。坂本は今季ここまで7打数無安打と苦しむ。長野は8回2死二塁で高橋周の左翼ファウルゾーンのライン際の飛球を捕球しきれず「投手に迷惑をかけてしまいました。下手くそなのでしっかりと練習します」と猛省した。幾多の苦楽をともにした最愛の最強コンビ。サカチョーが復活した。【為田聡史】

◆巨人の守護神・大勢投手(23)がお立ち台で軽快に言った。「ただいま帰りました!」。右手指にマメができたとみられ、開幕2戦を欠場。試合前練習のキャッチボールでベンチ入りが決まり、巡ってきた1点リードの9回を最速157キロ直球とフォークで3者凡退に仕留めた。「少し遅れたんですけど、無事にマウンドに上がることができてよかった」と胸をなで下ろした。WBCで世界一侍として帰国し、新シーズンに向けて調整していた開幕前日に負傷。新人最多となる37セーブを積み上げたセーブシチュエーションでも、2試合とも指をくわえて見るだけ。「責任を感じてました。(同僚が)『戻ってきたときに返してくれよ』と言っていただいた。まだ1試合ですけど、抑えられてよかった」と投げられなかった分は今後の活躍で返す。満員のスタンドへ「優勝目指して頑張りまーす!」と軽やかに宣言した。

◆前日1日はベンチ入りメンバーから外れた巨人・大勢投手(23)がベンチに入った。試合前練習では傾斜を使って力強く腕を振り、変化球も試投。右手の指にまめができた影響でメンバーから外れていたとみられ、原監督は前日の試合後に「投げられない人をベンチに入れる余裕はありませんので」と話していた。

◆広島から5年ぶりに古巣復帰した巨人・長野久義外野手(38)が初打席初安打となる勝ち越しの左前適時打を放った。1-1で迎えた七回無死満塁。ブリンソンの代打で登場。「代打・長野」と名前がコールされるスタンドからは、この日一番の大声援が送られた。カウント1-1から勝野のスライダーを一閃。左前にはじき返し、塁上で右手を突き上げた。先発は日大出身の2年目右腕・赤星が7回1失点と力投。粘りの投球を続ける後輩に頼れるベテランが貴重な援護点をプレゼントした。

◆巨人が競り勝ち、11年連続開幕カード勝ち越しを決めた。2-2の同点に追いつかれた直後の八回1死、3番・丸が右翼席に今季初ヒットとなる1号ソロを放ち、勝ち越し。九回は今季初登板の大勢が打者3人で締め、今季初セーブを記録した。ヒーローインタビューには大勢と丸が登場。一問一答は以下の通り。【大勢の一問一答】――東京ドームにお帰りなさい「ただいま帰りました」――(WBCで)世界一を経験して巨人ファンの待つ東京ドームに帰ってきた。雰囲気はどうだったか「開幕からいきたかったけど、少しチームに迷惑をかけてしまった。『今日いってやろう』という気持ちになったときに(ファンが)後押ししてくれて抑えることができた」――WBCの活躍をファンも見守っていた。力強い存在として戻ってきて、この日を待っていた。今日は特別な日になったか「はい。特別になりました。ありがとうございます」――ちょっとコンディションが整わなかった。今日を見る限り三者凡退。心強い存在になりそう「昨年得意としていなかった左打者で固められたので『よし、やってやろう』という気持ちでマウンドに上がった」――WBCを経験して野球観に変化は「勝つ喜び、勝ったときのともに分かち合う感じが素晴らしいと、あらためて思った」――新しい戦いがスタート。来週以降も厳しい場面の登板も予想される。次の戦いに向けて「世界一になって優勝する喜びを味わってきた。次はファン、チームのみんなと味わいたいと思っている。優勝目指して頑張ります」【丸の一問一答】――勝ち越された直後の八回の裏の打席「ヒットが出ていなかった。ヒットを打ちたい気持ちもあった。後ろのバッターが調子良かったので、『どんな形でも塁に出よう』と思い切りいった。久しぶりにいいバッティングができた」――ファンも心配していた中での今季初ヒットが本塁打「くじけることなく前だけを向いて、一打席一打席を大切にしていた。そうした思いが結果になってつながった。よかった」――終盤まで1点をめぐる攻防。もつれた中での終盤だった「一人一人が自分の仕事をしっかりとやることができた。僕自身もあのようなところで仕事ができてよかった」――開幕カード勝ち越し。接戦となり、厳しい戦いが待っている「1試合目も負けはしたが、最後まで全員で諦めない試合ができていた。『一試合一試合やっていこう』と話をしていた。3連戦、それができた」――今季に向けて「今日の試合のように、最後まで何があっても今季は戦っていく。応援よろしくお願いします」

◆巨人が競り勝ち、開幕カードの勝ち越しを決めた。1―1の七回無死一、二塁で坂本が犠打を決めて好機を拡大し、代打・長野の左前適時打をお膳立てした。原監督は「100人いたら何十人くらいがバントだと思ったでしょうかね。僕は100人いたら100人がバントだと思った」と采配を振り返り、「しっかり一発で決めて流れを出してくれた」と評価した。

◆巨人復帰後の公式戦初打席、それも初スイングだった。長野久義外野手(38)が貴重な左前適時打を放つと、4万人超の観衆をのみ込んだ東京ドームが揺れた。「和真、翔、勇人がつないでくれたチャンスだったので、何とかしなければという打席でした」1-1の七回1死満塁から代打で登場。甘く入ったスライダーを捉えて三遊間を破り、走りながら右拳を突き上げた。絶好機を演出したのは岡本和、中田翔、そして〝サカチョーコンビ〟を再結成した坂本。長野は犠打でお膳立てした坂本らの名前を挙げ、G戦士として2018年9月30日以来、1645日ぶりの安打を振り返った。厚い人望があり、ファンからも愛される。「皆さんの声援が打たせてくれました」。背番号7が巨人に帰ってきた。(鈴木智紘)

◆巨人は11年連続の開幕カード勝ち越しを決めた。WBC日本代表として世界一に輝いたものの、コンディション不良のため開幕2試合で出場しなかった大勢投手(23)が九回を三者凡退に抑えて初セーブ。周囲の不安を一掃した。この男の登場を誰もが待っていた。暗転した本拠地に登場曲が流れると、割れんばかりの歓声が響き渡った。3-2の九回に大勢が初登板。三者凡退で締め、今季初セーブをマークした。「少し遅れたんですけど、無事にマウンドに上がることができて良かった」代打攻勢で左打者を投入されたが、最速157キロの直球とフォークボールで圧倒。WBCで世界一に輝いた剛腕が凱旋(がいせん)登板で貫禄を示した。チーム最多の4試合に登板した国際大会は「すごくアウェーで、隣の人が話している声が聞こえない中でやってきたので緊張はなかった」と、さらりと言ってのけた。コンディション不良のため開幕2試合を欠場。詳細は伏せたが、右手のマメとみられるアクシデントは「開幕前日の練習でやってしまった」。開幕2戦目はベンチを外れ「責任を感じていた。他の投手や野手の方に『戻ってきたときに返してくれよ』と言っていただいた」と心境を振り返る。

◆巨人・丸佳浩外野手(33)が勝ち越しソロを放った。同点に追いつかれた直後の八回1死で初球のカーブを捉え、右翼席にほうり込んだ。12打席目での今季初安打が殊勲の一打となり「うまく反応できた」と安堵(あんど)。声出し応援が4年ぶりに認められたファンの熱い声援を浴び「オープン戦のときと汗のかき方が違う。無意識に高揚している部分がある」と実感を込めた。

◆2年目右腕の巨人・赤星優志投手(23)が先発し、7回5安打1失点と力投を見せた。一回2死二塁からアキーノに左前適時打を許し、先取点を献上。それでも二回以降は右打者の内角をつくシュートボールを効果的に操り、追加点を与えず。最少失点にまとめ、先発としての役目を果たした。勝敗こそつかなかったが安定した投球を見せ、「初回に先制点を取られてからずっと走者を出しての投球だったけど、そこからは粘ってゼロでつなげられたので良かった」とうなずいた。原監督も「尻上がりに良くなってきていたね。少々自信を持ちながら投げている姿は、昨年より成長したなという感じがします」と好投をたたえた。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
300 1.000
(-)
-
(-)
1408
(+3)
2
(+2)
4
(+1)
5
(+1)
0.202
(↓0.018)
0.670
(↓0.67)
1
(-)
阪神
300 1.000
(-)
0
(-)
14018
(+6)
10
(+2)
1
(+1)
5
(+1)
0.324
(↑0.005)
3.000
(↑0.43)
3
(-)
巨人
210 0.667
(↑0.167)
1
(-)
1408
(+3)
8
(+2)
3
(+1)
0
(-)
0.195
(↑0.026
2.000
(-)
4
(1↓)
中日
120 0.333
(↓0.167)
2
(↓1)
1408
(+2)
8
(+3)
0
(-)
1
(-)
0.243
(↓0.007)
2.880
(↓0.23)
5
(-)
DeNA
030 0.000
(-)
3
(↓1)
14010
(+2)
18
(+6)
1
(-)
0
(-)
0.214
(↓0.004)
5.200
(↓0.62)
5
(-)
広島
030 0.000
(-)
3
(↓1)
1402
(+2)
8
(+3)
1
(+1)
1
(-)
0.163
(↑0.04)
2.630
(↑0.18)