阪神(☆6対5★)DeNA =リーグ戦2回戦(2023.04.01)・京セラドーム大阪=
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DeNA
41000000000051121
阪神
310010000001X61400
勝利投手:富田 蓮(1勝0敗0S)
敗戦投手:山﨑 康晃(0勝1敗0S)

本塁打
【DeNA】宮﨑 敏郎(1号・2回表ソロ)

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◆阪神が4時間26分の熱戦を制した。阪神は1点を追う5回裏、佐藤輝の犠飛で試合を振り出しに戻す。そのまま迎えた延長12回には、2死満塁から近本の適時打が飛び出し、サヨナラ勝利を収めた。投げては、8番手・富田がプロ初勝利。敗れたDeNAは、8番手・山崎が踏ん張りきれなかった。

◆開幕戦に敗れたDeNAの猛攻が、初回から始まった。口火を切ったのは、初戦でスタメンを外れたネフタリ・ソト内野手(34)だった。2死二、三塁から、右中間を破る先制の2点適時二塁打を放った。ソトは「しっかり捉えることができました。追い込まれていましたが、ボールを呼び込むことを意識していました。先制することができうれしいです!」とコメントした。ソトの先制打に続いたのも、前夜はスタメンを外れた桑原将志外野手(29)。2死二塁から左前適時打を放ち、森の適時打で初回に4点を奪った。1回裏に3点を奪われたが、直後の2回に前夜スタメンを外れた宮崎が、今季1号ソロをマークした。打線が活発な一方で、先発ガゼルマンが立ち上がりから乱調で、序盤から乱打戦の様相を呈している。

◆ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、プロ初安打を記録した。2点を追う2回、1死一、二塁での第1打席。カウント1-1から相手右腕ガゼルマンの151キロツーシームを振り抜いた。打球は三塁手のグラブをかすめながらも左翼方向へ抜け、1点差に迫る適時内野安打。「当たり自体は良くなかったけど、まず1本出たことにホッとしています。もう1本出せるように集中して頑張ります」。初打点の"おまけ"もつき、一塁上ではガッツポーズでベンチへ喜びを表した。前日の開幕戦では3打数無安打。開幕2戦目で記念すべき「Hランプ」をともした。

◆開幕戦に敗れたDeNAの猛攻が、初回から始まった。口火を切ったのは、初戦でスタメンを外れたネフタリ・ソト内野手(34)だった。2死二、三塁から、右中間を破る先制の2点適時二塁打を放った。ソトは「しっかり捉えることができました。追い込まれていましたが、ボールを呼び込むことを意識していました。先制することができうれしいです!」とコメントした。ソトの先制打に続いたのも、前夜はスタメンを外れた桑原将志外野手(29)。2死二塁から左前適時打を放ち、森の適時打で初回に4点を奪った。1回裏に3点を奪われたが、直後の2回に前夜スタメンを外れた宮崎が、今季1号ソロをマークした。打線が活発な一方で、先発ガゼルマンが立ち上がりから乱調で、序盤から乱打戦の様相を呈している。

◆阪神梅野隆太郎捕手(31)の今季のホームランパフォーマンス「みんなでU2ポーズ」がチームでも流行!? 阪神公式インスタグラムの試合前練習の写真を投稿していた中で、新守護神・湯浅京己投手(23)と村上頌樹投手(24)が「みんなでU2」を笑顔で決めていた。日刊スポーツ公式ツイッターアカウント「極トラ・プレミアム」でアイデアを募り、6つのポーズを提案。梅野がみんなで喜びを分かち合いたいという意味を込めて2人が片手の親指を立てて完成させる「みんなでU2ポーズ」を新ポーズに決めていた。

◆DeNA三嶋一輝投手(32)が昨年8月に受けた国指定の難病「黄色靱帯(じんたい)骨化症」の手術後初の1軍マウンドで無失点に抑えた。同点の6回から昨年5月7日の広島戦以来、329日ぶりに登板。2死二塁から左前打を浴びたが、佐野の本塁への好返球に救われた。「歓声を聞いて、震えた。今日もいろんな人に支えてもらった。次に進める第1歩になったと思います」とかみしめた。▽DeNA三浦監督(手術後初の1軍登板した三嶋に)「また1歩踏み出せた。一輝(三嶋)が戻ってきたのは非常に大きいです」

◆阪神が今季初のサヨナラ勝ちで接戦を制し、2年ぶりの開幕2連勝を決めた。5-5で迎えた延長12回2死満塁、DeNA山崎から、近本光司外野手(28)が中越えへサヨナラ打を放った。ベンチ前では岡田彰布監督(65)からハグされ、笑顔があふれた。12回に登板し1回無失点に抑えたルーキー富田蓮投手(21)はプロ初登板初勝利となった。劣勢をはね返した。先発秋山拓巳投手(31)は立ち上がりをDeNA打線に襲われた。4連打を含む5安打を浴び4失点。ワンサイドゲームになるかと思われたが、阪神も初回に3点を返した。ドラフト1位森下翔太外野手(22)は三塁手宮崎のグラブをはじく内野安打を放ち、プロ初安打を初適時打で決め、初打点を挙げた。 秋山は2回に宮崎にソロアーチを浴びたものの、その後は粘った。3~5回は無失点。5回7安打5失点でバトンをつないだ。 阪神は5回に佐藤輝明内野手(24)の犠飛で同点に追いつき試合を振り出しに戻すと、6回からは村上頌樹投手(24)からの継投リレーで流れを渡さなかった。 岡田監督は立ち上がりに崩れた先発秋山を引っ張り立ち直らせると、継投策をきっちり決めた。劇的な展開で開幕連勝を呼び込んだ。

◆阪神が劇的なサヨナラ勝利を決めた。5-5の延長12回2死満塁、近本光司外野手(28)が中越えサヨナラ打を放った。12回表を無失点に抑えたルーキー富田蓮投手(23)がプロ初登板初勝利を挙げた。ヒーローインタビューに選ばれた2人の主な一問一答は以下の通り。-サヨナラ打近本 最高です!-糸原、小幡、坂本つないで回ってきた打席近本 僕より前に決めてくれと思ってました(笑い)。-大きなチャンステーマが響いた近本 打席の中でも集中したいのに...すごい歓声で(笑い)。ちょっと冷静にもなれてたので、最高です。-打球が越えた瞬間は近本 とにかく越えろ! としか思ってなかった。富田がつないでくれてたし、糸原さん...、あと誰やったかな(笑い)。ほんとに糸原さんのライト前に感動して、小幡、誠志郎さんもつないでくれた。-ルーキー富田の投球はどう見たか近本 堂々としててよかったと思います。-その富田、お立ち台からの景色は富田 最高です!!-12回のマウンドに立った富田 まさか、あんな接戦で回ってくるとは思ってなかった。前の回で逆転して勝ってほしいなっていうのが率直な気持ちでした。-心境は富田 応援をボールに込めて、投げる気持ちでいっぱいでした。-最後は見逃し三振で富田 (捕手の)誠志郎さんが、あそこのコースにこいってくらい、ちっちゃく構えていたので。投げきった結果だと思います。-ドラ6で入って初勝利、ボールはどうする富田 やっぱり、監督と言いたいけど、家族に渡したいです。-ファンへ自己紹介富田 ドラフト6位で入団した富田です。投げられてることに感謝して、これからも頑張っていきたいと思います。-近本、このお立ち台の様子を見てどうか近本 ういういしいっすね(笑い)。-あらためて、ひっくり返してのサヨナラ勝ち近本 どんな形でも最後まで諦めず全員で戦っていきます!

◆DeNAは初回に4点を先行しながら、先発ガゼルマンの乱調がゲームプランを狂わせ、開幕から連敗を喫した。1回にノイジー、大山、ルーキー森下の適時打で1点差に迫られ、再びリードを2点に広げた直後の2回にも中野の適時打で再び1点差に迫られた。低めでボールを動かしながら、バットの芯を外すスタイルだが、この日はボールが高めに浮き、痛打される場面が目立ち、3回4失点でKOされた。ガゼルマンは「状態自体は良かったが、ボールが高めに浮いてしまったところを捉えられてしまった。次回登板はマウンドに長いイニング立っていられるよう、変化球をしっかり低めに投げ切ることを意識して調整したいと思います」とコメントした。三浦大輔監督(49)は「ちょっとガゼルマンがね、いつも以上に制球が乱れていたなと。ガゼルマンにとっての開幕ですからね。そこはいつもと違ったのかなと思います」と首をひねった。○...守護神山崎がサヨナラ打を浴び、開幕から連敗を喫した。同点の延長12回から登板。2死から2安打と四球で満塁とされ、近本に試合を決められた。「100%の準備で臨んだ結果。自分の力不足です」と悔しさをにじませた。1回にソト、桑原、森の適時打で4点を先行しながら、リードを守れず。三浦監督は「勝てないのは監督の責任。何とか明日勝てるようにします」と話した。▽DeNA三浦監督(手術後初の1軍登板した三嶋に)「また1歩踏み出せた。一輝(三嶋)が戻ってきたのは非常に大きいです」

◆阪神が初回に4点を奪われる劣勢を追いつき、延長12回2死満塁から近本光司外野手(28)の中越えサヨナラ安打で開幕2連勝を飾った。ナイター翌日のデーゲームで4時間26分の死闘を制した岡田彰布監督(65)は「こんなん1年間やっとったら持たんで! 体」と笑った。試合後の一問一答は以下の通り。-延長12回サヨナラ勝ち。よくつないで、よく決めた「ああ、ねえ。まあ、最後は2死走者なしだから。まあ最後、糸原1人でね、本当、よく(ベンチに)残したなあと思ったですね。もう12回までいく流れで考えていたんで、ちょうどね。あの2アウトから、あきらめずに塁に出たことが最後、いい形につながったと思います」-最後、決めたのは近本「そうですね。もう、何回もみんなチャンスあったんだけど。まあ、その前に、(延長10回2死三塁の)坂本もチャンスあったんだけど。まあ巡り合わせでね、打順入れたとこにチャンス回ってきてね。まあ、なんとか近本は、今日はビハインドの時から。まあ初回もね。きょうは、追いつけるというか、そういう反撃の二塁打もあったし、まあね。ちょうどよかったんじゃないですか。最後、近本でね」-この試合、先発の秋山が5回まで投げ切った「もうブルペンで、緊張してボールが高めばっかりというのを聞いていたので、その通りだと思いましたね、初回は。でも、すぐ(味方が)3点返したんで、本人も次(2回)に本塁打を打たれたけど、とにかく、役割というか、徐々にボールも低く来てね、3イニングを0点に抑えたので、それも大きかったと思いますけどね」-リリーフ陣7人が全員無失点に抑えた「そうですね、昨日、点を取られたやつは、使わないでおこうと思ってたんで。最後の富田にしても石井にしても、みんな初登板だったんで。本当は村上を複数イニングをいかせようと思ったけど、打順の兼ね合いでああいう形になったけど、本当にいい仕事をしたと思いますね」-スタメン野手は全員"開幕"ということになった。「ああそうですか。1、2番打ってないなと思ってたけど、今日は打ったしね。明日からゆっくりできることはないと思うね。なんか、おかしい開幕やね。しんどい開幕やけど」-明日は才木が先発。どんな投球を期待するか。「いや、もう、ね、1人で投げえ言いたいよね、試合前にね、才木にね。9回まで投げろと、明日はね、リリーフいないぞと、言っときます」-延長12回まで見据えていた。「そうそうそう、だから何回もなあ、チャンスあったけどなあ、その前に。まあ、それも野球なんやろなあ。まあ、でも、ねえ、投手も12回まで、最後もねえ、投手コーチはどうしますか言うてたけど、富田に決まってるやろ、言うたけどね(笑い)」-富田に決まってるというのは「点取られてないもん、富田。もう1人の人(K・ケラーは)点取られてるやん」-初登板でプレッシャーのかかる場面を「いやいやもう、そんなん、どっかで突破しないと、もう、これから長いこと野球すんのにいっぱいこんな場面で投げなあかんねんわけやから。やっぱりどっかでなあ、そういうシチュエーションというかな、やっぱり経験しないと前に進めへん。楽な場面ばかり投げててもな」-中継ぎは無失点だけでなく全員無四球「ああ、そうやなあ。うちは(打線に)四球を選べ、選べ言うてるのにな。そら、たいしたもんやな」-2試合で中継ぎも全員投げた「投げたね。もう、なあ、明日はちょっと休んだら2日休めるから、ほんと、才木にな、頑張ってもらうしかないなあ。ちょっと。だから、普通の3連戦やったらな、こんなしんどいことならんけどな。これはやっぱり開幕っていうのは、こうなるんやろね。こんなん1年間やっとったら持たんで、体」-みんな出番があった「そうやな。2試合でな、うまいことみんなが吹っ切れてっていうか完了したというかな。みんながちゃんと仕事して、まあ、普通の打席になるわな。ヒットが出ないからって、ヒットがほしいような打ち方もないと思うし、もうどっしりとな今は打席で構えられると思うな」-初回の4失点はどう感じた。まだいけると思ったか「いや、いけるというか、1点ずつ返していこうということや。まだ初回やからな。まあな、伊藤(将)はどう見てたやろな、今日な。(本来なら2戦目を任せる予定だった)伊藤やったら、もうちょっとすんなりいってたかなとか、ちょっと頭の中よぎったわ(笑い)」-秋山の次回は考えるか「まあ、次回はちょっとねえ」-森下が初安打初打点「そうやなあ。ちょっとラッキーな当たりやったけどな。でも、これで地に足着けてゆっっくり打席にも入れるんちゃうか」-秋山を2回で交代するということは「いや、全然考えてないよ。ずっといくよと、打席もと、すぐ投手コーチに言うたよ」-期待も込めて「いや、そら分からん、それは分からんけど、あんなんで代えても一緒やからな。なんのために準備してきたんや、いうことやからな。他のものに負担かかるやんか。それはチームとしてはマイナスになるからな」-本人にも大きい「大きいかどうか分からん。明日いてないかも分からんし、それは分からんよ」

◆阪神近本光司外野手(28)が、快足を飛ばして歓喜のウオーターシャワーから逃げ切った。5-5の延長12回、DeNA山崎から中越えのサヨナラ打。一塁ベースを回ると、仲間のもとへと駆け寄らずセンター方向へダッシュした。盗塁王3度の足に"歓喜の水"を用意していた仲間は追いつけなかった。「あのー...ホーム用の手袋が1個しかなかったんで、なんとかぬれないようにと思って、ほんとに逃げてましたね。ほんとにぬれたら明日、出られないと思って」。試合後は笑顔で猛ダッシュの理由を明かした。

◆阪神加治屋蓮投手(31)が今季初登板を1回1安打無失点で抑えた。延長11回に登板。1死からDeNA桑原に左前打を許したが、続く代打大和の犠打を好フィールディングで投併殺に仕留め、緊迫した場面をゼロで封じた。「今シーズンの初登板がああいう形で回ってきて、なんとかゼロで抑えるっていうだけだった。抑えられてよかったです」と振り返った。

◆阪神シェルドン・ノイジー外野手(28)が、来日初タイムリーで反撃ののろしを上げた。4点ビハインドの初回1死三塁。DeNAガゼルマンの初球151キロを捉え、中前にはじき返した。初打点に「チームの力になれてうれしいね。開幕から早い段階で打点をあげることができてよかったよ」と笑顔だ。延長11回にも左前打。2試合連続となるマルチ安打を決め、2試合で10打数4安打、打率4割と好調だ。「負けていて、追いつきたい場面でなんとか打ててよかったよ」。サヨナラ勝利の瞬間は「みんなうれしそうでしたし、最高でした」とニッコリ。快音連発で早くもファンの心をつかんだ新助っ人は「この勢いを今後の試合につなげたいです」と意気込み、球場を後にした。

◆プロ初勝利となったドラフト6位富田蓮投手(21)が中継ぎ陣の兄貴分・加治屋蓮投手(31)から、ハラハラのウイニングボール手渡しをされた。延長12回、2死満塁で近本光司外野手(28)が中越えサヨナラ打で劇的勝利した。加治屋はすかさず、富田のウイニングボールを回収。ベンチ付近で富田に渡そうとした瞬間、いたずらっぽく球をスタンドに投げるふり。富田は目を丸くしていたが、もちろん投げることはなく、加治屋はそっと記念球を手渡した。チームのムードの良さを表すような場面だった。加治屋は左腕の登板前の11回にマウンドに上がり、1死から安打を許したが、次打者を好フィールディングで投併殺打に仕留めた。しびれる展開をゼロで抑え、サヨナラ劇の流れを作った1人で「中継ぎで頑張ろうというのがブルペンでもあった。先に登板した投手がゼロで抑えて、結果的に富田に勝ちがついてよかった。これからチームの雰囲気もすごく良くなると思います」と口にしていた。

◆阪神の劇的なサヨナラ勝利をお膳立てしたのは、糸原健斗内野手(30)だった。延長12回2死に代打で登場。初球だ。DeNA山崎から右前打を放ち、同点でゲームセット寸前のチームに勇気を与えた。「野球は2アウトから。僕が出たら後ろがなんとかしてくれると思って、思い切った初球からいこうと思っていた。いいところに飛んでくれてよかったかなと思います」サヨナラ打を決めた近本光司外野手(28)の打席は三塁走者として見守った。「祈ってました。近本頼む、打ってくれと思いながら、サードランナーで見てました。今日は全員野球でチーム全員一丸となってとれた1勝だと思う。明日も、3つ取れるように頑張ります」と力を込めた。

◆阪神石井大智投手(25)がプロ初ホールドを挙げた。同点の延長10回に登板。「1年目と2年目の自分の1試合目は失点していたので、いろいろ考えることは多かったですけど、吹っ切れてマウンドに上がれたかなと思います」と気持ちが入っていた。宮崎、楠本、牧のDeNA上位打線を3人で片付けた。開幕前の実戦10試合13イニングを無失点に抑えてきた右腕は、今季初登板も無失点。緊張はあったようで「岩崎さんに『今日顔つき違ったな』って言われた。空回りにならないように冷静に投げていきたい」。試合後は、投手陣では最後まで体のケアに時間を割き、球場を後にした。

◆阪神湯浅京己投手(23)が連投に応えた。同点の9回に5番手で登板。2死から代打戸柱に右前打を浴びたものの、後続を断ち無失点に封じた。開幕戦は36球を要し、初セーブ。「監督、安藤コーチとかも体のことを心配してくれてましたけど、思ったより張ってなかった。いけるってことを伝えて投げました」と説明。「結果的にチームが勝てばいいと思ってるので、ゼロでつなげられてよかった」と話した。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が、貴重な同点犠飛を放った。5回1死一、三塁。左腕坂本から中犠飛を決めた。「勝てたのでよかったです。ヒット出ることに越したことはないけど、それだけじゃないので」。初回、3回と連続で四球も選んだ。サヨナラ勝利の瞬間はベンチを飛び出したものの、センター方向へ逃走する近本に追いつけず。「追いつかなかったですね、速すぎて」と快足の先輩に脱帽していた。

◆阪神が今季初のサヨナラ勝ちで接戦を制し、2年ぶりの開幕2連勝を決めた。5-5で迎えた延長12回2死満塁、DeNA山崎から、近本光司外野手(28)が中越えへサヨナラ打を放った。近本は昨年のCS敗退後、取材陣の前で涙を流しながら、あることを再認識していた。「阪神を見たいと思って来てくれる人が、これだけいる。うれしかったというか、ホッとしたというか...」。ヤクルトとのファイナルステージに敗れ矢野前監督の最終戦となった試合で、ファンの存在の大きさを痛いほど実感していた。どれだけ逆風にさらされようと、ファンはいつもついている。時には叱咤(しった)もあるが、最後はあたたかい拍手を送ってくれる。「ダメな時はたたかれる。でも、ベースにあるのはファンだし自分自身なんだと」。何よりも大切な原動力に、あらためて気づくことができた1日だった。この日のお立ち台では「打席の中で集中したいのにすごい歓声だった」と話し、虎党の笑いを誘った。一方で「ちょっと冷静にもなれていた」と、チャンステーマを耳にする余裕もあった。今季から復活した声出し応援。大声援は確実に、背番号5の力になるはずだ。【阪神担当=中野椋】

◆阪神岡田彰布監督(65)が、執念の采配で4時間26分の死闘に終止符を打った。1番近本光司外野手(28)が延長12回2死満塁で中越えへサヨナラ打。初回にDeNAに4点を先制される苦しい展開も、投打ともに粘りを見せ、劇的勝利をつかんだ。昨年はセ・リーグワーストの開幕9連敗を喫したが、新体制で2年ぶりの開幕2連勝となった。打球は中堅手の頭上を越えた。地響きのような虎党の大歓声に包まれ、岡田監督は殊勲の近本を笑顔で抱きしめた。「こんなん1年間やっとったら持たんで! 体」。疲労困憊(こんぱい)の表情で思わず苦笑した。初回、DeNAに4点を先制されながらも、延長12回にサヨナラ勝ち。「初回も追いつけるというか、反撃の二塁打もあったし、ちょうどよかったんじゃないか、最後近本で」。初回に反撃ののろしを上げ、12回に試合を決めた選手会長をたたえた。開幕戦でさえを見せた勝負勘がこの日も光った。5回に同点に追いつくと、岡田監督は死闘を想定していた。「もう12回までいく流れで考えていたので」。その延長12回も2死走者なし。ここでベンチに糸原が残っていた。10回の好機でも温存していた代打の切り札。「本当によく残したなあ、と思った」。起用に応える右前打で突破口を開いた。そして2死満塁のチャンスを近本が生かした。「最高です! (打球が)とにかく越えろとしか思ってなかった。その打席に立てたのも、本当に糸原さんの右前に感動して。僕だけじゃなく、つないでくれたみんながいたので。(監督とのハグは)もう覚えていない」。ベンチに残ったのは、K・ケラーと捕手の長坂だけ。総力を結集して勝利を呼び込んだ。投手起用でも先発秋山が2回までに5失点と乱調だったが、5回まで投げさせた。6回からはリリーフ7人で無失点リレー。12回の起用も「点取られてないもん、富田。やっぱり(厳しい場面を)経験しないと前に進めへん」と迷わずドラフト6位左腕を投入した。指揮官は勝負の流れを読み、ナインは最後まで諦めなかった。開幕9連敗という苦い記憶はもう過去のものだ。今年の阪神はひと味もふた味も違う。【石橋隆雄】阪神が総勢24人起用という総動員態勢でサヨナラ勝ちした。昨季24人以上が出場した試合は2試合しかない。5月20日巨人戦25人(2-6で敗戦)と、最終戦の10月2日ヤクルト戦26人(3-3で引き分け)。阪神のシーズン2連勝発進は、矢野燿大監督時代の21年ヤクルト戦以来。このときは3戦目も勝って連勝を3まで伸ばした。なお前回の岡田監督時代には開幕3連戦で、04年巨人戦、08年横浜(現DeNA)戦と、2度の3連勝発進がある。近本のサヨナラ安打はプロ初。19年7月20日ヤクルト戦で、ハフから犠飛を打ち上げたのが唯一のサヨナラ打だった。なおプロ初出場の19年3月29日、ヤクルトとの開幕戦では、延長11回の打席で石山の初球が暴投となり、サヨナラ勝ちを呼び込んだことがある。

◆よっしゃ~、初ヒット! 阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22)が、初安打&初適時打&初打点をマークした。4点を追う初回。ノイジー、大山の適時打で2点差。1死一、二塁とチャンスは続いた。カウント1-1からDeNA先発ガゼルマンの151キロのツーシームにフルスイング。打球は三塁手のグラブをはじき、適時三塁内野安打で1点差に迫った。「ほっとしたのが素直な気持ち。自分の初安打もそうなんですけど、打点がついて1本取れたのはチームとしてもプラスなことだと思った。そこがうれしかった」開幕2戦目、4打席目で初めてともしたHランプ。チームを打撃で勢いづかせ、思わず笑みがこぼれた。岡田監督も「ラッキーな当たりやけど、これで地に足着けて打席に入れるんちゃうか」と今後の活躍を期待した。森下の「らしさ」がでたのは、延長10回の打席だった。6番手入江から四球を選んだ。その瞬間に、球場に「よっしゃ~!!」の雄たけびが響き渡った。チームの勝利を呼び込みたいという気持ちがこもっていた。「学生時代から緊迫した場面では、自然に勝ちたいという気持ちが出る。ああいうスタイルを近本さんも『やっていけ』と言ってくれた。どんどんそのスタイルでやっていきたい」。気迫を前面に押し出したプレースタイルはチームに活気をもたらす。プロ初ヒットの球は「親に会った時にプレゼントしようかな」と笑顔。背番号1がまた1歩、前進した。【三宅ひとみ】■森下の父善文さん「H」ランプにほっ森下の父善文さんは球場で観戦し、息子の初ヒットを喜んだ。「前日は同じような打球でEランプがついたので、どうかなと思ったけど、Hランプがついて本当によかった」。また、延長10回の四球を選んだ場面にも「ちゃんと選べて、成長してるんだなと」と感慨深い表情を浮かべた。初安打の記念球を両親にプレゼントしたいと背番号1が言ったことに「本当に泣いちゃうこと言っちゃって」と声を震わせた。森下がプロ4打席目に、初安打となる適時内野安打を放った。近年のドラフト1位では、近本が19年の開幕戦3月29日ヤクルト戦で、3打席目に初安打となる三塁打で1打点。佐藤輝は21年3月26日の開幕戦ヤクルト戦で初打席に犠飛を放ち、翌日27日の通算5打席目に初安打となる1号2ラン。なお岡田監督はプロ1年目の80年4月22日大洋(現DeNA)戦で、プロ7打席目に初安打初打点を挙げた。

◆リリーフ7人の無四球無失点リレーを締めたのは、ルーキー左腕だった。阪神ドラフト6位富田蓮投手(21)が12球団新人最速でプロ初勝利を挙げた。同点で迎えた12回。緊迫の場面で、プロ初登板が巡ってきた。「まさか自分まで回ってくると思ってなかった。12回になってピッチャーが少なくなって、もう行くしかないっていう状態。あとは楽しもうと思ってマウンドに上がった」打者2人を打ち取った後、佐野から安打を浴びた。嫌なムードが漂ったが、マウンド上で安藤投手コーチから「できるだけ低めに集めて。あとはお前に任したから」と背中を押された。最後は宮崎を外角直球で見逃し三振。「強気のピッチングを心がけた」。グラブを強くたたき。ほえた。ルーキーの気迫の投球が劇的勝利を呼び込んだ。大谷翔平に浴びた1発がプロで戦う上での土台になった。3月6日の侍ジャパンとの強化試合で5回に途中登板。大谷に真っ向勝負を挑んだ。カウント3-2から142キロ直球でバットを折ったが、打球はフェンスを越えた。「世界でも名の知れてる選手とやれたのは、今後の自信。いろんな場面があると思いますけど、この試合を思い出して『これ以上はない』と思って投げられたらと思う」。その思いが開幕2戦目に早くも生きた。球団新人で初登板で勝利を挙げたのは18年の高橋遥人以来。記念球は11回を抑えた加治屋が回収し、手元に渡った。「家族に渡したい」とかみしめた。「ああいった場面は、まだ141試合ある中でたくさん出てくると思う。どういった試合でも自分に任された仕事はしっかりできるように、心がけてやっていきたい」。盤石のリリーフ陣に、度胸満点の左腕が加わった。【波部俊之介】阪神岡田監督(富田の起用に)「これから長いこと野球すんのにいっぱいこんな場面で投げなあかんねんわけやから。やっぱり経験しないと前に進めへん。楽な場面ばかり投げててもな」明るく実直な人柄も富田の持ち味だ。ドラフトで入団した7選手で唯一の社会人出身。大卒選手2人、高卒選手が4人で、21歳の富田はその間の世代になる。1月の新人合同自主トレでは、年齢に関係なく積極的に同期に声をかけ、輪をつないでいた。1月18日には戸井の18歳の誕生日にサプライズを計画。「同期は今後もめっちゃ大事な存在になってくると思う。ライバルだけど大事にしたいし祝いたくて」と、自らケーキを手配した。その人柄に三菱自動車岡崎時代の先輩たちは「人懐っこい性格」「愛されキャラ」と口をそろえる。秋山翔投手(26)は「どんな人にも明るく裏表がない。素直さがあったからこそ、社会人で伸びてプロに行けたと思う」と語る。この日のお立ち台では満員のファンに対して丁寧に頭を下げ、感謝を表す姿が印象的だった。【阪神担当=波部俊之介】

◆両軍のスターティングメンバーが発表され、阪神はドラフト1位の森下翔太外野手(22)=中大=が「6番・右翼」で開幕から2戦続けてスタメン出場する。先発の秋山拓巳投手(31)は、オープン戦終盤の猛アピールで伊藤将が離脱した開幕2戦目の先発を奪取。チーム2年ぶりの開幕連勝に向けて腕を振る。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)が先発し、一回にいきなり4失点を喫した。安打と四球などで2死二、三塁のピンチを招くと、ソトに外角の直球を右中間にはじき返されて2点を献上。その後も桑原、伊藤光、森に連打を許して4点にリードを広げられた。3月31日には「(DeNAが)いい打線なのは間違いない。引くことないようにどんどん攻めていきたい」と意気込んでいたが、苦しい立ち上がりとなった。

◆阪神の新外国人・シェルドン・ノイジー外野手(28)が0-4の一回、中前適時打を放って、公式戦初打点を記録した。「3番・左翼」で先発したノイジーは、一回1死三塁で迎えた打席で結果を出した。DeNAの先発・ガゼルマンの初球151キロ直球をたたき、二遊間を抜ける中前適時打。開幕戦で2安打を放ち「流れに乗ってチームの勝利を優先して戦っていきたい」と語っていた主砲が中軸の役割を果たした。阪神は続く大山悠輔内野手(28)も右中間に適時二塁打を放ち、2点を返した。

◆DeNAの高卒4年目、森敬斗内野手(21)が「8番・遊撃」で開幕から2試合続けて先発出場。一回2死一、三塁から、実に33打席ぶりの安打となる中前適時打を放った。オープン戦は打率・135、17三振。30打席(2四球)連続無安打で全日程を終了した。前日の3月31日の開幕戦も2打席無安打に終わり、途中交代。それでも、信念を持って起用し続けたチームの期待に応えた。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が一回、三塁へ内野安打を放ち、初安打と初打点を記録した。「6番・右翼」で開幕から2戦続けて先発した森下はチームが2点を奪った一回、なおも1死一、二塁で打席へ。DeNA・ガゼルマンの151キロ直球を捉えて引っ張った。三遊間へ飛んだ打球は、三塁手が伸ばしたグラブを弾いて転々とグラウンドを転がり、二走の大山が生還する適時打となった。開幕戦では3打数無安打で途中交代。「まずは1本出して、気を楽にしたい」と語っていた背番号1が、記念すべき最初のHランプをともした。

◆阪神・中野拓夢内野手(26)が二回にシーズン初安打となる右前適時打を放った。「2番・二塁」で先発し、意地を見せた。3-5の2死三塁で打席に入り、ガゼルマンの2球目に反応。引っ張った打球は二塁手の脇をわずかに抜いていく右前適時打になった。侍ジャパンの一員として世界の頂点に立った背番号51の一打で、チームは1点差に迫った。

◆阪神・秋山拓巳投手(31)は5回7安打5失点で降板した。一回に4連打などでいきなり4失点。二回には宮崎にソロを浴びるも、三、四回は三者凡退。回を重ねるごとに調子を取り戻したが、五回を投げ切ったところで交代となった。2020、21年と2年連続で2桁勝利を挙げていたが、昨季は右膝の不調もあって1勝(3敗)どまり。復活を期して上がった今季初の先発マウンドでは序盤の失点が響いた。それでも五回に佐藤輝の同点犠飛で黒星はなくなった。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が五回に中犠飛を放ち、試合を5-5の同点に持ち込んだ。「5番・三塁」で先発し、五回1死三塁で迎えた第3打席。2番手・坂本の2球目を捉え、中堅に運んだ。前日の開幕戦では2本の二塁打を放った主砲が、最低限の役割をこなしてシーズンの初打点を記録した。一回に4点を先制された試合は、この1点で振り出しに戻った。

◆阪神は延長十二回に近本光司外野手(28)がサヨナラ打を放ち、2年ぶりの開幕2連勝を飾った。先発の秋山拓巳投手(31)が、一回に4連打などでいきなり4点を失う苦しい立ち上がり。二回には宮崎にソロ本塁打を許したが、三回以降は立ち直って5回7安打5失点でマウンドを降りた。打線は一回にシェルドン・ノイジー外野手(28)の初打点となる適時打、大山悠輔内野手(28)の適時二塁打で2点を返すと、なお1死一、二塁で続くD1位・森下翔太外野手(22)=中大=が三塁へ内野安打。二走が生還し、初安打と初打点を記録した。二回に中野拓夢内野手(26)が右前適時打で1点差とすると、五回に佐藤輝明内野手(24)の中犠飛で5ー5の同点とした。秋山の降板後、村上、岩崎、浜地、湯浅、石井、加治屋の6投手がつないで十一回まで無失点リレー。十二回はドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=がプロ初登板を果たし、無失点で抑えてマウンド上でガッツポーズを見せた。打線は延長に入って3イニング続けて走者を出し、十二回は2死満塁の好機で近本が打席へ。DeNA・山崎のボールを中堅へ運び、サヨナラ勝利を決めた。富田はプロ初登板勝利を飾った。

◆阪神が4時間26分に及ぶ延長十二回の激闘を制して、開幕2連勝。山崎康晃投手(30)を攻め、2死から安打、四球、安打で満塁とし、近本光司外野手(28)が中越えにサヨナラ打を放った。D6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=が初登板初勝利。先発・秋山拓巳投手(31)が一回に4点、二回に1点を失う苦しい展開だったが打線が奮起し、二回までに4点を挙げ、五回に佐藤輝明内野手(24)の犠飛で追いついた。D1位・森下翔太外野手(22)=中大=は一回、プロ初安打で初打点をマークした。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(成績=2勝、観衆=3万6021人)。★テレビ編ーーよく決めましたね「最後は2アウトランナーなしだから。糸原ひとりでね。本当、よく残したなあと思ったですね。十二回まで行く流れで考えていたんで、2アウトから、あきらめずに塁に出たことが最後、いい形につながったと思います」ーー秋山が5回まで投げ切りましたが「ブルペンで、緊張してボールが高めばっかりというのを聞いていたので、その通りだと思いましたね、すぐ3点返したんで。徐々にボールも低く、3イニングを0点に抑えたので、大きかったと思いますけどね」ーーリリーフ陣が全員無失点「昨日、点を取られたヤツ(1回2失点のK・ケラー)は、使わないでおこうとおもってたんで。富田にしても石井にしても、初登板だったんで。本当に良い仕事をしたと思いますね」ーースタメン野手は安打が出て〝全員開幕〟「1、2番打ってないなと思ってたけど、今日は打ったしね。明日からゆっくりできることはないと思うね。なんか、〝おかしい開幕〟やね。しんどい開幕やけど」ーー2日は才木が先発「1人で投げと言いたいよね、試合前ね、才木にね。リリーフいないぞと、言っときます」★囲み編ーー延長十二回まで見据えていた「そうそう。何回もチャンスあったけどなあ。最後もピッチングコーチはどうしますか言うてたけど、富田に決まってるやろ言うたけどね(笑)」ーー富田に決まっているというのはどういう思いで「点取られてないもん、もう一人は点取られてるやん」ーー初登板でプレッシャーのかかる場面「どっかで突破しないと。長いこと野球すんのに、こんな場面で投げなアカンねんわけやから。楽な場面ばかり投げててもな」ーー中継ぎは全員無四球「ああ、そうやなあ。おーん。うちはフォアボールを選べ、選べ言うてるのにな。そら、たいしたもんやな」ーー2試合で中継ぎも全員投げた「才木に頑張ってもらうしかない。普通の3連戦やったら、こんなしんどいことならんけどな。開幕は、こうなるんやろね。こんなん1年間やっとったら持たんで、体」ーー一回の4失点。まだいけると思ったか「1点ずつ返していこうということや。まだ初回やからな。伊藤はどう見てたやろな、今日な。伊藤やったら、もうちょっとすんなり行ってたかなとか、ちょっと頭の中よぎったわ(笑い)」ーー秋山の次回は考えるか「次回はちょっとねえ」ーー森下が「ラッキーな当たりやったけどな。これで地に足着けて、打席にも入れるんちゃうか」ーー秋山の二回交代は「全然考えてないよ。ずっと行くよと、打席もと、すぐピッチングコーチに言うたよ」ーー期待も込めて「あんなんで代えても一緒やからな。なんのために準備してきたんや、いうことやからな。他の者に負担かかるやんか。チームとしてはマイナスになるからな」ーー本人にも大きい「大きいかどうか分からん。明日、いてないかも分からんし、それは分からんよ」

◆DeNAはサヨナラ負けで開幕2連敗。就任3年目の三浦大輔監督(49)は、開幕カード通算8戦7敗1分けとなり「選手は必死にやってくれている。勝てないのは監督の責任」と語った。一回に4点を先取も追いつかれ、打線は三回以降無得点。最後は延長十二回2死走者なしから、痛恨のサヨナラを許した山崎康晃投手(30)は「自分の力不足を痛感した。やり返したい」と雪辱を誓った。

◆六回から延長十二回まで、7人の投手が1イニングずつ投げて、全員が無失点。しかも、全員が無四球。誰一人ムダな走者を出さない、ほぼ完ぺきな継投だった。特に最後に投げた富田はルーキーながら、シーズンで使えるメドが立ったことが大きい。驚くような球威はないが、制球が良く、動く球(カットボール)が効果的。緩急をつけるカーブもあり、どの球種も操れる器用さを持っている。宮崎を見逃し三振に仕留めた球も見事だった。キレの良さを感じさせる投手だ。六回に投げた村上も、いきなり二塁打を浴びてピンチを招いたが、最終的に失点しなかったことで、大きな自信になっただろう。この2人は、救援陣のピースとして十分に計算していい。湯浅、浜地、岩崎の3人は、実績もあり、当然として、石井、加治屋も高いレベルの投球をしている。この日は延長十二回まで戦ったことで、総力の継投になったが、九回を考えた場合、救援陣を2組に分けて、登板過多にならない起用法も考えられる。先発陣の充実に劣らない層の厚さを感じる。投手コーチの立場なら、こんな頼もしいことはない。先発の秋山は一回に、甘く入った球をことごとく打ち返された。それでも4点を失った直後に3点を返してもらい、息を吹き返して五回まで投げたことは、長いシーズンを考えれば、評価したい。秋山を蘇らせた打線の粘りは、昨年までになかったもの。攻撃に「つながり」を感じる。本塁打は出ていないが、全員につなぎの意識が徹底されているのだろう。中でもノイジーはセンター返しに徹していて、その一方で甘く入ると引っ張れる。五回の左飛はいい打球だった。DeNAの救援陣も素晴らしかったのだが、阪神投手陣が1与四球だったのに対し、DeNAは7与四球。逆にみれば、阪神打線がよく見極めて7四球を奪った証拠。しぶとい攻撃ができるようになったことも、この先を考えれば明るい材料だ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神・浜地は八回から2試合連続で登板。1回零封で今季初ホールドを挙げた。「きのうはあまり内容が良くなかったけど、きょうは修正できた」。4番・牧からの攻撃を三者凡退と抑えた。救援陣7人による無失点リレーで勝利を呼び込み「ブルペンでこうやって勝ちに持っていけたのはよかった」と手応えを語った。

◆フルスイングした森下の当たりが三遊間で跳ねる。三塁手・宮崎が差し出したグラブは白球をわずかにつかめない。Hランプがともる。プロ初安打は打点のおまけつき。森下は祈りを込めて一塁へと全力疾走していた。森下の記念すべきプロ初安打を、父・善文さん(54)と母・ゆりさん(51)は京セラドームで見守った。「打球がグラブを弾いて『E』か『H』か、どっちがつくのか見守っていました。Hランプがともったときに、喜びがわいてきました」善文さんが喜んだ。草野球をやっていた善文さんは、森下にも「やらせたいというか、一緒に野球がやりたいと思った」と、小学生になる前からバットとグラブを渡して白球を追った。小学生の時に所属した「野庭日限フェニックス」ではコーチや監督を務め、二人三脚で野球人の基礎を築いた。延長十回、四球でほえた場面では「高校や大学の時と変わらない。ずっとああして、勝つかどうかの場面で四球を選ぶとほえている」と笑った。善文さんがプロへの第一歩を踏み出した森下に送る言葉は「ファンに愛される選手になれ」。成績よりも「とにかく一生懸命やってくれれば」と願った。2人は2日のDeNA戦も観戦予定。「本人も納得していないだろうから、今度はきれいなヒットを打ってほしい」とエールを送った。

◆3年目の阪神・石井が5-5の延長十回に登板し、中軸の宮崎、楠本、牧を三者凡退に抑えて、プロ初ホールドをマークした。「これまでプラスになるもの(記録)がなかったので。(ホールドを)つけられてうれしい」。オープン戦は8試合に登板して防御率0・00。勝ちパターンとして期待される右腕は「きょうは気合が入りすぎて緊張しました。これからも、こういう投球をしていきたい」と胸を張った。

◆虎の命運は〝持っている男〟に託された。緊張感と重圧で押しつぶされてもおかしくない状況でD6位・富田(三菱自動車岡崎)は笑った。球場の誰よりも冷静だった左腕がデビュー戦で好投し、12球団の新人一番乗りで初勝利をつかんだ。「初登板で初勝利できたのは何かあるんだなと思うし、素直にうれしい」延長十二回。午後6時を回り、試合時間は4時間を超えていた。勝つか、負けるか、それとも引き分けるか。そんな重要な局面で岡田監督の采配に迷いはなかった。投手コーチに継投を聞かれ「富田に決まってるやろ!」。オープン戦7試合で防御率0・96と抜群の安定感を誇る新人をマウンドに送り込んだ。そんな将の期待に呼応するように、富田も躍動した。テンポよく2死を奪った後に佐野に中前打を許したが、動揺はなかった。マウンドに来た安藤コーチから「あとはお前に任せた」と言葉をもらって開き直った。この試合でソロを放っていた宮崎を打席に迎え、カウント1―1から外角低めに直球を決めて追い込むと、最後も同じコースに渾身の142キロをズドン。見逃し三振に仕留めて雄たけびを上げた。1回無失点で役目を終えると、その裏に近本が劇打。ベンチでは周りから「お前は持っている」と言われた直後にプロ初白星が舞い込んだ。阪神投手の初登板初勝利は2018年の高橋遥人以来。さらに開幕2戦目以内では1959年の村山実以来という快挙だ。

◆フルスイングした森下の当たりが三遊間で跳ねる。三塁手・宮崎が差し出したグラブは白球をわずかにつかめない。Hランプがともる。プロ初安打は打点のおまけつき。森下は祈りを込めて一塁へと全力疾走していた。「『抜けてくれれば最高』と思って。グラブに当たって、いいところに飛んでくれたので、結果的によかった。ほっとしているのが、素直な気持ちです」4点を追いかける一回の攻撃。ノイジーと大山の適時打で2点を返し、なお1死一、二塁で打席を迎えた。プロ4打席目。ガゼルマンの151キロツーシームを迷いなく引っ張った。二走・大山が生還して、この回3点目。劇的な延長十二回サヨナラ勝利を演出した。5-5で延長に入り、十回の打席では四球を選び、ガッツポーズ。スタジアムに響き渡る声でほえた。勝利への執念を見せ、ここで代走を送られお役御免。「成績より、チームのために徹したい」。ベンチで見守った激勝に顔を真っ赤にして喜んだ。開幕2連勝の結果に加え、ともに1軍戦力として戦うD6位・富田のプロ初登板勝利もうれしかった。「まさか勝ち投手になっているとは思ってなかった。同期としてすごくうれしいのと、自分も負けてらんないな、と」2月中旬から1軍キャンプに帯同し、活躍を重ねて開幕1軍入りを果たしたコンビだ。森下は1歳下の富田を「トミ」と呼び、オフの日は2人で梅田や難波まで出かけて買い物を楽しみ、寮に帰れば一緒にアクションゲーム。グラウンドの外でも絆を強める左腕が白星をつかんでヒーローインタビューを受ける姿に、対抗心も燃やしていた。

◆3年目の阪神・村上は2番手で六回に登板し、1回無失点。プロ初ホールドをマークした。「先頭打者にツーベースを打たれて苦しかったけど、無失点でよかった」。桑原に左翼線二塁打を許したが、後続を断ってホームは踏ませず。「アウトを1個ずつ取ろうと思っていったのがよかった」。1年目の2021年に2試合に登板も昨季は1軍登板なし。「もっとチームのために投げられれば」と力を込めた。

◆不屈の右腕が、勝敗を決するマウンドに帰ってきた。昨年、国指定の難病「黄色靱帯骨化症」を患い手術を受けたDeNA・三嶋一輝投手(32)が同点の六回に3番手で登板。1回無失点でホールドを記録し「1軍で投げる気持ちでリハビリをしてきた。次に進める第一歩になった」と静かに語った。昨季サヨナラ弾を浴びた5月7日の広島戦(マツダ)以来、329日ぶりの1軍登板。1球目にこの日最速の152キロをマークし、梅野のバットをへし折った。不運にも中前打となったが、代打・渡辺諒をフォークボールで三振。2死二塁から近本に左前打を許したが、佐野の好返球により無失点で終えた。これまで完全復活は困難とされてきた難病だけに、三嶋は最初から「再び1軍の戦力になること」を目標に掲げてきた。復帰後初の公式戦登板で、しびれる同点の場面を任されたのは戦力として認められているからこそ。三浦監督は「一輝が帰ってきたのは非常に大きいこと」と明かした。野球人生の危機を乗り越えた三嶋が、DeNAを頂点へと導く。(浜浦日向)

◆阪神・富田に初登板勝利が舞い込んだ一戦を、父・広之さん(51)は岐阜・養老郡の自宅でテレビ観戦し、大喜びした。「一回から見ていて『今日は乱打戦で面白くなるなあ』という話はしていたんですけど、最後にあんな手に汗握るような試合になるとは...。本当にうれしい。今日はおいしいお酒が飲めます」愛息は春季キャンプ中の1軍昇格から結果を積み重ね、開幕1軍入り。「これだけすごい戦力の中で、はっきり言ってビックリしています」というのが父の本音だった。昔はマウンド上で感情を表に出していたが「最近はあまり出さないようになった。力がついてきたのかな」と感じていた。だからこそ、この日の雄たけびは左腕にとって特別だったようだ。富田はお立ち台で、記念球を両親にプレゼントすると明かした。広之さんは「日にちを書いて送ってもらって、飾りますね。これからたくさん増えることを願っています」。選手として息長く活躍してくれることを信じて、応援し続ける。(須藤佳裕)

◆昨年開幕9連敗のわが阪神が延長十二回、近本のサヨナラ打で開幕2連勝。エープリルフールのウソじゃないでェ!! クーッ、昭和の匂いがプンプンする岡田浪花節のサヨナラ劇場に、目頭が熱くなったやないか!!5-5の同点に追い付いた後、中継ぎの村上、岩崎、浜地、湯浅、石井、加治屋、そしてルーキーの富田(プロ初勝利オメデトウ)と7投手がマウンドを無失点で死守すれば、若虎小幡の台頭で控えとなった木浪が代打で初球をキチンとバントを成功させたり、同じくベンチに回った糸原や坂本がまさにプロの意地をみせつけるヒットを放つ!! ウウウ...これが泣かずにいられるかってんだ!!いやいや、まだ2試合、1985年以来の日本一になるんだから浪花節に酔ってばかりもいられない!! 先発で二回まで5失点のアキヤマー!! ヌ~ヌ~頭上に特大のペッパーミルかざして大量のコショウ振りかけたろかァ!? やっと手に入れた先発のチャンスをおろそかにすんな!! 虎の日本一のために君の右腕が絶対不可欠なんだよー!! ペッパー愛のムチで次は好投してくれ!!

◆昨日の当番デスク・阿部祐亮の4歳の次男が、ようやくエープリルフールの意味を覚えたらしい。「朝から、パパなんて大嫌い! ウソッ」と言ってきたそうな。こういうウソはかわいい。4月1日の朝から無責任なウソをつきまくっていたアナタ。真実がいかに素晴らしいか、タイガースが証明してくれたでしょう。ウソじゃない。正真正銘の延長戦サヨナラ勝ち。いやぁ、爽快だった。興奮の試合後。トラ番・織原祥平がメールで連絡してきた。「救援でのプロ初登板初勝利は、川尻哲郎さん以来だそうです」すぐに阿部デスクが「確認する!」の返答。あうんの呼吸で打ち合わせが進行していった。懐かしいなぁ。川尻初勝利。よ~く覚えている。と同時に、いかに自分がいい加減なトラ番だったかを証明するような記憶だ。1995年4月28日。私を含むトラ番は手分けしながらヒーローたちを取材して、一段落。すると誰かが「川尻が初勝利らしいで」と言っているではないか。えっ、取材してないよな? 慌てて、ヒーローを呼んできてもらった。いくらドサクサの試合展開だったとはいえ、勝ち投手をインプットせず取材していたのだ。いい加減極まりない記者だ。川尻に「何で誰も取材に来ないのかと思ってましたよ」とあきれ顔で言われた。それに比べて、わがトラ番若手部隊の優秀なこと。立派過ぎて、口が裂けても「俺の若い頃はなぁ」とか「俺のような記者を目指せ」なんて言えない。それにしても、劇的だった。昨年の延長戦の勝率の悪さを阿部デスクが教えてくれたが、確かに勝った記憶がない。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
200 1.000
(-)
-
(-)
1415
(+1)
0
(-)
3
(+1)
4
(-)
0.220
(↓0.038)
0.000
(-)
1
(-)
阪神
200 1.000
(-)
0
(-)
14112
(+6)
8
(+5)
0
(-)
4
(+2)
0.319
(↑0.009
3.430
(↓0.43)
3
(1↑)
巨人
110 0.500
(↑0.5)
1
(-)
1415
(+2)
6
(-)
2
(+1)
0
(-)
0.169
(↑0.008)
2.000
(↑2)
3
(2↓)
中日
110 0.500
(↓0.5)
1
(↓1)
1416
(-)
5
(+2)
0
(-)
1
(-)
0.250
(↓0.074)
2.650
(↑0.35)
5
(1↓)
DeNA
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1418
(+5)
12
(+6)
1
(+1)
0
(-)
0.218
(↑0.036
4.580
(↓0.08)
5
(1↓)
広島
020 0.000
(-)
2
(↓1)
1410
(-)
5
(+1)
0
(-)
1
(+1)
0.123
(↑0.012)
2.810
(↑1.69)