日本ハム(★1対3☆)楽天 =リーグ戦1回戦(2023.03.30)・エスコンフィールド北海道=
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楽天
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日本ハム
0000010001300
勝利投手:田中 将大(1勝0敗0S)
(セーブ:松井 裕樹(0勝0敗1S))
敗戦投手:加藤 貴之(0勝1敗0S)

本塁打
【楽天】伊藤 裕季也(1号・5回表ソロ),フランコ(1号・6回表2ラン)

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◆楽天は両軍無得点で迎えた5回表、伊藤裕のソロで先制する。続く6回にはフランコの来日初アーチとなる2ランが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・田中将が6回途中1失点で今季1勝目。敗れた日本ハムは、先発・加藤貴が好投を見せるも、打線が振るわなかった。

◆日本ハム-楽天は新球場のエスコンフィールドで開幕。52年のフランチャイズ制後、新球場のこけら落としが開幕戦で行われるのは、88年東京ドーム(巨人2-4ヤクルト)97年ナゴヤドーム(中日3-2横浜)に次いで3度目。パ・リーグでは初めてになる。開幕マウンドを託されるのは左腕の加藤貴之で、自身初の大役を担う。日本ハムの左投手が開幕戦で勝ったのは82年江夏だけだが、江夏は救援勝利。左腕の開幕投手は過去3人(4度)いるが、いずれも勝てていない。新球場の開幕戦で、球団左腕初の先発勝利となるか。

◆楽天田中将大投手(34)が、喜びをかみしめて腕を振る。30日、日本ハムとの開幕戦(エスコンフィールド)で、日本では11年ぶりに開幕投手を務める。駒大苫小牧時代を過ごした"第2の故郷"の新球場。「開幕の1発目、新球場1発目ということで、縁がある北海道の地で投げられるのは非常にうれしく思います」と話した。前日練習では初めて踏むマウンドや芝をチェック。ブルペンでも投球し、感覚を確かめた。「まだ本気で投げてるわけじゃないし、踏み込みも本気でやってるわけじゃないので分からない。数多くいろんな球場で投げてきているので、何か慌てるということはない」。未知のマウンドも、日本やアメリカでの百戦錬磨の経験がある。オフ期間から取り組んできたフォーム改良にも手応え。オープン戦では4試合で防御率2・16と安定した成績を残してきた。「いい形で投げられてると思います。ゲーム、シーズン通してしっかりやっていくだけ」と自信を持った。コロナ禍から明け、満員での声出し応援も復活する。ビジターではあるが「そういう状況環境の中でやれることがやっぱり喜びでもあるんで、楽しみですね」。大歓声を背にした好投で、勝利に導き、10年ぶりの優勝へ向けての第1歩を踏みしめる。【湯本勝大】

◆楽天田中将大投手(34)が30日、日本ハムとの開幕戦(エスコンフィールド)で、日本では11年ぶりに開幕投手を務める。駒大苫小牧時代を過ごした"第2の故郷"の新球場。「開幕の1発目、新球場1発目ということで、縁がある北海道の地で投げられるのは非常にうれしく思います」と話した。

◆日本ハム新庄剛志監督(51)にとっても、新球場での歴史的な開幕戦は"本名登録"での公式戦初采配となる。昨年はセンセーショナルを巻き起こしたビッグボスではない。「優勝なんか一切、目指しません」と公言した就任1年目の昨季は、開幕戦前日となる22年3月24日に登録名を「BIGBOSS」に変更してシーズン終了まで指揮を執った。ただ、札幌ドームでの公式戦最終戦となった同年9月28日のロッテ戦の試合後のセレモニーで「今シーズンをもって、ビッグボスのユニホームを脱ぎます。ありがとうございました」と、あいさつしていったん退場。その後、新たに「SHINJO」と書かれたユニホームで再登場して「来年(23年)、新庄剛志で、エスコンフィールドで監督の指揮を執ってもいいですか?」とファンに問いかけ、大きな拍手をもらうと「来年(23年)は、2位も6位も一緒です。日本一だけを目指して、ブレずに戦っていきたいと思います」と宣言した。だから今季は登録名を「BIGBOSS」から「新庄剛志」に再変更した。「優勝しか、目指しません」と公言する今季への意気込みの表れだ。かなり浸透したビッグボスの愛称を"捨てた"理由について、新庄監督は札幌ドーム最終戦のセレモニー後に、次のように説明していた。新庄監督 ビッグボスのユニホームを脱ぐというのは、寂しさとかいうより、真剣勝負。来年、"新庄剛志"でいきたいなという気持ちがある。ビッグボスって...チャラい(笑い)。でも、いいんです。来年ね、もうチャラけられないから。「船長」にしようかなぁ、「新庄」にしようかなぁって悩んだんですけど「新庄」でいきます。現役引退した06年以来となる"SHINJOユニホーム"を着用して臨む今季は派手なパフォーマンスは封印して、シーズン開幕までブレずに突き進んできた。昨季は試合中にリクエストを行うと「ビッグボスからリクエストがありましたので...」というアナウンスがあり、各球場でどよめきと笑いも起きていた。「意外とね、恥ずかしかったんですよ。やめてって感じでしたからね」と苦笑いで指揮官も振り返っていた"名シーン"も今季はお預けとなるが、すべては優勝、日本一になるため。就任2年目の「新庄剛志」監督の勝負に徹する采配も、いよいよ始まる。

◆新球場での歴史的開幕戦が他5カードに先駆けて1試合だけの先行開幕となったのは、プロ野球界全体で"お祝い感"を演出するためだ。この日程が正式決定したのは、12球団と日本野球機構(NPB)による理事会・実行委員会で、今季の日程大綱が承認された昨年8月8日。異例の措置となった理由について、NPB井原敦事務局長は「新球場というのは、何十年に1回みたいなもの。特別に1日前にずらして、12球団の総意として門出を祝うという意味を込めた」と説明した。今回の開幕戦にプレミアム感が増す理由は、もうひとつある本来なら、今季のパ・リーグ開幕カードを主催するのは19年シーズンの上位3球団(西武、ソフトバンク、楽天)で、同年5位だった日本ハムは開幕カードはビジターで迎えるはずだった。そこで、昨季の開幕戦主催の権利(18年3位)を持っていた日本ハムは、楽天(19年3位)と23年開幕戦主催の権利を交換したことを21年12月に発表し、新球場でのシーズン開幕戦が実現に至った。新球場構想仕掛け人で、推進役を担った「ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」の前沢賢取締役事業統轄本部長(48)も、楽天と開幕戦主催の権利の交換が発表された際には「最初にホームで試合をやりたいという願いがあった。本当に楽天さんには感謝しかない」と話していた。その楽天を新球場に迎えて、日本ハムの新時代は幕を開けることになる。

◆日本ハムが新球場エスコンフィールドで楽天との開幕戦を迎える。試合開始6時間以上前の正午すぎには、JR北広島駅前から球場に向かうシャトルバス乗り場に長蛇の列ができた。

◆日本ハムの新球場エスコンフィールドで行われる今季開幕戦を前に、球場の各出入り口では、午後4時の開場前から入場を待ちわびるファンの行列が見られた。コカ・コーラゲート前では、入場を待つ来場客が長蛇の列をつくっていた。最前列で並んでいた江別市の学生・木村美月さんは、午後2時ごろから並び始めた。「いよいよ新球場での試合なので、楽しみ」と開場を心待ちにしていた。今季の日本ハムについては「新加入の選手がどんな影響を与えてくれるか、期待してます」と話していた。リポビタンゲート前の最前列に並んでいた丸山義尚さんは28日に福岡県から道内入りし、スターティングライブを鑑賞した。この日は開幕戦を観戦する。「今日は試合なので、ホームランやチームが勝つところを見たい」と話した。

◆試合前に日本ハムの新球場エスコンフィールド北海道の開業セレモニーが行われ、北海道の鈴木直道知事(42)、北広島市の上野正美市長(75)、球団の井川伸久オーナー(61)、小村勝社長(57)らが、テープカットに臨んだ。井川オーナーは「今年は球団創設50年目、北海道移転20年目の年になる。これまで北海道のみなさんにファイターズを見守り、育てていただきました。ここで新しい歴史を皆さまとともに作っていきたい。夢の始まり。北海道のシンボルとなるよう、日本はもとより、世界に発信していきたい」と話した。鈴木知事は「素晴らしいエリアが北海道にできる。歴史的瞬間に立ち会えてうれしい。WBC優勝の熱そのままに是非、今日は勝ってほしい。そしてリーグ優勝、日本一を信じて、皆さんと一緒に応援していきます」と強い口調で話した。セレモニー中は、自衛隊北部航空音楽隊が演奏を担当し、式の終了直後から、北広島上空で、航空自衛隊ブルーインパルスの展示飛行が披露された。

◆日本ハムの新球場エスコンフィールドの右翼側屋外に、児童らが野球を楽しめる小型の球場「PLAY FIELD」がグランドオープンした。この日は、ベースボールアカデミーのコーチが参加し、ストラックアウトが行われた。球場を模した30メートル四方ほどのスペースは無料開放され、ボールやバットなどを貸し出す。9歳までの児童が自由に野球を楽しむことができる。アカデミーの浅沼寿紀コーチは「ふらっと寄って野球を楽しんでもらえれば」と話していた。東京から訪れた渡辺将生くんは「ボールを投げられて楽しかった。試合も楽しみ」とストラックアウトを楽しんでいた。

◆日本ハムの新本拠地「エスコンフィールド」で行われる開幕戦のスタメンが発表された。日本ハムは上川畑大悟内野手(26)、清宮幸太郎内野手(23)、万波中正外野手(22)、五十幡亮汰外野手(24)の4選手が初の開幕スタメン。中日から新加入した新外国人のアリエル・マルティネス捕手(26)は指名打者に入った。楽天では昨季途中でDeNAから加入して移籍2年目を迎えた伊藤裕季也内野手(26)が初めて開幕スタメンに名を連ね、新外国人のマイケル・フランコ内野手(30)は3番に入った。両先発は、日本ハムが初の開幕投手を務める加藤貴之投手(30)、楽天が国内では11年ぶり2度目の大役となる駒大苫小牧(北海道)OBの田中将大投手(34)。

◆NPB全カードの先陣を切って30日に唯一行われるパ・リーグ開幕戦の日本ハム-楽天戦が、テレビ東京系で生中継(午後5時半)された。試合開始前には、お笑いコンビのさまぁ~ずの三村マサカズ(55)と大竹一樹(55)、田中瞳アナウンサー(26)の「モヤモヤさまぁ~ず2トリオ」が登場。エスコンフィールドにつながる歩道を歩きながら、生中継がスタート。球場前に到着すると元日本ハムの斎藤佑樹氏(34)が合流した。三村がいきなり、ナビゲーター役の斎藤氏に先制パンチを浴びせた。「僕がエスコンフィールド北海道の魅力を」と言って自信ありげな表情を見せた斎藤氏に、三村がいきなり質問を投げかけた。球場前にたたずむクマのマスコットを指さし「佑ちゃん、あのクマさんの名前知ってる?」と斎藤氏に聞くと、分からなかったようで、「そういったむちゃ振り止めてください」と三村の袖をつかみ慌てていた。

◆開幕戦セレモニーに球団OBのパドレス・ダルビッシュ有投手(36)が登場した。大型ビジョンで絵本作家の五味太郎さん原作のアニメーション映像で世界はボールでつながっていることを表現した「IT'S ALL IS BAL!」が放映されると、最後に子どもが投げたボールを受け取ったのがダルビッシュ。「世界がまだ見ぬボールパークをつくろう。2023、プレイボール」と話す映像が流れると大歓声が起きた。

◆開幕セレモニーで日本ハムの選手会長の松本剛外野手(29)が"生声出し"を行った。ロッカールームの映像が大型ビジョンに映し出されると、松本剛が「今日は、記念すべき開幕戦です。この世界一の球場でプレーできることに喜びを感じて、とにかく全力で戦いましょう。今日勝たないと男じゃないと思うので、チーム一丸となって必ず勝ちますよ。絶対勝つよ。さあ行こう」と、ナインの士気を高めた後、全員が一塁側ベンチに移動してスタンバイし、メンバー紹介でグラウンドへ登場した。

◆侍ジャパンを世界一に導いた栗山英樹監督(61)が、現在は「プロフェッサー」という肩書で所属する日本ハムの新球場に凱旋(がいせん)した。チームが本拠地を北海道へ移転した04年以降に指揮を執った歴代監督の1人として、超豪華な始球式に参加した。始球式のマウンドには07年まで監督を務め、今季からチームとコンサルタント契約を結んでいるトレイ・ヒルマン氏(60)が登場。08年から11年まで監督を務めた梨田昌孝氏(69=日刊スポーツ評論家)が現役時代と同様に捕手として、どっしりとホーム付近に腰を据えた。そして、12年から21年まで指揮を執った栗山監督が右打席へ入り、ヒルマン氏の投球...するかと思ったら、ヒルマン氏がホーム付近に近寄って"ポジションシャッフル"を提案。栗山監督がマウンドへ、梨田氏がバットを持って右打席へ、そしてヒルマン氏が捕手役となって、豪華な始球式が行われた。札幌ドーム時代のチームの歴史を紡いできた3監督の夢の共演に、現在の指揮官である新庄剛志監督(51)も拍手。超満員のファンも大盛り上がりで、歴史的な開幕戦が幕を開けた。

◆豪華な始球式を受けてツイッターでは「シンジラレナーイ」がトレンド入りした。試合開始前に侍ジャパンを世界一に導いた栗山英樹監督(61)に今季からチームとコンサルタント契約を結んでいるトレイ・ヒルマン氏(60)と梨田昌孝氏(69=日刊スポーツ評論家)が登場。チームが本拠地を北海道へ移転した04年以降に指揮を執った歴代監督の3人が勢ぞろいし、新球場での開幕戦に花を添えた。夢の共演にネットも大歓喜。「何、この豪華な始球式!! シンジラレナーイ!」「歴代監督による超絶豪華始球式なんて シンジラレナーイ」「ピッチャーヒルマン元監督 キャッチャー栗山監督 打者梨田元監督 豪華すぎてシンジラレナーイ」など、リーグ優勝と日本一を達成した06年に監督だったヒルマン氏が生んだ名言「シンジラレナーイ」を引用したくなるほど、豪華な始球式にネットが沸いた。

◆楽天伊藤裕季也内野手(26)が、新球場エスコンフィールドの第1号本塁打を放った。5回1死、日本ハム加藤貴の初球、外角高めの138キロ直球を左翼席へ運んだ。「田中さんがいいピッチングをしていて、チームとしても何とか先制点を取りたかったので良かった。個人的には1打席目に自分のスイングができていなかったので、今回は自分のスイングができたので良かった」と喜んだ。昨季7月にトレードでDeNAから加入。今季はキャンプからアピールを続け、オープン戦では2割7分0厘、2本塁打、11打点。結果を残し、自身初の開幕スタメンを勝ち取った。石井監督からは「今までやってきたことを信じてほしい。奮起して、特別な雰囲気を肌で感じて、鳥肌立ちながら打ってほしい」と送り出された1戦。右の大砲候補が、首脳陣の期待に応えるような、先制アーチを描いた。

◆新球場でも「きつねダンス」への期待は健在だ。球団公式チアリーダー「ファイターズガール」による「きつねダンス」は5回が始まる前まで、披露はまだだ。昨季、球界にとどまらず社会現象化したパフォーマンスを待ちわびるファンが続出し、ネット上ではパフォーマンスが行われる前から「きつねダンス」がトレンド入りした。ちなみに地上波で生中継を行ったテレビ東京では、田中瞳アナウンサー(26)が3回終了直後にきつねの耳を付けてスタンバイ。さまぁ~ずの2人もパフォーマンス開始を待ったが、始まらない状況に三村マサカズ(55)が「やらないこともあるのかよ」と、思わずツッコミ。全員で少しだけ、きつねダンスを踊って苦笑いしていた。

◆日本ハムの球団公式チアリーダー「ファイターズガール」による新パフォーマンスが披露された。4回裏終了後に「ジンギスカンダンス」が行われた。♪ジン、ジン、ジンギスカ~ンという、おなじみの曲に合わせて、ファイターズガールが、両手にファイターズ仕様のジンギスカン鍋をモチーフとした小道具を持ってたたく斬新なパフォーマンスが、昨季大流行した「きつねダンス」が行われる前に披露された。北海道名物のジンギスカンを前面に押し出した新パフォーマンスに、ネット上も「ファイターズガール、ジンギスカンの時ジンギスカン鍋みたいなの持って出てきたんだがww」「ジンギスカンダンスかわよ」「片手に鍋1つずつ持って踊ってたけどwwwジン♪ジン♪ジンギスカン♪♪」など、ネット上もざわついた。

◆新球場も、やっぱり「きつねダンス」で盛り上がった。6回表終了後、球団公式チアリーダー「ファイターズガール」がきつねの耳としっぽを付けた、おなじみの格好で登場。昨年、社会現象化した「きつねダンス」パフォーマンスを披露した。ネット上でも「きつねダンスかわいすぎた」「今年もきつねダンス!いいね」「楽天ファンのはずなのにきつねダンス待ちとか。すいません」など、きつねダンスを待ちわびていたファンも大喜びだった。

◆日本ハム野村佑希内野手(23)が新球場&今季チーム初打点を記録した。開幕戦で「4番・三塁」で先発出場。6回1死満塁で楽天田中将から中犠飛を放ち、三塁走者の松本剛が生還した。野村は「先輩方がつないでくれたので、何とか最低限の仕事ができてよかったです」とコメントした。

◆新球場エスコンフィールド専用のリリーフカーも公式戦初登場となった。6回裏の2死二、三塁の場面で、楽天の鈴木翔天投手(26)が乗ってマウンドへやってきた。このリリーフカーは農業用車両などを手がけるクボタ製。普段は資材の運搬などに使用される2人乗りのユーティリティービークルがリリーフカーとして採用された。2日にお披露目された際に試乗した日本ハム宮西尚生投手(37)は「今までのリリーフカーの発想を超えてきた。北海道の色が出た車。そういう意味でこの球場にマッチするリリーフカーだと思う」と絶賛していた。

◆豪華始球式で共演した北海道移転後の日本ハムで監督を務めたトレイ・ヒルマン氏(60)、梨田昌孝氏(69=日刊スポーツ評論家)、侍ジャパンを世界一に導いたばかりの栗山英樹監督(61)が、球団を通じてコメントを発表した。打者役を務めるはずだった栗山監督が始球式を務める形となった裏話などが明らかになった。当初は始球式で投げる予定から捕手役を務めたヒルマン氏は「梨田さんと私との間で、ぜひ栗山さんに投球していただきたいという思いがありました。栗山さんは10年間ファイターズで監督をし、WBCでも日本を3度目の優勝に導いた素晴らしい監督なので、ぜひ始球式で投球していただきたいと、梨田さんと私の間でシークレットとしていました。結果として栗山さんに投球いただき、球場にいらしているファンの皆さまにも喜んでいただけたので、私もうれしく思います」と、サプライズだったことを明かした。捕手役から打者役へ変わった梨田氏も「世界一になった栗山監督に投げてもらおうと、ヒルマンさんと話していました。北海道日本ハムファイターズの歴代の監督が集まって、こういう時間を過ごせて最高に楽しかったです」と感無量だった。ヒルマン氏と梨田氏による粋な計らいを受けた栗山監督は「僕が投げるのは全く知らず、びっくりしました。マウンドに立って、ファンの方の温かい雰囲気をすごく感じられました。この球場で戦える選手たちは幸せ。ここで野球の素晴らしさを伝えていってほしいですし、世界一の球場になってほしいです」と2人への感謝とともに、新球場への熱い思いも吐露した。

◆日本ハムの球団公式チアリーダー「ファイターズガール」による新パフォーマンスが披露された。

◆日本ハム加藤貴之投手(30)が今季開幕戦で先発登板し、7回102球を投げ、8安打3奪三振無死四球の3失点だった。5回に8番伊藤裕に直球を左翼に運ばれ先制を許すと、6回には、3番フランコに2ラン本塁打を浴びた。加藤貴は降板後、「先制点をとられてしまって、粘っていかないといけない場面で打たれてしまった。開幕戦でこのような結果になってしまい申し訳ない」と語った。

◆投打がかみ合った楽天が、日本ハムの新球場で行われた歴史的な開幕戦を制した。6回途中1失点と好投した楽天田中将大投手(34)が、駒大苫小牧時代を過ごした北海道に誕生したエスコンフィールドで最初の勝利投手となった。日本ハムは打線がつながらなかった。5回1死まで田中将の前にパーフェクト投球を許した。6回1死満塁で4番野村佑希内野手(22)の犠飛で新球場でのチーム初得点も、その後は楽天リリーフ陣を打ち崩せなかった。新球場エスコンフィールドで日本ハム歴史的開幕戦、最寄り駅前バス乗り場は長打の列/写真特集新パフォーマンス「ジンギスカンダンス」披露/ファイターズガール写真特集

◆投打がかみ合った楽天が、日本ハムの新球場で行われた歴史的な開幕戦を制した。6回途中1失点と好投した楽天田中将大投手(34)が、駒大苫小牧時代を過ごした北海道に誕生したエスコンフィールドで最初の勝利投手となった。打線は5回に伊藤裕季也内野手(26)が新球場初本塁打となる、左翼のブルペンへ飛び込む先制の1号ソロ。6回には新外国人のマイケル・フランコ内野手(30)が左翼上段席へ飛び込む1号2ランを放って追加点を挙げ、田中将を援護。6回途中からは継投でリードを守り、最終9回は松井裕樹投手(27)が締めくくって今季初セーブを挙げた。日本ハムは打線がつながらなかった。5回1死まで田中将の前にパーフェクト投球を許した。6回1死満塁で4番野村佑希内野手(22)の犠飛で新球場でのチーム初得点も、その後は楽天リリーフ陣を打ち崩せなかった。6回3失点だった開幕投手の加藤貴之投手(30)が今季初黒星を喫した。

◆楽天田中将大投手(34)が駒大苫小牧高時代を過ごした"第2の故郷"の新球場初戦で、歴史的勝利を挙げた。5回1死まで日本ハム打線をパーフェクトに抑えるなど、立ち上がりから安定した内容。5回2/3を2安打1失点にまとめ、エスコンフィールドで最初の勝利投手となった。試合後のヒーローインタビューの一問一答は以下の通り。-12年以来11年ぶりの日本での開幕投手、そして新球場での勝利田中将 1発目ということでしたけども、いい緊張感の中で投げることができました。そして、勝つことができて本当にうれしく思います。-新球場で、いつもとは違う独特な雰囲気田中将 いやでも、僕には経験があるので。慌てることなく、しっかり地に足を付けて、投げることができたと思います。-試合の入りを含めて、どんなところに手応えを感じたか田中将 うーん、まあ5回、6回、少しバタついてしまいましたけども、ゲームの入りという部分では、しっかりと良い形で入ることができましたし、自分の投球ができたと思います。-5回のピンチをしのいだ際には、雄たけびもあった田中将 やはり、声出し応援があるということで、その熱気にも押されてですね、自分の感情が爆発しましたね。-2月1日のキャンプインで石井監督から開幕投手を通達されて、2カ月近くを経て今日を迎えた。勝利で期待に応えられたことについて田中将 もう最高です。これ以上ないです。-北海道の地で、勝利で今季のスタートを切った田中将 自分も縁のある、この北海道で、その(新球場での)最初の1発目というところで投げて、勝つことができて、本当にうれしく思います。今シーズン、一番高いところまで突き進んでいけるように、みなさんとともに頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

◆夢のボールパークの開園とともに、プロ野球の23年シーズンが幕を開けた。日本ハムの新本拠地、エスコンフィールドのこけら落としで、日本ハム-楽天戦が他の5カードに先駆けて行われた。1番に昨季首位打者の松本剛外野手(29)を今季初めて起用するなど、オープン戦からガラッと変えたスタメンオーダーで勝負に出た新庄剛志監督(51)だったが、楽天投手陣を攻略できず、4年連続で開幕黒星スタートとなった。新球場で迎える歴史的な開幕戦。開幕20連勝を狙っていた新庄監督だったが、いきなり負けた。「悔しがっても仕方ないけど、今日の負けというのは、ひじょう~~~に悔しいですね。この球場を造ってくれた(延べ人数)65万人の人の思いを背負いながら戦ったんですけど...」。1歩届かず、4年連続の開幕黒星スタート。何より、歴史的な開幕戦を勝利で飾れず、心の底から悔しがった。選手に先発オーダーを告げたのは、試合開始の2時間半前だった。ある程度、打順やポジションの固定を明言していた新庄監督だったが、開幕戦から、いきなり動いた。昨季首位打者の松本剛を、今季実戦で初めて1番に起用。「勢いをつけてくれる選手だし、それに後ろの打者が乗ってくれるという期待で」。松本剛だけでなく、上川畑、石井、五十幡と計4人が、オープン戦を通じて初の打順に入った。チーム初安打が生まれたのは0-1の5回1死、5番清宮が放った右中間フェンス直撃の二塁打だった。「あの~、清宮君。エスコンでもフェン直かい! 入れとかんかい! ちょっと笑ってもうた(笑い)」。広い札幌ドームでは、フェンス直撃の安打が多かった清宮。狭いエスコンフィールドでは、札幌ドームでフェンス直撃だった打球が、本塁打になると期待されていた。「あそこまで飛ぶとは思っていなかったけど、意外に伸びてね...。フェン直かい! と心の中で突っ込んだ。スタンドのみんなも、清宮君の第1号を見たかったと思うしね」と、次戦に期待した。手に汗握る見せ場も作り、3万人超の観客で膨れ上がった新球場。4年ぶりの開幕戦勝利はならなかったが「明日(31日)練習して、また新たな気持ちで。明後日(4月1日)が開幕戦のつもりで、勢いに乗ってガンガン攻めていきたいと思います」と、表情は明るかった。【中島宙恵】日本ハムは楽天に1-3で敗れ、23年は黒星スタートとなった。これで開幕戦は20年から4連敗で04年の北海道移転後、通算7勝12敗1分けと負け越している。移転後5度あるリーグ優勝年の開幕戦成績は2勝2敗1分けの五分。09、16年は初戦黒星も、リーグ制覇している。

◆日本ハムの新球場、エスコンフィールドの開幕セレモニーに起用されたのは世界的な絵本作家・五味太郎氏(77)。国内最大級の大型ビジョンに絵本がアニメ化された作品が流れるとスタンドがどよめいた。テーマは「すべてはボールである」-。「絵本ってのは、隠れたところに哲学を持たなくちゃダメだから」。音楽をつけたのはミュージシャンの馬場庫太郎氏。五味氏も清宮の父克幸氏と試合観戦した。

◆日本ハムの新球場エスコンフィールドのこけら落としで、「マー君」が変わらぬ存在感を示した。日本では11年ぶりの開幕投手を務めた楽天田中将大投手(34)が、5回2/3を2安打1失点。変化球を効果的に織り交ぜながら、4回までは完全投球。6回2死二、三塁で2点差に迫られて降板したが、駒大苫小牧高時代を過ごした北の大地で力投した。自身NPBの開幕戦では初勝利、日米通算191勝目で、チームを勢いづけた。変わったものと、変わらぬものがある。"第2の故郷"での開幕マウンド。試合前は日本ハムファンからも温かい拍手や声援が送られた。「北海道の人の温かさは高校入学直前から感じていた。忘れられてないんだなって。ありがたいですね」とほほえんだ。高校野球界を沸かせてから17年。当時と打って変わり、試合中は完全アウェー状態。満員の新球場で、日本ハムの応援歌が流れる中、球児のときと変わらぬ鋭い眼光で腕を振り続けた。「向こうの大きな声援はありましたけど、こっちはこっちでグッと入りやすいというか。いい雰囲気が戻ってきた」と力に変えた。直球で150キロ台に到達したのは、6回1死満塁での1球のみ。110キロ台から130キロ台のカーブ、スライダーやチェンジアップなどでコーナーを攻めた。要所ではキレのある直球で打者を差し込み、スプリットで翻弄(ほんろう)。4回までパーフェクト投球を見せた。高校時代を含め若き日のように、剛速球を連発させなくても、日米で積み重ねた経験がある。熟練した投球で試合を作った。楽天に復帰してから2年間で13勝21敗。納得のいく数字は残すことができなかった。巻き返しへ、オフ期間からフォームを改良。変化を恐れずに突き進んできた。同じ場所にはとどまらない。5回は1死一、二塁のピンチを切り抜け、雄たけびを上げた。「声出し応援があるということで、熱気にも押されてですね。自分の感情が爆発しました」と、内なる思いを発露した。それでも6回の途中で降板したことを悔いた。「次の登板に向けて、同じようなミスを繰り返してはいけない。少し慎重にやりすぎていた部分もある」。勝利に導きはしたものの、理想の投球はまだ先だ。今でも頭に強く残っているのは、13年の日本一を達成した際に行われた仙台でのパレード。「そこ目指して頑張りたい」と力を込める。今年の最後こそは、東北のファンと喜びたい。実現へ向け、さらなる変化を続けていく。【湯本勝大】田中将が日本では12年ロッテ戦以来2度目の開幕投手を白星で飾った。プロ野球で11年ぶりの開幕投手は02年→13年藤井(DeNA)に並ぶ最長ブランクだった。12年ロッテ戦は敗戦投手になっており、日本ではこの日が初の開幕戦勝利。大リーグ時代の田中将はヤンキースで開幕投手を4度経験し、19年オリオールズ戦で白星をマーク。日米で開幕投手を務めた日本人投手は昨年の大谷(エンゼルス)まで7人いるが、両方で白星は野茂英雄(日本1勝、米大2勝)黒田博樹(日本3勝、米大1勝)に次いで3人目。

◆楽天伊藤裕季也が、新球場エスコンフィールドの記念すべき第1号本塁打を放った。5回1死、日本ハム加藤貴の初球、外角高めの138キロ直球を左翼席へ運んだ。先制ソロで勝利に貢献したが、表情は引き締めたまま。「まだ始まったばかりというか、打ち続けていかないといけないというところで、喜びきれないところもある」と力を込めた。18年ドラフト2位でDeNAに入団も、22年途中まで通算36試合の出場にとどまった。昨季7月にトレードで楽天に加入。今季はキャンプから猛アピール。オープン戦では2割7分0厘、2本塁打、11打点。これまで経験のなかった遊撃手もこなし、死に物狂いで出場機会を求めてきた。努力を首脳陣に認められ、自身初の開幕スタメン。その一戦で、プロ1年目の19年8月14日ヤクルト戦以来の1発となった。活躍を続け、定位置確保を目指す。伊藤裕季也(いとう・ゆきや)1996年(平8)8月30日生まれ、三重県出身。日大三-立正大。立正大では4年秋の神宮大会決勝で決勝本塁打。18年ドラフト2位でDeNA入団。19年8月10日、初スタメンの中日戦で2打席連続本塁打。昨年7月、森原康平投手とのトレードで楽天移籍。今季オープン戦では満塁本塁打を2本放った。182センチ、90キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸850万円。

◆駒大苫小牧高時代を過ごした北海道で、楽天・田中将大投手(34)が、30日の日本ハム戦(エスコンフィールド北海道)で開幕投手を務める。「開幕の一発目、新球場一発目というところで、自分もゆかりがある北海道の地で投げられるというのは、非常にうれしいです」2月1日の沖縄・金武キャンプ初日に、石井監督から大役を伝えられた。日本では2012年以来11年ぶりで、米大リーグ、ヤンキース時代にも4度、開幕投手を務めた。29日はマウンドの感触を確かめ、投球練習を行った。7年間プレーしたメジャーの球場に似た雰囲気を感じながら「これまでいろんな球場で投げてきた。慌てるということはないと思う」と余裕をのぞかせた。指揮官は「百戦錬磨の経験値といろいろな状況判断。そういうものを含めて、試合をしっかりと構築してくれるはず」と背中を押した。日米通算190勝の田中将は「143分の1だが、大事なゲーム」と闘志をたぎらせた。(広岡浩二)

◆エスコンフィールド北海道で行われる日本ハム-楽天の開幕戦を翌日に控え、球場外でも最終調整が行われた。最寄りのJR千歳線、北広島駅から徒歩で片道約20分。オープン戦では収容人数3万5000人に対し、2万人前後に入場を制限したが、試合後はシャトルバスの利用を待つファンが長蛇の列をつくった。試合終了後、1時間ほどして帰途に就く際、この様子を見たという新庄監督は「あと2時間ぐらい待たないといけないぐらい(の状況)。俺なら来たくないかな。七回とか八回ぐらいで席を立つかな」と思案顔だった。路線用バスの定員は一般的に70-80人。ファンの輸送手段の確保が課題に挙げられた。新球場から北広島駅や新札幌駅などへのシャトルバスを運行している北海道バス清田営業所の中尾泰治所長(59)は5台ほど増便することを検討中だとし「せめて交通環境だけは責任を持って、少しでもいい環境を提供させていただく。日々、検証しながら徐々に良くしていきたい」と語った。札幌市、北海道の空の玄関口・新千歳空港のいずれからもアクセスが良く、新球場の運営会社はボールパーク全体で年間300万人の集客を目標に掲げる。JR北海道はナイターの開催日に札幌方面行きの電車を7本増やす予定だという。かつて日本ハムに在籍し、WBCで世界一に輝いた大谷翔平とダルビッシュ有が描かれた壁画があり、球場内で醸造されるクラフトビールが販売されるなど、話題が満載の新球場。アクセスが改善されれば、より多くの集客を見込める。(加藤次郎)

◆新球場で迎える特別な開幕戦への〝出陣〟へ、粋な計らいが施された。エスコンフィールド北海道での初戦が行われるこの日、日本ハムの選手が球場入りしてロッカールームに進むまでの通路に、ファイターズブルーの『ブルーカーペット』が敷かれた。発案者は新球場構想の中心となって推進役を担った「ファイターズ スポーツ&エンターテイメント」の前沢賢取締役事業統轄本部長。この日限定での試みだという。午後6時半から始まる開幕戦を前に、新庄監督をはじめ選手らが続々とブルーカーペットの上で歩を進め、引き締まった表情をしていた。

◆日本ハムの新球場、エスコンフィールド北海道の開業セレモニーが30日、球場の3rd BASE GATE前で行われた。セレモニーでは井川伸久取締役オーナーらが登壇し、開門を待つファンらにあいさつ。「これからここで新しい歴史を皆さんと一緒に作りたい。北海道のシンボルになるべく、世界へ向けて走り続けます」と声を張った。また、ファイターズカラーのブルーのスーツにブルーのネクタイを締めて登場した鈴木直道北海道知事は「素晴らしいエリアができる歴史的瞬間に立ち会えることがうれしい。新時代、新シーズンにリーグ優勝、日本一へ一緒に応援していきましょう」と呼びかけた。登壇者によるテープカットが行われると、直後に上空を航空自衛隊ブルーインパルスが展示飛行。6機が隊列を組み勢いよく上空を通過していき、ファンから歓声が上がっていた。

◆新球場の開場により他球団に先駆けて1日早く開幕する一戦。日本ハムは清宮幸太郎内野手(23)が6年目で初めて開幕スタメンに名を連ねた。

◆新球場での開幕戦セレモニーに歌手の小柳ゆきが登場した。新球場の計画立案から起工、完成までを振り返る映像がビジョンで放映された後、場内が暗転。グラウンド中央のステージで札幌交響楽団の演奏のもと「You Raise Me Up」をしっとりと歌い上げた。

◆WBC日本代表を率いて3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹監督(61)が、新球場での開幕戦のファーストピッチセレモニーに登場した。セレモニーでは2003―07年に監督を務めたヒルマン氏が投手、08年から4年間監督を務めた梨田氏が捕手、12年から10年間指揮を執った栗山監督は打者として登場したはずだった。ところが、いざ投球となった時にヒルマン氏がマウンド上で「タイム」の仕草を見せると、握っていた白球を栗山監督へ〝譲渡〟した。栗山監督は持っていたバットを梨田氏へ手渡し、当初の予定から役割を変更して沸かせた。投手の栗山監督は捕手のヒルマン氏に山なりの投球を披露。04年の北海道移転後のチームを率いた歴代監督が、新たな球場での門出を盛り上げた。

◆日本ハムと今季からコンサルト契約を結ぶトレイ・ヒルマン元監督(60)がテレビ東京の生中継に出演。元日本ハム投手の斎藤佑樹氏(34)からのインタビューに応じ、名言が飛び出す一幕があった。日本ハムの新球場、エスコンフィールド北海道の印象を問われたヒルマン氏は「今まで見た中でも本当に素晴らしい球場だと思います。(米国とは)構造上の違いも大きくあるんですけど、1つ1つがすごく洗練されてます。外見だったり、内面だったり、すごく細かいところまでこだわっているのがすごくいいなと思ってます」とその印象を語った。また、話がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本-米国の決勝戦に及ぶと、「正直、どちらが勝っても僕にとって勝ち負けはなかった。日本もアメリカもどちらも応援していたんですが、やはり日本が優勝して3度目のチャンピオンになったことに関しては本当に私自身、嬉しく思ってます」と世界一を奪還した侍ジャパンをたたえた。「最後にファイターズファンへ向けて一言、あの名言をいただいてもいいですか」と求められると、「北海道のみなさんは世界で一番です。間違いない、シンジラレナーイ」と監督時代に発した名言を日本語で連発し、視聴者を喜ばせた。

◆日本ハムの歴代監督が始球式に登場した。2021年まで指揮した栗山英樹前監督が、梨田昌孝さんを打席に、ミットを構えたトレイ・ヒルマンさんに山なりの球を投げ「この球場で戦える選手たちは幸せ。ここで野球の素晴らしさを伝えていってほしい」と笑顔を見せた。最初はヒルマンさんがマウンドに立ったが、本塁付近へ歩み寄って打者役だった栗山前監督に球を渡し、急きょ交代した。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝監督への粋な計らいを見せ「ファンの皆さまにも喜んでいただけたので、私もうれしい」とほほえんだ。(エスコン)

◆日本ハムの新球場開幕戦セレモニーに球団OBのダルビッシュ有投手(36)=パドレス=が映像出演した。セレモニーでは歌手の小柳ゆきによる歌唱や、北広島市内の小中学生、北広島高校の生徒による風船と照明を使った演出などが行われた。合間合間にVTRが挿入され、その一つでいきなりダルビッシュが場内大型ビジョンに登場。日本ハムの帽子をかぶり「世界がまだ見ぬボールパークをつくろう。2023年、プレーボール」と〝号砲〟をならした。他にも、絵本作家の五味太郎によるアニメーションなどが放映され、プロ野球に誕生した新たな球場の門出を華やかに彩った。

◆昨季7月に交換トレードで移籍した、楽天・伊藤裕季也内野手(26)が、エスコンフィールド北海道で記念すべき〝新球場第1号〟を放った。0-0、五回1死走者なし。日本ハム先発、加藤の初球を左翼スタンドのブルペンに運んだ。球団広報を通じて、今季初ホームランに「打ったのは直球系。田中(将大)さんがいい投球をしていて、チームとして何とか先制点を取りたかったのでよかったです」とコメントした。

◆WBC日本代表を率いて3大会ぶり3度目の世界一に導いた栗山英樹氏(61)がテレビ東京のテレビ中継にゲスト生出演。開幕戦ファーストピッチセレモニーで急きょ登板したことについて舞台裏を明かした。この日のセレモニーでは2003―07年に監督を務めたヒルマン氏が投手、08年から4年間監督を務めた梨田氏が捕手、12年から10年間指揮を執った栗山氏は打者として登場したはずだった。ところが、いざ投球となった時にヒルマン氏がマウンド上で「タイム」の仕草を見せると、握っていた白球を栗山監督へ〝譲渡〟。栗山氏が投手、梨田氏が打者、ヒルマン氏が捕手へ役割を変更し、栗山氏は山なりの投球を披露して球場を盛り上げた。この舞台裏を問われた栗山氏は「僕ら監督やると逆に...もう全然キャッチボールしてなかった。ヒルマンさんのおかげで今があるんでね、ファイターズが。『全然投げませんよ!』って何度も言いましたよ。『絶対投げないですからね』って。でもそれはもう先輩の流れですから、ああなったらね...」とヒルマン氏のアドリブだったと告白。「(始球式の交代は)どういうことなのか分かりませんけど、いまだに」と苦笑いで振り返っていた。

◆楽天の新助っ人、マイケル・フランコ内野手(30)が「3番・DH」で先発出場し、来日1号を放った。1―0の六回無死一塁。相手先発・加藤から左翼スタンドに特大の2ラン。球団広報を通じて「打ったのはスライダーかな。初戦で1本打ててほっとしている。この場に立てなかった仲間たちもいるからね。彼らに送るホームランにすることができたかな。練習に付き合ってくれた打撃投手や、全スタッフに感謝している」とコメントした。一回の1打席目は来日初安打となる右前打。四回先頭で左翼線二塁打。あと三塁打を放てばサイクル安打達成となる。

◆「4番・三塁」で開幕スタメン出場の日本ハム・野村佑希内野手(22)が0-3の六回、反撃の犠牲フライを打ち上げた。「先輩方がつないでくれたので、何とか最低限の仕事ができてよかったです」。楽天先発の田中将の前に空振り三振、二ゴロと無安打で迎えた第3打席。1死満塁でカウント2-2から145キロのスプリットを中堅後方まで飛ばした。前日29日には「チームを勝たせられる4番。ボス(新庄監督)は優勝しかないと言っていますので、優勝に貢献する4番でいたい」と力強く語っていた右打者。4番としての意地を見せた。

◆楽天の新外国人マイケル・フランコ内野手(30)がトレンド入りした。フランコは一回にエスコンフィールドで記念すべき初安打を放つと、四回には左へ二塁打をマーク。1点リードの六回は左スタンド上段へ豪快な2ランを放った。このフランコの活躍にツイッターでは「メジャー通算130発ってとんでもない」「フランコえぐい」などとファンが盛り上がった。また三塁打を放てばサイクル安打が達成するため期待の声も上がった。

◆ツイッターでは30日、「きつねダンス」のワードがトレンド入りした。日本ハムの新球場開幕戦。0-3で楽天にリードを許した六回表終了後、球団公式チアリーダー「ファイターズガール」が登場し、ダンスで反撃の機運を盛り上げた。球団公式ツイッターは、「ここから反撃を#きつねダンス」とつぶやくと、ファンも「今季もきつねダンスきた?」「きつねダンスをきっかけに逆転しましょう!!!」「きつねダンスに見惚れてたら餃子焦がしてもうた」とツイートした。同ダンスは昨年大ブレイク。キャプテンの辻菜穂子さん、滝谷美夢さんらファイターズガールの人気メンバーは、今年もファンを魅了した。

◆日本ハムの加藤貴は淡々と試合をつくったが、2球の失投に泣いた。0―0の五回に伊藤裕にソロを喫し、六回はフランコにも左越えに運ばれて2ラン。「粘っていかないといけない場面で打たれてしまった」と持ち前のポーカーフェースをわずかに崩し、膝に手を置いてうなだれた。昨季このカードは6試合で4勝1敗、防御率1・38と相性抜群で、半年前に開幕投手に指名された。「0点に抑えれば負けない」と意欲をにじませていたものの、打線が四回まで走者を出せない苦しい展開も重圧になったか。自慢の制球に生じたわずかな狂いが致命傷となり「開幕戦でこのような結果になってしまい、申し訳ない」と唇をかんだ。(エスコン)

◆楽天の松井裕が3―1の九回に登板し、2三振を奪って3人でぴしゃりと締めた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では1次リーグの1試合の登板に終わった。実戦不足と移動疲れにより開幕戦の登板には「大事な試合をつぶしたくない」と慎重に話していたが、きっちり役割を果たした。石井監督は「彼は何百セーブも挙げている人。心配はしていなかった」と全幅の信頼を寄せた。

◆プロ6年目で初の開幕スタメンを果たした日本ハム・清宮幸太郎内野手(23)が新球場でチーム初安打を放った。五回に田中将から右翼フェンス直撃の二塁打。開幕戦を前に「野球人生の中でも忘れられない一日になると思う。記憶に残るような、いい試合ができれば」と意気込んでいた。試合に敗れたものの、地元のファンを沸かせた。

◆先発した日本ハム・加藤貴之投手(30)は7回8安打3失点。自身初の開幕投手で白星をつかむことはできなかった。「粘っていかないといけない場面で点を取られてしまった」。五回に伊藤裕に先制ソロ、六回にフランコに2ランを浴び一発に泣いた。新球場での初戦で勝利へ導けず「開幕戦でこのような結果になってしまい申し訳ないです」と肩を落とした。

◆プロ野球は30日、北海道北広島市の新球場「エスコンフィールド北海道」での日本ハム―楽天の1試合で開幕した。楽天・田中将大投手(34)が5回?を2安打1失点と好投し、11年ぶりに務めた日本での開幕投手で初勝利を挙げた。前日29日はタレントの妻、里田まいさんの39歳の誕生日。北海道・駒大苫小牧高時代を過ごした第二の故郷で、歴史に残る新球場初勝利を飾った。大好きな北の大地で歴史的勝利を挙げた。11年ぶりに日本での開幕投手を務めた田中将が、六回途中1失点で初勝利。大役を堂々と果たした。「五、六回は少しバタバタしましたけど、全体的によかったと思います。緊張していましたが、いい緊張感で投球できたと思います」新球場「エスコンフィールド北海道」は日本ハムファンで埋めつくされたが、逆境で力を発揮するのが百戦錬磨の右腕。両サイドを攻めて、ストライクゾーンいっぱいにボールを操った。五回1死まで無安打投球を続けた。最速は150キロを計測し、計98球。3四死球を許したが2安打に封じ、5三振を奪った。

◆北広島市の人口は約5万7000人。3月末でも氷点下まで冷え込む日もある小さな町は確実に熱を帯び始めている。JR北広島駅や市役所には開幕戦までのカウントダウンボードが掲示。新球場の周辺一帯も開発され、マンションやホテル、レジャー施設などが建設。市は経済効果を10年間で1500億円と試算している。新球場建設を追い風に北広島市の地価は上昇。3月22日に発表された公示地価(1月1日時点)では住宅地、商業地ともに同市が昨年に続いて上昇率の全国トップで、それぞれ30・0%、28・4%を記録した。同市役所ボールパーク推進室の川村部長も「目指そうとした町作りが少しずつ形になってきている」と実感を込める。取材拠点を同市に移した記者も新球場のプレス内覧会では話題のサウナを満喫。プロデュースしたプロサウナー、ととのえ親方とご一緒し、まさに〝熱〟を肌で感じた。札幌市から家族で観戦に訪れたファン歴5年の中原悠大君(9)は「将来はプロ野球選手になって、ここで活躍したい」と目を輝かせた。エスコンフィールド北海道は次世代へと紡がれていく。(加藤次郎)

◆エスコンフィールド北海道は完全なボールパークだと思った。選手を間近に感じられて、外野の大型スクリーンは臨場感がたっぷり。どの席に座ってもワクワクするので、選手も観客も野球を楽しめる。これまで見てきたどの球場とも景色が違い、関係者が「世界一の球場」と豪語するのが決して大げさに聞こえない。きれいな天然芝のグラウンドは、選手に聞くと「打球がバウンドするたびに失速する感じ」という。球際のプレーが多くなるし、外野フェンスが低いので、本塁打は札幌ドームのときより増えると思う。ホームの日本ハムは新球場初の公式戦を勝利で飾りたかっただろうが、相手の田中将の方が1枚も2枚も上だった。34歳になり、全盛期のように力で圧倒する投球ではないものの、スプリットやカーブで緩急をつけて、四回までは付け入る隙がなかった。ピンチで集中力を高め、ギアを上げるマー君らしさは健在だ。開幕戦は独特の緊張感があって、試合前のセレモニーなどの気疲れも出る。縁のある北海道の新球場で勝ちたいという気負いもあったはず。六回途中、98球での降板は仕方がない。こういう投球ができるのだから、負け越しに終わった過去2年のようなことはないだろう。(サンケイスポーツ専属評論家)

DAZN

<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
楽天
100 1.000- 1423120 0.2731.000
2
日本ハム
010 0.0001 1421300 0.1033.000