オリックス(☆5対2★)阪神 =オープン戦4回戦(2023.03.24)・京セラドーム大阪=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
0002000002601
ORIX
01022000X51511
勝利投手:山下 舜平大(2勝0敗0S)
(セーブ:平野 佳寿(0勝0敗1S))
敗戦投手:青柳 晃洋(2勝1敗0S)

本塁打
【阪神】大山 悠輔(1号・4回表2ラン)
【オリックス】中川 圭太(3号・4回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ ORIX戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆オリックスは、来田が適時三塁打を含む3安打をマーク。開幕スタメン入りを目指す若武者が、バットでアピールに成功した。対する阪神は、大山がオープン戦1号となる2ランを記録。不振が続いていた4番に、待望の一発が飛び出した。

◆左肩の違和感で2軍調整中だった伊藤将司投手(26)が1軍に合流した。4月1日に行われるDeNAとの開幕第2戦での先発が濃厚だったが、11日に行われた日本ハム戦とのオープン戦前日に患部の違和感を訴え、登板回避。以降は調整が続いていた。21日には鳴尾浜のブルペンで立ち投げを行うなど順調に回復し、この日1軍に合流。24日からのオリックス3連戦では登板しないことが予想されるが、復帰の兆しが見えてきた。

◆阪神小幡竜平内野手(22)が、2試合連続でスタメンに名を連ねた。これまで正遊撃手を争っていた木浪聖也内野手(28)と2月春季キャンプ中から交互に先発出場を続けていたが、22日巨人戦に続き、開幕前ラスト3連戦の初陣に小幡が入った。

◆阪神大山悠輔内野手(28)が、23年初アーチとなる勝ち越し2ランを放った。1点を追う4回1死一塁。カウント2-1からオリックス先発山下の149キロ直球を捉え、左中間席へ運んだ。「相手投手が力強いボールを投げ込んできていたので、そこに振り負けないようにしっかりスイングすることを心がけた。これ以降の打席も1打席1打席を大事にしていきたい」。今春実戦22試合目、88打席目で飛び出した第1号。この打席まで打率1割4分6厘と苦しむ主砲に、待望の1発が生まれた。

◆開幕投手に内定している青柳晃洋投手(29)が、4回8安打3四球3失点と精彩を欠いた。初回の無死満塁のピンチを切り抜けるも、2回は1死満塁で犠飛を許し先制点を献上。4回は先頭中川圭に左越えの1発を浴びるなどさらに2点を失った。右腕は「よくなかったです」と反省。足場を気にする場面も見受けられ、「全体的に滑ってしまった。もう来週なので、やれることやって、勝てるように頑張るしかないです」と引き締めた。岡田監督はボール先行の投球を厳しく追及した。開口一番で「ボールばっかりやんなあ。ボール投げろとは言ってないから」。前回17日の敵地ヤクルト戦でも指摘したクイック投法での制球が乱れ、「クイックで外に流れてボールばっかりになるなあ。コントロール乱す方がカウント悪くなるわけやからなあ。2回連続同じこと言うたな」とぼやいた。この日今春で初めて打席に立ち、5回1死からの打席で代打を送られ交代。3月31日DeNA戦(京セラドーム大阪)前の最後の試合で4イニングでの降板となったが、指揮官は「青柳まだバッター行こうとしたからビックリしたよ。なんぼ開幕ピッチャーでもあんなピッチングしたら代えるよ。もうちょっと危機感持たなあかんわな」とくぎを刺した。開幕へ不安を残した。【古財稜明】

◆開幕投手の有力候補に挙がるオリックス山下舜平大投手(20)が、6回3安打2失点、7奪三振と好投した。初回、先頭の近本の2球目にいきなり自己最速タイの158キロを計測すると、3者凡退でスタート。球威と鋭く落ちるフォークを武器に、3回まで1安打無失点に抑え込んだ。1点リードの4回1死一塁、4番大山に149キロ直球を捉えられ2ランを献上。続く佐藤輝に中堅手の茶野の失策で二塁まで進塁を許すも、慌てなかった。好調のルーキー森下をフォークで中飛に打ち取ると、続く梅野は155キロ直球で空振り三振。球威は衰えず5、6回は再び3者凡退に抑え、この回限りで降板した。1軍未登板の投手が開幕投手を務めれば球団69年ぶりの快挙となるが、山下は「本当に何も言われていないので、まったく意識していない」と自然体で話していた。前回17日のオープン戦・広島戦(シティ信金スタ)でも4回2/3を4安打2失点、10奪三振と好投。この日もしっかり試合をつくった。

◆阪神岡田彰布監督(65)が、開幕投手に指名している先発の青柳晃洋投手(29)の内容に苦言を呈した。4回、毎回の8安打を浴び3失点。球数の多さと4回に味方が逆転した直後に再逆転を許した内容に「こっちに流れは来ないわな。なんぼ打っても」と厳しかった。試合後の一問一答は以下の通り。-先発の青柳は開幕前最後の登板だった「なあ、ボールばっかりやんなあ」-あれだけボールが先行するのは「いや、だって、ボール投げろとは言ってないから、わからへんやんかそんなもん(笑い)。何でボールなるか、あんな左(打者)ばっかりで外なあ、クイックで、外に流れてボールばっかりになるなあ。クイックは(前回登板17日のヤクルト戦)神宮の時にも言うたやんか。まだやるんよな、クイックで。だから。そんな走れへんやろ。1・1くらいで投げるピッチャーの。だからそれよりも、コントロールを乱す方が、なあ。カウント悪なるわけやからなあ。2回連続同じこと言うたなあ」-4回で降りたが本来ならもう少し「いやいや、他のピッチャーも投げなあかんのに。もう(この試合を含め)3試合しかないのに、そんなんピッチャー(9番に)入れてるんやから。そんな余裕ないやろ。DHならまだ投げさしてかもわからんけど、9番に入れてるんやから。打席回ってくんのにお前。そらお前、負けてるのに、そら反撃、点取りにいかなあかんやろ」-青柳は残り1週間で調整して「調整言うたって、今日ボールの数の方が多いんやで? なあ。初回にしても2回にしても。ちょっと言いようがないわな。ここに来てな。打たれて、(安打は)8本か。結局、なあ、カウント悪くして甘いところ投げなあかんみたいなな、おーん。この間(22日)の東京ドームの西純もそやけど、結局そういうことやろなあ。ほとんど甘いもん、だからヒット出たら(球場のビジョンに)映像出るからなあ。これはもうすぐ分かるやんか、打たれてるとこもな、ど真ん中ばっかりやん、今日もなあ。後のピッチャーもそやったけど、ちょっとあれじゃあかんわなあ、はっきり言うて」-大山は久々に「まあ、今年一番ええ当たりやろ。なあ(笑い)」-大山は最後の打席は四球。ボールの見極めも。「まあ、でもフォアボール選ぶとかまあそう、うーん、まあ、流れ的になあ、すごくいいホームランでなあ、うーん、だからまあ、本番というかなあ、公式戦やったら、あの(4回)裏に2点をかえされるというのが、まず流れがな。そういうことやろ。久しぶりに4番があんなしてホームラン打ってな、逆転してな。その後、ピッチャーが簡単に逆転されるいうことはな。まあ、こっちに流れは来ないわな。なんぼ打ってもな」-しっかりとらえた当たり。大山の打ち方としてはいい時の状態に「そら、まだまだやろ。そんなん、まだまだ」-連日、森下はいろんなタイプの投手を打っている「だから、そうやんか。ああやって対応してるのは森下だけやってずっと言ってるやんか。そや、ちゃんとして、ちゃんと振ってるやつは渡辺(諒)でも代打してもちゃんとフォアボール選ぶやんか。そういうことやんか。うん」-近本や佐藤輝はまだまだ「そら、見とったらまだまだに決まってるやろ。あれでオッケーとは誰も言うわけないやんか、そんなもん。だから何で出ないかって、しょうがないやんか、こっちは開幕に合わせて打順とかも、そないしてやってるわけやからさ。ヒット出ないんやからしょうがないやんか。代える? なら、お前が代えてくれ言えよ。そんんだけ心配するんやったら、自分らで代えてくれよ」-残り2試合、ゲームの緊張感も感じながらやってほしい「だから、そういうふうにせんとあかんやろ。そのためにピッチャー9番に入れてな。今日、青柳(5回の打順で)まだバッター行こうとして、びっくりしたよ。だから、青柳の5イニングじゃないからな。そうやで。なんぼ開幕ピッチャーでも、あんなピッチングしとったら代えるよ。シーズンだったらもっと早く代えてるかも分からんで、あんなん。そら、あれだけ初回からストライク入らへんのやから。もうちょっと危機感持たなあかんわな、みんながみんなやけど。そやろ、もうあと2試合しかないんやで。そんなん伝わってこおへんわな」

◆阪神ドラフト6位富田蓮投手(21=三菱自動車岡崎)が、2回2安打無失点と力投した。3点ビハインドの6回から3番手で登板。6回は先頭若月に中前打を許し、犠打で1死二塁のピンチを背負うも、後続を断ち無失点。7回は2死から来田に右中間への三塁打を浴びたが、大城を低めの変化球で右飛に仕留めた。「自分は(1軍が)確定した選手ではない。投げられる機会で結果を出すことが大事になってくる。しっかりアピールできたかなと思います」。オープン戦は6試合、8回1/3を投げ防御率1・08。新人左腕が開幕1軍入りへまた1歩前進した。

◆球場に乾いた打球音が響いた。1点を追う4回1死一塁。相手先発山下の150キロを超える"剛球"に打線は2安打と沈黙していた。悪い流れを切り裂いたのは大山悠輔内野手のひと振りだった。カウント2-1から低め直球を強振。「相手投手が力強いボールを投げ込んできていたので、そこに振り負けないようにしっかりスイングすることを心がけた」。歓声とともに打球は左中間フェンスを越え、一時勝ち越しとなる2ラン。左翼ビジター席の虎党をわかせた。ベンチに帰っても、表情は引き締まっていた。オープン戦15試合、60打席目で生まれた初アーチ。今春の実戦では22試合、88打席目の1発だ。だが本塁打直後にも「これ以降の打席も1打席1打席を大事にしていきたい」と、すぐに次の打席を見据えた。今季、岡田監督からは「4番一塁」での固定起用を明言される中、前試合までのオープン戦打率は1割4分9厘。3試合で12打席中、内野安打1本のみと苦しい結果が続いていた。12日の巨人戦では「1番DH」で出場するなど"荒療治"も敢行。だが、昨季チーム最多23本塁打87打点を記録した主砲の完全復調は遠かった。低調が続く主砲に対し、前日23日には指揮官から「シーズンで爆発するかもわからへんし。でも調子を上げていってくれた方が、こっちは安心感があるということや」とゲキを飛ばしていた。すぐさま期待に応え、まさに「待望の1発」。試合後には「まあ、今年一番ええ当たりやろ」と目を細めたが、本来の状態には「そら、まだまだやろ」と、求めるレベルはさらに高い。31日のDeNAとの開幕戦まで、残すオープン戦は2試合。「しっかり反省して、明日もう2試合しかないので、頑張ります」。18年ぶりの「アレ」に向け、いよいよ主砲が目を覚ました。【波部俊之介】大山にとっては、オープン戦自身"最遅"の1合となった。過去6年のうち、オープン戦で本塁打を記録したのは17、22年を除く4シーズン。これまで最も遅かったのは、18年の14試合目、57打席目だった。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神は青柳晃洋投手(29)が先発する。すでに自身初の開幕投手が決定している右腕は前回登板の17日、ヤクルト戦(神宮)が5回5安打無失点。要所を締めたが球数は108球と課題も残った。「前回は球数が多かったり、とらないといけないところで(アウトが)とれなかったり反省はもちろんある」。これが開幕前の最終登板となることが濃厚。昨季日本一のオリックス打線を抑え、3月31日、DeNAと戦う開幕戦(京セラ)に弾みをつける。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が二回の第1打席で中前打を放った。マウンドには2021年のオリックスのドラフト1位・山下。阪神打線が155㌔超の直球を打ちあぐねる中、フルカウントから6球目、155㌔直球を完璧にとらえた。白球は中前に弾むチーム初安打。森下はこれで17日のヤクルト戦(神宮)から5試合連続安打と好調をキープしている。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(29)が苦しい投球を続けている。一回先頭の野口にいきなり二塁打を浴びると、連続四球で無死満塁の大ピンチを作った。しかし、ここは4番・杉本を空振り三振、5番・宗を注文通りの二ゴロ併殺に仕留めて無失点で切り抜ける。立ち直ったかに見えた青柳だが、二回も先頭から連打で一、二塁とされると、1死とし、来田に四球でまたも満塁のピンチ。野口に左犠飛を浴び、先制点を献上した。続く西野は三塁手・佐藤輝の好プレーもあって抑えたが、2回で3安打3四球。自身初の開幕投手に向けた最終登板で課題が露呈する形となった。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が四回に逆転の2ランを放った。0―1の四回1死一塁で打席へ。オリックスの先発・山下の149㌔直球を一閃した。打球は左中間スタンド最前列にズドン。大山はこれがオープン戦第1号。2月の紅白戦から始まった実戦では86打席目にして待望の一発となった。岡田監督はこの日の試合前の時点でオープン戦の打率・149と低迷している大山に「ボール球を振るというのはもうこっちで対応できへんやんか」と猛ゲキ。4番らしく、ひと振りでチームを逆転に導き、指揮官のハッパに応えた。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が四回の第2打席に左中間へオープン戦第1号となる2ランを放った。「相手投手が力強いボールを投げ込んできていたので、そこに振り負けないようにしっかりスイングすることを心がけました。これ以降の打席も1打席1打席を大事にしていきたいと思います」オリックス・山下の149㌔直球を完璧にとらえた。オープン戦は60打席目、2月の実戦から数えると86打席目での今季実戦1号。なかなか状態の上がってこなかった虎の主砲が、この一本をきっかけに目覚める。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(29)は4回8安打3失点と打ち込まれた。制球力を欠いた右腕は一回にいきなり無死満塁のピンチを背負う。ここは空振り三振と二ゴロ併殺で乗り切ったが、二回にも1死満塁のピンチを背負い、左犠飛で先制点を献上した。大山の2ランで2―1と逆転した直後の四回は先頭の中川圭に左翼席へソロを許して、あっという間に同点。1死から連打で一、三塁のピンチを背負うと、西野のスクイズで簡単に勝ち越しを許した。4回を投げて球数は85球。与えた四球は3。岡田監督は3月31日のDeNAとの開幕戦(京セラ)で青柳を開幕投手に任命しているが、開幕前最後の登板で不安の残る内容となった。

◆2番手で登板した阪神・島本浩也投手(30)がオリックス打線の勢いを止められず打ち込まれた。2ー3の五回からマウンドに上がるも、先頭の宗に右翼線二塁打。続くゴンザレスに中前適時打を浴び、1点を失った。何とか2死までこぎつけたが、9番・来田に右翼線に適時三塁打を許して、2-4。試合前時点でオープン戦は3試合に登板。2月の実戦から計7試合で失点どころかヒットすら許していなかった左腕も昨季日本一の強力オリックス打線に飲み込まれた。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が七回1死の第3打席に左中間へ二塁打を放った。オリックスの2番手・比嘉の3球目を振り抜き、打球を左中間へ運んだ。森下は二回の第1打席にこの試合チーム初安打となる中前打を放っており、この一打がこの日2本目の安打。オープン戦6度目のマルチ安打を記録し、31日の開幕戦に向けさらに弾みをつけた。

◆3番手で登板した阪神のドラフト6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=がヒットを許しながらも2回を無失点に抑えた。2-5の六回に登板。先頭の代打・若月に中前打を許したが、落ち着いて後続を断った。最後は2死二塁から代打・渡辺を135㌔で左飛に抑えた。七回も託された左腕は先頭・宜保を中飛、茶野を遊ゴロ。来田に右越えの三塁打を浴びたが、大城を右飛に仕留めた。富田は6日のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表との強化試合(京セラ)で大谷(エンゼルス)に3ランを浴びるなど、0回2/3を4失点。9日のオリックス戦(京セラ)でも2回1失点と京セラでの失点が続いていた。そんな負の連鎖を断ち切る2回無失点投球。3月31日にDeNAと開幕戦を戦う舞台でルーキー左腕が苦手意識を払しょくした。

◆阪神は先発した青柳晃洋投手(29)が精彩を欠いた。制球がばらつき、毎回走者を許した。2―1と逆転した直後の四回は先頭の中川圭に同点ソロを許すと、西野のスクイズであっさり勝ち越し点を献上。4回8安打3失点と、自身初の開幕投手へ不安を残す内容となった。打線は4番・大山悠輔内野手(28)が四回にオープン戦第1号の2ラン。オープン戦の出場15試合目、60打席目での一発で不振脱却の兆しをみせた。ドラフト1位の森下翔太外野手(22)=中大=が2安打をマークするなど気を吐いたが、つながりを欠き5安打2得点。オープン戦は4連敗となった。

◆阪神が4連敗。開幕投手に内定している青柳晃洋投手(29)が4回8安打3四球3失点。球数は85球で31日のDeNA(京セラ)を前に不安を残す最終登板となった。大山悠輔内野手(28)が四回、山下舜平大投手(20)からオープン戦60打席目にして初本塁打を放った。不振の近本光司外野手(28)は1安打、佐藤輝明内野手(24)は九回の右前打が19打席ぶりの安打。2安打のD1位・森下翔太外野手(22)=中大=は打率を・364とした。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(オープン戦成績=7勝8敗、観衆=1万6091人)。ーー青柳は開幕前最後の登板「なあ、ボールばっかりやんなあ」ーーあれだけボールが先行するのは「ボール投げろとは言ってないから、わからへんやんか、そんなもん(笑)。クイックで、外に流れてボールばっかり。クイックは神宮の時(17日のヤクルト戦=5回無失点)にもゆうたやんか。まだやるんよな、クイックで。そんな走れへんやろ。それよりも、コントロールを乱す方が、カウント悪くなるわけやからなあ。2回連続おんなじこと言うたなあ」ーー四回降板だが、本来ならもう少し「他のピッチャーも投げなアカンのに。もう3試合しかないのに、ピッチャー(9番に)入れてるんやから。打席回ってくんのに、お前。負けてるのに点取りにいかなアカンやろ」ーー青柳は1週間で調整して「調整言うたって、今日ボールの数の方が多いんやで? 初回にしても二回にしても。ちょっと言いようがないわな。アレじゃアカンわなあ、はっきり言うて」ーー大山は久々「まあ、今年一番エエ当たりやろ。なあ(笑)」ーー最後は四球。ボールの見極めも「流れ的に、すごくいいホームランでなあ。公式戦やったら、あの裏に2点をかえされるというのが、まず流れがな(大山の2ランで逆転したものの、直後に青柳が2点献上)。久しぶりに4番がホームラン打ってな、逆転してな。その後、ピッチャーが簡単に逆転されるいうことは、こっちに流れは来ないわな。なんぼ打ってもな。ーーいい時の状態に「そら、まだまだやろ。そんなん、まだまだ」ーー森下はいろんなタイプの投手を打っている「対応してるのは森下だけやって、ずっと言ってるやんか。ちゃんと振ってるヤツは、渡辺でも代打でフォアボール選ぶやんか」ーー近本や佐藤輝はまだまだ「そら、見とったらまだまだに決まってるやろ。あれでオッケーとは誰も言うわけないやんか。こっちは開幕に合わせて打順とかも、そないしてやってるわけやからさ。ヒット出ないんやから、しょうがないやんか。代える? なら、お前が代えてくれ言えよ。そんだけ心配するんやったら、自分らで代えてくれよ」ーー残り2試合、緊張感も持ちながらやってほしい「そういうふうにせんとアカンやろ。そのためにピッチャー9番に入れてな、おーん。今日、(五回の攻撃で)青柳、バッター行こうとして、びっくりしたよ。青柳の5イニングじゃないからな。そうやで、なんぼ開幕ピッチャーでも、あんなピッチングしとったら代えるよ。シーズンだったら、もっと早く代えるかも分からんで。ストライク入らへんのやから。危機感持たなアカンわな。みんながみんなやけど。そやろ、もうあと2試合しかないんやで。伝わってこおへんわな」

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=がマルチ安打をマーク。うなりをあげるフルスイングで、森下が京セラドームに2度快音を響かせた。1本目の安打は二遊間を抜け、2本目は左中間へ飛ばして悠々と二塁へ。5試合連続安打で好調ぶりを見せつけた。「(1打席目は)一番いいボールはまっすぐだったので、そこに振り負けないようにというのは頭に入れて、打席に立てました」まずは二回2死で迎えた第1打席。対するはオリックスの開幕投手筆頭候補の山下。4日の対戦(甲子園)では初球の156キロ直球をたたいて二ゴロに倒れていた。この日は変化球をことごとく見逃し、フルカウントからの6球目。狙いを定め、3週間前は打ち取られた155キロの直球を強振。中前打でこの日チーム最初のHランプをともした。七回1死の第3打席では、サイドスローの比嘉が投じた128キロのスライダーに「張っていた」と反応。打球を左中間へ運んだ。オープン戦6度目のマルチ安打で打率は・364。速球派と変則の両右腕に対応し、当然のように結果を残し続ける背番号1に、岡田監督も「ああやって対応してるのは森下だけやって、ずっと言ってるやんか」と賛辞を惜しまなかった。中堅の近本、左翼のノイジーとともに外野手のレギュラー筆頭の座をつかんだ。ただ、守備では大きくバウンドした打球の前に目測を誤り、三塁打を許す場面も。「打球の質やドライブも頭に入れながら。より守らないといけない」。試合前は筒井コーチと言葉を交わしながら約10分守備を確認し、試合中には近本とコミュニケーションを重ねた。開幕3連戦の舞台で、守りの面でもさらなる向上心を口にした。「たくさん失敗して、いっぱいボールを受けてってやっていかないと、自分はまだまだへたくそなので。きょうはオープン戦でよかった」残り2試合のオープン戦も無駄にはしない。黄金ルーキー、森下が着々と開幕へ歩みを進める。(邨田直人)

◆開幕投手の青柳が、本番1週間前に4回8安打3失点。これをどう評価するか。点を失ったことはそれほど気にする必要はない。オープン戦の悪い数字は、開幕してしまえはすべて消滅するのだから。問題は投球の中身。立ち上がりからボール球が多すぎた。好調時のバロメーターになる左打者への外角球がほとんどボールになってしまった。こうなると苦しい。さらに、投球の間合いが長すぎる。自身がリズムに乗れないだけでなく、味方の守りのリズムまで乱してしまう可能性も出てくる。オリックス先発の山下がテンポよくポンポンと投げ込んだのとは対照的だった。ただ、テンポに関しては、自分が意識することで、すぐに改善できるはずだ。年間通じて絶好調で登板できることなど、年に2試合あるかどうか。ほかの試合は、調子が上がらない中でどう工夫して抑えるかが求められる。開幕投手を3度経験した私から言えるとすれば、「自信を持って投げろ」だけ。周囲が何と言おうが、全く関係ないし、気にする必要はない。青柳に与えられた使命は、フルシーズン、ローテを守ること。開幕投手がローテから消えるのは、チームとして一番の痛手なのだから。緊張しているだろうが、自信を持って開幕を迎えてもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆阪神・佐藤輝が九回に19打席ぶりの快音となる右前打を放った。「たまには打っておかないと」。復調のきっかけにしたい一打が出たが、守備では好守も見せた一方で、三回に打球をグラブではじき(記録は安打)、四回も俊足・来田のゴロに対してステップを多く踏み、内野安打にさせた。開幕直前で出た課題だけに「本番でしっかりといいプレーができるように。しっかりと準備したい」と克服を誓った。

◆阪神D6位・富田(三菱自動車岡崎)は3番手で投げて2回2安打無失点だった。「先頭打者を出したというところが今後の課題になってくる」。六回は先頭の代打・若月に中前打を浴びるも後続を断ち、2死から三塁打を許した七回も大城を右飛に仕留めて粘り切った。開幕1軍入りの当落線上にいると自己分析しており、「しっかりとアピールできた」と胸を張った。

◆トラが心配や! 阪神は24日、オリックス戦(京セラ)に2-5で敗れ、4連敗を喫した。開幕投手の青柳は8安打3四球と乱れて4回3失点で降板。打線も大山の2ランだけに終わった。オープン戦はあと2試合。31日に迫ったDeNAとの開幕戦(京セラ)に向け、岡田彰布監督(65)は「もうちょっと危機感持たなあかんわ」と不安を募らせた。シーズン開幕まで時計の針は止まってくれない。それなのに、打の主役たちの状態は上がらず、投の大黒柱の青柳まで本調子には程遠い姿...。4連敗となった試合後。岡田監督の怒気がグツグツと煮えたぎるマグマのようにあふれ出し、エースを含めたチーム全体を一喝した。「シーズンだったらもっと早く(青柳を)代えてるかも分からんで。そら、あれだけ初回からストライク入らへんのやから。もうちょっと危機感持たなあかんわな、みんながみんなやけど。もうあと2試合しかないんやで。そんなん伝わってこおへんわな」ちょうど1週間後、31日のDeNAとの開幕戦(京セラ)で先発を務める背番号17が一回からピリッとしない。先頭の野口に長打を食らい、2者連続四球でいきなり無死満塁の大ピンチを背負った。この回は杉本のバットに空を切らせ、宗を二ゴロ併殺に打ち取ったが、野口の左犠飛で先制点を献上した二回までに51球も費やした。指揮官は「クイックで外(角)に流れてボールばっかりになるなあ」と制球面の課題を指摘。結局、四回にソロ本塁打を浴びてスクイズも決められ、4回8安打3四球で3失点、85球で降板した。青柳は「くそでしたね、はい。よくなかったです」と自身への怒りをにじませ、「もう(開幕戦は)来週なので、やれることをやって勝てるように頑張るしかない」と必死に顔を上げた。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)がオープン戦1号を放った。目覚めを予感させる音色を響かせ、白球は左中間席に弧を描く。岡田監督も、虎党も、この瞬間を待っていた。沸き返るスタンドを背に、ただ大山だけが表情を崩すことなく悠然とダイヤモンドを一周した。「相手投手が力強いボールを投げ込んできていたので、そこに振り負けないようにしっかりスイングすることを心がけました」0-1で迎えた四回一死一塁。快速球でグイグイ押してくる高卒3年目右腕・山下の代名詞ともいえる、149キロ直球を一閃。豪快なフォロースルーから放たれた打球は一時逆転の2ランとなった。オープン戦出場15試合、60打席目で放った待望の第1号は、2月の春季キャンプ中に行われた紅白戦から数えても86打席目にして放った〝今季初アーチ〟だ。オープン戦は打率・160と不振に苦しんでいる主砲が見せた復調の兆し。31日にDeNAと開幕戦を行う京セラドームで放ったことも大きい。4連敗となった試合後はチームへの苦言ばかりだった岡田監督も、この一発には「今年一番ええ当たりやろ。なあ」と目を細めた。「流れ的になあ、すごくいいホームランでなあ」。春季キャンプ前から大山の4番固定起用を明言。状態が上がってこないとみるや、個別指導を施すこともあった。「今のチームの中では、あいつらが引っ張っていくしかないわけやんか」。指揮官は行動と言葉で、虎の4番に檄を飛ばし続けてきた。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
833 0.727
(↑0.027)
-
(-)
51
(+5)
36
(+2)
6
(+1)
7
(+1)
0.263
(↑0.014
2.450
(↑0.03)
2
(-)
日本ハム
1150 0.688
(↑0.021)
-0.5
(-)
67
(+3)
50
(+1)
15
(-)
28
(+4)
0.244
(↑0.001)
2.620
(↑0.11)
3
(-)
ロッテ
752 0.583
(↓0.053)
1.5
(↓1)
40
(-)
38
(+1)
7
(-)
11
(-)
0.215
(↑0.004)
2.260
(↑0.08)
4
(-)
巨人
860 0.571
(↓0.044)
1.5
(↓1)
44
(+1)
40
(+4)
10
(+1)
8
(+1)
0.239
(↓0.005)
2.120
(↓0.15)
5
(-)
西武
652 0.545
(↓0.055)
2
(↓1)
34
(+1)
27
(+4)
6
(-)
15
(-)
0.200
(↓0.003)
1.890
(↓0.18)
6
(-)
ヤクルト
773 0.500
(↓0.038)
2.5
(↓1)
63
(+1)
67
(+3)
9
(+1)
20
(-)
0.231
(↓0.01)
3.660
(↑0.08)
7
(1↑)
楽天
783 0.467
(↑0.038)
3
(-)
68
(+4)
74
(+1)
11
(+2)
14
(-)
0.272
(-)
3.780
(↑0.16)
7
(-)
阪神
780 0.467
(↓0.033)
3
(↓1)
63
(+2)
52
(+5)
11
(+1)
7
(-)
0.234
(↓0.004)
3.250
(↓0.15)
9
(-)
中日
563 0.455
(↑0.055)
3
(-)
53
(+1)
58
(-)
6
(-)
4
(+2)
0.241
(↑0.001)
3.800
(↑0.31)
10
(-)
ソフトバンク
691 0.400
(↑0.043)
4
(-)
46
(+6)
55
(+1)
12
(+1)
5
(-)
0.243
(↑0.01)
3.320
(↑0.16)
11
(-)
DeNA
6110 0.353
(↑0.04)
5
(-)
45
(+4)
65
(+1)
4
(-)
7
(-)
0.209
(↑0.005)
3.370
(↑0.15)
12
(-)
広島
383 0.273
(↓0.027)
5
(↓1)
38
(+1)
50
(+6)
4
(-)
3
(-)
0.214
(↓0.009)
3.080
(↓0.27)