巨人(☆6対4★)阪神 =オープン戦2回戦(2023.03.22)・東京ドーム=
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阪神
0000100304611
巨人
10004010X61311
勝利投手:メンデス(1勝0敗0S)
(セーブ:ロペス(0勝0敗1S))
敗戦投手:西 純矢(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】森下 翔太(3号・5回表ソロ)
【巨人】ブリンソン(2号・7回裏ソロ)

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◆巨人は先発・メンデスが6回途中1失点、ブリンソンがソロを含む2安打の活躍。投打の新助っ人が存在感を示した。一方の阪神は、ルーキー・森下がオープン戦3号ソロを記録。開幕スタメンに向けてアピールに成功した。

◆ドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)が初となる東京ドームの巨人戦で、弾丸ライナーのオープン戦3号を放った。1点を追う5回。左腕メンデスの4球目、外角低めの129キロ変化球を引っ張りこみ、左翼スタンドに同点弾を運んだ。ベンチでたたえられた後は、カメラに向かってガッツポーズで喜びを爆発させた。この時点で5本の日本ハム清宮、4本ソフトバンク栗原に次ぐ、3位タイのオープン戦第3号となった。

◆巨人松田宣浩内野手(39)が、東京ドーム初安打&初打点をマークした。5回2死一、二塁の場面で代打で出場。追い込まれてからバットを短く持ってカーブをとらえ、三遊間を抜けて左前へ運んだ。適時打となり、ベース上で何度も手をたたいて喜びを表現。巨人移籍後、本拠地で初めて安打、適時打を放った熱男と一緒に、巨人ベンチも盛り上がった。ルイス・ブリンソン外野手(28=ジャイアンツ)は7回2死から左翼席へオープン戦2号ソロを放った。東京ドーム初アーチで勢いづけた。

◆阪神近本光司外野手(28)が22日、巨人とのオープン戦(東京ドーム)で死球を受け、途中交代した。8回2死一、二塁で巨人松井の124キロシンカーが右膝付近に直撃。一時はしゃがみこんだが、自分の足で歩きベンチに退いた。試合後、本人は「大丈夫です」と軽傷を強調。岡田監督も「まあ大丈夫ちゃうか。冷やしてたみたいやけど」と説明した。

◆巨人先発のヨアンデル・メンデス投手(28=メキシカンリーグ)が5回1/3を投げ4安打1失点、無四球の好投で開幕ローテ入りに当確ランプをともした。阪神打線に3回まで完全投球で滑り出すと、5回に相手ルーキー森下に1発を浴びるも、後続を断った。原辰徳監督(64)は「非常に実戦的な投手。走者に対してもいろんな意味で順応性がある」と高評価した。3番手で登板したドラフト3位田中千晴投手(22=国学院大)は1回無安打無失点、2奪三振で開幕1軍へ猛アピールした。指揮官は「メリハリのあるいいボールを投げている」と評した。

◆阪神岡田彰布監督(65)が侍ジャパンの世界一を喜んだ。「ええ試合したよなあ」。この日の東京ドームでの巨人とのオープン戦はナイター。朝から決勝戦をしっかり見届けた。「(日本球界にとって)めちゃプラスよ。盛り上がり的にもな」。日本中の注目を集めて野球熱が高まる中、開幕を迎えることを歓迎した。侍に送り出した湯浅、中野については「2人ともいい経験をしてな。日の丸を背負って。ある程度貢献できたと思うからな」と納得顔だった。決勝では出番がなかった2人だが、湯浅は準決勝メキシコ戦の8回1死一、三塁で登板。「首振って打たれたから、悔い残ってると思うよ。フォークを要求されてるなと。オレはすぐ分かったよ」と1失点した場面に苦笑いだ。準決勝は村上の劇的な逆転サヨナラ打で勝利したが、次打者席には中野がいた。「中野に回ってこいと思ったよ。打った方が自信つくし」と独自の目線。WBCでは源田負傷の影響で遊撃先発も経験したが、チームでは不動の二塁レギュラーとして期待をかける。2人は帰国翌日は休ませた後、チームに合流させる。中野は開幕スタメン、湯浅は開幕守護神を希望。指揮官は「(戦列復帰は)野手の方が早いよ。ボールの違いがあるからな、投手は。(本人に)確認してからや」とイメージする。湯浅もWBC球に順応していることもあり、感覚が良ければ開幕守護神を任せられる可能性は十分ある。侍戦士2人が3・31開幕戦から出場できれば、岡田阪神に大きなプラスとなる。▽阪神湯浅(WBC決勝後にシーズン開幕に向けて)「自分はもう(岡田)監督の判断に任せるだけなので。自分はずっといくつもり。帰ってボールを触ってみて、調整して、しっかり1週間で開幕に合わせられるように頑張ります」▽阪神中野(WBC決勝を終え)「開幕からしっかりスタメンで出る気持ちもあるので、帰ってしっかり準備して。まだアピールする必要もあると思うので、アピールしつつ頑張ります」

◆巨人中田翔内野手が大谷翔平投手の声出しに共鳴した。WBC決勝前、米国代表に対し「あこがれるのはやめよう」と呼びかけたことに「そういうこというようになったんだなと。翔平もかっこよかった。しびれましたね」。自身は2大会出場も、いずれもベスト4だった。「悔しい気持ちもありますけど、みんなかっこよかった」と、直後の阪神戦では負けじと2安打2打点と発奮した。

◆阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)が22日、開幕右翼スタメンの座を決定的なモノとした。自身初の東京ドームでオープン戦3号となる同点弾。この一打で打点を7に伸ばし、打撃主要4部門でチーム4冠に躍り出た。岡田監督は「タイミングの取り方がうまいからやろな。打つもんはそら使わなしょうがないやんか」と評価。争ってきた開幕右翼のスタメンを決定的なものにした。弾丸ライナーだった。1点を追う5回、左腕メンデスの外角低めスライダーを引っ張り左翼席へ。「芯で捉えたので長打になると思ったけど、入るとは思わなかった」。打線が1安打に抑え込まれていた中での同点弾。現役時代の岡田監督を超える新人オープン戦3発目を決めた。これで17日ヤクルト戦から4試合連続安打。打率3割5分7打点、3本塁打、14安打はチーム4冠の数字だ。ベンチ前では「まだ考え中」と言いながら、右ストレートパンチのパフォーマンスで喜びを爆発させた。この日はWBC決勝も観戦。中野、湯浅を始め、中大先輩のDeNA牧ら、身近な選手たちから刺激を受けた。「自分も目標にしないといけない。日本球界を代表する選手になりたいので、しっかり目指したい」。3年後の次回大会を見据え、若きスラッガーが走りだす。【波部俊之介】

◆低調な打線で阪神渡辺諒内野手が走者一掃打を放って株価を上げた。「2番二塁」で先発。8回2死満塁で松井の初球直球を仕留め、右中間へ適時二塁打。3打点を稼いだ。中野不在の中、爪痕を残し「1打席1打席が勝負なので、しっかり打ててよかった」と納得顔。秋季キャンプで佐藤輝らと三塁の特守もこなしていたこともあり、岡田監督は「この前もサード守っとったやんか。ちょっと考えなあかんわな」と三塁起用を示唆した。

◆阪神西純矢投手が5回10安打5失点と精彩を欠き、岡田監督からカミナリを落とされた。初回は2死二塁から中田に先制の左前適時打を献上。5回は3本のタイムリーを浴びるなど4失点した。指揮官は「ど真ん中ばっかりやん。力で抑えられると思うからやな。ちょっともう勘違いよな。ちょっと考えなあかんよなあ」と厳しく指摘。「他のピッチャーにも悪い影響を与えるよ」と苦言を呈した。西純は「同じ失敗を繰り返さないようにしたい」と猛省。4月6日広島戦でのシーズン初先発が有力だが、安泰ではない。

◆阪神岡田彰布監督(65)が5回10安打5失点の先発西純矢投手(21)に「あんな真ん中ばっかり投げてたら」と苦言を呈した。またここ3試合で11打数1安打の4番大山悠輔内野手(28)、12打数無安打の5番佐藤輝明内野手(24)についても「引っ張っていく選手が打てんならあかんわな」と表情を曇らせた。試合後の一問一答は以下の通り。-先発の西純は5失点。悪い流れを断ち切れなかった「悪い流れって。ど真ん中ばっかりやん。そんなもん、もう映像で出るから。よう、あれだけど真ん中にいくなあ。真ん中になあ。キャンプでもあんだけ真ん中に投げてないやろ」-追い込んでからも甘いところがあった「いや、そんなん、力で抑えられると思うからやな。ちょっともう勘違いよな。あのぐらいのボールで、力で抑えられへんやろ。低めに投げんと。毎イニング、あれやから、しゃあないわなあ。本番前に確認できた? ちょっと考えなあかんよなあ。そら。あれでは打たれるよ。そらあ」-3週間後には東京ドームで試合がある「まだ分からへんやん、そら。何を言うてんの、そんなんお前。考えやなあかんって言うてるやん。だから、そんなもん。あれで投げられへんで。あんだけ、ど真ん中ばっかり投げとったら。もうそらお前、ある程度開幕をそないして、それで投げさせているわけやから。それであんなピッチングをしてたら、そら、他のピッチャーにも影響を与えるよ。悪い影響をな」-本塁打の森下は毎日、新しく対戦する投手から打っている「そらだって、いい結果が出ているからな。そら今までよりは、間違いなしにええピッチャーと当たっているんやから」-対応できるのはどういう技術があるからか「ええバッターやから、タイミングの取り方がうまいからやろな、タイミング取れんもんは打てへんやんか」-ライナーでスタンドへ入った「うーん。まあそやな、甲子園やったらな、そら打てへんかも分からんけど、ここではああいう打球でええいうことやろな」-大きいのも出るようになってる「大きいのって、一番打ってるやんか。一番ホームラン打ってるんやから、そらしょうがないやんか。打つもんは、そら使わなしょうがないやんか。打たんもんはそら使えへん、考えるけど」-渡辺諒が3点適時二塁打。ずっと結果を残している「いやいや、まあ、そのへんもほんま、ちょっと考えなあかんわな」-侍が終わって中野も帰ってくるが「いや、だから、この前も(渡辺諒は)サード守っとったやんか。あれは考えなあかんっていうことやんか、結局な」-クリーンアップになかなか結果が出ない「5番までやん。打ってるのは6番以降ばっかりやん。そういうことやんか。だからそら、いつまでもなあ、そんな。そら、お前、そこで、そんななあ、引っ張っていく選手っていうかな。それが理想やけどさ。でも、打てんかったら、それはあかんわな、うん」-中軸打者はタイミングがうまく取れていない「だからタイミングなんか、自分で取るしかないやんか。ベンチから1、2って言われへんやんか。そういうことやん。だからそら、本人もノーステップとかして、タイミング取られへんからやろ。俺が(オリックス監督時代に)T-岡田にノーステップで打てと言うた時もせやんか、タイミング取れへんからやろ。でも、飛ばんかったらあかんわな、スイングが鈍くなったらな。今日も(フリー打撃で)1本も入らんかったなあ。だから、そういうことよ。当てにいくんじゃないからな。やっぱ振らなあかんからな。タイミング取れんからノーステップにしたらあかんからな、鋭いスイングができんとやっぱり力負けしてしまうもんな」-就任以来、大山と佐藤輝は固定すると言ってきたが「それはだから、言うたやんか、理想よ、そら。2人でクリーンアップ打って引っ張っていくって、ずっと理想やったけど。どう思う? こっちが聞きたいわ」-原口が打ってるだけに、悪く見えてしまう「おーん。ちゃんと打ってるやつはちゃんと打ってるからなあ」-近本の死球は「まあ大丈夫ちゃうか。冷やしてたみたいやけど」

◆阪神岡田監督がここ3試合で11打数1安打の4番大山、12打数無安打の5番佐藤輝明に頭を抱えた。就任以来2人を主軸として固定する考えを貫いてきたが「それが理想やけどさ。打てんかったら、それはあかんわな」と再考もにおわせた。控え選手では一塁原口が安打を放ち、3点二塁打の渡辺諒には三塁起用も準備させている。開幕まで残り3試合。調整の時期は少なくなってきている。▽阪神湯浅(WBC決勝後にシーズン開幕に向けて)「自分はもう(岡田)監督の判断に任せるだけなので。自分はずっといくつもり。帰ってボールを触ってみて、調整して、しっかり1週間で開幕に合わせられるように頑張ります」▽阪神中野(WBC決勝を終え)「開幕からしっかりスタメンで出る気持ちもあるので、帰ってしっかり準備して。まだアピールする必要もあると思うので、アピールしつつ頑張ります」

◆打撃好調の阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)は「6番・右翼」でスタメン出場する。フルスイングが持ち味のルーキーは、オープン戦13試合出場で打率・361(36打数13安打)、2本塁打、6打点と結果を残している。17日のヤクルト戦(神宮)から出場試合は3試合連続安打中。伝統の一戦でも快音を響かせ、連続安打試合の更新を目指す。先発の西純矢投手(21)も先発ローテーション入りを確実にするため、昨季2試合に登板し1勝1敗、防御率1・93と相性のよかった巨人打線を封じ込める。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)が伝統の一戦で、持ち前のパワーを発揮した。0―1の五回1死走者なしから、巨人先発・メンデスの129キロ変化球を捉え、左中間スタンドへ白球をほうり込んだ。「追い込まれていたので、ストレートと変化球どちらにも対応できるように準備していました」と振り返り、「初めての東京ドームで、少し独特な雰囲気を感じながら打席に立っていますが、しっかりと自分のスイングができた」と胸を張った。オープン戦3号となる同点ソロに虎党も大歓声でたたえ、ルーキーもベンチ前に戻ってくると、パンチを繰り出すようなパフォーマンスで喜びを表現した。3月14日のDeNA戦(横浜)以来、出場5試合ぶりの一発で試合を振り出しに戻した。4試合連続安打と好調なバットで、虎を勝利に導く。

◆阪神の先発・西純矢投手(21)が5回10安打5失点(自責点4)で降板した。0-0の一回2死一塁で、一塁手の大山がけん制球を弾く失策も重なり、その後2死二塁から中田翔の左前適時打で失点した。二-四回は無失点投球で持ち直したが、D1位・森下(中大)の同点ソロが飛び出し、1-1とした直後の五回だ。無死満塁から遊ゴロ併殺の間に勝ち越しを許し、その後は中田翔、ブリンソン、松田のタイムリーで失点を重ねた。先発ローテーション入りへの期待が高い若虎だったが、巨人打線相手に課題を残す結果となった。

◆阪神はドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=がソロ本塁打を放つなど4得点も、オープン戦3連敗となった。「6番・右翼」で先発した森下は0―1の五回1死走者なしから、巨人の先発・メンデスの129キロスライダーを捉え、左中間スタンドまで白球をかっ飛ばした。ルーキーのオープン戦第3号で一時同点としたが、その裏に先発の西純矢投手(21)が3本の適時打を浴びて4失点。大きくリードを許した。反撃は1-6の八回。敵失と2つの四死球で2死満塁のチャンスを作ると、「2番・二塁」の渡辺諒が右中間へ走者一掃の適時二塁打を放った。2点差まで詰め寄ったが、後続が倒れて反撃はここまで。オープン戦は7勝7敗で勝率5割になった。

◆巨人・中田翔内野手(33)が、第5回WBCで日本代表を14年ぶりの世界一に導いた、日本ハム時代の後輩、大谷翔平投手(28)=エンゼルス=を兄貴分らしく祝福し、心を震わせた。「やっぱり円陣の時の翔平の声かけ。『あこがれはなしにしよう』というね。あれはすごくかっこよかった。そういうことをみんなの前で言うようになったんだなと。かっこよかったですね。ああいう大舞台を経験しているから、みんなの前でああいう発言ができると思う。翔平も人のよさもある。すごくあのセリフはしびれました」大谷が米国との決勝戦前に円陣で「あこがれてしまっては超えられない。僕らはきょう、(米国を)超えるために、トップになるために来た。きょう一日だけは彼らへのあこがれを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」などと仲間を鼓舞した声出しに触れ、かつての後輩の成長をうれしそうに語った。5学年下の大谷とは、日本ハムで2013年から5年間チームメートとして戦った。中田翔はこの日、阪神戦に4番で先発し、2安打2打点と活躍した。

◆阪神・岡田彰布監督(65)が試合前に取材に応じ、WBC日本代表として世界一に貢献した湯浅京己投手(23)、中野拓夢内野手(26)について言及した。主な一問一答は以下の通り。ーーWBCは見た「そらみてるよ(笑)。エエ試合したよなあ」ーー印象に残ったのは「そらあ、エエ試合したからな」ーー決勝では出番がなかったが、中野や湯浅はいい場面で起用された「いいところって、いいところがわからへんけど」ーー準決勝のメキシコ戦では湯浅が僅差で起用され、勝利につながった(1点を勝ち越された八回1死一、三塁で登板)「俺はここでかと思ったよ(笑)。そら見方が違うやんか。最後もお前、中野に回ってこいって思ったし。次やったからな。ファンがみてるのとは違うから」(九回無死一、二塁で逆転サヨナラ打を放ったヤクルト・村上の次打者が中野)ーー中野に回ってきたら決める予感は「可能性があるやんか。最後回ってきたら。何が起こるかわからへんからな。そらすごいヒーローやから。打った方が自信つくし、自分とこの選手に関してはな、そうなるやんか」ーー湯浅もWBC公式球を扱えていた「いや、首振って打たれたから、悔い残ってると思うよ(笑)。あんなエエ真っすぐいっとったのにな、首振って、フォーク要求されてるなと思ったけどな。一ファンみたいに、抑えた、打たれたじゃないから。俺はもうすぐわかったよ。フォーク要求されて、首振ってんなあっていう」(2死まで漕ぎつけたが、フォークを左前に運ばれて5点目献上)ーー2人の合流は週明けか?「時差ボケも、わからへんからな、汗流してな。帰ってきて次の日くらいは休ませるけど、一回合流して、どのくらいの時差ボケっていうかな、体調を含めて、本人に聞いてみると思うけどな」ーー優勝は日本球界にとってプラスか「それはめっちゃプラスよ。そんなんお前」

◆巨人・松田宣浩内野手(39)が第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で14年ぶりの世界一奪還を果たした日本代表を祝福した。自身は2013年の第3回大会と17年の第4回大会に出場。「僕たちが選ばれた大会はベスト4で負けて決勝戦、世界一になれなかった。そういった意味でも本当にかっこいいなと。日本プロ野球の頑張る日になったと思います」と侍ジャパンの後輩たちの活躍を喜んだ。この日は五回2死一、二塁で代打で出場。本拠地初安打初打点となる左前適時打を放った。新天地のファンから大きな大歓声を浴びたベテランは「本当にありがたかった。打席に立つたびに試合に出るたびにすごい声援をいただいているので、やっぱり期待されているのも分かりますし、それにしっかり応えたい。今日で侍ジャパンも終わったので、次は日本プロ野球。終わった以上はもう野球熱を冷めさせたくない」と誓った。

◆左肩の違和感のため鳴尾浜で調整中の阪神・伊藤将司投手(26)が、開幕ローテーションから外れることが決まった。2軍からの報告を受けた岡田監督が巨人戦の試合前に明かした。この日、伊藤将は鳴尾浜のブルペンで27球を投げた。順調なら25日のオリックスとのオープン戦(京セラ)に登板し、中6日で開幕2戦目となる4月1日のDeNA戦(京セラ)に先発する流れだったが、岡田監督は25日の登板について「そんなん無理よ。ほかのピッチャーでいくよ」と説明。「ゲームで投げるとしたら、ある程度、ちゃんとした自分の持てるアレを出せるかぐらいの感覚でないとなあ」と、ぶっつけ本番での開幕ローテ入りを否定した。開幕2戦目の先発は25日に登板する秋山が有力となった。

◆阪神が3連敗。先発の西純矢投手(21)は五回に3本の適時打を浴び、5回10安打5失点(自責4)と不安を残した。打線は「6番・右翼」のD1位・森下翔太外野手(22)=中大=が5回に3号ソロ、八回には「2番・二塁」の渡辺諒内野手(27)が右中間に3点二塁打を放った。大山悠輔内野手(28)は1安打、佐藤輝明内野手(24)は無安打だった。関東遠征を3勝3敗で終えた岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(オープン戦成績=7勝7敗、観衆=2万1661人)。★試合前ーー鳴尾浜で伊藤将が座らせて30球ぐらい投げた「27球やろ、30球とえらい違いやで。投げたんいうのは聞いてるよ、まだやまだや。ブルペン投げたいうだけやろ? もうちょっと球数も増やしていかなアカン」ーー25日の登板は「そんなん無理よ。京セラ(24日からオリックス3連戦)来るんかな。ピッチングする言うてたから見てからやろ。報告じゃ分かれへん」ーー実戦挟まずに開幕は「一切ない。待ってるピッチャーで、頑張ってるピッチャーがかわいそうやんか」ーーB・ケラーは「エエ報告上がってない。ビーズリーもだいぶエエみたいやけどなあ、シートやる言うてたけど。4時間半も長い試合するからできへんかったんや(21日のウエスタン・ソフトバンク戦は12ー13で敗戦)。なんちゅう試合してるんや。あの後にシートやるとかいうてたけど、もう試合が長くなってできへんかった。(試合終了は)5時やろ? なんちゅう試合しとんねん」ーー村上は1軍に帯同して中継ぎで「ずっとおるよ。ブルペンに入れるいうことは1軍で投げるいうことやからな」★試合後ーー西純は悪い流れを断ち切れなかった「悪い流れって。ド真ん中ばっかりやん。もう映像で出るから。よう、あれだけ、ド真ん中にいくなあ。キャンプでもあんだけ、真ん中に投げてないやろ」ーー追い込んでからも甘いところがあった「力で抑えられると思うからやな。もう勘違いよな。あのぐらいのボールで、おーん。力で抑えられへんやろ。低めに投げんと。本番前に確認できた? ちょっと考えなアカンよなあ。あれでは打たれるよ」ーー3週間後に東京ドームで試合がある「まだ分からへんやん、何を言うてんの、そんなん、お前。考えやなアカンって言うてるやん。あんなピッチングをしてたら、他のピッチャーにも影響を与えるよ。悪い影響をな」

◆「2番・二塁」で出場した阪神・渡辺諒内野手(27)が1-6の八回、2死満塁で右中間へ走者一掃の適時二塁打を放った。「チャンスで回ってきたので、初球から打ちにいこうといって。それがいい結果になった」。正二塁手筆頭の中野がWBCを終え、チームに合流する。岡田監督は打率・310と好調を維持する渡辺諒について「ちょっと考えなあかん」と三塁での起用も示唆した。

◆「1番・中堅」で出場した阪神・近本光司外野手(28)は八回2死一、二塁で、松井から右膝付近に死球を受けた。しゃがみこんだ後、自分で歩いてベンチへ。植田が代走に送られて途中交代となった。岡田監督は試合後、「まあ大丈夫ちゃうか。冷やしてたみたいやけど」と説明。近本自身も「大丈夫です」と話し、歩いて球場を後にした。

◆目立っているのはルーキー森下だけやんか-。もう我慢の限界。岡田監督の〝ぼやき〟のターゲットになったのは先発の西純と大山&佐藤輝の4、5番コンビだ。5回5失点(自責4)と打ち込まれた西純を「ど真ん中ばっかりやん。力で抑えられると思うからやな。勘違いよな。あのぐらいのボールで、おーん」とバッサリ。1-1の同点に追いついた直後の五回、6安打を浴び4失点。チームの反撃ムードに水を差したことへの怒りだ。続いて主砲2人。大山は九回に内野安打を放ったが、オープン戦は打率・149。佐藤輝も3試合連続無安打で同・204まで急落と、オープン戦も残り3試合となったが、浮上の兆しがみられない。2人の打順について問われると「だから言うたんやんか、理想よ。ずっと理想やったけど。どう思う? こっちが聞きたいわ」。報道陣に意見を求めるほどイライラを募らせた。(三木建次)

◆阪神は22日、巨人とのオープン戦(東京ドーム)に4-6で敗れ、3連敗となった。ドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が「6番・右翼」で出場し、五回に3号ソロを放った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表の優勝に刺激を受けた背番号1は、2026年の第6回大会のメンバー入りを目標に掲げた。誇り高き侍たちの有終の美は、次なる侍入り合戦の号砲でもある。次は俺が―。そんな野望を胸に宿した森下が、東京ドームに衝撃の弾丸ライナーを突き刺した。「芯でとらえられたので長打はいくかなと思ったけど、入るとは思っていなかった。結果的にホームランになって良かった」巨人の先発左腕・メンデスの緩急を前に打線は三回まで完全投球を許し、四回にノイジー(前アスレチックス3A)が中堅への二塁打を放つのがやっと。だが、仲間たちが苦しんでいた0―1の五回1死だった。森下はカウント1―2と追い込まれながら、外角低めのスライダーを強振。力強く引っ張りこんだ打球は超低弾道で、衝撃的なスピードでスタンドに消えていった。オープン戦ではチームトップ、全体でも4位タイとなる3号で、ドラフト制(1966年)以降の球団新人右打者では1980年の岡田彰布らを上回り、72年の望月充に並ぶ最多本塁打。岡田監督も「一番ホームラン打ってるんやから。打つもんはそら、使わなしようがないやんか」とベタ褒めだ。日本中を感動の渦に包み込んだ侍ジャパンの世界一奪還には森下も野球人として魅せられた。中大の先輩・牧(DeNA)、虎戦士では湯浅&中野が日の丸を背負い、「身近にいるような選手がWBCでああやって活躍している姿を見ると、刺激になった」。ただ、見上げてばかりではない。次回開催は2026年と3年後。自身が2度目の連覇を成し遂げた輪に加わっていることを思い描いた。「目標にしないといけないところだと思う。この日本球界を代表する選手になりたいので、そこはしっかりと目指したい」未来予想図を現実にするには、虎の中心として暴れまわるのが何よりの近道だ。「アレ」を、一層膨らんだ夢を、そのパワーでかなえるための日々に突き進んでいく。(須藤佳裕)

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)が、5回5失点の阪神・西純矢投手(21)の調整法に言及。原点に戻って、走り込む量などの工夫を訴えた。ずっと結果を残してきた西純だが、今回はことしに入って一番悪い内容になってしまった。一回に中田に高めを詰まりながら左前適時打を浴びたときに、キレがないのかなと感じた。五回は甘く入る球が増え、一気に4失点。球が抜け気味だった。完投できる投手と評価しているのでで、五回で力がなくなってきたのは残念だ。キャンプ中、オープン戦序盤と違い、チームの遠征が続くようになると、今まで続けてきた練習ができなくなるケースがある。走り込む量が減ったりするのだ。今回の投球は、そんな環境の変化も微妙に影響したのかもしれない。もう一度、原点に立ち返って、走り込むなど調整法を考え、コンビを組んだ梅野と話して反省点を洗い出してもらいたい。幸いにして、開幕して最初の登板日までに、もう一度調整登板(おそらく2軍戦)があると思われる。そこで、しっかりした投球ができれば、心配する必要はない。打線では森下がすばらしい。軸回転のスイングができており、変化球の見極めも問題ない。自分を貫ければ、かなりの成績を残せるだろう。(本紙専属評論家)

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ORIX
733 0.700
(↑0.033)
-
(-)
46
(+6)
34
(-)
5
(+1)
6
(-)
0.249
(↑0.012)
2.480
(↑0.21)
2
(-)
日本ハム
1050 0.667
(↑0.024)
-0.5
(-)
64
(+4)
49
(+2)
15
(+3)
24
(+2)
0.243
(↑0.007)
2.730
(↑0.05)
3
(-)
ロッテ
742 0.636
(↑0.036)
0.5
(-)
40
(+5)
37
(-)
7
(+1)
11
(+3)
0.211
(↑0.004)
2.340
(↑0.2)
4
(1↑)
巨人
850 0.615
(↑0.032)
0.5
(-)
43
(+6)
36
(+4)
9
(+1)
7
(-)
0.244
(↑0.011
1.970
(↑0.09)
5
(2↓)
西武
642 0.600
(-)
1
(↓0.5)
33
(+3)
23
(+3)
6
(+1)
15
(+1)
0.203
(↑0.005)
1.710
(↓0.12)
6
(1↑)
ヤクルト
763 0.538
(↑0.038)
1.5
(-)
62
(+2)
64
(-)
8
(-)
20
(+1)
0.241
(↑0.002)
3.740
(↑0.25)
7
(1↓)
阪神
770 0.500
(↓0.038)
2
(↓1)
61
(+4)
47
(+6)
10
(+1)
7
(-)
0.238
(↓0.003)
3.100
(↓0.18)
8
(1↑)
楽天
683 0.429
(-)
3
(↓0.5)
64
(+3)
73
(+3)
9
(+1)
14
(+1)
0.272
(↓0.002)
3.940
(↑0.06)
9
(1↓)
中日
463 0.400
(↓0.044)
3
(↓1)
52
(-)
58
(+6)
6
(-)
2
(-)
0.240
(↓0.009)
4.110
(↓0.2)
10
(-)
ソフトバンク
591 0.357
(↓0.028)
4
(↓1)
40
(+2)
54
(+4)
11
(+1)
5
(-)
0.233
(↓0.004)
3.480
(↓0.07)
11
(-)
DeNA
5110 0.313
(↓0.02)
5
(↓1)
41
(-)
64
(+2)
4
(-)
7
(+1)
0.204
(↓0.004)
3.520
(↑0.08)
12
(1↓)
広島
373 0.300
(↓0.033)
4
(↓1)
37
(-)
44
(+5)
4
(-)
3
(-)
0.223
(↓0.006)
2.810
(↓0.21)