ヤクルト(★0対8☆)阪神 =オープン戦2回戦(2023.03.17)・明治神宮野球場=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
阪神
22100012081121
ヤクルト
0000000000600
勝利投手:青柳 晃洋(2勝0敗0S)
敗戦投手:小川 泰弘(1勝1敗0S)

本塁打
【阪神】佐藤 輝明(1号・3回表ソロ)

  DAZN
チケットぴあ ヤクルト戦チケット予約 阪神戦チケット予約

DAZN

◆阪神は、開幕投手に指名されている先発・青柳が5回無失点。要所を締める投球で、仕上がりの良さを示した。対するヤクルトは、先発・小川が4回5失点。エースとして期待される両先発で、明暗が分かれる結果となった。

◆阪神佐藤輝明内野手(24)が3回にオープン戦1号となるソロを放った。3回1死走者なし、カウント1ボール2ストライクからヤクルト先発小川泰弘の内角140キロ直球をとらえた。打った瞬間、本人も本塁打を確信する打球は右翼席へ消えていった。1回2死三塁での第1打席では左翼へ詰まりながらも適時打を放った。その時と同じ内角140キロの球を次の打席では本塁打にする対応力を見せた。今季の実戦での本塁打は7日韓国代表との強化試合(京セラドーム大阪)の8回に中堅へソロを放って以来、7試合ぶり。

◆阪神木浪聖也内野手(28)が負傷交代した。「2番遊撃」でスタメン出場したが、試合中に球場通路で額をぶつけて出血。4回裏でベンチに下がった。負傷直後に病院に向かったが、軽傷だった様子。岡田監督は「縫わなくてもいいらしい」と説明していた。

◆阪神が佐藤輝明内野手(24)のオープン戦1号ソロなど11安打8得点でヤクルトに快勝した。チームは4連勝も岡田彰布監督(65)は「まだ開幕に向けてないで」と、競わせて開幕1軍メンバーを絞り込んでいる段階と話した。また、4回裏の守りから交代した木浪聖也内野手(28)について、ベンチ裏で額をぶつけ左目の上を裂傷したためと明かし「縫わんでもええ言うとったから」と大事には至らなかったと説明した。試合後の一問一答は以下の通り。-佐藤輝のソロはしっかり振っていた「おう。やっと出よったなあ」-佐藤輝らしさが出ていた「うん、まあ。ちょっとなあ。ステップとか変えてなあ。昨日(16日)なあ。そうやったけど。室内で(練習して)ええ感じになってきたんちやかなあ」-本塁打以外のスイングは「うん、まあなあ。打った後、打たんもんなあ(笑い)。ちょっとなあ」-大山も初回に打点を挙げたが「うん、いやいや。そら悪い時に比べたらだいぶええよ。それは。そんなもん。ヒット出ん時は全然出へえんかったもん。今は打席での見送り方とかな、それはもう、悪いときはボール球を振ってあれやったけど、今はなあ、凡打はするけれども見極めとかなあ、そんなん課程が前の悪いときとは全然違うよ」-ノイジーにも7回に適時二塁打が出て、クリーンアップが機能した「おーん、まあな、もう1打席と思ったけど、ちょうどよかったよ」-2安打の森下は安定した力を発揮している。「そうやなあ、まあ、本人はあんまり納得してないんちゃうか。当たりに関してはな。まだまだこれから慣れていったらエエだけの話や。いつも言うように、それはな、ヒットはどんな当たりでも出ないより出る方が気分的にもいいしな、そらな」-打つ方が目立ったが投手も0封リレー「そや、ピッチャーもな。投げさそうと思っとったけど、今日はちょっと寒かったし点数開いたからな、おーん。若い子ばっかりいったけどな。明後日(19日)、明日(18日)はちょっと(雨予報で)天気分からんし、明後日ええ天気やったらみんな投げさすよ。1日空くしな」-石井はずっといい「おーん。明日、雨降ったらなあ。あと秋山投げささなあかんしな、イニングがあれへんもんな、しゃあないけど、明日できんかったらな」-青柳は無失点も本人は納得していない「そら、ちょっと重いな、球数も多いしな。目いっぱいいきすぎや、もっと遊んだらええんや。なあ、1番から9番まで目いっぱいいこうとするからな、ああいうふうになるからな、下位打線とかな、お前、2、3球で打たすとかな、それでええんよ。何かみんな三振取りにいくような感じやから、重くなるよな。で、ランナーいたらクイック、クイックで投げるしな」-木浪が途中交代した「ここ(左目の上あたりを)切りよったんよ。額。それだけのことや」-ベンチ裏でどこかにぶつけた「そうや。ぶつけよった。血出とるもんな。何か。全然あれやったから。オレも血見たからな。『何や?』言うたら『頭ぶつけたらしいです』と」-病院へ「病院行った。大丈夫やったみたい」-長引くことは「いやいや、そら、全然あれや。縫わんでもええ言うとったから。それもさっき聞いたけど」-9回には新人の富田も好投「まあな、ええよな。それしか言いようがないわ。ええからまだここに残ってるんやけどな、この時期にな。この時期に来てるのはもう1軍の戦力のピッチャーやからな。それはまあ人数の加減で変更はあるかも分からんけど、1年間一定のその人数でいけるわけあらへん、それは調子の波とかあるから。今いてるメンバーは1年間やる中で戦力として見てるからな」-開幕に向けていい戦いができているのでは「まだ開幕に向けてないで。まだ遊んでやってるやん。そらそうやん、まだこんなん開幕に合わすかいな。体もたんわ」

◆阪神ドラフト1位の森下翔太外野手(22=中大)が昨年までの庭、神宮で大暴れだ。ヤクルト戦に7番右翼でフル出場し、プロ5度目のマルチ安打をマーク。大学9本塁打を放った東都リーグのメイン球場で、自慢の打棒をさく裂させた。2回先頭の第1打席は、小川の内角直球に詰まりながらも中前へ。8回には左腕に死球を受けたが「エルボー(ガード)だったので大丈夫」とケロリ。9回の第5打席では木沢の初球、内角低めに食い込む152キロを中前へはじき返した。「1軍投手相手に当たりはどうであれ、安打を打つことができてよかった。こういう安打が大切になってくる」と充実。オープン戦の打率は3割4分5厘まで上げたが「投手も探り探り。本番のシーズンでこのくらい打たないと意味がない」と浮かれることはない。懐かしの神宮は今季から人工芝が新しくなった。「慣れているけど、この芝でやるのは初めて。あと2戦あるのでしっかりしたい」と、守備面の確認も抜かりない。岡田監督は「本人はあんまり納得してないんちゃうか。当たりに関してはな」とその貪欲さに目を細める。残りオープン戦7試合も、結果と内容の両方にこだわる。【石橋隆雄】

◆開幕投手最有力のヤクルト小川泰弘投手が4回を投げ6安打5失点と阪神打線につかまった。内外野の間に落ちる不運な安打もあり「詰まった当たりが間に落ち、少しリズムをつくることが出来なかった」と語った。一方でWBCチェコ代表サトリアを参考にした110キロ台のチェンジアップも披露し、空振りを取る場面も。「最後の2回は緩急をうまく使えてリズムが出てきた」と手応えもあった。高津監督は小川の開幕投手について「有力候補ですね」と語った。

◆阪神の4番大山悠輔内野手は適時三塁打でオープン戦初打点を記録した。1回2死一塁で小川から右翼線に飛球を運び、一気に三塁を陥れた。一時は打率0割台に陥っていたが、これで3戦連続安打と上昇。本人は「反省も含めて、まだまだ頑張ります」と冷静だが、岡田監督は「そら悪い時に比べたらだいぶええよ。悪い時はボール球を振ってたけど、今は凡打はするけれども見極めとかなあ」と打席の過程にも納得顔だ。

◆阪神新外国人シェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス)が、強烈ライナーでタイムリー二塁打を決めた。「3番左翼」で出場。3打席凡退後の5点リードの7回、2死一塁で4番手久保の変化球をとらえ、左翼フェンスを直撃させた。「前半に打てるボールを打てなかった。最後の最後に修正して打つことができた」と納得の表情。左腰の張りで出遅れたが、実戦復帰2戦目の12日巨人戦から4戦連続ヒットだ。

◆阪神開幕投手の青柳晃洋投手が投球を辛口で振り返った。「最近では一番悪い投球でした。無駄な四球やツーシームを2回投げて、2回とも同じ外れ方でボールになってしまった。2球ともボールは論外」。初回は打者3人で抑えたが、その後は毎回走者を出してピンチの連続。結果は5回0封でも5安打され、3つ出した四球も納得いかなかった。岡田監督も「ちょっと重いな、(108球の)球数も多いしな。目いっぱいいきすぎや、もっと遊んだらええんや。1番から9番まで目いっぱいいこうとするから」と苦笑いだった。○...石井大智投手がヤクルト戦に4番手で8回に登板し1安打無失点に抑えた。今季実戦8試合11イニングで無失点を継続中だ。無死一塁から宮本を一ゴロ併殺に打ち取ったが一塁ベースカバーに入った石井が落球。失策で走者を残したが落ち着いて後続を打ち取った。「まだシーズンではないので、まだまだ調子を上げていかないと」と、勝ちパターン入りへさらに状態を上げていく。○...ドラフト6位富田蓮投手(21=三菱自動車岡崎が開幕1軍にまた前進だ。9回に登板し、先頭の代打並木は低めチェンジアップで空振り三振。続く左の元山は外角低め直球で見逃し三振に斬り、同じく左の丸山和は1球で三飛に仕留めた。「コースを狙い過ぎず強い球を意識して投げた」と攻めの投球を貫いた。オープン戦5試合で防御率は1・42。岡田監督も「ええよな。それしか言いようがないわ」と絶賛した。

◆足を上げない新テル打法、完成間近! 阪神佐藤輝明内野手(24)が、待望のオープン戦1号をかっ飛ばした。「5番三塁」で出場したヤクルト戦の3回第2打席。小川の内角低めの真っすぐ完璧に捉えて右翼席に運んだ。上半身はグリップを下げ、下半身は右足をほとんど上げない新打法での1発に本人も手応え十分で、岡田彰布監督(65)も高評価。3年目の"進化発揮"で大活躍の予感だ。23年型の新打法が神宮球場で開花した。4点リードの1死。佐藤輝はヤクルト小川が投じた渾身(こんしん)の内角低めの直球をフルスイング。打球は悠々と右翼席に着弾した。「内角のいい球をうまく引っ張れてよかった」。対外試合は7日の韓国戦で放ったバックスクリーン左への1発以来、オープン戦11試合目での待望1号となった。右足をほとんど上げない新フォームで結果が出始めている。飛距離と確実性をダブルで求める今季は、グリップの位置を下に下げ、スタンスを広げるなど試行錯誤。大きく上げていた右足はすり足に近い形に落ち着いてきた。足の上げ幅を小さくすることで目線がブレず、タイミングも取りやすいメリットがある。自分の感覚を研ぎ澄まし、この打法に変えたという。「そっちの方がいいし、良い感じにきている」。打撃練習はノーステップで打ち込むなど、体に染みこませる日々で、この日は韓国戦よりさらに上げ幅を縮小。描いた会心アーチで手応えは確かなものになった。進化した対応力も発揮した。初回2死三塁。小川の内角低めの直球に詰まらされながら、左前にポテン適時打。だが内容は打ち取られていたただけに「頭にはありました」とにやり。3回、再び同じコースで打ち取りにきた真っすぐを、スタンドに運び去った。岡田監督も笑顔だ。「やっと出よったな。ステップとか変えてな。きのうの室内で(練習して)ええ感じになってきたんちゃうか」。自分で考えてモノにしつつある姿がうれしかった。前夜はWBCで侍ジャパンがイタリアを倒し、5大会連続の4強入りを決めた場面を焼きつけた。同期入団中野や同学年の牧に「アメリカでも頑張ってほしい」とエールを送り、「お土産ほしいです」と笑った。オープン戦は10試合連続出塁で打率2割7分と好調をキープ。かえすだけでなく、つなぎでも貢献している。新打法で結果を出す背番号8のニュースタイルに、ヤクルトも警戒感を強めたはずだ。【三宅ひとみ】

◆WBC連覇をつかんだ「師匠」の言葉は、侍ジャパン村上宗隆内野手(23)にとって貴重だった。ヤクルト青木宣親外野手(41)は17日、阪神とのオープン戦で青柳から四球、右前打と全2打席で出塁。その約18時間前、東京ドームの三塁側スタンドにいた。WBC準々決勝のイタリア戦を家族で観戦していた。5回無死一、二塁。今大会不振だった村上が初打点となる中越え適時二塁打を放った。後輩が目覚めた瞬間、「よっしゃ!」と気持ちが高ぶった。メジャーからヤクルトに戻った18年、村上が入団するという縁。そしてプロ1年目を終えた村上を米ロサンゼルスの自主トレに呼んだ。師弟関係はそこから続く。WBCが開幕すると、「ちょっとつらそうだな」。テレビで見た村上の表情が普段と違う。「忙しいかな」と少しためらったが、12日オーストラリア戦前に電話を鳴らした。「エラーするのも、打てないのもムネ。逆に言えば大爆発するのもムネ。たくさん打って貢献したいとかいろいろあるだろうけど、それもムネ。全部いつも通りのムネだから」うまくいかないこともまた日常-。計り知れない期待を背負い、平常心が保てなくなる不安を少しでも取り除いてあげたかった。「しかも4番で余計張り切る。とは言ってもまだ若いから」。あと2戦。負けたら終わりという戦いに挑む侍たちにもエールを送る。「言葉で『楽しんでいこう』とは言ってても、やっぱり必死でしょ。それでいいんだと思う」。ありのままの自分を受け入れてからが勝負だ。【三須一紀】青木とWBC 06、09、17年の3大会に出場。出場3度は日本選手では他に内川聖一しかいない。連覇を達成した09年には全9試合に3番で先発出場。打率3割2分4厘、7打点の活躍で大会ベストナインにも選ばれた。

◆両軍のスターティングメンバーが発表。阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=は「7番・右翼」に入った。ここまでオープン戦は打率・320、6打点、2本塁打と好調。中大時代は東都大学野球リーグで主戦場としてきた神宮に凱旋したドライチが、かつての〝庭〟で躍動するか。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が一回に先制打を放った。2死一塁で打席へ。フルカウントから小川の136キロ直球を逆らわずにはじき返した。打球はダイビングキャッチを試みた右翼手・松本友をすり抜け、外野を転々。適時三塁打で、オープン戦初打点をマークした。大山は14日のDeNA戦(横浜)からこれで3試合連続安打。2月の春季キャンプからなかなか状態が上がってこなかったが、復調を印象付けた。阪神打線はなおも2死三塁で、5番・佐藤輝明内野手(24)が左前に運び追加点。クリーンアップの大砲コンビがそろって打点をマークした。

◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が第1打席に中前打を放った。二回先頭でカウント1ー1からヤクルト・小川泰弘投手(32)の内角139キロ直球を振り切った。詰まった打球も、中前にポトリ。中大時代、東都大学野球リーグで主戦場だった神宮。「大学時代にずっとやっていたグラウンド。自分の大学生活のすべてだったので印象深いです」と語っていた思い出のグラウンドへのプロ初凱旋試合でまずはしっかりと結果を残した。ドライチのヒットで勢いづいた打線は、続く梅野が二塁打を放ってチャンス拡大。無死二、三塁から9番・植田が左中間に2点左前打を放ち、序盤から4ー0と大きくリードを広げた。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が三回にオープン戦第1号となるソロを放った。4ー0で迎えた三回1死の第2打席。ヤクルト・小川泰弘投手(32)から3球連続でチェンジアップを投じられ、カウント1ー2となってからの5球目。140キロ直球を一閃した。打った瞬間、スタンドインと分かる打球は右翼スタンドへズドン。佐藤輝は7日のWBC韓国代表との強化試合(京セラ)でホームランを放って以来の一発。オープン戦は42打席目で待望の初アーチとなった。

◆先発した阪神・青柳晃洋投手(29)は5回5安打無失点と先発の役目を果たした。一回1死から青木に四球を与え出塁を許すも、続く長岡の投ゴロを好フィールディングで併殺に仕留めた。二回1死一、二塁のピンチは内山を空振り三振、ヤクルトのD3位・沢井(中京大)を見逃し三振で無失点。三回は2死満塁で相性の悪い宮本を右飛。四回も1死二塁とピンチを背負ったが、沢井を空振り三振、奥村を右飛に仕留めた。五回も1死一、二塁としたが、オスナを中飛、宮本を左飛。毎回走者を背負いながらも粘りの投球でしのいだ。岡田監督はすでにDeNAと戦う3月31日の開幕戦(京セラ)で青柳の先発を明言している。自身初の大役に向け、虎のエースがしっかりと結果を残した。

◆阪神の新助っ人、シェルドン・ノイジー外野手(28)=前アスレチックス3A=が七回に貴重な追加点をあげた。5ー0の七回2死一塁の第4打席だった。左腕・久保の137キロを捉えると、打球は左翼手・内山の頭上を越える適時打。3番起用が濃厚な助っ人が、12日の巨人戦(甲子園)から4試合連続安打と状態を上げている。

◆阪神が快勝した。「5番・三塁」で出場した佐藤輝明内野手(24)が三回にオープン戦1号となるソロ。小川の140キロ直球を右翼席に運んだ。佐藤輝は一回にも適時打を放ち、2安打2打点と気を吐いた。打線は4番・大山が一回2死一塁から適時三塁打を放って先制。オープン戦初打点をマークした。3番・ノイジーも七回に適時二塁打を放ち、クリーンアップがそろって打点をあげた。 先発の青柳は毎回走者を背負う苦しい投球も、5回5安打無失点と粘投。加治屋、島本、石井、富田と無失点で抑えた。投打が噛み合った阪神はオープン戦4連勝とした

◆阪神が4連勝。ヤクルト・小川泰弘投手(32)から一回に大山悠輔内野手(28)、佐藤輝明内野手(24)の連続適時打で2点を先取。二回には「9番・二塁」植田海内野手(26)の左前打で2点を追加。さらに三回には佐藤輝が右中間にオープン戦1号ソロを放った。七回にはシェルドン・ノイジー外野手(28)が適時二塁打をマークした。「7番・右翼」のD1位・森下翔太外野手(22)=中大=は4打数2安打。初の開幕投手に内定している青柳晃洋投手(29)は毎回走者を背負いながらも、五回108球を投げ、5安打3三振3四球で無失点だった。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(チーム成績=7勝4敗、観衆=1万1361人)ーー佐藤輝はしっかり振っていた「おう。やっと出よったなあ」ーーらしさが出ていた「ステップとか変えてなあ。昨日なあ。そうやったけど。室内で(練習して)エエ感じになってきたんちゃうかな」ーーホームラン以外のスイングは「うん、まあなあ。打った後、打たんもんなあ(笑)。ちょっとなあ」ーー大山が打点「悪い時に比べたら大分エエよ。ヒット出ん時は全然出えへえんかったもん。今は打席での見送り方とかな。悪い時はボール球を振ってアレやったけど。今は凡打はするけれども見極めとかな、課程が前の悪い時とは全然違うよ」ーーノイジーにも適時打が出て、クリーンアップが機能した「もう1打席と思ったけど、ちょうど良かったよ」ーー森下は安定した力を発揮「本人はあんまり納得してないんちゃうか。当たりに関してはな。これから慣れていったらエエだけの話や」ーー青柳は無失点も本人は納得していない「ちょっと重いな、球数も多いしな。目いっぱい、行き過ぎや。もっと遊んだらエエんや。1番から9番まで、目いっぱい、行こうとするからな。下位打線とかな、お前、2、3球で打たすとかな、それでエエんよ。みんな三振取りにいくような、だから重くなるよな。ランナーいたらクイック、クイックで投げるしな」ーー木浪が途中交代(四回の守備から)「ここ(左目の上あたりを)切りよったんよ。額。それだけのことや」ーーベンチ裏でどこかにぶつけた「そうや。ぶつけよった。血出とるもんな。全然アレやったから。俺も血見たからな。『何や?』言うたら『頭ぶつけたらしいです』と」ーー病院へ「病院行った。大丈夫やったみたい」ーー長引くことは「そら、全然アレや。縫わんでもエエ言うとったから。それもさっき聞いたけど」ーー富田も好投「エエよな。それしか言いようがないわ。エエからまだここに残ってるんやけどな。この時期に来てるのは、1軍戦力のピッチャーやからな。人数の加減で変更はあるかも分からんけど、一年間、一定の人数で行けるわけあらへん、それは調子の波とかあるから。今いてるメンバーは一年間やる中で戦力として見てるからな」ーー開幕に向けて、いい戦いができているのでは「まだ開幕に向けてないで。まだ遊んでやってるやん。そらそうやん、まだこんなん開幕に合わすかいな。体もたんわ」

◆開幕投手の最有力候補、ヤクルトの小川は三回に佐藤輝にソロ本塁打を浴びるなど4回6安打5失点だった。それでも、チェンジアップを有効に使うなど試合の中で手応えは得た様子で「最後の2回は緩急をうまく使えて少しリズムが出てきた。反省を生かして次の登板に向け調整していきたい」と前向きだった。順調にいけば24日からの日本ハム戦とのオープン戦に登板して公式戦を迎えることが見込まれる。高津監督は「そんなに芯で捉えられた打球もなかった。結果は失点したけど内容的にはそんなに悪くはなかった」と信頼感を口にした。

◆ヤクルトのベテラン青木宣親が三回に青柳から右前打を放ち、好調ぶりを示した。外角のシンカーを引っ張り「ちょっとバットの先の方でしたけど。(青柳は)当然良いピッチャー。ああいうピッチャーから一本出たのはいいこと」と満足げだった。オープン戦は打率4割2分1厘をマーク。「いい状態はキープできている。今のペースでやっていければいい。良い形でずっとやれている」と手応えをにじませた。

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(75)が初の開幕投手に内定している青柳晃洋投手(29)の5回5安打無失点の投球内容に苦言を呈した。青柳の投球は課題が残った。五回まで三者凡退は一度もなく、三回2死一塁からの連続四球が顕著だが、最近の青柳にしては、らしくない制球の乱れを感じた。結果、球数も5回で108球。ちょっと多い。制球難の要因は左打者の外角へのスライダー、シンカーなどが思うように決まらなかったため。青柳にとっては生命線となる、これらの球種が制球できなくなり、ゴロアウトを取る本来の投球ができなかった。ピンチを招いてもゴロに打ち取って併殺でしのぐ青柳のパターンが崩れると厳しい。まずリリースポイントをチェックする必要はある。リードする捕手も、コーナーに構え過ぎないようにするなど、協力は必要だ。そんな中、ホメたいのは一回に二塁送球で併殺を奪ったフィールディング。以前だったら二塁へ投げる決断ができていたかどうか。前回登板では牽制で走者を刺している。苦手な部分を着実に克服しており、成長はうかがえる。開幕まで2週間。万全な状態でマウンドに立ってくれると信じている。

◆阪神のD6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎が開幕1軍に大前進だ。8-0の九回にマウンドへ。先頭の代打・並木をチェンジアップで空振り三振、続く元山を直球で空振り三振、最後は丸山和を三飛に打ち取った。「コースを狙いすぎずにストレートを投げ切るというのを目指して投げた結果、3人で終わったのでよかった」6日のWBC日本代表との強化試合(京セラ)では大谷(エンゼルス)に被弾したものの、貴重な左の中継ぎとして存在感を見せている。岡田監督は「この時期に残っているのは、もう1軍の戦力のピッチャー(ということ)やからな」と富田が構想内であることを明言。島本という同じタイプのライバルはいるが、開幕1軍メンバーに入る可能性が出てきた。

◆阪神・大山悠輔内野手(28)が復調を印象付けた。「4番・一塁」で先発し、一回2死一塁で右翼へ適時三塁打。オープン戦の初打点をマークした。2月の春季キャンプからなかなか結果が出なかったが、この1本で14日のDeNA戦(横浜)から3試合連続安打。岡田監督も「悪いときに比べたらだいぶエエよ」とうなずいた。大山自身は「反省も含めて、まだまだ頑張ります」とさらに上を見据えた。

◆阪神・石井大智投手(25)が八回に登板し、1回をわずか7球で無失点。直球とフォークの組み合わせのみでヤクルト打線を封じ込め、2月の実戦から連続無失点を11イニングとした。ルーキーだった2021年3月26日の開幕戦の七回、1点リードで登板したものの、2/3回を投げて、1失点。プロデビュー戦で同点打を浴びた神宮で結果を出し「個人的に思いのこもった球場だったので、よかった」。開幕に向け「まだまだ調子を上げていかないと」と気を引き締めた。

◆阪神・島本浩也投手(30)が七回のマウンドを任され、7球で三者凡退に仕留めた。2番・浜田には直球を中心に追い込むと最後は136キロフォークで空振り三振に仕留めた。「真っすぐでファウルをとるとか、真っすぐの質を求めていたのですごくよかった」。オープン戦は登板3試合で3回無安打無失点。2019年以来、4年ぶりの開幕1軍へ、安定感抜群の投球を続けている。

◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が「5番・三塁」で出場。三回に先発・小川泰弘投手(32)からオープン戦1号のソロを放つなど、2安打2打点と躍動し、チームの4連勝に貢献した。昨秋の強化試合までワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表メンバーに選ばれていた長距離砲は将来的な本戦出場に意欲倍増。最高のシーズンを過ごし、再び日の丸入りを狙う!進化した打棒に日の丸への思いを乗せ、バットを振り抜いた。スタンドインを確信した打球は神宮の曇り空を切り裂く。東京ドームでの侍ジャパンを再現するかのように-。わき上がる虎党を背に佐藤輝がゆっくりとダイヤモンドをまわった。「インコースのいい球を引っ張れたのでよかったです」三回1死で迎えた第2打席だった。小川が投じた3球連続のチェンジアップにも惑わない。カウント1-2として5球目。「頭にはあった」と内角140キロ直球を一閃した。7日のWBC韓国代表との強化試合(京セラ)以来となる一発が右翼席に吸い込まれる。オープン戦42打席目で放った1号は〝打った瞬間〟。会心の一発だった。神宮から約5キロ離れた東京ドーム。そこで繰り広げられた侍たちの熱き戦いに燃えないわけがなかった。16日のイタリアとのWBC準々決勝も、もちろん観戦。同世代の牧(DeNA)や同期の中野が日の丸を背負って戦う姿を一人のファンとして純粋に応援した。「アメリカでも頑張ってほしいですね。お土産、欲しいっす」

◆初の開幕投手に内定している阪神・青柳晃洋投手(29)は毎回走者を背負いながらも、五回108球を投げ、5安打3三振3四球で無失点だった。「全然よくなかった。結果、ゼロだったけど、最近で一番悪いピッチングだった」二回は1死一、二塁、三回は連続四球などで2死満塁、五回は2本の安打を許し、1死一、二塁とされた。ピンチを許しても得点こそ許さなかったが、納得がいかない。「省エネって言ったら言い方が悪いですけど、(球数を)減らせるところはしっかり減らしていけるようなピッチングをしなきゃいけないなと」昨季は2年連続となる最多勝(13勝)に加え、防御率(2・05)、最高勝率(・765)を獲得した。しかし、完投はセ・リーグ2位の4で伊藤将の6に及ばなかった。絶対的エースと呼ばれるからには上を目指さないといけなかった。オフからの調整方法など、すべてを青柳に任せていた岡田監督は珍しく注文をつけた。「もっと(マウンドで)遊んだらエエんや。1番から9番まで、目いっぱい、いこうとするからな。下位打線とかはポーンと2、3球で打たすとかな。それでエエんよ。なんか、みんな三振を取りにいくような感じやから」。青柳の力があれば、難しく考える必要はないというわけだ。青柳の次回登板は24日のオリックス戦(京セラ)が有力。「シーズン入ったら100球で、もっと長いイニング投げれるようにやっていかなきゃと思う。無駄な四球だったり、無駄なボールもあったり...。そういう部分を(修正して)詰めていけたら」。濃淡をつけて勝負する。31日のDeNAとの開幕戦。勝利の瞬間はマウンドにいる。(三木建次)

◆悲願のV3へ、難敵攻略を足掛かりとする。ヤクルト・青木宣親外野手(41)が17日、阪神とのオープン戦(神宮)に「2番・DH」で先発出場し、2打席で1安打1四球とした。昨季チームとして対戦5試合で0勝3敗を喫し苦戦した阪神・青柳晃洋投手(29)に対し、好結果をマークし、開幕へ弾みをつけた。難敵攻略は好調の証しだ。青木が〝燕キラー〟の阪神・青柳に対し1安打1四球。状態のよさをうかがわせた。「特殊な投手。当然いい投手ですけど、ああいう投手から1本出たのはいいことですね」青柳は下手投げ気味の変則フォームから絶妙な荒れ球を繰り出す右腕。昨季投手3冠(防御率、勝利、勝率)を獲得した虎のエースには、5試合で0勝3敗を喫し、チーム打率・197に抑えられた。自身も10打数1安打と苦戦した。この日も5回無失点とされたが、青木は三回2死で初球シンカーを右前打。オープン戦打率は・421に上昇し「去年よりいい形で打てている」と順調だ。燕の精神的支柱は、チームを離れて戦う後輩の心も救った。WBC日本代表・村上とは1年目のオフから自主トレをともにしてきた間柄。日本の4番を任されながら3試合で1安打と苦しんでいた12日のオーストラリア戦前。電話を鳴らした。「エラーとか、打てないとかも、ムネだから。いつも通りだから。逆に言えば、大爆発するのもムネだから」2分に満たない会話。それでも「テレビで見て、つらそうなのが伝わった。ちょっとでも気が楽になればいいなと」。負ければ終わりの16日の準々決勝・イタリア戦は家族で東京ドームに足を運び生観戦。2本の二塁打を放つなど本来の姿を見せたまな弟子の姿に「すごく気持ちが高ぶった」と力をもらった。快音を続ける球界野手最年長の青木に、高津監督も「すごくいい状態で開幕を迎えられると思う」と称賛した。村上ら4選手が日の丸を背負うヤクルト。開幕直前まで主力不在の戦いが続くだけに、元気なベテランが頼もしい。(箭内桃子)

◆阪神のD1位・森下翔太外野手(22)=中大=は「7番・右翼」で出場し、4打数2安打1死球でオープン戦4度目の複数安打を記録した。打率・345と向上させ、開幕右翼へ前進した。1安打だけでは満足しない。森下が思い出深い神宮にプロとして初めて足を踏み入れ、またマルチ安打。8点リードの九回に得意技になりつつある固め打ちを決めた。「シングルヒット2本だったんですけど、こういうヒットが大切になってくるかなって思うので。今後もこれを続けていければ」2度目のHランプは九回2死一塁の第5打席。ヤクルトの6番手・木沢の初球シュートを捉えた。「1軍で投げている投手。当たりはどうであれ、ヒットを打つことができてよかった」。打球の勢いはなかったが、しぶとく二遊間を破って中前へ運んだ。二回には開幕投手候補の小川から中前にポトリと落とす安打を放っていた。派手な本塁打だけでなく、地道にヒットを積み重ねられるのも、黄金ルーキーの強みだ。直近6試合で3度目の複数安打でオープン戦では4度目。堂々〝ミスターマルチ〟。打率も落ちるはずがない。5打席に立って、再び規定打席に到達。打率・345はチームトップ。岡田監督は「ヒットはどんな当たりでも出ないより出る方が、気分的にもいいしな」と、温かく新人を見つめている。森下は中大時代、東都大学野球リーグで主戦場だった。「やり慣れている」と語る思い出の地で結果を残して好調を維持。ファンの期待も膨らむ中で2週間後の開幕を見据えている。「本番のシーズンでこのくらい打たないと意味がない。ここまでは自分の中でもそこまで打率にこだわるっていうのはやっていないので、シーズンでしっかり打っていきたい」31日のDeNAとの開幕戦は3番か6番か。新たな虎のヒットマンとして準備は整いつつある。(邨田直人)

◆阪神・シェルドン・ノイジー外野手(28)が4試合続けて「3番・左翼」で出場。七回の第4打席で左翼の頭を越す適時二塁打。それまでの3打席は安打がなかったが、「最後の最後に修正して打つことができた」と胸を張った。3番に入ってからの全4試合で安打を放っており、状態は上々。左腰の張りによる出遅れから巻き返し「このまま引き続き取り組んでいけたら」と力を込めた。

DAZN

<オープン戦順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
巨人
630 0.667
(↑0.042)
-
(↓0.5)
32
(+5)
23
(+1)
7
(+1)
5
(+1)
0.248
(↑0.012)
1.960
(↑0.13)
2
(1↑)
阪神
740 0.636
(↑0.036)
0
(↓0.5)
56
(+8)
36
(-)
9
(+1)
6
(-)
0.246
(↑0.006
2.940
(↑0.3)
2
(1↓)
日本ハム
740 0.636
(-)
0
(-)
47
(-)
42
(-)
10
(-)
13
(-)
0.233
(-)
3.150
(-)
4
(-)
西武
531 0.625
(↑0.054)
0.5
(↓0.5)
27
(+4)
17
(+3)
3
(+1)
12
(+4)
0.207
(↓0.001)
1.700
(↓0.16)
5
(1↓)
ORIX
432 0.571
(-)
1
(-)
29
(+4)
26
(+4)
1
(-)
2
(-)
0.227
(↑0.003)
2.810
(↓0.15)
6
(1↑)
中日
333 0.500
(-)
1.5
(-)
42
(+4)
42
(+4)
6
(+1)
2
(-)
0.259
(↑0.004)
4.160
(↑0.02)
6
(2↓)
ロッテ
442 0.500
(↓0.071)
1.5
(↓0.5)
31
(+3)
35
(+4)
5
(-)
6
(-)
0.215
(-)
2.850
(↓0.01)
8
(-)
楽天
562 0.455
(-)
2
(-)
53
(+4)
59
(+4)
6
(-)
11
(-)
0.285
(↑0.002)
4.250
(↑0.02)
9
(1↑)
広島
342 0.429
(-)
2
(-)
30
(+4)
30
(+4)
4
(+2)
2
(-)
0.238
(↓0.004)
2.540
(↓0.19)
10
(1↑)
ソフトバンク
461 0.400
(↑0.025)
2.5
(-)
32
(+5)
38
(+8)
9
(-)
5
(+1)
0.240
(↓0.006)
3.310
(↑0.07)
10
(1↓)
ヤクルト
463 0.400
(↓0.044)
2.5
(↓0.5)
54
(-)
62
(+8)
7
(-)
17
(+1)
0.244
(↓0.005)
4.460
(↓0.3)
12
(-)
DeNA
390 0.250
(↓0.023)
4.5
(↓0.5)
33
(+3)
56
(+4)
3
(+2)
4
(-)
0.220
(↑0.005)
4.240
(↑0.17)