1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 11 | 0 | 0 |
DeNA | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 |
勝利投手:西 純矢(1勝0敗0S) (セーブ:K.ケラー(0勝1敗1S)) 敗戦投手:中川 虎大(0勝1敗0S) |
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◆阪神は、小幡が3安打1盗塁の活躍。定位置獲得に向け、バットでアピールを見せた。対するDeNAは、平良が5回無失点の好投。開幕ローテーション入りを狙う右腕が、順調な仕上がりを見せた。
◆両チームのスタメンが発表された。阪神は3番に3試合連続で新助っ人シェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス)を起用。14日に地元で凱旋(がいせん)アーチを決めたドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)はベンチスタートとなった。先発は開幕2カード目の5日広島戦(マツダスタジアム)での先発が有力な大竹耕太郎投手(27)が務める。
◆阪神先発の大竹耕太郎投手(27)が4回1安打無失点と好投し、開幕ローテーション入りを確実とした。開幕5戦目の広島戦(マツダスタジアム)を任されることになりそうだ。この日は「やっぱり真っすぐありきの緩急」と捕手のサインに首を振ってまで、直球多めの配球で勝負し、DeNA打線を抑えた。前回5日オリックス戦(甲子園)は3回6安打4失点と炎上。その翌日に自主トレをともにする師匠のソフトバンク和田毅投手(42)に電話した。和田から「裏の配球ができるのはストレートがあるから取れる」と直球を生かすようにアドバイスを受け、結果が求められるこの日のマウンドへ準備をしていた。DeNAの攻撃的オーダーの1番佐野、2番宮崎に対しても左腕は「腹を据えてというか大胆にいきました」と真っ向勝負。2人とも2打数無安打に封じた。現役ドラフトで移籍してきた左腕が、岡田阪神の大きな力となりそうだ。
◆阪神大山悠輔内野手(28)が、今季実戦17試合目で初のマルチ安打を放った。「4番一塁」で出場。両軍無得点の5回2死からはDeNA平良の低め変化球を引っ張り、三遊間を痛烈に破る左前打をマーク。7回先頭では中川の外角151キロを逆方向へはじき返し、右前打で出塁。ここで代走植田が送られ、お役御免となった。第1、2打席は四球で出塁しており、全4打席で出塁を決めた。岡田監督は関東遠征が始まる直前の13日に、打撃不振が続いていた大山について、「今週にはちょっと当たり出てこんとなあ、いくらなんでもお前。完璧にならんでもいいけど、ちょっと明るい兆しくらいはな」とハッパをかけていた。これで2試合連続ヒットとなり、オープン戦の打率も1割5分2厘に上昇。ジワリジワリと復調の兆しをみせてきた。
◆DeNAが、開幕カードで対戦する阪神に完封リレーされ、オープン戦6連敗を喫した。先発平良が、要所を締める投球で5回を無失点と好投したが、2番手の中川が2回で2点を失った。打線は先発の大竹、2番手の西純、K・ケラーに抑え込まれ、2安打無得点と沈黙。オープン2度目のゼロ封負けを喫した。シーズンに向けた調整に最も重きが置かれるオープン戦だが、通算3勝8敗で最下位に沈む。今季のDeNAのオープン戦DeNA7-5中日巨人4-1DeNA西武4-1DeNADeNA3-1西武DeNA1-0楽天楽天5-4DeNA楽天3-2DeNA中日9-5DeNA中日8-0DeNA阪神11-6DeNA阪神2-0DeNA
◆阪神小幡竜平内野手(22)が猛打賞で遊撃争いへ猛アピールした。「2番遊撃」で先発し、第1打席は四球。3回1死からの2打席目は右腕平良の直球を中前にはじき返した。1点リードの6回2死一、二塁では2番手中川の変化球をとらえ、右前適時打を放った。勢いは止まらず、8回にも3番手三浦の外角の変化球に反応し、右前打を決めた。木浪聖也内野手(28)と遊撃争いを繰り広げる中、3安打含む4打席出塁で猛アピール。オープン戦打率は3割1分6厘まで跳ね上がった。
◆阪神が開幕カードで対戦するDeNAを相手に、敵地で2連勝を飾った。開幕ローテーション入りが有力の先発大竹耕太郎投手(27)と、2番手の西純矢投手(21)がともに4回1安打無失点と好投。打撃不調の大山悠輔内野手(28)も今季実戦17試合目で初のマルチ安打と復調の兆しをみせた。岡田彰布監督(65)の一問一答は以下の通り。-大竹はストライク先行で「おお、今日はな、前回の反省というかな、生かして。低めにあないして投げとけば、そんな打たれへんよ。あれは」-前回は配球面も指摘していたが改善された「そうやなあ、今日はあれやんか。梅野やったしな。梅野に変えてみたし、全然それは、もう大丈夫」-逆算に入っているが、先発ローテーションに計算して「それはしてるしてるしてる。まあだから、セ・リーグは、あれだけやな。もうな。横浜(DeNA)しか(オープン戦で)当たらへんからな。なかなかな。だから、ちょうどよかったんや」-西純はチェンジアップとか試して「そうやな、だからずっとな試合数の関係で今日も後からいったけど、次からは頭からいかんと。なかなか先発がな、やっぱりイニング投げなあかんからちょっといびつな感じなるけど、しゃーない」-大山がよかった「いやいや、今日、今年1番のフリーバッティングしとったな。絶対打つわと思ったわ。今年1番やな、キャンプからフリーバッティングはな。内容は」-ボール球の見極めも「そや、今日は絶対打ちよるなと思ってたよ。分かりやすいよな」-打席の内容も「おーん、見送り方と言うかな。打つ打たん抜きにして、ボールを見極める姿というかな。まあ、なあ、大山ようなってきたら板山がドツボ(にはまる)になってくるしな、まあ、そんなもんやろのお。波いうかな、いろいろそれはあるからな」-小幡も結果を出した「そうやな。3本か今日。なんかみんなヒット打ってるけど、全然点入らへんから(笑い)。まあ別にええけどそれは。だから、内容的にも最初のフォアボールからでも、なあ、ずっと小幡いいよなあ、あれなあ」-これまで木浪1歩リードと話していたが、まだまだわからない「また追いついたんちゃう、これ(笑い)。これもう難しいわ、まだちょっと難しいわ。お前、両方ともいいのが一番いいけどなあ。使う方としてはなかなか難しいけどなあ、そないして、まあちょっと、ショートだけは1試合任すような形でな、順番に出してるからなあ。だから、そのへんでなあ、2人ともいい結果を出してるから、そら、なあ。チームにとっては絶対にプラスになるからなあ、そらなあ」-競争がいい効果を生んでいる形に「そうやなあ。まあ、そうやって内容的にもなあ、すごい、今日の小幡なんかいいよなあ。なあ。初回からなあ、ああいうフォアボール選ぶにしてもなあ」
◆阪神大山悠輔内野手(28)が今春実戦17試合目で初のマルチ安打を記録し、復調気配を印象づけた。DeNAとのオープン戦に「4番一塁」で出場。不調が心配されていた中、左に右に痛烈な当たりを放った。2四球を含む全4打席出塁に、岡田彰布監督(65)もえびす顔。主砲が復活の兆しを見せたことも功を奏し、開幕カードでぶつかるDeNAとの前哨戦で2連勝を飾った。大山が今春初めてスコアボードに「Hランプ」を2度ともした。まずは5回、2死走者なしから平良の低め変化球を引っ張り、痛烈な打球で三塁手の右を抜いた。7回は先頭で中川の外角151キロ直球を逆方向にはじき返す右前打。代走植田を送られベンチに下がると、ナインからハイタッチで迎えられた。「ヒットが出るに越したことはない。何が良かったのかをもう1回反省して、次の試合に向けてやっていきたいと思います」決して浮かれない主砲だが、周囲はホッと一安心だろう。14日からの関東遠征前のオープン戦打率は0割7分1厘。マルチ安打は今春実戦17試合目にして初めてだ。岡田監督は試合前練習を振り返り「今年1番のフリーバッティングしとったな。今日は絶対打ちよるなと思ってたよ。分かりやすいよな」とニヤリ。予想を的中させ「見送り方と言うかな。打つ打たんを抜きにして、ボールを見極める姿(が改善された)というかな」と納得顔だ。大山本人は「もちろん見極めができたのはいいですけど、その分甘いボールもファウルにしている。反省もあるので、しっかり頭に入れてやりたい」と冷静。とはいえ初回1死一、二塁からの第1打席、3回2死二塁からの第2打席でも四球を選んでおり、全4打席出塁の内容は上々だ。プロ通算打率が3割を超える得意のハマスタで2試合連続安打を放ち、打率も1割5分2厘まで上昇。心配されていた4番の復活は、開幕を2週間前に控えたチームにとって大きな追い風となりそうだ。【古財稜明】阪神岡田監督の大山関連コメント3月3日(今春対外試合無安打に)「金もうけならん思ってんちゃう?」同4日(オリックス戦の捕邪飛に)「今年イチのスイングしたんちゃう?」同11日(日本ハム戦で今春初長打も)「(1本)出ただけやん。それでようなった感じはないやん」同12日(巨人戦で1番DH起用)「1打席でも(多く)立つしかないやろ」同13日(オープン戦打率0割7分1厘で)「今週中にはちょっと当たり出てこんとなあ。完璧にならんでもいいけど、ちょっと明るい兆しくらいはな」○...糸原がオープン戦出場9試合目で初打点を挙げた。7番DHで出場。1点リードの7回2死三塁、右腕中川の151キロ真っすぐを中前にはじき返した。「(前打者の板山が)ゲッツーで嫌な雰囲気だったと思いますが、しぶとくいい点が取れた。1-0と2-0では全然違う」と笑顔。6回にも中前に運ぶなど、マルチ安打で4打席3出塁。岡田監督が左の代打の切り札を期待する男は「もっと上げていかないと」と気を引き締めた。▽渡辺諒(8回裏から移籍後初の三塁守備)「セカンドとどっちもしっかりできるように、もっと練習して、もっと使ってもらえるように頑張ります」
◆阪神西純矢投手がチェンジアップを試した。DeNA戦(横浜)の5回から登板し、4回1安打無失点と好投した。「チェンジアップがよかった。基本左(打者)になると思う」。6回、左の佐野には3球続けて投げて三邪飛に仕留めた。昨季も少ない割合で投げていたが、この日は69球のうち9球と多めに使った。「キャンプから積み上げてきたものがだいぶいい感じになってきている」。昨季6勝右腕は開幕ローテ入りが確実。開幕6戦目、4月6日広島戦(マツダスタジアム)での先発が見込まれる。▽K・ケラー(9回3人斬りで23年初セーブ)「セーブの状況は試合で一番大事なところ。そこで投げられたことは光栄だし、抑えられたこともよかった」
◆木浪に追いついたで! 阪神小幡竜平内野手(22)が3安打で開幕遊撃争いを互角に戻した。開幕カードの相手でもあるDeNA戦に「2番遊撃」で先発。1軍では22年3月13日巨人戦(甲子園)以来の猛打賞を決め、「最後に右翼に強い打球を打てて良かった。3安打がなかったので、続けられるように」と充実感たっぷりだ。オープン戦打率を3割1分6厘まで急上昇させ、自身初の開幕スタメンをグッと引き寄せた。「相手先発はシンカーもあったので、強引にいかないというテーマがありました」。1打席目は四球。3回1死の2打席目は右腕平良の甘く入った直球を見逃さず中前打を放ち、直後に二盗も成功させた。6回2死一、二塁では2番手中川の変化球をとらえ、右前に先制打。8回2死でも三浦の外角変化球を強振し、右前打で締めくくった。開幕に向け、木浪と激しく遊撃レギュラーを争っている。岡田監督は沖縄キャンプ終了時点では木浪の1歩リードを示唆していたが、この日は「また(小幡が)追いついたんちゃう、これ」とニヤリ。「今日の小幡なんかすごくいいよなあ。まだちょっと難しいわ。2人ともいい結果を出してるから」。うれしい悲鳴をあげ、オープン戦残り8試合の最終盤まで2人を競わせる方針だ。【三宅ひとみ】
◆DeNA平良拳太郎投手が、阪神とのオープン戦に先発し、5回無失点で開幕ローテ入りへアピールした。4回に足がつりかけながら、113球の熱投。「球数を投げられたのは良かった」と21年6月の右肘のトミー・ジョン手術から、復活へのステップを踏んだ。現状、開幕投手最有力の石田、ガゼルマン、浜口は当確。教育リーグの日本ハム戦で5回1失点の上茶谷、東、笠原、小園らとともに激しい争いが繰り広げられる。
◆阪神先発の大竹耕太郎投手(27)が開幕ローテ入りを確実にした。開幕5戦目の4月5日広島戦(マツダスタジアム)を任されそうだ。この日はDeNA戦に先発し、4回を1安打無失点。試合後、岡田監督は先発として計算しているかと問われ「してる、してる」と明言した。結果も内容も問われるマウンドだった。「やっぱり真っすぐありきの緩急」と捕手のサインに首を振ってまで、直球多めの配球で勝負した。初回、1番佐野は高め直球で三ゴロ、2番宮崎には低め直球で一邪飛。「腹を据えて大胆にいった」。攻撃的オーダーにもひるまなかった。前回5日オリックス戦では3回6安打4失点と炎上。その翌日に自主トレをともにする師匠のソフトバンク和田に電話した。大先輩から「裏の配球ができるのはストレートがあるから」と指摘され、相手の裏をかくためにも直球が大事だとあらためて気づけた。岡田監督は「セ・リーグではもう横浜(DeNA)しか当たらへんからな」と説明。次回22日は同一リーグの1軍巨人戦を避け、2軍ソフトバンク戦(鳴尾浜)に先発する予定。現役ドラフトで獲得した左腕が、岡田阪神の力となりそうだ。【石橋隆雄】
◆DeNA・三浦大輔監督(49)は、2軍からともに育成契約ながらゲーム参加となった加藤大(20)とドミニカ共和国出身のスターリン(24)の両投手について「ファームでトレーニングを積んでいる。1軍でいろんなことを学んで、経験して、今後に生かしてほしい」と、オープン戦としては横浜スタジアムでのラストゲームで収穫があることを望んでいた。
◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は14日の試合に続いて3番にシェルドン・ノイジー外野手(28)、4番に大山悠輔内野手(28)、5番に佐藤輝明内野手(24)の打順で挑む。〝プレ開幕戦〟の2連戦で固定されたクリーンアップに期待が懸かる。先発は開幕ローテーション入りを目指す大竹耕太郎投手(27)が務める。
◆阪神・大山悠輔内野手(28)が五回の第3打席で左前打を放ち、好機を演出した。カウント0ー1からの2球目、平良の133キロにバットを振り抜いた。鋭い打球はあっという間に三塁手の横を抜け、左前へ。大山はこの日の試合前の時点でオープン戦の打率・097と苦しんでいたが、14日の同戦に続く2試合連続安打。この日の第1打席、第2打席はいずれもボールを見極め四球で出塁するなど、調子も上向きになってきた。阪神は続く佐藤輝が右中間を破る二塁打を放ち、2死二、三塁と好機を拡大するも、板山が空振り三振に倒れ、先制とはならなかった。
◆DeNA・平良拳太郎投手(27)が先発し、5回5安打無失点と好投した。一回に1安打2四球などで1死満塁のピンチを迎えたが、佐藤輝を三振、板山を遊飛に抑えて切りぬけた。その後も走者を背負いながらも失点は許さなかった。2021年6月に右肘の靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた右腕は113球を投げ、開幕ローテーション入りへ大きなアピールとなった。
◆阪神・小幡竜平内野手(22)が第4打席で右前に適時打を放ち、先制に成功した。「2番・遊撃」で先発した小幡は0-0の六回2死一、二塁から、DeNAの2番手・中川虎の2球目を捉えた。打球は鋭く一、二塁間を破って右前へ。打ち合いになった14日の試合(○11-6)から一転して投手戦となった試合で、均衡を破った。小幡はこの日、三回の第2打席にも左前打を放っており、2安打の活躍。木浪との正遊撃手争いに燃える高卒5年目が、バットで猛アピールを続ける。
◆昨年12月に行われた現役ドラフトでソフトバンクから加入した阪神・大竹耕太郎投手(27)が先発し、4回1安打無失点と好投した。「サインは変化球が多かったんですけど、首を振って真っすぐにしました」一回から直球を軸に据え、力強く腕を振った。「1年間を通して結果を残している打者に対して自分の真っすぐがどういう感じで反応されるかなというのは見たかった」と1番・佐野らにも強気で攻めて二回までパーフェクト。三回は1死から戸柱の中前打で初めて走者を背負ったが、京田を外角低めいっぱいに143㌔直球を投じて見逃し三振に斬ると、続く佐野も内角球で詰まらせてボテボテの投ゴロに打ち取り、ピンチを脱出した。最後の四回は宮崎、大田、アンバギー(前マリナーズ3A)の右打者3人を、内角を攻めながらいずれも三ゴロに料理。奪った12個のうち、8個は内野ゴロだった。前回登板した5日のオリックス戦(甲子園)は3回6安打4失点。変化球でかわそうとする投球が自身の中でも逃げるように感じられる悔しい登板だった。その翌日には尊敬する古巣での先輩・和田に電話。「裏(変化球中心)の配球ができるのはストレートがあるからだ」とのアドバイスを胸に抱えて今回登板に臨み、結果につなげた。「良かったところは良かったと素直に認めて喜んで、その中でも喜ぶだけじゃなくて、ここはもうちょっとこうするべきだったな、っていうのを今日中に振り返って、来週投げるまでにもっと良くできるようにしたい」新天地での飛躍を誓い、まだまだ満足しない。シーズンを見すえ、さらなる向上を誓った。
◆DeNAは投手陣を攻略できず、散発2安打の零封負け。オープン戦6連敗となった。試合後の囲み取材で質問が途切れ、数秒の沈黙があると三浦監督は「重いな。6連敗でしょ」と苦笑い。「オープン戦というところで目的というか投手の使い方かイニングも決めてやっていますから。その中で得るものがないといけない」と語った。取材の終盤でも改めて「オープン戦ということで、シーズンに向けての準備をしている段階なので。まったく気にしないわけではないけど、シーズンとは比重が違います」と強調した。
◆阪神は大竹耕太郎投手(27)、西純矢投手(21)がぞれぞれ4回を投げ、最後はカイル・ケラー投手(29)が締めて、ゼロ封リレーで、オープン戦3連勝を飾った。「4番・一塁」の大山悠輔内野手(28)は実戦初のマルチ安打。六回2死一、二塁から「2番・遊撃」小幡竜平内野手(22)が右前に、七回2死三塁から「7番・DH」糸原健斗内野手(30)が中前に適時打を放った。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(オープン戦成績=6勝4敗、観衆=1万2672人)。ーー大竹はストライク先行「今日は前回の反省(5日のオリックス戦で先発で3回4失点)を生かして。低めにあないして投げとけば、そんな打たれへんよ。アレは」ーー前回は配球面も指摘していたが、改善された「そうやなあ、今日はアレやんか。梅野やったしな。梅野に代えてみたし、全然それは大丈夫」ーー西純はチェンジアップを試した「試合数の関係で今日も、後から行ったけど、次からは頭からいかんと。先発がやっぱりイニング投げなアカンから、ちょっといびつな感じなるけど、しゃーない」ーー大山が良かった「今日、今年一番のフリーバッティングしとったな。絶対打つわと思ったわ。今年一番やな、キャンプからフリーバッティングはな。内容は」ーーボール球の見極めも「そや、今日は絶対打ちよるなと思ってたよ。分かりやすいよな」ーー打席の内容も「見送り方と言うかな。打つ打たん抜きにして、ボールを見極める姿というかな。大山ようなってきたら、板山がドツボになってくるしな。そんなもんやろのお。波いうかな」ーー小幡も結果を出した「3本か今日。みんなヒット打ってるけど、全然点入らへんから(笑い)。まあ別にエエけど最初のフォアボールからでも、ずっと小幡いいよなあ」ーー木浪が一歩リードと話していたが、まだわからない「また追いついたんちゃう、コレ(笑い)。もう難しいわ、まだちょっと難しいわ。お前、両方ともいいのが一番いいけどなあ。使う方としてはなかなか難しいけどな。ショートだけは1試合任すような形で順番に出してるからなあ。2人ともいい結果を出してるから。チームにとっては絶対にプラスになるからな」ーー競争がいい効果を呼んでいる「そうやって内容的にもなあ、今日の小幡なんかいいよなあ。初回からなあ、ああいうフォアボール選ぶにしてもなあ」
◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)が、阪神・西純矢投手(21)の投球内容を高く評価し、開幕ローテ、文句なしと太鼓判を押した。大竹の前回登板(5日、オリックス戦)を見たときは、開幕ローテは厳しいと感じた。今回は、力み返って打ち込まれた前回とは違って、一球一球丁寧に、制球を乱して甘くなることなく投げられていた。この投球ができるのなら、先発ローテの候補の一人に戻ってきた、という評価をしてもいいだろう。ただし、主力がそろっていないDeNA打線という事実を差し引けば、当確ランプはつけられない。走者を出してから乱れた前回があるので、その修正も見極めたかったが、走者を背負うケースがほとんどなかった。課題を解消できたかどうかは分からないまま。次回登板で検証したい。対照的に西純は投球のコツを覚えた。150キロ超の真っすぐを投げ、カーブでカウントが取れ、追い込んでのチェンジアップ、フォークが真ん中低めに投げられる。この「真ん中低め」がポイント。コースに行き過ぎると、打者は手を出してくれない。ストライクに見えて、実はボールというコースだから、打者は手を出してしまうのだ。結果、三振を奪える投球ができる。脱力を意識しながらも腕がしっかり振れる。力任せで投げていた以前とは見違えるような安定感があった。安定感があるから、ベンチは継投が全盛の現代野球でも「こいつに完投させようか」と思うはず。急成長している。こちらは開幕ローテ、文句なしだ。最後に投げたK・ケラーは、球の力は十分に感じるが、投球フォームのバラツキ、制球のバラツキは気になる。現時点では、安心してマウンドに送りだせる投手かと考えると、疑問は残る。(サンケイスポーツ専属評論家)
◆春の陽気に包まれた横浜で大山悠輔(28)が〝開花宣言〟だ。右へ左へ快音を響かせ、今季実戦初の複数安打をマークした。「ヒットが出るに越したことはないので、何がよかったのかもう一回反省して、次の試合に向けてやっていきたい」五回の第3打席は平良の133キロシンカーを引っ張った。鋭い打球は瞬く間に左前へ。七回の第4打席は中川虎の151キロ直球を押し込んで右前に運んだ。これまでオープン戦打率0割台と低迷していたが、開幕カード(31日-4月2日)のDeNA戦で2試合連続安打。大山が示した復調の兆しを試合前から感じ取っていたのが岡田監督だ。指揮官は「きょう、今年一番のフリーバッティングしとったな。絶対打つわと思ったわ」とニヤリ。7日の試合前には甲子園で直接指導を施すなど、気がかりだった主砲の不振。岡田監督にとっても、この2安打は価値ある快音となった。1、2打席目はフルカウントから四球を選ぶなど、この日の全4打席には内容があった。開幕を約2週間後に控えた中で、4番の調子が上向いたのはチームにとって朗報。ただ、誰よりも大山自身が冷静に現状を見つめている。「もちろん見極めができたのはいいですけど、その分、甘いボールをファウルにしている。そういったところの反省もあるので、そこもしっかり頭に入れてやりたい」繰り返した反省の言葉がすべて。油断も慢心もない。「3・31」の開幕戦へ、〝満開〟の状態に仕上げていくだけだ。(原田遼太郎)
◆DeNA・平良拳太郎投手(27)が5回5安打無失点と好投し、開幕ローテーション入りを手繰り寄せた。「(走者を)ホームまでかえさなかったのは良かったけど、四球が多かったので反省の方が大きいかなと思います」一回に1安打2四球などで1死満塁とされたが佐藤輝を三振、板山を遊飛に仕留めて切り抜けた。制球に苦しみ4四球を与えるなど5回で113球を投じたものの、2021年6月に右肘の靭帯再建術(通称トミー・ジョン手術)を受けた平良にとっては、意味のある投球数だった。四回を終えて96球に達しても続投を志願。1軍の試合で100球を超えたのは20年11月5日の中日戦での123球以来、860日ぶり。右肘が万全な状態であることを印象づけ「試合で100球投げたのはいつ以来かな。一つ、今後へ向けて良かったかなと思います」とうなずいた。三浦監督は「続投を志願した中で五回無失点。今までの平良ならフラフラになっていたけど、ベンチでそんな姿を見せていなかった」と成長ぶりを評価した。昨季チーム勝ち頭の大貫が右肩の肉離れで離脱し、大型補強として話題のメジャー通算83勝右腕バウアーも開幕には間に合わない見通し。「本番までには修正していきたい」という沖縄・今帰仁村(なきじんそん)出身の右腕の復活は、チームにとって明るい材料だ。(湯浅大)
◆WBCを必死になって見過ぎているから、急に阪神のオープン戦を見ると勘違いをしてしまう。編集局の窓際で、虎の新戦力・大竹の投球を眺めていたのだが...。「大竹は三回まで41球かぁ。ペースは悪くないか」「四回で54球か。次の回は続投するかなぁ」WBCで投手の投球数制限ばかり気にしながら見ているので、異様に球数に執着してしまうのだ。日本のプロ野球は球数なんて関係ないのに。ふと、われに返って苦笑いだ。そういえば、トラ番からWBC取材に組み込まれている〝サンスポのショーヘイ〟こと、織原祥平はどうしているんだろうか? 久々にゴキゲン伺いの電話をしてみた。「いま、ちょうど侍ジャパンの練習が終わったところです。たぶん、僕はダルビッシュ投手の原稿を書くと思います」スーパースター大谷翔平のショータイムはグラウンド上だが、織原のショータイムは新聞紙面上。この「虎のソナタ」の隣(3面)で健筆をフルッてます。じっくり読んでやってください。「毎日、こっちの取材が忙しくって、タイガースのことが浦島太郎になってます。でも、調子は良さそうですね」どこかひとごとに聞こえた。まあ、そうだろう。いよいよイタリアとの準々決勝。決勝までは一発勝負で、負ければその時点で終戦。米フロリダに向かう前に、日本国内でジ・エンドは寂しすぎる。紙面総括席の文化報道部長・大澤謙一郎が遠い記憶をたどっていた。「僕は第1回のWBC(2006年)を取材したんです。大会1年後に会った王監督と当時を振り返ったときに『米国に行けない状況だけは絶対に避けたかった。だから国内の方がプレッシャーがあった。米国に行ってからの方が思い切ってやれたよ』と振り返っていたのをよく覚えています」海を渡って頂点へ。あのとき、世界一に輝いた結果を、今ではみんなが知っているが、その過程では想像を重圧が王監督以下メンバーにのしかかっていたようだ。
<オープン戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (2↑) |
日本ハム |
7 | 4 | 0 | 0.636 (↑0.036) | - (-) |
47 (+2) | 42 (+1) | 10 (-) | 13 (-) |
0.233 (↓0.004) | 3.150 (↑0.23) | |
2 (2↑) |
巨人 |
5 | 3 | 0 | 0.625 (↑0.054) | 0.5 (-) |
27 (+2) | 22 (+1) | 6 (+2) | 4 (-) |
0.236 (↓0.006) | 2.090 (↑0.16) | |
3 (2↑) |
阪神 |
6 | 4 | 0 | 0.600 (↑0.044) | 0.5 (-) |
48 (+2) | 36 (-) | 8 (-) | 6 (+2) |
0.240 (↑0.007) | 3.240 (↑0.36) | |
4 (3↓) |
ORIX |
4 | 3 | 1 | 0.571 (↓0.096) | 1 (↓1) |
25 (+1) | 22 (+3) | 1 (-) | 2 (-) |
0.224 (↓0.014) | 2.660 (↓0.09) | |
4 (3↓) |
西武 |
4 | 3 | 1 | 0.571 (↓0.096) | 1 (↓1) |
23 (+1) | 14 (+2) | 2 (-) | 8 (-) |
0.208 (↓0.009) | 1.540 (↑0.06) | |
4 (2↑) |
ロッテ |
4 | 3 | 2 | 0.571 (↑0.071) | 1 (-) |
28 (+4) | 31 (+3) | 5 (+1) | 6 (-) |
0.215 (↓0.006) | 2.840 (↑0.1) | |
7 (3↑) |
中日 |
3 | 3 | 2 | 0.500 (↑0.1) | 1.5 (-) |
38 (+8) | 38 (+7) | 5 (+1) | 2 (+1) |
0.255 (↑0.005) | 4.180 (↓0.41) | |
8 (2↑) |
楽天 |
5 | 6 | 1 | 0.455 (↑0.055) | 2 (-) |
49 (+3) | 55 (+1) | 6 (-) | 11 (+1) |
0.283 (↓0.003) | 4.270 (↑0.4) | |
9 (3↓) |
ヤクルト |
4 | 5 | 3 | 0.444 (↓0.056) | 2 (↓1) |
54 (+3) | 54 (+4) | 7 (-) | 16 (+2) |
0.249 (↓0.008) | 4.160 (↑0.02) | |
10 (4↓) |
広島 |
3 | 4 | 1 | 0.429 (↓0.071) | 2 (↓1) |
26 (+7) | 26 (+8) | 2 (+1) | 2 (-) |
0.242 (↑0.012) | 2.350 (↓0.73) | |
11 (2↓) |
ソフトバンク |
3 | 5 | 1 | 0.375 (↓0.054) | 2.5 (↓1) |
27 (+1) | 30 (+2) | 9 (+1) | 4 (-) |
0.246 (↓0.007) | 3.380 (↑0.17) | |
12 (-) |
DeNA |
3 | 8 | 0 | 0.273 (↓0.027) | 4 (↓1) |
30 (-) | 52 (+2) | 1 (-) | 4 (+1) |
0.215 (↓0.013) | 4.410 (↑0.25) |
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