1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
阪神 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 2 | 0 | 0 | 11 | 10 | 3 | 1 |
DeNA | 3 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 6 | 11 | 0 | 0 |
勝利投手:西 勇輝(1勝0敗0S) 敗戦投手:宮城 滝太(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆阪神は、打線が10安打11得点を記録。ルーキー・森下がオープン戦2号となる2ランを放つなど、状態の良さを示した。対するDeNAも佐野、宮崎、楠本がそれぞれ2安打をマーク。野手陣が開幕に向けて順調な調整ぶりをアピールした。
◆両チームのスタメンが発表された。地元・横浜に凱旋(がいせん)したドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)は「6番右翼」でスタメンとなった。左翼大本命の新助っ人シェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス)は「3番左翼」の打順。先発は西勇輝投手(32)が務める。DeNA先発は浜口遥大投手(27)。
◆新外国人のシェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス)が、来日初打点を挙げた。1回無死一、二塁のチャンスに、DeNA浜口から右翼線へ落ちるヒット。先制点となった。ノイジーは思い切りよく二塁を陥れ、走塁面でも積極的なところを見せた。キャンプの紅白戦では打点はなかったが、オープン戦でようやく打点がついた。左腰の張りで別メニュー調整が続き、11日の日本ハム戦から復帰。12日の巨人戦では2安打を放ち、そしてこの日はタイムリーヒット。前日には「状態は悪くない」と話していたが、春の訪れとともに助っ人が調子を上げてきた。
◆阪神原口文仁内野手(31)が、今季オープン戦初先発で逆転打を放った。1点を追う6回、この回から登板したDeNA2番手の宮城を攻め、1死満塁の好機をつくると、原口は追い込まれながら4球目の変化球をとらえ左前へ2点適時打を放った。原口はキャンプから実戦で打撃好調で、オープン戦に入っても主に代打で存在感を示してきた。この日は「7番指名打者」でオープン戦初スタメン。1回にも左前打を放ち、先発でも勝負強い打撃を披露した。原口の逆転打をきっかけに、相手投手の乱調もあって打者一巡の攻撃で、この回5点を奪った。
◆阪神大山悠輔内野手(28)が、久々に快音を響かせた。7回、DeNA3番手の左腕石川から、三遊間を破る鋭い当たりのヒット。大山にとっては11日の日本ハム戦の第2打席以来、11打席ぶりのヒットだった。ここまで打撃の調子が上がらず、オープン戦は前日13日まで8試合で打率7分1厘と振るわなかった。12日の巨人戦では打席数を与えるため「1番指名打者」で起用されたものの無安打だったが、4番に戻り、ようやく安打が出た。
◆阪神のドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)が、地元横浜で豪快な1発を放った。9-5とリードして迎えた7回、1死一塁でDeNA左腕石川の5球目の変化球を、泳ぎながらもとらえた。打球は左翼席で弾む2ランとなり、阪神ファンから歓声が起こった。10日の日本ハム戦での「プロ初本塁打」に続く2号は、東海大相模時代に何度もプレーした思い出の球場での"凱旋(がいせん)弾"。阪神の右打ち新人がオープン戦で2本塁打したのは、87年八木裕2本以来36年ぶりだった。1回はチャンスで併殺打。2打席目も凡退したが、3打席目が四球でホームを踏み、4打席目が2ラン。9回の5打席目も右翼線に二塁打を放ち、4打数2安打2打点。見守った両親に元気な姿を見せた。
◆DeNAが、開幕カードで対戦する阪神に2ケタ失点で打ち負け、オープン戦5連敗を喫した。先発浜口が初回に4点を奪われながら、2回以降は無失点と立ち直ったが、1点を勝ち越した直後の6回に登板した2番手の宮城が1死しか奪えず、5失点し、3番手の石川も2点を失った。打線は先発の西勇から1回にアンバギー、大田の適時打で3点を奪って、4回には桑原の犠飛で同点、5回には宮崎の適時二塁打で勝ち越したが、投手陣が踏ん張れなかった。この日は、20年にサイ・ヤング賞に輝いた前ドジャースのトレバー・バウアー投手(32)の獲得を発表。試合前から大盛り上がりだったが、オープン戦5連敗を喫した。シーズンに向けた調整に最も重きが置かれるオープン戦だが、通算3勝7敗で最下位に沈む。今季のDeNAのオープン戦DeNA7-5中日巨人4-1DeNA西武4-1DeNADeNA3-1西武DeNA1-0楽天楽天5-4DeNA楽天3-2DeNA中日9-5DeNA中日8-0DeNA阪神11-6DeNA
◆阪神が10安打11得点でDeNAに打ち勝った。7回にはドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)が左翼へオープン戦2号となる2ランをたたき込んだ。岡田彰布監督(65)は、先発のベテラン西勇輝投手(32)に対して「コントロールがよすぎるから(相手が)絞りやすい。いろんなとこを投げた方が」と直接アドバイスしたことを明かした。一問一答は以下の通り。-森下の1発は追い込まれてから変化球をうまくさばいた「そうやなあ。まあ、な。だいぶ慣れたというかな、そういう感じするな」-監督は「タイミングを早くとるように」とアドバイスしていたが、その部分の対応力は「まあ、それはな、自分でやるわけやからな。対応するわけやからかな。まだまだな、新しい投手とか当たると思うけど、うまく対応しとるんちゃうかな。追い込まれてもな」-先発の西勇は降板後に監督から助言をもらったと「いやいや、コントロールがよすぎ、ええからな、しぼりやすいやんか。ずっとそういう感じは持ってたけどな。誰や? 1番佐野、2番宮崎のとこでもインコースもうちょい突っ込んでたらああいう打ち方できひんと思うけど。ただコントロールいいから追い込んでも、そこに来ると思って対応できるバッターは対応しよるよな。ちょっと分からんけどな、今度までの対戦までにちょっといろんなとこを投げた方がよいんちゃうかなと思うけどな」-本人もオープン戦期間は配球を見直していると「まだそんなんなあ、あのへんはあと(登板を)2回調整してシーズンに向かえばいいんやから。その辺は心配してないけどな。俺は今日はちょっとそんな感じに見えたからな。あまりにもコントロールがええという印象がみんな相手は持っとるからなあ、西(勇)なんかは。ある程度そこに来るというな、そこのボール、厳しいボールでも対応できるバッターおるからな、何人かは。そのへんやろなあ。もうちょっと、なあ、インコースとかな、いろんなとこに、もうちょっと高めいったり、高めとかもなあ、(相手は)『高めなんかない』と思とるから、逆にな、そら、いかなあかんわなあ」-2番手の石井は今日もいい投球「いやいや、(6回は)3球で終わったからもう1回行かしたんや(笑い)お前、そんなん1イニングの予定やったけど、3球でなあ、しゃーないやんか」-期待通りのピッチング「おおん、まあ、ずっとええからなあ」-初回の攻撃も中軸でしっかりかえして4点「だから点数あるときはやっぱフォアボール選べるからな、そのへんやろな。フォアボール多いやろ? だからヒットもそうやけど、フォアボールも一緒やからな、結局な。そのストライク、ボールの見極めというか、そのへんをしっかりやっていったら、チャンス広がると思うし。うん、そういうことやろな、やっぱりな、うん」-ノイジーは結果的に右前に落ちる打球でしたけど「ノイジーな。いや、わからん、まだ聞いてないわ、英語で。基本な3回(打席に)立って、もう1回立てたからな。あれはお前右やったら、代えようと思っとったんやけど、左(石川)来たからもう1回、もう1人見れたしな、最後。それはもう結果はどうこうは関係ないけどな。うん」-今日は以前から構想にあったオーダー。流れはよさそうか「(この並びなら)まあ右左とか、あんまり関係ないからな。右(打者)を入れるということは、やっぱ左ピッチャーが来ても対応できると思うし、うん。まあそのへんはじょじょにまたな、あと9試合か10試合か。それでみんな上げていったらええと思うけどな。別にそら、結果やからな、みんな」-大山は良くなってきているか「いやいや、そら、よおなっていかんとあかんやん。そら、もうお前、これからあんなんじゃあかんで。そないして、じょじょに上げていけばええやん」-佐藤輝も初回は器用に逆方向へ適時打「おお、なあ。まだ横着に守備するからな(笑い)」-DeNAの印象は「いやあ、まだ分からへん。外国人(アンバギー)いたけど、まだそこまでなあ。そんな変われへんのちゃうかな、メンバーもな。あと外国人もソトやろ、オースティンはあかんみたいやしな」-佐野と宮崎の1、2番は「おお、誰がクリーンアップ打つんやろな」-WBC参加中の牧は入る「(1番から佐野、宮崎、牧と並んでも)クリーンアップて3人やで(あとの2人は?)」
◆阪神西勇輝投手が、岡田監督のアドバイスを生かす。DeNA戦では配球を試しながら投げたが、立ち上がりから連打を浴びるなどいきなり3失点。4、5回にも失点し5回まで毎回安打の被安打9。5失点(自責4)で降板した。2回にはヒヤリとするアクシデントもあった。DeNA伊藤の打球が、左手首付近を直撃した。治療してマウンドに戻り、5回を投げきった。岡田監督は、オリックス時代、高卒の若手だった右腕を積極的に起用した。その持ち味を十分知る指揮官は降板後の西勇に助言した。「コントロールがええからな、絞りやすいやんか。追い込んだらそこ来ると思って、それに対応できるバッターはやっぱり対応しよるよな。もうちょっとインコースとか。高めなんかないと思うとるから、逆に行かなあかんわな」。その助言は西勇にとって「盲点というか、自分の中になかった発想」だったという。本番まであと2試合の登板が見込まれる。「言われたことを次の試合ですぐに実践したい」と意欲満々。助言を取り入れた新たな配球パターンを試すことになりそうだ。今季33歳になるベテラン右腕は、プロ15年目も進化を止めない。
◆阪神岡田彰布監督(65)が開幕想定オーダーを組み、開幕カードで対戦するDeNAに10安打11得点と打ち勝った。3番ノイジー、4番大山、5番佐藤輝と構想通りのクリーンアップを対外試合で初めて組んだ。「(この並びなら)まあ左右とか、あまり関係ないからな。(打線に)右を入れるということは左投手が来ても対応できると思うし」。指揮官の言葉通り、昨季4戦2勝2敗ながら防御率1・82と抑え込まれたDeNAの左腕浜口に初回から襲いかかった。1番近本が四球を選び出塁。2番渡辺諒の7球目に二盗を決めた。連続四球で無死一、二塁とし、3番ノイジーが右前にしぶとく落とす。好走塁で二塁も奪い先制適時二塁打。来日初打点をマークした新助っ人は「走者が出ている時にちゃんと出て、打点を稼ぐことができた。もっともっと稼げるように頑張りたい」と役割を十分に理解している。さらに5番佐藤輝が左前適時打で2点目。勢いは止まらず、この回さらに2点を奪い初回に4点。6回の打者10人で5点を奪ったのも1死後に大山四球、佐藤輝の右翼線への安打から打線がつながった。左打者が多かった昨季は先発左腕に10連敗するなど苦手にしていた。今季は3番、4番、そして6番に右打者が入ることで左右のバランスもよくなる。指揮官は「(オープン戦は)あと9試合か。それでみんな(状態を)上げていったらええと思うけどな」と、このオーダーを基本線に本番に向け準備する。対するDeNAは1番佐野、2番宮崎の攻撃型打線を組んできた。「おお、誰がクリーンアップ打つんやろな」と驚いたように笑ったが、23年の猛虎打線がしっかり浮かび上がってきた。【石橋隆雄】○...石井が"ドクター0"を継続だ。2番手で6回に登板すると、桑原を中飛に打ち取るなど打者3人を3球で料理。球数の少なさに岡田監督が「もう1回」と急きょ続投させた7回も3者凡退に仕留め、2イニングを完璧に抑えた。1回3球斬りは石井も「(記憶に)ないですね」と驚く初体験。今年の実戦は2月11日の1、2軍合同紅白戦から7試合10回無失点、被安打1と絶好調だ。勝利の方程式候補にも挙がる右腕は「シーズンにつながる」と上々の手応えを明かした。○...西純が15日のDeNA戦(横浜)に2番手以降で登板する。前回登板となった6日の侍ジャパンとの強化試合では4回2安打無失点、7奪三振と好投。「テンポよく自分の球を投げながら、普段使わないチェンジアップとかを使ってみたいです。左打者に投げて、右にそれることが多かったので、ゾーンに投げてみたい」。明確なテーマを掲げ、シーズンに向けて磨きをかける。
◆阪神佐藤輝明外野手の24歳初ゲームは、2安打2失策と激しい乱高下になった。13日の誕生日明けの初打席となった初回無死満塁は、浜口から左前に運ぶ適時打で自らを祝った。だが、三塁守備では4回に大田のゴロを一塁へ悪送球。6回に2番手宮城から一塁線を破る右前打で挽回したが、8回守備では桑原のゴロを再び一塁に悪送球してしまった。ヒット2本について「強く振れたのでよかったと思います」と笑顔を見せたが、2つとも失点につながった悪送球については「頑張ります。練習します」と神妙に反省。岡田監督もマルチ安打は喜びつつ、「まだ横着に守備するからな」と苦笑いするしかなかった。新たな発奮材料ができた。DeNAが20年のサイ・ヤング賞右腕、トレバー・バウアー投手(32=前ドジャース)の獲得を発表した。佐藤輝は「めちゃくちゃすごいピッチャーで何か面白そう」と興味津々。「どんな相手でもしっかり打って勝てるように」と気合を入れ直していた。
◆DeNA 開幕ローテ入り確実の浜口が、修正能力の高さを見せた。初回に先頭からの連続四球などで4失点も、2回以降は無安打で5回を3安打4失点。「立ち上がりがもったいない。ずっと課題」と反省も「2回以降は自分なりにうまくボールを使いながら、バッターの様子を見ながらできた」と手応えを口にした。三浦監督も「しっかりと修正できたかなと。まだ日にちもあるので」と納得の表情で話した。
◆ここにもおるで、未来の侍候補! 阪神ドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)が、地元・横浜で2号2ランを放った。DeNAとのオープン戦に「6番右翼」で先発。7回1死一塁で左腕石川の変化球を左翼席へ放り込んだ。球団の右打ち新人のオープン戦2本塁打は87年八木以来。マルチ安打で打率はチームトップの3割3分3厘。即戦力ルーキーが早くも猛虎打線になじんだ。今から開幕が待ち切れない。森下が懐かしのハマスタで大暴れした。4点リードの7回1死一塁。カウント2-2と追い込まれたが、抜群の対応力を見せる。DeNA石川の外角チェンジアップに体勢を崩されながら、とらえた。打球はぐんぐん伸び左翼スタンドへ。オープン戦2号となる2ランでとどめを刺した。「うまく拾えたかなと思います。入ってよかった」。ホームベースを踏んだ後、ベンチ前では「シャーッ!」と腕を回しながら雄たけびをあげた。「もっと(ポーズを)固めていきたいなと思います」と笑った。球団の右打ち新人がオープン戦で2本塁打を放ったのは、87年八木裕2本以来36年ぶり。9回にも痛烈な右翼線二塁打を放ち、2安打2打点。「ハマスタ自体久しぶりだったので、すごい懐かしかった」。横浜スタジアムでは東海大相模で通算57号となる2ランを放った。思い出深い球場で今季から敵地になるが、大暴れの予感だ。快進撃が止まらない。2月26日の日本ハムとのオープン戦(名護)では、21年の新人佐藤輝以来の猛打賞を記録。計9試合で2本塁打を含む打率3割3分3厘は、チームトップ&12球団4位の成績。岡田監督も「だいぶ慣れた感じがするな。まだまだ新しい投手と当たるけど、追い込まれてからもうまく対応するんちゃうかな」と期待を膨らませた。森下家にとっても、特別な1日になった。父善文さん、母ゆりさんがプロ入り後、初めて生観戦。野球を始めたのは父がきっかけ。小学生の頃に「野庭日限(のばひぎり)フェニックス」で善文さんからコーチ、監督として指導を受けてきた。「いい姿を見せたい」と口にしていた森下は「(プロ入り後)直接見るのは初めてなのでよかった。シーズンでも打って、もっと親孝行したい」と声を弾ませた。即戦力ルーキーがシーズンでも故郷で大きな放物線を描く。【三宅ひとみ】○...父善文さんと母ゆりさんは息子のアーチに感無量だった。ゆりさんは「もうホッとしました。よかった~と思って」と笑顔。善文さんは「感動しかないですよね。プロになって初めてここで見たので。活躍とかではなく、みんなに愛される選手になってほしいです。もう十分、親孝行してもらっているから」とスタンドからあたたかく見守っていた。○...4番大山が、久々に快音を響かせた。7回、DeNA3番手石川から、三遊間を破るヒット。11日の日本ハム戦の第2打席以来、11打席ぶりのヒットだった。打撃の調子が上がらず、オープン戦は13日まで8試合で打率7分1厘と振るわなかった。この日も3打席目までは2四球と中飛だったが、ようやくHランプがともった。岡田監督は「そらようなっていかなあかんやん? 徐々にあげて行けばええやん」と主砲の復調を期待した。○...原口がオープン戦9試合目の初スタメンで気を吐いた。7番DHで出場。初回に浜口から左前打を放つと、1点を追う6回1死満塁は2番手宮城の変化球をとらえ、左前に逆転の決勝2点打を運んだ。4打席立ち「代打とスタメン(DH)はちょっと感覚が違うので良かったです」と笑顔。オープン戦打率を3割8厘とし、岡田監督が右の代打の切り札を期待する男は「いい状態で打席に立てている」と充実の表情だ。○...遊撃木浪が手痛いミスを犯した。6点リードの8回2死満塁で、DeNA上甲の強いゴロを捕球。だが二塁への送球が乱れ二塁手植田がキャッチできなかった。富田が後続を抑えたため1点で済んだが、大量点につながりかねないプレーだった。打撃では6回に押し出し四球を選び、8回には二塁打を放つなど3打数1安打1打点。定位置を奪うには、守備の安定が求められる。○...今季も救援投手を務める岩貞が、9回を締めくくった。5点リードの状況で4番手で登板。1死から四球を出したが、後続を断って危なげなく1イニングを無失点に抑えた。先発起用も考えていた岡田監督から、9日に中継ぎでの起用を伝えられ「しっかり戦力になるように」と意気込んでいた。11日の日本ハム戦に続き、2試合を無失点投球。昨季53試合に登板した左腕は今季も頼もしい。
◆DeNA・三浦大輔監督(49)はトレバー・バウアー投手(32)の加入による先発陣の競争激化を歓迎した。実績は申し分ない超大物メジャーリーガーの来日は3月下旬を予定しており、開幕ローテーション入りは不透明だが、三浦監督は先発陣の中心のひとりとなることを期待するいっぽうで、若手投手の闘争心に火が付くことも期待した。「朝からそのニュースで内心穏やかじゃない投手もいないといけない。そこは刺激を受けてもらわないと。枠の取り合いだから。より厳しくなるわけだから」DeNAは開幕投手候補だった大貫が右肩の肉離れで離脱。エース左腕の今永は侍ジャパンに招集中だが、そのほかにもローテーション候補に石田、浜口、東、笠原、ガゼルマン、上茶谷、平良らがローテ入りを争っている。
◆DeNA・三浦大輔監督(32)は、2020年のサイ・ヤング賞右腕のトレバー・バウアー投手(32)=前ドジャース=の獲得の心境を語った。主な一問一答は以下の通り――バウアー獲得が発表になった「前例のないことかなと思うくらいのインパクトがある。無事に決まってよかったと思います」――印象は「一言ですごい投手です。実績もすごい、成績をみてもすごい、まだ若いし、現役バリバリのメジャーリーガーが横浜に来るということで興奮しています」――どんな活躍を期待「いやいや、もう、すごい活躍を期待しています」――獲得決定の報告を受けて「興奮しました。もう横浜スタジアムであの投球が見られるんだと思うと楽しみでしかたない。そんな心境です」――練習施設の「DOCK」にも来たことがあるが面識は「ないです」――サイ・ヤング賞投手がくる「横浜では間違いなく初ですし、(過去に)ドラゴンズにいたかな。衝撃ですよ。衝撃ですし、よくここまで(黙っているのを)我慢できたなと自分自身が。衝撃ですよ、本当に。インパクトあることですから。正直なところでいいたくて仕方なかったですけど。早く発表してくれたら楽になるのかなと思って、この数日を過ごしていました」――チームメートも歓迎「ウチのチームカラーというか、チームメートとして受け入れて、一緒のユニホームを着て戦うわけですから。横浜も住みやすい街ですし。早く来日して一緒に頑張っていきたいと思います」――最近の投球様子などは「映像でみました。ブルペンや最近の映像も見ました。練習で100%ではないけど、それでもいいボールを投げていました」
◆DeNAはこの日から、政府の方針に沿って、横浜スタジアムで観戦するファンのマスク非着用での声を出し応援や球団歌などの歌唱、飲食も可能とした。三浦大輔監督(49)は「(マスク着用時と比べて)声の通りが全然、変わってくると思う。その分、球場全体のボルテージも上がるし、選手のテンションも絶対に上がっていくはずだろうから、それを受けてプレーしたいと思います」と〝ダイレクトな声援〟を楽しみにしていた。
◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が「6番・右翼」で出場する。神奈川・東海大相模高時代に何度もプレーし、「一番(野球を)見に行った球場でもあるし、思い出が一番ある球場でもある」と語るハマスタに凱旋。プロとなって臨む初ゲームで、開幕カード(3月31日~、京セラ)を戦う相手に打棒を見せられるか注目だ。
◆「3番・左翼」で出場した阪神の新助っ人・シェルドン・ノイジー外野手(28)=前アスレチックス3A=が一回に先制打を放った。先頭の近本、渡辺諒が四球で無死一、二塁の好機で打席へ。カウント2-2から浜口の135キロ直球を力で押し込んだ。ふわりと舞い上がった打球は右前にポトリと落ちる先制打。ノイジーは2月の春季キャンプ中に行われた紅白戦を含め、実戦出場5試合目で初打点をマークした。
◆阪神打線が一回から猛攻。「5番・三塁」で出場した佐藤輝明内野手(24)が24歳初戦の第1打席でタイムリーを放った。新助っ人のノイジーが先制打を放つと、大山が四球でつなぎ、無死一、二塁で佐藤輝が打席へ。浜口の投じた初球だった。低めの136キロ変化球にバットを合わせて、左前へ。佐藤輝は13日が24歳の誕生日。自身にとっての24歳の初戦、その第1打席で適時打を放ち、新たな1年を好スタートで決めた。阪神打線はなおも無死満塁からドラフト1位の森下(中大)の三ゴロ併殺の間にさらに1点を追加し、3-0。2死三塁から原口にも左前適時打が飛び出し、4-0と猛攻を浴びせた。
◆先発した阪神・西勇輝投手(32)にヒヤリとするシーンがあった。4―3で迎えた二回、先頭・伊藤光の痛烈なゴロに反応したが、打球が左手首に当たった。真下に弾いたボールを素早く処理し、自ら一塁に送球して1死を取ったが、浮かべたのは苦悶の表情。治療のために一度、ベンチに戻った。だが、しばらくして小走りでマウンドに戻ってくると、柴田に右前打を浴びるも、捕手・梅野が二盗を阻止し、1番・佐野は投ゴロに打ち取った。三回のマウンドにも上がり、アクシデントを感じさせないようすで腕を振った。
◆「7番・DH」で出場した阪神・原口文仁内野手(31)が六回に逆転の左前打を放った。4-5の六回1死満塁で打席へ。DeNAの5年目右腕・宮城の131キロ変化球をはじき返した。走者2人が生還する左前打で阪神が逆転した。原口は7日のWBC韓国代表との強化試合(京セラ)以来、5試合ぶりのスタメン出場。一回の第1打席は2死三塁から左前打を放つなど、この日3打点目をあげ、チーム屈指の勝負強さを見せつけた。
◆DeNAは「1番・一塁」でスタメン出場の佐野恵太外野手(28)、「2番・三塁」で出場の宮崎敏郎内野手(34)の攻撃的な1、2番コンビの活躍で4点差を逆転した。DeNAは先発の浜口が一回に4点を奪われたが、直後の攻撃で佐野が左前打で出塁し、宮崎も左前打で続き好機を広げ3得点。さらに4-4の五回、先頭の佐野が中前打で出塁すると、宮崎の右中間への二塁打で、佐野の代走・京田が勝ち越しのホームを踏んだ。宮崎は「とにかく後ろにつなぐ気持ちで打席に入り、しっかり自分のスイングができました。ホームまでかえってきてくれた京田に感謝です」とコメントした。佐野、宮崎コンビの活躍で勝ち越したが、DeNAの2番手・宮城が阪神打線につかまり、六回に再び逆転された。
◆阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=が七回の第4打席に2ランを放った。七回1死一塁で迎えた第4打席。カウント2-2から5球目、DeNAの左腕・石川の119キロチェンジアップをすくい上げた。打球は阪神ファンで黄色く染まった左翼スタンドへ一直線。横浜で生まれ育った黄金ルーキーがプロ初の凱旋試合を自ら飾る一発を放った。この日は父・善文さん、母・ゆりさんもスタンドで観戦。プロ入り後の試合を見るのは初めてと話す両親の前で、孝行息子が開幕スタメンをグッと近づける華麗なアーチをかけた。
◆阪神・西勇輝投手(32)が先発し、5回9安打5失点(自責4)だった。4点の先取点をもらったなかで登板した一回は佐野&宮崎の1、2番コンビに連打を浴び、アンバギーの三塁強襲の適時内野安打、大田の右前適時打、桑原の中犠飛でいきなり3点を失った。二、三回は無失点だったが、四回は味方の失策と安打で招いたピンチで伊藤光に中犠飛を打たれて同点に追いつかれ、五回は宮崎の右中間適時二塁打でリードを許した。ただ、新たな変化球を交えた配球パターンを試すなどし、求めるのは結果よりも内容。打者の反応を確認し、「それ使えるんやな、というのは感じた」と好感触を残した。二回に伊藤光の痛烈なゴロが左手首に当たるアクシデントがあったが、しびれが収まるのを待って続投。「久しぶりに当たったし、痛かった。折れていないか確認して、いけるから(マウンドに)行ったって感じ。あとで(伊藤)光さんにLINEしておきます」と表情は明るかった。
◆2番手で登板した阪神・石井大智投手(25)が圧巻の投球でDeNA打線をねじ伏せた。9-5と逆転した直後の六回のマウンドへ。先頭の桑原を初球146キロ直球で中飛、森を初球133キロスライダーで一邪飛、上甲は初球146キロ直球で三邪飛に仕留め、わずか3球で料理した。続く七回のマウンドにも立つと、危なげなく3者凡退に仕留め、2回をパーフェクトに抑えた。石井は春季キャンプ中に行われた2月11日の紅白戦(宜野座)から実戦7試合の登板で10イニング連続無失点。被安打は2月25日のヤクルト戦(浦添)で浜田に許した右前打のみと好調を維持している。
◆DeNA・浜口遥大投手(28)は5回3安打4失点、3四球という内容だった。一回に3安打3四球で4点を奪われる内容に「立ち上がりが全てかと。もったいなかった。ずっと課題としている。変えていかないといけない」と反省した。際どいコースを突いた球の多くがボール判定となり苦しんだことから「どんどん打者にアクションをおこさせていこうというのが修正になったと思う」と二回からは無安打無失点と立ち直った。
◆阪神が快勝。ドラフト1位の森下翔太外野手(22)=中大=が、七回に2ランを放ち、地元の横浜で躍動した。左腕・石川の119キロ変化球をすくいあげ、虎党の待つ左翼スタンドへ。両親も見守った一戦で黄金ルーキーが輝いた。打線は一回に新助っ人のノイジーが来日初打点となる適時二塁打を放ち先制すると、佐藤輝にもタイムリーが飛び出し、一挙4得点。逆転を許した直後の六回は打者一巡の猛攻で5得点をあげるなど、10安打11得点と爆発した。 投手陣は2番手で登板した石井が2回無安打無失点。六回はわずか3球で3者凡退に仕留めるなと圧巻の投球で、2月の実戦から10イニング連続無失点とした。
◆阪神D1位・森下翔太外野手(22)=中大=が開幕カードで対戦するDeNA相手に2号2ラン。七回1死一塁、左腕の石川達也投手(24)から左翼席に白球を運んだ。試合は一回に4点を先取しながらも、先発の西勇輝投手(32)が直後に3点を失うなど、5回9安打5失点(自責4)で降板。六回に原口文仁内野手(31)、近本光司外野手(28)の適時打などで5点を奪い、七回の森下の一撃がダメ押しとなった。不振の大山悠輔内野手(28)は「4番・三塁」で出場し、七回に11打席ぶりの安打を左前へ放った。岡田彰布監督(65)の主な一問一答は以下の通り(オープン戦成績=5勝4敗、観衆=1万2123人)。ーー森下はカウント2ー2から変化球を上手くさばいた「そうやなあ。まあ、な。大分、慣れたというかな、そういう感じするな」ーータイミングを早くとるようにと言っていた「自分でやるわけやからな。対応するわけやからかな。新しいピッチャーとか当たると思うけど、うまく対応しとるんちゃうかな。追い込まれてもな」ーー西勇は降板後に監督から助言をもらったと「コントロールが良すぎ。エエから絞りやすいやんか。そういう感じは持ってたけどな。コントロール良いから追い込んでも、そこに来ると思って対応できるバッターは対応しよるよな」ーー本人もオープン戦期は配球を見直していると「あの辺はあと2回調整してシーズンに向かえばいいんやから、心配してないけどな。俺は今日はそんな感じに見えたからな。コントロールがエエという印象を相手は持っとるからな。厳しいボールでも対応できるバッターおるからな、何人かは。高めなんかないと思とるから、逆にな、そらいかなアカンわなあ」ーー石井は今日もいいピッチング(2番手で2回無失点)「(六回の三者凡退は)3球で終わったからもう一回行かしたんや(笑)。1イニングの予定やったけど、3球でなあ、しゃーないやんか」ーー一回の攻撃も中軸で返した「フォアボール多いやろ? だからヒットもそうやけど、フォアボールも一緒やからな、結局な。ボールの見極めをしっかりやっていったら、チャンス広がると思う」ーーノイジーは右翼線に落ちる適時二塁打「いやわからん、まだ聞いてないわ、英語で。結果はどうこうは関係ないけどな。うん」ーー以前から構想にあったオーダー。流れは良さそうか「(この並びなら)右左とか、あんまり関係ないからな。右を入れるということは、やっぱ左ピッチャーが来ても対応できると思う。あと9試合か。みんな上げていったらエエと思うけどな」ーー大山は良くなってきているか「そら、よおなっていかんとアカンやん。そらもう、お前。これからあんなんじゃアカンで。そないして、徐々に上げていけばエエやん」ーー佐藤輝も一回は左前に適時打「おー、なあ。まだ横着に守備するからな(笑い)」(四回、三ゴロを処理して、一塁悪送球。八回も悪送球)ーーDeNAの印象は「まだ分からへん。外国人いたけど、まだそこまでなあ。そんな変われへんのちゃうかな、メンバーもな。あと外国人もソトやろ、オースティンはアカンみたいやしな」ーー佐野と宮崎の1、2番は「おー、誰がクリーンアップ打つんやろな」ーー牧は入る「(1番から)クリーンアップで3人やで」
◆中日、阪神、西武で通算1560安打を放ち、楽天初代監督を務めたサンケイスポーツ専属評論家の田尾安志氏(69)は七回に2ランを放った阪神D1位・森下翔太外野手(22)=中大=に言及した。森下はキャンプ終盤に「ミートポイントに呼び込んでいるからフルスイングできる」と評価したが、開幕が近づいても、そのイメージが全く変わっていない。試される立場の選手は結果が欲しくなり、当てにいく打撃をしがちになる。ところが森下は追い込まれる前に、合わせに行く打撃を一度も見せていない。結果が出た、出ないにかかわらず、全打席に内容がある。並みの打者ではない。本塁打もカウント2-2から真っすぐを待ちながらチェンジアップに対し、ほんの少し待つことができ、ヘッドの効いたスイングをした。最終打席の右翼線二塁打も、カウント1-2と追い込まれながら外寄りに真っすぐを確実に捉えていた。常に自分のスイングをできる非凡さは目を見張る。開幕スタメンに大きく前進している。新外国人ノイジーの打席内容を見ていると、心もとないから、クリーンアップを打たせたくなる。ただ、さすがにいきなり3番は重圧がかかるから、6番あたりでノビノビ打たせれば、相当の結果を残すのではないか。対照的に大山は苦しんでいるが、この時期の判断は避けたい。最終打席の左飛も形は悪くない。経験のある選手だから、状態を上げてくるだろうし、もう少し試合を重ねた後に、評価する選手だ。心配はいらないと思う。気になるのは佐藤輝の守備だ。あっさりと失策をしている印象が強い。厳しい表現かもしれないが、必死さが伝わってこないのだ。技術的には、緩い打球に対して重心が高いし、投げる方向に足が出ていないから、バランスが悪くなり、スローイングがあれだけ乱れるのだろう。木浪にもミスが出たが、全体的にプレーが軽いのが心配だ。守備は練習あるのみ。同時に、100%ミスなしでプレーすることもできない。投手陣に「あれだけ練習を重ねているんだから、ミスは仕方がない」と思ってもらえるぐらいに練習をするしかない。
◆阪神の西勇は5回5失点。追い込んでから適時打を浴びる場面もあり、計9安打を許した。それでも15年目のベテランは「オープン戦が良くても悪くても変わらない。挑む姿勢を忘れずにいきたい」と冷静に受け止めた。経験豊富でまとまった投球が光る一方で、荒れ球もなく打者にとっては狙いやすい。岡田監督は「制球がいい印象を相手は持っている。追い込んだら外にくると思って、対応できる打者はしよる。いろんなところに投げた方がいい。内角とか高めとか」とアドバイスした。(横浜)
◆阪神のD6位・富田蓮投手(21)=三菱自動車岡崎=はハマスタ初登板で1回2安打1失点(自責0)だった。「スタンドが近くてホームランが入りやすい感じはあった。なるべく低めに集めなきゃ、と思った」。2失策が絡み失点したが、緩急を駆使して最少失点。開幕カードで激突する打線と対戦し「積極的に打ってくる。初球からしっかりとコースに投げ切るというのはやっていきたい」と収穫を得た。
◆阪神・西純矢投手(21)が15日のDeNA戦(横浜)に向けてショートダッシュなどで調整した。「相手に合わせず自分の投球をしっかりとしたい」。4回2安打無失点、7奪三振と好投した6日のWBC日本代表戦(京セラ)から中8日でのオープン戦初登板。真っすぐで押す投球が基本だが、チェンジアップについて「左打者には投げていたが、右にそれることが多かった。ゾーンに投げたい」と誓った。
◆「7番・DH」で出場した阪神・原口文仁内野手(31)が持ち前の勝負強さで試合をひっくり返した。4-5の六回1死満塁で宮城の131キロ変化球を捉え、左前への2点打で逆転に成功。一回にも左前適時打を放ち、2安打3打点をマークした。「初回にいい攻撃ができた。そういうことができれば相手も嫌な気持ちにもなる」。開幕戦の相手に大勝し、充実感をにじませた。
◆阪神・石井大智投手(25)が圧巻の投球を披露した。2番手で六回のマウンドに上がると、中飛、一邪飛、三邪飛と全て初球で仕留め、3球で三者凡退。人生初の〝3球斬り〟に「『もう1イニングいくのかなぁ』って思いました」。予想通り、七回も託され、2回を無安打無失点と完璧。2月の実戦から7試合の登板で10イニング連続無失点、被安打もわずか1と〝無双〟は続いている。
◆不振の大山悠輔内野手(28)は「4番・三塁」で出場し、七回に11打席ぶりの安打を左前へ放った。9-5で迎えた七回先頭の第4打席、石川の145キロ直球を左前へ弾き返した。「いいところも悪いところもある。しっかり反省したい」。オープン戦9試合で打率・097(31打数3安打)と苦しむ4番。岡田監督は「これからあんなんじゃアカンで。そないして、徐々に上げていけばエエやん」と復調に期待した。
◆阪神・佐藤輝明内野手(24)が「5番・三塁」で出場し、一回に左前適時打を放つなど9試合ぶりの複数安打をマークした。試合後はDeNAが獲得を発表したトレバー・バウアー投手(32)=前ドジャース=について「面白そう」と語った。鋭く放たれた白球が三遊間を突き破る。技ありの一本が、今年も〝ハマスタ男〟の活躍を予感させた。海を渡ってやってくる強敵との対戦もまたモチベーションの一つ。佐藤輝が収穫ありの24歳初戦を振り返った。「強く振れたのでよかったと思います」1点を先制し、なおも一回無死満塁の第1打席。浜口の136キロにバットを合わせた。低め変化球に体勢を崩されながらも左前へ。13日に誕生日を迎えたばかりの大砲は、24歳初打席を適時打で飾ると、六回の第3打席は高め148キロ直球を引っ張って右翼線へ。9試合ぶりの複数安打をマークした。「いいイメージで(打席に)入るようにしています」昨季も横浜スタジアム(ハマスタ)では打率・311(45打数14安打)、8打点、4本塁打と相性は抜群にいい。ルーキーイヤーの2021年に、右中間スタンド後方に設置された「鳩サブレー」の看板を越える衝撃の場外弾を放ったのもこの場所。佐藤輝にとってハマスタは敵地ではなく第2のホームのようなものだ。さらにヤル気をみなぎらせてくれる発表もあった。モチベーションを与えてくれた相手は、この日、DeNAから加入の正式発表があったバウアー。米大リーグで2020年にサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いた右腕を、メジャー通の佐藤輝は当然のごとく知っていた。「めちゃくちゃすごいピッチャー。なんか面白そうだなって」虎を脅かす強敵になることは間違いない。ただ、一人の野球選手として、世界最高の称号を得た投手と戦えることはこの上ない喜びでもある。そして、もちろん、やられるつもりはない。「どんな相手でもしっかり打って勝てるようにやっていきたいと思います」たとえ、相手がサイ・ヤング右腕だろうが、虎の大砲が打って勝つ。2023年もハマスタの主役は譲らない。(原田遼太郎)...2安打1打点と躍動したが守備に課題。四回は先頭・大田の打球をファンブル。慌てて一塁へ送ったがツーバウンドを大山が捕球できず、悪送球となった。八回1死一、二塁の場面でも悪送球で1試合2失策。岡田監督は「横着に守備するからな」と笑いながら話したが、いずれも失点につながっただけに、佐藤輝は「頑張ります。練習します」と反省を胸に刻んでいた。
◆阪神・西勇輝投手(32)が直後に3点を失うなど、5回9安打5失点(自責4)で降板。岡田彰布監督(65)から〝モデルチェンジのススメ〟を説かれた。どれだけ安打を積み重ねられても、悲観はしない。西勇は結果よりも内容に目を向けた。「逃げて1点も(与えるのが)嫌だという配球になってしまうことよりも、オープン戦やし、と開き直ってもっと大胆に投げ続けることができたので、良かったと思う」一回に4安打を集められて3失点。伊藤光のゴロが左手首付近に当たる二回のアクシデントもあり、四回と五回にも1点ずつ失った。だが、打者の反応が確認でき、「それ使えるんやな、というのは感じた」と手応えは大きかった。降板後には岡田監督から直接、助言を授かった。指揮官は「コントロールが良すぎ。ええからな、しぼりやすいやんか」と指摘。そのうえで「(打者は)高めなんかないと思とるから、逆にな、そらいかなアカンわなあ」と口にした。西勇は110勝の原動力ともいえる球界随一の制球力を誇る。一発につながりやすい〝危険ゾーン〟への球はこないと、打者たちは想定から消しており、その先入観を利用するという発想。これには西勇も「盲点」と表現し、〝モデルチェンジのススメ〟をしっかりと受け取った。「きょう監督から言われたことを次の試合ですぐに実践したい。恐れることもないし、結果が悪くても変わらない。挑むという姿勢を忘れず、幅を広げていきたい」次回登板は21日の西武戦(ベルーナ)の予定。〝ニュー西勇輝〟との出会いを、誰よりも右腕自身が楽しみにしている。(須藤佳裕)
◆「3番・左翼」で出場したシェルドン・ノイジー外野手(28)が〝来日初打点〟。0-0の一回無死一、二塁で浜口の135キロを弾き返し、右翼線へポトリと落ちる先制の適時二塁打を放った。「もっともっと打点が稼げるように頑張っていきたい」。オープン戦3試合で打率・333(9打数3安打)の数字を残し、開幕カードでぶつかる相手も〝生チェック〟した。「どういう配球でくるのか、見ることができるのでいい機会」。このまま調子を上げ、3番起用に応える。
◆「6番・右翼」で出場し、本塁打を放った阪神D1位・森下翔太外野手(22)=中大=の父・善文さん(54)と母・ゆりさん(51)が地元の横浜で息子の試合をプロ入り後初観戦。善文さんは本塁打を見届け「めっちゃうれしい。感動しかない」と感激し、「みんなに愛される選手になってほしい」と願った。ゆりさんは「ほっとしました」と胸をなでおろした。
◆「6番・右翼」で出場した阪神D1位・森下翔太外野手(22)=中大=が開幕カードで対戦するDeNA相手に2号2ラン。七回1死一塁、左腕の石川達也投手(24)から左翼席に白球を運んだ。森下が思い出の地・ハマスタに一撃を放った。声援が止まないスタンドを横目に一周し、ベンチ前で「シャー!!」と絶叫。ダメ押し弾でプレ開幕戦11得点大勝に貢献した。「ちょっと(バットの)先気味だったんで、入るかなっていう感じだったんですけど。入ってよかったです」9-5の七回1死一塁、DeNAの左腕・石川の5球目を強振。チェンジアップに泳がされながらも、「対応できるように準備して打席に入っていた」とうまく拾った。東海大相模高3年時以来となる凱旋アーチ。「久しぶりだったので、すごい懐かしい感じはしました」。小学生のときは少年野球大会の開会式で足を踏み入れ、高校時代は甲子園を目指して白球を追った舞台で、新たな1ページを刻んだ。井上に並ぶチームトップのオープン戦2号。ダイヤモンドを悠然と回り、三塁側ベンチ前ではチームメートから本塁打後のポーズを促されると、右腕を勢いよく振るような動作とともに叫んだ。「(木浪)聖也さんとか熊さん(熊谷)とか、いろんな人に『何かやった方がいいんじゃね』みたいな。そんな感じでやっていました」
◆サンスポ編集局に到着すると、運動部の席に見慣れない美女が座っていた。誰なんだろう? と近づいて、ハッと気づいた。ずっと、その場所で働き続けてきた庶務の下間徳子さんだった。毎日のように顔を合わせていたのに、突然、見知らぬベッピンさんだと思ったのは、マスクを外していたから。へ~ぇ、こんなお顔だったんだ...。マスク時代以上の美貌についつい、見入ってしまった。「ここで働き始めて2年ぐらいたちますが、ずっとマスクをしてましたからねぇ」コロナ禍の真っただ中にサンスポにやってきて、ついにマスクを外せる日が来たわけだ。政府が「マスク着用緩和ルール」を発表し、ついに始まった〝マスクを外してもいい〟日常。虎ソナ筆者も、会社まで徒歩25分の道のりをマスクを外して出社。すがすがしい気分を謳歌しながら編集局へ。徳子さんとマスクなしの会話を楽しんだ。が、ふと周囲を見渡すと...。運動部長・堀啓介、当番デスク・白石大地、アマデスク・牧慈、サブデスク野下俊晴...。マスク着用率は99%。各自に委ねられている「マスクをするか、しないか」も、みんなが外す決断はかなり先のようだ。
◆阪神が接戦を制した。先発した大竹耕太郎投手(27)が、4回1安打無失点と好投。精度抜群の直球を軸にゴロを量産し、開幕ローテション入りへ猛アピールした。2番手でマウンドに上がった西純矢投手(21)も圧巻の内容。八回は三者連続三振に仕留めるなど、4回1安打無失点、5奪三振の快投だった。打線はDeNAの先発・平良に対して、走者を出しながらも決定打に欠いた。それでも、代わった中川虎から、六回に小幡竜平(22)が先制打。小幡は3安打と気を吐き、木浪と争う開幕遊撃競争で猛アピールした。七回には、糸原が中前適時打を放って貴重な追加点をあげた。
◆正遊撃手争いがますます混沌としてきた。「2番・遊撃」の小幡竜平(22)が3安打1四球と絶好調。バットで猛アピールし、「ライトにも強い打球が打てたのはよかった」と手応えを口にした。一回に四球を選ぶと、三回に中前打と二盗。六回は2死一、二塁から変化球をとらえ、右前適時打を放った。八回にも右前打で猛打賞。オープン戦の打率を・316(19打数6安打2打点)まで上げた。岡田監督は木浪が一歩リードとしていたポジション争いに「また追いついたんちゃう? もう難しいわ」とうれしい悲鳴。小幡は「開幕スタメンを取れるように、しっかりアピールしたい」と力を込めた。
◆2番手で登板した西純矢(21)がDeNA打線を手玉にとり、投球の幅をさらに広げた。この日の〝主役〟はこれまで多投していなかったチェンジアップ。2番手で登板し、4回1安打無失点と好投した。「チェンジアップがよかった。チェンジアップを使ってツーシームを打たせたり、外(角)のスライダーで三振をとれた。フォークがバットに当てられるときでも、こういう投球ができる」象徴的なシーンは1-0の六回1死走者なしで佐野を迎えた場面。初球から3球連続でチェンジアップを投げ、最後は力ない三邪飛に仕留めた。捕手の坂本の配球通りに好打者を料理し、「相手(の頭)にない配球ができて、意識も残る」とうなずいた。岡田監督は「試合数の関係で今日も後から行ったけど、次からは頭(先発)から行かんと」と説明。登板が見込まれる開幕2カード目の広島戦(4-6日、マツダ)に向けて万全の状態に仕上げていく。
◆力強い真っすぐがさえ、ベイ打線を圧倒。先発の大竹耕太郎(27)が二塁を踏ませず4回無失点と好投し、開幕ローテの一角を手中に収めた。「前回駄目だったところから改善ができた。一年間を通して結果を残している打者に対して、自分の真っすぐがどういう感じで反応されるか、というのは見たかった」梅野の出す変化球のサインにも首を振って直球勝負を挑み、首位打者獲得経験のある佐野&宮崎の1、2番をはじめとする打線を攻め切った。許した安打は1本のみだった左腕を先発ローテの一角として計算しているか問われた岡田監督も「それはしてる、してる、してる」と認め、「低めにあないして投げとけば、そんな打たれへんよ」と期待を膨らませた。前回登板した5日のオリックス戦(甲子園)は3回6安打4失点。変化球主体で投げたが崩れ、「逃げる投球になってしまった」と悔やんだ。翌6日にかけた一本の電話。相手は試合を見てくれていた古巣ソフトバンクのベテラン・和田だった。「裏の配球ができるのは、ストレートがあるから」同じ早大出身左腕として尊敬する先輩から、変化球に頼りすぎないようにとアドバイスされた。打たれることを恐れてかわしにかかることはせず、「打たれるまで(直球で)いってみよう」と強気に攻めた。大胆さが奏功した経験は今後にも生かせる。「思うようにいかないときこそ真っすぐを大事にしていきたい」直球の重要性を再認識。新天地で〝アレ〟の輪に加わるべく、まだまだ心技体に磨きをかけていく。(須藤佳裕)
◆「7番・DH」で出場した糸原健斗(30)が1打点を挙げた。1-0の七回2死三塁で直球をはじき返して中前に適時打。無死一、二塁から前の板山が併殺に倒れた直後で、嫌なムードを振り払った。「1-0と2-0は全然違うと思うので、いい仕事ができた」。四回の第2打席で粘って10球目に四球を選び、六回にも中前打を放つなど好調。着実に結果を積み重ねている。
◆シェルドン・ノイジー(28)が一回1死一塁で、平良の139キロをとらえて左前打を放った。これで3試合連続安打。「この球場、けっこう好きだね。見た目もいいね」。横浜スタジアムでは昨季チームが2勝11敗と大きく負け越しただけに、頼もしい一言だ。五回の第3打席で空振り三振した後に左肩を気にするしぐさをみせたが、そのまま左翼守備に。「大丈夫だよ」と強調した。
◆六回の右翼守備から途中出場したD1位・森下翔太(22)=中大=は3番に入り、八回2死一塁でこの日唯一の打席を迎えた。DeNAの3番手・三浦の4球目を振り抜くも、バットを折られて二ゴロ。2試合連続の本塁打とはならなかったが、プロ野球選手として初めて地元・横浜で戦った2日間を終えて「ハマスタが久しぶりだったので、すごく自分の中では楽しめたと思います」と振り返った。
◆代役守護神候補のカイル・ケラー(29)が九回を締めた。全10球のうち9球が真っすぐで、最速は153キロをマーク。二ゴロ、左飛、中飛で三者凡退に斬った。2点差で迎えた最終回のセーブシチュエーションを無失点に抑え、「試合では一番大事な締めないといけないところ。そこで投げられたことも、抑えられたことも自分としては結果的によかった」と胸を張った。
<オープン戦順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ORIX |
4 | 2 | 1 | 0.667 (-) | - (-) |
24 (+2) | 19 (+2) | 1 (-) | 2 (-) |
0.238 (↓0.004) | 2.570 (↑0.26) | |
1 (2↑) |
西武 |
4 | 2 | 1 | 0.667 (↑0.067) | 0 (↓0.5) |
22 (+3) | 12 (+1) | 2 (-) | 8 (+2) |
0.217 (↑0.001) | 1.600 (↑0.27) | |
3 (2↓) |
日本ハム |
6 | 4 | 0 | 0.600 (↓0.067) | 0 (-) |
45 (+1) | 41 (+3) | 10 (-) | 13 (+1) |
0.237 (↓0.01) | 3.380 (↑0.15) | |
4 (1↑) |
巨人 |
4 | 3 | 0 | 0.571 (↑0.071) | 0.5 (↓0.5) |
25 (+3) | 21 (-) | 4 (+1) | 4 (-) |
0.242 (↑0.008) | 2.250 (↑0.4) | |
5 (-) |
阪神 |
5 | 4 | 0 | 0.556 (↑0.056) | 0.5 (↓0.5) |
46 (+11) | 36 (+6) | 8 (+1) | 4 (+1) |
0.233 (↑0.007) | 3.600 (↓0.05) | |
6 (1↓) |
広島 |
3 | 3 | 1 | 0.500 (-) | 1 (-) |
19 (+2) | 18 (+2) | 1 (-) | 2 (-) |
0.230 (↓0.017) | 1.620 (↑0.28) | |
6 (3↓) |
ロッテ |
3 | 3 | 2 | 0.500 (↓0.1) | 1 (↓0.5) |
24 (+2) | 28 (+4) | 4 (+1) | 6 (+1) |
0.221 (↓0.002) | 2.940 (↓0.05) | |
6 (3↑) |
ヤクルト |
4 | 4 | 3 | 0.500 (↑0.071) | 1 (↑0.5) |
51 (+4) | 50 (+2) | 7 (-) | 14 (+1) |
0.257 (↑0.003) | 4.180 (↑0.22) | |
9 (4↓) |
ソフトバンク |
3 | 4 | 1 | 0.429 (↓0.071) | 1.5 (↓0.5) |
26 (-) | 28 (+3) | 8 (-) | 4 (+1) |
0.253 (↓0.005) | 3.550 (↑0.08) | |
10 (-) |
中日 |
2 | 3 | 2 | 0.400 (-) | 1.5 (-) |
30 (+2) | 31 (+2) | 4 (-) | 1 (-) |
0.250 (↓0.009) | 3.770 (↑0.31) | |
10 (-) |
楽天 |
4 | 6 | 1 | 0.400 (-) | 2 (-) |
46 (+2) | 54 (+2) | 6 (-) | 10 (+1) |
0.286 (↑0.004) | 4.670 (↑0.28) | |
12 (-) |
DeNA |
3 | 7 | 0 | 0.300 (↓0.033) | 3 (↓0.5) |
30 (+6) | 50 (+11) | 1 (-) | 3 (+1) |
0.228 (↑0.009) | 4.660 (↓0.74) |
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