ヤクルト(★0対3☆)オリックス =日本シリーズ6回戦(2022.10.29)・明治神宮野球場=
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ORIX
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ヤクルト
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勝利投手:山﨑 福也(1勝0敗0S)
(セーブ:ワゲスパック(1勝0敗2S))
敗戦投手:小川 泰弘(1勝1敗0S)
  DAZN
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DAZN

◆オリックスが3連勝で日本一に王手をかけた。オリックスは0-0で迎えた6回表、2死一二塁の好機から杉本が適時打を放ち、先制に成功する。投げては、先発・山崎福が5回無失点。その後は4投手の継投で完封リレーを展開した。敗れたヤクルトは、打線が1安打無得点と沈黙した。

◆オリックスは試合前の円陣で杉本裕太郎外野手(31)が「アレ」発言で選手を鼓舞した。杉本は円陣で「とうとうヤクルトと並んで2勝2敗です。あと2勝でアレなんで、あと2勝して、アレして、みんなで御堂筋でパレードしましょう!」と声を張りあげた。「アレ」とは「優勝」のこと。元オリックス監督の岡田彰布監督(64)が使ったフレーズで、10年に交流戦で選手が意識しすぎないように「優勝」とは言わず「アレ」という表現を使用。コーチや報道陣まで「アレ」と表現し、初優勝を飾った。交流戦優勝グッズとして「アレしてもうた」Tシャツが売り出されるほどの流行語だった。

◆「村神様」の強烈なライナーに、一塁塁審も尻もちをついた。4回1死一塁、ヤクルト村上宗隆内野手(22)が1ボールから放った痛烈なライナーが一塁線を襲った。一塁手のオリックス太田がジャンプして捕球を試みるも届かず、土山一塁塁審にあわや直撃となったが、尻もちをつきながら転倒し、ギリギリのタイミングでよけた。一塁ベース付近には、選手と審判で一時2人が倒れている状況に。打球は右翼線に切れるファウルとなり、打球速度の速さにどよめきが起こった。村上はフルカウントから四球で出塁。1死一、二塁とチャンスを広げたがオスナが遊ゴロ、中村が左飛に倒れ、先制点とはならなかった。

◆オリックス吉田正尚外野手(29)が6回に申告敬遠。今シリーズ8個目の四球で、日本シリーズの最多四球記録の「9」に残り1と迫った。7試合での日本シリーズ最多四球は76年王貞治(巨人)の9個。吉田正は第5戦までに7個の四球を選んでいた。

◆2勝2敗1分けの五分で、勝てば日本一へ王手がかかる一戦。オリックスが杉本裕太郎外野手(31)の適時打で先手を取った。6回2死一、二塁。5番杉本は2ボール1ストライクからヤクルト小川の真っすぐを右前へと運んだ。二塁走者が生還し、杉本はガッツポーズ。均衡を破る一打で、オリックスに先制点をもたらした。直前には4番吉田正尚外野手(29)が申告敬遠で5番杉本との勝負を選んでいた。「(山崎)福也が頑張って投げてくれていたので、何とか先制点を、と思っていましたし、あの場面、自分で勝負してくると思っていたので、なんとか打ててよかったです!」と振り返った。杉本は第1戦こそ無安打に終わったが、第2戦以降は安打を記録。この安打で5試合連続安打とした。

◆オリックス先発の山崎福也投手(30)は第2戦に続いて好投。5回無失点で、6回から継投に入った。初回、先頭の塩見に中前打を許したが、2番青木を併殺打に仕留めピンチの芽をつんだ。バックもテンポの良い投球に好守でもり立てる。3回にはサンタナの中堅後方への大きな飛球を中堅手の中川圭太内野手(26)がフェンスに激突しながらキャッチ。4回は2死一、三塁から、中村のライナー性の打球を左翼手の吉田正尚外野手(29)がスライディングキャッチでピンチを切り抜けた。山崎福は5回は下位打線を3者凡退で打ち取り、この回までヤクルト打線をわずか1安打で無得点に抑え、勝利投手の権利を得て70球で降板。「とにかく1人1人、丁寧に投げていく事だけを考えてマウンドに上がっていました。四球でピンチを招いてしまったところは反省点ですが、全体的にはいい集中力を持って、しっかりと投げ切ることが出来たと思います」とコメント。6回から宇田川優希投手(23)にバトンを渡した。山崎福は第2戦の先発では4回4安打無失点、5奪三振。3回には先制の右前打と2点目のホームを踏むなど2打数1安打1打点と投打で存在感を見せていた。

◆ヤクルト小川泰弘投手(32)は6回4安打1失点で降板した。5回2失点で勝利投手になった第1戦以来、中6日の先発マウンド。オリックス山崎福とのロースコアの投げ合いとなった。5回までに3度走者を出したが、三塁を踏ませず。互いに無得点で迎えた6回、先頭の太田を左前打で出すと、犠打と捕邪飛を挟んで2死二塁。一塁が空いていたため、4番吉田正を申告敬遠で歩かせたが、続く杉本に先制の右前打を許した。2死満塁から紅林を外角低めの直球で見逃し三振に仕留め、88球、この回限りで交代。「出せるものは出し切りました。あとは全力で応援します」とコメントした。

◆オリックスが3勝2敗1分けとして、26年ぶりの日本一へ王手をかけた。先発の山崎福也投手(30)が5回無失点と好投。安打は初回、先頭の塩見に中前打を許したのみ。第2戦にも4回無失点で、今シリーズは9回を投げて無失点となった。テンポ良くアウトを積み重ねるとバックも守備でもり立てた。3回にはサンタナの大きな飛球を中堅手の中川圭太内野手(26)がフェンスに激突しながらキャッチ。さらに4回2死一、三塁から、中村のライナー性の打球を左翼手の吉田正尚外野手(29)がスライディングキャッチでピンチを切り抜けた。ヤクルト先発小川に抑えられていた打線は6回に2死一、二塁から5番杉本裕太郎外野手(31)が先制の右前適時打。0-0が続く中で貴重な1点をもぎ取った。9回には抑えのマクガフからも追加点を奪った。救援陣は6回からヤクルト打線をねじ伏せ、逃げ切った。2敗1分けから3連勝で、26年ぶりの日本一へ王手をかけた。

◆球団史上初の2年連続日本一を目指すヤクルトが、"スミ1"の1安打負けで3連敗を喫し、崖っぷちに立たされた。オリックス投手陣の前に初回先頭塩見の中前打のみ。第5戦まで全試合安打を放っていた「シリーズ男」のオスナも2度の得点圏で無安打に終わった。今シリーズ2度目の0封負け。試合後の高津監督は「ここまできたら勝つしかない。出来ることすべて準備して、それで勝つか負けるか。全力を尽くして準備して、明日のプレーボールを待ちたい」と腹をくくった表情で話した。5戦中4試合で2ケタ安打を放ってきた打線が封じられた。初回に塩見がオリックス山崎福から幸先よく中前打を放ったが、次打者青木が併殺打。4回には1死から山田、村上の連続四球で一、二塁と好機をつくったが、好調オスナが遊ゴロ、続く中村が左飛に終わった。6回も山田、村上の連続四球でつくった2死一、二塁でオスナが空振り三振。中盤のチャンスをいかせず、指揮官も「四球は相手のミス。そのミスにつけこむことが出来なかったのが、0で最後までいったところ」と振り返った。2勝1分けから、まさかの3連敗で窮地に追い込まれた「チームスワローズ」。本拠神宮のファンの声援も力に、土壇場から巻き返す。【鈴木正章】

◆オリックスが3勝2敗1分けとして、26年ぶりの日本一へ王手をかけた。 先発の山崎福也投手(30)が5回無失点と好投。安打は初回、先頭の塩見に中前打を許したのみ。第2戦にも4回無失点で、今シリーズは9回を投げて無失点となった。

◆ヤクルトの守護神マクガフが、2試合連続となる痛恨の一塁悪送球で追加点を許した。1点を追う9回から登板。無死一塁から紅林の投前へのバントを捕球し、一塁へ送球するもベースカバーに入った山田も捕球できず。一塁走者の安達が一気に生還して2点目を失った。マクガフは第5戦の9回も、1点リードの場面から一塁への悪送球で同点に追いつかれた。さらに吉田正にサヨナラ2ランを浴びて、勝敗を五分に戻されていた。2試合連続の悪送球後は、犠飛で3点目を失った。9回1イニング投げ切れず、久保に交代。2失点で痛い降板となった。高津臣吾監督は「結果は残念ですけどね、彼の性格であったり、いろんなものを知ってる我々なので。手を抜いたりとか、やけになったりとかっていうのは絶対しない。一生懸命やっている中でのプレーだと思ってます」と言った。第7戦以降の9回の起用については「今から考えたいと思います。彼への信頼は変わらないです」と話した。

◆オリックス山崎福也投手(30)が快投を演じた。第2戦に続く先発で5回をわずか1安打で無失点。昨年から日本シリーズ12試合目で初めて先発投手に白星がついた。「とにかく1人1人、丁寧に投げていくことだけ考えました。四球でピンチを招いたのは反省ですが、いい集中力でしっかり投げ切ることができました」。30歳左腕は胸を張った。セ・リーグV打線を緩急で翻弄(ほんろう)した。初回無死一塁では、スライダーで青木のバットをへし折り併殺に。4回は2四球を与えたがオスナと中村を抑えた。明大時代から親しんだ神宮のマウンドを完全に自分のものにした。「2度も日本シリーズで投げられる」という喜びを好結果に変えた。観戦した恩師の日大三・小倉全由監督(65)に最高の晴れ姿を見せた。ドラフト1位でプロ入り後、活躍ができず自分を見失った。3年ほど前から、球速表示のこだわりを捨てた。力感のないフォームから投げ込む"快速球"を追い求めた。「上半身は脱力。下半身で地面から反発をもらって、一瞬で指先に伝える。直球をいかに速く見せるかがテーマ。(スピード)ガンよりは速く来ると思う」。目指す方向が定まり、成長曲線が上向いた。2回の先頭、村上をカウント2-1から内角直球で一飛。バットの上っ面をこすった。山本の故障により、中5日で先発を託された。定評のある打撃でも3回に犠打を決めた。第2戦の4回無失点&先制打に続いて、投打で持ち味を発揮。山本でも宮城でもない。山崎福が日本シリーズで主役になった。【柏原誠】○...必殺の継投策がこの日もぴたりとはまった。先発山崎福が5回無失点で役目を終えると、6回は159キロ男の宇田川が登板。2死から2四球でピンチを招くが、オスナを空振り三振斬り。7回はベテラン平野佳が3人で片付け、8回は"吹田の主婦"山崎颯が2三振を奪った。そして最終回はワゲスパックが村上を三振斬りするなど3人でピシャリ。ヤクルト打線を1回先頭塩見の1安打に封じる"スミ1安打完封"を完成させた。中嶋監督も「よく投げてくれています」と高く評価した。

◆ヤクルト守護神マクガフがまたも痛恨の失点を重ねた。1点を追う9回に登板し、無死一塁から投前への犠打を一塁に悪送球。一気に一塁走者の生還を許すと、犠飛で2点目を失った。続けて四球を出して降板。7月22日広島戦(神宮)以来、今季2度目のイニング途中の交代となった。第5戦でも1点リードの9回に、自身の一塁への悪送球からサヨナラ負けを招いていた。高津監督は「一生懸命やっている中でのプレー」と思いやりつつも、次戦の9回起用については「今から考えたい」と話した。

◆オリックス山崎福也投手(30)が快投を演じた。第2戦に続く先発で5回をわずか1安打で無失点。昨年から日本シリーズ12試合目で初めて先発投手に白星がついた。サチヤ、ありがとう-。オリックス山崎福の躍動を、心から喜ぶ人がいる。2歳上の兄福之(ふくゆき)さんだ。この日は母と神宮で観戦。山崎福が先発した第2戦もスタンドから見守った。「僕も野球をプレーしていました。自分もプロに行きたかった。ただ、挫折した。今、彼に夢を託して必死に応援しているんです」福之さんは聖望学園-国学院大-セガサミーで活躍した左投げの投手だった。弟のマウンドは自身の登板よりも緊張するそうで「僕はオリックスファンみなさんと同じ気持ちで、ワクワクドキドキしながら見ています」と爽やかに笑う。そんな兄は、福也に勇気を与える存在だった。08年3月21日。山崎福は中学3年時、札幌市内の病院の手術室で目を閉じた。「また野球がしたい...」。およそ6時間に及んだ脳腫瘍の手術だった。高校生だった福之さんはセンバツ甲子園に出場中。病室の画面で、兄の勇姿を焼き付けた。福之さんは言う。「当時、僕が野球を頑張ったことで、彼に力を与えられていた。今は全く反対。僕が元気をもらっています」。兄弟の絆で、歓喜の涙に1歩近づいた。【オリックス担当=真柴健】

◆ヤクルトは打線が1安打のみの完封負け。第4戦から3連敗を喫し、オリックスに日本一への王手をかけられた。試合後の高津臣吾監督(53)の会見は次の通り。-先発の小川投手(6回4安打1失点)は試合をつくった前回(第1戦)に比べたら全然、精神的にもと言ったらいいのか分からないけども、すごく落ち着いて見えましたね。いつも通り丁寧にね、中村といいバッテリーでよくゲームを作ったと思います。-6回、杉本選手に打たれた適時打は甘かったまあ、そりゃあ、甘くなったらね、打たれますね。-日本シリーズの怖さかまあ、短期決戦だからとかじゃなくて、その1球の意味っていうのはね。(吉田正を)歩かせて敬遠して、杉本君勝負にいったわけで。まあ、1本打たれたら、先に点を取られて厳しい状況になるぞというのは理解した中であの投球だと思っているので。いろいろ頭の中では考えてたことたくさんあっただろうけれども、結果的には甘くなってしまったっていう。まだ映像見てないから分からないんですけども、結果的には打たれてしまったということでしょうね。-打線は塩見選手の1安打のみうーん、まあ作戦はいろいろ練って、対策練って、挑んだんですけども。うーん、まあ結果から言うと、うまくいかなかったというところで考えると、相手のバッテリーがうまく攻めたのか、こちらの作戦が良くなかったのか、対策が良くなかったのか、そこは話したいと思います。-3、4番が四球でチャンスはつくったが、つながりが欲しかったフォアボールは相手のミスだと思っているので。そのミスに付け込むことができなかった、そこで1本打つことができなかったっていうところが、0で最後までいってしまったところになると思います。まあ、いつも、いつも打てるわけではないですけど、そういうところから崩していかないと、そう簡単ではないとは思っているので。-マクガフ投手が、また守備の乱れうーん、まあ結果は残念ですけどね、彼の性格であったり、いろんなものを知ってる我々なので。もちろん、手を抜いたりとか、やけになったりとかっていうのは絶対しない。一生懸命やっている中でのプレーだと思ってます。-イニング途中の降板を決断したまあ、失点もしてしまったので、左の選手だったので久保に代えました。-明日以降も9回はマクガフ投手にまあ、今から考えたいと思います。彼への信頼は変わらないです。-去年のCS、日本シリーズ、今年のシーズン中と、あと1歩の崖っぷちに立ったヤクルトを見たことがない。明日はどんな試合をシーズン中に結構崖っぷちが多かったのでね。まあ、ここまできたら、勝つしかないので。勝つために全力を尽くします。できることを全て準備して、それで勝つか、負けるか。あとはもう、やってみないと分からないです。全力を尽くして準備して、明日のプレーボールを待ちたいと思います。

◆オリックスが3勝2敗1分けとして、26年ぶりの日本一へ王手をかけた。先発の山崎福也投手(30)が5回1安打無失点で勝利投手。杉本裕太郎外野手(31)が6回に先制の右前適時打を放った。中嶋聡監督(53)のお立ち台一問一答は以下の通り。-今日の試合を振り返ってなかなか点が入らない状況だったので、非常に厳しい試合だったと思います。-山崎福の投球はもう、最高の投球だったと思います。-内外野は好守があった本当にこの難しい中、よく守ってくれましたし、もり立ててくれたと思います。-杉本が先制打吉田正尚が歩かされるのは分かっていたことなので、何とか後ろのバッターが打たないとこのゲームは勝てませんので。祈ってましたけど、しっかり打ってくれて良かったです。-自慢のリリーフ陣まあ、自慢とは思ってないんですけど(笑い)。よく投げてくれています。-日本一へあと1勝そこまで来ましたけど、去年も今年もマジックなしで優勝してますので、何か分からないですね。-ファンに寒い中ありがとうございます。明日もこの寒さを吹き飛ばす熱いゲームをやりたいと思いますので、応援してください。

◆オリックスが3連勝で26年ぶりの日本一に王手をかけた。「SMBC日本シリーズ2022」の第6戦。6回に杉本裕太郎外野手(31)がヤクルト小川から先制適時打を放ち、これが決勝打となった。阪神の岡田新監督がオリックス監督時代に優勝の代わりに用いたフレーズ「アレ」が再注目される中、杉本は円陣の声出しで拝借していた。これで3勝2敗1分け。第7戦で一気にアレを決める。グッと握った拳から、ピースサインが飛び出した。6回2死一、二塁から決勝となる先制打を放った杉本は、一塁ベース上で「昇天ポーズ」を披露。直後、拳から2本指を三塁側ベンチに突き出した。「あの場面、自分で勝負してくると思っていた。日本一のバッターの後ろなので、仕方ない。ある程度、心の準備はできていたので落ち着いて打席に入れた」目前で吉田正が申告敬遠されても意に介さない。「中嶋監督が正尚の後で僕を使ってくれている以上は、そういうこと」。ヤクルト小川の4球目、内角142キロ直球を右へ。一、二塁間に打球が抜けると神宮が熱狂に包まれた。流行に敏感な杉本は、試合前の円陣で「秘策」を用意していた。声出し役を務め「あと2勝で"アレ"なんで、みんなで御堂筋でパレードしましょう!」。アレ...とは。「岡田監督のまねしました」とニヤリ。阪神の岡田新監督が優勝を過剰に意識させないため、言い換えたもの。元はオリックス監督時代の10年交流戦で使い始め「アレしてもうた」Tシャツが発売されたほどのパワーワードだ。時事ネタも、吉田正の後ろも、お得意さまだった。打席で真剣表情を貫く中、日本シリーズ直前にビックリニュースが飛び込んだ。15日深夜放送のMBSラジオ「ヤングタウン土曜日」で明石家さんまが、ラオウに言及。伝え聞いた杉本は「俺の方が心躍ったよ。さんまさんに知ってもらえとるってだけで、うれしすぎちゃう?」と相好を崩した。「踊る!さんま御殿!!」などが好きで「いつも司会役。ずっとしゃべってるの本当にすごい」と尊敬する。さんまの本名は杉本高文。「それまで名字は知らなかった」と言うが、同じ杉本姓にシンパシーを感じ「僕もラオウで浸透しているはず」と誇らしげだ。3連勝で26年ぶりの日本一に王手。中嶋監督はラオウ杉本に「もっと打って」とハッパをかけ「プレッシャーはかかるけど打てば点が入る。もしかしたら、そこがポイント」と期待をかけた。杉本も分かっている。「手の届く位置まで日本一が来ている。ここまで来たら気持ちの戦い。僕の場合は謙虚にならず、どんどん攻めていけたら」と熱い。昇天のグー、うれしさのピースの次は歓喜のパー。思い切り両手を広げて、万歳する。【真柴健】杉本が<4>戦に次いで今シリーズ2本目のV打を放った。この日は6回2死二塁から4番吉田正が申告敬遠された直後の先制打。シリーズで前打者が敬遠直後にV打を放ったのは13年<4>戦寺内(巨人)以来だが、オリックスではヤクルトと対戦した阪急時代の78年<6>戦島谷以来、44年ぶり。78年<6>戦は3回2死二、三塁で4番マルカーノが敬遠され、5番島谷が先制の内野安打を放って勝った。○...太田が決勝のホームを踏んだ。第4、5戦で先発出場し、ともに安打を放った好調さを買われ、「1番一塁」で起用された。1回に中前打を放ち、6回も先頭打者で左前打でチャンスメーク。2死一、二塁から杉本の右前打で二塁から生還した。9回にも四球を選び、5打席で3出塁と期待に応えた。中嶋監督は「ああいうところで臆することなく振っていけるというのがチームに勢いをつけてくれるので、いいと思いますよ」とたたえた。○...ドラフト2位ルーキー野口が、日本シリーズ初出場初打席で安打を放った。7回1死で、宇田川の代打で登場。カウント2-1からヤクルト木沢の4球目をセンターへ運んだ。公式戦では54試合に出場したが、CSファイナルSは出番がなく、今シリーズは6戦目にして初めてのベンチ入りだった。巡ってきたチャンスを確実にモノにした。

◆日本シリーズは地上波で全国テレビ放送-。活躍が日本中に届く一戦で、オリックスのラオウ杉本が絶対に打たないといけない理由があった。「家のテレビ、壊れちゃってん...。10年ぐらい前に奮発して、そこそこ大きいサイズの買ったんやけど、ここ1カ月前ぐらいに...」短期決戦に集中するタイミングだったため"新品"の購入は控えた。その心構えが奏功したのか、10月中旬、CSファイナルS(京セラドーム大阪)でのソフトバンク戦は好調をキープ。1、2戦目で勝利打点を挙げ、MVP候補にも名前を連ねていた。ラオウ杉本は胸の内で「そうや! もらえる賞金で新しいテレビを買おう!」とニヤニヤ。だが、第4戦で、青学大時代からの後輩・吉田正にMVPをかっさらわれ、表彰式ではズッコケた。「正尚に、まくられたのは悔しいなぁ...。日本シリーズこそ!」。悲願の日本一まで、あと1勝。帰宅したリビングで大画面を堪能しながら、バラ色のオフを過ごすつもりだ。【オリックス担当=真柴健】【日本S第6戦ライブ詳細】オリックス26年ぶり日本一王手!杉本裕太郎がV打、ヤクルト打線沈黙

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)は3試合連続無安打となる2打数無安打だったが、2四球とチャンスはつくった。4回1死一塁、6回2死一塁と、いずれも前打者の山田に続き四球を選んだ。ただ、後ろを打つオスナがいずれも凡退。ここまで絶好調で「シリーズ男」となっていた5番打者がチャンスを生かせず、チームは1安打完封負けを喫した。村上は2回先頭で、山崎福に一飛。珍しくバットをたたきつけ、悔しさをあらわにした。高津臣吾監督(53)は「フォアボールは相手のミスだと思っている。そのミスにつけ込むことができなかった」と振り返った。

◆オリックスが3連勝で96年以来、26年ぶりの日本一に王手をかけた。日本シリーズの3連勝は同年の第1~3戦以来。昨年は王手をかけることなく、2勝4敗で敗れた。初王手の心境を聞かれた中嶋聡監督(53)は「分からないです。明日負けたら向こうも王手だし、一緒じゃないですか」と変わらず冷静だった。6回に均衡を破った。今シリーズ初めて1番に抜てきした先頭太田椋内野手(21)の左前打からチャンスを広げ、杉本裕太郎外野手(31)が先制右前打。9回にも敵失と代打西野真弘内野手(34)の右犠飛で2点を加えた。中嶋監督は2安打の太田に「思い切りの良さというか、臆することなく振っていけるとチームに勢いがつく」と称賛。吉田正尚外野手(29)が敬遠された後の杉本の一打には「重圧はかかると思うが、打てば逆に点になる。もしかしたらそこがポイントになるかな」と主砲の後ろを打つ打者の重要性をあらためて説いた。今シリーズ2度目の先発だった山崎福也投手(30)は初回先頭の1安打だけに抑える5回無失点。お立ち台にも上がった。オリックスは昨年から日本シリーズ12試合目で初めて先発投手に白星がついた。エース山本由伸投手(24)が故障で投げられない苦境。山崎福は「いつも由伸に頼り切りのチーム。まわりでカバーして日本一にという気持ちがある」と語った。中5日で好投した左腕に、指揮官は「よく投げてくれた。1イニングでも1つのアウトでも長く投げてくれたのは非常に大きい」と、ほめちぎった。6回からは宇田川優希投手(23)平野佳寿投手(38)山崎颯一郎投手(24)ジェイコブ・ワゲスパック投手(28)と1回ずつつないで無失点リレーを完成させた。5投手で4四球は出したが、被安打はわずか1。ヤクルト打線を圧倒した。第7戦は宮城大弥投手(21)がプロ初の中4日で先発する。2敗1分けの劣勢から盛り返したオリックスが26年ぶりのシリーズ制覇に挑戦する。

◆オリックスが3連勝で26年ぶりの日本一に王手をかけた。「SMBC日本シリーズ2022」の第6戦。6回に杉本裕太郎外野手(31)がヤクルト小川から先制適時打を放ち、これが決勝打となった。オリックスが3連勝で王手をかけた。オリックスのシリーズ3連勝は96年<1>~<3>戦以来、26年ぶり。シリーズで先に王手をかけたチームは過去72度のうち61度が優勝。2勝2敗から王手は16年日本ハム以来28度目で、過去27度のうち20度優勝しており、V確率は74%。オリックスは過去に2勝2敗からの王手はないが、先に王手をかけたケースは75~77、96年とすべて日本一になっている。

◆ヤクルト守護神マクガフがまたも痛恨の失点を重ねた。1点を追う9回に登板し、無死一塁から投前への犠打を一塁に悪送球。一気に一塁走者の生還を許すと、犠飛で2点目を失った。続けて四球を出して降板。7月22日広島戦(神宮)以来、今季2度目のイニング途中の交代となった。第5戦でも1点リードの9回に、自身の一塁への悪送球からサヨナラ負けを招いていた。マクガフが紅林の投手前のバントを一塁へ悪送球する失策で失点。マクガフは第5戦でも、西野の投手強襲安打を一塁に悪送球して失点していた。シリーズで投手の2失策は、63年宮田(巨人)87年桑田(巨人)99年野口(中日)に次ぎ4人目。マクガフのような「適時失策」を2度は、63年宮田以来59年ぶり2人目。宮田は西鉄との第4戦で、6回1死一、二塁での一塁けん制が悪送球となり失点。7回にも1死一、二塁で投ゴロを二塁へ悪送球してしまい失点した。【日本S第6戦ライブ詳細】オリックス26年ぶり日本一王手!杉本裕太郎がV打、ヤクルト打線沈黙

◆オリックスが3勝2敗1分けとして、26年ぶりの日本一へ王手をかけた。第7戦は中4日で宮城大弥投手(21)が先発。「本当に一生懸命、腕を振っていけたら」とがむしゃらにヤクルト打線に立ち向かう。今シリーズでは第3戦に先発したが、6回途中6安打3失点で敗戦投手になった。山田に3ランを浴びており、「長打を打たれないように、最少失点で頑張れたら」と1発警戒を誓った。プロ入り後初の中4日での登板となるが、「いつもよりかは2日間練習が短い感じですけど、その中でも最後ですので、やらないといけないと思って一生懸命やりました。体自体はめちゃめちゃ元気ですので、しっかり準備はできている」と状態は問題ない。オリックス先発陣には昨年の日本シリーズから11試合勝ちがついていなかったが、第6戦ではようやく先発の山崎福也投手(30)に勝ちがついた。宮城は「流れがいいと思いますので、続けられるように頑張りたい」と話し、チームを日本一へと導く投球を披露する。

◆第5戦で主砲・吉田正尚にサヨナラ本塁打が出たオリックスの流れは移動日を挟んでも途絶えていなかった。序盤はどちらに転んでもおかしくない展開。オリックス投手陣が力を見せる中、6回に1点を先制すると9回はビハインドで登板したヤクルトの守護神マクガフが我慢できない。オリックスが26年ぶり、日本一へ王手をかけた。あの96年。ミスター長嶋茂雄率いる巨人を下し、日本一に輝いたオリックス・ブルーウェーブは初戦から3連勝した。同年10月22日、グリーンスタジアム神戸で行われた第3戦で王手をかけたのだ。そのときオリックス指揮官・仰木彬はこんな話をした。「東京の2試合はイチロー、ニールが打って勝ったわけだしな。きょうは小川、福良ら脇役が活躍してくれた。全員でやるのがウチの野球ですから。みんな我々(首脳陣)の予想を超える働きをしよるわい...」同日は"主役"イチローにとって23歳の誕生日だった。だが主役は7回の4打席目に三塁内野安打を放ったものの「5-2」で勝った試合に直接の貢献はできなかった。その代わりに頑張ったのは仰木の言ったとおり福良淳一、小川博文、そして大島公一という"脇役"。その面々の働きで2回に一挙4得点し、巨人ガルベスをKO。試合を優位に進めたのである。イチロー、さらに4番ニールが打たなくても勝てる。もちろん先発・野田浩司から抑えの鈴木平までつないだ5投手の働きも大きかった。そんな顔ぶれの仕事を見て仰木は「全員でやるのがウチの野球」と胸を張ったのだ。それも「仰木マジック」の側面だった。現在の指揮官・中嶋聡も当時の日本一メンバーだ。仰木同様に手応えを感じていることと思う。取材には多くを語らないタイプなので仰木のようなリップサービスは出ない。この日の勝利監督インタビューでも鉄壁の救援陣について「自慢だとは思ってませんけど。よく投げてくれました」と謙遜しつつ控えめに褒めるだけだった。それでも3回にフェンスに当たりながら好捕した中堅・中川圭太、6回の難しい二ゴロをさばいた安達了一らの好守に「全員野球」の結実を感じているのは間違いない。もちろん「絶対、大丈夫」と切り替えるヤクルトも簡単には屈さないはず。簡単にはいかないけれどオリックスは全員で歓喜の瞬間へ向かう。(敬称略)

◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレーバック】日本シリーズ第6戦、オリックスが投げては先発山崎福也、打ってはラオウ杉本裕太郎が活躍!さらに守備でも好守連発で日本一に王手をかけました!

◆落合博満氏と中畑清氏が30日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」に出演。オリックスが日本シリーズ3連勝で26年ぶりの日本一に王手をかけたことについて語った。落合氏は「日本シリーズが始まる前は、ヤクルト打線とオリックスの投手陣という戦い方になると思ったら、そのとおりになりましたね」と振り返った。中畑氏は「(オリックスは)先発ピッチャーがいい。若くて生きのいいのが、ピッチャーがこれだけそろえられるというのは、今ない」と話した。負傷したオリックス山本に関しては「ちょっと厳しいと思います。電話で話をしたんですけどね、言っちゃいけないのかな? 本人ね、『50パーセントぐらいですよ』と脇腹の痛みがですね。その場所だとちょっとヤバイですよね。無理しない方がいい」と述べた。落合氏は「日本シリーズですからね、出てこないとは限らないですよ」と話すと、司会の関口氏は「ちょっとみたいですよ」と振ると「オリックスとしては山本で2勝と踏んでいたんですから」と話した。第7戦については落合氏は「やってみないと分からない。打線は水ものというけれども、良くも悪くもね。(ヤクルト村上は)ここ3試合ノーヒットということで、55号を打ってからの村上はちょっと戻りつつあるかなという感じですかね」と話した。中畑氏は「勢いからいったらオリックスかな。先発の宮城が頑張ってくれたら、ゲームを作れば逃げ切れるイメージが湧きますよね。ヤクルトの打線に勢いがないんですもの」と話した。さらに落合氏に対して「ここまで言ってもいいと思うよ。やってみないと分からないというのは、無責任だと思うよ」と振ると、落合氏は苦笑いしながら「お互いに応援している人がいるから、どっちというのは言えない」とかわした。オリックスは29日の「SMBC日本シリーズ2022」の第6戦。6回に杉本裕太郎外野手(31)がヤクルト小川から先制適時打を放ち、これが決勝打となった。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)の痛烈なライナーに塁審が転倒する珍場面があった。0―0の四回1死一塁で打席に立った4番打者が、オリックス・山崎福の内角球を思い切り引っ張ると、火を噴くような高速のライナーが一塁線へ。ファウルゾーンへ飛び込んだ一塁手のミットの横を通過し、土山一塁塁審を襲った。土山塁審は尻もちをつきながら俊敏な動きで打球を避け、幸いにも大事には至らなかった。セ・リーグ三冠王のすさまじいパワーに、スタンドも大きくどよめいた。村上はその打席で四球を選んでチャンスを拡大したが、得点にはつながらなかった。

◆オリックスは0ー0のスコアレスで迎えた六回2死一、二塁から杉本が右前にタイムリーを放って貴重な先制点を奪った。この回、先頭の太田が左前打で出塁し、宗が投前バントで1死二塁。中川は捕邪飛に倒れ、ここでヤクルトベンチは吉田正を申告敬遠。杉本との勝負を選んだ。が、杉本がカウント2ー1からの142キロストレートを見事に打ち返した。杉本は「(山崎)福也が頑張って投げてくれていたので、何とか先制点を思っていましたし、あの場面、自分で勝負してくると思っていたので、打てて良かったです」と喜びを爆発させた。

◆オリックス先発・山崎福は5回を投げ、無失点で2番手・宇田川と交代した。4回無失点の好投だった第2戦から中5日で先発した山崎福。得意の緩急の投球で再びヤクルトの前に立ちはだかった。四回には1死から山田、村上の連続四球でピンチを招いたが、オスナを遊ゴロ、中村を左飛に抑えた。五回まで70球を投げ被安打1、奪三振3、与四球3。味方の好守にも助けられたが、2試合通算9回を投げて無失点は見事だった。登板後は「ひとりひとり、丁寧に投げていくことだけを考えてマウンドに上がりました。四球でピンチを招いたところは反省点ですが、全体的にはいい集中力を持って、しっかり投げ切ることができたと思います」と振り返った。

◆ヤクルトの先発、小川泰弘投手(32)は6回4安打1失点で、0―1の1点ビハインドで2番手・木沢にバトンを託した。「出せるものは出し切りました。あとは全力で応援します」と振り返ったこの日は、走者を出しながらも粘りの投球。六回2死一、二塁ではオリックス・杉本に直球勝負を挑み、高めの142キロを右前適時打とされ、先制点を献上した。それでも88球で4安打6奪三振で最少失点にとどめた。5回2失点と好投して勝利を呼んだ第1戦に続き、エースの務めを果たした。

◆ヤクルトのスコット・マクガフ投手(32)が0―1とビハインドの九回に4番手で登板。2戦連続で失点を喫し、イニング途中で無念の降板となった。。先頭の安達に右前打を許し、続く紅林の犠打の処理で一塁へ悪送球。ボールがファウルゾーンを転々とする間に、一走が本塁に生還した。その後、1死三塁では西野に右犠飛を許し、スコアは0―3となった。マクガフは王手をかけるはずだった第5戦で1点リードの九回に登板し、自身の悪送球で同点を許すと、最後はオリックス・吉田正にサヨナラ2ランを浴びた。シーズンでリーグ2位の38セーブを挙げた守護神が、またも痛恨の失点を刻んでしまった。さらに2死走者なしから太田に四球を与えた場面で、左腕の久保へ交代を告げられた。

◆白熱の投手戦を繰り広げた。ヤクルト・小川泰弘投手(32)が第1戦から中6日で先発。胸に闘志を秘めながら淡々と投じた。「ここに立てる喜びだったり、日本一を勝ち取るチャンスが目の前にあるので、しっかり全員で気持ち一つにして頑張っていきたい」前日にはそう言葉に力を込めていた。27日の第5戦では九回に吉田正の2ランでサヨナラ負け。2勝2敗1分けで迎えた一戦で、燕のエースが力投した。一回は先頭・太田に中前打されたが、2死二塁から吉田正を遊飛に打ち取るなど後続を断った。積極的に内角を攻める一方、100キロ台のチェンジアップを織り交ぜるなどオリックス打線を惑わせた。神宮には多くの燕党が集まった。「普段から慣れ親しんでいる球場ですし、ヤクルトファンの皆さんの前で野球ができるというところが一番大きい」と応援を力に変えた小川。六回に杉本の右前適時打で先制を許したが最少失点で切り抜け、6回4安打1失点と先発の役目は果たした。しかし、打線が沈黙する。一回に先頭の塩見が中前打で出塁。これを最後に安打が出ない。5四球の走者を出すが、オリックス投手陣に完全に封じられた。まさかの「スミ1安打」で完封負け。2連勝(1分け挟む)からの3連敗で、崖っぷちに立たされた。

◆再び、神宮球場のマウンド躍動した。敵地ではあるが、明大出身のオリックス・山崎福にとってはかつての〝主戦場〟。投打での活躍を誓い、臨んだ第6戦で5回無失点の好投でシリーズ初白星だ。「ひとりひとり、丁寧に投げていくことだけを考えてマウンドに上がりました。四球でピンチを招いたところは反省点ですが、全体的にはいい集中力を持って、しっかり投げ切ることができたと思います」4回無失点と好投した23日の第2戦(神宮)に続き、今シリーズ2度目の先発マウンド。試合前は「日本シリーズの舞台で2回も先発できて、うれしいです。(第5戦を終え)2勝2敗1分けでお互いに五分五分になったので。オリックスも勢いがついたので、この勢いでしっかりやっていきます」と話していた。四回には1死から山田、村上の連続四球でピンチを招いたが、オスナを遊ゴロ、中村を左飛に抑えた。五回まで70球を投げ被安打1、奪三振3、与四球3。味方の好守にも助けられたが、2試合通算9回を投げて無失点は見事だった。打線が六回、杉本の右前適時打で先制すると、九回にも2得点。リリーフ陣がヤクルト打線を無得点に押さえ、オリックスが3連勝。日本一に王手をかけた。(西垣戸理大)

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)は2四球を選んだが、2打数無安打。3試合連続で安打なしとなった。第1打席は一飛に倒れ、第2、3打席は四球。3点を追う九回1死走者なしでの第4打席は、ワゲスパックの前に空振り三振に倒れた。主砲として厳しいマークを受ける村上は第1戦で本塁打を放ち、第3戦は2安打3打点でチームの2勝に貢献。だが、第4、5、6戦で計13打席9打数無安打と当たりが止まっている。

◆昨季に逃した頂点へ、ホーム・京セラでの連勝で星を戻した。再び敵地に乗り込み互いに2勝2敗1分けで迎えた第6戦で、オリックスがチーム一丸で勝利をつかみ、日本一に王手をかけた。打線組み換えが功を奏した。第1戦で5回6安打2失点で日本シリーズ初白星を献上したヤクルト・小川に対し、第4戦で9番、第5戦では8番だった太田を1番に起用して臨んだ。その4年目の若武者が突破口を開く。六回、先頭の太田が左前打で出塁し、宗が投前バントで1死二塁。中川は捕邪飛に倒れ、ここでヤクルトベンチは吉田正を申告敬遠。杉本との勝負を選んだ。が、杉本がカウント2-1からの142キロストレートを見事に打ち返した。「(山崎)福也が頑張って投げてくれていたので、何とか先制点を思っていましたし、あの場面、自分で勝負してくると思っていたので、打ててよかったです」と杉本は満足げに話した。2敗1分けからの逆襲には、投手陣の奮闘もさることながら、打の柱となる選手の活躍が欠かせない。第4戦は杉本が貴重な左前V打を放ち、第5戦は五回にソロを放った4番・吉田正が1点差を追いついた九回に、守護神・マクガフから右翼5階席に突き刺すサヨナラ2ラン。昨季まで2年連続の首位打者はシリーズ開幕から敬遠などで歩かされる場面も目立ったが、アーチを見舞い、ファンに向け「タイに持ち込めたので、神宮でも一戦必勝で戦っていきたい」と誓った。そして第6戦は再び杉本。九回にも2点を奪い3連勝。日本一まで、あと1勝だ。(須藤佳裕)

◆オリックスが3-0で快勝。3勝目を挙げて、日本一に王手をかけた。試合後、中嶋聡監督(53)が勝利監督インタビューに応じた。一問一答は以下の通り。--山崎福投手が良く投げました「なかなか点が入らない状況で、最高のピッチングだと思います」--それを支えた内外野の守備陣も素晴らしかった「本当に難しい中、よく守ってくれましたし、もり立ててくれたと思います」--守りでリズムを作り、先制点の場面、杉本の打席はどんな気持ちで見ていましたか「吉田正が歩かされるのは、それは分かっていたことなので、何とか後ろのバッターが打たないと、このゲームは勝てませんから。祈ってましたが、打ってくれてよかったです」--自慢のリリーフ陣も頑張った「自慢とは思っていないんですけれど、良く投げてくれてます」--これで3連勝です。26年ぶりの日本一にもあと1勝に迫りましたが「はい、ここまできましたけれど、去年も今年も、マジックなしで優勝していますので、なんか、わかんないです」--ファンの声援も大きかったです。明日に向けて「寒い中、本当にありがとうございます。あしたも、この寒さを吹き飛ばす熱いゲームをしたいと思うので、応援してください」

◆オリックスが3-0で快勝。日本一に王手をかけた。ヒーローインタビューに登場した山崎福也投手(30)は「計算通りでした」。インタビュー内容は以下の通り。--ファンのみなさん、拍手で迎えてください。素晴らしい投球でした「ありがとうございます」--率直に、この拍手を聞いて「寒い中、こんな遅い時間まで、熱い応援、ありがとうございます」--中5日での2度目の先発でした。どんな気持ちで「日本シリーズという舞台で、2回投げられるといううれしさのほうがあったので、今日は楽しむつもりで投げました」--一回、いきなり先頭の塩見にヒットを打たれたが「自分の傾向としては、先頭打者に塁に出てもらったほうが、そのあと、いい流れで断ち切ることができるので、計算通りです」--そのあとはノーヒット「変化球、特にチェンジアップがうまくハマっていたので、今日はうまく投げることができました」--杉本の先制タイムリーの場面はどんな気持ちで「きょうのラオウを見ていたら、打ちそうな気がしていたので、やっぱり打ったかな、さすがです」--強力なリリーフが抑えての勝利。慣れ親しんだ今日の神宮の景色は「また、アマ時代だとは違って、すごくいい雰囲気で、緊張感もあって、投げやすかったです」--ファンに「何としてでも、チーム一丸で勝ちに行くので、明日も熱く、優しい声援をよろしくお願いします」

◆?オリックスが3勝2敗1分で日本一に王手をかけた。過去「3勝2敗」で王手したケースは27度。このうち次戦で一気に決めたのは13度、引き分けを挟んで決めたのは1度、3勝3敗のタイから最終戦で決めたのは6度。連敗で逆転されたのは7度。日本一の確率は74%。?2連敗(1引き分け挟む)のあと、3連勝で王手をかけたのは過去6度。このうち次戦で一気に決めたのは1962年の東映、2000年の巨人、16年の日本ハムの3度。3勝3敗のタイから最終戦で勝ったのは1979年の広島、2011年のソフトバンクの2度。連敗で逆転されたのは2003年の阪神の1度だけ。日本一の確率は83%。

◆?オリックスが被安打1の無失点勝利。シリーズで1安打以下に抑えたのは、20年第3戦のソフトバンク(○4-0巨人、1安打、ムーア-モイネロ-森唯斗の継投)に次いで2年ぶり4度目。?無失点勝利は第4戦(○1-0、京セラ)に次いで今シリーズ2度目。1シリーズで同一球団が2度以上記録したのは、15年のソフトバンク(第2戦=4-0、第5戦=5-0)以来7年ぶりで、オリックス(前身を含む)では初。?杉本が第4戦に次いでシリーズ2度目の勝利打点。1シリーズに複数回勝利打点を挙げたのは、20年のソフトバンク・柳田悠岐(2度)以来2年ぶり。オリックスで2度は最多タイで、96年のニール以来26年ぶり10人目。日本選手では84年の福原峰夫以来38年ぶり7人目。

◆オリックスの太田が六回の先制点の足場をつくった。追い込まれた後、小川の緩い変化球に食らいついて左前にはじき返した。二塁に進み、杉本の右前打で本塁に生還した。奈良・天理高からドラフト1位で入団した4年目の内野手。パンチ力のある打撃が期待されているが、今季のレギュラーシーズンは32試合の出場で打率1割9分6厘に終わった。それでも短期決戦で打力を発揮し、第4戦から3試合連続の安打となった。この日は2安打1四球で出塁し、1番での起用に応えた。中嶋監督は「思い切りの良さで臆することなく振っていける。チームを勢いづけてくれている」と評価した。

◆?ヤクルトの対戦成績は2勝3敗1分け。ヤクルトのように開幕2連勝から3連敗を喫したケースは過去6度中、逆転で日本一となったのは2003年のダイエーだけ。ただ第7戦に勝利し、3勝3敗とした場合は過去21度で日本一が11度。?一回先頭打者・塩見の1安打のみの零封負け。シリーズで打線が1安打以下に抑えられたのは、01年第1戦の近鉄(七回1死から北川博敏の単打、●0-7ヤクルト=石井一久-河端龍の継投)、07年第5戦の日本ハム(完全試合、●0-1中日=山井大介-岩瀬仁紀の継投)、20年第3戦の巨人(九回2死から丸佳浩の単打、●0-4ソフトバンク=ムーア-モイネロ-森唯斗の継投)に次いで2年ぶり4度目。一回先頭打者の1安打のみで負けたのは史上初。セでは20年の巨人と並ぶシリーズ最少安打敗戦となった。

◆「つなぎ目」には、ほころびが付きもの。ヤクルトはその小さな「穴」に落ちてしまった。先発が5、6回投げて、あとはイニングごとに投手をつないで勝つ。シーズン中からのパターンでいかざるをえないのも分かるけど、出した投手が全員調子がいいとはかぎらない。誰かがどこかで流れを変える。短期決戦ではなおさら、その怖さがつきまとう。現状ではマクガフが負のサイクルに陥っている。1点差をキープしようと九回に投入したら、またしてもだ。先頭打者はサヨナラ負けした第5戦の九回先頭で四球で歩かせた安達。この時点でもう嫌な記憶が...。案の定、安打で出塁を許し、さらに送りバントと悪送球。2試合続けて同じような失点劇とはね。野球はやはり、先発が完投、少なくとも7、8回と長いイニングを投げないと。太い軸になる投手がいて初めて、リリーフのつなぎ目も小さくて済むのだから。打線でもクローズアップされるのは「つなぎ」。効果的な本塁打を待っても、そうそう続くわけがない。1、2番が出塁してクリーンアップへ回す。下位打線はなんとか上位に回そうとする。打順それぞれ、本来の役割がある。こちらは、つなぎの重要性を思い出すときだよ。(サンケイスポーツ専属評論家)

◆プロ野球最高峰の戦いの舞台となる日本シリーズでは極めて珍しい光景だ。第5戦に続き、スタメン一塁で出場したオリックス・太田。しかし、この日もその左手には、第4戦で二塁を守ったときと同じ内野手用グラブがはめられていた。レギュラーシーズンでも先発での一塁出場はわずか3試合。そのため、大舞台でも使い慣れたグラブで守備に就いた。言うまでもなく、ファーストミットは捕球のためのポケットが深く、バウンドしてくる送球も受け止められるように縦長に作られている。一塁手がファーストミットを使うのには明確な理由が存在するわけだが、太田はグラブで無難に捕球、打球処理をこなした。太田といえば、昨年の日本シリーズ第5戦で「8番・二塁」でシリーズ初出場初先発。一時勝ち越しの三塁打を含む2安打1打点の活躍をみせた。今シリーズでも第4戦で「9番・二塁」でスタメンに初起用されると、第5戦は7番、そして第6戦では1番に抜擢(てき)された。一回にいきなり中前打。そして、0-0の六回先頭で放った2本目のヒットがこの試合を動かした。ヤクルト先発・小川が立ち上がりから緩急のアクセントをつけるために投じていたのが、球速100キロ台のチェンジアップだ。小川の通常のチェンジアップの球速は110キロ後半から120キロ前半。つまり、遅いチェンジアップを毎イニング意識的にカウント球として投じ、五回まで計8球で見逃しストライク4、ボール1、中飛3だった。その中で太田にカウント2-2から初めて勝負球として投じた100キロを左前に運ばれ、その一打で小川の選択肢の中から遅いチェンジアップは消え去った。試合前。オリックスベンチ前で円陣が組まれ、杉本が「あと2勝でアレなんで、あと2勝して、アレして、(11月3日に)御堂筋でパレードしましょう!」と声を張り上げた。「アレ」=優勝。阪神の新監督に就任した岡田彰布氏がオリックスで指揮を執った2010年に交流戦優勝を飾ったが、指揮官が選手に優勝を意識させないように置き換えたフレーズが「アレ」。その「アレ」まで、あと1勝。そして、そこにはファーストミットを持たない一塁手の存在は欠かせない。(編集委員・東山貴実)

◆今季限りで現役を引退したヤクルトの坂口智隆氏(38)が、日本シリーズ全試合で特別観戦記「ぐっちSTYLE」をサンケイスポーツに寄稿。近鉄で2年、オリックスで11年、ヤクルトで7年間プレーした外野手は、昨年の日本シリーズから光る捕手の存在に焦点を当てた。第6戦ではフジテレビで初のゲスト解説を務めた。昨年と合わせて12試合。激戦が続くヤクルトとオリックスの日本シリーズの立役者は捕手。第6戦はテレビ解説でバックネット裏から観戦しましたが、捕手の存在をより強く感じました。中村捕手は打者1巡目は内角の厳しいところに構える場面が目立ちました。比較的狭い神宮球場(両翼97・5メートル、中堅120メートル)で内角に投げる投手、構える捕手は勇気が必要です。死球のリスクもありますが、長打を恐れて外角一辺倒となると、的を絞られ大量失点につながる。神宮で守る難しさを知るバッテリーらしい試合運びでした。オリックスバッテリーも第2戦に続き「うまいな」と感じさせる配球でした。山崎福投手は変化球の球速帯で差をつけ、奥行きを利用。ヤクルト打線は第2戦に続きカーブ、チェンジアップに体勢を崩される場面が目立ちました。自分も対戦経験がありますが、アジャストできそうでアジャストしにくく、投球テンポも速くて打者に考える間を与えない。伏見捕手は一定のリズムにならないようにサインを出すタイミングを工夫したり、投手の元へ駆け寄ってひと呼吸置いたりと捕手としての気遣いを感じました。第1、4、5戦でマスクをかぶった若月捕手もフォークボールのブロッキングが完璧で投手陣との信頼が光った。昨年からシリーズ男を作らせず、相手の主砲に連続で決定的な仕事をさせない。締まった試合が続くのは間違いなく彼ら捕手の影響が大きいです。中堅の中川圭選手が三回に2度、好守を見せました。サンタナ選手が右中間に放った打球をフェンス近くで捕球。先頭打者の長打を防ぎました。神宮球場で外野を守る難しさは独特。両翼が狭い球場でありながら右中間、左中間が深くフェンスに近づくにつれ地面が沈んでいく感覚になる。ジャンプするタイミングが難しく、一拍か一拍半遅れてジャンプする意識を心掛けていました。中堅から左翼へ流れる風が主ですが、秋に差し掛かると風の吹き方も流動的で、1球ごとの確認も必要。その中でフェンスへの激突を回避し、ジャンプするタイミングもぴったりでした。2死一塁から塩見選手が放った右中間への打球も一歩目が早かった。右翼手のポジション取りも把握し、一直線で落下点に入りました。外野手としての技術が優れたプレーでした。(坂口智隆)

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