オリックス(☆6対4★)ヤクルト =日本シリーズ5回戦(2022.10.27)・京セラドーム大阪=
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ヤクルト
11000200041211
ORIX
000210003X61112
勝利投手:ワゲスパック(1勝0敗1S)
敗戦投手:マクガフ(0勝1敗1S)

本塁打
【ヤクルト】サンタナ(1号・2回表ソロ)
【オリックス】吉田 正尚(1号・5回裏ソロ),吉田 正尚(2号・9回裏2ラン)

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◆オリックスが劇的な逆転サヨナラ勝利を収め、対戦成績を2勝2敗1分けのタイに戻した。オリックスは3-4で迎えた9回裏、西野の内野安打に相手失策が絡み、同点とする。なおも2死一塁から吉田正に2ランが飛び出し、試合を決めた。敗れたヤクルトは、守護神・マクガフが誤算だった。

◆今季限りで現役を引退するオリックス能見篤史投手兼任コーチ(43)が、今シリーズで初めてベンチ入りした。シーズン同様、ブルペン待機する。能見兼任コーチは9月30日の引退試合後も、若手打撃陣に対して打撃投手を務めるなど肩を作ってきた。日本シリーズでの登板について「もし、そういう機会があったときに迷惑はかけられない」と準備を続けてきた。救援陣では宇田川、山崎颯、阿部らがシーズン終盤に台頭し、リーグ連覇の原動力になった。さらに能見兼任コーチの経験が加われば、より多彩な継投プランを持って試合に臨める。「短期決戦だからと気負うこともない。普段通りできるかどうかが大事」と言うベテランが、集大成の投球を披露する。

◆両チームのスタメンが発表された。オリックスは、中川圭太外野手(26)、吉田正尚外野手(29)、杉本裕太郎外野手(31)のクリーンアップが3試合ぶりに復活。前日26日の第4戦でスタメンに抜てきされ、安打を放った佐野皓大外野手(26)、太田椋内野手(21)は2試合連続で先発となった。また第4戦で圧巻の継投を見せた宇田川優希投手(23)と山崎颯一郎投手(24)がベンチを外れ、代わって能見篤史投手兼任コーチ(43)と山下舜平大投手(20)が入った。対するヤクルトは、2試合ぶりに外国人3人を先発オーダーに並べた。

◆2勝1敗1分けで迎えた第5戦、ヤクルト高津臣吾監督(53)が超攻撃的布陣を敷いた。「シリーズ男」の5番オスナの後ろには、キブレハンを配し、8番にサンタナを置き外国人トリオをスタメン起用。シリーズ初黒星を喫した前夜の第4戦で、2打数1安打1四球と気を吐いた40歳青木を2番に上げた攻撃力重視の打線で、2年連続日本一に王手をかける。先発はドラフト1位ルーキーの山下。新人のシリーズ先発は19年巨人高橋優貴以来、初登板初勝利なら17年DeNA浜口遥大以来で、球団では初となる。

◆オリックス杉本裕太郎外野手(31)が好返球でチームを救った。初回の守り。1点を先制され、なお2死一、二塁で、パトリック・キブレハン外野手(32)の打球は右前へ。2点目を覚悟する状況だったが、右翼の杉本はバウンドも合わせず激しくチャージ。自慢の強肩でどんぴしゃりのワンバウンド送球をして、二塁走者の山田哲人内野手(30)を本塁で刺した。

◆ヤクルトの5番、ホセ・オスナ内野手(29)が先制打を放った。1回1死一、二塁から4番村上宗隆内野手(22)が空振り三振に倒れ、2死。オリックスの左腕田嶋の初球、外角高め140キロをたたき、高くバウンドした打球が二遊間を抜けた。「打ったのはストレート。若い投手(山下)が先発しているので、先に点を取ってあげたいという気持ちでした。昨日の嫌な流れを切って先制できてよかったです」とコメントした。オスナはここまで日本シリーズ全5試合で安打。早くもシリーズ10安打目となった。

◆ヤクルトの8番、ドミンゴ・サンタナ外野手(30)が日本シリーズ1号ソロを放った。1点リードの2回1死、フルカウントからの6球目。オリックス田嶋の142キロの直球を大きく打ち上げて左中間席へ運び、悠々とダイヤモンドを1周した。第4戦までは14打数3安打で打点はなかった。「なかなかチームに貢献できていなかったので、少しでもチームのためにという思いでした。いい角度で上がってくれました」と喜んだ。

◆オリックスの「USJ継投」は一時解体となった。第4戦で好救援した宇田川優希投手(23)と山崎颯一郎投手(24)がベンチ入りメンバーから外れた。前日26日には宇田川が5回のピンチを切り抜け1回2/3を32球、山崎颯が2回35球を投じ、最後はジェイコブ・ワゲスパック投手(28)が締め、無失点リレーを完成。回またぎの登板となった宇田川、山崎颯に休養が与えられた。29日の第6戦から万全の状態でマウンドに向かう。

◆今季限りで現役を引退した元阪神の糸井嘉男氏(41)が、フジテレビ系の生中継でゲスト解説を務めた。持ち味の糸井節は封印し、"解説者仕様"のトーンで臨んだ。引退後では初めての生解説にファンも多数反応し、ツイッターでは「糸井さん」がトレンド入りした。試合の注目ポイントの1つとして、古巣オリックスの後輩で「ラオウ」こと杉本の「昇天ポーズが見たい!」と挙げ、「(打線に)火を付けてほしいですね」とエールを送った。史上最年少3冠王のヤクルト村上については「(打席で)威圧感がすごく伝わってきて、やっぱり甘いボールいったらスタンドに持って行く力があるので、気をつけていきたいですね」と冷静に説明。また、捕手中村については「リード面に注目していて、嫌らしいというか、しつこいというか、そういうのは(自分も打席で)感じてました。そこに投げきってる山下投手もえらいですけど、そこに注目したいです」と話した。

◆負ければ王手を許すオリックスが4回に8番、9番の下位打線で追いついた。0-2の4回2死一、二塁でまずは今シリーズ好調の紅林弘太郎内野手(20)が中前にはじき返して1点。続く若月健矢捕手(27)は左翼線への二塁打で2-2と追いついた。紅林は2回の第1打席でも中越えの大きな二塁打でチャンスを作っていた。この時点で5試合通算18打数7安打、打率3割8分9厘。得点力が上がらないオリックス打線の中で下位の働きは今後もポイントになりそうだ。

◆待望のチーム第1号はやはりこの男だった。オリックス吉田正尚外野手(29)が2-2の5回、勝ち越しのソロを放った。左腕山下輝投手(23)の甘く入ってきた変化球を完璧にとらえ、右中間最深部に放り込んだ。昨年の日本シリーズも6試合で本塁打なし。自身、シリーズ11試合目で初の1発だった。今シリーズはヤクルトが本塁打量産しているのに対し、オリックスは長打力不足が深刻だった。吉田正もここまで7四球と徹底して勝負を避けられてきた。その影響か、前の打席まで14打数2安打と調子を落としていたが、今季の京セラドーム大阪最終戦で最高のアーチをかけた。

◆日本シリーズで初の珍事が起こった。2-2で迎えた5回表のヤクルトの攻撃。無死一、二塁で4番村上宗隆が、一ゴロに打ち取られた。一-遊-投の併殺プレーとなったが、一塁ベースカバーに入った投手田嶋が送球を落球(失策)。記録は村上の併殺打となったが、1死一、三塁で続行した。すると続く5番オスナが遊ゴロに打ち取られ、遊-二-一で、この回2度目の併殺プレー。日本シリーズでは初の1イニング2度の併殺打が生まれるレアケースとなった。

◆オリックス中嶋聡監督(53)が第5戦も早い決断を下した。先発の田嶋大樹投手(26)は2回までに2失点。打線は2-2と追いついた直後の5回、左腕は無死一、二塁を招き、村上宗隆内野手(22)を一ゴロ。ただ、一-遊-投で併殺を取れなかった。遊撃からの送球を一塁ベースカバーに入った田嶋が落球。タイミング的にアウトだっただけに、もったいなかった。ここで比嘉幹貴投手(39)がコール。1死一、三塁でリリーフした右腕、絶好調のホセ・オスナ内野手(29)を遊ゴロ併殺に仕留めた、大ピンチをしのいだ。ヤクルト日本一王手なるか、オリックス田嶋大樹-ヤクルト山下輝/日本S第5戦ライブ速報中

◆取られたら取り返す。ヤクルト青木宣親外野手(40)が勝ち越しの二塁打を放った。5回にオリックスに逆転を許し、1点ビハインドで迎えた6回。まずは長岡秀樹内野手(21)が近藤から右前適時打を放ち「本当にチームに迷惑を掛けているので、何とかしたかった。気持ちで押し込みました」と同点に追い付いた。塩見が内野安打でつなぐと、ベテラン青木は2死一、二塁で打席へ。カウント1-1からフォークを右翼線へ引っ張り、この日3安打目となる適時二塁打とした。「甘くきたところは全部打ちにいくという気持ちで打席に入りました。いいところを抜けてくれてよかったです」。再びリードを奪い、力強くガッツポーズを見せた。ヤクルト日本一王手なるか、オリックス田嶋大樹-ヤクルト山下輝/日本S第5戦ライブ速報

◆ヤクルトのルーキー左腕、山下輝投手(23)が勝利投手の権利を手にした。5回7安打3失点。3回までは無失点でこらえたが、2点リードの4回に4安打で同点とされると、5回にオリックス吉田正に一時勝ち越しのソロを許した。だが直後の6回だ。長岡秀樹内野手(21)が右前へ同点適時打を放つと、2死一、二塁からベテラン青木が勝ち越しの二塁打。再びリードを奪い、山下に球団の新人では初となる日本シリーズ勝利投手の権利が発生。6回以降は救援陣が無失点でつないでいる。山下輝(やました・ひかる)1999年(平11)9月12日生まれ、千葉県出身。木更津総合2年時は1学年上のエース早川(現楽天)とともに一塁手で甲子園に出場し、春夏連続8強。3年時はエースで夏の甲子園に出場し、日本航空石川から10奪三振。法大1年時に左肘のトミー・ジョン手術を受けた。4年秋にリーグ最優秀防御率0・98。リーグ通算18試合4勝5敗、防御率1・53。21年ドラフト1位でヤクルト入団。今季1軍公式戦は2試合1勝1敗、防御率1・46。188センチ、100キロ、左投げ左打ち。今季推定年俸1400万円。]ルーキー山下が<5>戦に先発。シリーズで新人投手の先発は19年<3>戦高橋(巨人)以来24人、30度目。公式戦の山下は2試合に登板して1勝1敗。公式戦1勝以下の新人が先発は92年<3>戦石井(ヤクルト)以来、30年ぶり2人目になる。92年石井の公式戦は0勝0敗だったが、登板数は12試合(先発は5試合)。新人以外も含め、「公式戦で通算2試合」しか登板していない投手が先発するのはシリーズ史上初めてだ。

◆オリックスが劇的なサヨナラ勝ちで、日本シリーズを振りだしに戻した。1点を追った9回、先頭の代打・安達了一内野手(34)がヤクルトの守護神スコット・マクガフ投手(32)から四球を選んで出塁。犠打で1死二塁とし、西野真弘内野手(32)が投手強襲の内野安打。これがマクガフの一塁悪送球を呼び、二塁から安達が同点のホームイン。なおも2死一塁で、吉田正尚外野手(29)が右翼へサヨナラ2ランを放った。流れが二転三転する試合だった。先発の田嶋大樹投手(26)が2回までに2失点。だが0-2の4回に、好調の紅林弘太郎内野手(20)が適時中前打、続く若月健矢捕手(27)も左翼線適時二塁打で追い付いた。5回には、当たりが止まっていた吉田正が一時勝ち越しのソロを放った。自身、シリーズ通算11試合目で初の1発。今シリーズのチーム1号でベンチは盛り上がり、一気にオリックスのペースになるかと思われた。だが6回に近藤大亮投手(30)が適時打2本を打たれ、3-4と再逆転された。6回以降はヤクルトの救援陣の前に沈黙した。敗色濃厚な最終回の逆転サヨナラ劇でヤクルトの王手を封じ、2勝2敗1分けで敵地の神宮に再び乗り込む。オリックスがサヨナラ勝ちで2勝2敗1分けのタイに戻した。2勝2敗(引き分け含む)のシリーズは16年以来28度目。過去27度のうち、オリックスのように追い付いたチームの優勝は12度でV確率44%になる。サヨナラ勝ちで2勝2敗に追い付いたのは62年東映、64年南海、94年西武、03年阪神、12年日本ハムに次いで6度目。過去5度のうち62年東映と64年南海は日本一になったが、オリックスはどうか。オリックス吉田正尚がサヨナラ本塁打を放った。シリーズのサヨナラ本塁打は18年5戦柳田(ソフトバンク)以来17人、18度目で、オリックスでは初めてだ。吉田正は昨年1戦でサヨナラ二塁打。シリーズのサヨナラ勝ちは昨年1戦オリックス以来41度目(オリックスは3度目)だが、サヨナラ打を2本記録したのはハドリ(南海)が64年4戦と66年5戦に次いで2人目。2年連続でサヨナラ打を放ったのは吉田正が初めてになる。吉田正は、5回には2-2から勝ち越しの1発。サヨナラ弾を含む1試合2発は03年4戦金本(阪神)に次いで2人目。サヨナラ弾を含む殊勲アーチを1試合2本は初めてのケースだった。▽オリックス中嶋監督(吉田正のサヨナラ弾に) いや、終わったなと。いろんなミスとかありましたけど、最後こういう形になれたのは本当に良かったですけど、もう1回締め直します。なかなか勝てなかったですけど、これでタイになりました。あとは勝ち抜くだけだと思います。

◆40歳9カ月のヤクルト青木宣親外野手が3安打。シリーズで40代選手の猛打賞は、96年<1>戦落合(巨人=42歳10カ月)12年<5>戦稲葉(日本ハム=40歳2カ月)に次いで3人目。ヤクルトでは78年<1>戦マニエル、95年<1>戦オマリーの34歳9カ月を抜いて球団最年長。

◆オリックスは主砲吉田正尚外野手(29)の劇的なサヨナラ本塁打で2勝2敗1分けのタイに持ち込んだ。試合後の中嶋聡監督(53)の一問一答は次の通り。-すごい試合でした中嶋監督 本当にすごい試合でした。-吉田正選手が打った瞬間は中嶋監督 いや、もう終わったなと。-吉田選手にはどんな言葉をなんと言ったか、ちょっと覚えてないです。-シーソーゲームでしたが中嶋監督 ミスもありながら、最後にこういう形になって勝てましたが、もう1回締め直します。-これで2勝2敗1分けのタイに中嶋監督 なかなか勝てなかったですが、これでタイになりました。あとは勝ち抜くだけだと思います。

◆オリックスが9回裏吉田正尚のサヨナラ弾で2勝2敗1分けのタイに持ち込んだ。

◆オリックスが劇的なサヨナラ勝ちで、日本シリーズを振りだしに戻した。1点を追った9回、先頭の代打・安達了一内野手(34)がヤクルトの守護神スコット・マクガフ投手(32)から四球を選んで出塁。犠打で1死二塁とし、西野真弘内野手(32)が投手強襲の内野安打。これがマクガフの一塁悪送球を呼び、二塁から安達が同点のホームイン。なおも2死一塁で、吉田正尚外野手(29)が右翼へサヨナラ2ランを放った。オリックス吉田正尚がサヨナラ本塁打を放った。シリーズのサヨナラ本塁打は18年5戦柳田(ソフトバンク)以来17人、18度目で、オリックスでは初めてだ。吉田正は昨年1戦でサヨナラ二塁打。シリーズのサヨナラ勝ちは昨年1戦オリックス以来41度目(オリックスは3度目)だが、サヨナラ打を2本記録したのはハドリ(南海)が64年4戦と66年5戦に次いで2人目。2年連続でサヨナラ打を放ったのは吉田正が初めてになる。吉田正は、5回には2-2から勝ち越しの1発。サヨナラ弾を含む1試合2発は03年4戦金本(阪神)に次いで2人目。サヨナラ弾を含む殊勲アーチを1試合2本は初めてのケースだった。

◆オリックスが劇的なサヨナラ勝ちで、日本シリーズを振りだしに戻した。 1点を追った9回、先頭の代打・安達了一内野手(34)がヤクルトの守護神スコット・マクガフ投手(32)から四球を選んで出塁。犠打で1死二塁とし、西野真弘内野手(32)が投手強襲の内野安打。これがマクガフの一塁悪送球を呼び、二塁から安達が同点のホームイン。なおも2死一塁で、吉田正尚外野手(29)が右翼へサヨナラ2ランを放った。第8戦以降がある場合 シリーズは2勝2敗1分となり、第7戦までもつれることが確定した。第8戦がある場合は第7戦と同じ球場で翌日に行われる。第9戦は移動日を1日設け、もう一方のチームの球場で行う。第8戦以降は延長無制限で行う。

◆ヤクルトスコット・マクガフ投手が昨年第1戦、第5戦以来の黒星。シリーズでの最多敗戦は山田久志(阪急)の9敗があるが、ヤクルトでは石川の3敗に並ぶ最多タイ。マクガフはすべて救援での敗戦。リリーフで通算3敗は、ヤクルトに限らずシリーズ史上初めてだ。

◆ヤクルトは2度リードをひっくり返され、勝利目前で逆転サヨナラ負け。2勝2敗1分けでオリックスに並ばれた。高津臣吾監督の試合後会見は以下の通り。-信頼して送り出したマクガフが打たれたそうですね、先頭の四球は痛かったですね。-9回は守備がもたつく場面も取れるアウトは取らなきゃいけないですね。-先発のルーキー山下いいピッチングだったと思います。シーズン終盤にね、先輩たちがちょっともたもたしてるのでチャンスを与えたんですけど、今日もすごくいいピッチングだったと思います。-シーズン登板2試合でも大舞台を任せたこの経験は来年に生きると思っているので。-ベテラン青木が3安打誰が打ってもヒット1本は1本なんだけれども、やっぱりああやってベテランの青木が打つ1本は、チームに与える影響って意味がちょっと違ってくる。非常に、昨日に引き続き、すごくいいバッティングだったと思いますね。-なかなか安打なかった長岡も適時打何かをきっかけにふっきれたり、何か気持ちを入れ替えてくれたらいいなとは思ってます。-序盤オスナとサンタナの助っ人2人が打ったのは好材料好調を維持してくれてるオスナと、なかなか、何て言うんですかね、すっきりしなかったサンタナが、ひと振りで1点取ったわけですから。いいバッティングだったと思いますね。-移動日を挟んで再び神宮へ先は見えているので、全力で毎試合、戦うのみですね。勝負してるので、勝つか負けるかはやってみないと分からないですけども、全力で戦いたいと思います。-清水の回またぎは短期決戦の戦い方もちろんそうですね。あまり、さっきも言ったように先を考えていないので、今できる最善策をとったつもりです。-小川ら1、2戦目に投げた投手が再び先発勝つピッチングをしてほしいと思うだけですね。それだけです。

◆オリックスに土壇場で球団史上初のサヨナラ弾が出た! 「SMBC日本シリーズ2022」の第5戦。9回に同点に追い付き、なお2死一塁で吉田正尚外野手(29)がヤクルト・マクガフからサヨナラ2ラン。5回にチーム1号、自身シリーズ初のソロを放っていた主砲の一撃は、阪急時代を含めて球団初のシリーズサヨナラ弾となった。これで2勝2敗1分けのタイ。28日は試合がなく、神宮に戻って第6、7戦。26年ぶりの日本一へ望みをつないだ。高々と右拳を突き上げ、吉田正が駆けだした。マクガフの139キロを豪快に振り抜き、オリ党の待つ右翼席へ運び去った。シリーズの対戦成績を五分に戻す、ドラマチックなサヨナラ2ラン。お立ち台でかっこいいせりふはない。「感無量です」と2度、繰り返した。公式戦を含めても自身初のサヨナラ本塁打。球団としても前身の阪急時代を含めて初のシリーズサヨナラ本塁打だった。同じく同点だった5回にもチームのシリーズ1号となるソロを右中間最深部にぶっ放していた。山下の甘い直球を見逃さなかった。「しっかりと1球で仕留めることができて良かったです!」一塁ベースを回ったところで右手人さし指を突き上げた。二塁ベースを踏むと、三塁手の村上と目が合った。相手は「正尚シフト」を敷いていた。村上が遊撃の定位置付近、遊撃手の長岡は二塁ベース後方、二塁手の山田は一、二塁間を詰める形で構えた。打席に入れば、ポジショニングを必ず確認する主砲は、かつて胸中をこう明かしていた。「シフト...? 見てますよ。毎回シフトを見て、ここに打とうと考えたら、わなにハマるだけ。ヒットになる場合もあるので、なんとも思わない。強いスイングができれば、野手の間を抜ける。どれだけ強くコンタクトできるか、それだけを考えてます」相手の対策を無効化した一撃。主砲は、第4戦まで2安打で、2度の申告敬遠を含む7四球と徹底して勝負を避けられてきたが、本領発揮となった。平日のナイトゲームで、日本シリーズ3、4、5戦を戦った。選手会長が「有給を取って応援に来てください!」とファンに頼んだ効果もあり? 3試合全て3万3000人を超える観客が訪れ、その後押しも大きかった。28日は試合がなく、神宮に戻って29日に第6戦を迎える。最後まで諦めない。レギュラーシーズン最終戦で大逆転連覇を果たしたチームが、このサヨナラ劇を足がかりに26年ぶりの日本一へ突き進む。【真柴健】オリックスがサヨナラ勝ちで2勝2敗1分けのタイに戻した。2勝2敗(引き分け含む)のシリーズは16年以来28度目。過去27度のうち、オリックスのように追い付いたチームの優勝は12度でV確率44%になる。サヨナラ勝ちで2勝2敗に追い付いたのは62年東映、64年南海、94年西武、03年阪神、12年日本ハムに次いで6度目。過去5度のうち62年東映と64年南海は日本一になったが、オリックスはどうか。○...紅林が、反撃の口火を切る適時打を放った。2点を追う4回2死一、二塁でヤクルト山下の直球を中前に運び、1点を返した。「(カウント2-2と)追い込まれていたので、とにかく食らいついていくことだけ考えていましたし、なんとか外野まで抜けてくれてよかったです」。昨年からシリーズ通算5度目のマルチ安打で、2本目の適時打。遊撃守備でも好守を見せ、攻守で奮闘した。○...先発田嶋は序盤の失点を反省した。1回2死一、二塁でヤクルト5番のオスナに先制打を許し、2回にはサンタナに左中間へソロを浴びた。5回途中に走者を残して降板したが、2番手比嘉が火消しに成功、2失点で終えた。田嶋は「立ち上がりから先制点を許してしまい、苦しいピッチングになってしまいました。後を抑えてくれた比嘉さんもそうですし、野手陣がバックでもり立ててくれていただけに、なんとかもっと粘り強く投げたかったです」と話した。

◆オリックス・杉本裕太郎外野手(31)が右翼守備でビッグプレーを見せた。一回、先発・田嶋の立ち上がり。安打と四球で2死一、二塁とされるとオスナに中前適時打を浴びて先制点を献上した。なかなか落ち着くことができない中、キブレハンの打球はライナーで右前に弾んだ。痛烈なライナー性の打球。ショートバウンドで杉本が捕球すると、渾身(こんしん)のバックホームだ。二走・山田は通算190盗塁の俊足だったが、ここしかないというところに返球。2点目を防ぎ、主導権を渡さなかった。杉本はシーズンでは93試合で外野守備に就いた。失策は「2」で守備率・984だった。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(29)が「5番・一塁」で出場。一回に先制打を放った。1死から2番・青木の右前打、続く山田の四球で一、二塁の好機。4番・村上が空振り三振に倒れ、2死となり打席に立った。相手先発で左腕、田嶋の初球140キロを強振。真ん中やや高めの直球をたたき、ゴロで中前へはじき返し、先制点をチームにもたらした。オスナは「打ったのはストレート。若い投手が先発しているので先に点をとってあげたいという気持ちでした。昨日の嫌な流れを切って先制できてよかったです」とコメントした。

◆ダイヤの原石が潜在能力を示した。巨人は27日、川崎市のジャイアンツ球場で日本製鉄かずさマジックと練習試合を行い、1年目の育成2投手が猛アピールした。「(春季キャンプ初日の)2月1日にあのボールが放れれば、1軍スタートは十分あり得るでしょう」バックネット裏のスタンドで目を光らせた原監督がまず評価したのは、最速147キロ左腕の富田龍(22)だ。四国学院大から入団したルーキーは、七回から登板し1回を3者連続三振。目いっぱい腕を振る投げっぷりの良さを見せつけ、「持ち味をしっかりと出すことができた」と納得顔だった。さらなる存在感を放ったのが、後を受けた最速149キロ右腕の京本真(18)。大分・明豊高から入団した新人は、2回を打者6人で料理した。189センチの長身から投げ下ろす直球に得意のチェンジアップを交え、7-1で勝利した試合を華麗に締めた。「目立ちましたね。オールラウンダー的なピッチャーで」と指揮官。総合力の高い右腕は、先発として期待されている。目指すボールは「分かっていても打たれない真っすぐ」。チームの守護神を担う大勢のような球威を身に付けるつもりだ。富田が「支配下になることだけを考えている」と言えば、「エースになる目標を持ってやっている」と京本。野心をむき出しにして、サバイバルを勝ち抜く。(鈴木智紘)

◆ヤクルトのドミンゴ・サンタナ外野手(30)が1-0の二回、追加点となる日本シリーズ1号ソロを放った。「なかなかチームに貢献できていなかったので少しでもチームのためにという思いでした」フルカウントから6球目の142キロを一閃。相手先発・田嶋の直球を左中間席へ運び、悠々とダイヤモンドを一周した。今シリーズはこの打席前まで打率・214(14打数3安打)と沈黙。助っ人スラッガーは「良い角度であがってくれました」とお目覚めの一発を振り返った。

◆2勝1敗1分で迎えたヤクルトは2022年D1位・山下輝投手(23)=法大、第4戦で完封勝利を収めたオリックスは田嶋大樹投手(26)が先発した。先制はヤクルト。一回2死一、二塁から今シリーズ絶好調のホセ・オスナ外野手(29)の中前打で先制。さらに二回にはドミンゴ・サンタナ外野手(30)の1号ソロで2点目を加えた。オリックスは二回2死二、三塁の同点機で「9番」の若月健矢捕手(29)が遊ゴロに倒れて無得点。

◆試合前の声出しを務めたのは、中垣巡回ヘッドコーチだ。アスレティックトレーナーとして、2012年にはダルビッシュ(パドレス)の専属トレーナーとして海を渡ったこともあるベテランが2日連続の大役。「(声出しは人生で)2回目だけどまだちょっと緊張しています」と苦笑い。「きのう、やっとこじ開けた隙間。これを全員でワンプレーワンプレー、全力で突破していこう。攻撃で攻める! 守備で攻める! ベンチも攻める! きょうも心を一つに、全員で勝つぞ!」と熱く鼓舞。選手も大声で応え、士気を高めた。

◆オリックスの先発・田嶋大樹投手(26)は4回?で降板した。一回に安打と四球で1死一、二塁。4番の村上は144キロ直球で空振り三振。しかし、続くオスナに1球目を中前に運ばれて先制を許した。続くキブレハンの右前打は右翼・杉本が本塁に好返球。バックにも助けられたが、立ち上がりを攻められた。二回1死にはサンタナにソロ被弾。左中間への特大の一発を浴びて0-2とされた。四回も2死一、三塁とピンチを招いたが塩見を143キロ直球で空振り三振。気迫あふれる投球で、何とかゼロを並べていた。2-2の同点となった五回は先頭の青木に中前打。山田に四球を与え、村上だ。痛烈な一ゴロで「3-6-1」の併殺が完成するところだったが、一塁ベースカバーに入った田嶋が遊撃・紅林からの送球を落としてしまった(記録は田嶋の失策、村上は併殺打)。1死一、三塁となり、ここで比嘉にスイッチ。39歳のベテランはオスナを遊ゴロ併殺。拳を握って、火を消してみせた。

◆2勝1敗1分で迎えたヤクルトは2022年D1位・山下輝投手(23)=法大、第4戦で完封勝利を収めたオリックスは田嶋大樹投手(26)が先発した。先制はヤクルト。一回1死一、二塁から今シリーズ絶好調のホセ・オスナ外野手(29)の中前打で先制。さらに二回にはドミンゴ・サンタナ外野手(30)の1号ソロで2点目を加えた。オリックスは四回2死一、二塁で、紅林弘太郎内野手(20)が中前打を放ち、1点をかえした。さらに若月健矢捕手(27)も左翼線への二塁打で続いて、同点に追いついた。さらに五回、吉田正尚外野手(29)が中堅へ1号ソロを放って、勝ち越した。

◆オリックスが四回に同点とした。0-2の四回、1死から杉本と宗が連打で一、二塁。太田は1球目から手を出したが、痛烈な遊直。2死となり、紅林が打席に立った。追い込まれながらも、最後は138キロ直球を中前へ。反撃の適時打となりに、一塁上で両手を掲げた。「打ったのは真っすぐです。追い込まれていたので、とにかく食らいついていくことだけを考えていました。何とか外野まで抜けてくれてよかったです」なお2死一、二塁で若月だ。132キロの変化球に反応し、左翼線に運んだ。適時二塁打となり2-2の同点とした。「打ったのはカットボールだと思います。みんなでつないできたチャンスの場面でしたし〝執念〟で打ちました!」と振り返った。

◆オリックスが五回に勝ち越した。吉田正尚外野手(29)が勝ち越しのソロアーチを放った。「打ったのは真っすぐです。しっかりと1球で仕留めることができてよかったですし、何とか流れを変えることができてよかったです!」0-2の四回、紅林と若月の連続適時打で追いついた。そして、五回1死だ。吉田正が左腕・山下の137キロを一閃。弾丸ライナーでバックスクリーン右に飛び込んでいった。オリックスは今シリーズ、まだ0本塁打。26日の第4戦で1勝目を挙げたものの「1-0」という薄氷の勝利だった。一発がほしかったところで、ほしかった男に生まれた。

◆2勝1敗1分で迎えたヤクルトは2022年D1位・山下輝投手(23)=法大、第4戦で完封勝利を収めたオリックスは田嶋大樹投手(26)が先発した。先制はヤクルト。一回1死一、二塁から今シリーズ絶好調のホセ・オスナ外野手(29)の中前打で先制。さらに二回にはドミンゴ・サンタナ外野手(30)の1号ソロで2点目を加えた。オリックスは四回2死一、二塁で、紅林弘太郎内野手(20)が中前打を放ち、1点をかえした。さらに若月健矢捕手(27)も左翼線への二塁打で続いて、同点に追いついた。さらに五回、吉田正尚外野手(29)が中堅へ1号ソロを放って、勝ち越した。しかしヤクルトは直後の六回、3番手の近藤大亮投手(31)を攻め、2死二塁から長岡秀樹内野手(20)の右前打で同点。さらに2死一、二塁から青木宣親外野手(40)の一塁線を破る二塁打で勝ち越した。

◆ヤクルトが日本シリーズでは史上初の珍記録をマーク。五回の攻撃で1イニング2併殺打を記録した。五回先頭打者、青木の中前打と続く山田の四球で無死一、二塁。4番・村上が一塁ゴロ併殺打となったが、一塁カバーに入った投手・田嶋が捕球ミスで村上が生き残った。なおも1死一、三塁で5番・オスナが遊ゴロ併殺打に倒れ、1イニング2併殺打をマーク。レギュラーシーズンでは両リーグ合わせて通算6度あるが、日本シリーズでは史上初めてとなった。

◆2勝1敗1分で迎えたヤクルトは2022年D1位・山下輝投手(23)=法大、第4戦で完封勝利を収めたオリックスは田嶋大樹投手(26)が先発した。先制はヤクルト。一回1死一、二塁から今シリーズ絶好調のホセ・オスナ外野手(29)の中前打で先制。さらに二回にはドミンゴ・サンタナ外野手(30)の1号ソロで2点目を加えた。オリックスは四回2死一、二塁で、紅林弘太郎内野手(20)が中前打を放ち、1点をかえした。さらに若月健矢捕手(27)も左翼線への二塁打で続いて、同点に追いついた。さらに五回、吉田正尚外野手(29)が中堅へ1号ソロを放って、勝ち越した。しかしヤクルトは直後の六回、3番手の近藤大亮投手(31)を攻め、2死二塁から長岡秀樹内野手(20)の右前打で同点。さらに2死一、二塁から青木宣親外野手(40)の右翼線を破る二塁打で勝ち越した。長岡は「打ったのはストレート。本当にチームに迷惑を掛けているので何とかしたかった。気持ちで押し込みました」とコメントを寄せ、青木は「打ったのはフォーク甘くきたところは全部打ちにいくという気持ちで打席に入りました。良いところを抜けてくれて良かったです」と語った。

◆ヤクルト先発の2022年ドラフト1位・山下輝投手(23)=法大=は5回7安打3失点で降板した。三回までは要所を締めた投球でスコアボードに0を並べたが四、五回と連続で失点を喫した。四回は2死一、二塁で8番・紅林に中前適時打を打たれ、2-1。さらに9番・若月にも左翼線二塁打を浴び、同点に追い付かれた。続く五回には相手の主砲、4番・吉田正に日本シリーズ1号となる勝ち越しソロを被弾。1ボールから真ん中に甘く入った137キロの直球を完璧に中越えに運ばれた。ただ直後の味方の攻撃で長岡が同点打、青木の勝ち越し打で2点を奪い、チームは逆転した。

◆オリックス・田嶋大樹投手(26)は4回?を投げ2失点で降板した。一回に安打と四球で1死一、二塁。4番の村上は144キロ直球で空振り三振。しかし続くオスナに中前に運ばれ先制を許した。二回1死にはサンタナにソロを浴びて0-2とされ、2-2で迎えた五回1死一、三塁で降板した。「立ち上がりから先制点を許してしまい、苦しいピッチングになってしまいました。後を抑えてくれた比嘉さんもそうですし、野手陣がバックで盛り立ててくれていただけに、もっと粘り強く投げたかったです」とコメントした。

◆オリックス・阿部翔太投手(29)が無失点でバトンをつないだ。4-3の六回2死二、三塁から登板。山田を中飛に仕留め、最少失点で切り抜けた。七回も続投となった。先頭の村上にはフルカウントの末、四球。オスナを左飛としたが、キブレハンには右翼線に二塁打を浴びた。1死二、三塁。外野フライも許されない状況で、中村を迎えた。引っかけさせると、前進守備の遊ゴロで本塁封殺。またしても2死二、三塁となりサンタナだ。最後は外角に変化球を落とし、空振り三振で追加点を与えなかった。阿部は23日の第2戦(神宮)で3-0の九回に3ランを被弾。チームは痛恨の引き分けとなっていた。最高のリベンジで、何度も拳を握った。今季44試合登板で防御率0・61。29歳の苦労人が、魂の投球を見せた。

◆ヤクルト先発の2022年ドラフト1位・山下輝投手(23)=法大=は5回7安打3失点で降板した。三回までは要所を締めた投球でスコアボードに0を並べたが四、五回と連続で失点を喫した。四回は2死一、二塁で8番・紅林に中前適時打を打たれ、2-1。さらに9番・若月にも左翼線二塁打を浴び、同点に追い付かれた。続く五回には相手の主砲、4番・吉田正に日本シリーズ1号となる勝ち越しソロを被弾。1ボールから真ん中に甘く入った137キロの直球を完璧に中越えに運ばれた。ただ直後の味方の攻撃で長岡が同点打、青木の勝ち越し打で2点を奪い、チームは逆転した。「初めての日本シリーズで凄く緊張しました。とにかく一人一人攻めていこうという気持ちで一生懸命投げました」とコメントした。

◆オリックスが逆転サヨナラ勝ちを収めて、対戦成績を2勝2敗1分とした。1点を追う九回、ヤクルトのスコット・マクガフ投手(32)を攻め、安達了一内野手(34)の四球と犠打で1死二塁。ここで西野真弘内野手(32)の投ゴロをマクガフが一塁悪送球(記録は内野安打とマクガフの失策)し、二走安達が一気に生還し、同点に追いついた。さらに2死一塁で吉田正尚外野手(29)が2号2ランを放ち、鮮やかなサヨナラ勝ちを収めた。両チームは28日の移動日を挟んで、29日に神宮で第6戦を行う。

◆ヤクルトが九回、吉田正にサヨナラ2ランを浴びて連敗を喫した。対戦成績は2勝2敗1分けのタイとなり、シリーズの決着は30日の第7戦(神宮)以降になることが確定した。今季の日本シリーズは、第7戦までは延長十二回で打ち切り。第8戦以降は延長回の制限なし。引き分けがあり、第7戦で優勝が決定しない場合は、翌日に第7戦を行った球場(神宮)で第8戦を行う。さらに第9戦が必要な場合は、1日移動日を設け、もう一方のチームの球場(京セラ)で行う。第8戦が行われたのは西武と広島が戦った1986年の1例のみ。

◆オリックスが逆転サヨナラ勝ちを収めて、対戦成績を2勝2敗1分とした。1点を追う九回、ヤクルトのスコット・マクガフ投手(32)を攻め、安達了一内野手(34)の四球と犠打で1死二塁。ここで西野真弘内野手(32)の投ゴロをマクガフが一塁悪送球(記録は内野安打とマクガフの失策)し、二走安達が一気に生還し、同点に追いついた。さらに2死一塁で五回にソロを放ったいた吉田正尚外野手(29)が2号2ランを放ち、鮮やかなサヨナラ勝ちを収めた。「感無量です。(入った瞬間は)いや、もう感無量です」とお立ち台で語った。両チームは28日の移動日を挟んで、29日に神宮で第6戦を行う。

◆過去72度の日本シリーズで2勝2敗(引き分けを含む)となったケースは過去に27度あり、先に2勝して追い付かれたチームが15度、約56%の確率で日本一になっている。ただ、2連勝で追い付いたのは13度で、そのうち6度が逆転で栄冠に輝いている。オリックス(阪急時代を含む)、ヤクルトともに、2勝2敗になった例は両チームが対戦した1978年のみで、4戦目で追い付いたヤクルトが4勝3敗で競り勝ち、初の日本一をつかんだ。

◆オリックスが逆転サヨナラ勝利で対戦成績を五分に戻した。九回2死一塁、吉田正尚外野手(29)が右翼席へサヨナラ2ラン。この日2本目となる本塁打で試合を決めた。試合後、ヒーローインタビューに応じた。ーー吉田正尚選手です!「ありがとうございます」ーー今の気持ち「感無量です!」ーーここしかない場面で回ってきた。どんな気持ちで打席へ「西野選手が気迫のつなぎで何とか打席が回ってきた(九回1死二塁の内野安打が敵失を誘って同点に)。2死一塁でしたし、自分のスイングを心掛けて打席に入りました」ーー入った瞬間の気持ちは「もう感無量です」ーー打った瞬間はベンチを見た。総立ちだったが、あの光景を見て「もう、はい。うれしかったです」ーー生還したときは感情を爆発させていた「本当にみんなで勝ちを取るために必死に一戦一戦、戦っているので。みなさんで喜びを分かち合えたのが非常にうれしく思います」ーー勝敗をタイに戻して、敵地での試合へ「きょうで最後の京セラドームの試合だったんですけど、たくさんの方に応援いただいた。またタイに持ち込めたので、また神宮でも一戦必勝で戦っていきたいと思います!」ーー午後10時を過ぎても多くのファンが残っていた。日本一に向けて、改めて力強い一言を「もうちょっとしんどくなってきましたけど、体も(笑)。(日本一の)チャンスをつかめるところまできていますけど。あと2勝ありますけど、まずは1勝を目指して。あさってですね、頑張っていきます!」

◆オリックスが逆転サヨナラ勝利で対戦成績を五分に戻した。九回2死一塁、吉田正尚外野手(29)が右翼席へサヨナラ2ラン。この日2本目となる本塁打で試合を決めた。中嶋聡監督(53)が勝利監督インタビューに応じた。一問一答は以下の通り。ーー激戦を終えた今の気持ち「本当にすごい試合になりました」ーー九回2死一塁、吉田正がサヨナラ2ラン。打った瞬間の気持ちは「いや、終わったなと」ーー吉田正がベンチに帰ってきて、なんという声をかけたのか「なんていったか、覚えていないです。今」ーーシーソーゲームな展開だった「はい。いろんなミスとかありましたけど、最後はこういう形になれたのはよかったです。もう一回締め直します」ーー勝敗を五分に戻し、今度は敵地に戻る「なかなか勝てなかったですけど、これでタイになりました。あとは勝ち抜くだけだと思います」

◆オリックスがサヨナラ勝利で対戦成績を五分に戻した。九回2死一塁、吉田正尚外野手(29)が右翼席へサヨナラ2ラン。この日2本目となる本塁打で試合を決めた。あまりにも劇的すぎる一発。これにはソフトバンク・千賀も自身のツイッター(@kodaisenga)で「鳥肌たった」と更新。試合終了から6分後のツイートであるだけに、おそらく吉田正の劇弾のことだろう。日本一を決める戦いは、2022年に頂点をつかめなかった他球団の選手たちも注目している。

◆ヤクルトの抑え、スコット・マクガフ投手(32)が4-3で登板した九回に3失点。相手の主砲・吉田正にサヨナラ本塁打を浴び、リードを守れなかった。勝てば王手だったが、守護神が崩れた。先頭の代打・安達に四球を与え、続く福田に犠打を決められ、1死二塁。2番・西野の投手強襲安打で一塁への自らの悪送球も重なり、同点に追い付かれた。3番・中川圭は空振り三振に仕留め2死までこぎつけたが、続く吉田正に1ストライクからの139キロのスプリットを被弾。完璧に捉えられ、右翼5階席へ運ばれた。

◆オリックスが逆転サヨナラ勝ちを収めて、対戦成績を2勝2敗1分とした。1点を追う九回、ヤクルトのスコット・マクガフ投手(32)を攻め、安達了一内野手(34)の四球と犠打で1死二塁。ここで西野真弘内野手(32)の投ゴロをマクガフが一塁悪送球(記録は内野安打とマクガフの失策)し、二走安達が生還し、同点に追いついた。さらに2死一塁で吉田正尚外野手(29)が2号2ランを放ち、鮮やかなサヨナラ勝ちを収めた。両チームは28日の移動日を挟んで、29日に神宮で第6戦を行う。データBOXは以下の通り。?オリックスが対戦成績を2勝2敗1分けのタイにした。シリーズで2勝2敗に追いついたケースは過去27度のうち、日本一が12度で優勝確率は44・4%。オリックスのように2連敗から2連勝で追いついたケースは過去13度のうち、日本一が6度で優勝確率は46・2%。?吉田正が九回にサヨナラ2ラン。日本シリーズでのサヨナラ本塁打は、18年第5戦のソフトバンク・柳田悠岐(十回)以来4年ぶり17人目(18本目)。オリックス(前身を含む)では初めて。4番打者のシリーズサヨナラ弾は1971年第3戦の巨人・王貞治(九回)、08年第2戦の巨人・ラミレス(九回)、18年の柳田に次いで4人目。?吉田正のシリーズサヨナラ安打は昨年第1戦(九回に二塁打)以来2度目。シリーズでサヨナラ打を2度記録したのは、64年第4戦と66年第5戦の南海・ハドリ(いずれも本塁打)以来56年ぶり2人目で、2年連続でマークしたのは吉田正が初めて。?シリーズでサヨナラ本塁打を含む1試合複数本塁打は03年第4戦の阪神・金本知憲以来19年ぶり2人目で、パでは初。?サヨナラ試合は昨年第1戦(オリックス4-3ヤクルト、九回)に次いで41度目。オリックスでは69年第2戦(○2-1巨人、十回に長池徳二の単打)、昨年第1戦に次いで3度目。

◆七回から3番手でマウンドに上がったヤクルト・清水が2回をパーフェクトに抑えた。七回は3番・中川圭を遊ゴロ、吉田正を一ゴロ、杉本を二飛で三者凡退。八回も太田から空振り三振を奪うなど3人で締めた。高津監督は「先を考えていないので今できる最善策をとったつもりです」と、回またぎをさせた理由を説明した。

◆劇的な幕切れで終わった第5戦で、ある〝神実況〟が生まれた。それは、ヤクルトが1点を追う六回2死二塁で、9番・長岡秀樹内野手(21)が右前適時打を放ったシーン。オリックスが五回に吉田正の一発で1点を勝ち越した直後だっただけに、球場全体が勝敗の行方がどうなるのかわからずにいた。この日はフジテレビ系列で中継され、実況を担当した関西テレビ・石田一洋アナウンサー(42)が「野球の神様はまだ今日の勝者を迷っています」と両者譲らぬ白熱した試合の様子を現地から伝えた。すると、ツイッター上では「最高すぎる」「実況オシャレすぎて好き」「なんそのかっこいい実況」などの投稿が相次ぎ、ツイッターの「日本プロ野球のトレンド」となった。

◆32歳の苦労人が大仕事だ。「2番・二塁」で出場した西野は3-4の九回1死二塁、マクガフを強襲する内野安打で一塁にヘッドスライディング。マクガフの悪送球を誘って同点とした(打点はなし)。「みんな、(試合が)終わるまでは諦めない、という雰囲気だった」。5打数1安打ながらも今シリーズ打率・455とラッキーボーイ的な存在になっている。

◆『とんでもない制球力でプロでも完全試合やっちゃう説』―。日本ハムにドラフト2位で指名された金村尚真投手(22)=富士大=が27日、岩手・花巻市の同大キャンパスで大渕隆スカウト部長、白井康勝スカウトのあいさつを受けた。「コントロールが持ち味なので、そこで勝負していきたい。長く活躍できる選手になりたい」小さなテークバックの投球フォームから最速150キロの直球と多彩な変化球を操る本格派右腕。低い与四球率と巧みな投球術を誇り、3年春の北東北大学リーグ戦で完全試合を達成した。「そういうことができる投手になれば、日本を代表する選手になれる」と、プロでも偉業達成を狙う。お笑いコンビ、ダウンタウンの松本人志(59)が好きで、ぶっ飛んだ仮説を検証していくバラエティー番組『水曜日のダウンタウン』のファン。「元気をもらえる。試合で打ち込まれたときとかによく見ます」と笑顔を見せた。「ここでリリースしたらここに行くだろうという自分の感覚がある。そのリリースに合わせるだけ」と制球力に絶対の自信を持つ。〝プロの舞台でも活躍できる説〟を立証する。(箭内桃子)

◆オリックス・中嶋監督はいつも正直だ。クールなインタビュー、でもちょっぴりほほ笑んでしまう。「本当にすごい試合になりました」劇的な試合の感動を、そのまま言葉に表すと「すごい試合」になる。そして、「すごい試合」にしたのが、ナカジマジック。オリックスファンが歓喜の涙を流し、うなってしまう継投だった。名采配だった。そして、劣勢を耐え、最後の最後に歓喜のドラマに導いたのは、救援陣のリレーだ。屈辱を味わった男たちが、すさまじい闘志のマウンドを披露した。五回1死一、三塁。先発・田嶋に代わって登場した〝右キラー〟比嘉が絶好調オスナを遊ゴロ併殺に。同点にした直後の絶好調男斬りは圧巻だった。そして、あの男が悔しさを晴らした。再逆転された直後の六回2死二、三塁で登板した阿部が、山田を中飛に仕留めてピンチをしのぐと、続く七回も1死二、三塁とされながら後続を断った。第2戦、3点リードの九回に登板しながら、悪夢の同点3ランを浴びて守護神失敗。シーズン防御率0・61を誇った絶対的な男が味わった屈辱は、この踏ん張りで、もう忘却のかなただ。初戦、村上に一発を食らった平野佳もお返ししてくれた。八回に登場してゼロでバトンをつないだ。逆転を信じた3人斬りが、奇跡を呼んだ。もちろん、九回を3人で締めたワゲスパックもヒーローだ。中嶋監督は前日に好救援をみせた宇田川と山崎颯をベンチ外とし、今季限りで引退する兼任投手コーチの能見をベンチ入りさせた。リベンジを期待して、その通りのマウンドを披露した阿部を、もっともっと褒めるのかと思ったら...。「阿部は抑えるのが仕事ですから」本当はこれぐらいの仕事をして当然ですよ、と言いたかったのだろう。2勝2敗1分け。対戦成績を五分にして、最終決戦の舞台に向かう。これ以上ないムードで。「いろんなミスとかありましたけど、最後はこういう形になれたのはよかったです。もう一回締め直します。あとは勝ち抜くだけだと思います」采配を振るえば、選手が期待に応える。そう、あとは神宮で舞うだけ-。(上田雅昭)

◆0-2の四回、試合を振り出しに戻したのは紅林と若月。2死一、二塁に紅林が中前打。「追い込まれていたので、とにかく食らいついていくことだけを考えていました。抜けてくれてよかったです」。1点差に迫ると、続く若月が左翼線に適時二塁打を放ち同点とした。「みんなでつないできたチャンスの場面だったので、執念で打った」。遊撃手の紅林は一回2死一、二塁の守備でもオスナの三遊間の打球を好捕。攻守にチームを救った。

◆2試合連続スタメンの青木が勝負強さを発揮した。同点となった六回2死一、二塁。一時勝ち越しの適時二塁打を放った。「甘くきたところは全部打ちにいくという気持ちで打席に入った。良いところを抜けてくれてよかった」カウント1-1から近藤の135キロのフォークを強振。打球は右翼線を破り、二塁上で雄たけびを上げた。一回に右前打、五回には中前打を放ち、1試合3安打をマーク。40歳9カ月での猛打賞は1996年第1戦の巨人・落合博満(42歳10カ月)に次いで2番目の年長記録となった。昨季のシリーズ第2戦では八回に先制打を放った。「1年前という感じがしない。それくらい鮮明に覚えている。そういう場面でやっぱり打ちたい」と話していた青木。本拠地でも価値ある一打を放つ。

◆まさかの光景だった。ヤクルトは、1点リードの九回に守護神のスコット・マクガフ投手(32)が自身の悪送球で同点とされ、吉田正にサヨナラ2ランを被弾。勝利目前で敗戦を喫した。対戦成績が2勝2敗1分けとなり、勝負は神宮球場での第6、7戦に持ち込まれた。高津臣吾監督(53)は「全力で戦いたい」と決意表明。本拠地で巻き返し、球団初の2年連続日本一をつかむ。右翼席へ伸びる飛球を呆然(ぼうぜん)と見つめるしかなかった。九回2死一塁、マクガフが吉田正にサヨナラ2ランを被弾。高津監督は?を紅潮させつつ、最後の場面を淡々と振り返った。「先頭のフォアボールが痛かった。取れるアウトは取らないといけないですね」マクガフは1点リードの九回に登板。だが先頭の代打・安達に四球を与え、犠打で1死二塁。西野のゴロの処理を焦って一塁へ悪送球し、同点とされた。2死後、吉田正に失投を捉えられた。シーズンでリーグ2位の38セーブを挙げた守護神は第4戦までは2試合に登板して無失点。昨年の第1戦でサヨナラ打を浴びた吉田正に再びつかまった。昨年の第1、5戦でも九回に失点して2敗。救援での通算3敗目はシリーズワースト記録となった。2連敗を喫したが、対戦成績は2勝2敗1分けのタイ。球団初となる2年連続日本一へ、チーム一丸となって戦う。この日の試合前の円陣では青木の呼び掛けで、三塁ベンチ前で肩を組んで一つになった。先発の山下は5回3失点と試合をつくり、助っ人のオスナとサンタナが躍動。長岡にシリーズ初打点が出れば、青木は3安打と気を吐いた。12安打はオリックスの11安打を上回った。決戦の場が変われば、流れも変わる。移動日を挟み、29日からは神宮球場での戦いが始まる。今季、本拠地で戦ったクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズは4勝1分け。昨年のCSを含めると6勝2分けと無敗だ。「先は見えているので、全力で毎試合戦うのみ。勝負しているので、勝つか負けるかはやってみないとわからないけど、全力で戦いたい」高津監督は並々ならぬ覚悟を示した。背番号22が神宮で舞う日をみんなが夢見ている。(赤尾裕希)

◆ヤクルトのドラフト1位・山下輝投手(23)=法大=が球団の新人投手では1992年の石井一久以来、30年ぶりに日本シリーズで先発登板し、5回7安打3失点の力投をみせた。球団初の新人投手による勝利投手とはならなかったが、レギュラーシーズンは2試合(1勝1敗)の登板に終わった左腕が存在感を放った。青木宣親外野手(40)は3安打を放ち、40歳9カ月での猛打賞はシリーズでは2番目の年長記録となった。全身全霊を込めて腕を振った。1年目の山下はチームのサヨナラ負けで白星は逃したが、堂々の投球で大役を全うした。「初めての日本シリーズですごく緊張しました。とにかく一人一人攻めていこうという気持ちで一生懸命投げました」試合の主導権は渡さなかった。打者の手元で細かく動くワンシームを武器にオリックス打線を打ち取った。2点リードの四回2死一、二塁から紅林に中前適時打、若月に適時二塁打を許して2失点。五回は吉田正にソロ本塁打を浴び、5回7安打3失点で降板したが、直後の攻撃で青木が勝ち越し打を放って勝利投手の権利を得た。球団初の新人投手による白星とはいかなかったが、高津監督は「すごくいい投球だった。この経験が来年に生きると思う」と評価した。挫折を乗り越えて、大舞台までたどり着いた。法大からドラフト1位で入団。昨秋に左尺骨の疲労骨折をした影響で出遅れ、レギュラーシーズンは2試合の登板のみ。9月30日の広島戦(マツダ)で七回途中無失点でプロ初勝利をつかんだことで、球団の新人選手では1992年の石井一久以来、30年ぶりの日本シリーズでの先発登板のチャンスを得た。同じ左腕で42歳の石川からは登板前に「こんな経験は1年目からできない。楽しく思い切りやるだけ」と声をかけられた。ベテランの助言を胸に、力を出し切った。(森祥太郎)

◆先発した田嶋は4回1/3を投げて2失点。一回2死一、二塁でオスナに中前適時打、二回1死にはサンタナにソロを許した。「野手陣がバックでもり立ててくれていただけに、もっと粘り強く投げたかった」と反省。五回1死一、三塁とされて降板し、比嘉にスイッチ。比嘉はオスナを遊ゴロ併殺打に斬った。リリーフ陣の踏ん張りが、吉田正の劇弾を呼んだ。

◆なにわが沸いた!! 「SMBC日本シリーズ2022」は第5戦が行われ、オリックスが6―4でヤクルトにサヨナラ勝ちし、対戦成績を2勝2敗1分けとした。3―4の九回に失策が絡んで追い付くと、吉田正尚外野手(29)がこの日2本塁打目となる2ランを放ち、試合を決めた。28日は移動日で、29日に神宮球場で第6戦が行われる。白球が高々と舞い上がる。スタンドインを確信した吉田正はゆっくりと歩を進め、大興奮の一塁ベンチに人差し指を突き出した。三塁ベースを回るとヘルメットを投げ捨て、ペットボトルを手に待ち構えるナインの輪の中心に飛び込む。主砲が決めた。日本シリーズ球団初となる特大のサヨナラ弾で、勝敗を2勝2敗1分けのタイに持ち込んだ。「いやもう、感無量です。本当にみんなで勝ちを取るために一戦一戦、戦っているので、それを皆さんで喜びを分かち合えたのは非常にうれしく思います」お立ち台で満面の笑みを浮かべた。日本球界の頂上決戦で浴びた歓喜のウオーターシャワー。「染みました」と喜んだ。九回、4─4の同点とし、なおも2死一塁で打席が回ってきた。ヤクルト守護神、マクガフが投じた2球目。139キロのスプリットを豪快に振り抜いた。打球は大きな放物線を描き、右翼5階席に着弾。「こういう短期決戦で、欲しい場面で打てるのはうれしい」と白い歯を見せた。2─2の五回1死ではバックスクリーン右へ一時勝ち越し弾。昨年も含め、待望の日本シリーズ1号が飛び出した。第4戦まで安打は2本で、2度の申告敬遠を含む7四球と勝負を避けられる場面も目立った。「しっかり厳しいところを攻められて、自分のスイングをなかなかできず、そこで吹っ切れた。相手より自分のこと。甘いところを一球で仕留めていく」とシンプルな思考に変え、1試合2発につなげた。敗れれば日本一に王手をかけられ、崖っぷちとなる危機を救ってくれた主砲に、中嶋監督も「助かりました」と感謝した。この日は特別な一戦でもあった。長年、チームを裏方として支えてくれたスタッフの上岡千夜子さん(68)と、藤田義隆通訳(65)にとって、〝ラストゲーム〟。前日26日の練習中には選手会長の吉田正が音頭を取り、ささやかな〝送別会〟を開き、2人に「ありがとうございました オリックス選手会一同」と書かれた特別ユニホームと花束を贈った。「長年、球団を支えてくださったレジェンド。なかなか表舞台というわけじゃないですけど、選手をずっとサポートしてくれていた。そういう方たちに感謝という気持ちをみんな持ちながらやっています。さみしい気持ちもありますけど...」と吉田正。決して一人じゃない。選手、首脳陣、スタッフ、そしてファン。全員で戦っている。チームの合言葉は全員で勝つ。その先に、26年ぶりの日本一が待つ。吉田正尚のバットが道を切り開く。(西垣戸理大)

◆野球は筋書きのないドラマといわれる。途中までは確かに、どちらに流れが向くかわからなかった。それが最後の最後、筋書き通りになった。エモトはそう、捉えたよ。九回のマクガフだ。吉田正に0-1からの2球目。まだ球を散らせるカウントなのに、フォークボールが真ん中の高めに抜けて、サヨナラ2ラン。昨年の日本シリーズ第1戦(京セラ)でサヨナラ二塁打を浴びた記憶があり、明らかに意識していた。投手たる者、意識するなといわれても意識する。意識したからこそ、甘い絶好球になってしまったのだ。そこに至るまでも、吉田正に回したら...との思いがちらついたはず。先頭の安達を簡単に四球で歩かせ、送りバントを決められ、1死二塁。得点圏に走者を背負ったプレッシャーも加わる。西野の打球をはじき、さらに一塁悪送球で同点を許したのも、意識と重圧が大きく影響している。だから、筋書きがあったかのような結末を迎えた、というわけだ。今シリーズはどこか、スッキリしないと感じていた。やっと、送りバントがしっかり決まった上での劇的決着。小技に大技。脇役に主役。野球は、こうでなくては。第6戦から神宮に戻るとはいえ、オリックスの勢いからみて、まさに五分と五分。面白くなったよ。(本紙専属評論家)

◆強いっていいな。すごい試合してるなあ。お客さんがいっぱいだなあ。うらやましがってばかりいます。日本シリーズ第5戦の京セラドームはチケットがまた完売。第3戦、第4戦に続いての大入り満員でした。「あとは生の声援ですね。ヤクルトなら『ヤマ~ダ、テツト!!』とか。オリックスだったら『マ~サタカ!!』とか。あれが戻ったらもっといいのになと思います」満員のスタンドを見るオリックス担当西垣戸理大の声も弾んでいます。その「マ~サタカ!!」にシリーズ1号の勝ち越しソロが出ました。逆転されたものの、九回、安達が選んで西野が食らいついて同点。2死から吉田尚が2号サヨナラ2ランを放ってオリックスが勝敗をタイにしました。28日は移動日。29日から敵地・神宮で第6戦以降を戦います。西垣戸に「荷物どうすんの?」と聞くと、「何が言いたいのかわかりますよ」と笑われました。第2戦が延長十二回3-3の引き分けでした。日本シリーズの規定では『引き分け試合があったことにより、第7戦を行ってなお優勝が決定しない場合には翌日、第7戦を行った球場で第8戦を行う』となっています。移動日を入れて3泊4日の東京滞在が、1日延びる可能性があるのです。「3泊分の荷物でいきます。第8戦があったらそのときは(着替えを)買うか、コインランドリーにいきますよ」36年前の私もそうでした。1986年の広島-西武の日本シリーズは史上初めて第8戦までもつれこみました。第1戦(広島市民)が当時のシリーズ規定の延長十四回で2-2の引き分け。第2戦から広島が3連勝したとき、そのあと西武が4連勝するとは考えもしなかったので、終盤(移動日プラス第6、7、8戦)の広島出張でコインランドリーに走ったことを思い出しました。ただ、どっしりと構えている西垣戸ですが、第1、2戦の出張の際は失敗もしています。「東京出張が今年は前回が初めてで、『あれ、いつもどこに泊まってたっけ』になって、よく知らないところに泊まったんです。試合の帰りに地下鉄の乗り換えがあったんですが、久々の東京の人いきれに満員の車内で苦しくなって、降りるはずじゃない永田町で途中下車してしまいました」駅の外に出てタクシー乗り場を探しましたが、官庁街です。電車内とは対照的に国会議事堂の前を夜中に歩いているのは西垣戸だけでした。「真っ暗な中をひとりで歩いているのであやしまれました。視線が怖くて警備員さんみんなに会釈して通り過ぎました」今回はちゃんと乗り換えのない場所のホテルを予約しているそうです。ちなみに、86年の日本シリーズで第8戦があったのが10月27日でした。ちなみにをもうひとつ言うと『第8戦以降は延長回の制限を設けない』ことになっているので、3勝3敗1分けで第8戦を迎えれば必ず決着がつきます。しかし、もしも第7戦までにもう1試合引き分けがあって、3勝3敗2分けになったりすると、第9戦が行われます。その場合は『1日移動日を設け、もう一方のチームの球場で行う』となっています。大阪に戻ってくるので、さらなる東京滞在やコインランドリー通いは必要ありませんが、両チームとも粘り強いから、もしかすると...。来年は、そんな心配を阪神でしたい。もうね、どんなこともうらやましいんですよ。

◆劇的な逆転サヨナラ勝利で2勝2敗1分けのタイに持ち込んだオリックス。幕切れ同様、試合前から驚かされた。第4戦で今シリーズ初勝利をもたらした救世主ともいえる宇田川、山崎颯がベンチ入りメンバーから外れた。第4戦で両投手ともに複数回にまたがり30球以上を投じた。ただ、両投手ともに今シリーズの登板はまだ2試合。ヤクルト・高津監督が今シリーズ3試合目の登板となった第4戦で2回26球を投げた木沢を第5戦でもベンチ入りさせたのとは対照的だった。言うまでもなく、オリックスの最大のストロングポイントは救援陣。NPB最速平均が151キロとされる中、山崎颯が最速160キロ、宇田川、ワゲスパックが159キロ、本田が158キロ、近藤が154キロ、阿部が153キロ...。パワーピッチャーをそろえる中でも、今シリーズは山崎颯と宇田川が〝エース級〟だった。 勝てばタイ、負ければ崖っぷちに追い込まれる勝負の第5戦でも中嶋監督はぶれない。第2、3戦と連投していた近藤、比嘉を第4戦で外したように、迷うことなく山崎颯と宇田川をベンチ外とした。この日の勝利で今シリーズの流れは明らかにオリックスに傾いた。28日の移動日を挟んで山崎颯、宇田川に2日間の完全休養が与えられたのも大きい。ただ、ヤクルトにも意地がある。1986年の西武-広島以来、シリーズ史上2度目の第8戦までもつれこむことも予想される。その36年前。思い出されるのが西武・伊東勤のエピソードだ。前年のハワイ優勝旅行である女性と出会うが、野球にあまり興味のない彼女とは帰国後は没交渉。しかし、86年のシリーズ第6戦で顔面に死球を受けた伊東の姿をたまたまテレビで見た彼女がお見舞いの連絡を入れたことで交際がスタート。その彼女こそが加代子夫人である。まさにラブ・ストーリーは突然に、である。患部の熱を取るために一晩中、馬肉を張って過ごした伊東は第7、8戦にも出場。4勝3敗1分けで、見事日本一に輝いた。昨年の大晦日。BSフジで「The GAME~震えた日~」として題して放送されたのが86年の日本シリーズ。野球ファンは神宮で「震える」ことを楽しみにしている。(編集委員・東山貴実)

◆ヤクルトバッテリーはこれまで吉田正尚選手をうまく攻めていましたが、第5戦になってアジャストされました。その結果がサヨナラを含む2本塁打に表れました。吉田選手は際どいコースを攻められてスイング数自体が少なく、第3戦までは本来の力とは遠く映っていましたが、試合を重ねて、第4戦からは徐々に感覚をつかんだ。第6戦以降は、ヤクルトにとってはさらに手ごわい打者となるでしょう。ヤクルトは先発した山下投手の投球がオリックス打線を翻弄しました。オリックスは第4戦で積極的にスイングを仕掛け、少し状態が上向きつつあるのではないかと見ていました。しかし、この日は積極的なスイングが結果的に山下投手の術中にはまる形に。スライド気味の直球に加え、カットボールとワンシームでバットの芯をずらし、内野ゴロに打ち取りました。中村捕手がカーブを有効的に使い、カウントを稼ぐなど初見の投手としては理想的な立ち上がりでした。ヤクルトは第4戦で打線が無得点でしたが、第5戦で12安打と活発。長打や安打が出なくとも村上選手による影響は多大です。今季残した圧倒的な成績は他の打者にもプラスに働きます。相手の心理としては、村上選手の前の打者は塁に出したくなくゾーン内の勝負が増える。後ろの打者であればマークが薄くなる。村上選手との勝負を避け、四球となれば、球数がかさみチャンスが生まれる。一人の打者でこれだけ相手に負荷をかける選手はなかなかいません。彼の成長はそばにいても日々感じるところがありました。1軍に定着したプロ2、3年目はあまりの負けず嫌いに驚きました。1打席にかける集中力がすさまじく、無安打だった試合後はロッカールームで世界の終わりと言わんばかりの表情でうなだれていました。年間500打席近く立つレギュラー選手でそれだけ1打席にかけられる姿勢は、他の選手との違いを感じました。そして昨年、今年はその姿勢に変化が見られました。負けず嫌いの姿勢が表に出なくなったのです。気持ちは変わらずとも1打席、1試合を終えるごとにリセットされ、いい意味での切り替えができるようになってきました。第3戦でも記した山田選手のように日々、同じ精神状態で過ごせている。これがこの年齢でできているのは驚異的なことです。練習前のルーティンも確立され、いつも決まった時間に決まった調整、練習、ケアをしています。プロで活躍するために必要な要素をすでに満たし、今後もまだまだ上を目指せる選手だと思っています。(坂口智隆)

◆オリックスは28日、チームが11月3日に御堂筋で開催される「大阪・光の饗宴 2022 開宴式」に参加し、優勝パレードを実施すると発表した。中嶋監督を始め、首脳陣、選手らが御堂筋イルミネーションの点灯セレモニーに加わり、パレードを行う。昨年はコロナ禍の影響で京セラドーム内に御堂筋を模した装飾を施し、〝バーチャル〟での優勝パレードとなった。今年は〝リアル〟でのパレードに。当日はBsGirlsやバファローブル&ベルも駆けつける。26年ぶりの日本一を目指し、ヤクルトとの日本シリーズに臨んでいるチームは27日、吉田正の劇的サヨナラ弾で2勝2敗1分とし、29日は神宮での第6戦に挑む。

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