オリックス(★1対7☆)ヤクルト =日本シリーズ3回戦(2022.10.25)・京セラドーム大阪=
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ヤクルト
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ORIX
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勝利投手:高橋 奎二(1勝0敗0S)
敗戦投手:宮城 大弥(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】山田 哲人(1号・5回表3ラン)

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◆ヤクルトは両軍無得点の5回表、山田の3ランで先制に成功する。1点を加えて迎えた9回には、村上の適時二塁打などで3点を挙げ、試合の大勢を決めた。投げては、先発・高橋が6回無失点の好投。その後は4人の継投でリードを守った。敗れたオリックスは、打線が1得点と振るわなかった。

◆1勝1分けで迎えた第3戦へ、ヤクルト高津臣吾監督(53)が打線を組み替えた。今シリーズ、ここまで9打数無安打、5三振の山田哲人内野手(30)を1番に起用した。シーズン中の1番起用は8月に3試合のみだった。23日の2戦目で「2番左翼」でスタメンだった山崎がベンチスタートで宮本が「2番右翼」でスタメン。サンタナが指名打者で、キブレハンが「8番左翼」で先発に名を連ねた。

◆両チームのスタメンが発表された。ヤクルトは今シリーズ無安打の山田哲人内野手(30)が1番に座り、外国人野手3人をスタメン起用。一方のオリックスも打順を入れ替え、「4番一塁」で頓宮裕真捕手(25)が先発出場する。先発は左腕の投げ合い。ヤクルトは高橋奎二投手(25)、オリックス宮城大弥投手(21)が先発する。

◆3冠王のバットが粉々になった。ヤクルト村上宗隆内野手(22)の第1打席は、投ゴロに終わった。2回先頭、オリックス先発の宮城と対し、初球141キロ直球、102キロのカーブと2球で追い込まれる。3球目、内角への146キロ直球にバットを粉砕されながらの投ゴロに倒れた。22日の第1戦では、1点リードの8回先頭、平野佳から右中間へ今シリーズ1号となるソロ本塁打を放ち、勝利に大きく貢献した。【第1戦】第1打席=四球第2打席=一ゴロ第3打席=右飛第4打席=右中間へのソロ本塁打【第2戦】第1打席=二ゴロ第2打席=右前打第3打席=見逃し三振第4打席=遊飛第5打席=一ゴロ第6打席=空振り三振

◆昨年の新人王左腕のオリックス宮城大弥投手(21)が3冠王ヤクルト村上宗隆のバットをへし折った。2回先頭でこの日最初の対決を迎えた。直球を2球投げ込んで追い込むと、3球目直球を内角に投げ込んだ。投ゴロに仕留め、バットを根元から折った。宮城は昨年の日本シリーズでは第2戦に先発。この日と同じヤクルト高橋とのマッチアップで、8回途中5安打1失点と好投しながら、敗戦投手になっている。

◆22日の日本シリーズ初戦(神宮)で、左脇腹を痛めた影響で5回途中緊急降板したオリックスのエース山本由伸投手(24)がボールを握り、「壁当て」を行った。24日まではノースロー調整で安静にしていた。患部の状況良化が最優先で、予定されていた第6戦の先発マウンドは回避する見通し。回復具合が注目されている。

◆キャプテンが全力疾走でシリーズ初安打をもぎ取った。ヤクルト山田哲人内野手(30)が、セカンドへの内野安打で、今シリーズ12打席目で初めてHランプをともした。両軍無得点の3回2死、フルカウントからオリックス宮城の内角147キロ直球を強振。詰まりながらもボテボテのゴロに全力疾走し、内野安打とした。山田は2戦目までで9打数無安打、5三振と苦しみ、この試合から「1番二塁」に打順が変更されていた。【第1戦】第1打席=空振り三振第2打席=空振り三振第3打席=空振り三振第4打席=空振り三振【第2戦】第1打席=四球第2打席=空振り三振第3打席=遊ゴロ併殺打第4打席=三邪飛第5打席=中飛第6打席=一邪飛

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)の第2打席は、オリックス宮城のカーブを捉え損ねて一ゴロに終わった。4回1死。3ボールから146キロ直球を見逃し、101キロカーブを空振りでフルカウントとし、最後は102キロの緩いカーブで一ゴロに仕留められた。2回先頭の第1打席では内角への146キロ直球にバットを粉砕され投ゴロに倒れた。22日の第1戦では、1点リードの8回先頭、オリックス平野佳から右中間へ今シリーズ1号となるソロ本塁打を放ち、勝利に大きく貢献した。【第1戦】第1打席=四球第2打席=一ゴロ第3打席=右飛第4打席=右中間へのソロ本塁打【第2戦】第1打席=二ゴロ第2打席=右前打第3打席=見逃し三振第4打席=遊飛第5打席=一ゴロ第6打席=空振り三振

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が弾丸ライナーの二塁打を放った。3点リードの6回1死、オリックス宮城の2球目、外角の143キロ直球を逆らわずにはじき返した。勢いよくはじき返された打球は、左翼線への二塁打で今シリーズ3試合連続安打とした。2回先頭の第1打席では内角への146キロ直球にバットを粉砕されながらの投ゴロ、4回1死の第2打席は、カーブを捉え損ねて一ゴロに倒れていた。22日の第1戦では、1点リードの8回先頭、オリックス平野佳から右中間へ今シリーズ1号となるソロ本塁打を放ち、勝利に大きく貢献していた。

◆オリックス宮城大弥投手(21)が痛恨の1発を浴びた。5回、ヤクルト山田に先制の3ランを許した。思い切って2球続けた内角への147キロ直球を高々ともっていかれた。「20歳のベテラン」とも評される宮城らしい、技術の詰まった投球を見せていた。今年8月に21歳になったばかりの左腕。2回の先頭、村上の内角を鋭く突いた。バットを根元からへし折り、投ゴロ。4回の対戦でも6球中、4球が100キロ前後のスローカーブ。完全に腰砕けにさせて一ゴロに打ち取った。「村上さんが出れば雰囲気がガッと変わる」。最大級の警戒を払った。スローカーブを多投した。大胆に緩急をつけて、好調ヤクルトの勢いを封じ込めた。「あまり深く考えずに精いっぱいやるだけ」の言葉とは裏腹に、バッテリーの周到な準備が光った。シーズン終盤は右足を1度上げ下げする「2段モーション」に変えて復調したが、ポストシーズンでは再び通常モーションに戻している。この日は走者なしでもクイックを入れたりと、フォームにも緩急をつけた。高卒3年目にして多彩な引き出しで、大一番のマウンドを務めた。昨年の日本シリーズ第2戦と同じく、同じ若手左腕の高橋との投げ合いになった。昨年は8回途中1失点の快投を演じながら、高橋に完封を許した。0-0の8回、四球からピンチを招いて青木に打たれた。日本シリーズ前には「リベンジしたい」と語っていた。神宮では1敗1分け。2戦目は3-0の9回に追いつかれるショッキングな展開。本拠地で逆襲開始といきたい第3戦で、出ばなをくじかれた。6回1死から村上に二塁打を許した後、マウンドを降りた。

◆"村神様"ことヤクルト村上宗隆内野手(22)が、守備でも"神"プレーを披露した。3点リードの6回1死。オリックス頓宮の三塁線への強烈な打球を横っ跳びで好捕した。素早く立ち上がって一塁へ2バウンド送球。三ゴロに仕留めるスーパープレーで先発の高橋を助けた。今季3冠王に輝いたスラッガーは、6回1死の第3打席で弾丸ライナーの左翼線二塁打。攻守でチームをけん引している。

◆"ぴょんぴょん神"降臨? ヤクルト村上宗隆内野手(22)がキャプテン山田の一打を跳びはねて笑顔で喜んだ。5回2死一、二塁、試合前まで9打数無安打、6三振と苦しんでいた山田が先制3ラン。村上はベンチで満面の笑みを浮かべ、手をたたきながらぴょんぴょんとジャンプして祝福した。SNSでは「村上かわいすぎた...」「かわいすぎてしんどい」「守りたいこの笑顔」と22歳の3冠王にキュンキュンするファンが続出していた。

◆キャプテンが一振りで捉えた。ヤクルト山田哲人内野手(30)が好投を続けていたオリックス宮城から先制3ランを決めた。両軍無得点の5回2死一、二塁、2球目の内角147キロ直球をさばいた。大きな放物線を描き、左翼席へ運んだ。ゆっくりとダイヤモンドを1周。ベンチに戻ると大はしゃぎする村上らチームメートとハイタッチした。「迷わずにしっかりと振りにいきました。高橋が頑張っているので先に点をとりたかったです。先制できて良かったです」と振り返った。3回2死の第2打席では、本塁打を放った球と同じ内角147キロ直球を強振。詰まりながらもボテボテのゴロに全力疾走し、セカンドへの内野安打。これが今シリーズ12打席目での初安打だった。山田は2戦目までで9打数無安打、5三振と苦しみ、この試合から「1番二塁」に打順が変更されていた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、貫禄の押し出し四球を選んでリードを広げた。3点リードの7回2死満塁。オリックス竹安に追い込まれながらもファウルで粘り、低めに外れた7球目の150キロ直球を見極めた。3点リードの6回1死で迎えた第3打席では、オリックス宮城の外角143キロ直球をはじき返し、左翼線への二塁打。今シリーズ3試合連続安打としていた。2回先頭の第1打席は内角146キロ直球にバットを粉砕されての投ゴロ、4回1死の第2打席は、カーブを捉え損ねて一ゴロに倒れた。22日の第1戦では、1点リードの8回先頭、オリックス平野佳から右中間へ今シリーズ1号となるソロ本塁打を放ち、勝利に大きく貢献した。【第1戦】第1打席=四球第2打席=一ゴロ第3打席=右飛第4打席=右中間へのソロ本塁打【第2戦】第1打席=二ゴロ第2打席=右前打第3打席=見逃し三振第4打席=遊飛第5打席=一ゴロ第6打席=空振り三振

◆ヤクルト先発の高橋奎二投手(25)が、日本シリーズの大舞台で6回3安打無失点、7奪三振と好投した。4回には1死二、三塁のピンチを招くも、オリックス中川を高め147キロ直球で空振り三振。続く杉本を内角高めの直球で空振り三振に斬り、ピンチを切り抜けた。昨年は史上13人目となる日本シリーズ初登板初完封。またも日本シリーズでオリックスに立ちはだかった。

◆キャプテンが復活の3ランで勝利に導いた。山田哲人内野手(30)が、5回2死一、二塁からオリックス宮城の2球目、内角147キロ直球を捉えた。左翼席へ運んだ今シリーズ1号の先制3ラン。ベンチでぴょんぴょんと飛び跳ねる村上らチームメートと喜びを分かち合った。第2戦まで9打数無安打5三振と苦しんでいたが、この日は「1番」で起用された。3回2死の第2打席でボテボテの内野ゴロに全力疾走。セカンドへの内野安打として今シリーズ12打席目で初安打。次打席の1発につなげた。史上最年少3冠王の村上は、6回1死の第3打席に宮城から左翼線への二塁打。今シリーズ3試合連続安打とすると、7回2死満塁で迎えた第4打席に3番手竹安から貫禄の押し出し四球を選んで追加点を挙げた。9回には1死一、二塁から右中間を破る2点適時二塁打でダメ押しした。投げては先発の高橋が、6回3安打7奪三振の無失点と好投。7回から継投でオリックス打線の反撃をかわした。敵地で白星を収めたヤクルトは2勝1分けとし、2年連続日本一まであと2勝とした。

◆オリックスが第3戦でも白星をつかむことはできず、2敗1分けとなった。日本シリーズで勝ち星なしで2敗の状況になったチームの日本一確率は24%と厳しい状況に追い込まれた。オリックスは宮城大弥投手(21)、ヤクルトは高橋奎二投手(25)の両先発。昨年の日本シリーズ第2戦と同じ顔合わせとなった。前回は高橋に完封負けを喫しており、中嶋監督が動いた。4番に頓宮裕真捕手(25)を入れるなど打線を組み替えたが、再び沈黙。4回に1死二、三塁と好機をつくったが、6番中川圭太内野手(26)と7番杉本裕太郎外野手(31)が連続三振。今年も6回まで無得点に抑え込まれ、計15回連続無得点となった。シーズン中にさえを見せたナカジマジックは不発に終わった。先発宮城は5回に山田に先制3ランを許し、6回途中3失点で降板。昨年に続き敗戦投手になった。本拠地に舞台を移しても、流れを変えられなかった。

◆「SMBC日本シリーズ2022」第3戦は大阪に舞台を移し、ヤクルト山田が5回に均衡を破る3ラン。史上最年少3冠王の村上は、6回1死の第3打席に宮城から左翼線への二塁打。今シリーズ3試合連続安打とすると、7回2死満塁で迎えた第4打席に3番手竹安から貫禄の押し出し四球を選んで追加点を挙げた。9回には1死一、二塁から右中間を破る2点適時二塁打でダメ押しした。投げては先発の高橋が、6回3安打7奪三振の無失点と好投。7回から継投でオリックス打線の反撃をかわした。敵地で白星を収めたヤクルトは2勝1分けとし、2年連続日本一まであと2勝とした。敗れたオリックスはヤクルト投手陣の前に打線が沈黙。最終回に1点を返すのがやっとだった。

◆ヤクルトのルーキー丸山和郁外野手(23)が、途中出場から2安打&好守で存在感を示した。6回の守備から出場すると、7回先頭、オリックス竹安の直球をセーフティーバントで一塁前に転がして日本シリーズ初安打。8回にも内野安打でマルチ安打とした。8回1死の右翼守備では吉田正の打球をすべり込みながら好捕。高津監督は「守備と足は誰にも負けないものを持っている。しっかりチームに貢献してくれている」と称賛した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、ダメ押しの2点タイムリーを放った。4点リードの9回1死一、二塁、追い込まれながらもオリックス本田の外角直球を振り抜いた。右中間を真っ二つに破る2点適時二塁打。4打数2安打3打点で、勝利を大きくたぐり寄せ「なかなか追加点が取れていなかったので1点でも多くという気持ちで打席に入りました。追い込まれていましたが食らいついて打ちました」と振り返った。7回2死満塁では、貫禄の押し出し四球を選んで中押しの4点目を挙げた。6回1死の第3打席では、オリックス宮城の外角143キロ直球をはじき返し、左翼線への二塁打で今シリーズ3試合連続安打としていた。2回先頭の第1打席では内角への146キロ直球にバットを粉砕されての投ゴロ、4回1死の第2打席は、カーブを捉え損ねて一ゴロに倒れた。22日の第1戦では、1点リードの8回先頭、オリックス平野佳から右中間へ今シリーズ1号となるソロ本塁打を放ち、勝利に大きく貢献した。【第1戦】第1打席=四球第2打席=一ゴロ第3打席=右飛第4打席=右中間へのソロ本塁打【第2戦】第1打席=二ゴロ第2打席=右前打第3打席=見逃し三振第4打席=遊飛第5打席=一ゴロ第6打席=空振り三振【写真たっぷりライブ速報】主将・山田哲人の先制3ランでヤクルトリード 日本S第3戦 オリックスーヤクルト

◆史上最年少3冠王のヤクルト村上宗隆内野手(22)が、攻守で"ぴょんぴょん"と躍動した。4点リードの9回1死一、二塁、オリックス本田の外角直球を振り抜いた。右中間を真っ二つに破るダメ押しの2点適時二塁打。3試合連続安打で今シリーズ初のマルチ安打。「なかなか追加点が取れていなかったので、1点でも多くという気持ちで打席に入りました。追い込まれていましたが、食らいついて打ちました」と喜んだ。6回1死では、先発宮城の外角143キロ直球をはじき返し、左翼線への二塁打。7回2死満塁では、3番手竹安から貫禄の押し出し四球を選び、中押しの4点目をもぎとった。4打数2安打3打点とバットでの活躍だけでなく、6回1死、頓宮の三塁線への強烈な打球を横っ跳びで好捕し、素早く一塁送球。守備でも"神"プレーを披露した。山田の先制3ランを、ベンチで跳びはねて笑顔で喜んだ22歳が、チームをけん引している。

◆非情の放物線をぼうぜんと見つめた。5回2死一、二塁。粘り強く投げていたオリックス宮城大弥投手(21)が山田に痛恨の3ランを許した。内角直球を2球続けた。だがわずかに甘く入った147キロを高々ともっていかれた。「5回が全てだった。先頭打者から連打でつながれてしまい、何とか粘り切りたいところで長打を許してしまう、一番よくない投球になってしまった」。悔やみ切れない一投だった。1年間の成長を見せたかった。昨年の第2戦と同じ高橋との投げ合いで、返り討ちにあった。昨年は8回途中1失点と好投しながら、相手に完封を許していた。高卒3年目にして先発ローテを支える存在だが、リーグ連覇のあと「大事なところでやらかしている僕なので」と口にした。エース山本のように大事な試合でチームを勝たせる投手を目指してきた。2回の先頭、村上の内角を鋭く突いた。バットを根元からへし折り、投ゴロ。緩急をつけたハイレベルな投球は披露した。しかし勝てなければ意味はない。チームは3試合で計15失点だが、うち9点が本塁打によるもの。勝敗に直結する1発ばかりだ。パ・リーグ連覇を支えた自慢の投手陣。最後の最後で決壊するわけにいかない。【柏原誠】ヤクルトが敵地大阪で快勝!主将・山田哲人が復活3ラン 日本一まであと2勝/日本S第3戦詳細

◆ヤクルトが1分けを挟んで2連勝。日本シリーズの連勝スタート(引き分け含む)は20年ソフトバンク以来39度目。過去38度のうち29度優勝しており、V確率は76%。今回のヤクルトのように前年日本一のチームが連勝発進のケースは過去11度のうち00年ダイエーを除いた10度が優勝しており、「連覇確率」は91%と高い。また、ヤクルトの連勝スタートは93、95年に次ぎ3度目で、過去2度はともに日本一となっている。ヤクルトが敵地大阪で快勝!主将・山田哲人が復活3ラン 日本一まであと2勝/日本S第3戦詳細

◆ヤクルトが7-1でオリックスに完勝し、2勝1分けとした。ヤクルトは1戦からの安打数が10、12、11。シリーズで3試合続けて2桁安打は、13年3~5戦の楽天以来で、球団では01年1~3戦以来4度目。通算4度記録したのは、巨人に並んで最多タイだ。1戦から3試合連続は、76年阪急、82年西武、95年ヤクルト、01年ヤクルト、05年ロッテに次いで6度目。過去の5チームはいずれも日本一になっているが、今回はどうか。ヤクルトが敵地大阪で快勝!主将・山田哲人が復活3ラン 日本一まであと2勝/日本S第3戦詳細

◆ヤクルト高橋奎二投手(25)が、日本一を懸けた大舞台で2年連続勝利を飾った。日本シリーズ第3戦に先発し、オリックス打線を6回3安打無失点に抑えた。初登板初完封だった昨年に続く無失点投球で、15イニング連続の0行進。敵地のマウンドで躍動した。左腕3連投の先陣を切り、第4戦で先発する42歳石川へバトンタッチした。舞台が大きければ大きいほど、本領を発揮する。高橋の腕が、またしても日本シリーズでうなった。4回に迎えた最大のピンチは1死二、三塁。6番中川圭、杉本と続く"クリーンアップ級"の打者に「1つアウトをとれて、もう1回集中できたというか、ズルズルいかなかった」。最速150キロの直球と、最遅102キロのカーブ。50キロ近い緩急をつけて追い込むと、最後は直球。いずれも空振り三振を奪った。日本一をかけた大舞台で、初回から粘りに粘った。先頭の福田に四球を与え、犠打で1死二塁。打者は最大の敵、吉田正だった。中飛に打ち取り、4番頓宮も空振り三振。試合前日は勝つためにカツ丼、当日は粘るために納豆を食べて験担ぎ。「どっちかというと力というよりはコントロール重視。ギア上げるところはギア上げられた」。中村のミットめがけてテンポよく投げ込み、チームにリズムをつくると、5回の山田の先制3ランを呼び込んだ。2年連続での対戦となったオリックスに対し、0行進を続けた。昨年は史上13人目となる日本シリーズ初登板初完封という偉業に続く快投で15回連続無失点。大一番での勝負強さで、高津監督に「僕はずっとフラフラしている奎二を見てきているので、すごくうれしいし大きな成長を感じますよ」と言わせるほど、精彩を放った。シーズン中はYouTubeで母校・龍谷大平安(京都)の密着動画を見て、ひたむきに白球を追う後輩の姿を目に焼き付けた高橋。大役を果たし「勝てるのが一番いい。チームが勝てるように投げて、その結果こうやって勝ち投手になれてすごいよかった」。今年も殊勲の白星を手にした。【栗田成芳】高橋が6回無失点で、シリーズ通算2勝目。高橋は初登板だった昨年の<2>戦で完封勝利。シリーズ初登板から、先発で2試合続けて無失点に抑えて勝ったのは、美馬(楽天)に次いで2人目。美馬は巨人との13年<3>戦で5回2/3、同<7>戦で6回無失点で、ともに勝利した。高橋はこれで初登板から15回無失点。シリーズ初登板からの連続イニング無失点は岩瀬(中日)の17回2/3が最長で、記録に迫っている。龍谷大平安・原田英彦監督(ヤクルト高橋の恩師で、昨年の第2戦に続いて京セラドーム大阪で観戦) 日本シリーズの前に「力むなよ」というラインを送ったんです。心配なのはそこだけだと思っていたので。本当に力むことなく、落ち着いて投げていましたね。昨年は相手の宮城投手をすごく意識しているのが見てとれた。今年はそれもなく、自分の仕事に徹していました。4回のピンチのところではギアを上げて、2人の主軸打者をきっちり三振に。ああ、成長したなあと感じました。コロナなどシーズンはいろいろあったようですが、終盤の大事なところでこういうピッチングができる。プロの投手としてまた階段を上がったなと感じました。昨年の高橋vs宮城VTR オリックス1勝で迎えた、21年の日本シリーズ第2戦。レギュラーシーズンで完投もなかったヤクルト高橋が133球を投げて5安打5奪三振、三塁を踏ませることなくシリーズ初登板完封勝利を挙げた。オリックス宮城は8回途中5安打1失点と好投したが打線が高橋を捉えきれず。ヤクルトが2-0で勝利し、1勝1敗のタイに戻した。○...リリーフ陣が大量リードを守り切った。先発高橋の後を受けた石山は7回2死一、二塁のピンチを招くも無失点で切り抜けた。3番手清水は8回を3人斬り。9回に打線がリードを7点に広げると、久保と小沢が日本シリーズ初登板。小沢は1失点も、守護神マクガフを温存して白星を収めた。

◆元祖シリーズ男の復活弾ヤ!! 「SMBC日本シリーズ2022」第3戦は、ヤクルト山田哲人内野手(30)が、今シリーズ1号となる先制3ランを放ち、チームを勝利に導いた。2戦目まで9打数無安打と苦しんだが「1番二塁」で起用されて底力を発揮。15年には1試合3本塁打を放つなど、シリーズ通算5発はチーム歴代1位。頼れるキャプテンの1発で勢いに乗り、昨季から続く同カードは9戦目で初めて3点差以上の決着。シリーズ対戦成績を2勝1分けとした。キャプテンが、一振りで流れを引き寄せた。0-0の5回2死一、二塁、山田が宮城の2球目、内角147キロ直球を捉えた。高々と上がった打球は左翼席へ飛び込んだ。今シリーズ1号3ランは、自身シリーズ5本目の本塁打。かみしめるようにダイヤモンドを周回し、歓喜する村上らとハイタッチ。「いい角度がついてくれていたので。自分のスイングも出来ましたし、感触は良かった。素直にうれしいです」と喜んだ。この日、ホテルの昼食会場で高津監督から「今日、1番でいこうと思う。どうだ」と問われた。「監督の指示に従います」と即答。8月14日DeNA戦でも1番に起用され、先頭打者弾。指揮官の期待に応え「打順は関係ないと思ってますし。特に1番は慣れているんで、違和感なく試合にも入れましたし、結果が出てよかった」とうなずいた。3度のトリプルスリー達成を誇る強打者も、今季は苦しんだ。130試合に出場し、チーム2位の23本塁打は放ったが、新型コロナ感染の影響もあり、打率2割4分3厘はキャリアワースト。「個人成績だけで言えば本当に悔しいというか、情けない」と納得していなかった。それだけにリーグ優勝達成時は、人目もはばからずに号泣。「僕自身キャプテンとして結果を出して、みんなを引っ張っていくのが目標だったけど、逆にみんなの足を引っ張ってるというか。そこをムネ(村上)にはすごい助けてもらいましたし、他の選手にもたくさんカバーしてもらって。みんなに感謝したい」と話していた。ポストシーズンに入っても調子は上がらなかったが、杉村コーチ、大松コーチらの助言を受けて調整してきた。「タイミング、メンタル面、考え方。1個1個、丁寧に言っていただいたので。すごく参考になりました。感謝しています」と言う。復活を果たしたキャプテンは「まだ2勝しただけなので。明日からしっかり気を引き締めて日本一目指して頑張りたい」。2年連続の頂点へ、油断なく歩みを進める。【鈴木正章】山田がシリーズ通算5本目となる先制3ラン。シリーズの通算最多本塁打は王(巨人)の29本だが、ヤクルトで5本は大杉、池山の4本を抜いて最多となった。山田は1号から先制→勝ち越し→逆転→同点→先制と、すべて肩書付きの1発。肩書付きの殊勲本塁打数の上位を出すと、(1)王貞治17本(2)長嶋茂雄13本(3)柴田勲、秋山幸二、清原和博6本(6)石毛宏典、山田哲人5本。こちらも王の17本が最多で、5本以上は7人目。シリーズ1号から5号まですべて殊勲本塁打は山田が初めてだ。▽ヤクルト高津監督(山田の1番起用に)「朝起きた瞬間に1番にしようと思った。昨日の夜から悩んで、哲人をどうしようかと。うまくきっかけを作らないといけないと思って、朝起きたときに『あ、これ1番だ』と思って」

◆ナカジマジックが不発に終わった。「SMBC日本シリーズ2022」の第3戦が京セラドーム大阪で行われ、オリックスが投打で精彩を欠き、ヤクルトに完敗。2敗1分けとなった。頓宮裕真捕手(25)を今シリーズ初先発で4番に抜てきしたが、相手先発の高橋を攻略できず、昨年の対決から15回連続無得点。神宮から本拠地に舞台を移しても、流れを変えられなかった。本拠地に集った3万3098人を熱狂させられずに終わった。京セラドーム大阪に舞台を移したが、オリックス打線は地の利を生かすことができず、1得点で敗戦。2敗1分けとなり、じりじりと土俵際に押し寄せられた。中嶋監督は「(積極的に)行けと言っているんですけどね。なかなか手がでない。それが今、点を取れない原因なのかなと思います」とシリーズ特有の緊張感があるとした。昨季の日本シリーズ第2戦で完封負けを喫したヤクルト高橋対策に、打線をテコ入れした。4番に今シリーズ初先発の頓宮を起用するなど指揮官は動いた。しかし先制機を逃し、波に乗れなかった。0-0で迎えた4回。先頭の吉田正が左安打を放つと、1死から5番宗が左中間二塁打を放ち、二、三塁の好機を演出。直後、中川圭がフルカウントまで粘るも、高め直球にバットが止まらず、三振。続くラオウ杉本も空振り三振に倒れ、先取点を奪えなかった。指揮官は「あそこで取れなかったのがね。(失点が)次の回ですから」と冷静に話した。頓宮も無安打に終わった。起爆剤が欲しい。3試合でチーム本塁打は0。対するヤクルトは3戦5発。この日はオスナ、サンタナ、キブレハンの長距離砲の助っ人を3選手スタメン起用。オリックスはラベロ、バレラ、マッカーシーがシリーズ前に帰国しており、純国産打線を組まざるを得ない状況だ。最終回に中川圭、杉本、代打西野の3連打で1点を返すのが精いっぱい。白星が遠いが、中嶋監督は「まだ負けたわけじゃない。やり返すチャンスはある。やるしかない」と語気を強めた。平日のナイトゲームが続く。有給休暇を取って、チケットを握りしめるファンが大勢いる。シーズン最終戦で逆転優勝を果たした底力を今こそ見せる時だ。【真柴健】▽オリックス杉本(ヤクルト高橋に) いい投手だというのは分かっていた。なかなか打てる球がなかった感じがした。切り替えて頑張りたい。オリックスが2敗1分けとなった。過去に日本シリーズで●●発進(3戦までに△を挟む場合を含む)した38球団のうち、挽回して日本一になったのは9チーム。V確率は24%だ。直近は16年の日本ハムで、広島を相手に●●から○○○○で逆転日本一を果たした。なお今回のオリックスのように、第3戦を終え2敗1分けは過去3例。62年東映は●●△から○○○○とV達成。75年広島は阪急に△●●から△●●で敗退。86年西武は△●●から●○○○○で日本一を果たしている。

◆オリックスが完敗した。舞台を本拠地に移しても攻勢に転じることができず、2敗1分けとなった。4回1死二、三塁の先制機に中川圭太内野手(26)杉本裕太郎外野手(31)が連続三振。その直後、宮城大弥投手(21)が山田哲人内野手(30)に3ランを浴びた。中嶋聡監督(53)は「あそこで取れなかったのが...。(失点が)その次の回ですからね。そういう流れになっちゃっている感じがしますよね。全然違っていましたね。展開的には」と、うめいた。本来の打撃ができない野手陣に言及した。「中途半端なスイングをするんだったら、ちゃんと振らないと。打つべきボール、待つべきボール(の選別)をしっかりやって。ちょっとボールっぽいところを中途半端に振ってしまったのが反省かと思う。その前に打てるボールがあったら、しっかり振っていかないといけない。いけって言っているんですが、なかなか手が出ないのはプレッシャーというか、点を取れない原因なのかなと思います」とシリーズを通じての傾向を指摘した。2連敗からの逆転日本一は16年の日本ハム(対広島)が最後だ。第4戦、第5戦は引き続き本拠地で戦える。切り替えについて聞かれると「それしかないですよね。引きずっている場合じゃない。まだ負けたわけじゃない。やり返すチャンスはある。やるしかない」と語った。

◆ヤクルトの"シリーズ男"ホセ・オスナ内野手(29)の勢いが止まらない。2回1死、オリックス宮城からチーム初安打となる左翼線二塁打を放つと、6点リードの9回1死三塁から強烈な中前適時打。2安打1打点と3試合連続マルチ安打を達成した。3試合で13打数8安打1本塁打4打点。打率6割1分5厘と絶好調な打撃で、4番村上の後ろの"恐怖の5番"を全うしている。

◆42歳9カ月のヤクルト石川雅規投手が最年長勝利を目指す。第4戦で先発予定。昨年も4戦目を託され、自身3試合目となった同シリーズ登板で、6回1失点に抑え初勝利を収めた。2年連続での大舞台に勝てば、50年若林(毎日=42歳8カ月)を更新する石川は「日本一になるというのは、一番の大きな目標。チャンスをもらえたというのは本当にうれしい。おごることなく日本一をとりにいきたい」と闘志を燃やした。日本S第3戦 詳細

◆<SMBC日本シリーズ2022:オリックス1-7ヤクルト>第3戦25日京セラドーム大阪オリックスは苦しくなった。走者の出ない展開で「ナカジマジック」も見せ場がない間に山田哲人の1発で3点を先制された。これでは手の打ちようがなくなってしまう。最初にチャンスをつくったのはオリックスだ。4回、吉田正尚の左前打、宗佑磨の二塁打で1死二、三塁。ヤクルト守備陣は思い切った前進守備だ。ここで2試合目までと変わり6、7番に入った中川圭太、杉本裕太郎が連続空振り三振。これは痛かった。これでオリックスの2敗1分け。戦績に比べ、ここまで両軍の放った安打数は興味深い。3試合でオリックスは31安打、ヤクルトが33安打。2戦目までは接戦だったものの、大差のついたこの日を含めても安打数に大きな差はない。違うのは言うまでもない長打、本塁打だ。ヤクルトはこの日、山田が本塁打したことで、すでに5選手が1発を記録。得点のほとんどが本塁打によるものだ。対してオリックスはまだ本塁打が出ていない。ヤクルトの今季チーム本塁打数は174本でリーグトップ。対してオリックスは89本塁打でパ・リーグの最少。この差がはっきりと出ている。もう1つ、両軍で象徴的なのは"助っ人"だろう。指名打者を使えるパ・リーグ本拠地試合でサンタナをDHに入れ、左腕・宮城大弥への対策か左翼にキブレハンを入れてきた。外国人3人がラインアップに並ぶ相手に対し、オリックスは助っ人ゼロ。これは短期決戦の行方に少なからず影響をもたらすかもしれない。「しっかり振っていけと言っているが中途半端なスイングが多い。プレッシャーなのか。なかなか手が出てこない」。指揮官・中嶋聡はそう嘆いたようだ。こういう状況で助っ人が役立つ場合は多い。「チームの勝利」とは口にしても本音では自身の成績が一番。それが余計な重圧につながらないことも多いからだ。イチローが躍動した96年のオリックス-巨人の日本シリーズ。4勝1敗で巨人を下した同シリーズのMVPは4番打者のニールだった。本塁打を放ったわけではなく、連勝した1、2戦で2点適時打を放ったことが評価されたのだが。チームの特徴としてオリックスは接戦に持ち込むことが必要だ。それでも、やはり本塁打、長打は欲しい。流れを変えるためにもここは吉田正、杉本ら国産長距離砲の奮起が必要だ。(敬称略)

◆北の離島出身左腕は故郷への恩返しを誓った。ヤクルトのドラフト4位知内・坂本拓己投手(18)が25日、北海道・知内町内の同校で指名あいさつを受けた。北海道南西部の奥尻島で生まれ育ち、元阪急、オリックスで活躍した佐藤義則氏(68)以来2人目のプロ野球選手となる。「自分の1つの夢が、小さな子どもたちに夢や希望を与えるということ。いつか機会があったら野球教室を開いて一緒に野球ができたら」と思いを描いた。近未来の先発ローテーション候補として期待されている。橿渕聡スカウトグループデスク(48)とともに訪れた斉藤宜之スカウト(46)は「もっと真っすぐも速くなると思うし、伸びしろはいっぱいある」。坂本は「入ってからが本当のスタートだと思う。期待に応えられるような選手になるのでよろしくお願いします」とあいさつした。

◆1敗1分けで本拠地・京セラドームに帰ってきたオリックスは、スターティングメンバーを大幅に入れ替えた。第1戦、第2戦と4番に座っていた吉田正を3番に打順を上げ、4番には頓宮を起用。5番・宗、6番・中川圭と主軸を入れ替えた。

◆ヤクルト・高津臣吾監督(53)が試合前のメンバー表交換時、京セラドームのグラウンドルールを審判員に確認した。神宮で行われた第2戦では延長十二回、2死二塁でヤクルト・木沢の暴投が一塁側ベンチに入りボールデッドとなり、本塁に走っていた二走のオリックス・佐野が三塁に戻される場面があった。京セラドームには天井にある円形の構造物「スーパーリング」に打球が挟まった場合の取り扱いなど特殊なグラウンドルールがある。京セラドームのグラウンドルール①打球がフェア地域、ファウル地域の区別なくプレイングフィールド上の天井もしくはスーパーリング(外周照明含まず)に当たった場合、またはスーパーリングの内側に入り直ぐに落ちてきた場合はボールインプレイで、地上に落ちる前に野手が捕球すれば打者アウトになる。②打球がフェア地域内にあるスーパーリングの内側に入り落下しない場合はボールデッドとして、打者及び走者には投球当時を基準にして二個の安全進塁権が与えられる。③打球がフェア地域上にある一番外側のスーパーリングに当たった場合、および中堅のフェンス上の天井にある懸垂物に当たった場合は本塁打とする。④打球がフェア地域上にある一番外側のスーパーリングと次のスーパーリングの間に当たった場合は、本塁打とする。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(29)が二回、カウント1-1から宮城のチェンジアップをとらえて左翼線に二塁打。第1戦で山本から放った先制打のリプレーのような打球を放ち、シリーズ3試合連続安打とした。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでMVPを獲得した助っ人は、日本シリーズでも2試合連続猛打賞と好調をキープしており、MVP候補の筆頭に上がっている。

◆オリックスの先発・宮城大弥投手(21)が、三冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手(22)のバットをへし折った。一回は三者凡退。二回無死で、村上との第1ラウンドだ。141キロでストライクを取ると、続く2球目は102キロのカーブ。緩急を生かして追い込むと、内角への146キロでバットをへし折り、投ゴロに斬ってアウトを奪った。3球勝負で、第1ラウンドは宮城に軍配が上がった。

◆第1戦から10打数無安打と不振に陥っていたヤクルト・山田哲人内野手(30)が三回、二塁に内野安打を放ち日本シリーズ12打席目で待望の初安打を放った。山田は3番で起用された第1戦で4三振、第2戦も3番で6打席に立ち5打数無安打1四球。1番に起用されたこの日は第1打席で三ゴロに倒れていた。

◆オリックスがチャンスをつくるも、先制とはならなかった。宮城と高橋の投げ合いは0-0のまま四回へ。四回無死、3番に入った先頭の吉田正が左前打。続く頓宮は三ゴロで「5-4-3」の併殺打...と思われた。一度はアウトの判定も、中嶋監督がリクエスト。判定はセーフに変わり、1死一塁となった。ここで5番の宗が左中間に二塁打を放ち、1死二、三塁にチャンスを広げた。しかし、中川圭が外角の147キロにハーフスイングで空振り三振。杉本も内角球に空振り三振で、ホームを踏むことはできなかった。オリックスにとって高橋は昨年の日本シリーズ第2戦(京セラ)で完封負けを喫した相手。試合は五回に突入した。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(30)が0―0の五回2死一、二塁の場面で左翼へ先制のシリーズ1号3ランを放った。第1戦から10打数無安打と不振に陥っていたが三回、二塁に内野安打を放ち日本シリーズ12打席目で待望の初安打。続く第3打席で待望の一発が出た。2015年の日本シリーズ第3戦で3打席連続本塁打を放った主将のお目覚めに、SNSの燕党は「山田ぁー!!! やっと起きたか!!」「やっぱり俺たちの山田哲人」「信じてたよ山田哲人...最高のスリーラン」と歓喜した。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(30)が、日本シリーズ1号となる先制の3ランを放った。球団最多となるシリーズ通算5本塁打目。五回2死一、二塁で宮城の内寄り低めの直球を捉え、左翼席へ鮮やかな放物線を描いた。第2戦までは3番で先発出場していたが、この日は塩見と入れ替わって1番に名を連ねた。三回のシリーズ12打席目で初ヒットを放った。山田の談話 「打ったのはストレート迷わずにシッカリと振りにいきました。高橋が頑張っているので先に点をとりたかったです。先制できて良かったです」

◆ヤクルト・山田哲人内野手(30)が五回、先制のシリーズ1号3ランを放った。2死一、二塁の場面で打席に立つと、カウント1ストライクから宮城の147キロ真っすぐを左翼スタンドへ運んだ。テレビ解説を務めるヤクルトOBの古田敦也氏(57)は「山田っぽいですよ。ちょっとダメだなって思わせながら、こういうふうに打つんですよ」と絶賛。第2戦まで10打数無安打で、この第3戦の第2打席でシリーズ初安打(二塁内野安打)を放ったばかりだった。さらに「1球目を見逃したときにね。全然タイミングの合っていない明らかに変化球を狙っているっていうようにインコースの真っすぐを見逃したんですけどね。2球目は少し甘くなったとはいえ、バッテリーが騙されたといいますかね。『狙ってないな。大丈夫だな』って。本当はもう少しボール気味に投げようと思ったと思うんですけど、ただそれを捉えますからね。さすがですね」と解説した。

◆本拠地・京セラドームから仕切りなおす。1敗1分けで大阪に帰ってきたオリックスは、第3戦のマウンドに宮城を送り込んだ。大勢のオリックスファンの後押しを力に変え、劣勢からの巻き返しを狙った。「ヤクルトさん側に雰囲気を引っ張られないように。そういうふうな投球をしたいし、京セラの一発目。勝てば雰囲気もこっちに来そうな感じがするので、そういう投球ができれば一番です」登板前日に意気込みを口にした左腕。27日の第5戦まで続く本拠地での3連戦。まずは今シリーズ1勝を目指し、流れを持ってくる投球を心がけた。一回、先頭の山田を三ゴロに打ち取り、続く宮本も三ゴロ。今シリーズ打率・625と好調の塩見は142キロ直球で空振り三振に斬った。二回は「村上さんが打てば雰囲気もガラっと変わる」と警戒していた村上に対し、強気に内角をえぐり、バットをへし折って投ゴロ。オスナには三塁線へ二塁打を浴びるが、中村、サンタナを連続三振に仕留めた。昨年の日本シリーズでは11月21日の第2戦(京セラ)の先発を託され、7回?を1失点。好投するも打線が高橋に完封負けを喫し敗戦投手となった。今年も同じ高橋とマッチアップとなったが、立ち上がりから負けじと快投を見せ、四回まで無失点とヤクルト打線を封じた。しかし五回、第2戦まで不振だった山田に3ランを浴び、先制を許してしまった。チームは悲願の日本一を目指し、是が非でも取りたい第3戦の白星。試合前には中嶋監督から「きょうは特別に。お願いします」と依頼された兼任コーチ能見が円陣の声出しを務め、「神宮では勝てなかったですけど、やり返す番です。本当に1つ勝って、次につないでいきましょう。みんなで勝ちましょう!!」とナインを鼓舞した。ベテラン左腕にゲキを飛ばされた打線は高橋攻略へ、必死に戦ったが...。

◆オリックスの先発・宮城大弥投手(21)は5回1/3を投げて3失点で降板した。二回無死、村上との対戦。2球で追い込むと最後は146キロでバットをへし折って投ゴロ。その後も走者を許しながらも、危なげのない投球でヤクルト打線を抑えていった。最速は149キロ。100キロ台のカーブも使って、緩急でアウトを積み重ねていった。暗転したのは五回。2死一、二塁から山田に147キロを左翼席に運ばれる3ランを浴びて3点を献上した。投手戦から一転して主導権を渡してしまった。グラウンド整備をはさみ、六回もマウンドへ。1死から村上に左翼線二塁打を浴び、オスナを迎えたところで比嘉にスイッチした。比嘉はオスナに四球。中村を中飛に仕留めると、サンタナをスライダーで空振り三振。16球と球数をかけながら、ピンチを脱した。

◆三冠王が守りで魅せた! ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が六回、オリックス・頓宮が放った三塁線の打球を飛びついて好捕。送球はバウンドしてややそれたものの、一塁のオスナが体をいっぱいに伸ばして捕球し、打者走者を刺した。抜ければ長打コースの打球をアウトにし、先発の高橋を助けた。

◆やっと出た。打球は大きな弧を描き、左翼席ではねた。両軍無得点の五回2死一、二塁で山田が日本シリーズ1号3ラン。主将は久しぶりに満面の笑みで、チームメートとハイタッチを交わした。「迷わずにしっかりと振りにいきました。(先発の)高橋が頑張っているので、先に点をとりたかった」京セラドーム大阪に戦いの場を移した第3戦。今シリーズで初めて1番に座った山田が、均衡を破った。オリックス先発・宮城が投じた147キロの直球を強振。流れを呼ぶ大きな先制アーチに、敵地の燕党はミニ傘を開いて歓喜した。レジェンドたちを超えた。日本シリーズでは2015年第3戦の3打席連発、昨年第5戦の同点3ランに続き通算5本目。球団では大杉勝男、池山隆寛を抜いて、最多記録となった。苦しんだ分だけ喜びも大きかった。第1戦は4打席連続三振、第2戦も5打数無安打。4番・村上は2年連続のシリーズ開幕弾、塩見やオスナが好調を維持する中、球団初の2年連続日本一には背番号1の打棒が必要だった。この日、三回の第2打席で二塁内野安打でシリーズ初安打。決していい当たりではなかったが、全力疾走で一塁ベースを駆け抜けた。〝あの一発〟から2022年の快進撃が始まった。3月26日の阪神戦で開幕戦では史上最大となる7点差を逆転して勝利。1点を追う九回に同点弾を放ったのが山田だった。劇的な幕開けを飾り、リーグ連覇の歩みを始めた相性のいい球場で再び大きな放物線を描いた。レギュラーシーズンでも一時、大不振に陥った。29年ぶりのリーグ連覇を達成した9月25日のDeNA戦(神宮)では勝利の瞬間に号泣。村上に支えられるシーンは多くのファンの胸に響いた。2年連続の日本一は視界に入った。主将は最後までチームのために戦う。(赤尾裕希)

◆ヤクルト・先発の高橋奎二投手(25)が6回90球を投げ、7奪三振、被安打3。完封勝利を挙げた昨年に続き、日本シリーズの大舞台で無失点投球を披露した。 高橋は今季、レギュラーシーズンの阪神戦でも京セラドームで3月26日に7回無失点と好投しており、この日も相性の良さを発揮した。高橋の談話 「一人一人集中してしっかり投げることができました。ピンチの場面でメリハリのある投球ができたし、中村さんのリードと野手の方に助けてもらいながら投げることができました。チームが勝てるようベンチで声を出します」

◆オリックスの先発・宮城大弥投手(21)は5回?を投げて3失点で降板した。「五回のところが全てだと思いますし、先頭打者から連打でつながれてしまって、なんとか粘り切りたいところで長打を許してしまうという一番よくない投球になってしまいました」二回無死、村上との対戦。2球で追い込むと最後は146キロでバットをへし折って投ゴロ。その後も走者を許しながらも、危なげのない投球でヤクルト打線を抑えていった。最速は149キロ。100キロ台のカーブも使って、緩急でアウトを積み重ねていった。暗転したのは、0-0の五回だ。2死一、二塁で山田に147キロを左翼席に運ばれる3ランを浴びて3点を先制された。投手戦から一転して主導権を渡してしまった。グラウンド整備をはさみ、六回もマウンドへ。1死から村上に左翼線二塁打を浴び、オスナを迎えたところで比嘉にスイッチした。

◆ヤクルト・高橋奎二投手(25)が先発し、6回3安打無失点で7三振を奪った。完封勝利を挙げた昨年第2戦に続き、日本シリーズで無失点投球。「一人一人集中して、しっかり投げることができた。ピンチの場面でメリハリのある投球ができたし、中村さんのリードと野手の方に助けてもらいながら投げることができた」と汗を拭った。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(29)が6点リードの九回、1死三塁の場面で中前適時打を放ち、ダメ押しの7点目を挙げた。二回には左翼線に二塁打を放っており、日本シリーズ3試合連続マルチ安打を記録。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでMVPを獲得した助っ人がシリーズ打率・615と好調を維持している。

◆敵地で白星を重ねた。ヤクルト・高橋が「おりゃー!!」と雄たけびを上げながら懸命に腕を振る。投じるボールに、気迫がこもった。立ち上がりは完璧だった。140キロ後半の力強い直球と110キロ台の緩いスライダーを軸に三回まで無安打投球。四回先頭で吉田正に初安打を浴び、その後に1死二、三塁とされたが、中川圭と杉本をともに直球で空振り三振に仕留める。試合のリズムをつくった。昨年の日本シリーズと同じ宮城との投げ合い。前回は敵地に乗り込んだ第2戦で、八回までお互いに無失点。高橋は青木の適時打で援護点をもらい、プロ初完投を完封で飾った。「去年は去年。今年は今年で一人一人に集中することが大事。打者にリズムをつくれるようにしたい」と気を引き締めて挑んだ。今季は入団7年目で初めて開幕からローテーションを担い、8勝(2敗)したが、9月中旬に新型コロナウイルスに感染した影響で、レギュラーシーズン最終登板は8月25日の広島戦と不完全燃焼。阪神とのCSファイナルステージ第3戦で5回3失点と粘り、迎えたシリーズで6回を3安打無失点、7奪三振。「一人一人集中してしっかり投げることができました。ピンチの場面でメリハリのある投球ができたし、中村さんのリードと野手の方に助けてもらいながら投げることができました。チームが勝てるようベンチで声を出します」。成長した姿をみせた。(森祥太郎)

◆オリックスは打線が1得点に終わり、0勝2敗1分けとされた。相手先発の高橋奎二投手(25)に6回無失点の好投を許した。打線は一回、先頭の福田が四球で出塁。安達の犠打で1死二塁として、3番に入った吉田正だ。1球目から手を出すも、中飛に倒れた。2死三塁となり4番の頓宮だが、空振り三振に終わった。最大のチャンスは四回だった。1死一塁から宗が左中間に二塁打。1死二、三塁としてシーズン打率・283を記録した中川圭だ。外角の147キロにハーフスイングで空振り三振。続く杉本も空振り三振で、高橋を攻めきれなかった。先発・宮城も四回を終えて無失点と好投。暗転したのは、0-0の五回2死一、二塁。山田に147キロを左翼席に運ばれる3ランを浴びて3点を献上した。投手戦から一転して主導権を渡してしまった。七回には3番手の竹安がマウンドへ。安打と四死球で2死満塁とされ、打席にはシーズンで三冠王に輝いた村上だ。フルカウントにまで持っていくが、最後は外れてしまい押し出し四球。ダメ押し点を与えてしまった。九回1死一、二塁でも村上は本田から右中間を破る2点二塁打。3打点の活躍を見せると、続くオスナも中前適時打で7点目。その裏にオリックスは1死から中川圭、杉本が連打。1死一、二塁から代打・西野が左前適時打を放ち1点を返したが、最後は福田が二ゴロに終わり、ゲームセットとなった。

◆ヤクルト・石川雅規投手(42)は25日、試合前の練習でダッシュなどで調整した。26日の日本シリーズ第4戦の先発に備えた。昨年の日本シリーズでも第4戦に登板し、6回1失点(自責点0)と好投して初勝利。22日に42歳9カ月を迎えた左腕が勝利すれば、1950年に42歳8カ月で勝利した若林忠志(毎日)を抜きシリーズ最年長記録となる。「簡単にはいかない相手なので、思い切ってぶつかっていくしかない」と言葉に力を込めた。(京セラ)

◆?ヤクルト先発の高橋が6回無失点で勝利投手。シリーズ初登板の昨年第2戦では9回を完封し、これで15イニング連続無失点。シリーズでの連続イニング無失点記録は、1981-83年の巨人・西本聖の29回があるが、初登板から15イニング以上続けての無失点は51年の巨人・藤本英雄の17回、93-2001年のヤクルト・高津臣吾の16回2/3、99-11年の中日・岩瀬仁紀の17回2/3に次いで4人目。先発では51年の巨人・藤本以来71年ぶり2人目。?初登板に限らず、ヤクルトの投手で15イニング連続無失点は、97-01年の石井一久の19回、高津の16回2/3に次いで3人目。

◆ヤクルトは山田哲人内野手(30)の3ランを放つなどオリックスに快勝し、2勝目(1分)を挙げた。山田は第2戦まで10打数無安打と苦しんだが、第3戦の第2打席でシリーズ初安打(二塁内野安打)を放つと、五回2死一、二塁の場面で宮城からシリーズ1号となる先制3ランを放ち、復活を印象づけた。以下、山田のヒーローインタビュー。--チームを勝利に導いた「素直にうれしいです」--五回2死一、二塁の場面、どんな気持ちで打席に「真っすぐをしっかり狙って、しっかりミートする。ただそれだけです」--手応えは「良い角度がついてくれていたので、プラス自分のスイングもできましたし、感触はよかったです」--ファンの皆さんの大きな拍手が後押しになった「自分だけじゃなくてプロ野球選手全員がパワーになっていると思います。引き続きご声援よろしくお願いします」--ファンに向けて「まだ2勝だけなので、しっかり気を引き締めて日本一目指して頑張りたいと思います」

◆オリックスの先発・宮城大弥投手(21)は5回?を投げ3失点。日本シリーズ初勝利とはならなかった。五回2死一、二塁で山田に左翼席に先制3ランを浴び、「五回のところが全てだと思いますし、粘り切りたいところで長打を許してしまうという一番よくない投球になってしまいました」と反省した。昨年の第2戦(京セラ)でも高橋に投げ負け。同じ相手に雪辱を果たすことはできなかった。

◆球団初の2年連続日本一を目指すヤクルトがオリックスに快勝した。データBOXは以下の通り。?ヤクルトが対戦成績を2勝0敗1分けとした。シリーズで開幕2連勝(引き分けを含む)は2020年のソフトバンク以来2年ぶり39度目。過去38度のうち日本一が29度で優勝確率は76・3%。ヤクルトの連勝スタートは1993、95年の2度いずれも日本一となっている。?山田の日本シリーズでの本塁打は昨年第5戦以来、通算5本目。ヤクルト(前身を含む)で通算5本は大杉勝男、池山隆寛の4本を抜く球団最多本数。?シリーズ5本以上は29本の王貞治(巨人)を筆頭に28人目。山田の5本塁打は全て殊勲弾(先制2、同点、勝ち越し、逆転が各1)。殊勲本塁打を通算5本以上は、17本の王、13本の長嶋茂雄(巨人)、6本の柴田勲(巨人)らに次いで7人目。5本連続で放ったのは、70-72年の王(通算18本目→22本目)、68-76年の柴田(同6本目→10本目)に次いで3人目で、シリーズ初本塁打からは山田が初めて。

◆ヤクルト・山田哲人内野手(30)が、シリーズ1号の決勝3ランを放った。球団最多となるシリーズ通算5本塁打目。ヒーローインタビューで「いい角度がついてくれた。自分のスイングができて、感触もよかった」と振り返った。五回2死一、二塁で宮城の内寄り低めの直球を捉え、左翼席へ鮮やかな放物線を描いた。第2戦までは3番で先発出場していたが、この日は塩見と入れ替わって1番に名を連ねた。第1戦から10打数無安打と不振に陥っていたが、三回に二塁内野安打を放ち、シリーズ12打席目で待望の初安打を記録した。

◆ヤクルト・塩見泰隆外野手(29)が中堅の守りで貢献した。0-0の四回1死一塁。左中間を破った宗の打球に猛チャージし、素早く返球して一塁走者の生還を許さなかった。シリーズ初戦で決勝弾を放つなど、先頭打者としてチームを勝利に導いてきた。「3番」に入ったこの日は無安打で2死球を受けた。「とにかく優勝したい」との言葉通り、闘志を前面に出してプレーした。

◆六回の守備から出場したヤクルトのD2位・丸山和(明大)が、鮮やかなセーフティーバントでシリーズ初安打を記録。七回先頭で一塁前に強めの打球を転がし、俊足を飛ばした。その後、二盗に成功。リーグ2連覇を決めた試合でサヨナラ打を放ったルーキーは「求められた役割を100%やりたい」と意気込んでいた。八回に二塁強襲安打を放ち、右翼の守備では飛球のスライディングキャッチを決めた。

◆1996年以来の日本一を目指すオリックスだが、ヤクルトに完敗した。データBOXは以下の通り。?...オリックス(前身の阪急時代を含む)が日本シリーズで連敗スタートするのは4度目。1967年(対巨人=●●●〇〇●)、72年(同=●●〇●●)、95年(対ヤクルト=●●●〇●)と過去3度は全て敗退

◆日本シリーズ初登板となったオリックスの竹安は制球に苦しんだ。0―3の七回から登板。四死球などで満塁とすると、4番村上には押し出し四球で追加点を許した。「こういう結果になってしまって反省しないといけない」とうつむいた。今季は先発ローテーションの谷間を埋めて6試合に登板。2勝を挙げたが、今年初の中継ぎ起用には応えられなかった。

◆オリックス・西野真弘内野手(31)が意地の一打で完封負けを阻止した。0-7の九回1死一、二塁から代打で打席へ。右腕・小沢の139キロを左前に落とす適時打となった。レギュラーシーズンでは43試合出場ながら打率・289を記録。昨年の日本シリーズは出場資格者40人に登録されながらも出場はなく、8年目にして初出場となった日本シリーズで32歳のバットが光った。

◆九回の攻撃を控えたオリックスのファンが、グラウンドに背を向けて席を立った。とどめを刺したのは、ヤクルト・村上宗隆内野手(22)だ。「なかなか追加点が取れていなかったので、1点でも多くという気持ちで打席に入りました。追い込まれていましたが、食らいついて打ちました」こう振り返ったのは、4点リードで迎えた九回1死一、二塁の好機。外寄り高めの直球を捉えて右中間に運び、試合を決定づける2点二塁打を放った。六回には3試合連続安打となる左翼線二塁打。守っても、六回に頓宮が放った三塁線への強烈なゴロに飛びついてアウトを奪うなど、攻守で存在感を放った。不振に陥っていた山田が五回に先制のアーチを架けると、ベンチで無邪気に跳びはねて喜びを表現した。23日の第2戦は6打数1安打に終わったが、1日の休養を挟んですぐに復調。2安打3打点で勝利に貢献した。「チームのためにどれだけ力になれるかが大事」と短期決戦での心得を説いていた主砲。その背中でナインを引っ張った。

◆主将がお目覚めだ!! 「SMBC日本シリーズ2022」は25日、京セラドーム大阪で第3戦が行われ、球団初の2年連続日本一を狙うヤクルト(セ・リーグ優勝)が、オリックス(パ・リーグ優勝)に7―1で快勝した。ここまで2試合無安打と沈黙していた山田哲人内野手(30)が1番に入り、五回に先制&決勝の3ラン。球団史上最多となるシリーズ通算5本目のアーチで打線が活性化し、チームは2勝1分けとなった。やっと出た。この瞬間を待っていた。0―0の五回2死一、二塁で山田がシリーズ1号の3ラン。久しぶりに笑顔を見せた主将は、歓喜に沸く仲間たちとハイタッチで喜びを分かちあった。「うれしいですね。たくさん迷惑かけていましたし、打撃コーチにもアドバイスをいただいたので、感謝したいです」大きな一発だった。オリックス先発・宮城が投じた2球目、147キロの直球を強振。打球は大きな放物線を描き、敵地・京セラドーム大阪の左翼席ではねた。日本シリーズは通算5本目。球団では大杉勝男、池山隆寛のレジェンド2人を抜いて最多記録となった。苦しんだ分だけ、うれしかった。第1戦は4打席連続三振、第2戦も5打数無安打。4番・村上は初戦で本塁打を放ち、塩見やオスナが好調の中、自身は無安打が続いた。杉村、大松両打撃コーチにタイミングの取り方やメンタル面の助言を受けるなど試行錯誤した。三回の第2打席で全力疾走して、二塁内野安打。シリーズ12打席目で初安打をマークし、勢いに乗った。〝親心〟が生んだアーチだった。3戦目で1番に入った。高津監督は「昨日の夜から悩んでいて、何かきっかけを作らないといけないと思っていた」。朝、チーム宿舎で目覚めた瞬間に「これは、1番だ」と2カ月ぶりに3番から動かすことを決断した。昼食時に指揮官から「1番でいこうと思うけど、どうだ?」と聞かれた際は「監督の指示に従います」と答えた。「打順は関係ない。任されたところで役割を果たしたい」と覚悟を決めた。主将2年目。レギュラーシーズンでも苦しんだ。7月上旬に新型コロナウイルスに感染。復帰後も調子は戻らなかった。「もう何してもよくならん」と嘆いたこともあった。自身も不振でチームも7連敗中だった8月14日のDeNA戦(神宮)の試合前。高津監督に「1番にしてください」と直訴した。「自分の中で流れを変えようと思った」。3年ぶりの1番起用で初球先頭打者弾。不振を脱するきっかけになったのは、レギュラーに定着した14年に135試合で出場した1番だった。地元は大阪。京セラドームは好相性だ。今年3月25日、阪神戦で開幕戦史上最大の7点差を逆転した。九回に同点ソロを放ったのが山田だった。高津監督は甦った主将を「山田の存在を再確認できたゲームだった。すごいですよ。彼は」と絶賛した。ヤクルトがシリーズで開幕2連勝(引き分けを含む)すれば、過去2度ともに日本一となっている。V率は100%だ。球団初の2年連続日本一まで2勝。仲間もファンも頼り、愛する背番号1が帰ってきた。(赤尾裕希)★生観戦の父「格別」 山田の活躍をいつも大阪の家族が温かく見守っている。父・知規さん(64)はこの日の試合をスタンドで観戦。貴重な一発を「目の前で見ることができて格別でした」と喜んだ。7月28日。オールスターゲームを終え、後半戦開幕となる甲子園での阪神戦前に実家に帰省。母・則子さんの61歳の誕生日で、食事をしながら感謝を伝えた。今シリーズを神宮でも観戦した知規さんは「(調子が悪くても)気にせず普段通り頑張れ、と伝えました。気を引き締めて頑張ってほしい」とエールを送った。■データBOX?ヤクルトが対戦成績を2勝0敗1分けとした。シリーズで開幕2連勝(引き分けを含む)は2020年のソフトバンク以来2年ぶり39度目。過去38度のうち日本一が29度で優勝確率は76.3%。ヤクルトの連勝スタートは1993、95年の2度いずれも日本一となっている。?山田の日本シリーズでの本塁打は昨年第5戦以来、通算5本目。ヤクルト(前身を含む)で通算5本は大杉勝男、池山隆寛の4本を抜く球団最多本数。?シリーズ5本以上は29本の王貞治(巨人)を筆頭に28人目。山田の5本塁打は全て殊勲弾(先制2、同点、勝ち越し、逆転が各1)。殊勲本塁打を通算5本以上は、17本の王、13本の長嶋茂雄(巨人)、6本の柴田勲(巨人)らに次いで7人目。5本連続で放ったのは、70-72年の王(通算18本目→22本目)、68-76年の柴田(同6本目→10本目)に次いで3人目で、シリーズ初本塁打からは山田が初めて。

◆救援陣の安定感がスワローズを支えている。好投した高橋からバトンをつなぎ、4人の救援陣が役割を果たした。七回は石山が2安打を許しながら要所を締め、八回は勝ちパターンの清水が無安打投球。九回は今季中盤からブレークし、29試合に登板した左腕の久保が日本シリーズ初登板。左打者の宗を遊ゴロに抑えると、シーズン途中に育成選手から支配下登録されて先発として2勝を挙げた小沢がシリーズ初のマウンドへ。今季、2軍では守護神を務めた右腕が3連打で1点を奪われたが、踏ん張って試合を締めた。救援陣は3試合で計15イニングを3失点。「みんな、早く投げさせてあげたいなという思いがある。(ブルペンで)ずっと待機しているよりも、1回投げたほうがまた次を頑張ってくれる」と短期決戦での起用法を示していた高津監督。大量リードがあったとはいえ、九回を若手に託す大胆な采配で勝利をもぎ取った。

◆シリーズ男を襲名!! ヤクルト・高橋奎二投手(25)が6回3安打無失点の好投。昨秋の日本シリーズ第2戦でプロ初完封を飾った敵地で再び輝き、これでシリーズは計15回連続で無失点だ。バトンを受けた救援陣も石山泰稚投手(34)、清水昇投手(26)、久保拓真投手(26)、小沢怜史投手(24)と4人のリレーで試合を締めた。敵地の京セラドーム大阪を支配した。高橋が気迫のこもった投球で6回無失点。何度も「おりゃー!!」と雄たけびを上げて懸命に腕を振った。「力というよりも制球を重視。ギアを上げるところは上げて、投げることができた」2年連続で臨んだ頂上決戦で再び快投した。最速150キロを計測した直球と110キロ台の緩いスライダーを軸に三回まで無安打投球。四回に1死二、三塁のピンチを招くと、ギアチェンジ。中川圭と杉本をともに直球で空振り三振に仕留め、力強くガッツポーズをつくった。昨年の日本シリーズ第2戦(京セラ)でも宮城と投げ合い、プロ初の完投を完封で飾った。今年も大舞台で輝き、シリーズで15回連続無失点とした。京都・龍谷大平安高から入団7年目の今季は初めて開幕からローテーションを担い、8勝2敗、防御率2・63。1年間を戦い抜く体力、持ち味の速球を向上させるために下半身の強化に着手。体幹トレーニングの量を増やすなどしてお尻周りはひと回りほど大きくなり、直球の平均速度は昨季から2キロ速くなった。変わったのは体だけでない。9月中旬に新型コロナウイルスに感染。レギュラーシーズンの登板は8月25日が最後となったが、2軍調整中に1年目の山下輝や育成2年目の下慎之介らに助言をする姿があった。「ちょっとでも教えられたら、若い子たちも頑張ろうと(いう姿勢に)なってくれる」。1軍での経験を伝え、後輩のお手本のような存在となっている。今月14日、阪神とのCSファイナルステージ第3戦で復帰し、5回3失点。そこから短期間で右肩の開きを抑え、下半身重視のフォームに修正した。2軍監督時代から〝秘蔵っ子〟として、大きな期待を寄せてきた高津監督は「フラフラしていた奎二も見ているので大きな成長を感じる。感情のコントロールもうまくなった」と目を細めた。(森祥太郎)■データBOX?ヤクルト先発の高橋が6回無失点で勝利投手。シリーズ初登板の昨年第2戦では9回を完封し、これで15イニング連続無失点。シリーズでの連続イニング無失点記録は、1981-83年の巨人・西本聖の29回があるが、初登板から15イニング以上続けての無失点は51年の巨人・藤本英雄の17回、93-2001年のヤクルト・高津臣吾の16回?、99-11年の中日・岩瀬仁紀の17回?に次いで4人目。先発では51年の巨人・藤本以来71年ぶり2人目。?初登板に限らず、ヤクルトの投手で15イニング連続無失点は、97-01年の石井一久の19回、高津の16回?に次いで3人目。

◆第3戦が行われ、26年ぶりの日本一を狙うオリックス(パ・リーグ優勝)はヤクルト(セ・リーグ優勝)に完敗し、2敗目(1分け)を喫した。本拠地・京セラドームに帰り、巻き返しを期して第3戦に挑んだオリックスナインだったが、大幅に入れ替えた打線が沈黙。流れを呼び込むことができず、2敗目を喫した。「う~ん、まあ、チャンス一回ぐらいかな。あそこ(四回)で(点が)取れなかったのが...。(宮城の失点は)次の回ですからね。そういう流れになっちゃっている気がしますよね」中嶋監督が指摘したのは、0─0の四回1死二、三塁の場面だ。好投を続ける高橋を相手に作った先制のチャンス。犠飛でも内野ゴロでもいい。絶対に先取点を奪いたい場面で、中川圭、杉本が空振り三振に終わった。この日は打順を大幅に変更。第2戦のスタメンから、8番・伏見以外の8選手の並びを入れ替えた。指揮官の狙い通り、好機で勝負強い中川圭、大砲の杉本に打席が回ったが、快音は響かず。直後の守備で先発の宮城が3失点して相手に流れを渡してしまい、将は「(四回に先制していれば)全然違いましたよね、展開的には」と指摘。野手陣に「中途半端なスイングするならちゃんと振らなきゃいけないですし、ただ当てに行って当たらないんでしたら、ちゃんと振るということ」と攻めの姿勢を求めた。「ボールっぽいのを中途半端に振ってしまったというのが反省。もし、その前に打てる球があったら、しっかり振っていかないといけない。(ベンチからの指示で)『いけ』とは言っているんですけど、そこがなかなか手が出ないのは、プレッシャーって言ったらあれですけど、それがいま点が取れない原因なのかなと思います」第3戦を終えてまだ勝利がないが、「やり返すチャンスある」と前を向く指揮官の思いにナインが応えるしかない。(西垣戸理大)

◆六回の守備から出場したD2位・丸山和(明大)が、鮮やかなセーフティーバントでシリーズ初安打を記録。七回先頭で一塁前に強めの打球を転がし、俊足を飛ばした。その後、二盗に成功。八回には二塁強襲安打を放ち、右翼の守備では滑り込んで飛球を好捕した。リーグ制覇を決めた試合ではサヨナラ打を放ったルーキー。高津監督は「守備と足は誰にも負けないものを持っている。いいプレーをしている」とたたえた。

◆オリックスは試合前練習で、ヤクルト先発の高橋対策として、兼任投手コーチの能見が打撃投手を務め、若月らに投球した。能見は日本シリーズの前に「僕はコーチの方が比重が大きいので、しっかりサポートできるようにしたい」と強調しており、左投手対策に尽力した。さらに中嶋監督からは円陣での声出しにも指名され、「神宮では勝てなかったですけど、やり返す番です。一つ勝って、次につないでいきましょう。みんなで勝ちましょう!!」とベンチ内で声を張り上げてナインを鼓舞した。しかし打線は高橋を攻略できず、痛い2敗目を喫した。(理)

◆まさか〝外野〟の声を採用したわけではないだろう。確かにエモトは第2戦の評論で、山田の打順を「考えた方がいい」とは指摘した。それもあくまで「楽な打順に下げるとか...」だった。まさか、3番から1番に配転するとは。そしてまさか、あそこで先制3ランが出るとは。まさか、まさか、まさか。3つも重ねられたらもう、脱帽するしかない。これぞ采配の妙。高津監督はさえていたね。短期決戦は、選手起用ひとつでガラリと様相が変わる。中嶋監督も大幅にスタメンを組み替えたけど、ハマらなかった。余計に高津監督のツボの押さえどころが光った。山田に一発が出たおかげで、村上にも変化が出てきた。速球にタイミングが合うようになって、鋭い二塁打2本。2人が3、4番で並び、どちらかが不振だと、どうしても「俺が俺が」のリキみが生まれるもの。1人の配転が、大きな波及効果を呼んだよ。さて、最後にもう一丁。まさか、このまま一気に決着か? とは思っていないだろうね。ちょっとしたことで流れが変わる短期決戦。ヤクルトはより慎重に! オリックスは決して諦めずに!!(本紙専属評論家)

◆今季限りで現役を引退したヤクルトの坂口智隆氏(38)が、日本シリーズ全試合で特別観戦記をサンケイスポーツに寄稿。昨年の日本シリーズで対戦し、第3戦に先発したオリックス・宮城大弥投手(21)の特徴であるクロスステップの投球を分析。京セラドーム大阪の特性も語った。両先発が好投する中で、試合を動かした山田選手の一発。宮城投手にとっては失投ではなく、山田選手の見事な技術が光りました。山田選手は第2戦まで安打が出ていなかったのですが、首脳陣やチームメートは心配していなかったと思います。彼の存在感は、かけがえのないものです。グラウンドにいるだけでチームの支え、安心感になります。大舞台や大事な場面であればあるほど、力を発揮する姿を見てきました。好不調に関わらず日々の取り組みに波がない。同じ集中力、メンタルで過ごせる。周囲が感じる安心感は、そういった日々がもたらすものです。ヤクルトで7年間、一緒にプレーして、若い時からここ一番で発揮する星を持っていましたし、準備やルーティンも欠かさずにこなしていました。一方の宮城投手は昨年の日本シリーズ第2戦(京セラ)でも先発でした。9番でスタメンだった自分は3打席対戦。2打席目に左前打を放ちました。20歳とは思えないマウンドさばきで、今年の投球も見事でした。低めの直球は切れがあり、左打者にとっては外角がかなり遠く見えます。カーブの変化量は大きく、現役投手に似た軌道を描く投手はいないでしょう。プレートの一塁側を軸足で踏み、着地の右脚はさらに一塁側。腰をひねって直球にも角度がつき、打者には非常に難しい対応が求められます。打者のタイミングを外す術を持ち、左打者の内角にも強い球を投げられる。勝てる投手の条件がそろっています。第3―5戦の舞台となる京セラドーム大阪は、外野手にとって難関となる球場の1つです。人工芝のグラウンドが非常に硬く、目測を誤るとワンバウンドの打球で頭を越されます。致命的なミスとなる可能性があり、判断能力が求められます。ヤクルトに限らず、ビジターチームの外野陣は試合前練習で入念に確認しているはずです。内野と外野の間に飛球が落ちると、バウンドしている間に走者は進塁できます。外野手はバウンドを待つのではなく、バウンドした打球に上からグラブをかぶせにいく。グラブの角度を工夫し、体に当てて前に落とす。いかに走者の進塁を許さないかが求められます。逆に攻撃側に立てば、飛球が上がっても走るスピードを緩めてはいけません。間に落ちる打球で2つの進塁を稼げる可能性だってある。ポテンヒットなら二塁打。そういう意識で京セラでは打席に入っていました。両チームは足を生かせる打者が多いので、そうした1つの進塁が試合の行方を左右するかもしれません。(坂口智隆)

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