1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2 | 4 | 1 | 1 |
ORIX | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1X | 3 | 6 | 0 | 1 |
勝利投手:阿部 翔太(1勝0敗1S) 敗戦投手:モイネロ(0勝1敗1S) 本塁打 |
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◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。オリックスは4回裏、吉田正の2ランが飛び出し、先制に成功する。その後同点を許すも、9回には2死二三塁の好機から中川圭が適時打を放ち、サヨナラ勝利を収めた。敗れたソフトバンクは、7回にデスパイネの2ランで追いつくも、6番手・モイネロが精彩を欠いた。
◆CSファイナルステージの第4戦は、チケットが完売した。当初は当日券の販売を予定していたが、午前中までにインターネット販売などで売り切れた。この日は、上段外野5階席も解放された。試合開始前、中嶋監督は円陣で「何試合もあると思うなよ! この試合で行くぞ! 決めるぞ!」とナインを鼓舞した。
◆2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけているオリックスが、4回に吉田正尚外野手(29)の2ランで先手を取った。4回無死から先頭の中川圭太内野手(26)が左前打で出塁。続く4番吉田正が1ストライクからの2球目を強振。完璧に捉えた当たりはバックスクリーン右の5階席に飛び込む特大アーチで先制点をたたき出した。CSファイナルでは第1戦に続く2本目は特大弾に満員の観客がドッと沸いた。「打ったのはチェンジアップ。甘く入ってきた変化球をしっかりと一発でしとめることができました。山岡が頑張って投げていたし、なんとか野手陣で得点をと思っていたので打ててよかったです」と主砲の仕事をした。オリックス先発の山岡泰輔投手(27)は4回まで無失点。ソフトバンク戦は21年4月30日以来の登板となるが、ソフトバンク打線を抑えた。5回からは宇田川優希投手(23)がマウンドに上がっている。オリックスは3勝1敗としており、引き分けか勝つと日本シリーズ進出が決まる。
◆ソフトバンク和田毅投手(41)が5回途中で緊急降板した。先頭の紅林に左前打されたが、続く若月の送りバントに猛チャージし、見事なフィールディングで二塁へ送球。フォースアウトを奪った。気迫あふれるプレーだったが、このプレーで下半身を痛めた模様で、いったん治療のためベンチに下がった後、そのまま交代した。2番手にはファイナルSで3試合目の登板となる大関が送られた。この日の和田は初回から直球で押し、3回まで無安打投球。4回には吉田正に先制2ランを浴びていたが「全力で投げます。それだけです」と話していた通り、全エネルギーを注いで飛ばしていった。
◆ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ外野手(36)が、一振りで試合を振り出しに戻した。2点を追う7回1死一塁。オリックス3番手の山崎颯から、左中間へ同点の2ランをたたき込んだ。デスパイネは「とにかく自分のベストを尽くそうと打席に入った。いいスイングで完璧に捉えることができたよ」。ファーストSでは2戦無安打。ファイナルSに入り安打は出ていたが、ここに来て価値ある初アーチとなった。
◆オリックスの山崎颯一郎投手(24)が球団日本人最速の160キロを計測したが、直後に同点2ランを被弾した。7回に3番手でマウンドに上がった。1死一塁から4番デスパイネへの3球目は160キロを計測。13日には159キロを計測し、山本由伸投手(24)と並んで最速だったが、単独トップとなった。ただ、続く4球目をボールとし、1ボール2ストライクからの5球目を完璧に捉えられた。左中間スタンドへの同点2ランを許して2-2と追いつかれた。オリックスは3勝1敗としており、引き分けでも日本シリーズ進出が決まる。
◆ソフトバンクの2年ぶり日本一への夢が途絶えた。オリックスのアドバンテージを含む1勝3敗で迎えた1戦に勝つことができず、敗退が決まった。先発した和田は5回途中まで2失点の力投で試合をつくった。2点を追う7回には、デスパイネが今季ポストシーズン初本塁打となる同点2ランを放ち、試合を振り出しに戻した。だが最後に勝ちきれなかった。ファーストSでは2連勝で西武を退けたが、ファイナルS初戦では相手エース山本に好投を許し0封負け。連敗し後がなくなった第3戦で、エースの千賀が7回途中無失点の好投を見せ1勝。リーグ王者になんとか一矢報いたが、その勢いは続かなかった。
◆オリックスがサヨナラで2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2の9回にソフトバンク抑えのモイネロを攻め立てた。1死から9番若月健矢捕手(27)が左前打で出塁。続く1番福田周平外野手(30)も四球。その後2死二、三塁として3番中川圭太内野手(26)が入った。カウント2-2からの5球目を左前に運び、三塁走者が生還。中川圭は右拳を突き上げた。試合を決める一打に共同会見でも「めちゃくちゃうれしい」と興奮を隠せなかった。中嶋聡監督(53)も「誰か決めてくれと思っていた。(中川)圭太がきっちり決めてくれたのが本当にホッとしたというか、すごくうれしかった」と喜んだ。中川圭は昨年はCS、日本シリーズともに出場なし。「昨年は実力不足で貢献できず。今年は強い気持ちで1年間やってきた。まだまだ強い気持ちを持ってやっていきたい」とさらなる活躍を目指す。日本シリーズへは「チームのために形を気にせずに思いきりプレーしたい」と意気込んだ。劇的な勝利で日本シリーズ進出を決めた。相手は昨年と同じヤクルト。リベンジをかけた戦いは22日に開幕する。オリックスが最終ステージを4勝1敗とし、2年連続14度目の日本シリーズ出場を決めた。プレーオフ、CSのサヨナラ勝ちは13度目だが、シリーズ出場を決めた試合では06年日本ハム、10年中日、11年ソフトバンクに次ぎ4度目。日本シリーズでは96年以来26年ぶりの日本一を目指す。オリックス中嶋監督は2年連続で日本シリーズ進出。新人監督から2年以上連続でシリーズに進出したのは、86~88年森祇晶監督(西武)に次いで2人目。日本シリーズは昨年に続きオリックスとヤクルトの対戦。シリーズで同一カードが2年以上続くのは19、20年の巨人-ソフトバンク以来11度目。オリックスはヤクルトと78、95、21年に過去3度対戦し、すべて敗退。今年は雪辱なるか。吉田正がファイナルステージで<1>戦に続き本塁打。同一シーズンのプレーオフ、CSで本塁打を2本以上放ったオリックスの選手は、阪急時代の73年住友平(3本=対南海)75年長池徳二(2本=対近鉄)マルカーノ(2本=同)に次いで球団47年ぶり4人目。
◆オリックスがサヨナラで2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2の9回にソフトバンク抑えのモイネロを攻め立てた。1死から9番若月健矢捕手(27)が左前打で出塁。続く1番福田周平外野手(30)も四球。その後2死二、三塁として3番中川圭太内野手(26)が入った。カウント2-2からの5球目を左前に運び、三塁走者が生還。中川圭は右拳を突き上げた。試合を決める一打に共同会見でも「めちゃくちゃうれしい」と興奮を隠せなかった。中嶋聡監督(53)も「誰か決めてくれと思っていた。(中川)圭太がきっちり決めてくれたのが本当にホッとしたというか、すごくうれしかった」と喜んだ。中川圭は昨年はCS、日本シリーズともに出場なし。「昨年は実力不足で貢献できず。今年は強い気持ちで1年間やってきた。まだまだ強い気持ちを持ってやっていきたい」とさらなる活躍を目指す。日本シリーズへは「チームのために形を気にせずに思いきりプレーしたい」と意気込んだ。劇的な勝利で日本シリーズ進出を決めた。相手は昨年と同じヤクルト。リベンジをかけた戦いは22日に開幕する。オリックスが最終ステージを4勝1敗とし、2年連続14度目の日本シリーズ出場を決めた。プレーオフ、CSのサヨナラ勝ちは13度目だが、シリーズ出場を決めた試合では06年日本ハム、10年中日、11年ソフトバンクに次ぎ4度目。日本シリーズでは96年以来26年ぶりの日本一を目指す。オリックス中嶋監督は2年連続で日本シリーズ進出。新人監督から2年以上連続でシリーズに進出したのは、86~88年森祇晶監督(西武)に次いで2人目。日本シリーズは昨年に続きオリックスとヤクルトの対戦。シリーズで同一カードが2年以上続くのは19、20年の巨人-ソフトバンク以来11度目。オリックスはヤクルトと78、95、21年に過去3度対戦し、すべて敗退。今年は雪辱なるか。日本シリーズ日程 日本シリーズは22日に神宮球場で開幕する。昨年は神宮球場がアマチュアの明治神宮大会と重なり、ヤクルトは<3>~<5>戦のホームゲームを東京ドームで行った。オリックスも京セラドーム大阪が音楽ライブと重なり<6>戦をほっともっと神戸で開催したが、今年は両チームとも本拠地の神宮、京セラドーム大阪で実施予定。
◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2で迎えた9回、2死一、三塁から中川がソフトバンク守護神モイネロから左前打を放ちサヨナラ勝ち。アドバンテージと合わせ4勝1敗とした。
◆オリックスが劇的なサヨナラ勝ちで2年連続の日本シリーズ進出を決めた。中嶋聡監督(53)は「本当にうれしい。全員で勝つことができた」と笑顔。9回にサヨナラ打を放った中川圭については「決めてくれと思っていた。打ってくれてほっとした」たたえた。22日からは敵地神宮で、セ界王者のヤクルトと2年連続の日本シリーズに臨む。「去年しっかり負けたので、今年は何とかやり返したい」とリベンジを誓った。オリックスが最終ステージを4勝1敗とし、2年連続14度目の日本シリーズ出場を決めた。プレーオフ、CSのサヨナラ勝ちは13度目だが、シリーズ出場を決めた試合では06年日本ハム、10年中日、11年ソフトバンクに次ぎ4度目。日本シリーズでは96年以来26年ぶりの日本一を目指す。オリックス中嶋監督は2年連続で日本シリーズ進出。新人監督から2年以上連続でシリーズに進出したのは、86~88年森祇晶監督(西武)に次いで2人目。日本シリーズは昨年に続きオリックスとヤクルトの対戦。シリーズで同一カードが2年以上続くのは19、20年の巨人-ソフトバンク以来11度目。オリックスはヤクルトと78、95、21年に過去3度対戦し、すべて敗退。今年は雪辱なるか。
◆オリックスが劇的勝利で2年連続の日本シリーズ進出を決めた。中嶋聡監督(53)のお立ち台の一問一答は以下の通り。-サヨナラで日本シリーズ進出を決めた。今の気持ちは中嶋監督「はい。本当にうれしいです」-満員の京セラでの勝利中嶋監督「優勝インタビューのときにいっぱい応援してくださいと言ったので、これだけ入ってくれて、ありがとうございます」-吉田正の本塁打中嶋監督「とんでもなく飛んでくれたのでちょっと度肝を抜かれた。素晴らしいホームランだと思います」-中川圭が決めた中嶋監督「もう本当に決めてくれと思っていた。打ってくれてホッとしましたし、延長の投手も考えなくてよくなったので、非常にありがたいヒットでした」-リリーフ陣は中嶋監督「本当に苦しいというか、非常に厳しいタフなゲームばっかりでよく投げてくれた。経験ない投手ばかりでしたが、本当にいい緊張感で最高の投球をしてくれたのかなと思います」-日本シリーズはヤクルトと中嶋監督「去年しっかり負けましたので今年何とかやり返したいと思います」-ファンに日本一への意気込みを中嶋監督「選手みんな頑張っていますし裏方の人たち、すべての人たちが頑張って、全員で勝つことができました。集まってくれたファンのみなさまありがとうございます。また皆さんの力を借りると思いますけど、一緒に日本シリーズ頑張りましょう!」
◆ソフトバンクの2年ぶり日本一への夢が途絶えた。オリックスのアドバンテージを含む1勝3敗で迎えた1戦に勝つことができず、敗退が決まった。キャプテン柳田悠岐外野手(34)はCSファイナル突破を果たせず課題克服を誓った。「力負けというか、オリックスは強かった」。同点の9回1死一塁では中飛に終わった。「投手力もそうですし、打線も力強かった」とオリックスをたたえた。主将として今シーズンをけん引したがV逸に終わり日本シリーズ進出もできなかった。「(主将は)すごくいい経験をさせてもらったけど、力不足。(チームは)課題だらけ。個人個人が足りないところをしっかりやっていきたい」と前を向いた。▽ソフトバンク今宮(CSファイナル突破できず)「選手会長としても選手としても何もできなかったという悔しさがある。オリックスは山本投手を筆頭にレベルの高さを感じた。打っていかないとリーグ優勝も短期決戦も勝っていけない。もっと打っていけるようにやっていきたい。コロナ禍の中、若い選手も頑張った。レベルアップの課題は見えているので、これからやっていきたい。悔しいです」
◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2で迎えた9回、2死一、三塁から中川圭太内野手がソフトバンク守護神モイネロから左前打を放ちサヨナラ勝ち。アドバンテージと合わせ4勝1敗とした。中川圭が9回にサヨナラ安打。中川圭は公式戦でサヨナラ打を打ったことがないが、公式戦より先にプレーオフ、CSでサヨナラ打を記録したのは今回の中川圭が初めてだった。【写真たっぷりCSライブ速報詳細】オリックス2年連続日本シリーズ決定!中川圭太がサヨナラ打
◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2で迎えた9回、2死一、三塁から中川がソフトバンク守護神モイネロから左前打を放ちサヨナラ勝ち。アドバンテージと合わせ4勝1敗とした。試合後グラウンドで行われた祝勝会ではクラッカーとハリセンでファンと喜びを分かち合った。ただ、山足達也内野手(28)が"お決まりのフライング"でクラッカーを鳴らした。マイクを持った選手会長の吉田正が「みなさん、時代は山足です」と叫ぶと会場は笑いに包まれた。仕切り直してファンとともに日本シリーズ進出を祝った。
◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2で迎えた9回、2死一、三塁から中川がソフトバンク守護神モイネロから左前打を放ちサヨナラ勝ち。アドバンテージと合わせ4勝1敗とした。1、2戦目で勝利打点を挙げた杉本は「MVPは吉田正尚選手」と聞くと、お約束のようにずっこけた。吉田正尚外野手(29)は会心の笑みでガッツポーズ。青学大の先輩に向けて「どうだ」と右手を突きつけた。「ほっとしています。(MVPは)昨年、先輩が取っていて、今年も取られると思ったけど、まくれてよかったです」。杉本と並んだ祝勝会見で会心のドヤ顔を見せた。まさに千両役者。衝撃の先制2ランが日本シリーズへの道を開いた。0-0の4回無死一塁。和田の浮いたチェンジアップを強振した。打球は中堅やや右寄り、5階席まで達した。ベンチは沸き、相手はぼうぜん。場内のどよめきは何分間も収まらなかった。「山岡が頑張って投げていたし、なんとか野手陣で得点したいと思っていたのでよかった」。クールなバットマンが興奮していた。ここ一番の集中力は高まるばかりだ。リーグ優勝を激しく争った9月は打率4割1分3厘、7本塁打、23打点、出塁率4割8分9厘と月別最高をマーク。CSファイナルでも初戦のダメ押しソロと計2本塁打で打率は4割6分2厘。9回のサヨナラ機でも中川圭と勝負せざるを得ない状況を作った。次打者席にいながら、相手の脅威になった。昨年のレギュラーシーズン最後の1カ月は、右尺骨骨折でリハビリに専念。優勝争いの戦列に加われず、歯がゆい思いをした。そして今季、連覇を果たした仙台の夜。心地よい疲労感に浸りながら「一生、心に残る。今季はコロナも故障もあって、みんな苦しかった。みんなで喜びを分かち合えた」と心から喜べた。「また、こういう舞台に立たせていただける。昨年、神戸で負けて悔しさを感じている。やり返すチャンスがきた」。ファイナル突破セレモニーの最後。「日本シリーズも、全員で勝つ!」。選手会長が叫んで、全員でシャンパン型のクラッカーを鳴らした。満員観衆の大きな拍手に包まれ、26年ぶり日本一への決意を新たにした。【柏原誠】吉田正がファイナルステージで<1>戦に続き本塁打。同一シーズンのプレーオフ、CSで本塁打を2本以上放ったオリックスの選手は、阪急時代の73年住友平(3本=対南海)75年長池徳二(2本=対近鉄)マルカーノ(2本=同)に次いで球団47年ぶり4人目。
◆一粒ずつ、ユニホームに深く染みた。打球が三遊間を抜けると中川圭太内野手(26)は拳を握り、高々と掲げた。仲間が全速力でヒーローを追い掛けた。抱きつかれると、歓喜のシャワーとともに、涙が流れた。同点の9回2死二、三塁。ソフトバンク守護神モイネロの146キロ内角スライダーに食らいついた。一塁ベース手前で、サヨナラ勝利を確信。あふれる思いを隠しきれなかった。「悔しすぎて、テレビは見られなかったですね...」昨季の日本シリーズに背番号67はいなかった。「後悔はしたくない。今年、やるしかない...」。覚悟を決めた。今季は自身初の規定打席をクリア。最も成長を実感するのはメンタル面で「その打席で倒れても、また次の打席。冷静に、凡退をどう生かすかを考えられるようになった」と前を向く。"無敵"の一撃だった。中嶋監督が監督代行に就任した20年8月21日。4番に中川圭を据えた。2軍監督からの愛弟子で「期待しかない。"無敵の中川"を見ていますので」と愛情を注いだ。劇的勝利を決め、2人は熱い抱擁。中川圭は「試合に出させてもらっている立場。監督に恩返しできるように、1球1球、死に物狂いでプレーするだけです」と感謝を忘れない。中川圭は内外野を守れ、どの打順にも対応できる「超ユーティリティープレーヤー」。日々スタメンオーダーの変わる「中嶋野球」の申し子は「僕らは監督についていくだけですから」とサラリ。信頼関係が生きる。昨年はロッテにサヨナラドローでファイナル突破。2年連続サヨナラゲームで日本シリーズ進出を決めた。相手は昨年敗れたヤクルトだ。胴上げで5度、宙に舞った中嶋監督は「連覇、日本一を目指してやってきた。去年(ヤクルトに)負けたので、今年やり返したい」とリベンジを宣言した。今季主催試合最多の3万3717人が集った京セラドーム大阪。指揮官は「(10月2日の)優勝インタビューで『いっぱい応援してください!』と言ったので、これだけ入ってくれて本当にうれしい。選手、裏方、全員で勝つことができました。また皆さんの力を借りると思います。一緒に日本シリーズも戦いましょう!」。目頭を押さえる瞬間が、もう1度訪れる。【真柴健】
◆オリックス3番手の山崎颯一郎投手(24)が球団日本人最速となる160キロを2度計測した。自身と山本が持つ記録を1キロ更新し「全力でいきました」とうなずいた。ただ、デスパイネに5球目の157キロを捉えられ、左翼スタンドに放り込まれる一時同点2ランを被弾。「打たれて悔しかった。一生(勝ち越しを)祈ってました。頼むから打ってくれと」と最後は笑顔を見せた。▽オリックス宇田川(2番手で2回をパーフェクト)「フォークがよく決まっていたので楽な投球ができました。勝ち越したあとに変に荒れなかったのはよかったです。ヤクルトは村上選手、山田哲人選手らいい打者がいますが、変わらず強気でいきたい」
◆4番手で救援したオリックス阿部翔太投手(29)が9回の1イニングを無失点に封じ、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。「ホームランだけはダメだと思っていた。みんなでゼロでつなげば勝てると思っていました」。新人王候補にも名前が挙がる30歳シーズンの右腕が、ポストシーズン初勝利をゲットした。
◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。CSファイナルステージ第1戦に先発し、8回無失点でチームを勝利に導いた山本由伸投手(24)は3冠王のヤクルト村上との対戦を心待ちにした。今季4冠を獲得した投手VS 3冠王打者の対戦が実現する。山本は「すごくファンの方が楽しみにしてくれる対戦になると思うので、しっかり勝負できたらなと思います」と話した。昨年の日本シリーズでは村上を7打数1安打、4奪三振と抑え込んだ。しかし、チームは敗れて日本一を逃した。「昨年負けているので、こんないいリベンジの場面がまた来た。全力で野球をやりたいです。頑張ります」と力を込めた。
◆今季は特別チームアドバイザーも兼務した王貞治球団会長(82)は、試合後のチーム宿舎で選手たちを集め「最後は悔しい戦いになったけど、応援してくれたファンの皆さんは『やっぱりホークスは素晴らしい』とは思ってくれたんじゃないかな」とねぎらった。さらに「負けたことは悔しいけど、勝負の世界は勝つか負けるか、2つに1つしかないんだから。とにかく少しの間は頭を空っぽにして体を休めよう。来年も君たちの戦いは続くんだから切り替えるために。来年この悔しさを晴らすため、皆で思いを強く持っていこう」と、来季の巻き返しへ号令をかけた。
◆オリックスがサヨナラで2年連続の日本シリーズ進出を決めた。CSファイナル第2戦で決勝2ランを放った杉本裕太郎外野手(31)は日本シリーズでのMVP獲得へ意欲を見せた。昨年のCSファイナルではMVPを獲得。今年も第2戦で決勝2ランを放つなど、打率3割8分5厘で1本塁打、5打点と活躍。2年連続となれば史上初の快挙だったが、今年は吉田正尚外野手(29)に譲る形で逃した。MVP発表時にはグラウンド上で派手に手をついてうなだれ、笑いを誘った。「絶対僕やと思っていた」としつつも、「投打の神様2人に勝てなかったのでシリーズでとれるように頑張ります」と早くも日本シリーズでのMVP獲得を宣言した。昨年の日本シリーズでは全試合「4番右翼」で出場。打率2割9分2厘、1本塁打、3打点だったが、日本一をつかめず。「投手がすごくよくてチャンスで抑えられるシーンが多かった。今年はやり返せるように頑張ります」とリベンジを誓った。
◆オリックス杉本裕太郎外野手(31)はMVPが吉田正と発表された瞬間、ズッコケた。第1戦の先制の押し出し四球を含む2打点、第2戦の決勝2ランで「絶対ぼくやと思っていたけど、投打の神様2人に勝てなかったので、シリーズで取れるように頑張ります」と宣言。直後に「それくらいの気持ちで活躍したいです」と笑顔で訂正した。ヤクルト村上とのアーチ競演も楽しみだが「ぼくはホームラン狙わないで、コツコツやっていこうと思います」と謙虚に牙を研ぐ。
◆ソフトバンクの2年ぶり日本一への夢が15日、途絶えた。オリックスのアドバンテージを含む1勝3敗で迎えたクライマックスシリーズ、ファイナルステージ第4戦でサヨナラ負けし、敗退。藤本博史監督(58)1年目のシーズンが幕を閉じた。来季への巻き返しへ、阪神西勇輝投手(31)が今季中に取得した海外フリーエージェント(FA)権を行使した場合に備え、動向を調査していることがわかった。千賀が海外FA権を行使しメジャー挑戦することが濃厚。エース不在となる先発陣の補強へ、実績十分の右腕に照準を定める。劇的なサヨナラ負けで、ソフトバンクの2年ぶり日本一への夢が途絶えた。先発した和田は5回途中まで2失点の力投で試合をつくった。2点を追う7回には、デスパイネが今季ポストシーズン初本塁打となる同点2ラン。だが9回に守護神モイネロが崩れ、中川圭にサヨナラ打を浴びて力尽きた。レギュラーシーズンでは最終戦まで優勝を争いながら、マジック1で迎えた残り2試合に連敗。大逆転でオリックスに優勝を譲った。下克上日本一を誓ったCSでも敗れ、就任1年目のシーズンを終えた藤本監督は「選手はみんな1年間よく頑張ってくれたと思います。負けたことは負けたので。課題として、来年やり返すつもりで。打倒オリックスで頑張ります」と、静かに振り返った。リーグV、日本一の奪回へ向けて、今季中に海外FA権を取得した阪神西勇の動向に注目している。ソフトバンクは、西勇がオリックスから国内FA権を行使した18年オフにもアタック。当時は阪神移籍となりかなわなかったが、今回権利行使となれば、再度のアプローチをかける可能性が出てきた。今季のソフトバンクの課題の1つが先発投手陣だ。規定投球回に到達したのは千賀ただ1人だった。さらに千賀は試合後に、海外FA権の行使を明言した。エースがメジャー挑戦で抜けるとなれば、その穴は小さくなく、実績ある先発投手は重要な補強ポイントとなっている。西勇は今季9勝9敗も、防御率はリーグ2位の2・18をマーク。何より、ここ5年連続を含む9シーズンで規定投球回に到達している抜群の安定感は大きな魅力だ。オリックスで10年プレーし、パ・リーグでの経験も豊富。獲得が実現すれば、巻き返しへの重要なピースになる。西勇輝(にし・ゆうき)1990年(平2)11月10日生まれ、三重県出身。菰野から08年ドラフト3位でオリックス入団。3年目の11年に頭角を現し、10勝をマーク。12年10月8日、シーズン最終戦のソフトバンク戦でノーヒットノーラン達成した。18年オフ阪神へFA移籍。今季も9勝を挙げ防御率2・18はセ・リーグ2位と、安定した力を見せた。181センチ、82キロ。右投げ右打ち。
◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。2-2で迎えた9回、2死一、三塁から中川圭太内野手がソフトバンク守護神モイネロから左前打を放ちサヨナラ勝ち。アドバンテージと合わせ4勝1敗とした。青色の客席に、中川圭は座っていた。夏場、早出練習でロングティーを打ち終えると、スタンドの階段を「101番」と一緒にテクテク登っていく。左腕の左沢打撃投手とは18年ドラフト同期入団。通常の練習時間より早く球場入りしてくれる先輩の裏方スタッフに「今日もありがとうございました!」と感謝を忘れない。観客席に飛んだボールを、2人で懸命に探す。ときには「ボール、どこ行きました?」と球場警備員の力も借りる。試合前練習でフリー打撃を終えると「今日どんな感じでした?」と打撃フォームやタイミングの取り方を、マウンド目線からも確認。日々熱心に向き合う。この日は満員御礼。「ファンの力をすごく感じました。自分の力以上が出せた」。礼儀が生んだ、サヨナラ劇場だった。【オリックス担当=真柴健】
◆ツンデレ同期愛-。オリックス紅林弘太郎内野手(20)が、19年ドラフト1位、2位で同期入団の宮城大弥投手(21)に"ミヤクレター"の返事を届けた。リーグ連覇した際、宮城が紅林に日刊スポーツを通じて、愛を込めたメッセージを送った。日本シリーズ進出を決めた今回は、その返事を紅林が執筆。面白おかしい手紙の中身は、熱い同期愛を感じさせる。【企画・構成=オリックス担当・真柴健】
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】パ・リーグCSファイナル、中川圭太のサヨナラ打でオリックスがCS突破!歓喜の選手たちに中嶋監督の胴上げ、ラオウは残念も最後は巨大クラッカーで祝福です!
◆オリックスが2年連続の日本シリーズ進出を決めた。中嶋聡監督(53)は今季主催試合最多の33717人の観客が入った前で5度宙を舞った。「京セラで胴上げはなかなか見せられなかった。満員の中でしてもらった胴上げは違う気持ち」と格別な様子。昨年はかなわなかった京セラドーム大阪での胴上げに頬を緩ませた。昨年はヤクルトに2勝4敗で敗れ、日本一には届かなかった。ただ、今年も日本シリーズの出場権を得た。「その舞台に立つことが目標だったので、思いきり楽しんで思いきりチャレンジしていきたい」と話した。昨年同様、日本シリーズではヤクルトと相まみえる。「昨年は負けていますので本当にやり返したいし、チャンピオンリングにもう1回チャレンジしたい。チャレンジャーとしてやるだけ」とリベンジに燃える。日本シリーズは22日に神宮で開幕する。
◆ソフトバンク・和田毅投手(41)が第4戦に先発する。キャッチボールなどで調整した。今の心境はとの1つ目の質問に力強く答えた。「全力で投げるだけです!」そして今度は静かに「一つも負けられないので。全力で投げます。それだけです」と続けた。9月30日の楽天戦(楽天生命)以来の登板だが「調整うんぬんは関係ないので。気持ちで向かっていくだけ」と闘志を燃やした。シーズンでは17試合に登板して7勝4敗、防御率2・78。間隔を空けながらもローテーションを守り、衰えを知らずでチームをけん引した。オリックスが王手をかけた状況でバトンが回ってきた。オリックスとは5試合に登板して0勝3敗、防御率5・03。打線の印象には「キーになる打者。杉本君が打点を稼いでいますし、吉田(正)君も相変わらずすごい。隙のないいい選手がそろっている」と語った。日米通算155勝の左腕が苦しい場面を救う。
◆ソフトバンク・藤本博史監督(58)が、試合前に代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。――昨晩は寝られた「寝られたよ。なんで?」――負けられない状況は変わらない「負けたら終わりだから。そこはいい意味で開き直ってやってくれたら」――山岡とはシーズンで対戦がない「投げっぷりのいい投手じゃないですか。きょうはもういい状態と思って入っていかないと。そんな、誰がどうこうじゃなくて、きた投手を積極的に打つだけです」――1番の三森がキーマンになるか「1番、2番が出てくれたら機動力も使える。そこが一番じゃないですか」――和田も、1勝すれば潮目が変わると言っていた「和田には最初から飛ばしてもらって。一回りでもいいから思い切って飛ばしてくれたら全員投手をつぎ込んで。そういうスタイルでやっていきます」――CSで打率10割の川瀬は「きょう使うよ。(野村)勇か川瀬で最後まで迷ったけど、きょうは川瀬でいこうと。どうしても右投手のスライダー、カーブが野村君はちょっと。しんどいところがあるので」――和田が先発なら、複数イニングを投げる中継ぎ起用も「当然、考えていますよ。大関も森もいけるし。そこらは早めに突っ込んでいく予定ではいますよ」――松本は変わらず七回起用「七回ですね。切羽詰まったら六回も考えています」――又吉も加わった「球威的には戻ってきていないけど、コントロールのいい投手。球種によって、100%に戻っている球と戻っていない球があるので。そのへんは打者を見ていく形です」――外野守備をはじめ、いい守りが目立っている「いい守りも目立っているけど、悪い守りもある。短期決戦で当たり前のプレーを当たり前にできたらいいんじゃないですか。そんな特別、ファインプレーを期待しているわけじゃない。ミスさえなければね」(続けて)「向こうもあの田嶋の悪送球(一回無死二塁、周東の犠打を一塁に悪送球)から始まっているから。ああいうことはないように。逆にうちはモイネロがね、三森に投げるのをもっとぱっと投げないといけないし(九回1死一塁、太田の投ゴロを捕球して二塁に転送も二塁・三森が捕球できず)。捕る方もしっかり捕らないといけない」(続けて)「ここまで頑張ってくれているので、誰がどうこうじゃなくて、全員でやるだけです」
◆高卒2年目のオリックス・山下舜平大投手(20)が出場選手登録され、プロ初の1軍昇格。中継ぎとしてベンチ入りメンバーに登録された。2021年にドラフト1位で福岡大付大濠高から入団した山下は、189センチの長身から投げ下ろす150キロ超の直球が武器。昨年は1軍登板がなく、今季は2軍公式戦で8試合に登板し、2勝2敗、防御率3・31。クライマックスシリーズ・ファイナルステージに向けたチームの調整期間に1軍に合流し、8日の紅白戦(京セラ)では2回無失点と好投していた。ここまで1軍登板がない期待の若手が、日本シリーズ進出をかけた一戦でベールを脱ぐ可能性が出てきた。
◆ソフトバンクの公式ツイッターが試合前の声出しのようすをアップした。声出しを務めたのは、2日連続で谷川原健太捕手(25)。チーム状況を、誰もが遊んだことがある「鬼ごっこ」に例えてナインを鼓舞した。まずは「一発目をきょうも大事にしていきましょう」と真面目に切り出すと、ここからだ。「今、1勝3敗。僕たちが追っています。オリックスが追われている。これ、鬼ごっこで考えたら、追われている方ってめちゃくちゃきついんですよ。追っている方、楽しいんですよ。これ、逆にきょう楽しんじゃえばいいんじゃね? と思って、やっていこうと思います」雲った表情のナインもいるが、谷川原は「だから、ベンチで打てなくても、ちゃんと声を出してください。僕たち(控えている選手)も出すので。出ている人も出しましょう。さぁいこう!」と押し切っていた。谷川原は7年目の捕手。柳田とも自主トレをともにする若鷹が、2日連続でチームの背中を押した。
◆ソフトバンク・長谷川勇也打撃コーチ(37)が試合前に代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--山岡はシーズンでは対戦がない「久々ですね。真っすぐ、スライダーを軸に、右も左もそこが主体になってくるのかなと」--川瀬の先発起用を藤本監督は明言した。好調の要因は「数少ない打席をしっかりと自分のスイングをして終えているので。きょうも同じように自分のスイングをしてもらえたら」--速球に振り負けていない印象がある「スイングにムラがなくなってきた。力み、無駄がなくポイントにまで滑らかにスイングができるようになってきたので。速い球を利用しながら。投手の力を利用しながらいいバッティングをしていると思います」--山岡に対してホークスとしては得意な印象があるのでは「どうでしょう。去年の4月30日以来とかなり空いているので。そういうところはあまり関係ないのではないでしょうか。お互いに」--ほぼ2シーズン空いているだけに「ですね。あまり関係ないと思います」--対戦がない、少ない若手もいる中で、どんな助言を「今シーズン、終盤の方はボールがコースにいかずに甘く、甘く入ってきている感じだったので。きょうはびっちりコースにくるか、投げてみないとわからない。シーズンの終盤の傾向を頭に入れながら入っていくようにはしています」--シーズン終盤では柳田、中村晃、今宮、甲斐の名前を挙げていた。CSでの彼らの姿というのは「でも柳田に関してはマークがきつくなっていますね。ファーストステージであれだけ打ったので。そこは仕方ない。健太(今宮)もやっぱり終盤から緊張感のあるゲームが続く中で疲労もぐっときているところはあると思う。タク(甲斐)にしても晃(中村)にしても。でもやっぱり最後に頼れるのはあの4人なので。コンディション的には疲れているかもしれませんが、意地をしっかり見せてくれると思うので。期待しています」--このファイナルステージを突破するためにも、主力の奮起に期待したい「そうです。シーズン終盤もそういう戦いでしたし、今シーズンも混パといわれて、最終戦までもつれこんだシーズンなので。このクライマックスシリーズも、必ずそうなると思って、最後まで混パ。そうできるようにきょうも頑張りたいと思います」
◆オリックス・吉田正尚外野手(29)が、日本シリーズ進出決定をたぐり寄せる特大の先制2ランを放った。「甘く入ってきた変化球をしっかりと一発で仕留めることができました! (先発の)山岡が頑張って投げていましたし、なんとか野手陣で得点をと思っていたので、打ててよかったです!」0─0の四回無死一塁だ。ソフトバンク先発の和田が投じた2球目、130キロのチェンジアップをフルスイング。すさまじい快音とともに、打球は中堅右5階席に着弾した。選手会長のひと振りで、三回まで無安打に封じられていたベテラン左腕から、貴重な先取点を奪った。チームは1勝のアドバンテージを含め、3勝1敗と日本シリーズ進出に王手をかけている。優位な立場には変わりないが、これ以上、ソフトバンクを勢いづかせたくない状況。それだけに中嶋監督は試合前の円陣でナインに対し「さあ、いくで。何試合もあると思うなよ。この試合で、この試合で行くで!! 決めるぞ!!」とゲキを飛ばしていた。
◆先発したオリックス・山岡泰輔投手(27)は、4回を2安打4奪三振無失点と好投した。「とにかく先の事は考えず、1イニング1イニング、打者1人ずつに向かっていく気持ちでマウンドに上がっていました。投げている感覚もよかったと思いますし、しっかり打者と勝負できていたところはよかったと思います」自身初のポストシーズン先発となったマウンドでは、三回まで無安打投球。四回1死から周東の打球が左足を直撃するアクシデントもあったが、一塁ベンチ裏で治療を受けた後、再びマウンドへ。牧原大、柳田に連打で一、三塁のピンチを迎えるも、デスパイネを中飛に仕留めた。打球直撃の影響を考慮されたとみられ、4回での降板。「本当はもう少し長いイニングを投げられればよかったのですが、このあとはチームの勝利を信じて応援します」とコメントした。
◆ソフトバンクの和田は0―0の四回に「キーになる」と警戒していた主砲、吉田正に痛恨の2ランを浴びた。リードを許したまま、五回途中でアクシデントを訴えて降板。「全力で投げるだけ」と臨んだマウンドで悔しさをかみしめた。後がないチーム状況にも動じず、三回までは無安打投球。三回は味方の失策が絡んだ2死二、三塁のピンチで、宗を左飛に仕留めた。しかし四回、先頭に安打を許すと、続く吉田正への2球目。これまで厳しいコースを突いてきたが、ここ一番でチェンジアップが高く浮いた。中堅上段席まで運ばれて重い2点を失い、首をかしげた。今季先発での26失点のうち、半分の13失点を四回に喫した。球威十分で抜群の立ち上がりを見せたが、〝鬼門〟のイニングを乗り切れなかった。
◆ソフトバンク・牧原大成内野手(30)が中堅守備で超ファインプレーを見せた。0-2の六回2死二、三塁。ホークスにとっては1点もやれない状況で頓宮の打球は中堅へ。少し前に出ていた牧原大は全力で背走。最後は飛び込む形でダイビングキャッチし、鷹党からもオリ党からも拍手があふれた。牧原大はこの日が30歳の誕生日。第2戦でも中堅からホームに好返球するなど、内野手登録ながらも外野守備で何度もチームを救っている。
◆ソフトバンクは第3戦で勝利し、いちるの望みをつないだ。エース・千賀から「この緊張感をあしたの先発投手にも味わってもらおうと」とバトンを受けた和田毅投手(41)だが、相手の主砲・吉田正の一発に泣いた。「一つも負けられないので。全力で投げます。それだけです」。引き分けでも終戦...。登板を前にベテランは静かに闘志を燃やした。一つも落とせない中、第3戦では千賀が両足をつりながら6回無失点の力投。左腕が燃えないわけがなかった。ところが...。0-0の四回、中川圭に初安打となる左前打を許し、無死一塁から吉田正に5階席へ特大の2ラン。満員御礼の歓声にも顔色を変えず投げ続けたベテランもうなだれるしかなかった。4回1/3を3安打2失点で降板した。今季プロ16年目の左腕は間隔を空けながらも1年間、ローテーションを守り、17試合に投げ7勝4敗、防御率2・78。ただ、オリックスに対し、5試合に登板し、0勝3敗、防御率5・03。三回までは無安打投球していただけに、悔いが残る1球となった。
◆ソフトバンクが5番・デスパイネの値千金の2ランで同点に追いついた。「とにかく自分のベストを尽くそうと打席に入った。いいスイングで完璧に捉えることができたよ。同点に追いつく一本になってよかったよ。負けられない試合なので、何とか勝てるように力になっていきたい」0-2の七回、柳田が四球を選び、1死一塁で打席へ。相手の山崎颯に対し、カウント1-2からの5球目、外角高めの157キロの直球を振り抜くと、打球は左中間スタンドへ飛び込んだ。ここまで、ファイナルステージは1勝3敗、この試合に引き分け以下で今季が終了する、まさに〝崖っぷち〟の一戦で望みをつなぐ一発となった。
◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ第4戦が15日、京セラドームで行われ、オリックスが3―2でソフトバンクにサヨナラ勝ちし、4勝(アドバンテージ1勝含む)1敗で日本シリーズ進出を決めた。第3戦までに王手をかけていたオリックスは0―0の四回、吉田正が中堅上段へ先制の2ランを放った。先発の山岡は4回無失点でつなぎ、五回からは宇田川が2回無失点。七回に救援した山崎颯がデスパイネに同点2ランを浴び、試合は振り出しに戻った。そして2―2で迎えた九回。安打と四球などで2死二、三塁の好機を作ると、中川圭が三遊間を破るサヨナラタイムリーで試合を決めた。オリックスの日本シリーズ進出は2年連続14度目。相手はCSファイナルで阪神を4勝0敗で下したヤクルトで、2年連続で同じカードとなった。昨年はオリックスが2勝4敗で敗れた。2020年の巨人―ソフトバンクから3年連続でリーグ優勝チーム同士の対戦となった日本シリーズは、22日にヤクルトの本拠地・神宮球場で開幕する。オリックスは1996年以来、26年ぶりの日本一を目指す。
◆?オリックスがソフトバンクを下し、2年連続14度目の日本シリーズ進出を決めた。仰木彬監督だった1996年以来、26年ぶり5度目の日本一をかける。?セ・リーグはヤクルトが14日に日本シリーズ進出を決めており、これで2年連続で同じカードになった。このカードは過去3度あり、1978年は4勝3敗、1995年は4勝1敗、昨年は4勝2敗でいずれもヤクルトが勝っている。?ヤクルト、オリックスのリーグ覇者がともにCSを突破。これで日本シリーズは3年連続でリーグ優勝チーム同士の対戦になった。2020年はコロナ禍の影響で、セはCSを全面中止(優勝は巨人)、パはCSを1ステージのみ実施し、1位ソフトバンクが2位ロッテを下した。
◆ソフトバンクは投打で力負け。2022年の戦いが終わった。試合後、千賀滉大投手(29)が代表取材に応じた。海外フリー・エージェント権を保有している右腕は、今後について、権利を行使するとはっきり言い切った。「行使は絶対にしますけど。もう6年くらい(米大リーグに挑戦したいと)言っていますけど、今さらどうこう変わることはない。このチームのために僕がやれることはまだあると思うので。そういうところに対して、いろんな方とコミュニケーションを取っていけたら」今シーズンは22試合に登板して11勝6敗、防御率1・94。7年連続2桁勝利を達成すると、9月16日に海外FA権を取得。球団を通じて「今まで携わってくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントしていた。14日のファイナルステージ第3戦では6回0/3を投げて無失点。最速161キロを計測するなど、チームを鼓舞していた。チームが2位に沈んだ中で、千賀が訴えたのは、海外FA権を行使した上でチームや球団と改善点を話し合っていきたいということ。「めちゃくちゃ(改善点は)あると思います。もっとチームを支える選手が出てこないとこのチームが暗くなってしまう。僕ら30代ですけど、若い選手でチームを支える選手が出てくるような。そういう選手が増えるように応援していきたい」と続けた。「それはそれという感じです」と、権利を行使した上で球団とチームの未来を話したいと強調した。
◆ソフトバンクは投打で力負け。2022年の戦いが終わった。試合後、千賀滉大投手(29)が代表取材に応じた。海外フリー・エージェント権を保有している右腕は、今後について、権利を行使するとはっきり言い切った。主な一問一答は以下の通り。--チームはシーズン2位で、CSはファイナルステージ敗退。自身はシーズンで11勝、防御率1・94などという成績だった「本当に強い気持ちを持って入れたシーズンだったと思いますし、離脱とかが僕だけじゃなくて、みんなにある異例というか。特別なシーズンだったので。難しさはもちろんありましたけど。その中で選手が一生懸命にやるのは当たり前ですけど。いいものをすごく出せた一年だったと思います」--チームとしての課題と、感じた強さは「選手、個人個人がもっとレベルアップしないといけないとは、みんなが思っていると思います。ベンチワーク含め、いろいろなことが。(藤本)監督も1年目でしたし、いろいろなことがあったので。とにかく、ここからどうソフトバンクホークスが成長していくのか、ファンの方には見てもらえたらいいのかなと思います」--海外FA権を含めた今後は「もう6年(米大リーグに挑戦したいと)くらい言っていますけど、今さらどうこう変わることはないですけど。このチームのために僕がやれることはまだあると思うので。そういうところに対して、いろんな方とコミュニケーションを取っていけたら」--海外FA権など結論を出していない「行使は絶対にしますけど。単純にそこからのやり取りというのは、時間がかかることなので、わからないですけど。このチームで負けた悔しさというのを、どう対応していくかというところを球団の方と僕も話せると思っているので」--チームと改善点などを話したいということ「めちゃくちゃあると思います。もっとチームを支える選手が出てこないと、このチームが暗くなってしまう一方なのは、誰が見てもわかっていることだと思うので」(続けて)「僕ら30代ですけど、もっともっと若い選手でチームを支える選手が1人でも多く増えるような。そんなチームへ。ああいう明るい雰囲気でやれているので、そういう選手が1人でも増えるように応援していきたいと思います」--行使はした上で球団と話したいと「それはそれという感じです」
◆ソフトバンクは投打で力負け。2022年の戦いが終わった。試合後、後藤芳光球団社長(59)が代表取材に応じた。一問一答は以下の通り。--2022年シーズンを振り返って「うちのチームだけじゃないですけど、万全の状態でできない試合ばかりの中で、選手はベストを尽くしてくれたと思います。最後まであきらめないで、選手たちには感謝しています」--藤本監督は育成と勝利を追い求めた。その部分の評価は「素晴らしい結果。チームが育つといういい結果を残してくれたと思いますね。藤本さんにしかできないやり方だったと思うので。感謝しています」--藤本監督の来季続投については「そのあたりは僕から今はコメントしませんけど。今年に関してはすごく満足しています。素晴らしい一年だったと思います」(続けて)「オリックスが強いですね。来年、オリックス時代が続かないように、われわれが頑張って、最高の結果をね。ファンの方々に届けたいと思います。本当に、今年ありがとうございましした」
◆オリックスにサヨナラ負けして、ソフトバンクの2022年の戦いが終わった。試合後、キャプテンの柳田悠岐外野手(34)が代表取材に応じた。「力負けというか。オリックスが強かったです。投手力もそうですし、打線も素晴らしい打線。力負けです」キャプテン就任1年目だった今季は打率・275、24本塁打、79打点。打率は3割を切るなど苦しいシーズンとなったが、終盤戦では結果と存在感でナインを引っ張ってきた。シーズン最終戦となった2日のロッテ戦(ZOZOマリン)で敗戦すると「僕がもっと打っていれば優勝したと思います」と責任を痛感していた。終盤戦でチームを引っ張る姿には「2位だったので。そこからでも何とか日本シリーズにいけたらという気持ちでやっていましたけど。もう一押しというか、実力が足りないかなと思いました」と自身で振り返った。キャプテン1年目を終えて「そこも力不足な感じはしました。そこはちょっと...」と、少しの沈黙の後に「そういう器じゃなかったかなと感じております」と続けた。チームは世代交代を掲げながらも、もう一歩届かなかった。柳田自身が感じたチームの課題には「課題だらけじゃないですか。攻撃面も、ディフェンス面も、課題はたくさんあると思うので。長いオフになってしまいますけど、足りないところを補うというか。そういうオフにしたいと思います」と語った。
◆?オリックスが昨年に続く通算14度目の日本シリーズ進出を決めた。オリックス(前身を含む)で2年以上続けて日本シリーズに出場するのは1995、96年以来26年ぶり5度目。14度の出場は巨人の36度、西武の21度、ソフトバンクの20度に次ぐ4番目。ヤクルトとの日本シリーズは78年(3勝4敗)、95年(1勝4敗)、昨年(2勝4敗)といずれも敗退。4度目となる顔合わせはどうか。?プレーオフ、CSでのサヨナラ勝ちは昨季ファーストステージ(S)第1戦のロッテ(○5-4楽天、九回=佐藤都志也の二塁打)以来13度目で、オリックスは初めて。日本シリーズ進出を決めるサヨナラ勝ちは、11年ファイナルS第3戦のソフトバンク(○2-1西武、十二回=長谷川勇也の単打)以来11年ぶり4度目。?中嶋監督は就任1年目の昨年から2年連続で日本シリーズに導いた。新人監督から2年続けて日本シリーズに出場するのは、86-88年の西武・森祇晶(3年)以来34年ぶり2人目。?吉田正が第1戦に次いで今ステージ2本目の本塁打。プレーオフ、CSでオリックス(前身を含む)の選手が1ステージに複数本塁打を放ったのは、73年の住友平(3本)、75年の長池徳二とマルカーノ(各2本)に次いで47年ぶり4人目。
◆?41歳7カ月のソフトバンク・和田が先発し、4回?を投げて2失点。プレーオフ、CSで40代投手の登板は2019年ファイナルステージ(S)第1戦の阪神・能見篤史(救援、40歳4カ月)以来3年ぶり8人目。パでは07年第1S第2戦と第2S第1戦のロッテ・小宮山悟(救援、42歳0カ月)、13年ファイナルS第4戦の楽天・斎藤隆(救援、43歳8カ月)に次いで9年ぶり3人目。?先発したのは、16年ファイナルS第3戦の広島・黒田博樹(敗戦投手、41歳8カ月)以来6年ぶり4人目で、パでは初。?デスパイネのCSでの本塁打は19年ファーストS第2戦以来3年ぶり9本目。プレーオフ、CSで通算9本は内川聖一(ソフトバンク)の10本に次ぐ、中村剛也(西武)と並ぶ歴代2位。外国人選手ではT・ウッズ(中日)の8本を抜いて最多本数。
◆2年連続日本シリーズ進出を決めたオリックス・中嶋聡監督(53)がソフトバンク戦後、優勝会見で共同インタビューに応じた。以下、主な一問一答──いまの気持ち「本当にまず連覇、そして日本一というのを目指してやってきたわけですから、その舞台に立てるのはうれしいことだと思います」──昨年はサヨナラ(引き分け)、今年もサヨナラ「なんかそう言われたら縁起悪いみたいな言い方ですけど、本当にいい、勢いにつく勝ち方でいけるのかな、と思いますけどね」──京セラで5回、胴上げ「京セラで胴上げというのはなかなか見せられなかったものなので、満員のなかでしてもらった胴上げは違う気持ちだった」──先発の山岡は「よく投げました。後半、ちょっと調子が上がらない時期もあったんですけど、きょうこの日にしっかり合わせてくれて。ボール当たったんで心配しましたけど、本当によく投げてくれた」──攻撃では打つべき人が打った。吉田正の本塁打時には中嶋監督も両手でガッツポーズしていた「ダメですか」──テレビの画面で両手でガッツポーズしている姿が映っていた「ダメですか」──それだけあの本塁打は「試合のなかで先制したいのはありますので。それをいい形でとれたのは、喜び、爆発ですよね」──杉本の調子も上がってきた「本人が一番わかっていると思う。そこは本人に聞いてあげてください」──最後は中川圭が決めた「もう、誰か決めてくれと思っていた。(中川)圭太がきちっと決めてくれたのが、本当にほっとしたというか、すごくうれしかったですね」──初戦はエースの山本が勢いを付けた「もちろんそうです」──リリーフ陣の活躍、盤石だった「盤石かどうかはわからないけど、本当に経験がないと言われている投手陣が、ああいう場面でしっかり投げてくれたのは非常に大きいこと。うちの強みでもある。そこに関して、信頼はしていますよね」──日本シリーズの相手は去年同様にヤクルト「きのう先に決まっていましたので、相手は分かっていました。まあ、去年やりましたけど、負けてますので、そこは本当にやり返したいと思いますし、チャンピオンチームにもう一回、チャレンジしたいと思います」──日本一のチャンス「さっき言ったようにその舞台に立つことがまずは目標だった。これからしっかり考えて、選手全員でこの舞台を思い切り楽しんで、思い切りチャレンジしていきたい」──ファンが後押し「本当によく入ってくれて、そういうところでこういうゲームを見せられたのは本当にうれしいですし、もっともっと熱い試合をして、もっともっと入ってもらえるようにしたい」──日本シリーズへの決意を「いま決まったばかりですので、そんな大きな決意はないですけど、本当、何回も言っているように、チャレンジャーとしてやるだけ」
◆オリックスがクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第4戦でソフトバンクに3―2でサヨナラ勝ちし、2年連続14度目(阪急時代を含む)の日本シリーズ出場を決めた。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを含めて対戦成績4勝1敗で突破した。セのCSファイナルステージを14日に制したヤクルトとは日本シリーズで2年連続4度目の顔合わせとなる。シリーズは神宮球場で22日に開幕する。まな弟子の中川圭が放った打球が、三遊間を破る。劇的勝利の瞬間、中嶋監督は両手を天に突き上げた。手荒い祝福を受け、ずぶぬれになったヒーローを力強く抱きしめる。ついにつかんだ日本一への挑戦権。必ず、ヤクルトにリベンジする。昨年よりたくましくなった教え子たちの手で指揮官は5度、宙を舞った。「本当にうれしいです。いや~あの、優勝インタビューの時にいっぱい応援してくださいと言いましたので、こんだけ入ってくれてありがとうございます。(ヤクルトは)去年しっかり負けましたので、今年なんとか、やり返したいと思います」スタンドには今季最多の3万3717人が詰めかけた。満員御礼の本拠地で、小田の〝サヨナラ同点バスター〟でCS突破を決めた昨年同様、劇的な幕切れだった。2─2の九回に2死二、三塁と好機を作り、最後に決めたのは中川圭だった。2軍監督から監督代行に就任し、その〝初陣〟となった2020年8月21日の西武戦(京セラ)。4番で起用したのは中川圭だった。試合後にその狙いを問われると「期待しかないですよ。僕は無敵の中川を(2軍で)見てましたので」とキッパリ。今年も変わらぬ信頼を寄せ、「もともと力はある」とシーズン中盤から主軸に固定した。背番号「67」もけがで離脱した昨年の悔しさをぶつけ、リーグ連覇の原動力になった。3勝1敗と日本シリーズ進出に王手をかけ、迎えた第4戦の試合前、将は円陣で「さあ、いくで。何試合もあると思うなよ。この試合で、この試合で行くで!! 決めるぞ!!」とナインに熱く語りかけた。その思いに選手が応えてくれた。「胴上げ、やる予定なかったけど、『きのう、ヤクルトやっていたよ』って言われて、やんなきゃいけないのかなって。まあ、(優勝時は)仙台でやったので、京セラでやるのもありなのかな、と思ったんでね」本拠地のファンとともに味わった歓喜。ただ、これはまだ夢の途中だ。目指すは日本球界の頂点。去年より強くなった中嶋オリックスが、高津ヤクルトに雪辱を果たす。(西垣戸理大)
◆両チームはレギュラーシーズン、勝率・539(76勝65敗2分け)で並んだ。力の差はないはずだが、優勝チームと、ファーストステージから勝ち上がらなければならないチームの差が出た。オリックスは、クライマックスシリーズへの準備ができていた。例えば先発投手の配球。第1戦の山本も、この日の山岡も、レギュラーシーズンより変化球が多かった。真っすぐの調子が悪いのではなく、調子が良いにもかかわらずだ。ソフトバンク打線はかなり戸惑ったと思う。ソフトバンクは第3戦を取ったが、流れを変えるには至らなかった。アドバンテージを含めて3連敗し、そこから4連勝となるときつい。投手陣は四球が多く、レギュラーシーズン終盤から今シリーズを通して、中継ぎの安定感でもオリックスに分があった。第4戦の勝利を決めたのは3番・中川圭。大阪・PL学園高の後輩ということを抜きにしても、今季にかける思いを知っていただけに、良かったなと思う。昨季の本塁打王、杉本は好不調の波が大きく、打線で安定していたのは中川圭と吉田正だけ。勝負強さを発揮した2人は、日本シリーズでも大きな存在になるだろう。(本紙専属評論家)
◆今季限りで現役を引退した楽天・川島慶三が、テレビ中継の解説で京セラドームを訪れた。ネット際に駆け寄ると、甲斐をはじめ古巣ソフトバンクのナインからも笑顔で挨拶されていた。川島は2014年7月にヤクルトからトレードでソフトバンクに移籍。8年間で6度の日本一を経験した。2017年のDeNAとの日本シリーズ、3勝2敗で迎えた第6戦では延長十一回にサヨナラ適時打も放つなど、勝負強すぎる打撃が持ち味だったベテラン。来季は楽天の2軍打撃コーチを務める。第2の人生でも、培った経験の全てが生きるはずだ。(竹)
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