1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 8 | 1 | 1 |
ORIX | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 1 | 0 |
勝利投手:千賀 滉大(1勝0敗0S) (セーブ:モイネロ(0勝0敗1S)) 敗戦投手:田嶋 大樹(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆ソフトバンクがファイナルステージ第3戦を制した。ソフトバンクは初回、デスパイネの適時打などで2点を先制する。そのまま迎えた7回表には、野村勇のソロが飛び出し、貴重な追加点を挙げた。投げては、先発・千賀が7回途中無失点の好投。敗れたオリックスは、打線が振るわなかった。
◆今季まで5年間にわたりロッテ監督を務めた井口資仁氏(47)が、NHK-BSでゲスト解説を行った。2日のシーズン最終戦の試合後、ファンの前で電撃的に辞任を表明した。この日は黒いスーツに紫色のネクタイ姿で放送席へ。中継の冒頭では「できればこの場に、グラウンドにいたかったと思っています」と3年連続でのCS進出を逃したことを悔やみながら「26年間ユニホーム着させていただいて、選手としても監督としても、本当にファンの皆様に支えていただいたなと思っております」と感謝を口にした。実況アナウンサーから第3戦のキーマンを問われるとソフトバンク三森を挙げた。「積極的にいきながらも追い込まれると非常に粘り強い打撃をしてくれますし、柳田選手とデスパイネにどうやってつないでいくかがキーポイントになるんじゃないかなと思います。彼が出ることによって2番の周東選手も生きてくると思います」と分析した。すると初回、見立て通りに1番三森がカウント0-2から右中間二塁打で出塁し、その後先制のホームイン。予言的中の井口氏は「追い込まれてからこういうしつこさがある選手なので、非常に相手としてはイヤだったですね」とシーズンを振り返っていた。
◆崖っぷちに追い込まれているソフトバンクが、ラッキーな形で2点先制した。1回先頭の三森が右中間への二塁打で出塁。2番周東の犠打を処理したオリックス先発の田嶋が一塁へ悪送球し、三森が先制のホームを踏んだ。さらに1死三塁で4番デスパイネが中前適時打。エース千賀が先発する負けられない一戦で、野手陣が泥臭く先手を取った。レギュラーシーズン2位のソフトバンクは、13日までに2連敗。アドバンテージを含めて0勝3敗となっており、残り4戦4勝が日本シリーズ進出への条件となっている。
◆好投を続けていた千賀滉大投手(29)が緊急降板した。6回までは無失点。7回先頭の中川圭に右前打されたところで、マウンドに森山投手コーチやトレーナーが集まった。しばらく話し合った後、森山コーチがベンチに「×」のサインを送り、投手交代となった。なんらかのアクシデントがあった模様だ。この日の千賀は初回から160キロ台を連発。1回2死から5回まで13連続アウトを奪うなど、0勝3敗で負けられない崖っぷちの状況から気迫の投球を見せていた。
◆ソフトバンクが首の皮一枚つなげた。負ければ終戦の崖っぷちでオリックスに勝利。アドバンテージを含めて1勝3敗とし、CSファイナルS第4戦に望みをつないだ。先発した千賀滉大投手(29)が7回途中3安打無失点の好投で勝利を呼んだ。1、2回だけで160キロ以上を4度計測するなどエンジン全開。中5日登板をものともせず、エースの仕事を果たした。打線は1回に相手の失策も絡んで2点先制。2-0の7回には、CS初スタメンのドラフト4位ルーキー野村勇内野手(25)が右翼へ貴重なソロを放った。新人選手がCSで本塁打を放つのは球団史上初。投打がかみ合い、日本シリーズ王手のオリックスを止めた。
◆2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけているオリックスが今シリーズ初黒星。アドバンテージの1勝を含めて3勝1敗となり、日本シリーズ進出決定は15日以降に持ち越しとなった。。ソフトバンク先発千賀の前に抑え込まれた。初回こそ中川圭太内野手(26)の安打が生まれたが、2回から5回までは四球1個の出塁のみ。6回には右翼手柳田の好送球もあり、好機を拡大できず。0行進が続いた。7回には中川圭がこの日2安打目を放ったところで千賀が降板。その後1死二、三塁と攻め立てたが3番手松本に対して、杉本裕太郎外野手(31)と頓宮裕真捕手(25)が凡退。得点を奪えなかった。先発田嶋大樹投手(26)も初回に自らの悪送球から先制点を許すなど2失点。2回以降は立ち直ったが、7回に野村勇にソロ本塁打を浴びた。7回途中を投げて3失点と粘投も、この日は打線の援護がなかった。投打がかみ合わず1敗を喫したが、日本シリーズ王手に変わりはない。過去に日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで3勝0敗から逃した球団はなく、突破率は100%と心強いデータもある。15日に引き分け以上で2年連続の日本シリーズ出場が決まる。
◆日本一に王手をかけているオリックスの先発田嶋大樹投手(26)は、7回途中3失点と試合をつくったが、自らのミス、打線の援護不足もあってリードを許しての降板となった。初回に先頭三森に二塁打を許すと、2番周東の送りバントを自らの一塁悪送球で先制点を献上した。さらに、デスパイネにも適時打を許して2点目を失った。2回以降は立ち直ったが、7回には1死走者なしからルーキー野村勇にソロ本塁打を浴びてリードを広げられた。続く甲斐に安打を許した場面で交代となった。「バックの守備に助けてもらっていたので、なんとか粘り強く投げていきたかったのですが、初回のところがすべてだと思いますし、最後のホームランが悔しいです」昨年はCSファイナルステージ第2戦に先発して6回無失点で勝利をもたらしたが、それ以来のCS勝利はならなかった。
◆ソフトバンクはエース千賀滉大投手(29)の好投でファイナルS初勝利。対戦成績を1勝3敗とした。藤本博史監督(58)の、試合後の一問一答は以下の通り。-千賀が好投「最初から飛ばして、脚つりましたけどね。中5日やからね。良かったと思います。最初に点を取れたのも大きかったしね。千賀が投げて、相手が160キロ見て、相手の戦意喪失というのもあるんじゃないかなと思います」-千賀は脚がつった「両脚です。6回終わった時点でつっていて。行けるところまで行きますということでしたけど、だいぶ球威が落ちてましたからね」-今後、CS中の登板は「最後までいったら、中に入る予定です。千賀と石川は中に入れます」-野村勇が本塁打「正木にしても野村にしても、内容がいいですよね。楽しみですね、これからね。今年1年間はいい経験できたんじゃないですか。野村の場合は。2桁本塁打打って、CSでも打ったというのは大きいんじゃないかなと思います」-川瀬が好調「調子いいね。ちょっと考えないといけないね。でもスタメンで出たら打たなくなるんよね。代打で出てるからいい緊張感で打席に立てるけど、2打席、3打席あると思ったら内容が悪くなってくるからね。ちょっとまた考えます」-1つ勝って流れも変わる「うちはもう、1つ勝った、どころじゃないからね。負けたらもうシーズン終わりやからね。いい開き直りでできてるんじゃないかな。ベンチも負けたら終わりという中では、案外元気があるしね。若い選手も声出してくれているし、すごくいいと思います」
◆日本シリーズ進出に王手をかけているオリックスは、ソフトバンク投手陣に零敗を喫し、足踏みした。千賀を打ち崩せなかった。初回2死から3番中川圭が160キロ直球を右前打。ただその後は安打がなく、5回まで二塁すら踏めなかった。6回2死一塁で宗がようやくチーム2本目。7回途中まで3安打に抑えられ、中嶋監督は「良かったですね」と相手エースをたたえた。その中でも、各打者が強いコンタクトを意識して立ち向かったことに「捉え方としては良かったのかな」と手応えを示した。諦めない姿勢は見せた。3点を追う9回1死。選手会長の吉田正が守護神モイネロから右翼フェンス直撃の安打を放ち、続く代打太田が敵失を誘って、一、二塁をつくった。1発が飛び出せば同点のシチュエーションで6番杉本へ。ただ、フルカウントから6球目をはじき返した打球は二塁手の正面に飛び、併殺となり、あと1歩届かなかった。指揮官は「1点は取れなかったですけど、そういう形にしていっているのは良いことだなと。続けていって、どこかで(点が)入るのが良い」と打線の奮起に期待した。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを含め3勝1敗。第4戦は今季6勝の山岡が先発する。あと1つの星を必死につかむ。【真柴健】
◆オリックスのCS突破は、山岡泰輔投手に託された。昨年4月30日以来のソフトバンク戦登板に向け「今できることをやるだけかなと思います」と気を引き締めた。昨年の日本シリーズで勝ち投手になったが、CS登板は自身初。「とにかくゼロで抑えることだと思いますし、1イニング1イニング(アウトを)1つずつ取っていく気持ちで投げていきたい」と2年連続日本シリーズ進出へ腕を振る。
◆これがエースの意地だ。ソフトバンクが引き分け以下で終戦の崖っぷちで、踏みとどまった。オリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第3戦で、先発の千賀滉大投手(29)が気迫全開、魂の81球で7回途中を無失点。王者オリックスへの流れを断ち切り、対戦成績を1勝3敗とした。一気の3連勝で、大逆転での日本シリーズ進出を目指す。千賀は充実感たっぷりに、いたずらっぽく笑った。「後がなかったので。少し緊張してたんですけど、明日の先発投手にこの緊張感を味わってもらおうと思って、絶対に回してやろうと思っていました」。引き分け以下で終戦の崖っぷち。気迫の投球で、チームにファイナルステージ初勝利をもたらせた。いきなり2点の援護点をもらい、初回からエンジン全開だった。3番中川圭には2球立て続けに160キロをお見舞いだ。藤本監督が「160キロ見て、相手の戦意喪失というのもあるんじゃないかな」と言う、インパクト抜群の剛球連発で球場の空気を変えた。1回2死から5回まで13者連続アウト。中でも、右腕がギアを上げたのは5回だ。直前の攻撃は1死三塁からスクイズ失敗で無得点に終わっていた。「試合の流れが壊れたら、チームの士気が一気に下がると思った。そこは先発投手として、投げてできることの一番大きなこと。余計にこういう大事な試合では必要だと思いました」。エースとして試合の流れを読み、相手に傾きかけたところを3人で斬って引き締めた。7回は先頭の中川圭に右前打されたところで緊急降板。藤本監督は「両脚です。6回終わった時点でつっていて。いけるところまでいきますということでしたけど、だいぶ球威が落ちてましたからね」と、足をつっての交代だったことを明かした。それほど魂のこもった81球。「最初から飛ばして。中5日やからね。良かったと思います」とエースの大奮闘に感謝した。連敗を食い止めて1勝3敗。まだまだ負けられない状況は続くが、ひとまず流れを引き寄せた。最終第6戦までもつれれば、千賀はリリーフでベンチ入りするプランもある。ここからは総力戦。エースがこじあけた奇跡への入り口に、全員で飛び込む。【山本大地】○...主砲柳田が再び上昇気流に乗ってきた。3回に左前打、6回に中前打。ともに鋭い打球でマルチ安打とした。4戦連発で迎えた第1戦は無安打だったが、2、3戦目で計6打数3安打。「とにかく勝つしかない中で、勝ちにつながって良かったです。明日も勝つ為に頑張るだけです」と、主将らしく引き締めた。○...守護神モイネロが9回をしのいだ。3点リードで登板。ヒットと味方失策でエラーで1死一、二塁のピンチを招いたが、最後は前日決勝2ランの杉本を二ゴロ併殺打に斬り、試合を締めた。「とにかく勝つことができてよかった。任せてもらった場所で役割を果たしていくことだけだと思う。何とか3連勝できるように力になっていきたい」と引き締めた。
◆21年ドラフト4位のソフトバンク野村勇内野手(25)が、プレーオフとCSでは球団の新人で初となるアーチをかけた。2-0の7回1死走者なし。高めに浮いた左腕田嶋のカットボールを強振。逆方向の右翼席に着弾させ「手応えはバッチリ。打った瞬間でした」と会心だ。4月にプロ初本塁打をマークした左腕を再び捉え、リードを3点に広げる千金弾で、CS初のスタメン起用に応えた。先発出場自体、9月19日の敵地オリックス戦以来、1カ月ぶり。打席感覚は「正直なかった」と話すが、非凡な対応力の高さを示した。「(凡退した)1、2打席目は、ちゃんと振れてないのに当てにいってる感じがした」。アーチを描いた3打席目は2度の空振りがあったが「自分の中では感覚がよくて。フォークに空振りしたけど『この空振りはOK』と。当てにいったらダメだけど、しっかり自分のスイングで振れていたので。なんか分からないですけど『あ、打てるな』と」。予感は的中。まさに"確信アーチ"だった。NTT西日本からドラフト4位で入団した25歳のオールドルーキー。レギュラーシーズンでは、1939年(昭14)に"親分"こと鶴岡一人が記録して以来、83年ぶりに球団新人に並ぶ10本塁打を放った。175センチ、80キロと大柄ではないが、逆方向にスタンドインさせるパンチ力がある。抜てきが当たった藤本監督も「内容がいい。これから楽しみですね」とご満悦だ。ベンチで控える間も「体からバットが離れないように」と、村上打撃コーチとフォームの改良を重ねてきた。「出番がきたらしっかり結果が出せるように」。左腕キラーが下克上に目をぎらつかせた。【只松憲】ルーキー野村勇がCS初本塁打。プレーオフ、CSで新人の本塁打は17年1S<2>戦大山(阪神)以来5人目で、ソフトバンクでは初めて。日本シリーズで本塁打を打ったソフトバンクの新人は南海時代の52年<6>戦森下だけで、ポストシーズンでは球団70年ぶりの新人の1発だった。野村勇(のむら・いさみ)1996年(平8)12月1日生まれ、兵庫県出身。垂水ファイターズで野球をはじめ、中学では硬式の神戸須磨クラブに所属。香川・藤井学園寒川、拓大を経て19年にNTT西日本へ入社。21年ドラフト4位でソフトバンク入団。趣味は文鳥の散歩とゴルフ、釣り。175センチ、80キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は1200万円。
◆21年ドラフト4位のソフトバンク野村勇内野手(25)が、プレーオフとCSでは球団の新人で初となるアーチをかけた。野村勇(のむら・いさみ)歩み 1996年(平8)12月1日生まれ、兵庫県出身。垂水ファイターズで野球をはじめ、中学では硬式の神戸須磨クラブに所属。香川・藤井学園寒川、拓大を経て19年にNTT西日本へ入社。21年の都市対抗野球1回戦、エイジェック戦ではサヨナラ打を放った。21年ドラフト4位でソフトバンク入り。文鳥好き 趣味は「文鳥の散歩」という珍しい好みを持つ。実家には「ちゅんちゅん」という名前の文鳥を飼っている。鳥好きにちなんで「夢はトリプルスリーです」。周東より速い? 50メートル5秒8の俊足。今春の宮崎キャンプで本多雄一内野守備走塁コーチが「周東より速い」と発言したことで話題になった。内外野も守れるユーティリティーさを兼ね備える。球団記録 8月21日の日本ハム戦でシーズン10本塁打。1リーグ時代の1939年(昭14)に鶴岡一人が10本塁打して以来、83年ぶりに球団新人最多記録に並んだ。パパさんルーキー 昨年3月に結婚し、同年9月には長女・珠亜(みあ)ちゃんが生まれた。現在は福岡で家族3人暮らし。サイズ 175センチ、80キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸は1200万円。
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレーバック】連勝するオリックスをソフトバンク千賀滉大が止めた。三森大貴らの好守や、リリーフ陣の活躍にも支えられて完封リレー。決着はまだまだこれからです。
◆王手をかけられているソフトバンク・藤本博史監督(58)が、試合前に代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--千賀が先発「崖っぷちなので。負けたら終わりなので。いい意味で開き直っていけばいいんじゃないかと思います」--厳しい場面でエースに回ってきた「トーナメントのつもりでやるしかないので。千賀も飛ばしてくれると思うし。選手もみんな、負けたら今年が終わりだとわかっているので。本当に開き直っていってくれたら」--13日の一回2死一塁で吉田正に死球。かすってしまったが、あれくらいの攻める気持ちを「そういうミーティングはやっているんだけどね。投げ切れるか投げ切れないかは、投手のコントロールも当然あるし。強い球を投げるなら、オリックスとの投手の違いは投げ切れているというところ。柳田に対してもあれだけ厳しいところに投げてくるわけだから。それだけのコントロールがあるということ」(続けて)「そこはうちは課題としてね。レギュラーシーズンでもオリックスより100四球くらい多いんだから(オリックスが375与四球、ソフトバンクは474与四球)。そこは課題だし。そこを同じくらいにすれば、球の強さはみんな持っているので。いい勝負ができると思いますよ」--オーダーの変更は「リチャードはね、リチャードはちょっとね、1軍にきたら金縛りにあったような感じでね。きのうも最後にど真ん中を見逃しているけどさ。何なんやろうね。2軍で29本ホームランを打って。俺も去年2軍で一緒にやったけど。なんか1軍に来たら考えすぎるところがある。きょうは野村勇でいきます」--野村勇は田嶋との相性を考えて「ここまできたら相性とかじゃなくて、俺がやるくらいの気持ちでやらないと。レギュラーシーズンならリチャードを使っているでしょうけど。きのうの2打席を見たらちょっと厳しいかなと。期待はしたんですけどね」--又吉は登録は「登録しますよ。板東が投げる機会はないので」--投手と野手のバランスは「きょうは野手を17人入れて。投手が千賀やから。1人減らしても大丈夫かなと。又吉も入るし。勝ちゲームの投手もほぼ投げていないので」
◆試合前練習中、思わず笑顔になってしまうような微笑ましいシーンがあった。左翼の位置で打球を追うのは周東、佐藤直、谷川原、柳町の4人。この中では周東が年長だが、今季のホークスをさまざまな面から支えてきた若鷹だ。打球を追いながら4人は笑顔で会話。仲のよさがこちらにも伝わってくるフォーショットだった。写真をサンスポ鷹番ツイッター(@sanpo_hawks)にアップ。ファンからも「見てて本当におもしろかった」「お兄さんたちみんなイケメンじゃないですか?「女子より白いね」「可愛い4人」と声が続いた。
◆ソフトバンクの公式ツイッターが試合前の声出しのようすをアップした。声出しを務めたのは谷川原健太捕手(25)。引き分けでも敗退する状況で言い切った。「きのうネットニュースを見ていたら『崖っぷち』とか。『突破率0%』とか。『後がない』とか書かれていたんですけど。そんなの関係ないと」選手の思いを代弁すると、こう続けた。「スポーツに0%も100%も、ないないない! やったるよ! こっから4連勝! さぁいこう!」。アップされた動画は約30秒。オリックスに0勝3敗で王手をかけられ「突破率0%」を突き付けられたが、そんなものは関係ない。端的で力強い言葉でナインを鼓舞していた。谷川原は7年目の捕手。高い身体能力を生かして外野守備もつとめ、強肩が最大の持ち味だ。柳田とも自主トレをともにする若鷹が、チームの背中を押した。
◆3連勝(アドバンテージの1勝を含む)で日本シリーズ進出へ王手をかけたオリックスだが、第4戦以降を見据え、先発投手陣は入念に準備を行った。山岡や1軍デビューの可能性がある高卒2年目の山下はショートダッシュで汗を流し、竹安はブルペンでの投球練習。ビドルやバルガスら出場選手登録されていない助っ人も、あらゆる可能性を想定し、各自コンディションを整えた。そして球団側はCS突破に備えて大忙し。試合前からセレモニーや会見場の設定、報道陣への案内と担当者がせわしなく動き回っていた。(西)
◆ソフトバンク・柳田悠岐外野手(34)が守備で見せた。2-0の六回2死一塁で宗が右前打。一走福田は迷いなく三塁を狙った。右翼・柳田の三塁送球はワンバウンドで野村勇のグラブに収まり、三進を阻止し、ピンチを防いだ。好投を続ける先発・千賀を助けた。13日の第2戦でも二回1死満塁で中堅・牧原大が本塁に好返球。失点を防いだ。一発勝負の短期決戦で、ホークスの外野守備が光っている。
◆引き分けでも日本シリーズ進出が決まるオリックスは田嶋大樹投手(26)が先発したものの、自らのミスで相手に主導権を渡してしまった。一回、先頭の三森を2球で2ストライクと追い込むが、3球目を中堅右に弾き返され、二塁打。続く周東の投前犠打を処理したが、一塁へ悪送球。登板前には「流れを先に渡したくはない。相手より先に点をやらない」と注意点に挙げていたが、自らの適時失策で先取点を許してしまう。七回には野村勇内野手(25)にソロを浴びて、3点目を献上。6回?を投げ、3失点(自責1)で降板してしまった。
◆エースとしての全てをぶつけた。0勝3敗。崖っぷちのチームを救うためにマウンドに立った。ソフトバンク・千賀滉大投手(29)は6回0/3を投げて3安打無失点降板。中継ぎ陣に後を託した。「とにかく自分のピッチングをして、チームが勝てればそれでいいと。そのマインドでマウンドにあがりたいと思います」。一回2死、中川に対して160キロを計測。同じく160キロを右前に運ばれたが、五回を終えるまで、打者13人を連続で凡退。チームに流れを呼び込んだ。
◆ソフトバンクの野村勇が2―0の七回にソロを放ち、二回以降得点のなかったチームに追加点をもたらした。今季リーグ戦で自身初本塁打をマークした田嶋の、外角高めに浮いた変化球を迷いなく振り切って右越えへ運んだ。「思い切った自分らしいスイングができた」と胸を張った。NTT西日本からドラフト4位で入団した25歳のオールドルーキー。「自然とそうなる」というフルスイングをプロでも貫き、10本塁打を積み重ねて83年ぶりに球団の新人記録に並んだ。もう後がない試合で、9月19日以来の先発に抜てきされ、見事に期待に応えた。
◆ソフトバンクの1番打者、三森が攻守で躍動した。一回の第1打席、田嶋の外寄りの変化球を右中間へはじき返し、2試合連続の二塁打をマーク。続く周東の投前犠打に、一塁への悪送球が絡んでホームを踏んだ。引き分け以下で敗退が決まる瀬戸際で「チャンスをもらった時に結果を出し続ける」と常々口にするリードオフマンがチームを鼓舞した。三回には二つの好守でエース千賀をもり立てた。1死から紅林の中前へ抜けそうなライナー性の打球を、横っ跳びで好捕。福田の二遊間へのゴロには素早く追い付くと、正確な送球で仕留めた。千賀はグラブを何度もたたいて感謝した。
◆ソフトバンク・松本裕樹投手(26)が七回1死二、三塁で登板。無失点でしのいで雄たけびをあげた。先発の千賀が七回無死一塁で降板。2番手の嘉弥真をはさみ、1死二、三塁で松本がマウンドに上がった。打席には13日に決勝2ランを放った杉本。変化球で三ゴロに仕留めた。続いては頓宮。この日最速の156キロを計測するなど、気迫たっぷりの投球だ。最後は152キロで押し切り遊飛に打ち取った。今季44試合に登板して5勝1敗、防御率2・66。後半からは七回の男に定着した。クールな印象がある右腕の熱い姿。ほえる姿をとらえた写真をサンスポ鷹番ツイッター(@sanspo_hawks)にアップするとファンからも「松本君ほんとに毎試合すごい」「かっけぇ...」「さすが66番を背負う男」「松本君がほえてる」と声が相次いだ。
◆引き分けでもクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ敗退が決まるソフトバンクが一矢報い、対戦成績を1勝3敗とした。敵失で先制した一回1死三塁でアルフレド・デスパイネ外野手(36)の中前打で2点目を追加。さらに七回には9月19日のオリックス戦(京セラ)以来のスタメンとなったD4位・野村勇内野手(25)=NTT西日本=のソロで3点目を追加。先発の千賀滉大投手(29)は6回0/3を投げて3安打無失点。その後は継投で逃げ切り、最後はリバン・モイネロ投手(26)が締めた。
◆引き分けでも日本シリーズ進出が決めるオリックスは田嶋大樹投手(26)が先発したが、6回?を7安打3失点で降板した。「バックの守備に助けてもらっていたので、なんとか粘り強く投げていきたかったのですが、初回のところがすべてだと思いますし、最後のホームランが悔しいです」一回先頭の三森に中堅右へ二塁打を浴び、続く周東の投前犠打を処理したが一塁送球が高めに抜け適時失策となった。その後、柳田は投ゴロに仕留めたが、1死三塁からデスパイネに中前適時打を浴び、この回2点を失った。二回以降は徐々に状態を上げ、走者を出しながらも粘りの投球を見せていたが、0─2の七回1死から野村勇に右翼席へソロを被弾。続く甲斐に中前打を許したところでマウンドを後にした。2年連続の日本シリーズ進出決定は、15日の第4戦に持ち越しになった。
◆ソフトバンクがファイナルステージで1勝目を挙げた。先発の千賀滉大投手(29)が6回0/3を投げて無失点。お立ち台にあがり、心境を語った。一問一答は以下の通り。ーーどんな思いでマウンドに「後がなかったので、少し緊張したんですけど、あしたの先発投手にもこの緊張感を味わってもらおうと思って、絶対に回したろうと思っていました!」ーー序盤から161キロを計測するなど、投球内容は「拓也(甲斐)のリードに応えられたと思います」ーー吉田正や杉本の対戦も楽しんでいるように見えた「楽しくはないですけど、打たれたくないなと思いながらマウンドにいました」ーー七回無死一塁で降板となったが「いや、普通につっただけなので。もう少し試合があると思うので、僕がもう少し力になれるように。もう少し頑張りたいと思います」ーーチームの雰囲気というのは「負けたら終わりなので。みんな開き直っていると思うので。一生懸命に戦っていく姿勢を持っていけたらと思います」ーーあす以降の戦いに向けて「あしたも勝って、あさってもまた球場にきてもらえるように、僕も応援します。応援お願いします。ありがとうございました!」
◆ソフトバンクがファイナルステージで1勝目を挙げた。先発の千賀滉大投手(29)が6回0/3を投げて無失点。打線も野村勇内野手(25)が七回1死にCS初本塁打を放つなど3得点を奪った。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。ーー千賀の内容「最初から飛ばしてくれて、足がつりましたけど。中5日だから。それくらい飛ばしてくれた。よかったと思います」ーーチームの士気もあがる投球だった「最初に点を取れたのも大きかったし。千賀が投げて、先に点を取れて。相手も161キロとかを見て、戦意喪失とかもあったんじゃないかと思うし」ーーつった箇所は「両足です。六回が終わった時点でつっていて、いけるところまではいきますと。球威も落ちていたからね。投げた後も力が入っていなかったし」ーー千賀の今後の登板は「最後(第6戦)までいったら、中に入る予定です。千賀と石川は中でいけそうな投手なので」ーー七回1死でも野村勇が貴重なソロ「正木にしても野村勇にしても左投手に内容がいい。ちょっと抜けた球ならああやって逆方向にホームランが打てる。楽しみですね。これから。今年一年いい経験ができたんじゃないですか」ーー川瀬もCSで4打数4安打「調子いいね。ちょっと考えないといけないね。でも代打で出るからいい緊張感で打てるけど。3打席、4打席あると思ったら内容が悪くなる。あしたは考えます」ーーひとつ勝ったことで勢いも出したい「うちは負けたら今シーズン終わりだから。いい開き直りでできているんじゃないかな。ベンチもすごく元気あるし、若い選手も声を出してくれているので」
◆ソフトバンクは、千賀が両脚をつって七回途中降板となったが、レギュラーシーズンの戦いを支えた救援陣が無失点でつないだ。七回は1死二、三塁のピンチで松本が3番手として登板。杉本を三ゴロ、頓宮には156キロをマークするなど気迫あふれる投球で切り抜け「開き直って投げることができた」と安堵の表情だった。八回はセットアッパーの藤井が無失点で、九回は抑えのモイネロ。味方の失策もあり1死一、二塁と一発が出れば同点の場面で好調の杉本を迎えた。3ボールになったが焦らずカウントを整え、併殺打に仕留めて締めた。「(あと)3連勝できるように力になりたい」とフル回転を誓った。
◆?ソフトバンクがファイナルステージ(S)初勝利。対戦成績を1勝3敗(オリックスにアドバンテージの1勝)とした。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけられた後に1勝を挙げたケースは過去15度。そのうち、逆転で日本シリーズに進出したのは1977年の阪急、2010年のロッテ、12年の巨人の3度で突破率は20%。?千賀がファーストS第1戦に続く勝利投手。CS通算4勝目を挙げた。プレーオフ、CSで通算4勝は中田賢一(ソフトバンクなど)の6勝、ダルビッシュ有(日本ハム)と吉見一起(中日)の5勝に次ぐ。バンデンハーク(ソフトバンク)と石川柊太(同)と並ぶ4位(6人目)。
◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージは、リーグ2位のソフトバンクが3-0で2年連続リーグ王者のオリックスを破った。勝てなければ終戦だったが、エースの千賀滉大投手(29)が七回途中を3安打無失点で、チームを救った。対戦成績はリーグ優勝による1勝のアドバンテージを含めてオリックスの3勝1敗。先に4勝したチームが22日に神宮で開幕するヤクルトとの日本シリーズへ進む。エースが勇気をくれた。このピッチングが千賀滉大だ。6回0/3を投げ無失点でソフトバンクが1勝目。自分の全てを込めてバトンをつないだ。「チームの士気を下げない投球を心掛けていた。五回まではすごくポンポンいけたので、それはよかったと思います」引き分け以下で今シーズンが終わる状況で、一回から160キロを計測。一回2死に中川圭に右前打を許して以降、13人を連続で凡退させた。二回1死には杉本に161キロを計測するなど、フルスロットルだ。七回無死一塁で「両足がつった」と降板。リリーフに託した後もベンチの最前に立ち、ナインを応援した。ミスさえも救い、試合を支配した。五回1死三塁の攻撃で、打席には周東。1球目にスクイズを仕掛けたが、空振りで失敗した。七回1死一塁でもエンドランを仕掛け、三森が空振り。一走・甲斐が盗塁死と、チグハグな攻撃が目立った。千賀も試合の流れを踏まえて「士気を意識した」とはっきり言った。「ベンチの攻撃のミスもあったので。そういうのもマウンドの上で思いながら、試合の流れが壊れたらチームの士気は一気に下がると思ったので。そこは先発投手として、投げている投手として、やれる一番大きなことだと思ったので」1勝3敗。崖っぷちであることは変わらないが、千賀で白星を奪ったことに価値がある。藤本監督は「最後(6戦目)までいったら中(継ぎ)に入れる」と明かした。歴史ごと覆し、このチームで日本一になりたい。「負けたら終わりなので。みんな開き直っていると思う。一生懸命に戦っていく姿勢を持っていけたらと思います」チームの士気を上げ、試合を支配した。千賀滉大がホークスのエースだ。(竹村岳)
◆野村勇が球団の新人史上初となるCS弾。「8番・三塁」で先発すると、2-0の七回1死、田嶋のカットボールを右翼席に運んだ。「手応えはばっちり、打った瞬間にいったと思いました。もう負けられないので、割り切ってやるだけ」。NTT西日本からD4位で入団。レギュラーシーズンでは10本塁打、10盗塁と高い身体能力を証明していた。藤本監督も「今年一年、いい経験ができている」と目を細めた。
◆一気に日本シリーズ進出とはならなかった。オリックスは千賀を打ち崩せず、零封負け。王手をかけている日本一への挑戦権獲得を前に足踏みとなったが、中嶋監督は前を向いた。「(千賀の状態は)よかったですよね。でも、(打線の)とらえ方としてはまあまあよかったのかな、と思いますけどね」最速161キロにスライダー、代名詞のフォークを駆使する右腕を前に3安打。ただ、安打性の打球は多く、七回2死一塁で宗の右前打で三塁を狙った一走・福田が柳田の送球に阻まれるなど、相手の好守備に阻まれるシーンも目立った。千賀が降板後の七回1死一塁では西野が右翼越えの二塁打。二、三塁の好機で杉本は三ゴロ、頓宮は遊飛と得点につながらなかったが、指揮官は「結局、点を取れなかったですけど、そういう形にしているのはいいことかなと思いますし、続けていって、どこかで(点が)入るのがいいのかなと思います」と一定の手応えを口にした。先発の田嶋は一回に無死二塁から投前犠打を処理した際、一塁に悪送球。適失で先取点を与える形となったが、将は「三塁を見なくてよかったのかなと思う。あのままパッと一塁に投げていればまた違った展開になったのかな、と思う。振り返っても仕方がない。これから先、そういうことがないようにすればいい」と責めることはなかった。CS突破へ王手をかけて選手が重圧を感じていたか、と問われた際には「全然ないでしょ。ないです。全然、普通にいつも通りやっている」と否定した。この日の敗戦で3勝1敗となったが、オリックス優位には変わりない。第4戦を勝利し、セ・リーグ代表のヤクルトに昨年のリベンジを果たす。(西垣戸理大)
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