ヤクルト(☆5対3★)阪神 =クライマックスシリーズ2回戦(2022.10.13)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
00212000X5713
勝利投手:サイスニード(1勝0敗0S)
(セーブ:マクガフ(0勝0敗1S))
敗戦投手:藤浪 晋太郎(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】村上 宗隆(1号・3回裏2ラン),長岡 秀樹(1号・4回裏ソロ),オスナ(2号・5回裏2ラン)

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◆ヤクルトが日本シリーズ進出に王手をかけた。ヤクルトは1点を追う3回裏、村上の2ランで逆転に成功する。その後は4回に長岡のソロ、5回にオスナの2ランが飛び出し、リードを広げた。投げては先発・サイスニードが6回途中1失点の好投。敗れた阪神は、打線が相手を上回る11安打を放つも、3得点とつながりを欠いた。

◆阪神植田海内野手(26)が1軍に合流し、そのまま出場選手登録された。3日に新型コロナウイルス陽性判定を受け、5日に抹消。順調に回復し、特例2022により、抹消後10日間を経ずに復帰となった。ここぞの場面での代走の切り札としての活躍に期待がかかる。代わって小幡竜平内野手(22)が出場選手登録を抹消された。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が今季のレギュラーシーズン、ポストシーズンを通して初めてスタメン落ちした。CSファーストステージでは10打数2安打、1本塁打。前日12日のファイナルステージ初戦では4打数無安打3三振に倒れていた。佐藤輝は今季、チーム唯一の全143試合出場。不調の時期もありながらも試合に出続けてきたが、短期決戦で矢野監督が決断を下した。試合目のシートノックには通常通り参加した。代わってジェフリー・マルテ内野手(31)が「5番三塁」。5番を務めていた原口文仁内野手(30)が6番に下がった。先発は藤浪晋太郎投手(28)。CS先発マウンドは7年ぶり。DeNAとのファーストステージでは登板なく、9月23日の広島戦で中継ぎ登板して以来の1軍登板となる。ヤクルト戦は今季先発2試合で防御率2・08と相性がいい。反撃の1勝をつかみ取りたい。

◆「突破率4%」の壁をぶち破るべく、阪神が先制パンチだ。初回、1番中野拓夢内野手(26)が右中間を破る三塁打でチャンスメーク。1死三塁から3番近本光司外野手(27)が一、二塁間を破る右前適時打を放って先制に成功した。近本は「打ったのはチェンジアップ。とにかく先制点を取りたいと思っていましたし、先頭からいい形でチャンスメークしてくれたので、積極的に打ちにいきました。いい所に打球が飛んでくれたと思います」とコメントした。前日12日のファイナルステージ初戦に敗れ、ヤクルトのアドバンテージ1勝と合わせ0勝2敗。日本シリーズをかけたプレーオフ、CSで0勝2敗となった球団は昨年まで26度あった。ここから日本シリーズに進んだのは17年DeNAが広島に■●→○○○○とした1度だけ。突破率4%の狭き門となっている。

◆試合が降雨のため中断となった。1回裏ヤクルト2死一塁で打者村上。カウント2-1の場面で雨脚が強まり、中断となった。

◆阪神の次期監督に内定している岡田彰布氏(64)が、ABCラジオの解説を務めた。完敗の黒星スタートとなった前日12日の初戦について岡田氏は「初回の先制点が痛かった。ただ、ピッチャーは何とかなる。先制点を取らないとなかなか主導権を握れない」と分析した。13日の初戦で3三振を喫し、この日スタメンを外れた佐藤輝は、今季ヤクルト先発のサイスニードとの対戦成績は7打数0安打。岡田氏は「(昨日は)内容が悪かったですからね。でもここにきて外すのはきついですね」と話した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が打席途中に、雨天による一時中断を強いられた。1点を追う初回2死一塁で第1打席を迎え、阪神藤浪に対しカウント2-1の場面で、雨脚が強まり球審が判断。シートがかぶせられた。約30分の中断が明け再開すると、見逃しと連続ボールで四球を選んだ。試合は初回に先発サイスニードが1点を献上。立ち上がりから追う展開となっていた。前夜の第1戦では、村上は無安打も四球を選び得点をマーク。チームは7-1でゲームを制し、アドバンテージ含め2勝としていた。

◆午後7時4分、試合が再開された。午後6時26分、1回裏ヤクルト2死一塁で打者村上。カウント2-1の場面で雨脚が強まり、中断となっていたが、38分後に再開となった。再開直後、村上は四球で出塁。四球になった阪神藤浪のボールは大きく内角方向に抜ける暴投となり、一塁走者の山田は三塁へ。2死一、三塁からオスナは中飛に倒れた。

◆阪神の次期監督に内定している岡田彰布氏(64)が、ABCラジオの解説を務めた。勝率5割以下で3位に終わった今季のチームについて、昨季まで所属していた絶対的守護神のスアレス(現パドレス)の穴が埋まらなかったことを指摘した。昨季までは9回「去年まで9回打ち切りだったから、(中継ぎ陣が)計算できた。延長12回になって、スアレスがいない。そこの部分が開幕から出た。それが一番の原因と思いますね」と話した。また、リーグトップの救援防御率2・39の成績を残したブルペン陣については「普通」と言及。「ブルペンだけで借金が7、8つくらいある。防御率がいいから抑えている感じはするけど、勝負どころで打たれてる。これだけエラーしてたら防御率もよくなりますよ」と厳しく指摘。「同点から2点差で負けている中でのピッチャーがものすごく大事」と持論を展開した。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)が、CS初アーチとなる逆転2ランを放った。1点を追う3回2死一塁。阪神藤浪に対しフルカウントとし、6球目の直球だった。振り上げた打球は左翼席へスタンドイン。「追い込まれていたので、コンパクトに打つことを心掛けて低めの球でしたがしっかりと押し込めました。逆転することができて良かったです」と納得の表情を見せた。第1打席は打席途中に雨天により一時中断。再開後、四球を選んだ。前夜の第1戦も2打数無安打2四球だった。昨季までの村上のポストシーズン通算成績は、9試合、32打数7安打、2本塁打、4打点、打率2割1分9厘。2本塁打は、いずれも昨年の日本シリーズで放ったもの。CSでの本塁打は、これが自身初めて。令和初の3冠王は3日のDeNA戦、今季最終戦の最終打席で日本選手最多、プロ野球歴代2位となる56号ソロを放った。大事なCSでも、チームに力を与える1発を放った。▽ヤクルト・オスナ(5回に2試合連発となる2号2ラン) 打ったのはストレート。追加点のチャンスだったので、甘くきた球を積極的に仕掛けようと思い、打席に入りました。完璧に打つことができました。

◆阪神の次期監督に内定している岡田彰布氏(64)が、ABCラジオの解説を務めた。藤浪が1点リードの3回に、ヤクルト村上に左越えの逆転2ランを浴びた場面について「めちゃめちゃ難しいボールでしたよ。アウトローいっぱいの。あのホームランが打てるのは村上くらい。ピッチャーからしたら一番いいボール。あれを打たれたらしょうがないですよ。普通(回転が)スライスになるのがならない」と藤浪をかばいつつ、村上の打撃技術に目をみはった。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)が村神様に痛い2ランを浴びた。1点リードの3回2死一塁から4番村上にアウトローの難しいボールを左翼席に運ばれ、逆転2ランを許した。4回の打席で代打ロハスを送られて交代。3回2安打2失点で降板した。藤浪はDeNAとのファーストステージでは登板なく、これが9月23日の広島戦で中継ぎ登板して以来の1軍登板。CS先発は7年ぶりだった。この日は試合前から雨が降る難しいコンディション。マウンドに上がった1回裏には38分間の中断もあった。

◆今季初めてスタメン落ちした阪神佐藤輝明内野手(23)が、6回2死二塁で西純の代打として登場した。ヤクルト先発サイスニードに対しストレートの四球で出塁。その後2死満塁となったが、代打北條が2番手久保に中飛に仕留められ反撃とはならなかった。佐藤輝の代打出場は昨年のCSファーストステージ、巨人との初戦だった11月6日以来。その後は右翼の守備に就いた。

◆ヤクルトが、ホセ・オスナ内野手(29)の2試合連続アーチで虎を突き放した。2点リードの5回、オスナが前夜に続く2ランを放った。村上のCS初となる逆転2ランで勢いづく打線は、4回に長岡もソロ弾を放っており、1発攻勢で阪神を圧倒した。オスナは「追加点のチャンスだったので甘くきた球を、積極的に仕掛けようと思い打席に入りました。完璧に打つことができました」と、ご機嫌だった。

◆阪神がヤクルトに連敗し、アドバンテージの1勝を含む0勝3敗となり王手をかけられた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで0勝3敗となった球団の突破はなく、突破率0%の崖っぷちに追い込まれた。初回、1番中野拓夢内野手(26)が三塁打でチャンスをつくり3番近本光司外野手(27)の右前適時打で先制。先発藤浪晋太郎投手(28)も1回裏に雨で38分の中断がありながらも2回まで無失点を続けた。だが、3回2死一塁からヤクルト村上宗隆内野手(22)に外角低め直球を左翼席に運ばれる逆転2ランを許した。4回から登板した2番手の西純矢投手(21)も2被弾を浴びるなど2回3失点と点差を離された。打線は今季レギュラーシーズン143試合を含め全試合出場していた佐藤輝明内野手(23)を初めてスタメンから外し、5番に三塁でジェフリー・マルテ内野手(31)を起用。6番には前試合まで5番の原口文仁内野手(30)を入れた。7回にマルテの左犠飛で1点をかえしたが、原口は3打数無安打とつながらなかった。第3戦の先発は今季投手3冠の青柳晃洋投手(28)。突破率0%からの下克上ドラマを描くためにも、絶対に負けられない。阪神がCSファイナルステージで2戦2敗。アドバンテージ1敗と合わせて0勝3敗で、ヤクルトに日本シリーズ進出に王手をかけられた。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで0勝3敗から逆転で日本シリーズ進出を決めた球団はなく、突破率は0%だ。

◆セ・リーグ王者のヤクルトが、日本シリーズ進出に王手をかけた。下克上を狙う阪神を寄せ付けず、ホームで2連勝を飾った。これでアドバンテージの1勝を含め3勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ出場まであと1勝とした。初回に1点を失い、追う展開で逆転を呼び込んだのは、"村神様"だった。3回2死一塁で、阪神先発の藤浪に対しカウント3-2と追い込まれながら、直球をとらえ逆方向の左翼席へ逆転2ランを運んだ。CSでの本塁打は自身初。「追い込まれていたので、コンパクトに打つことを心掛けて低めの球でしたがしっかりと押し込めました。逆転することができて良かったです」と言った。勢いづいた打線は、4回に長岡がソロ、5回にはオスナが2戦連発となる2ランを放ち、1発攻勢で突き放した。援護を受けたサイスニードは6回途中まで1失点とゲームをつくった。継投でリードを守り切り連勝。初回の攻撃途中に雨天による38分間の中断がある中、連夜の雨中の戦いを制した。ヤクルトとオリックスが勝ち、アドバンテージの1勝を含め3勝0敗。昨年に続いて両チームが無傷で王手をかけ、今日の試合に○か△で日本シリーズ進出が決まる。シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで40チームのうち37チームがシリーズに進出。出場を逃したのは77年ロッテ、10年ソフトバンク、12年中日だけで、突破確率93%。今回のように無傷の王手(81年の○△○含む)は過去20チームがすべてシリーズに出場している。

◆村神様の王手弾ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージの第2戦で、CS初本塁打となる逆転2ランを放ち、チームを勝利に導いた。1点を追う3回2死一塁、阪神藤浪から左翼席へ運んだ。史上最年少で3冠王を獲得した主砲の価値ある1発で、リーグ優勝のアドバンテージ1勝と合わせて3勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。降りしきる雨にも、村上は集中力を切らさなかった。3回2死一塁、阪神藤浪に対しフルカウントからの6球目、外角低め直球を捉えた打球が、逆風をものともせず虎党の陣取る左翼席に弾んだ。打球の行方をしっかり確認すると、バットを投げて手をたたき、右人さし指を立てて走りだした。「追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて。低めの球でしたがしっかりと押し込めました。逆転することができて良かったです」と喜んだ。レギュラーシーズン最終戦となった3日DeNA戦の最終打席で、日本選手最多となるシーズン56本塁打をマーク。「最後の打席でホームラン打てたというのは、自分でもびっくりしてます。最後のご褒美かなと思って素直に喜びたいと思います」と喜んだ。最後に得た好感触をポストシーズンにもつなげた。今季阪神戦は24試合で打率2割6分、7本塁打、17打点と、いずれもセ・リーグ相手ではワーストの数字。藤浪にも今季4打数無安打、2三振と抑え込まれていたが、大舞台で勝負強さを見せた。1回2死一塁の第1打席では、カウント2-1となった場面で雨脚が強まり試合が中断した。寒さと雨の中でも集中を保ち、38分後に再開されると、見逃しと連続ボールできっちりと四球を選んだ。12日の初戦では2打数無安打ながら2四球でチャンスメーク。シリーズ開幕前に「自分の状態が悪かったら切り替えが大事になってくる。チームのため、どれだけ踏み台になれるか、力になれるかを考えてやっていく」と話していた通り勝利に貢献した。2試合目は、自らのバットで走者をかえす本来の役目を果たした。本拠地お立ち台で、雨の中で最後まで応援をつづけたファンの声援に応えた。【鈴木正章】村上が3回に逆転2ラン。昨年の日本シリーズで2本塁打を打っている村上だが、CSは出場5試合目で初アーチだ。公式戦で歴代2位の56本塁打しており、この1本を加えると今季は「57本」。ポストシーズンを含むシーズン本塁打ランキングは、13年に公式戦で60本のバレンティン(ヤクルト)が1位で、57本は85年バース(阪神)01年ローズ(近鉄)02年カブレラ(西武)に並び2位となった。今季の村上は公式戦で勝利打点付きのVアーチが2リーグ制後最多タイの16本記録したが、CS1号もチームを勝利に導くVアーチだった。▽ヤクルト高津監督(村上の逆転2ランに) 彼のバットが扉をこじ開けた感じですかね。一振りで2点とったわけですから。ナイスバッティングだったと思います。○...長岡がCS初本塁打を放った。1点リードで迎えた4回1死の第2打席、阪神西純の外角直球を右翼ポール際へ運んだ。「守備で迷惑を掛けてしまったので、取り返したい気持ちでした。2ボールだったので、ストレート一本に絞って思い切って打ちました」。2回の遊撃守備での失策を帳消しにするソロで、中押しした。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)は一瞬、飛球の行方を目で追う作業をためらった。スピンがかかった白球が雨粒を跳ね飛ばしていく。ヤクルト村上のサイドステップが視界に入る。左翼ポール際席への着弾をゆっくり確認すると、ぼうぜんと表情を硬直させた。「失投ではなかったですが、うまくホームランを打たれてしまい、リードを守ることができずに申し訳ないです」本人の言葉を借りるまでもなく、誰の目にも渾身(こんしん)の1球だった。1点リードの3回2死一塁、4番村上に対してフルカウント。外角低めいっぱいの直球を投げ込み、見事に払われた。今季4打数ノーヒットと分が良かった3冠王に、もはや相手を褒めるしかない逆転2ランを献上。14年ファイナルステージ巨人戦以来、8年ぶりのCS白星は夢と消えた。「早めの継投もあると思っていたので、序盤からしっかり強いボールを投げ込む意識でした」CS先発自体が15年ファーストステージ巨人戦以来7年ぶり。雨中のぬかるんだマウンドで懸命に耐えた。1回2死一塁、4番村上に2ボール1ストライクとしたところで雨天中断。38分間のブランク後、村上への四球が暴投となったが、2死一、三塁で5番オスナを中飛に打ち取った。2回も四球を出しながら無失点。悪天候の中でも粘っていただけに、3回を4奪三振3四球2安打2失点の内容を責めるのは難しい。9月28日、今オフにポスティングシステムを使用して大リーグ移籍を目指す意思を正式表明した。今回でタテジマの藤浪晋太郎は見納めとなってしまうのか...。ファイナルステージ0勝3敗となったチームはいよいよ崖っぷち。今はただ雪辱の舞台を信じるしかない。【佐井陽介】阪神投手陣がプレーオフ、CS史上ワーストタイとなる10個の四球を与えた。藤浪3、西純1、ケラー2、加治屋1、島本3と登板した全投手が四球を与えた。これまでのワーストは80年プレーオフ第<3>戦ロッテ、81年プレーオフ第<5>戦ロッテ、15年CSファーストS第<1>戦日本ハムで、阪神が並んだ。○...西純矢投手がクライマックスシリーズ初失点を喫した。1点ビハインドの4回に2番手で登板。1死から長岡にソロ、5回にはオスナに2ランを浴び計3失点と流れを作れなかった。ロングリリーフ要員としてブルペン待機する右腕は、ファーストステージでは2試合計4イニング無失点だったが、この日はヤクルトの1発攻勢にのみ込まれた。▽阪神ケラー(6回1死一、三塁のピンチを背負うも、1回無安打無失点) 四球で走者を出してしまう苦しい内容だったけど、なんとか粘って0点で抑えることができてよかったよ。

◆セ・リーグ王者のヤクルトが、日本シリーズに王手をかけた。ヤクルト先発で雨男を自負するサイスニードが、雨中の投球をモノともせず、6回途中まで1失点と好投。自身CS初勝利を収めた。以下ヒーローインタビュー-CS初勝利このような天候ですごいタフな試合でしたけど、今の気持ちとしてはとても気持ちいいですし、中村捕手ともあうんの呼吸で投げられて、攻撃陣も打ってくれたんで、いい試合になりました。-王手かかるマウンド1球1球、丁寧に投げることを意識しました。-雨天中止の可能性もあった雨男でした、今日も。投球内容に関しては、いろいろボールを動かしながら自分の投球ができたと思います。-リリーフ陣に1年間すごい働きをして8回清水、9回マクガフと、中継ぎみんないい仕事をして、ヒーローインタビューでお立ち台に上がることがないんですが、みんなに感謝しています。-今日の試合で大好きになった選手はメイビ~、ムネダイスキ~!

◆ヤクルトは0-1の3回、2死一塁で村上が2ランを放ち、逆転。4回は長岡のソロ本塁打、5回にはオスナの2試合連発の2ランで加点した。サイスニードはピンチの連続も6回途中1失点と粘り、継投で逃げ切った。阪神は藤浪が3回2失点で、2番手の西純も2回3失点。打線は相手を上回る11安打を放ったが、3点止まりだった。

◆セ・リーグ王者のヤクルトが、日本シリーズに王手をかけた。高津臣吾監督の一問一答は以下の通り。-サイスニードが雨で粘投彼はすごく勝ちに飢えてるというか(シーズン)最後の登板の時ももうちょっと投げさせてくれ(と言ってきた)。次に勝つときはすごくいい1勝だと言ってなだめたという、そういういきさつがあった。その次の1勝が今日ということで、すごく大きな1勝を挙げてくれたと思います。すごく状況の悪い中、本当によく粘って投げられたんじゃないかなと思いますね。-最少失点だった立ち上がりは非常に難しかったと思います。なかなか制球も定まらなかったですし、変化球もストライクなかなか入らなかったんですけども、徐々に持ち味というかね、しっかり緩急も使えるようになったし、コントロールもできるように、回を追うごとになったのかなという感じがします。-昨年はポストシーズンで投げられなかったが、今年は1年間1軍で回ったその通りですね。昨年終盤にね、ケガして悔しい思いを彼はしているので。今日にかける思いは、今年のレギュラーシーズン、プラス昨年のポストシーズンていうところも含めて、絶対勝ちたいと思ってマウンドに上がったんじゃないかなと思いますね。すごくうれしそうでした。-村上の逆転の1発何となく先に点取られて嫌な雰囲気だったんですけども、彼のバットが、何て言うんですかね、扉をこじ開けたというか。その後の岡ちゃん(長岡)とかオスナのホームランにつながったのかなというふうに思います。ひと振りで2点取ったわけですから、逆転したわけですから、ナイスバッティングだったと思いますね。-4番としてどっしり座っているその後の打席はちょっと、もう1本出てたらというところが何回かあったので、でも言い出したらキリないんですけども。はい、しっかり振ってくれてると思います。-長岡も1発のびのびとプレーしてくれてるのかな。今日エラーありましたけど、よく声も出しますし、元気に走ってる姿を見ると、今日いいホームランも打ちましたし、よく頑張ってるなと思いますね。-オスナが2戦連発本当に状態がいいんだと思います。彼があそこにいるからムネ(村上)がまた生きるしね。その前の(山田)哲人が出塁率がすごく高いので、四球とかでもよく出塁するので、あそこはよくつながってくれてるなと思いますね。-6回塩見の三盗などリードしても攻める姿勢積極的に打つ方も、そういう意味では三盗はすごく難しい状況だったですけれども、点には結びつかなかったですけども、ああいう姿勢っていうのはすごく大事だと思います。チームが活気づくというか、いけるぞって雰囲気になりますし、すごくいいスチールだったと思いますね。-マクガフは1失点今日は何て言うんかな、ずっと先頭が出てずっとピンチだったような気がしますね。トータルで3点しか取られてないので(被安打)11本かな、で先頭6回くらい出てるのかな。それで3点でよく収まったなと。(サイ)スニードじゃないですけど状況が悪い中、ランナー出してからの粘りであったりとか、次へのつなぐ意識であったりとかが、よく現れた投手陣だったのかなと思います。よく逃げ切ったと思います。-日本シリーズに王手1勝アドバンテージがあって、6試合というところで、第2戦がすごく大事だと思ってました。ここを取ると間違いなく1歩前に出ると思っていたので、初戦も、もし負けたとしてもね。そのぐらい2戦目をすごく重要視していたので、今日取れたのは、大きいと言うとあれだな、よかったと思います。

◆セ・リーグ王者のヤクルトが、日本シリーズに王手をかけた。ヤクルト村上宗隆内野手(22)が3回にCS初本塁打となる逆転2ランを放ち、勝利を呼び込んだ。勢いづいた打線は、1発攻勢で下克上を狙う阪神を寄せ付けず、ホームで2連勝を飾った。これでアドバンテージの1勝を含め3勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ出場のあと1つと迫った。以下、ヒーローインタビュー-初アーチ今日勝ったんでそれが一番うれしいです。-打席ではその前の守備もすごく短く終わってくれて、すごくいい流れであの回攻撃できたんで、なんとか点が入るだろうと思って見ていたので、ここで打つしかないと、気持ちで打ちました。-打球見届けていったなーっていう感じです。-長岡、オスナも打ったとにかくこの短期決戦は勝てれば良いということで、状態がいい人も悪い人も勝ちに向かって頑張っているので、チーム一丸頑張ります!-意気込み雨で寒い中、最後まで応援ありがとうございました! 明日も勝ってみんなで日本シリーズ行きましょう!

◆追い込まれた。「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージの第2戦(神宮)で阪神がヤクルトに完敗。優勝アドバンテージを含め0勝3敗となった。矢野燿大監督(53)は今季初めて佐藤輝明内野手(23)をスタメンから外す決断を下したが、打線爆発とはいかなかった。0勝3敗から日本シリーズに進んだケースは過去1度もない。王手をかけられて迎える14日の第3戦は、矢野阪神ラストゲームとなるのか、それとも奇跡へ夢をつなぐか-。冷たい秋雨が降り続く神宮で、矢野阪神が崖っぷちに追い込まれた。逆転負けでの連敗でヤクルトに王手をかけられた。0勝3敗からのCSファイナル突破は過去1度もない。厳しい現実を前にも矢野監督は「何ができるかっていうのをオレも楽しみにしているし、今までやってきたものは明日(14日)出したい。もちろん負ければ終わり。みんなそういう思いでやってくれると思う。もう思い切り挑戦するだけ」と、戦う姿勢を見せた。初回に近本の適時打で先制し一気に大量点で流れに乗りたかったが、この日5番三塁でスタメン起用したマルテが三邪飛、6番原口も遊飛とつづけなかった。ヤクルトの7安打を上回る11安打を放ったが、打線がつながらなかった。「粘ったけど1本でなかった。向こうは本塁打。こっちは長打という感じにはいかなかった」と、3被弾を食らったヤクルト打線の破壊力にやられた。レギュラーシーズン143試合を含め全試合出場していた佐藤輝を今季初めてスタメンから外す勝負手も不発に終わった。井上ヘッドコーチは「短期決戦なんで、調子がいいものを使っていく。何がベストと考えた時に、輝を出すよりマルテの方がいいと選択した。佐藤輝中心のチームではない。みんなで一致団結しないと勝てないチームなので」と説明した。佐藤輝は6回の代打(四球)から途中出場。8回には清水から見逃し三振を喫し悔しい表情でベンチへ戻った。1回裏の38分間に及ぶ中断など、雨が続くグラウンドでたびたび土入れが行われた。投手も野手もイライラの募るようなコンディションだった。だが、最後まであきらめず、9回に抑えのマクガフから1点を奪った。第3戦の先発は今季投手3冠の青柳晃洋投手(28)。エースで窮地を打開する。まだ矢野阪神を終えるわけにはいかない。突破率0%からの下克上ドラマに挑戦する。【石橋隆雄】○...北條史也内野手が絶好機で凡退した。4点ビハインドの6回2死満塁で代打で登場。1発が出れば同点の場面だったが、ヤクルト久保の初球を打ち上げ中飛に倒れた。19年CSファーストステージ、DeNAとの第1戦では5打点で6点差大逆転勝利を導いた「CS男」が不発。8回2死一塁の第2打席でも左飛に倒れた。○...近本光司外野手がCS5試合連続安打となる先制打を放った。初回1死三塁でヤクルト先発サイスニードから右前適時打。7回には左前打、9回には四球で出塁し、いずれもマルテの犠飛で生還した。全3得点に絡んだが「勝たないと意味がない」。負ければ敗退となる14日の戦いに向けて「僕らは僕らの野球をするだけ。どっちにしろ4勝しないとダメだったんで。頑張ります」と語り、バスへと乗り込んだ。

◆阪神の次期監督に内定している岡田彰布氏(64)が、ABCラジオの解説を務めた。この日スタメンを外れ途中出場した佐藤輝の8回無死一塁からの見逃し三振について「打てないところを振るんよね。打たないといけないと思っているから。6球投げて唯一のストライクを見送りですよ」と指摘。「インコースが弱いと思われてるから、内角へのストレート系が多い。そこにばっかり目を付けるから、簡単に外の真っすぐを見送ってしまう」と話した。さらに「だから打てないところを打てるようにする必要ない」と持論を展開。「そんなん失敗した選手いっぱい見てるじゃないですか」と、高山を例に出し「(苦手なところを)打てるようにと思って変えて、失敗することの方が多い。何で苦手なところ、弱点を打たなきゃいけないのか。基本的に打たないところが7割じゃないですか。打てるところは3割」と話し、打率3割以上を記録してきたバッターの特徴については「打てるボールを確実にヒットにしてるからでしょ」と説明した。今季20発にとどまった佐藤輝について「自分のスイングできないから飛ばない。今までホームランにしてないボールをホームランにしようとしてるから、自分のスイングじゃない」と語気を強めた。

◆高卒3年目、21歳0カ月のヤクルト長岡秀樹内野手が本塁打。プレーオフ、CSでは平田(中日)が08年CSセカンドステージの巨人戦で代打本塁打を打った時の20歳7カ月に次ぎ、2番目の年少本塁打となった。ヤクルトのポストシーズンでは、昨年日本シリーズの村上宗隆(21歳9カ月)を抜く球団史上最年少本塁打になる。▽ヤクルト長岡(4回にCS初本塁打)「(2回に失策し)守備で迷惑をかけてしまったので、取り返したい気持ちでした。2ボールだったのでストレート一本に絞って思い切って打ちました」

◆村神様の王手弾ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージの第2戦で、CS初本塁打となる逆転2ランを放ち、チームを勝利に導いた。1点を追う3回2死一塁、阪神藤浪から左翼席へ運んだ。史上最年少で3冠王を獲得した主砲が価値ある1発。リーグ優勝のアドバンテージ1勝と合わせ、CSで3勝0敗から敗退した球団はなく、突破率100%で2年連続の日本シリーズ進出へ王手をかけた。降りしきる雨にも、村上は集中力を切らさなかった。3回2死一塁、阪神藤浪に対しフルカウントからの6球目、外角低め直球を捉えた打球が、逆風をものともせず虎党の陣取る左翼席に弾んだ。打球の行方をしっかり確認すると、バットを投げて手をたたき、右人さし指を立てて走りだした。「追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて。しっかりと押し込めました」。CS初の本塁打に「(レギュラーシーズンと)特に変わりはないです。ホームランはすごく気持ちいいので、うれしいです」と喜んだ。打席中に試合が中断しても平常心を保った。1回2死一塁の第1打席、カウント2-1の場面で雨脚が強まり試合が中断。ベンチ裏に座りながら「雨はいつやむか、いつ始まるか分からないので。ベンチ裏ではそんなに集中はせずにリラックスしてました」。心のオンとオフを切り替え、「試合に入って、しっかり集中出来る準備をしようと。グラウンド整備くらいから体を動かし始めました」。38分後に再開されると、見逃しと連続ボールによる四球で出塁。じっくりボールを見極めたことが、2打席目の1発へとつながった。12日の初戦では2打数無安打ながら、2四球でチャンスメークして勝利に貢献。巨人やヤンキースなどで活躍し、テレビ解説を務めた松井秀喜氏(48)から「今までになかったスケールの選手。僕なんかより全然素晴らしい」などと称賛された。「その言葉はうれしいですけど、まだまだ遠い存在なので。僕ももっともっと努力して、松井秀喜さんのような、人として尊敬されるようになっていきたい」と、喜びつつも気を引き締めた。ポストシーズンでも存在感は揺るがない。本拠地お立ち台で、雨の中で最後まで残ったファンに向かって、「応援ありがとうございました!! 明日も勝ってみんなで日本シリーズ行きましょう!!」と力強く宣言した。【鈴木正章】

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)は一瞬、飛球を目で追う作業をためらった。スピンがかかった白球が雨粒をはね飛ばす。ヤクルト村上のサイドステップが視界に入る。左翼ポール際席への着弾をゆっくり確認すると、信じ難い現実に表情を硬直させた。「失投ではなかったですが、うまくホームランを打たれてしまい、リードを守ることができずに申し訳ないです」本人の言葉を借りるまでもなく、誰の目にも渾身(こんしん)の1球だった。1点リードの3回2死一塁、フルカウント。4番村上に154キロを外角低めいっぱいに投げきり、見事に払われた。今季4打数無安打と封じ込めていた3冠王に、矢野監督も「打者がうまく打った」と脱帽した逆転2ランを献上。14年ファイナルステージ巨人戦以来8年ぶりのCS白星は夢と消えた。CS先発自体が15年ファーストステージ巨人戦以来7年ぶり。「早めの継投もあると思っていた。序盤からしっかり強いボールを投げ込む意識でした」。晩秋を思わせる寒さと降雨、ぬかるんだマウンドに懸命にあらがった。1回2死一塁、村上に3球目を投げたところで雨天中断。38分間のブランクを経て村上への四球が暴投となった後、2死一、三塁で5番オスナを中飛に詰まらせた。2回も四球を出しながら無失点。悪天候の中でも粘り腰を見せていただけに、痛恨の被弾も責めきれない。9月28日、今オフにポスティングシステムを使用して大リーグ移籍を目指す意思を正式表明した。この日はヤンキーススカウトも視察に訪れる中、3回を4奪三振3四球2安打で2失点。120%を出し切れないまま、タテジマの藤浪晋太郎は見納めとなってしまうのか...。ファイナルステージ0勝3敗となったチームはいよいよ崖っぷち。今はただ雪辱の舞台を信じるしかない。【佐井陽介】○...ヤンキースのアレックス・サンダーランド環太平洋地域プロスカウト(33)が、神宮バックネット裏から試合を視察した。「いろんな選手を見に来た中で、藤浪もその1人」と藤浪の名前を挙げた。ヤクルト村上との対決については「才能ある選手の対決はスカウトにとってもファンにとっても楽しみなこと」。試合途中で視察を切り上げ、球場を後にした。

◆両軍のスターティングメンバーが発表された。阪神は藤浪晋太郎投手(28)が先発する。レギュラーシーズンではヤクルト戦に2度先発し、防御率2・08と安定した成績を残した。負ければ日本シリーズ進出へ後がなくなる一戦で、剛腕が流れを変える。打線は「5番・三塁」でマルテが先発。三塁でのスタメン出場は2021年8月31日の中日戦(甲子園)以来だ。代わって、レギュラーシーズンで全試合スタメン出場していた佐藤輝がベンチスタートとなった。

◆阪神が幸先よく先制した。近本光司外野手(27)が右前適時打を放った。一回、先頭の中野がサイスニードの141㌔の速球をとらえ、右中間に長打。右翼手・サンタナが後逸する間に一気に三塁まで進んだ。1死とし、打席には3番・近本。カウント1-0から2球目だった。鋭く放たれた打球は前進守備の内野陣を抜け、右前へ。好調の中野&近本コンビが初回から流れを引き寄せた。

◆ヤクルト-阪神のCSファイナルステージ第2戦は、一回裏のヤクルト攻撃中に降雨により一時中断した。試合開始から大粒の雨が神宮を襲った。阪神は一回に近本が右前適時打を放って先制。その裏のヤクルトの攻撃。阪神・先発の藤浪は塩見、山崎と連続三振に切るも、3番・山田に四球を与えた。直後の村上の打席。3球目を投げ、カウント2-1となったところで試合中断となった。

◆強い雨が降るなかで試合開始となった。阪神は一回に先頭の中野が右中間三塁打で出塁し、1死後に近本が、前進守備の一、二塁を破る右前適時打を放ち先制した。勝てばCSファイナルステージ突破へ王手となるヤクルトはその裏、塩見、山崎は2者連続三振に倒れたが、山田が四球で出塁。村上の注目の第1打席となったが、カウント2ボール1ストライクとなったところで、村上が雨で濡れたバットを拭くためにタイムをかけたところで、審判団が中断を告げた。

◆ヤクルト-阪神のCSファイナルステージ第2戦は、降雨による38分間の中断を経て、再開した。一回2死一塁のヤクルトの攻撃。4番・村上に対してカウント2-1から再開した。阪神の先発・藤浪は一時中断後の初球、外角高めに153㌔の剛球で追い込むも、フルカウントから6球目を引っ掛け、四球と暴投。2死一、三塁のピンチを背負った。打席には12日の第1戦で先制3ランを放ったオスナ。好打者相手に藤浪は153㌔直球で中飛と力でねじ伏せ、ピンチを切り抜けた。

◆試合前から降り注ぐ強い雨の影響でヤクルトの一回の攻撃中に一時中断。約38分間を経て試合が再開した。勝てばCSファイナルステージ突破へ王手となるヤクルト。塩見、山崎は2者連続三振に倒れたが、山田が四球で出塁しており、村上の打席でカウント2―1から再開した。その後、四球と暴投で2死一、三塁としたが、オスナが中飛に倒れた。

◆ヤクルトのトップスポンサー、オープンハウスが試合前、村上宗隆内野手(22)への〝3億円の家〟の贈呈式を行った。同社はレギュラーシーズン最終戦となったDeNA25回戦(神宮)の最終打席で、村上が右翼席へ日本選手最多を更新するシーズン56本塁打を放ったことと令和初の三冠王を達成したのを記念し、当初予定していた〝1億円の家〟の贈呈を三冠王にちなんで〝3億円の家〟にレベルアップすると発表していた。村上は金色の3億円ボードを受け取り、記念撮影を行った。

◆史上最年少で三冠王となったヤクルト・村上宗隆内野手(22)が0-1の三回2死一塁から、左翼越えの逆転2ランを放った。「打ったのはストレート。追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて低めの球でしたがしっかりと押し込めました。逆転することができて良かったです」阪神・藤浪に対し、フルカウントから外角低めへの152キロの直球を、ボールをボールを潰すように押し返すと、打球は高い弧を描いて阪神ファンが陣取る左翼席へ着弾した。CSではここまで5打席で3四球。初安打が本塁打となった。

◆阪神の先発・藤浪晋太郎投手(28)がヤクルト・村上に2ランを浴び、逆転を許した。1-0で迎えた三回。先頭の塩見に左前打を許すも、山崎は犠打失敗、山田を二飛で2死一塁とし、燕の主砲と対峙した。フルカウントから6球目。外角低めに投じた直球を完璧に拾われると、打球は左翼スタンドに飛び込む逆転2ラン。一気に試合をひっくり返された。藤浪は直後の打席で代打・ロハスを送られて降板。3回2安打2失点と不完全燃焼でマウンドを後にした。

◆2番手で四回からマウンドに上がった阪神・西純矢投手(21)が痛恨の一発を浴びた。藤浪の後を受け、四回からマウンドへ。先頭のサンタナを二ゴロに仕留めたが、続く長岡に投じた3球目だった。145㌔直球を振り抜かれると、打球は右翼ポール際スタンドへ弾むソロ。リードを2点に広がられる一発にがっくりと肩を落とした。

◆高卒3年目のヤクルト・長岡秀樹内野手(21)が2-1の四回1死から、CS初アーチとなるソロ本塁打を放った。この回からマウンドに上がった阪神・西純に対し、2ボールからストライクを取りにきた145キロの直球を強振。打球は右翼ポールぎわを通過し外野スタンドへ飛び込んだ。「打ったのはストレート守備で迷惑を掛けてしまったので取り返したい気持ちでした。2ボールだったのでストレート一本に絞って思い切って打ちました」。こうコメントした長岡。二回の守備で、失点にはつながらなかったが、2死一、二塁から島田のゴロをはじき、満塁にしてしまっただけに、ミスを取り返す大きな一発となった。長岡は入団3年目、昨年はCS、日本シリーズとポストシーズンでメンバー入りしたが出場はなかった。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)が0-1の三回2死一塁から、左越えの逆転2ランを放った。神宮上空は左翼方向へ強い逆風が吹いていたが、風などおかまいなしの一発となった。村上は「追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて低めの球でしたがしっかりと押し込めました。逆転することができてよかったです」とコメントした。

◆高卒3年目のヤクルト・長岡秀樹内野手(21)が2-1の四回1死から右越えソロを放った。この回からマウンドに上がった西純に対し、2ボールからストライクを取りにきた145キロの直球を強振。打球はポール付近を通過して右翼スタンドへ飛び込んだ。二回の守備で失点にはつながらなかったが、2死一、二塁から島田のゴロをはじいて満塁にしてしまっていただけに、「守備で迷惑を掛けてしまったので取り返したい気持ちでした。2ボールだったのでストレート一本に絞って思い切って打ちました」と振り返った。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(29)が五回1死二塁から左翼越え2ランを放ち、5-1とリードを広げた。先頭の山田が左翼線への二塁打で出塁し、村上は三飛に倒れたが、次打者のオスナは1ボールから内角へのツーシームを強烈なライナーで左翼席へ突き刺した。オスナは第1戦でも一回に先制3ランを放つなど、村上の次打者として脅威の打者となっている。

◆阪神・西純矢投手(21)が2イニング連続でホームランによる失点。ヤクルトの一発攻勢でリードを広げられた。1-3の五回。先頭の山田に三塁強襲の二塁打を許すも、4番・村上は三飛。1死を奪ったが、続く5番・オスナに左翼スタンドへ2ランを浴びた。西純は四回にも長岡にソロ、先発の藤浪は三回に村上に逆転2ランを浴びていた。12日の第1戦もオスナ、サンタナに一発を許すなど、2試合で計5発。前夜から続くヤクルトの一発攻勢を止めることができず、1-5とリードを大きく広げられた。

◆ヤクルトは3-1の五回1死二塁でホセ・オスナ内野手(29)が2戦連発となる左越え2ランを放ち、リードを広げた。打った瞬間に本塁打と分かる当たりでオスナは「追加点のチャンスだったので甘くきた球を積極的に仕掛けようと思い打席に入りました。完璧に打つことができました」とコメントした。

◆ヤクルト先発のサイスニード投手(30)が5回2/3、97球を投げ、7安打1失点と粘投した。気温16度と冷え込む神宮。半袖でマウンドに上がった助っ人右腕は立ち上がりに1点こそ失ったが、その後は安定した投球を披露した。今季、レギュラーシーズンで登板予定の4試合を雨で流している雨男。この日も雨による約38分間の中断があったものの、集中力を切らせることなく試合を作った。昨季は下半身のコンディション不良により、CS、日本シリーズのポストシーズンで登板機会がなかった。

◆CS初登板のヤクルト先発のサイスニード投手(30)が5回2/3、97球を投げ、7安打1失点と粘投した。気温16度と冷え込む神宮。半袖でマウンドに上がった助っ人右腕は立ち上がりに1点こそ失ったが、その後は安定した投球を披露した。今季、レギュラーシーズンで登板予定の4試合を雨で流している雨男。この日も雨による約38分間の中断があったものの、集中力を切らせることなく試合を作った。降板後、「まずは、雨男で申し訳ない」とジョークを飛ばした右腕。「グランド状況が良くない中、本当に野手の守備に助けられてピンチをしのぐことができた。先制されて、すぐ取り返してくれて援護してくれて勝負ができた」と打線の援護に感謝した。

◆阪神が1点を返した。「5番・三塁」でスタメン起用されたマルテが左犠飛を放った。1-5で迎えた七回。代わった石山に対して、先頭の近本が左前打を放つと、大山が投手強襲の内野安打で続き、無死一、二塁の好機を作った。打席にはマルテ。グラウンド整備のため、少し時間が空いたが集中力を切らさなかった。2球目が暴投となり無死一、三塁。3球目をしっかりと左翼へ運んだ。最低限の左犠飛で3点差。さらに点差を詰めたい阪神打線だったが、1死一塁から代打・陽川が中飛、糸原は遊ゴロに倒れた。

◆サイスニード投手(30)が六回途中7安打1失点の好投。降り続く雨に負けず、初登板となったポストシーズンのマウンドで役割を果たした。 「まずは、雨男で申し訳ない。グランド状況が良くないなか、本当に野手の守備に助けられてピンチをしのぐことができた。先制されて、すぐ取り返してくれて援護してくれて勝負ができた」一回先頭で中野に右中間へ三塁打を浴び、1死後に近本に右前適時打で先制点を許したが、その後は最速149キロの力強い直球を軸に粘りの投球。二回は2死満塁となったが、近本を内角直球で3球三振に仕留めた。強い雨で一回の攻撃中に38分の中断もあったが、お構いなし。今季4試合連続で雨の影響もあって試合がスライドした経験もある〝雨男〟が冷静に対処した。昨季は下半身のコンディション不良の影響もあってCSでの登板はなく、家庭の事情のため日本シリーズ前に帰国した来日2年目の助っ人が力を発揮した。

◆ヤクルトが、主砲・村上宗隆内野手(22)の逆転2ランなどで阪神に連勝。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝とし、2年連続での日本シリーズ進出に王手をかけた。入るか、入るか? 燕ナインも、スタンドを埋めた観客も左翼席へ高く舞い上がった白球を見つめた。1点を追う三回2死一塁で、村上が逆転2ラン。打球がフェンスを越えた瞬間、歓声とため息が神宮球場を包んだ。「追い込まれていたのでコンパクトに打つことを心掛けて低めの球でしたが、しっかりと押し込めました」恒例となった〝確信歩き〟ではなかった。村上自身も打球を見つめながら横にステップし、スタンドインを確認すると、一塁ベンチにバットを投げて喜びを爆発させた。1点を追う中で、阪神・藤浪の外角直球を一閃。CS通算5試合目、18打席目で待望の初アーチを架け、流れを変えた。〝村神様〟は、ポストシーズンも燕党の願いをかなえ続ける。レギュラーシーズンでは、最終戦となった3日のDeNA戦(神宮)の最終打席に日本選手最多となる56号を放ち、令和初で史上最年少となる22歳シーズンでの三冠王を達成。チームを29年ぶりのリーグ連覇に導き、ファンと歓喜の瞬間を分かち合った。この日は一回の自身の打席途中に降雨のため38分間中断したが、再開後に四球を選択。集中力を切らさず、次につなぐ「フォア・ザ・チーム」の姿勢を見せた。CSファイナルステージで第1戦で勝利し、勢いを加速させる一発。期待も重圧も背負いながら、勝利のために架けた大きなアーチだった。

◆阪神が逆転負け。先発した藤浪が、1-0の三回2死一塁で、ヤクルトの4番・村上に逆転2ランを浴びた。2番手で登板した西純は四回に長岡にソロ、五回はオスナに2ランを被弾するなど、ヤクルト打線に計3発を浴びる一発攻勢で5失点と踏ん張れなかった。打線は一回先頭の中野が右中間を破る三塁打。1死から近本が右前適時打を放ち、幸先よく先制。しかし、9イニングで6度、先頭が出塁し、ヤクルト(7安打)を上回る11安打を放ちながら3得点。要所であと1本が出なかった。阪神はヤクルトに連敗し、残り1敗でファイナル敗退が決定。日本シリーズ進出へ崖っぷちに追い込まれた。

◆ヤクルト・守護神のスコット・マクガフ投手(32)が3点差の九回に登板した。登板間隔が空いた日を苦手とする右腕。2日のレギュラーシーズン以来の登板となったこの日、先頭の近本に四球を許し、続く大山に二塁打を浴びて無死二、三塁のピンチを招く。マルテの犠飛で1点を失ったが、後続を切り今季CS初セーブを記録した。マクガフは今季、リーグ2位の38セーブを記録。来日初年度の2019年から4年連続で50登板以上で燕救援陣を支えてきた。

◆ヤクルト・高津臣吾監督(53)は六回途中を7安打1失点の粘投で、CS初勝利をマークしたサイスニードをたたえた。レギュラーシーズン最終登板となった2日の阪神戦は7回1失点ながら勝ち負けはつかず、10勝目には届かなかった。高津監督は「彼はすごく勝ちに飢えているというか、最後の登板の時ももう少し投げさせてくれと。『次に勝つときはすごくいい1勝だ』と言ってなだめたと」と明かした。そうして迎えたこの日の登板でチームを勝利に導く投球を披露したことで、「そういういきさつがあったので、すごく大きな1勝を挙げてくれたと思います。すごく状況の悪い中、本当に良く粘って投げられたんじゃないかなと思いますね」と賛辞を贈った。

◆阪神は安打数では11対7と、第1戦に続いて相手を上回ったが、畳みかけられなかった。一回は先制してなお1死一、二塁を生かせず、ともに2死満塁と攻めた二回は近本が三振、六回は代打北條が中飛に倒れた。井上ヘッドコーチは「勝つつもりでいっての結果。それはちゃんとのみ込む」と話した。チームでただ一人、レギュラーシーズン全試合に先発出場した佐藤輝が不振とあって先発から外した。代わりに入ったマルテは犠飛2本をマークしたが、相手との長打力の差は歴然だった。一回に先制打を放った近本は「勝たないと意味がない」と悔しがった。

◆ヤクルトは村上の逆転弾やオスナの2戦連発となる2ランなどで着実に点を加え、阪神の追撃を振り切って2連勝。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝とし、ファイナルステージ突破へあと1勝とした。試合後の高津臣吾監督(53)の主な一問一答は以下の通り。――先発のサイスニードは最少失点で試合を作った「立ち上がりは非常に難しかったと思います。なかなか制球も定まらなかったですし、変化球もなかなかストライクが入らなかったんですけども。徐々に持ち味というかね。しっかりと緩急も使えるようになったし、コントロールもできるようになって回を追うごとになったのかなという感じはします」――昨年はけがでポストシーズンを離脱したが今年は1年間しっかりと投げてCSでも好投した「その通りですね。昨年終盤にけがをして悔しい思いを彼はしているので、今日に懸ける思いは今年のレギュラーシーズンプラス、昨年のポストシーズンという所も含めて絶対に勝ちたいと思ってマウンドに上がったんじゃないですかね。すごくうれしそうでした」――村上が逆転弾「なんとなく先に点を取られて嫌な雰囲気だったのですけど、彼のバットが扉をこじ開けたというか、そのあとのオカちゃん(長岡)とかオスナの本塁打につながったのかなというふうに思います。ひと振りで2点をとって逆転をしたわけですから、ナイスバッティングだったですね」――長岡が思い切りのいい打撃「伸び伸びとプレーしてくれているのかなと。エラーもありましたけど、よく声も出しますし、元気に走っている姿を見ると、いいホームランも打ちましたし、よく頑張っているなと思いますね」――オスナは2試合連続弾「本当に状態がいいと思います。彼があそこにいるからムネ(村上)がまた生きるしね。その前の哲人が出塁率がすごく高いので。四球とかでよく出塁するので、あそこはよくつないでくれているなと思います」――日本シリーズ進出に王手となった「1勝のアドバンテージがあって、6試合というところで第2戦がものすごく大事だと思っていました。間違いなく一歩出ると思っていたので、初戦をもし負けたとしてもね。それくらい2戦目を重要視していたので、今日とれたのは大きいといったらあれだな。よかったと思います」

◆ヤクルト・長岡秀樹内野手(21)が、2―1の四回にクライマックスシリーズ(CS)で自身初本塁打となるソロを放ち、5-3での勝利に貢献した。千葉・八千代松陰高から入団3年目で遊撃の定位置をつかみ取った成長株が、大舞台で勝負強さを発揮。同学年の阪神・西純矢投手(21)から球団史上最年少のCS弾となる値千金の一発を放った。何としても、やり返す。気持ちを込めた白球は、雨風に乗ってグングンと右翼席へ伸びた。長岡がCS自身初本塁打となるソロを放ち、ホッとした表情を浮かべた。「守備で迷惑をかけてしまったので、取り返したい気持ちだった。直球一本に絞って思い切って打ちました」2―1の四回1死、カウント2―0から西純の外角145キロの直球を狙いすましてフルスイングした。21歳0カ月でのCS弾は球団最年少で年少2位の記録。本塁打を放ったレギュラーシーズン全9試合で勝利をもたらした〝幸運の一発〟を大舞台でもマークし、高卒3年目で遊撃の定位置をつかんだ実力を示した。ミスを帳消しにするたくましさがある。二回の守備で2死一、二塁から島田のゴロをはじいて満塁のピンチを招いた。失点にこそつながらなかったが、チームに迷惑をかけた悔しさがあった。「切り替える力」。その重要性を今季、先輩から学んだ。レギュラーとして初めてシーズンを戦ったが、失策数はリーグ4位の13。「前向きに行こう」と思っても落ち込むことが多かった。そんな時、心の中を見透かしたように二遊間でコンビを組む山田が必ず「切り替えろよ」と声を掛けてくれた。言葉を胸に刻み、結果につなげた。同僚でドラフト1位入団の奥川もいる2001年度生まれの黄金世代の一人だ。同5位指名だった長岡は「まだまだ同世代のスターたちと同じスタートラインに立てていない。追いついて追い越したい」と貪欲に話す。この日の一発は同学年の西純から。千葉・八千代松陰高時代に甲子園出場を果たせなかった長岡に対し、岡山・創志学園高時代から佐々木朗(現ロッテ)らとともに全国的に有名な存在だった〝ライバル〟。その直球を見事に捉えた。今季飛躍を遂げたシンデレラボーイに、高津監督は「エラーはあったけど、よく声も出ている。本塁打も打って、よく頑張っている」と目を細めた。がむしゃらに食らいつき、若武者が勝利の立役者となった。(森祥太郎)

◆「2022 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」は第2戦が行われ、阪神はヤクルトに3-5で敗れ、2連敗。ヤクルトのリーグ優勝による1勝のアドバンテージを含め0勝3敗とされ、日本シリーズ進出へ王手をかけられた。次期監督に内定している岡田彰布氏(64)はABCラジオで解説を務め、佐藤輝を外した打線や投手陣について疑問符を投げかけた。14日の第3戦で引き分け以下なら、4年間の矢野野球がついに幕を閉じる。明日なき戦いが、虎の明日を担う男たちに何も残さないようでは元も子もない。三冠王の村上から脇役にまで計3発を許し、矢野虎はヤクルトに日本シリーズ進出王手とされた。来季監督に内定している岡田氏は、ABCラジオの放送ブースから嘆いた。「(佐藤輝は)昨日も内容が悪かった(4打数無安打3三振)ですけどね、ここに来て外すのはキツいですよね」佐藤輝がスタメンから外れたことを指し、思わず漏らした。岡田氏は午後5時半すぎに球場入り。放送ブースに入って、降りしきる雨の向こうのスコアボードを見つめ、ラインアップに目を疑ったに違いなかった。DeNAとのCSファーストステージ(横浜)から12日まで虎はCS4戦で計6得点のみ。佐藤輝に代えて三塁にマルテをはめ込むのは得点力増のため矢野虎がすがった奥の手だった。佐藤輝は今季108試合で4番に座らせ、全143試合に出場させた存在であるにもかかわらず、外さざるを得ない状況がキツかった。佐藤輝は1-5の六回に代打で途中登場したが、四球と見逃し三振。チームも11安打を放ったが3得点に終わり、対照的に3発で5得点のヤクルトに逃げ切られた。矢野監督は「粘っていたが、向こうは本塁打が出て、こっちはもう一本が出なかった」と振り返った。雨による38分間の中断も含めると、約4時間半にも及んだ一戦。岡田氏の厳しい視点は投手の起用法にも向けられた。2番手で2回3失点だった西純には「西(純)は全然ボールが来ていないですよ。144、5キロしか出ていないじゃないですか。(ブルペンで)投げていないですよ」と指摘。リリーフへの不慣れさを、こんな舞台でさらしてほしくはなかった。「万全な肩で行っていないと思うんですよね。10球から15球ぐらいしか投げていないんじゃないですかね。先発だと30から35(球)くらいほうりますから。(ボールが)きていないですね。寒いから余計難しい」失点こそ増えなかったが、ケラー以降、連投の加治屋、島本と〝敗戦処理〟のようにつないだ継投にも疑問符を付けた。「(八回、島本の登板時、阪神のブルペンは誰も準備を)やっていないでしょ? 3点だったらそら(追いつけるかも)わからないですよ。だからこれで結果が打たれるとか、抑えるとかの問題ではないんですよね」王手をかけられた矢野監督は「土壇場で何ができるか、俺も楽しみ。思い切り挑戦するだけ」と前向きだったが...。佐藤輝はこんなものなのか。それぞれが最善を尽くしたのか。あと1敗するまで、それぞれが何をしようとしているか、来季に何が残るのかを、岡田氏は見ている。★オーナー生観戦 総帥の前で屈辱の敗戦だった。阪神・藤原崇起オーナー(70)=阪神電鉄会長=が神宮を訪れ、ヤクルト戦を観戦した。虎の勝利を願ってなのか、ネクタイは黄色。遠征に駆けつけるのは異例だったが...。午後6時26分から38分間の中断を挟むなど、悪天候に見舞われた試合は疲労感だけが残った。■データBOX?...阪神が10与四球。NPBポストシーズン史上ワーストタイ。1980年ロッテ、81年ロッテ、2015年の日本ハムに並んだ?...阪神のCS1試合2桁安打は昨年11月7日のファーストS、巨人戦(甲子園)の11安打以来

◆今季4度、先発試合が雨で流れた「レインマン」が本領を発揮した。ヤクルト・サイスニード投手(30)が六回途中7安打1失点の粘投で、来日2年目でCS初白星をマークした。「今日も雨男だった。ボールを動かしながら自分の投球ができた」試合前から雨が降り続く中、一回に1点を失ったが、致命打は許さない。長岡の失策も絡んだ二回2死満塁は近本を3球三振。味方の逆転劇を呼び込んだ。来日1年目の昨季は6勝を挙げたが、下半身の張りでCSに登板せず、日本シリーズ前に帰国した。今季は一年間ローテーションを守り、チームトップタイの9勝。CSでもチームを日本シリーズ進出王手へ導き、高津監督は「すごく大きな1勝を挙げてくれた」とたたえた。「タフな試合でしたけど、とても気持ちが良い。ムネ、ダイスキ!!」。顔の半分がひげで覆われている助っ人は、お立ち台で柔和な笑顔をみせた。

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は13日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)第2戦が行われた。「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」は、リーグ2連覇のヤクルトが3位から勝ち上がった阪神に5―3で勝利。村上宗隆内野手(22)が三回、自身CS初本塁打となる逆転2ランを放ち勝利に導いた。チームは連勝でアドバンテージを含めて3勝0敗とし、14日に勝つか引き分ければ2年連続の日本シリーズ進出が決まる。ナインも、スタンドを埋めた観客も、左翼席へ高く舞い上がった白球を見つめた。0-1の三回2死一塁で、村上が決勝の2ラン。お立ち台で笑みを浮かべ、会心の打席での心境を明かした。「その前の守備もすごく短く終わって、いい流れで攻撃できたので、何とか点が入るだろうと。『ここで打つしかないな』という気持ちで打ちました」恒例の〝確信歩き〟ではなく、横にステップしながら打球の行方を追った。スタンドインを確認すると、一塁ベンチの方向にバットを投げてほえた。藤浪の外角低めへの直球を一閃。レギュラーシーズンで通算160本塁打を誇る22歳の大砲が、通算5試合目、18打席目で待望のCS初アーチを架け、劣勢を覆した。〝村神様〟は、ポストシーズンも燕党の願いをかなえ続ける。日本選手最多となるシーズン56本塁打を放ち、令和初で史上最年少の三冠王に輝いた今季。4番打者としての責任は重くなるばかりだが、「プレッシャー、期待はすごくかけられる。それに応えるのも4番の仕事」と事も無げに言い切り、チームを29年ぶりのリーグ連覇に導いた。有言実行―。言葉にしたことを次々と現実にしてきた。ファイナルステージ開幕前日の11日、CSでの初本塁打について「もちろん打てればいい」と宣言。約束を果たした。7月下旬には2018年の同期入団、塩見とある誓いを立てた。7月は新型コロナウイルス感染で主力が離脱し、7勝13敗と大きく負け越した。村上は「8月はマジで気合を入れていきましょう」と伝え「8月はホームラン18本打ちます」と言い切った。月間18本塁打は、13年にシーズン60本塁打のプロ野球記録を樹立したバレンティンが同年8月につくった球団記録。優勝に導くため、高いハードルを自ら設定した。結果的に8月は12本塁打だったが、3カ月連続で月間MVP賞を受賞。目標にこそ届かなかったものの「一緒に気合を入れていこうという中で、あいつは有言実行した。本当にすごいなと思った」と塩見。その姿勢が、チームに好影響を与える。成長した姿を背番号55の大先輩にも認められた。前日12日の初戦。BSフジの中継にゲスト出演した日米通算507本塁打の松井秀喜氏に「僕を追い越している」と絶賛された。一夜明け、村上は「その言葉はすごくうれしいけど、まだまだ遠い存在。もっと努力して松井さんのような、人として尊敬されるような人間になりたい」と、高みを見据えた。チームは2連勝でリーグ優勝のアドバンテージの1勝を含めて3勝0敗。日本シリーズ進出に王手をかけた。「とにかく、この短期決戦は勝てればいい。勝ちに向かってチーム一丸、頑張ります」。若き主砲の力強い声が、次なる勝利を予感させた。(赤尾裕希)★3億円の家ゲット ついに〝3億円の家〟をゲット!! 試合前、ヤクルトのトップスポンサーを務めるオープンハウス社から、レギュラーシーズンで日本選手最多となる56本塁打と令和初、史上最年少での三冠王に輝いた村上を祝した「3億円の家」の贈呈式が行われた。以前に「目の前の試合を集中して戦った最後のご褒美」と口にしており、今後「東京の好立地の家」を選ぶこととなる。

◆高々と打ちあがった〝村神様〟の打球は、虎党が埋める左翼ポール際に消えた。村上にひと振りで試合をひっくり返された藤浪は腰に手を当て、呆然の表情を浮かべた。「リードを守ることができずに申し訳ない。失投ではなかったが、うまく打たれた」2015年10月10日、ファーストS・巨人戦(東京ドーム)以来、7年ぶりとなるCSの先発登板だった。三回2死一塁。ここが村上との2度目の勝負だった。緩急で外角を攻め、フルカウント。6球目も角度をつけた直球を低めの枠内に決めたが、この一球を力で逆方向にはじき返された。この一発を皮切りに、ヤクルトは花火大会が開演。渡した主導権は取り返せなかった。一回は連続奪三振から滑り出し、山田をストレートの四球で歩かせて迎えた村上との第1ラウンドの途中で、降雨中断に入った。38分後に再開し、4番も四球で出塁させたが、前夜の一回に3ランを放ったオスナは153キロ直球で中飛に仕留めて〝悪夢のリプレー〟を阻止。難しい状況下での投球を強いられながら粘っていただけに、悔しい3回2安打2失点だ。連勝と首位チームに与えられる1勝のアドバンテージを合わせて、ヤクルトは日本シリーズ進出に王手をかけ、一方の虎は未勝利で土俵際。藤浪は9月末にポスティングシステムを利用して米大リーグに挑戦する希望を表明しており、CS敗退となり、今オフに右腕の夢がかなうとなれば、この登板が最後のタテジマ姿となる可能性もある。実現を目指すドラマは全員が主人公であり、背番号19も、その一人。燕相手にこのままワンサイドゲームでは終われない。

◆試合前にはサトテルのスタメン落ちにどよめきが。プレーボールが掛かったかと思ったら、雨の勢いが強まって38分間の中断。三回、藤浪vs村上の対決は逆転2ラン。そして、藤浪は3回で降板...。いつも予測不能なCS、ことしも満喫させてくれている。セ・リーグにCS制が導入されたのが2007年。以来、ことしで15度目のファイナルステージだ(20年は中止)。ここまで、タイガースがファイナルSに登場したのは14、19年の2度しかない。単純計算で、のべ30チームが出場しているわけで、6球団あるのだから、出場5回が平均点。残念ながらタテジマは合格点にほど遠い。思い出のファイナルSは? と問われれば、全国の虎党のほぼ100%の意見が一致するはず。8年前。ファーストSでは広島と息詰まる投手戦を制して1勝1分けで勝ち上がり、東京ドーム決戦では巨人を圧倒、4連勝で日本シリーズへコマを進めた、あの年だ。当時のサンスポ虎番軍団は全員、「まさか日本シリーズに出るとは思わなかったなぁ」「巨人には勝てないだろうなぁ」と驚いたり、半分あきらめ気味だったり。優勝を逃し、2位からの進出だから、最初はわがサンスポの首脳も「紙面的にも大騒ぎはしない」と宣言していた。甘やかせるとすぐに怠ける(?)虎番たちは、当然のように油断しまくり。ところが、東京ドームで2連勝した途端に、「やっぱり、シリーズ進出を決めたら1面から最終面まで、全部を阪神で埋め尽くす」と前言撤回してきた(全ページは大げさだけれど)。そんな急に言われても...。どう頑張っても間に合わない。阪神3連勝の後の4戦目。ついに虎番たちは掟破りの行動に出た。東京ドーム記者席で巨人を応援し始めたのだ。私を含めて。せめて、巨人が1勝してくれたら、大騒ぎ紙面の準備は間に合うから、と。オレンジ色の軍団をあからさまに応援したのは、後にも先にも、あの時だけ...という気がする。4戦目。虎番の思いをあざ笑うかのように、阪神が序盤からリードする。関西方面からは「道頓堀にファンが次々と飛び込んでいる」という余分な情報まで入ってきて、結局、猛烈に忙しい地獄の一日になってしまった。今となっては、懐かしい思い出だが。当時監督は和田豊(現球団テクニカルアドバイザー)、ヘッドコーチは黒田正宏(現本紙専属評論家)。首脳2人に、すべてが終わった後に、ファイナルSに進出できた要因を聞くと、ほぼ同じ答えだった。「ファーストSを2試合で勝ち抜け、藤浪を温存できた。藤浪をファイナルSの初戦で先発させることができた」高卒2年目、20歳の剛腕で巨人の勢いを一瞬で止めたことが、阪神9年ぶりのシリーズ進出の原動力と位置付けた。それほどまでに、当時の藤浪は頼りにされ、恐れられ、マウンド上で躍動していたのだ。波乱万丈の日々を経て、すでにメジャー挑戦を明らかにしている。これが、タテジマでの最終登板なのか。3回で終了はあっけなさすぎる。ありがとう! 頑張ってこいよ!ファンが心からそう言えるフィナーレは日本シリーズがふさわしいのだが...。

◆CSファイナル、わが阪神連敗で崖っぷち~!!なのに、なぜかすがすがしい気分のオレがいるのだ!!借金3のチームが日本シリーズに出場? そして、もしかしたら日本一って...。そんなことありえへ~んやろ!?でも、この崖っぷちが逆にすがすがしい~!! ここから大逆転の4連勝を阪神がしたら、流石にヤクルトもムムムじゃあしようがないわ~、おみそれしましたァ!! となるんじゃ...ないの?さて、試合の方ですが最後まで自分のシュート回転を信じて放った藤浪晋太郎はMLBでその信念のままに来年輝いてくれー!!負けたことに別に文句はないけど、ロハスやロドリゲスとか使うの頼むからやめてー!! 来季いない外国人助っ人に1打席あたえるなら、このCSの大舞台で若虎を使えやー!!

◆力の差は歴然。さすがリーグ連覇。ヤクルトはチームのバランスが違うよ。強力な主軸がマークされると、それを補完する打者が随所にいる。先発投手が試合をつくり、展開に沿ってリリーフが抑える。ここ一番で効果的な一撃が出て、突き放す。出塁を許しても、ここ一番では食い止める。2戦ともそうだ。そこへもってきて、真打登場ときた。村上に2ランが飛び出したらもう、たまらないわな。藤浪の立場でいうと、外角球は落とさなくてはいけないのに、外からのスライダーがボールになった後、また外角へ、それもストレート。打たれるべくして打たれた。もちろん、それを見逃さず、打ち損じなかった村上も大したものだよ。阪神からすると、せめて村上だけでも起こしたくはなかったところ。これでもう、誰をどうやって抑えていけばいいのか...。ぐちゃぐちゃだろうね。第3戦先発の青柳に期待をかけたくはなるけど、今の流れを変えるには完投、完封しかない。よほどのことがないと、このシリーズも早めに終わるよ。(本紙専属評論家)

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