1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 9 | 0 | 0 |
ORIX | 1 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | X | 4 | 11 | 0 | 1 |
勝利投手:宮城 大弥(1勝0敗0S) (セーブ:阿部 翔太(0勝0敗1S)) 敗戦投手:大関 友久(0勝1敗0S) 本塁打 |
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◆オリックスが日本シリーズ進出に王手をかけた。オリックスは1点を追う3回裏、西野の犠飛で同点とする。そのまま迎えた5回には、杉本が2ランを放ち、勝ち越しに成功した。投げては先発・宮城が5回2失点。その後は4人の継投でリードを守った。敗れたソフトバンクは、先発・板東が振るわなかった。
◆ソフトバンクはリチャード内野手(23)を出場選手登録した。リチャードは第2戦のオリックス先発宮城に対し、今季6打数4安打2本塁打と好相性。藤本監督は「相性とかもう関係なくね、右、左で考えたら右の方が打ってるし。宮城くんもいい投手やしね。点取らないと勝てないんだから。相手にとって嫌な打線にしないと。4つ勝たないといけないんで」と話した。代わって、甲斐野央投手(25)の出場選手登録を抹消。甲斐野は前日12日の第1戦で吉田正に本塁打を浴び1回1失点だった。
◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が、ファイナルS初安打を放った。同点の3回1死一塁で、鋭いライナーを右翼線にはじき返した。一塁走者の周東が快足を飛ばして一気に生還。「とにかく周東が速かった。そこに尽きると思います。周東ありがとう」。勝ち越しの適時打となった。柳田は西武とのファーストSでは2戦連続本塁打を放っていたが、前日12日のファイナルS第1戦では、オリックス山本の内角攻めに苦しみ4打数無安打だった。藤本監督は「厳しい攻めはシーズンからされてるんでね。それを克服して結果を出している。割り切りも大事。柳田も引きずってないと思うし」と話していた通りに"後遺症"を感じさせず、立ち直った姿を見せた。
◆オリックス杉本裕太郎外野手(31)が、同点の5回1死二塁から勝ち越し2ランを放ち、京セラドーム大阪全体を「昇天ポーズ」で熱狂させた。ソフトバンク大関の初球148キロ直球を左翼スタンドへ放り込み、手応えありの確信歩きを披露した。一塁側ベンチでは、中嶋監督も渾身(こんしん)のガッツポーズ。オリックスを勢いに乗せた。
◆ソフトバンク先発の板東湧梧投手(26)は、涙の降板となった。先制した直後の1回2死満塁で6番杉本に遊撃への適時内野安打を許し、同点に追いつかれた。3回に柳田の一打で勝ち越すが、またも直後に先頭中川圭、吉田正に2連打を浴び、無死一、三塁で西野に同点犠飛を献上。板東は「点を取ってもらってはすぐに取られるという、情けない投球になってしまった。悔しいです」とコメントした。なお1死一塁で杉本に中前打を浴びて、2番手大関にマウンドを譲った。板東は2回1/3を8安打2失点でKO。ベンチでは目を赤くして森山投手コーチと話し込む場面が見られた。「負けられない試合ばかり。シーズンと違って、雰囲気がある」と意気込んでいたが、CS初先発はほろ苦いものになった。
◆オリックスが「ラオウの昇天弾」で日本シリーズ進出に王手をかけた。オリックス杉本裕太郎外野手(31)が、同点の5回1死二塁から勝ち越し2ランを放ち、京セラドーム大阪全体を「昇天ポーズ」で熱狂させた。「打ったのは真っすぐだと思います。(感触も)完璧でしたし、コトイチ(今年1番)だと思います! 甘く入って来たボールをしっかりと1球で仕留めることができてよかったです!」ソフトバンク大関の初球148キロ直球を左翼スタンドに放り込み、手応えありの確信歩きを披露。一塁側ベンチでは、中嶋監督も渾身(こんしん)のガッツポーズ。アドバンテージ1勝を含む3勝目を獲得し、日本シリーズ進出へあと1勝とした。昨季CSファイナルは、ロッテを相手に3試合ストレートで決着をつけた。昨季は主砲の吉田正が、死球を受けた影響で右手首を骨折し、離脱していた。ラオウ杉本は力を込めて言う。「去年は正尚がいなかったけど、みんなで一致団結して、なんとか勝っていけた。今年は正尚がいる。僕にとっても、チームにとっても、心強いどころじゃない」12日初戦では4回1死満塁から先制点となる押し出し四球を選び、グッと拳を握り、照れた。この日は会心の一撃で、豪快に右拳を突き上げた。昨季の本塁打王。シーズンの苦悩は、描いたアーチとともに、きれいさっぱり消えた。【真柴健】ヤクルトとオリックスが勝ち、アドバンテージの1勝を含め3勝0敗。昨年に続いて両チームが無傷で王手をかけ、今日の試合に○か△で日本シリーズ進出が決まる。シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで40チームのうち37チームがシリーズに進出。出場を逃したのは77年ロッテ、10年ソフトバンク、12年中日だけで、突破確率93%。今回のように無傷の王手(81年の○△○含む)は過去20チームがすべてシリーズに出場している。
◆2位からのファイナルステージ突破を目指すソフトバンクが、崖っぷちに立たされた。王者オリックスに痛恨の2連敗を喫し、アドバンテージを含めて0勝3敗。2年ぶりの日本シリーズ進出には、残り4戦4勝が絶対条件になった。先発板東が3回途中8安打2失点でKOされた。2番手大関も、同点の5回に杉本に勝ち越し2ランを献上。打線は1回にデスパイネの併殺崩れの間に先制し、3回は主砲柳田の適時二塁打で一時勝ち越したが、勢いは続かなかった。もう1敗、引き分けすら許されない。窮地に追い込まれたソフトバンクは、14日の第3戦でエース千賀滉大投手(29)が先発する見込み。西武とのファーストステージ第1戦では8回3失点だった。中5日での登板にも「中5日は僕にとって何も思うような数字ではない。とにかく自分のピッチングをして、チームが勝てればそれでいいというマインドでいきたい」と、力強く語った。レギュラーシーズンではオリックスに4試合先発し、2勝1敗、防御率1・86。被打率は1割7分3厘と相性はいい。それでも「そんなの関係ない。1試合1試合丁寧に投げるだけです」と、エースは引き締めた。負ければ終戦、勝てば望みはつながる。千賀から奇跡を起こせ!【只松憲】
◆ソフトバンクがオリックスに連敗し、アドバンテージを含めて0勝3敗。ここから過去に日本シリーズ進出を果たしたチームなく、突破率0%で、崖っぷちに立たされた。藤本博史監督(58)は、打順を大幅に組み替える「勝負手」に出たが不発に終わった。負ければ終戦の第3戦、中5日で先発するエース千賀滉大投手(29)に命運を託す。ソフトバンクは後がなくなった。第1戦の0封負けから、打線を大幅に組み替えるなど策を練ったが、王者オリックスに1歩、及ばなかった。藤本監督は「見せ場はあったんやけどね。向こうのリリーフ陣が一枚上やったということですね」と、唇をかんだ。この日は左腕の宮城対策として、5番にシーズン対戦成績4割以上の今宮を起用。前日2安打と好調ながら、左腕を苦手にする中村晃を迷いなく先発から外した。宮城キラーのリチャードもフェニックスリーグ開催中の宮崎から招集し即起用。左腕が得意なルーキー正木も投入した。2点を追う6回は1死一、二塁から中村晃、グラシアルを連続代打で送り込んだが失敗。9回には1点を返し、なお2死一、二塁と一打同点の場面をつくったが、最後は4番デスパイネが空振り三振に倒れた。藤本監督は「しょうがない。崖っぷちや。もう。1敗もできへんわけやからね。明日頑張ります」と言い残し、次戦に目を向けた。崖っぷちとなった14日の第3戦は、中5日でエース千賀にマウンドを託す。京セラドーム大阪で最終調整を終えた右腕は「前から言っているように中5日は何も思うような数字じゃないので、なんともない。自分の投球をしてチームが勝てばいい」と気合を入れた。千賀は西武とのファーストステージ初戦で8回3失点と力投し勝利。「普通に入れたと思うし、いいメンタル状態だったかな。(状態は)ファーストステージから変わらない」と話し、舞台の大きさやチーム状況に左右されることなく、自分の仕事に集中している。千賀はオリックス戦には今季4度先発し、2勝1敗。防御率1.86と好成績が並ぶ。だがエースは「そんなの関係ないので。1試合1試合、丁寧に投げるだけ」と過去の数字には目もくれない。目の前の試合に勝つだけ-。奇跡を起こすために、エースが無心で腕を振る。【山本大地】○...柳田がファイナルステージ初安打初打点を記録した。同点の3回1死一塁で、鋭いライナーを右翼線にはじき返した。一塁走者の周東が快足を飛ばして一気に生還。「とにかく周東が速かった。そこに尽きると思います。周東ありがとう」と手を合わせた。1点差の9回2死一塁では、阿部の3球目を強振し、右翼へ特大ファウル。逆転2ランはならなかったが、球場がどよめいた。○...牧原大成内野手が守備で奮闘した。「6番中堅」でフル出場。同点の2回1死満塁で宗の飛球をキャッチすると、ホームにストライク送球。タッチアップを試みた三塁走者の安達を刺した。4回も宗の中前打にダイビングキャッチを試みるなど、気迫を前面に出した。2連敗と追い込まれたが「自分の役割を果たして、チームを勝ちにつなげられるように頑張るだけ」と、汗をぬぐった。
◆ソフトバンクがオリックスに連敗し、アドバンテージを含めて0勝3敗。日本シリーズ進出へ、崖っぷちに立たされた。藤本博史監督(58)の、試合後の一問一答は以下の通り。-最後はあと1歩「見せ場はあったんやけどね。向こうのリリーフ陣が一枚上やったということですね」-序盤のリードを守れず「点を取った後、しっかり抑えるというのがね。それが流れだと思うし。点を取って取られて、だとなかなかしんどいよね」-板東の調子は「どうなんやろうね。ボールはちょっと高かったかなとは思うけど。リズムもちょっと良くなかったかなというところはあるよね」-相手打線もしぶとい攻撃「どっちも一生懸命やってるんやから、それはしょうがない」-大関が連投「(杉本の2ランの場面は)ファーストベース空いてたからね。例え(杉本の)状態がいい、悪いとかあっても。ミーティングはしっかりやってくれているはずなんですけどね。安易な1球やったね」-あえて2番手で大関を起用「力があるし、短いイニング、2イニングくらいはいけるからね。今日投げたら明日は上がる予定やったし」(自ら切り出し)「しょうがない、崖っぷちや。もう。1敗もできへんわけやからね。明日頑張ります」
◆オリックス宮城大弥投手(21)が、粘り抜いた。5回を2失点でまとめ、CS初登板で白星をつかんだ。「先発としてもう1~2回投げないといけない。そこは悔しいです」。謙虚に振り返ったが、まぎれもなく勝利に貢献した。5回で対戦した打者は21人。走者を何人背負っても緩急自在に投げ分け、しのいだのは宮城の真骨頂だ。テンポを上げたという4回は「まぐれです」と3者連続三振。我慢の88球が杉本の決勝弾を呼び込んだ。プロ3年目。今も登板前は極度に緊張する。前夜はよく眠るために合宿所で野球中継は見ず、頭を休める。「どうせ球場に行ったら緊張する。夜のうちから緊張したくない」とルーティンをつかんだ。昨年の日本シリーズも含め、プロでの登板52試合はすべて先発。5回投げきれなかったのは2度だけだ。興南(沖縄)で1年生から甲子園を経験。21歳にして数多くの経験を糧に成長してきた。「初回の先頭打者の長打もそうだし、失点してしまったところは長打が絡んでしまった。(福田)周平さんのファインプレー、ラオウさんの本塁打など、野手の皆さんが頑張ってくれた。本当に助けてもらいました。頼もしいリリーフ陣のおかげで、のびのびと野球ができています」と先輩たちに感謝しきりだった。初戦で8回0封の山本に続いた。エースほどの派手さはなくても、オリックスの躍進を支える若き左腕の存在は大きい。【柏原誠】○...2年連続の日本シリーズ進出がかかる第3戦は、田嶋が先発する。相手エース千賀と投げ合う。「緊張はするけど気持ちが高ぶることは基本的にない。やることをやっていきます」と冷静に語った。ソフトバンク戦は6月に完封するなど5戦無敗。昨年のCSファイナルでも好投した9勝左腕は「チャレンジ精神で頑張ります」と気負いはなかった。
◆パ・リーグCSファイナルステージ第1戦、パ王者のオリックスとCSファーストシリーズを突破した2位のソフトバンクが対戦。先発はオリックスが宮城大弥、ソフトバンクは板東湧梧。オリックスが「ラオウの昇天弾」で日本シリーズ進出に王手をかけた。 オリックス杉本裕太郎外野手(31)が、同点の5回1死二塁から勝ち越し2ランを放ち、京セラドーム大阪全体を「昇天ポーズ」で熱狂させた。2位からのファイナルステージ突破を目指すソフトバンクは、崖っぷちに立たされた。王者オリックスに痛恨の2連敗を喫し、アドバンテージを含めて0勝3敗。2年ぶりの日本シリーズ進出には、残り4戦4勝が絶対条件になった。
◆ラオウで王手や! オリックスが、2年連続日本シリーズ出場にあと1勝とした。試合序盤からソフトバンクに先行を許しながらも食らいつき、2-2の5回1死二塁で昨年のパ・リーグ本塁打王、杉本裕太郎外野手(31)が決勝2ラン。救援陣がリードを守り、優勝アドバンテージの1勝を含む"3連勝"。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで3勝0敗から進出を逃した球団はなく、突破率は100%だ。14日の第3戦で引き分け以上なら、2年連続の頂上決戦進出が決まる。振り抜いたバットを立てた。渾身(こんしん)の一振りは「ラオウの昇天弾」として左翼席に消えた。「感触は完璧でした。コトイチ(今年一番)だと思います!」1発が欲しい場面で、最高の仕事をして見せた。同点の5回1死二塁、ソフトバンク大関の初球148キロ直球を左翼スタンドへ放り込み、手応えありの確信歩きを披露した。一塁側ベンチで中嶋監督らがガッツポーズを決めると、杉本は堂々の「Vサイン」を決め、ゆっくりと走りだした。本塁に生還すると青学大時代からの後輩、吉田正に思い切りお尻をたたかれた。決勝点となる勝ち越し2ランで、京セラドーム大阪全体を「昇天ポーズ」で熱狂させた。「最後、絶対、打って、勝って、気持ち良くシーズンオフを迎えたい!」大逆転連覇を決めた「10・2」の夜中だった。ラオウ杉本は歓喜のビールかけを終えるとホテルの自室で「左足の着地点」を何度も確認した。「あの日(9回に)レフトに二塁打を打てた。あの打席の感触、絶対に忘れたくなかった」調子を崩すときは上体が投手方向に倒れ、左足の着地点が前に出る。その癖を認識しているからこそ、担当記者にも「打撃練習、ちゃんと見といてな!左足、前に行ってたら、すぐに言ってな!」と指摘を求めた。胴上げを終えた後、フィールド上でバットは振らなかった。「打ちたいと思い過ぎないこと」。京セラドーム大阪での練習では、打球飛距離を見ないように室内打撃練習で閉じこもった。ここ2戦で7打数5安打の打率7割1分4厘。連日、お立ち台に上がった。「ずっと(室内練習場に)閉じこもっておこうかな」。笑みが戻ってきた。中嶋監督は「元々そこにいなきゃいけない打者。復調して戻ってきたのは、打線として良いこと」と昨季本塁打王に期待を寄せる。杉本は「悔しい気持ちは忘れず、謙虚に。もっとコトイチを更新できるように頑張ります!」。夢のアーチを描きまくる。【真柴健】ヤクルトとオリックスが勝ち、アドバンテージの1勝を含め3勝0敗。昨年に続いて両チームが無傷で王手をかけ、今日の試合に○か△で日本シリーズ進出が決まる。シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで先に王手をかけたチームは昨年まで40チームのうち37チームがシリーズに進出。出場を逃したのは77年ロッテ、10年ソフトバンク、12年中日だけで、突破確率93%。今回のように無傷の王手(81年の○△○含む)は過去20チームがすべてシリーズに出場している。○...3番手の山崎颯が山本に並ぶ球団日本人最速159キロを計測し、3者凡退に抑えた。7回、先頭・甲斐の4球目、ファウルで計測。「みんながオーと言っていたので、160キロ出たと思いました(笑い)。危ない打球もあったけどよく守ってくれました」と笑顔。2番手宇田川も無死一、二塁から3人を抑え、8回はワゲスパック、9回は阿部が1失点で逃げ切った。中嶋監督は「誰もが苦しい場面。非常によく投げた」とねぎらった。
◆オリックスが1点差で逃げ切った。アドバンテージを含む3勝とし、2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。宮城大弥投手(21)が5回2失点と粘りの投球。2-2の5回に杉本裕太郎外野手(31)の決勝2ランが飛び出した。中嶋聡監督(53)は宮城について「最初はちょっと緊張していたのかな。しょうがないですけどね。だんだんいい感じになっていった」とゲームメークを評価した。殊勲打の杉本は、不調や故障で今季終盤戦を欠場した。前日の2安打に続いて3安打。昨季本塁打王の活躍に中嶋監督は「もともとそこにいなきゃいけない打者。復調して戻ってきたのは打線としてはいいこと」と頼もしそうだった。杉本の1発で2点をリードした6回からは、継投に入った。2番手の宇田川優希(23)は無死一、二塁から3人を抑えて無失点。7回の山崎颯一郎(24)は、球団では日本人最速に並ぶ159キロを計測するなど剛速球で押して3者凡退。8回はジェイコブ・ワゲスパック(28)が抑えた。9回に指名されたのは阿部翔太(29)。1点を失ったが、最後は2死一、二塁からデスパイネをフォークで空振り三振。緊迫の試合を締めてガッツポーズした。中嶋監督は救援陣を絶賛。この日投げた5投手で、CS経験者は昨年先発した山崎颯だけだ。「こんなゲームで、誰もが苦しい場面。何点差あろうとも苦しい。1点取られようが何しようが、非常によく投げたと思う。(経験者が)誰もいないですからね。宮城もCSは初めてだし、それを考えたら、よく投げていると思います」と目を細めた。
◆"ラオウファミリー"も大絶叫の昇天アーチだった。オリックス杉本には、勝利を届けたい少年がいる。その名は、ケンシロウくん。徳島在住のおいっ子で、小学1年生。杉本は「北斗の拳は元々、大好きだったけど、姉ちゃん夫婦が、ケンシロウって名付けた。ラオウとの関係性は本当に偶然です」と照れる。年末年始に地元へ帰った際に「一緒に遊ぼう! って誘ってくれる」と癒やされるそうだ。「ゲームで、マリオカートを一緒にプレーしますね」と画面の中で車体をぶつけ合って競走するそうで「僕は重量系が好き。マリオカートをするときはドンキーコングとか、クッパを選びます」とほほ笑む。昨季本塁打王に輝いた際は「いつも徳島に帰るときよりも、ケンシロウが褒めてくれた。もっと打ちたいなと心から思いました」。ポストシーズンの活躍を、画面越しにおいっ子まで届ける。【オリックス担当=真柴健】
◆オリックス杉本裕太郎外野手が5回に勝ち越しの2ランを放ち、第1戦の先制押し出し四球に続いてV打点を挙げた。プレーオフ、CSの同一シリーズで2戦以上連続勝利打点は82年第1、2戦大田(西武)、15年ファイナルS第1~3戦内川(ソフトバンク)、16年ファイナルS第1、2戦丸(広島)、17年ファイナルS第3、4戦中村晃(ソフトバンク)、18年ファイナルS第4、5戦柳田(ソフトバンク)、19年ファイナルS第2、3戦中村晃(ソフトバンク)に次いで6人目、7度目。昨年CSファイナルSではMVPに輝いたが、CS史上初めて2年連続MVPになれるか。
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】日本シリーズに王手をかけたオリックス。2夜連続のお立ち台をゲットしたラオウこと杉本裕太郎の活躍を、グッとまとめてみました。至上の昇天をどうぞ。
◆ソフトバンク・長谷川勇也打撃コーチ(37)が試合前に代表取材に応じた。相手先発は今季11勝を挙げた宮城大弥投手(21)。主な一問一答は以下の通り。――宮城とは今季6試合で対戦して防御率2・29。今季の印象は「ボールの角度がきつくなっているところで、人によっては苦になったり、そうでなかったり。その違いはあるのかなと」――意識の上で大事なことは「特別、変わったことをする必要はないのかなという気はします」――12日の第1戦は山本由伸が8回無失点で、打線もゼロ封されたが、切り替えて「切り替えはしますし、これがきょう左投手なので。リセットされている感じはします。右投手なら配球的にも引きずってしまうところがあるかもしれませんが、これはもう逆にラッキーと思って。左投手でラッキーだと僕は思っているので。そこをうまく利用しながら、きょうはきょうで」――打撃コーチにとってはきのうの無得点は悔しかったと思うが、山本由伸の投球はすごかった「あまり、すごいと言っちゃいけないんですけど。悔しいのは悔しいですよ。全然ね、何とかしようという気持ちは見えましたけど、それを上回るだけのピッチングをされた。相手が上だったと言うしかないんですけど。第6戦までいけばね、もう一回やれるチャンスはあると思うので。そこまで持っていけるように。ちょっともう一回やりたい(山本投手と)と僕自身は思います」――柳田は集中力が維持できているといっていたが、長谷川コーチから見ても「集中力、当然やっぱり首の負傷や体の不調もありましたけど、それを上回るだけの気力が充実していた。集中力が勝っていた。彼なりに新たな発見もあったと思います」――長谷川コーチは現役時代もCSを何度も経験した。選手を見ていると思いだすものも「短期決戦なので。うちはいっぱいそういう経験してきているから。相手に先に2ついかれ(勝たれ)ましたけど、逆の立場でも、2ついったからといって安心できるものでもなかったですし。がらっと流れがワンプレーで変わったりするので。そういうところの怖さも当然あるので。逆にきょうは、ぐっと流れを持ってこれるようなプレーができたら」
◆ソフトバンクが試合前の円陣の様子を公式ツイッターにアップした。声出しを務めたのは新人の野村勇内野手(25)だった。「きのうは負けてしまいましたが(12日に声出しした)海野の円陣に始まり、すごくいい雰囲気でいっていたと思います。海野みたいに仕込んでこようと思ったんですけど、思いつかなくて...」ここからが、野村勇なりに考えたジンクスだ。過去に野村勇が声出しを務めた4試合をスラスラと例に挙げると「(声出しで)ふざけた日は、誰も知らないと思いますけど、全部負けています」と明かし、ナインは爆笑だ。さらに「ネタがなくて普通に話した試合、全部勝っています。きょうはネタ、ないです。ゼロです。絶対勝ちます。さぁいきましょう!」と右腕を力強く突き出した。何でも、真面目が一番だ。今季10本塁打、10盗塁と新人ながら2桁本塁打と2桁盗塁を達成した身体能力が持ち味のルーキー。先発から外れてもナインを盛り上げ、チームに貢献しようとしている。
◆オリックスが一回に追いついた。1点を先行された直後の攻撃、先頭の福田が二塁への内野安打で出塁。2死後、吉田正の死球、西野の振り逃げで2死満塁とし、「6番・DH」で出場の杉本が遊撃への適時内野安打で同点に追いついた。第1戦をエース・山本の好投で初戦を取ったオリックス。優勝のアドバンテージを含め2勝0敗とし、過去のパ・CSのデータでは日本シリーズへの突破率が100%という数字が並ぶが、まずは目の前の試合を全力で勝ちに行く。
◆ソフトバンクが勝ち越しに成功した。1-1の三回、1死から周東が右前打で出塁。相手先発・宮城に一塁塁上で圧力をかけながら、打席には主砲・柳田。カウント1-1からの3球目、内角高めの143キロを捉えると、打球は右翼線へ。一走・周東が俊足を飛ばして生還し、適時二塁打となった。「高めの真っ直ぐをコンタクトすることができました。タイムリーとなってよかったです。とにかく周東が速かった。そこに尽きると思います。周東ありがとう」柳田はファーストステージでは、2試合連続で試合を決める一発を放っていた。第1戦は相手のエース・山本の前に3打数無安打と完全に封じ込められたが、快音を響かせた。オリックスはその裏、中川圭、吉田正の連打で、無死一、三塁とし、西野の中堅への犠飛で同点に追いついた。
◆ソフトバンク・牧原大成内野手(29)が中堅守備で右に左に走って、何度もチームを助けようとした。まずは1-1の二回だ。1死満塁となり、宗の打球は右中間寄りへの飛球。これを牧原大が捕球し、懸命のバックホームだ。三走・安達の生還を許さず、勝ち越し点を与えなかった。2-2となった三回1死一塁でも、杉本の打球が中堅前へ。全速力でチャージをかけたが追いつけず、ポトリと落ちるような中前打となった。四回2死でも宗が左中間に飛球。横っ飛びするも、惜しくもワンバウンドして安打となったが、投手とチームを助けようと、決死のプレーを繰り返した。牧原大は登録は内野手で二遊間を守りながらも今は中堅の位置で定位置をつかんでいる。サンスポ鷹番のツイッター(@sanspo_hawks)に写真をアップすると、全力プレーにファンからも「ナイスすぎる」「けがだけはしませんように」「素晴らしすぎる」「超ビッグプレー! ナイス返球」と声が相次いだ。
◆オリックスが杉本の一発で勝ち越した。日本シリーズ進出へ王手をかけるべくこの試合、初めてリードを奪った。2-2の五回だ。吉田正の左前打、西野の犠打で1死二塁の好機で打席に6番・杉本。相手2番手・大関に対し、初球、内角の148キロの速球を一閃。打球はぐんぐん伸び、左翼スタンド中段まで到達する2ランで悠々とダイヤモンドを一周した。「(感触も)完璧でしたし、コトイチ(今年一番)だと思います!甘く入ってきたボールをしっかりと1球で仕留めることができてよかったです!」昨季、32本塁打で本塁打王を獲得も今季は15本塁打にとどまった。それでもCSの第1戦では2安打2打点と活躍。代名詞となったベンチ前で右手を高く突き挙げる昇天ポーズで喜びに浸った。
◆オリックスが競り勝ち、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝として、日本シリーズ進出へ王手をかけた。同点の五回に6番・杉本が左翼スタンド中段まで到達する2ランを放ち、これが決勝点。先発の宮城が5回2失点で勝ち投手に。重要な第2戦の先発マウンドに、オリックス・宮城が上がった。自身初となるクライマックスシリーズでの登板。独特の緊張感が漂うなか、懸命に左腕を振った。「体は元気ですし、そういうところは準備万端です。1試合ずつ大事で。本当に任されたイニングを腕を振って頑張りたいです」登板前日には準備万端を強調。コンディションを整え、強力なソフトバンク打線と相対したが、一回にいきなりつかまった。先頭の三森に初球を捉えられ、一塁線を破る二塁打。周東の一ゴロで1死三塁とされ、柳田には四球。ピンチを広げ、デスパイネの遊ゴロの間に先取点を奪われた。チームは前日の初戦を勝利し、リーグ優勝の1勝のアドバンテージを含め、2勝目をゲット。2年連続となる日本シリーズ進出へ大きく前進した。ただ、中嶋監督は「アドバンテージのことは1つも考えていない」と言い切り、一切の油断はない。ナインも気を引き締めて第2戦に臨み、0─1の一回にすぐさま反撃。2死満塁から杉本の適時内野安打で同点とした。宮城が三回にも1失点し勝ち越しを許したが、またも直後の攻撃で打線が左腕を援護。中川圭、吉田正の連打で無死一、三塁とし、西野が再び同点となる中犠飛を放った。必死に食らいつくオリックスナイン。互いに譲らない展開が続く中、五回だ。吉田正の左前打、西野の犠打で1死二塁の好機で打席に6番・杉本。相手2番手・大関に対し、初球、内角の148キロの速球を一閃。打球はぐんぐん伸び、左翼スタンド中段まで到達する2ランで悠々とダイヤモンドを一周した。杉本が日本シリーズ進出へ王手をかける貴重なアーチを放った。
◆オリックスが主砲・杉本が2ランを含む3安打3打点と活躍し、連勝。優勝したアドバンテージの1勝を含め、3勝0敗とし、2年連続での日本シリーズ進出に王手をかけた。オリックスは0-1の一回1死満塁で、杉本が遊撃への適時内野安打で同点に追いつく。三回に勝ち越されるも、その裏、西野の中犠飛で再び同点に追いついた。2-2の五回には、杉本が左翼へ決勝の2ランで勝負を決めた。先発の宮城は重圧がかかるマウンドだったが、5回2失点とまとめ、CS初登板、初勝利を挙げた。昨年のCS・ファイナルステージでは、パの王者として臨み、最短の3試合で突破し、日本シリーズ進出を決めた。悲願の日本一へ、この勢いのままCSを突破する。
◆オリックスが競り勝ち、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝として、日本シリーズ進出へ王手をかけた。同点の五回に6番・杉本が左翼スタンド中段まで到達する2ランを放ち、これが決勝点。先発の宮城が5回2失点で勝ち投手となった。試合後の宮城のヒーローインタビューは以下の通り。--最後のしびれる場面、どんな心境で見てましたか「阿部さんは絶対抑えてくれると思って見てました」--昨日は山本由伸投手の素晴らしい投球があった。どんな気持ちでのマウンドになった「チーム自体も勝ちまして、いい流れできてますので、その流れを途切れないように、一生懸命頑張りました」--二回には福田選手のファインプレーがありました「めっちゃ足速く見えて、すごく助かったプレーでもありますので、本当に感謝したいと思います」--四回には三者連続三振。あのイニングは投球の意識を変えましたか「少しテンポを上げようと思って、それがいい方向に繋がっただけ。本当にまぐれです」--その投球があって隣の杉本選手がホームラン「めっちゃ鳥肌立ちました。すごかったです」--その後はリリーフ陣がつないでリードを守った「先発として短いイニングで降りてしまったのは悔しいですが、ほんとに頼もしいリリーフ陣のおかげですごく伸び伸び野球ができている気がします。これからもよろしくお願いします」
◆ソフトバンクは逆転負け。オリックスに日本シリーズ進出王手をかけられた。2-2の五回1死二塁に杉本裕太郎外野手(31)に決勝2ランを浴びた。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--打線も九回に1点差まで詰めた「見せ場はあったけどね。向こうのリリーフ陣が一枚上でした」--打線も一回に先制、三回に勝ち越しと流れはあった「点を取った後にしっかり抑えるのが流れだと思うし。点を取って取られて、点を取って取られてですからね。なかなかしんどいゲームだったね」--先発の板東は「うーん、どうなんやろう。ボールはちょっと高かったと思うけど。リズムもちょっとよくなかったところがあったね」--相手打線もしぶとさがあった「どっちも一生懸命にやっているから、それは仕方ないでしょう」--2番手に大関「(五回1死二塁は)一塁が空いていたからね。状態がいい、悪いとか。(大関は)シーズンは後半おらんかったし、ミーティングはしっかりやってくれているはずなんですけどね。安易な1球やったね。一塁ベースは空いていたから」--他の投手もいた中で、連投でも大関に託したのは「力があるし、2イニングくらいはいけるから。きょう投げてあしたは上がる(ベンチ外)予定だったし。本人は入るっていうやろうけど。第2先発とはいっているので」(少しの沈黙の後)「仕方ない! 崖っぷちや! もう1敗もできないから。あした頑張ります」
◆オリックスが競り勝ち、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝として、日本シリーズ進出へ王手をかけた。同点の五回に6番・杉本が左翼スタンド中段まで到達する2ランを放ち、これが決勝点。先発の宮城が5回2失点で勝ち投手となった。試合後の杉本のヒーローインタビューは以下の通り。--2日連続のヒーローインタビュー、杉本選手です「ありがとうございます」--今、ファンの大きな拍手はどのように感じてますか「2日連続のお立ち台、めっちゃ気持ちいいです!」--五回の勝ち越しホームランは2カ月ぶりの一発「シーズンではちょっと苦労したんですけど、今年一番の当たりだったと思います」--初球を完璧に捉えた。どんな狙いがホームランにつながった「2安打打ってたので、もういいやと思って打席に立ちました」--CSファイナルで7打数5安打5打点「まだ2試合でたまたまだと思うので。明日も打てるように頑張ります」--昨シーズンもポストシーズンでの貢献があった。今年は苦しい時期があった中での活躍、また違った喜びがあるでしょうか「はい。去年のCSもMVP賞をいただいたので、今年も勝てるように頑張ります!」--あと1勝で日本シリーズ「あと1勝ですけど、足元を見つめ直して、また明日から全員で勝てるように頑張ります。応援よろしくお願いします」
◆オリックスは六回から今季躍進した救援陣がリードを守り切った。六回は育成出身の2年目の宇田川が無死一、二塁のピンチを招きながらも力のある速球を軸にしのぎ、七回は山崎颯、八回はワゲスパックが無失点でつないだ。九回は2年目の阿部がクライマックスシリーズ(CS)に初登板し、1点を失いなお2死一、二塁でデスパイネを空振り三振に仕留め、逆転優勝を決めた2日のレギュラーシーズン最終戦に続き、セーブをマークした。「CSだからといって特別な感じはなかった。点を取られても最終的に勝っていればいい」と強心臓ぶりを発揮した。中嶋監督は「何点差あろうと苦しい場面。非常に良く投げた」と奮闘をたたえた。
◆パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第2戦で、レギュラーシーズン2連覇のオリックスはソフトバンクを4-3で下して連勝。リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて3勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ進出に王手をかけた。杉本裕太郎外野手(31)が五回に左越え2ランを放つなど3安打3打点と活躍。けがなどで苦しんだレギュラーシーズンの分も存在感を発揮した。白球が高々と舞い上がった瞬間、スタンドインを確信した。オリックス・杉本はバットを左手で高く掲げ、ゆっくりと一塁へ歩を進める。ナインに向けて右手を突き出し、喜びを爆発させた。決勝のCS1号2ラン。2年連続の日本シリーズ進出へ、王手をかけた。「2日連続お立ち台、めっちゃ気持ちいいです!! (レギュラー)シーズンではちょっと苦労したんですけど、今年一番の当たりだったと思います!!」会心のアーチだった。2─2の五回1死二塁。大関が投じた初球、148キロ直球を完璧にとらえた。「コトイチ(今年一番)」という打球は左翼5階席に着弾。悠々とダイヤモンドを一周し、一塁ベンチ前ではおなじみの〝昇天ポーズ〟だ。昨年の本塁打王(32発)として挑んだ今季だが、レギュラーシーズンは苦悩の日々。コロナ感染や8月下旬には左太もも裏の筋損傷による離脱もあり、105試合で打率・235、15本塁打、51打点と不本意な結果に終わった。その悔しさをぶつけるように、今ステージではここまで2試合で打率・714(7打数5安打)1本塁打、5打点と絶好調。昨年のCSファイナルステージでも3試合で打率・333(9打数3安打)1本塁打2打点と活躍し、最優秀選手(MVP)に選出。「今年も取れるように頑張ります」と力を込めた。「いっぱい悔しい思いをした。CSでやり返すチャンスをいただいているので、CSから絶対にやり返してやろうという気持ちでいた。その悔しい気持ちを忘れず、やっていきたい」チームは初戦、2戦目を勝利し、アドバンテージを含め3勝目。第3戦を引き分け以上で日本一への挑戦権を得る。苦汁をなめ、〝CS男〟に変貌したラオウが、悲願の日本一をつかみ取る。(西垣戸理大)■データBOX?...オリックスが対戦成績を3勝0敗(アドバンテージの1勝を含む)とし、日本シリーズ出場に王手。パのプレーオフ、CSで先に王手をかけたケースは過去26度のうち、日本シリーズ進出が24度、突破率は92・3%。無敗で王手のケースは13度全て日本シリーズに進出。?...宮城がCS初勝利。プレーオフ、CSで21歳1カ月以下で勝利したのは、昨季ファイナルステージ(S)第1戦のヤクルト・奥川恭伸(20歳6カ月)以来。?...杉本のCSでの本塁打と猛打賞(1試合3安打以上)はともに昨季ファイナルS第2戦以来、通算2本目、2度目。オリックス(前身を含む)の選手がプレーオフ、CSで通算2本以上を放ったのは7人目。
◆チャンピオンの野球に隙はなかった。ソフトバンクは連敗を喫し、藤本監督は必死に言葉を絞り出した。「見せ場はあったけどね。向こうのリリーフ陣が一枚上でした」一回1死一、三塁でデスパイネの併殺崩れの間に先制。だが、先発の板東がその裏に同点にされた。三回1死一塁から柳田の適時二塁打で勝ち越したが、再び同点とされて流れをつかみ切れなかった。指揮官も「点を取って取られて、取って取られてですからね。しんどいゲームだったね」とうなだれた。五回1死二塁から2番手・大関が杉本に決勝2ランを浴びた。「一塁は空いていたんだけど。安易な1球だった」と指揮官。オリックスとはシーズンで10勝15敗。ポストシーズンでも王者の層も厚く、これで0勝3敗。突破には4連勝するしかなくなったが、0勝3敗から4連勝で覆したチームはなく、突破率は0%だ。「仕方ない! 崖っぷちや! もう1敗もできないから。あした頑張ります」前を向くしかない。藤本ホークスの意地が見たい。(竹村岳)
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