ヤクルト(☆7対1★)阪神 =クライマックスシリーズ1回戦(2022.10.12)・明治神宮野球場=
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阪神
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ヤクルト
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勝利投手:小川 泰弘(1勝0敗0S)
敗戦投手:西 勇輝(0勝1敗0S)

本塁打
【ヤクルト】オスナ(1号・1回裏3ラン),サンタナ(1号・6回裏2ラン)

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◆ヤクルトがファイナルステージ初戦を制した。ヤクルトは初回、オスナの3ランで先制する。その後は2回裏に山崎の適時打で加点すると、6回にはサンタナの2ランでリードを広げた。投げては、先発・小川が7回途中1失点の好投。敗れた阪神は、先発・西勇が乱調で打線も9安打で1得点とつながりを欠いた。

◆阪神湯浅京己投手はヤクルトとのCSファイナルステージでも守護神で起用される見込みだ。セ界王者との決戦に向けて「どんな状況、どんな場面で投げてもやることは変わらない。チームの勝ちに貢献できるようなピッチングをしたい。"アツアツアツアツアツアツ"と炎が燃えたぎるくらいに」と、笑顔で闘志を燃やした。CSファーストステージで抑えに抜てきされ、圧巻の投球でDeNA打線をねじ伏せた。8日の第1戦では8回2死一、二塁から登場し、牧を空振り三振。9回も難なく抑え、"プロ初セーブ"を記録。10日の第3戦では8回2死二塁から登板し、佐野を一ゴロに。9回は1死満塁のピンチを背負ったが、代打藤田を二ゴロ併殺打に仕留めた。福原投手コーチは、「そういう形になるかと」と守護神継続を示唆。鋼のメンタルと勝負強さにかける。4年目の今季は「8回の男」としてブレークを遂げ、最優秀中継ぎ賞に輝いた。2失点を喫した7月1日の中日戦を最後に、ポストシーズンと合わせて30試合連続で無失点を継続。チームで最も打たれない鉄壁のリリーフエース。ヤクルト戦もフル回転で、チームを日本シリーズに導く。【古財稜明】○...阪神矢野燿大監督はCSファーストステージを突破した勢いに乗って1位ヤクルトも倒す。「もちろん強いのは分かっているし、バランスのいいチーム。ファーストステージを戦えた気持ちのまま全員で向かっていけたら」。DeNA戦では全員野球で3試合すべて接戦の展開を制した。初戦は就任後4年間先発の柱として支えてきた西勇輝に託す。「頭にふさわしい。勇輝らしく投げてくれたら」と期待した。○...大山がヤクルトとのCSファイナルステージ第1戦でも4番を任される。DeNAとのファーストステージでは3試合、11打席無安打だった。井上ヘッドコーチは「4番は外さない。1本出れば変わると思っている。今度の神宮は大山が(ヒーローに)2回、3回なるんじゃないか。打てなかった分、やってくれると期待は増している」と変わらぬ信頼を寄せる。今季神宮ではセの敵地で最高の打率3割6分7厘を記録。2本塁打、8打点と打っている。○...佐藤輝がプロ2年目で初のCSファイナルの舞台に立つ。「次も負けられない戦い。全員で力を合わせて頑張ります。こっちは攻めるだけなので」。1勝のアドバンテージがある1位ヤクルトに対して、第1戦から積極的に攻める。10日のファーストステージ第3戦ではDeNA浜口からバックスクリーンへソロをたたき込んだ。神宮では今季3割2分7厘とセの敵地で最も高い打率を残す。3本塁打、9打点と相性のいい舞台で下克上の主役となる。○...エース青柳は中5日でCSファイナルステージ3戦目の先発に回る見込みだ。8日のDeNA戦では6回無失点と快投。今季のヤクルト戦は2試合連続完封を含む3勝1敗で、勝ち星は全て神宮球場で挙げた。この日投手指名練習に参加した右腕は「優勝チームですし、村上を中心とした得点力があるチームなんで。村上だけじゃないですけど、無駄な失点につながらないようにやっていくしかない」と力を込めた。○...西純がCSファイナルステージでもフル回転を誓った。DeNAとの同ファーストステージでは中継ぎとして第2、3戦に登板。2試合連続2回無失点の力投で、第1関門突破の立役者となった。当面はロングリリーフ要員としてブルペン待機するもようで、「自分の役割を果たせるように、チームに貢献できるようにしたい」と意気込んだ。▽阪神井上ヘッドコーチ(3冠王のヤクルト村上に)「もちろん打たれないように対策は練るが、あれだけの打者なので。一番は波に乗せないこと。最初の第1戦、第2戦はすごく重要になってくる」○...桐敷拓馬投手(23)が1軍に昇格することが11日、分かった。この日はフェニックスリーグ巨人戦の試合前練習で、ランニングなど軽めのメニューをこなした。今季は開幕ローテ入りを果たしたが、勝ち星がつかめず2軍生活。ウエスタン・リーグでは13試合で6勝1敗、防御率0・72と安定した成績でアピールした。前回登板となった8日のファーム日本選手権では、先発で2回2/3を6安打5失点だった。また、出場選手抹消された高寺は12日から同リーグに合流する。○...フェニックスリーグ巨人戦で完封負けを喫した。巨人先発直江、2番手平内を相手に4安打だけ。平田2軍監督は「1軍クラスの投手にはそう簡単にうまくいかない。力不足だと感じるのもフェニックスの目的だから」と振り返った。阪神先発村上は6回4安打1失点の好投。同リーグで、直球の質向上を目標としている右腕は「今日は走りも良かったかなと思います」と手応えをつかんでいた。

◆阪神西勇輝投手(31)がヤクルトとのCSファイナルステージ開幕戦の先発を託された。実戦登板は9月17日の巨人戦(東京ドーム)以来、約3週間ぶり。この日は神宮球場に隣接する室内練習場でブルペン投球を行い、決戦に備えた。「自然体でいくことが一番大事」と表情を引き締めた。今季ヤクルト戦は3試合に先発し、1勝1敗ながら防御率は0.86と相性はいい。村上には1発を浴びるなど、6打数2安打で被打率3割3分3厘。他のバッターは抑えており、村上封じが鍵を握る。「それはそれでしっかり考えてはいます」と話すにとどめた。矢野監督は「頭にふさわしい。ユウキらしく投げてくれたらいいかなと思います」と期待を寄せた。今季は9勝(9敗)を挙げ、防御率は青柳に次ぐリーグ2位の2.18を記録した。抜群の安定感を誇る右腕で、先手必勝を期す。○...エース青柳は中5日でCSファイナルステージ3戦目の先発に回る見込みだ。8日のDeNA戦では6回無失点と快投。今季のヤクルト戦は2試合連続完封を含む3勝1敗で、勝ち星は全て神宮球場で挙げた。この日投手指名練習に参加した右腕は「優勝チームですし、村上を中心とした得点力があるチームなんで。村上だけじゃないですけど、無駄な失点につながらないようにやっていくしかない」と力を込めた。○...西純がCSファイナルステージでもフル回転を誓った。DeNAとの同ファーストステージでは中継ぎとして第2、3戦に登板。2試合連続2回無失点の力投で、第1関門突破の立役者となった。当面はロングリリーフ要員としてブルペン待機するもようで、「自分の役割を果たせるように、チームに貢献できるようにしたい」と意気込んだ。

◆「2022JERAクライマックスシリーズ セ」のファイナルステージが12日から開幕する。レギュラーシーズン3位からの日本シリーズ進出を狙う阪神は、王者ヤクルトを相手にフレッシュな「下克上ローテ」で挑む。12日の初戦先発には西勇輝投手(31)、13日の2戦目には藤浪晋太郎投手(28)を投入。ファーストステージDeNA3連戦で温存に成功した2人から3戦目のエース青柳晃洋投手(28)につなぎ、一気の形勢逆転をもくろむ。

◆村神様出陣ヤ!! ヤクルト村上宗隆内野手(22)が11日、CS初本塁打でチームを勝利に導く決意を示した。12日開幕の「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ阪神戦(神宮)に向け、神宮外苑で前日調整。日本選手最多となるシーズン56本塁打を放ち、史上最年少の3冠王に輝いた主砲が、ポストシーズンでもチームのために打棒を振るう。村上対阪神投手 今季は77打数20安打の打率2割6分、7本塁打。セ・リーグ相手では最も低い打率で本塁打も最も少なく、村上にとってはやや苦手な相手。7本塁打のうち甲子園では6本も、神宮では8月17日に伊藤将から打った1本だけ。神宮の対戦では35打数7安打の2割と特に打てていない。

◆阪神は島田海吏外野手(26)を9月7日ヤクルト戦以来のスタメンに抜てきした。「2番右翼」で先発。ヤクルト先発の小川とは今季5打数2安打と好相性を誇る。1番中野拓夢内野手(26)、3番近本光司外野手(27)との俊足トリオでかき乱せるか。先発は西勇輝投手(31)。今季対ヤクルト戦3試合で1勝1敗、防御率0・86と安定感が光る。CSファーストステージで登板のなかった右腕が、満を持してマウンドに上がる。公式戦負け越し球団がCSファイナルステージ初戦白星となれば史上初だ。同ファーストステージDeNA戦は接戦をものにし2勝1敗で突破。勢いそのままセ王者ヤクルトに挑む。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)は、CS初戦の第1打席は四球だった。1回2死一塁で迎え、阪神西勇の初球から2球連続ボールを見極めた。3球目、内角を空振りすると4球目も同じコースへのスライダーをファウル。5球目のボールを見送り、フルカウントとすると2球ファウルで粘り、最後は8球目を見送って四球を選んだ。一、二塁とすると、5番オスナが先制3ランを放った。西勇のシュートをとらえ、左翼席へ運んだ。来日2年目の今季、20本塁打のオスナは「短期決戦で先に先制してチームに勢いをつけたかった。1発で仕留めることができた」と納得の表情を見せた。昨季までの村上のポストシーズン通算成績は、9試合、32打数7安打、2本塁打、4打点、打率2割1分9厘。2本塁打は、いずれも昨年の日本シリーズで放ったもので、CSでの本塁打はまだ0本。

◆阪神大山悠輔内野手(27)が、待望のCS初ヒットをマークした。「4番左翼」で出場。3点ビハインドの2回、先頭でヤクルト小川の甘い変化球を捉え、左翼線への二塁打で出塁。しかし、原口が際どい判定で空振り三振、佐藤輝が中飛、糸原が右飛に倒れ、得点につなげることができなかった。大山はDeNAとのCSファーストステージでは3試合で11打席に立ち、無安打に終わっていた。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)の第2打席は中飛に終わった。4点リードで迎えた2回2死一、二塁のチャンス。2球目を打ちにいったが、中飛に打ち取られた。初回の第1打席は四球を選び、次打者オスナが先制3ランを放っていた。

◆阪神の2回表の攻撃で珍しいシーンがあった。阪神3点ビハインドで無死二塁の場面。原口文仁内野手(30)がヤクルト小川に12球投げさせ、フルカウントからの13球目だ。低めの変化球にバットは止まったかのように見えたが、これを一塁の山路塁審がハーフスイングの判定をとった。空振り三振に倒れた原口はヘルメットを取り感情をあらわに。直後、原口が一塁守備に就くタイミングで白井球審が、なだめるように背中をたたいた。原口にも笑顔が見られた。矢野監督は試合後、「あれは振ってないでしょう。あれは、ちょっともう大事なところやからね。審判だって別に一生懸命やっているし、判定にああいうことだって文句言えないというか、別に俺も抗議にいけないっていうのはもちろん分かっているんだけど、あそこはちゃんと見てもらいたいよね」とコメントした。

◆巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(48)が、解説者として神宮球場に駆けつけた。ニューヨークから球場入りしたようで、試合開始に遅れ3回表から登場。日本選手最多56本塁打を放ち、令和初の3冠王に輝いたヤクルト村上宗隆内野手(22)について聞かれると、松井氏は「もちろん見てました。まだ5年目の選手ですよね。素晴らしいですね。3冠王ですからね。今までになかったスケールの選手ですね」と、その栄誉をたたえた。日本選手の50本塁打以上は、02年の松井氏以来20年ぶりの大台到達だった。自身の記録も塗り替え、背番号「55」を超える56号までたどり着いた村上の打撃に、"違和感"を感じていた。「思ったよりスタンス広い。広いってことは体がピッチャーよりにいくんじゃないかって思うんですけど、でもしっかり四球も選べるんでね。彼にしかない何かを持っているんじゃないかなと思います。はた目で見るのと、実際の数字っていうのが私の中で結び付かないというのはある。でもあれだけ打てるというのは、彼の中で特別なものがある」と語っていた。

◆CSファーストステージに続き、またも「声出し応援禁止」のアナウンスが響いた。1回裏のヤクルトの攻撃終了後、「声を出しての応援は禁止です。応援ルールを守り正しく観戦しましょう」とアナウンスされた。5回表の阪神の攻撃前にもアナウンスされた。DeNA-阪神のCSファーストステージでは左翼席の阪神ファンが盛り上がり、横浜スタジアムで同様のアナウンスがされていた。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、球場では大声を出しての感染は禁止されている。なお、前日11日には阪神の球団公式SNSでも「声を張り上げての応援の禁止」「声援は心の中で」など呼びかけられていた。

◆阪神の先発・西勇輝投手(31)が、4回5失点で早々とマウンドを降りた。立ち上がり、2死から山田、村上に連続四球。2死一、二塁とピンチを招き、オスナに左翼スタンドへの先制3ランを浴びた。2回も2死三塁から山崎に中前に運ばれ、1失点。3回にはオスナの二塁打とサンタナの犠飛で、5点目を失った。実戦登板は9月17日巨人戦(東京ドーム)以来、約3週間ぶり。「自然体でいくことが一番大事」と、前日は表情を引き締めていたが、ヤクルトに主導権を渡してしまった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)の第3打席は空振り三振に終わった。阪神は西勇に代わってケラーが登板。1死走者なしでカウント2-2から、151キロの直球を空振り三振に打ち取られた。初回の第1打席は四球を選び、次打者オスナが先制3ラン。2回の第2打席は中飛だった。

◆7回表の阪神の「ラッキーセブン」直前、今度は神宮に「応援歌の合唱禁止」のアナウンスが響いた。「声を出しての応援歌の合唱は禁止です」とアナウンスが流れ、大型ビジョンにも「新型コロナウイルス感染症対策のためマスクを着用し、応援歌の合唱は禁止です」と表示された。「マスク」と「応援歌の合唱は禁止です」の部分は赤字で表示されていた。「ラッキーセブン」で阪神の応援歌「六甲おろし」の録音演奏が流れる直前、徹底した呼びかけを行っていた。ヤクルトの7回裏攻撃前にも同様のアナウンスが流れた。この日は初回の攻撃終了時、5回の攻撃開始前に「声を出しての応援は禁止です」と呼びかけるアナウンスが響いていた。

◆阪神のカイル・ケラー投手(29)が5回、ヤクルトの中軸3人を完全に抑えた。先発の西勇のあとを受け、0-5の5回に登板。山田、村上を連続三振、初回の初打席で先制3ランを放ったオスナを遊ゴロに打ち取った。ケラーは「とにかく0点に抑えること、そしてその中でも攻撃に流れを持ってこられるような投球を意識したよ。結果的に3人で抑えることができたし、任された場面で仕事ができてよかったね」と振り返った。ケラーの好投に応えるように、6回に味方打線は1点をもぎ取った。

◆ヤクルトがCSファイナルステージ初戦を快勝し、アドバンテージの1勝を含め、2勝0敗とした。投打が、がっちりかみ合った。序盤3回までに5点先制。初回は2死走者なしから、山田、村上が四球を選び、オスナが3ラン。2回、3回は先頭の安打を犠打や内野ゴロで進め、適時打と犠飛で加点。6回に1点を失ったが、直後にサンタナが2ランで再び突き放した。オスナは「短期決戦で先に先制してチームに勢いをつけたかった」と言った。言葉どおり、チームに勢いを付け、流れるようなスキのない攻撃を呼び込んだ。投げては、エース小川が7回途中まで6安打1失点にまとめた。「大事な初戦なので主導権が握れるように初回から飛ばして投げました。最少失点で投げることができましたし、試合はつくれたかなと思います」と控えめに言ったが、十分な働きだった。ベンチワークもはまった。7回2死一、二塁となると、2番手ですかさず石山を投入。後続を断った。その石山が、8回先頭で代打マルテに二塁打を打たれると、田口に交代。早め、早めにつなぎ、相手の攻撃の芽をつんでいった。田口は8回2死二塁から近本に左前打を許したが、山崎が本塁好返球。守備でもスキがなかった。前日、高津監督は「リーグ優勝して、シーズン最終戦が終わって約10日間。しっかり調整をやってきたつもり。個人個人、思うこともたくさんあるでしょう。緊張だったり、興奮だったり。それを楽しんでもらって、当日、100%の力が出せるように」と言った。リーグチャンピオンの力を100%、発揮した先勝だった。ヤクルトとオリックスが勝ち、アドバンテージの1勝を含め2勝。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗は過去26度あり、25度が進出。突破率は96%と断然有利だ。連敗スタートから突破したのは17年DeNA(対広島)だけ。

◆最年少3冠王に輝いたヤクルト村上宗隆内野手(22)は2打数無安打2四球で終え、自身初のCS弾はお預けとなった。背番号55の先輩松井秀喜氏が解説で神宮を訪れていたが1発は出なかった。7回の第4打席は、この試合2つ目の四球を選んだ。今季リーグで日本選手最多56本に更新した本塁打は出なかったが、チームは快勝しCS初戦を制した。村上は初回の第1打席では四球を選び、次打者オスナが先制3ラン。得点を記録した。2回の第2打席は中飛、第3打席は空振り三振だった。

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は12日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)が開幕し、セはレギュラーシーズン2連覇のヤクルトが3位から勝ち上がった阪神に7-1で快勝してリーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて2勝とした。ヤクルトは一回にオスナの3ランで先制し、その後も小刻みに加点。小川が7回途中1失点と好投した。第2戦の先発は、セがサイスニード(ヤクルト)と藤浪(阪神)と発表された。アドバンテージを含めて先に4勝したチームが22日にセの球団の本拠地で開幕する日本シリーズへ進む。

◆途中出場の阪神ジェフリー・マルテ内野手(31)が、1軍では今季初めて三塁の守備についた。6点を追う8回先頭で代打で出場し、左翼線への二塁打で出塁。二塁走者に残り、2死から近本が左前打を放ち、本塁へ激走するも、無念のタッチアウト。そのまま三塁の守備へついたが、守備機会はなかった。マルテの三塁守備は20年には14試合、21年は1試合のみだった。

◆阪神がヤクルトに完敗し、初戦を落とした。ファイナル開幕を託した先発の西勇輝投手(31)が、誤算だった。立ち上がり、2アウトを取りながら、山田哲人内野手(30)、村上宗隆内野手(22)に連続与四球。一、二塁からホセ・オスナ内野手(29)に左翼スタンドに先制3ランをたたき込まれた。2回も2死三塁から山崎晃大朗外野手(29)に適時打を打たれ、1失点。3回にはドミンゴ・サンタナ外野手(30)の犠飛で5点目を失った。前半5回までヤクルト先発の小川泰弘投手(32)に無得点に抑えられていた打線は6回、代打・梅野隆太郎捕手(31)の二塁打から好機をつくり、島田海吏外野手(26)の適時打で1点を返した。だがその裏、サンタナに中押しの2ランを打たれ、突き放された。8回無死二塁の好機も生かせず、完敗した。リーグ優勝したヤクルトに1勝のアドバンテージがあり、阪神にとっては実質2敗。苦しい船出となった。阪神がCSファイナルステージで第<1>戦を落とし、ヤクルトのアドバンテージ1勝と合わせ0勝2敗となった。日本シリーズをかけたプレーオフ、CSで0勝2敗となった球団は昨年まで26度。ここから日本シリーズに進んだのは、17年DeNAが広島に■●↓○○○○の1度だけ。突破率4%の狭き門だ。レギュラーシーズン勝率5割未満でCSファイナルステージ進出は、今回の阪神が5チーム目。いずれもセ・リーグ球団だ。これで全球団が第<1>戦を●となった。過去の4球団はすべてそのまま同ステージで敗退しており、阪神には厳しい数字が並ぶ。

◆ヤクルト高津臣吾監督が初戦を制し、安堵(あんど)の表情を見せた。初回オスナの3ランで先制し、先発小川が6回2/3 1失点の好投。ファーストステージを勝ち上がった虎の勢いを、初手から封じた。「言葉はアレかもしれないですけど、勝てばいいと思っているので。しかもそれぞれのバッターにいい当たりが出て、小川が投げ勝つというか、投げて勝つという勝ち方は初戦にしてはすごくよかったと思います」と、内容も結果も手応えをつかんだ。試合前には選手を集めてミーティングを行った。内容こそ明かさなかったが「いつも通りが難しい短期決戦だけども、全力尽くして頑張りましょうということですよ」と、リーグ2連覇した力を存分に引き出した。これでアドバンテージ含め、2勝先行。日本シリーズまであと2勝とし「今日は良かったなと思うだけで、また明日の準備はしっかりしたいなと思います」と切り替えた。

◆阪神がヤクルトに完敗を喫し、痛恨の黒星発進となった。先発西勇輝投手(31)が、初回にオスナに先制3ランを被弾するなど、まさかの4回5失点でKO。打線は6回にCS初スタメンの島田海吏外野手(26)の中前タイムリーで奪った1点にとどまった。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-西勇は丁寧に行っていた「そうやね、うん。結果的には四球がもったいないなというのがあって、(初回2死から)山田への、いい追い込み方したから。まあまあ、丁寧さっていうところがちょっと外れて四球となったのが。ホームランは結構うまく打たれたんで。言うほど簡単じゃないけど」-今日の結果で何も変わらない。大山らヒットが出てなかった選手にもヒットが出た「まあまあヒットが出たとかはもちろん結果やから、それは出た方がいいに決まってるけど、別に。オレらは4つ勝つ必要があって、それをやるだけなので、何も変わらない」-スタメン起用した島田、代打の梅野、マルテら集中力があった「集中力っていうか別に、この試合で集中力ないやつなんていないと思うし、結果出たから集中力あるっていうだけのことで、みんな集中力ない状態でいってるとは思えないんで」-最後マルテがサード「まあまあある程度、リスクはね、もちろんシーズンではやってないわけやから。まあまあでも、短期決戦でバッターの状態や相手ピッチャーとかいろいろ考えてきたら、やっぱりそういうことも、短期決戦の中では必要かなと思うんで。もちろんメンバー構成見れば、それは今日やれたのはよかったかなと思います」-初回、2回に1点でも取れていたら「もちろんそこで取りたかったし。うーん。まあ、そうやね。向こうのより投げやすい環境に、状態にしてしまったかなというのはあるけど」-原口が2回は粘ったが「あれは振ってないでしょう。あれは、ちょっともう大事なところやからね。審判だって別に一生懸命やっているし、判定にああいうことだって、文句言えないというか、別にオレも抗議にいけないっていうのはもちろん分かっているんだけど、あそこはちゃんと見てもらいたいよね」-3回の8番、9番に代打は「4つ勝つっていう試合の中の采配なんで。ファーストステージとは違うんだから」

◆本拠地での初戦に、投打のヒーローが勝利をもたらした。まずは初回、2死一、二塁の場面で5番オスナが先制3ランを放った。「しっかり甘い球を待って、インコース真っすぐがきたんですけど、なんとか反応して打てて、それがホームランなったのでよかったです。打った瞬間確信したんですけど、レフトが止まったときにこれはやっと越えたなと思いました」と、貴重な1発で援護した。先発小川は7回途中まで1失点に抑え、主導権を最後まで渡さずにリリーフ陣へつないだ。1年間先発ローテーションを守ったエースらしい投球内容。小川は「なんとか流れを引き寄せたいという強気で攻め込めた。最後は少しばててしまいましたけど、なんとか試合をつくれてよかったです」とホッとした様子だった。CSでは自身7年ぶりの白星を収めた。プロ野球12球団 戦力外 退団 移籍 引退選手など/一覧

◆ヤクルト高津臣吾監督(53)が12日、広島新井新監督の就任について触れた。阪神とのCSファイナルステージ初戦に快勝。試合後の取材では、この日、就任会見を行った新井監督の話題にもなった。「(会見を)見た、見た、ユーチューブで。新井さんですからね。大後輩の。ライバルチームなんで。ちょっと今コメントしづらいですけど、そのうちお話しでもと思いますけど、そこまで考えてません、すいません」CS中ということもあるのか、母校・広島工の後輩について多くは語らなかったが、新井監督の話題に口元は緩んでいた。

◆これがエースだ。ヤクルト小川泰弘投手(32)は走者を出しても1本を許さず、7回途中まで6安打で最少1失点。「点を取ってくれた後、粘って流れを引き寄せられるようにと心掛けました」とホッとした顔で言った。3点もらった直後の2回、無死二塁で阪神原口にカウント2-2からファウル7つ粘られた。「立ち上がりで落ち着いてなかった。勝負どころだった」。四球は出さぬよう、ゾーンで勝負。13球目はワンバウンドしたが、空振り三振で切り抜け、流れをつかんだ。練習冒頭、グラウンドでの"青空ミーティング"で、高津監督が「シーズンで出来たことが出来なかったり、出来なかったことが出来たり。それが短期決戦」と訓示した。それを聞き、小川は「1球1球、切り替えて投げられました」と要所で踏ん張る力にした。高津監督は「しっかり攻めた、いいピッチングだった」。日本一連覇へ、エースが最高のスタートを切った。小川が15年ファイナルS<2>戦以来、CSでは7年ぶりの白星。プレーオフ、CSでのブランク勝利は18年上原(巨人)の10年ぶりが最長で、7年は81年村田(ロッテ)15年涌井(ロッテ)の7年ぶりに並ぶ2位タイのブランク勝利となった。なお、ヤクルトでCS通算2勝は石川、館山に次ぎ3人目の球団最多タイ。プロ野球12球団 戦力外 退団 移籍 引退選手など/一覧

◆今CS初スタメンの阪神島田海吏外野手(26)が、2安打1打点で起用に応えた。9月7日のヤクルト戦以来、約1カ月ぶりに「2番右翼」で出場し、初回に先発小川から左前打で出塁。6回2死三塁では「まずは1点という場面だったので必死に食らいついた」と中前にポトリと落とす適時打で、唯一の得点をたたき出した。対小川はレギュラーシーズンで5打数2安打。相性通りの快音を響かせ「何とかしてやろうという気持ちしかなかったので、良い形になって良かった」とうなずいた。1番中野、2番島田、3番近本の「スーパーカートリオ」は、今季6月以降のチームの逆襲をけん引した打順だ。3回の長岡の右飛をダイビングキャッチするなど、守備でも躍動した背番号53は「勝てなかったのがやっぱり悔しい。次のチャンスでも生かせるようにやっていきたい」と2戦目以降の出番に備える。【中野椋】

◆村神様不発でも強いんヤ!! リーグ王者のヤクルトがチーム一丸、大技小技を絡めて「2022 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ阪神戦の初戦を制した。村上宗隆内野手(22)は2打数無安打に終わったが、1回2死、山田、村上の連続四球からホセ・オスナ内野手(29)が先制3ラン。その後も犠打や犠飛を絡めて加点し、6回にドミンゴ・サンタナ外野手(30)の2ランでとどめを刺した。アドバンテージの1勝を含めて2勝0敗とし、2年連続の日本シリーズ進出へ大きく前進した。「チームスワローズ」が持ち味の粘りとつなぎで、大事な初戦を勝ち取った。初回。2死から山田が四球で出塁すると、4番村上も8球粘って四球を選び、一、二塁とチャンスを広げた。続くオスナが阪神西勇の内角シュートを捉え、左翼席へCS初本塁打となる先制3ラン。助っ人が「短期決戦で先に先制してチームに勢いをつけたかった。一発で仕留めることができた」と振り返れば、高津監督も「2死走者なしから四球2つと本塁打で3点取ったわけですから。3番、4番の選球眼と、一発で仕留めた5番。非常にいい初回でした」と納得顔だ。史上最年少で3冠王となった村上のマークが厳しくなるのは当然。この日は主砲が無安打でも、周囲が役割を果たした。3回先頭、オスナは近本が打球処理にもたつく間に次の塁を狙う意欲的な走塁で二塁を陥れると、三進後、サンタナがセンターから逆方向を狙ったチームバッティングで犠飛を放ち、本塁に迎え入れた。6回にはサンタナが「点を取られた直後だったので、流れを渡さないためにもすぐに取り返したかった」と試合を決める豪快な2ラン。2年目助っ人コンビがそろって3打点と、村神様ばりの活躍だ。メジャーでシーズン30本塁打の実績があるサンタナは「僕とオスナは同じメンタリティー、同じ目標を持ってやっている。とにかくチームの勝ちに貢献したい気持ちがお互い強い。彼が調子を上げて周りをカバーしている姿を見て、さすがだなと思いました。あいつはいい選手だ」という。守護神マクガフも含め外国人選手も「フォア・ザ・チーム」の精神を強く心に秘めているのが今季のヤクルトの強み。この日も献身的なプレーで証明してみせた。アドバンテージを含め2勝0敗と先行したが、高津監督は「今日は良かったと思うだけで、また明日の準備はしっかりしたい」。2年連続の日本一へ、油断なくチーム一丸で勝利を求めていく。【鈴木正章】小川が15年ファイナルS<2>戦以来、CSでは7年ぶりの白星。プレーオフ、CSでのブランク勝利は18年上原(巨人)の10年ぶりが最長で、7年は81年村田(ロッテ)15年涌井(ロッテ)の7年ぶりに並ぶ2位タイのブランク勝利となった。なお、ヤクルトでCS通算2勝は石川、館山に次ぎ3人目の球団最多タイ。○...山崎がCS初安打となる中前適時打を放った。「2番左翼」で先発出場。3点リードの2回2死三塁、阪神西勇に対し1ボールからの2球目、外角スライダーを中前にはじき返した。昨季CSでは3打数無安打。初安打で追加点をもたらし「ランナーが三塁だったので、とにかくコンパクトにランナーをかえすことだけを考えて打ちました」と振り返った。▽ヤクルト山崎(2回2死三塁で中前適時打)「とにかくコンパクトに、ランナーをかえすことだけを考えて打ちました」

◆DeNAを倒した勢いはどこへ? 阪神が1位ヤクルトに投打で完敗し、アドバンテージの1勝を含め0勝2敗となった。先発西勇輝投手(31)が初回にオスナに先制3ランを浴びるなど3回までに5失点。中24日の調整期間をもらい、今季3試合で1勝1敗、防御率0・86と好相性のヤクルトとの初戦を任されたが、期待に応えられなかった。 初回は簡単に2死を取ったが、山田と村上に連続四球を与え、オスナに内角シュートを左翼席へ運ばれた。矢野監督は「結果的には四球がもったいない。丁寧さというところがちょっと外れて四球になって...。本塁打は結構うまく打たれたんで。言うほど簡単じゃないけど」と厳しい表情だ。打線も小川に沈黙した。2回に大山が今CS4戦目で初安打となる左二塁打で無死二塁の好機をつくったが、後続がない。期待の佐藤輝も4の0で3三振を喫し、ヤクルトを2本上回る9安打を放ちながらも、2併殺の6残塁。6回に島田の適時打で1点をかえすのが精いっぱいで、投打ともに精彩を欠く完敗だった。日本シリーズ出場をかけたプレーオフとCSで、0勝2敗から突破した例は26回中、17年DeNAの1回しかない。それでも矢野監督は前を向いた。「オレらは4つ勝つ必要があって、それをやるだけ。何も変わらない。4つ勝つという試合の中の采配なんで。ファーストステージとは違うんだから」。初戦を落とせば王手をかけられるファーストステージとは違い、最大6試合で2敗まではできる。もちろん、13日も敗れて王手をかけられるわけにはいかない。藤浪で勝って、下克上ドラマを本格化させる。【石橋隆雄】阪神がCSファイナルステージで第<1>戦を落とし、ヤクルトのアドバンテージ1勝と合わせ0勝2敗となった。日本シリーズをかけたプレーオフ、CSで0勝2敗となった球団は昨年まで26度。ここから日本シリーズに進んだのは、17年DeNAが広島に■●↓○○○○の1度だけ。突破率4%の狭き門だ。レギュラーシーズン勝率5割未満でCSファイナルステージ進出は、今回の阪神が5チーム目。いずれもセ・リーグ球団だ。これで全球団が第<1>戦を●となった。過去の4球団はすべてそのまま同ステージで敗退しており、阪神には厳しい数字が並ぶ。○...途中出場のマルテが、1軍では今季初の三塁の守備についた。6点を追う8回先頭で代打で出場し、左翼線への二塁打で出塁。2死から近本が左前打を放ち、本塁に突っ込んだが憤死した。そのまま三塁守備に就き、守備機会はなかった。矢野監督は「短期決戦でバッターの状態や相手ピッチャーとかいろいろ考えたら、そういうことも必要かなと。今日やれたのはよかった」と説明。三塁守備は20年に14試合、21年は1試合だけだった。○...島本が3年ぶりのポストシーズン登板で、1イニングを無失点に抑えた。1-7の8回に4番手で登場。2死から長岡を歩かせたが代打キブレハンを三振に打ち取り、打者4人から2三振を奪った。ポストシーズンは19年のファイナルステージ巨人戦の第2、3戦以来。20年11月にトミー・ジョン手術を受けたが、あらためて復活を示した。「ビハインドの場面だったので、リズム良く、攻撃につながるような投球をしたいと思っていました。次の登板へ向けて、しっかり準備します」と引き締めた。▽福原投手コーチ(西勇について)「細心の注意を払った中で、フォアボールは痛かったなと。制球に苦しんでいたところもあるし、慎重になり過ぎたのもある。打者が西の球種を見極めて、狙い球を絞っているところもありました」▽阪神島田(2安打1打点で今CS初スタメン起用に応え)「なんとかしてやろうという気持ちしかなかった」○...藤浪は13日のヤクルト戦で7年ぶりのCS先発マウンドに立つ。DeNAとのファーストステージでは出番がなく、中継ぎ登板した9月23日の広島戦以来の1軍登板となる。15年のファーストステージ巨人初戦以来のCS先発に向け、「あまり後先を考えずに投げられる。目の前の1人により集中できれば」。ヤクルト戦は今季先発2試合で防御率2・08と相性が良く、快投に期待がかかる。○...ドラフト4位ルーキー前川が、宮崎でのフェニックスリーグで場外弾を含むマルチ安打をマークした。ヤクルト戦に5番DHで出場。2回に右翼線二塁打で長打を放つと、3点を追う4回は変化球を完璧に捉え、右翼場外へアーチを描いた。同リーグは試合前まで2戦7打数無安打。「自分のスイングができていない。まずは振っていかないと始まらない」と話していた反省を結果につなげた。試合は先発及川が5回2/3で11失点するなど大敗した。

◆ヤクルトがスタメンを発表。「2番・左翼」には山崎晃大朗外野手(29)が入った。CS初本塁打を狙う村上宗隆内野手(22)は「4番・三塁」で出場する。

◆阪神・島田海吏外野手(26)が「2番・右翼」で先発出場する。DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージは第1、2戦で途中出場。今CSではこのファイナルステージ初戦で初めてスタメンに名を連ねた。今季公式戦での対ヤクルトは打率・360、5打点とセ・リーグ5球団との対戦の中で最も好相性。1~3番を中野、島田、近本の快足トリオで固め、機動力も生かしてヤクルトに襲い掛かりたい。

◆白井一行審判員(45)が第1戦の球審を務めた。阪神の先頭打者・中野の打席、2球目でおなじみの甲高いストライクコールが響き渡るとプロ野球ファンはSNSで即座に反応。「球審白井」のワードがツイッターでトレンド入りした。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手(29)が一回に先制3ランを放った。一回2死から山田、村上が連続四球で巡ってきた一、二塁の好機で、カウント2ボール1ストライクから西勇のシュートを狙いすましたかのように左翼スタンドへ運び、リーグ王者のヤクルトが3点を先取した。

◆阪神が一回に3点を失った。先発・西勇は塩見、山崎の1、2番から6球で2死を奪ったが、ここから苦しんだ。3番・山田は1ボール2ストライクから3球連続でボール球を投じて、四球。レギュラーシーズンで日本選手歴代最多となる56本塁打をマークした続く村上には、より丁寧に内角を突きながら攻めたものの、ここも四球で歩かせた。一、二塁から迎えたオスナには2ボール1ストライクから内寄りに投じたシュートを振り抜かれ、打球はそのまま左翼スタンドに飛び込んだ。

◆一回のヤクルトの攻撃終了後、ウグイス嬢が「声を出しての応援は禁止です。応援ルールを守って正しく観戦しましょう」と呼びかけた。横浜スタジアムで行われたファーストステージでは左翼席の阪神ファンが盛り上がり、一部でコロナ下の観戦ルールで禁じられている応援歌「六甲おろし」の合唱が起こっていた。

◆阪神はオスナの左翼3ランで先制された直後の二回に訪れた反撃機を逃した。先頭・大山が三塁線を鋭い打球で破る二塁打で出塁。DeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(横浜)では3試合で11打席無安打と苦しんだ4番が今CS初安打をマークした。続く原口はファウルで驚異的な粘りを見せ、13球目に投じられた外角のフォークに対し、出かけたバットを必死で止めた。しかし、確認を求められた一塁・山路審判員は拳を握り、スイングのジェスチャー。一塁へ歩きかけた原口は納得のいかないようすを見せながら、ベンチへ戻った。その後はファーストステージ第3戦で自身CS初アーチを放っている佐藤輝が中飛、糸原も右飛と、ともに初球を打って凡退し、無得点に終わった。

◆ヤクルト・山崎晃大朗外野手(29)が3―0の二回2死三塁で貴重な追加点となる中前適時打を放った。カウント1―0から阪神・西勇の外角スライダーをうまくはじき返した。先発起用に応えた一打だ。同じ左翼を守ることの多い青木宣親外野手(40)ではなく、今季自己最多の118試合に出場した山崎が先発オーダーに。プロ7年目の背番号31が期待に応えて勝負強さをみせた。

◆巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(48)がBSフジでスペシャルゲストとして解説を務めた。この日、自宅のある米ニューヨークから駆け付け、飛行機の遅延や交通渋滞に巻き込まれた影響で試合開始には間に合わなかった。三回の阪神の攻撃時に「先ほど到着しました。遅くなり申し訳ございません」と放送席に姿をみせた。さっそく現役時代の自身と同じ背番号55を超える、56本塁打をマークしたヤクルト・村上について「まだ5年目の選手。素晴らしいですね。しかも三冠王。今までいなかったスケールの選手ですね」と語った。また、ヤクルトOBの古田敦也氏と解説で〝初共演〟を果たし、「(捕手として)打席は何度も見ていました」と声をかけられると、「いじめられましたね」と苦笑していた。

◆阪神先発の西勇輝投手(31)が序盤から失点を重ねた。一回にオスナの左翼3ランで先制されると、続く二回は2死三塁で山崎に中前打を浴びて4点目を献上。さらに三回はオスナの右中間二塁打をきっかけに1死三塁を招き、サンタナに中犠飛を打たれてリードを5点に広げられた。序盤3イニングは全て得点圏に走者を背負うなど、苦しい投球が続いている。

◆ヤクルト・小川泰弘投手(32)が二回の打席でバットを目線の高さに置く独特な構えのバントを披露。無死一塁から犠打で一走・長岡を二塁に進め、2番・山崎の適時打を呼び込んだ。小川は今季途中からバントのフォームを改造。目線の高さで構える独特のフォームはチームメートからモノマネされるなど、話題になっていた。本業の投球でも五回まで無失点と好投を続けており、伊藤投手コーチは「小川は初回から打たせて捕るピッチングが出来ている。引き続き小川らしく丁寧な投球を心掛け冷静に攻めていってほしい」とたたえた。

◆阪神・西勇輝投手(31)が先発し、4回5安打5失点で降板した。一回は1、2番から2死を奪ったが、山田、村上に対して内角、コーナーを厳しく突いて投げ込んだ結果、連続四球となり、続くオスナに左翼3ランを浴びて先制点を献上。二回も2死三塁で山崎に中前打を浴びて4点目を与え、五回は1死三塁でサンタナの中犠飛でリードを5点に広げられた。四回は9番・小川から始まる打順を3者連続三振に抑えたが、ベンチは五回のマウンドにケラーを送り出した。今季、西勇はレギュラーシーズンでヤクルトに対し、3度対戦して1勝1敗、防御率0・86と好相性を誇っていたが、悔しい結果になった。

◆阪神・桐敷拓馬投手(23)が12日、1軍本隊に合流した。出場選手登録はされず、キャッチボールやダッシュなどで調整を行った。桐敷は1年目の今季、1軍では登板7試合で0勝3敗、防御率5・02に終わった。ウエスタンでは13試合で6勝1敗、1セーブ、防御率0・72と抜群の安定感を誇った。8日の楽天とのファーム日本選手権(サンマリン宮崎)でも先発マウンドを託され2回?を投げ6安打5失点だったが、貴重な左腕として大舞台での躍動が期待される。

◆阪神が六回に1点を返した。5点を追い、ベンチは坂本への代打として梅野を起用。初球の143㌔直球をとらえて右中間を破る二塁打で出塁し、代打・ロドリゲスの二ゴロで進塁し、初めて三塁に走者を置いた。2死後に2番・島田が高めの145㌔直球をコンパクトなスイングで中前に打ち返し、打球は前進する中堅・塩見の前で弾み、梅野がホームを踏んだ。島田はクライマックスシリーズ・ファーストステージでは途中出場だったが、このファイナルステージ初戦でスタメン出場。第1打席でも左前打を放ち、起用に応えた。

◆ヤクルトはドミンゴ・サンタナ外野手(30)が5-1の六回に2ランを放ち、阪神を突き放した。1点を返された直後の六回に先頭の中村が右前打で出塁すると、サンタナは代わったばかりの加治屋からバックスリーンを越える特大の2ランでリードを広げた。ヤクルトは一回にオスナが先制3ランを放っており、両外国人のアーチ共演で試合の主導権を握った。

◆阪神・加治屋蓮投手(30)が痛恨の一発を浴びた。1―5の六回に3番手で登板したが、先頭・中村に右前打で出塁されると、続くサンタナへの初球の148㌔直球は真ん中付近に甘く入った。打球は大きな放物線を描き、軽々と中堅フェンスをオーバー。点差はこの日最大の6点に広がった。先発の西勇は三回までに5点を失ったが、四回は三者連続三振に抑え、五回は2番手のケラーが中軸をクリーンアップ相手にを三者凡退斬り。六回の攻撃では島田の中前適時打で1点を返し、反撃ムードが漂い始めていただけに、痛い被弾となってしまった。

◆なんとしても与えたくなかった先制点を献上してしまった。阪神先発の西勇輝投手(31)の表情から余裕が消えた。CSファイナルステージの第1戦を任された先発の柱が、ヤクルト打線に飲み込まれた。「盛り上がった中で投げる。流れをいい流れに変えたい」登板前日にそう意気込んでいたが、チーム一丸でファーストステージを突破した好循環に乗ることができなかった。一回、2個のアウトをテンポよく奪ったが、クリーンアップを迎えたところから慎重になり、歯車が狂い始めた。山田に四球を与えると、4番・村上にもフルカウントから粘られた末に四球を出して一、二塁。オスナには外角に3球続けた直後、内角のシュートを狙い打ちされ、左翼席に運ばれた。二回にも2死三塁で山崎に中前適時打を許し、4点差とされた。今季は23試合に先発し、9勝9敗、防御率は青柳に次ぐセ・リーグ2位の2・18とチームを支えた。さらにヤクルトに対し、3試合で1勝1敗ながら同0・86と好相性だったことも買われ、ファイナルステージ初戦のマウンドを託された。今季限りでの退任を表明している矢野監督も「ファイナルの頭にふさわしい」と信頼して送り出したが、序盤に主導権を明け渡してしまった。プロ14年間で通算110勝。CSでは過去4試合で登板した経験がある右腕は「自然体でいくことが一番大事。シーズンの中の1試合という思い込みでいこうかな」と話していたが、毎回走者を背負う苦しい投球が続いた。ポストシーズンの独特な雰囲気に加え、西勇にはブランクがあった。9月17日の巨人戦(東京ドーム)で先発して以降、実戦での登板はなく、10月5日にシート打撃で投げたのみ。中24日と間隔が空いたことも影響したのか、立ち上がりから球数を要した。三回には自ら左前打を放って意地を見せたが、その裏にはサンタナの犠飛でさらに1点を失い、4回80球、5安打5失点で降板。打線と救援陣に試合を託し、勝利を信じてベンチで味方を鼓舞した。

◆阪神の七回、2死一、二塁の好機で打席に立った代打・梅野に向け、球場の阪神ファンがチャンステーマを合唱する場面が見られた。横浜スタジアムで行われたファーストステージでも左翼席の虎党が盛り上がり、一部でコロナ下の観戦ルールで禁じられている応援歌「六甲おろし」の合唱が起きた。この日も場内アナウンスを務める女性が「声を出しての応援は禁止です。応援ルールを守って正しく観戦しましょう」と呼びかけていた。

◆ヤクルト・小川泰弘投手(32)が6回?を投げて6安打1失点の好投をみせた。「すごくいい緊張感をもってマウンドにあがることができた。大事な初戦なので主導権を握れるように初回から飛ばして投げました。最少失点で投げることができましたし、試合はつくれたかなと思います」強気に攻めて打たせて取る投球。直球を両コースに投げ分け、先制点をもらったあとの二回は先頭で大山に二塁打を浴びたが、原口を13球ねばられた末に空振り三振、佐藤輝を中飛、糸原を右飛に抑え込んだ。六回に島田の中前適時打で1点を返されたが、追加点は許さず。燕のエースが大事な初戦で力を発揮した。

◆試合開始と同時に降り始めた雨を切り裂いた。ヤクルト・オスナが一回2死一、二塁で左翼席中段へ、先制の3ラン。おなじみの手でハートを胸の付近でつくる〝オスナポーズ〟で喜んだ。「短期決戦で先に先制してチームに勢いをつけたかった。一発で仕留めることができた」2死から山田、村上がフルカウントまで持ち込み四球を選んで巡ってきた好機。カウント2―1から阪神・西勇の内角138キロシュートを捉え、先制パンチを見舞った。来日2年目となった今季は138試合に出場し、打率・272、20本塁打、74打点。けがや新型コロナウイルスでの離脱もなく1年間フルで出場し続けた。「CS突破、日本一連覇ができるように自分だけじゃなくてチームで戦っていきたい」と助っ人は〝ワンチーム〟を掲げている。チーム一丸となって戦う―。その姿勢は高津監督の考えを体現したものでもある。練習前には選手、コーチ、スタッフ陣を集め指揮官が訓示を述べた。昨季は「絶対大丈夫」とシーズン途中に鼓舞して日本一をもぎ取ったように、今年も新たな〝魔法の言葉〟を授けた青空ミーティング。試合前の声出しでは塩見が「みんなで燃えていこう。どんどん前のめりになってやっていこう」と声を上げた。家族のような存在でもあるチームスワローズの結束。球団初の2年連続日本一へ、一丸で扉をこじ開ける。(森祥太郎)

◆阪神は序盤からヤクルトに主導権を握られ、敗れた。先発・西勇が一回にオスナに左翼への先制3ランを浴びると、二、三回も1点ずつ失い、序盤3回を終えて5点ビハインドの展開となった。六回に島田の中前適時打で1点を返して4点差としたが、直後に3番手・加治屋がサンタナに中堅への特大2ランを浴び、反撃ムードもしぼんだ。ファイナルステージではレギュラーシーズン優勝のヤクルトに1勝のアドバンテージが与えられるため、下剋上での日本一を目指す阪神にとっては2歩リードを許すこととなる、痛い1敗を喫した。

◆巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(48)がBSフジでスペシャルゲストとして解説を務めた。松井氏とともにヤクルトOBの古田敦也氏(57)、五十嵐亮太氏(43)が解説を務めた。松井氏は1993年の1年目にヤクルトの高津監督と古田氏のバッテリーからプロ1号本塁打を放ち、日本で最後の本塁打となった2002年10月のシーズン50号は五十嵐氏から放ったということもあり、松井氏は「1号から50号まで、縁のある人がいますね」と笑った。

◆巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(48)がBSフジでスペシャルゲストとして解説を務め、初戦を制し、アドバンテージを含めて2勝としたヤクルトについて「(CSが)始まる前からスワローズ有利ですけど、勝ったことで圧倒的有利になりました」と語った。初戦を落とした阪神について「逆転するには早いうちに勝たなくてはいけない。ファーストステージに勝って勢いあって乗り込んできている。明日、あさってでタイガースに勢いを戻すような戦いをしてほしいと思います」と奮起を求めた。

◆試合開始と同時に降り始めた雨を切り裂いた。ヤクルト・オスナが一回2死一、二塁で左翼席中段へ先制の3ラン。おなじみの手でハートを胸の付近でつくる〝オスナポーズ〟で喜んだ。以下、お立ち台に上がったオスナの一問一答。--いまどんな気分?「とても気持ちいい勝利でした。チーム一丸となって、すごいいい勝利でした。小川さんのピッチングが素晴らしかったんで。とても気持ちいいです」--第1打席、最初のチャンスで回ってきた「しっかり甘い球を待って、インコースの真っすぐが来たんですけど、なんとか反応で打てて、それがホームランとなったので、とても良かったです」--感触は「感触はとてもよかったです。打った瞬間に確信したんですけど、ちゃんとレフトが止まった時に『これは越えたな』って思いました」--(先発の)小川投手のピッチングは「小川投手のプラン通りのピッチングができたと思います。しっかり抑えて、それが結果につながってます。1年間ローテを守っていたうちのエースなので、とても楽しいです」--ファンにメッセージを「ファンの皆さん、いつも応援ありがとうございます。明日からの試合も見に来てください。チーム全力で勝ちに行きます」

◆ヤクルト・小川泰弘投手(32)が6回2/3を投げて6安打1失点の好投をみせた。以下、お立ち台に上がった小川の一問一答。--大事な初戦を任された「ほっとしています」--どんなことを意識したか「序盤に心強い得点をしてくれたので、点を取った後、しっかり粘って流れをなんとか引き寄せられるようにという心がけで行きました」--七回途中104球の熱投「本当に飛ばしていって、なんとか流れを引き寄せたいっていう、そういう強気で攻め込めたと思いますし、最後は少しバテてしまいましたけど、なんとか試合を作れてよかったです」--後を受けた中継ぎや、野手も奮闘「本当に団結して、全員が力を出し切ってますし。ファンの皆さんの声援もすごく心強くて、後押しされてます。また明日も頑張りたいと思います」--ファンにメッセージを「ファンの皆さん、いつも応援ありがとうございます。チームは本当にいい勢いで、スタートできたと思います。また、気持ちを切り替えて、引き締めて、また頑張っていきたいと思います。明日も応援よろしくお願いします」

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は12日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)が開幕し、セはレギュラーシーズン2連覇のヤクルトが3位から勝ち上がった阪神に7―1で快勝してリーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて2勝とした。ヤクルトは一回にオスナの3ランで先制し、その後も小刻みに加点。小川が七回途中1失点と好投した。第2戦の先発は、セがサイスニード(ヤクルト)と藤浪(阪神)と発表された。アドバンテージを含めて先に4勝したチームが22日にセの球団の本拠地で開幕する日本シリーズへ進む。阪神・矢野監督「俺らは四つ勝つ必要があって、それをやるだけ。何も変わらない。(二回無死二塁を生かせず)そこで取りたかったし、(小川を)投げやすい状態にしてしまった」

◆ヤクルトの村上は2打数無安打だったが、2四球で出塁した。一回2死から山田が四球で出ると、主砲も粘って見極め、好機を広げた。直後にオスナが先制3ランを放った。高津監督は「3、4番の選球眼と、一発で仕留めた5番。非常にいい一回だった」と目を細めた。

◆3点を先制された直後の二回だ。先頭で打席に立った4番大山悠輔内野手(27)が、三塁線を破る二塁打。CS4試合目&12打席目で待望の初安打だった。「負けたら終わり。(試合の)入りから全力で頑張りたい」CS直前の6日の甲子園での全体練習後にこう語っていた。DeNAとのファーストステージ(横浜)3試合は9打数無安打(2四球)と結果を残せなかった。打線も計5得点しか奪えず、投手陣の頑張りでファイナルステージに進出。4番として責任を痛感していた。チームは横浜から1日の休養をはさんで神宮へ。大山は、その第1打席で快音を響かせて無死二塁と反撃ムードをつくるも、後続が打ち取られて得点できず。序盤は走者を出しても拙攻の繰り返しだった。一回1死から島田が左前打を放つも、近本が外角高めの直球を引っかけて二ゴロ併殺。0-4の三回には1死から西勇が左前打を放つも、中野は三ゴロ併殺とDeNA戦で打撃好調だった俊足コンビがブレーキとなった。5点を追う六回2死三塁から島田の中前適時打で、ようやく1点をかえしたが、一気にたたみかけられず、その後も失点を許し、大事な初戦を落とした。

◆ヤクルトが初戦で快勝し、アドバンテージの1勝を含めて対戦成績を2勝とした。先発の小川泰弘投手(32)が七回途中1失点と好投。打線は阪神の9安打を下回る7安打だったが、無駄のない攻撃で勝利を呼び込んだ。高津臣吾監督(53)の主なコメントとは以下の通り。――CS初戦を勝利で飾った「小川のピッチングだと思います。もちろん先制点も大きかったと思いますけど、バッテリーを中心によく守ったと思いますし、ヒットは打たれるんですけど、フォアボールを最後は出しましたけど、なかなか出さないで、無駄なランナーも出さずに、しっかり攻めたいいピッチングだったと思います」――エースの好投でチームに勢いがつく「言葉はあれかもしれないですけど、勝てばいいと思っているので、しかも、それぞれのバッターにいい当たりだったりね、小川がこうやって投げ勝つというかね。投げて勝つという勝ち方は初戦にしてはすごくよかったと思います」――救援陣も小刻みに「いろいろなパターンというか、継投も考えながらやったんですけど、いい展開になったんでね。しっかり逃げ切ろうと思いました」――オスナの先制弾「2アウトランナーなしからフォアボール2つとホームランで3点取ったわけですから、やっぱり3番、4番の選球眼とそれを一発で仕留めた5番バッターと非常にいい初回でしたね。その後の山崎のタイムリーとか、サンタナの犠飛とかそういういろんな形で点が取れたのは、非常にいい引き続きの二回、三回だったと思います」――サンタナも復調「彼が7番にいる意味がすごく大きくて、その間にいる中村が出塁したり、進塁打を打ったりね、いろいろなことをしながら得点に絡める。3人の状態がすごくよければ、いろんなところから点が取れると思っています」――試合前にミーティング。内容は「中身はチームだけのものなのでいいんですよ(笑)」――塩見の締め「いやいや、いつも通り、いい締めでしたよ。全く打席では締まらなかったですけど。明日頑張ってくれると思います」――試合前の円陣でも声出し「まあ、もうお約束ですよね」――初戦で白星「もちろんよかったなと思いますけども、やっぱりすごく難しいなと思いながらゲームを見ていました。継投にしても、準備の仕方にしても、この先の6連戦ととらえて、同じ相手と6試合やるということを考えると、すごく難しいゲームだなと思ってみていました。その初戦を取れたというのは非常に良かったと思いますし、きょうはよかったなと思うだけで、また明日のね、準備はしっかりしたいなと思いますね」

◆現役時代は南海、西武に所属し、引退後は西武、ダイエー、阪神の3球団でヘッドコーチを務めたサンケイスポーツ専属評論家・黒田正宏氏(74)は先発の西勇輝投手(31)の乱調を指摘しつつ、八回の二走ジェフリー・マルテ内野手(31)の本塁憤死に疑問を呈した。ヤクルトに相性の良かった西勇の思わぬ乱調に尽きる試合になってしまった。阪神にとっても、一回の3失点はあまりにも痛かった。立ち上がり、2死まではスンナリだったが山田、村上に連続四球。慎重になるのは仕方がないが慎重になり過ぎた感じ。その過程でも球が高いなと感じた。そして迎えたオスナ。カウント2-0から外角スライダーに対し、ピクリとも動かなかった。ということは内角狙い、という予測は容易にできた。おそらく捕手・坂本も見抜いたはず。あえて内角シュートを要求したのは西勇の制球を信じたからこそ。もっと打者に食い込む球を期待したのだろうが、甘く入ってしまっては、その球を待っている中軸打者は見逃してくれない。結局、ゴロを打たせてアウトを重ねる西勇が四回まで打者20人に対し、内野ゴロは1つだけ(犠牲バントは除く)。いかに高めに浮いていたかが分かる結果だ。阪神にはリーグ屈指の救援陣が控えているが、先発投手がある程度のイニングを僅差で投げてこそ、力が発揮される。いきなり大量のビハインドの展開になれば投入するのが難しい。この試合で、もっと早く西勇の交代を主張する声もあるようだが、4、5点のビハインドで浜地や岩貞を投入できるか? それはNOだ。まして短期決戦というものの、実際は6連戦。日本シリーズのような移動日はない。先発投手の交代機はシーズン中の6連戦と似た起用になると思う。攻撃面で惜しまれるのは八回。近本の左前打で二走マルテが本塁で憤死した。足の状態が思わしくないマルテをなぜ、強引に突っ込ませたのか。目先の1点より、どうやって6点差を縮めていくかを考える場面。大山、原口につながる打順だっただけに、もったいなかった。初戦を落としたのは痛いが、まだ始まったばかり。先述したようにポイントはやはり先発投手だ。2戦目の藤浪への期待は大きい。

◆阪神は相手を上回る9安打を放っても流れが悪く、1得点に終わった。3点を先制された直後の二回は先頭大山が今CS初安打の二塁打を放った。続く原口は粘ったものの13球目をスイングしたと判定されて三振。後続も倒れた。井上ヘッドコーチは「何が最善か考えながらやるが、考えた上で点が取れないこともある」とかばった。収穫もあった。今CS初先発の島田がチームでただ一人、複数安打と気を吐いた。六回は2死三塁で中前へ適時打。「何とかしてやろうという気持ちしかなかった。あすにつながる一本だったと思う」と前を向いた。島本(八回に登板し、1回無失点)「リズムよく、攻撃につながるような投球をしたいと思っていた」

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は12日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)が開幕し、セはリーグ2連覇のヤクルトがレギュラーシーズン3位から勝ち上がった阪神に7―1で快勝し、パは2年連続リーグ覇者のオリックスが2位のソフトバンクを5―0で下した。ともにリーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて2勝とした。ヤクルトは一回にオスナの3ランで先制し、二回に山崎の適時打とその後も着実に加点。小川が七回途中まで1失点と好投した。オリックスは山本が8回5安打無失点と快投。打線は四回に杉本の押し出し四球で先制し、五回に二つの押し出し四球と杉本の適時打で3点を加え、突き放した。第2戦の先発はセがサイスニード(ヤクルト)と藤浪(阪神)、パは宮城(オリックス)と板東(ソフトバンク)と発表された。アドバンテージを含めて先に4勝したチームが22日にセの球団の本拠地で開幕する日本シリーズへ進む。ヤクルト・高津臣吾監督(広島工高の後輩の新井氏が広島の監督に就任し)「動画で(会見は)見た。大後輩の新井さんですから。ライバルチームなので、今は何ともコメントしづらいが、そのうちちょっとお話でもと思う」

◆攻守で期待に応えた。ヤクルトは「2番・左翼」で出場した山崎が3点リードの二回2死三塁で追撃の中前適時打。序盤で流れを引き寄せる貴重な一打に「とにかくコンパクトにランナーをかえすことだけを考えて打ちました」と声を弾ませた。守備では八回2死二塁で近本が放った左前打を見事に本塁で刺し、反撃の芽を摘んだ。

◆ヤクルトは小刻みな継投で逃げ切った。高津監督は6点リードの七回2死一、二塁で先発の小川から石山に交代。梅野を空振り三振に抑えてピンチを脱すると、続く八回には先頭の代打・マルテに二塁打を浴びたところですぐ左腕・田口に代えて相手の反撃ムードを断った。指揮官は「信用してここは石山、田口だと思って送り込んだ。いい展開になったのでしっかり逃げ切ろうと思った」とうなずいた。

◆ヤクルトが初戦で快勝し、アドバンテージの1勝を含めて対戦成績を2勝とした。データBOXは以下の通り。?ヤクルトが対戦成績を2勝0敗とした。日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗となったケースは過去26度のうち、日本シリーズ進出が25度、突破率は96・2%。敗退したのは2017年の広島だけ。?オスナ、サンタナが本塁打。プレーオフ、CSで外国人選手によるアベック本塁打は17年ファイナルステージ(S)第1戦の楽天・アマダーとウィーラー以来5年ぶり7度目。ヤクルトではCSでチーム1試合複数本塁打をマークしたことが初めてとなった。?プレーオフ、CSでチーム7得点以上を挙げたのは、今季ファーストS第2戦のソフトバンク(○8-2西武)以来。セでは19年ファイナルS第3戦の阪神(○7-6巨人)以来3年ぶり。ヤクルトでは昨季ファイナルS第2戦の5点(対巨人、無失点勝利)を上回るCS1試合最多得点。

◆プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)は12日、セ、パ両リーグのファイナルステージ(6試合制)が開幕。『2022 JERA クライマックスシリーズ セ』はリーグ2連覇のヤクルトが3位から勝ち上がった阪神に7―1で快勝した。一回にホセ・オスナ内野手(29)が先制3ラン、六回にドミンゴ・サンタナ外野手(30)が2ラン。投打がかみ合い、リーグ優勝による1勝のアドバンテージを加えて2勝とし、日本シリーズ進出に前進した。プレーボールとともに神宮球場に降り出した霧雨を強烈な一撃が切り裂いた。一回2死一、二塁。オスナが左翼席へ先制3ラン。CSファイナルの初戦で号砲を鳴らした。「チーム一丸となって、すごく良い勝利をすることができた。短期決戦で先制してチームに勢いをつけたかった。(本塁打は)感触がよくて、打った瞬間に確信しました」2死から山田、村上がフルカウントから連続四球を選んで巡ってきた好機。阪神先発、西勇が投じた138キロの内角シュートを完璧に捉えた。二回は山崎の適時打、三回はサンタナの犠飛で追加点を挙げ、5-1となった六回だ。今度はサンタナがバックスクリーンへ駄目押しの2ラン。助っ人コンビのアベック弾で相手に一度も流れを渡すことなく、CS7度目の進出で球団最多の7得点を挙げた。CSファーストステージを勝ち上がった阪神の勢いを止める快勝。3番・山田、4番・村上は無安打に終わったが、ともに2四球でつなぎ、その後ろを担う役者たちが持ち味を発揮した。6番・中村も2安打と結果を残し、高津監督は「3、4番の選球眼とそれを一発で仕留めた5番打者と、非常にいい初回だった。その後もいろんな形で点が取れた」と目を細めた。勝利の儀式が道を切り開いた。この日の練習前に高津監督は選手、コーチ、スタッフ陣を外野に集めて青空ミーティングを開いた。昨秋のCS前も同じようにミーティングを行っている。1990年代に守護神として何度も大舞台を経験した指揮官は「シーズンで、できていたことができなかったり、できなかったことができたり。そういうことが起きるのが短期決戦だ」と説いた。塩見は試合前に円陣で「気持ちを前面に出して、みんなで燃えていこう。どんどん前のめりになってやっていこう!!」と声を張り上げた。家族のような結束力がスワローズの持ち味。一丸となって初戦を制した。「同じ相手と6試合やるということを考えると、すごく難しい試合になる。その初戦を取れたというのは非常に良かった」と高津監督はうなずいた。アドバンテージの1勝を含めて2勝0敗。日本シリーズ進出の確率は96・2%だ。目指すは2年連続の日本一。ナインが歓喜のハイタッチを交わした試合終了時、神宮に澄み切った夜空が広がった。(森祥太郎)3打点。1点を返された直後の六回には2ランを放ったヤクルト・サンタナ 「(失点後)すぐに取り返したかった。完璧に打つことができた」

◆エースで勝った!! ヤクルト・小川泰弘投手(32)が6回?を6安打1失点と好投し、クライマックスシリーズ(CS)では2015年以来、7年ぶりの勝利をつかんだ。登板前から宣言していた直球主体の「攻める投球」を体現。今季は中盤に不調で苦しんだが、見事に復活し、〝CS開幕投手〟の大役を果たした。万雷の拍手を一身に浴びた。小川が七回途中まで1失点の好投。エースとしてCS初戦を勝利に導いた。「ホッとしています。強気で攻められたと思いますし、何とか試合を作れて良かったです」マウンドに上がる前から掲げていた「攻めの投球」を体現した。軸になったのは「やっぱり投手はストレート」と最速146キロの直球で押し込んだ。4点をリードした直後の三回1死一塁。投手の西勇に左前打を許す嫌な流れだったが、中野を三ゴロ併殺打に打ち取ったのも伸びのある内角直球だった。攻めの姿勢を貫き、2015年以来7年ぶりのCS勝利。CSファーストステージを勝ち上がり勢いに乗る阪神打線に真っ向勝負を挑んだ。エースとは―。小川は「ここは落とせないぞ、という試合で自分の力を発揮して勝ちを持ってこられる投手じゃないかな」と答える。まさに、言葉通り。重要な一戦で大仕事を果たした。今季は山あり谷ありだった。6月に月間MVP賞を受賞したが、7月から約2カ月間も勝ち星なし。SNS上に並ぶ批判的なコメントが目に飛び込んだ。「気持ちが沈んだときはもちろんある」とモチベーションを保つのも容易ではなかったが「元気でいようとは思った。終わったことや過去に縛られて今が台無しになるのは嫌だから」と下は向かなかった。ある試合が右腕の心を晴れやかにした。8月27日のDeNA戦(横浜)だ。打線の大量援護もあり6回3失点で約2カ月ぶりの勝利を手にした。決して満足いく投球ではなかったが、勝てたことがうれしかった。「ずっと曇っていたものがパーっと晴れるというか、諦めのようなマインドになってしまいそうだったけど、勝ちがついてきて乗れた」。苦しみながらも、前に進んだからこそ見えた一筋の光。スタンドのファンに手を振るエースの背中が、ひと際大きく見えた。(赤尾裕希)■データBOX ヤクルト・小川がCSで勝利投手となったのは、2015年ファイナルステージ(S)第2戦(8回無失点)以来、7年ぶり2勝目。プレーオフ、CSでの7年ぶり勝利は、上原浩治の10年ぶり(巨人、08年第2S第2戦→18年ファーストS第1戦)に次ぐ、村田兆治(ロッテ、1974年第3戦→81年第4戦)、涌井秀章(西武=08年第2S第5戦→ロッテ=15年ファーストS第3戦)と並ぶ2番目に長いブランクとなった。

◆きょうこそ勝つ! いや、勝って! 「2022 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」は12日、ファイナルステージが開幕し、レギュラーシーズン3位の阪神はリーグ2連覇のヤクルトに1―7で敗れた。ヤクルトに1勝のアドバンテージがあるため、あと1敗すれば崖っぷち。矢野燿大監督(53)は「4つ勝つ必要があって、それをやるだけ」と改めて覚悟を口にした。壮大な予告編からの、興ざめするオープニングだった。全幅の信頼を寄せて初戦マウンドに送り出した西勇が三回までに5失点し、反撃ムードも厳しい判定にそがれて、完敗発進だ。ドラマのバットエンドが頭をよぎりそうになる。それでも、ずっと追い詰められた立場に立ってきた矢野監督の言葉は、力強くシンプルだった。「俺らは4つ勝つ必要があって、それをやるだけ。何も変わらない」劇的にDeNAとのファーストステージを勝ち抜いて、指揮最終年の最後の最後に「最高のドラマ」を作るとファンに誓って乗り込んだ神宮だった。舞台は整い、あらゆる手を尽くして挑んだつもりだったが、幕が上がるやいなや、あっけなく主導権を握られた。一回、軽快に2死を奪った西勇がつかまった。慎重を期して攻めた結果とはいえ、四球、四球、ガツンでは悔しすぎた。山田、村上を歩かせて、5番・オスナに先制3ランを被弾。今季のヤクルト戦の防御率0・86で、満を持してファイナルステージへ回り、主演俳優となってくれるはずだったベテラン右腕が、痛い痛い「3」をスコアボードに刻まれてしまった。はね返そうとはした。今季の虎は、ヤクルト戦トータルでは11勝13敗1分けと負け越したが、神宮球場では7勝5敗と分があった。実際に、横浜の3戦では9打数無安打だった4番・大山にも、3-0の二回先頭でいきなり左翼線二塁打が出た。この回にわずかでも反撃できればと、誰もが思ったが、その望みもすぐに断ち切られた-。無死二塁で打席に立った5番・原口が、安打にならないのなら進塁打、進塁打にならないならファウルを、あわよくば四球をと、粘りに粘った。5連続を含む8つのファウルを打ち、13球目。外角低めボールゾーンへのフォークにバットは止まったと見えたが、一塁塁審にスイングを取られた。普段、温厚な原口が思わず、不服そうに声を荒らげるほどの微妙な判定だった。好機は膨らまず、その後の佐藤輝、糸原は合わせて2球で凡退した。流れが変わった。西勇はそのまま飲み込まれ、4回5失点。何を言っても結果は変わらないが、最高の結末を目指すはずのドラマが、低調な〝第1話〟となってしまった。矢野監督も「(二回無死二塁の)そこで取りたかったし、(小川を)投げやすい状態にしてしまった」と悔しさをかみ殺す。アドバンテージの1勝も含め、これで0勝2敗。あと1敗で崖っぷちとなる。立ち上がるしかない。作り上げていくドラマの、困難に立たされたワンシーンであったと後で思うことができるように、勝ち抜くしかない。★白井球審が〝神フォロー〟? 無念の三振に倒れた後、原口が二回の一塁守備に就くとき、白井球審にポンポンと肩をたたかれるシーンがあった。白井球審といえば、4月24日のオリックス―ロッテ戦(京セラ)で佐々木朗に詰め寄って〝コワモテ〟のイメージが定着したが、原口への態度でネット上では「神フォロー」「好感度が上がった」と話題になり、ツイッターで「白井球審」がトレンド入りした。

◆CSファイナルステージでテレビ解説を務めた松井秀喜氏(元ヤンキースなど)が、阪神・佐藤輝について言及。まずは「力ありそうな体をしていますねえ」とコメント。ただ、この日は4打数無安打3三振。五回に低めに落ちるフォークボールを空振り三振した際には、球の見極めについて「慣れもありますが、打席の中で、頭の中を整理しないといけない。今の球は何回振っても当たらないので」と、技術よりも「考え方」を指摘していた。

◆ゴジラが〝神〟に熱視線だ。ヤクルト・村上宗隆内野手(22)の打撃をBSフジでテレビ解説を務めた松井秀喜氏(48)=巨人、ヤンキースなど=が初めて生でチェックした。「まだ5年目の選手。しかも三冠王。今までいなかったスケールの選手ですね」自宅のある米ニューヨークから神宮へ直行。航空機の遅延や交通渋滞の影響で三回から放送ブースに到着するや村上に賛辞を贈った。この日の村上は四球、中飛、空振り三振、四球の2打数無安打に終わったが「四球を2つ選んで彼なりの役割を果たせた。(第1打席は)先制3ランにつながっている」と評価した。5年目で日本選手最多の56本塁打、史上最年少で三冠王に輝いた打撃フォームは「打つときに思ったよりスタンスが広い。投手寄りに体がいくんじゃないかと思うけど、しっかり四球を選べる。彼にしかない特別な何かを持っていると思う」と分析。その上で「私は投手に対して、どこで動き出すかを常に意識していました」と始動の大切さも説いた。松井氏は16日の第5戦でも解説が予定されている。自身と同じ背番号55をつけた〝後輩〟に「僕なんかよりも全然、素晴らしい。頑張っていってほしい」とエールを送った。★古田氏、五十嵐氏と3人で 松井氏とともにヤクルトOBの古田敦也氏(57)、五十嵐亮太氏(43)がテレビ解説を務めた。松井氏は1993年の1年目に高津-古田のバッテリーからプロ初本塁打を放ち、日本で最後のアーチとなった2002年10月10日のシーズン50号は五十嵐から放ったということもあり、松井氏は「1号から50号まで、縁のある人がいますね」と笑顔だった。

◆若松 「オスナが最高の結果を出したね。シリーズ直前のサンケイスポーツの評論『ツバ目線』で、村上の後の打者がキーポイントになると指摘し、誰を5番にするのか注目していた。サンタナではなく、フル出場が見込めるオスナを据えたのだろう。ハマったよ」真中 「一回2死無走者から山田と村上がしっかり四球を選び、オスナがかえす。二回は小川の送りバントを挟んで山崎がタイムリー。三回もオスナの二塁打から内野ゴロとサンタナの犠飛で加点。それぞれが自分の役割を果たしました」若松 「それにしてもオスナの3ランは、シーズン中と違う打撃だった。外角低めのボール球を我慢。内角シュートをひと振りで仕留めた。狙い球を絞り切っていた」真中 「これで阪神は、簡単に村上を歩かせられなくなる。村上は絶好調といえませんが、ボールを追いかけず、甘い球を待つ、このスタイルでいいでしょう」若松 「試合間隔が空いたことで、実戦勘はどうかなとも思ったけど、心配するほどではなかった。得点のバリエーションはむしろ、シーズン中で最も勝っていたころに戻ったようだった」真中 「投手陣も上々。小川が落ち着いて先発の責任を果たし、リリーフ陣も惜しげもなく投入されました。第2戦以降も考えて、高津監督が締めるべきところを締めましたね」

◆最初は、機嫌が悪いのかと思っていました。「なあ、教えてくれ。どうしてこの球場は、プロよりアマチュアの野球が優先されるんだ?」質問の主は、1987年に阪神に加入したキーオです。5月15日、初めて乗り込んだ神宮球場でのヤクルト戦で7回2失点と力投。しかし、援護がなく、0-2で負け投手になっていました。当日は、昼間に東都大学野球が2カード入っていて、ヤクルトも阪神も試合前は室内練習場で調整。ただ、キーオはそれをぼやいたわけではありません。プロが試合で使用する球場で練習できないことを、純粋に不思議がっていたのです。神宮球場はヤクルト球団が所有する施設ではないこと。建設費の一部が東京六大学野球連盟から寄付され、できた当初から大学野球のメッカになっていること。当時は大学野球がプロ野球より人気があったことなどを、つたない英語で説明。納得したかどうかはともかく「ふ~ん」と、うなずいてはくれました。今回のCSファイナルステージの期間中は、開幕前日の11日が東都大学野球3試合。第1戦が行われた12日は、午前9時から東都1試合が行われ、ヤクルトも阪神も球場で練習して試合開始。13、14日はCSのみ。15、16日は午前11時から東京六大学野球2試合のあと、CS第4、第5戦が予定されています。近年は、大学側が早い時間から試合を組むなどして、プロ野球が球場で練習できるようになっていますが、かつてはキーオが不思議がったような状況がよくあったのです。大学の試合が押して、プロ野球のナイター開始が午後7時半を過ぎることもありました。これに同情していたのが、広島の高橋慶彦です。「ビジターはたまにだからまだいいけど、ヤクルトは大変だよ。その日の風向きとか、試合前に確認したいことも多い。本拠地でそれが十分にできないんだから。それを思ったらよくやっているよ、ここの選手は」そういう状況だったからこそでしょうか、ヤクルト勢の練習で印象に残っている話があります。2015年の8月末、阪神が夏のロードを終えて甲子園に戻ってきたときのヤクルト3連戦です。阪神の練習中、早出特打に来たヤクルト勢とすれ違った当時のトラ番が「どこのチームも、若手は早出するんだな」と思いながら顔ぶれを見て仰天しました。1人目がその時点で打率・339でリーグトップの川端(同年、首位打者)。2人目が33本塁打、打率・328の山田。3人目が5番の雄平だったからです。「この3人が遠征先で若手より先に出てくるのか? ヤクルトが強いわけだ」伝統は受け継がれているのでしょう。先輩の山田たちの姿を見て、村上もティー打撃だけで30分以上費やすなどしていると聞きます。優勝したヤクルトは、1週間以上実戦から遠ざかっていました。11日の前日練習は、神宮球場を使えていませんでした。セコい「虎ソナ」は、そういうところにも期待(?)していたのですが、そんなことお構いなしの試合っぷりです。負けていられません。ずっと遠征先だから、なんてことは言い訳にできません。2015年に優勝し、昨年と今季、連覇を果たしたヤクルトは、そうしたことを乗り越えてきたのですから。第6戦があれば、17日はCSだけです。阪神はずっと球場で試合前の練習ができます。意地をみせましょう。

◆第1戦に大敗して、相手へのアドバンテージも入れると「●●」。黒星が2つ並んだのに、なぜかホッとしている自分がいて...。できることなら第2戦も負けて、もう後がないところまでいってほしい...。そこから大逆転の4連勝で日本シリーズ切符を虎の手に!そーでもないと、ペナントレースで借金を抱えたチームが、V2&日本選手最多本塁打の〝村神様〟を差し置いて、日本一を争う舞台に駒を進めるなんて、おこがましいの極みである!!と、冷静にオレの脳みそがつぶやいているのだ。でも「知るかー! ルールはルールやろ!! 大借金した大貧乏人が、逆転人生で大成功したらみんな感動するやんけー!!」と脳を抑えつけて心が叫ぶんです!! う~ん、俺はどーしたらええんや?結果は神のみぞ知る!! 猛虎が必死に野球をやってくれたら文句は言わん!! でも、二回に原口の完全に止まっているのにハーフスイングを取った審判と、スタメンにも顔を出さない外国人を取ったフロントと、八回の次が4番なのに足に不安のあるマルテを本塁に走らせ、アウトにしたプレーには一生文句言ったるわ...。

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