ソフトバンク(☆8対2★)西武 =クライマックスシリーズ2回戦(2022.10.09)・福岡PayPayドーム=
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西武
0000100012601
ソフトバンク
00410021X81111
勝利投手:東浜 巨(1勝0敗0S)
敗戦投手:今井 達也(0勝1敗0S)

本塁打
【西武】山川 穂高(1号・9回表ソロ)
【ソフトバンク】柳田 悠岐(2号・3回裏満塁)

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◆ソフトバンクが連勝でファイナルステージ進出を決めた。ソフトバンクは3回裏、柳田のグランドスラムで先制する。続く4回には甲斐が適時打を放つなど、その後も着実に得点を重ねた。投げては、先発・東浜が5回1失点。以降は4投手の継投でリードを守った。敗れた西武は、投打ともに振るわなかった。

◆背水の西武が逆襲を仕掛ける。前日の第1戦に敗れ、崖っぷちに立たされた。それでも平石洋介打撃コーチは「もはや引き分けも許されない状況ですが、シンプルにあと2つ勝つだけです。選手だけではなく、監督以下全員が一丸となって、もう腹をくくるしかありません」と力強く語った。ソフトバンク先発の東浜には、ペイペイドームで3戦3敗。ノーヒットノーランの屈辱も味わった。「ベルーナドームでは1度(8月18日)やっつけましたが、ここペイペイドームではかなりやられています。でもそれは過去のこと。関係ありません」と一蹴。「とにかく、選手1人1人が勇気をもって立ち向かい、相手より1点でも多くとり、相手より1点でも少なく失点を抑える。ランナーは1つでも先の塁を狙う、守備では1つでも多くのアウトを狙っていく、というところです」と語気を強めた。19年には楽天の監督として、ソフトバンクの敵地でCSファーストステージを戦った。その経験を踏まえ「短期決戦は、普段の公式戦とは違う側面が多く、そのことはみんなが分かっています。僕自身も、2019年にイーグルスの監督として、ここ福岡に乗り込んできた経験があります。あの時は初戦を勝ちましたが、残り2つで敗退してしまいました。初戦を勝った方が有利というデータがあるのかもしれませんが、2019年はそうなりませんでしたからね。今日から2つ、勝ちます」と、必勝を誓った。

◆ソフトバンク柳田悠岐外野手(34)が"4戦連発"となる満塁本塁打を放った。0-0の3回2死満塁で、西武今井から右翼ホームランテラスにたたき込んだ。この日は34歳の誕生日。祝砲となる先制アーチを自らのバットで生みだした。役者だ。9月30日楽天戦の守備で首を痛めたが、弱音すら吐かずに出場中。10月2日には史上初めて首位と同率でのV逸を経験。「僕がもっと打っておけば優勝してたかな」と、主砲の責任感を語っていた。その鬱憤(うっぷん)を晴らすように、前日8日のファーストS第1戦から2戦連発、レギュラーシーズンを含めると、10月1日西武戦から4試合連続でのホームランだ。プレーオフ、CSでの満塁本塁打は、パ・リーグでは10本目。ソフトバンクでは11年の松中、18年のデスパイネに次ぐ3人目の快挙となった。「打ったのはスライダーです。とにかく自分のバッティングをすることだけを考えました。いいバッティングができたと思います。大事な先制の1本となって良かったです」。試合前時点で、柳田がポストシーズン(PS)で本塁打を放った10試合は負けなし。「不敗神話」となっている。貴重なグランドスラムで、ファイナルS進出に大きく近づいた。

◆レギュラーシーズン2位のソフトバンクが同3位の西武に連勝し、ファイナルステージ進出を決めた。これで19年のCSファーストS第2戦(楽天戦)からポストシーズン(PS)18連勝。「短期決戦の鬼」ソフトバンクが、リーグ王者オリックスへの挑戦権を得た。3回に柳田悠岐外野手(34)がレギュラーシーズンから"4戦連発"となるグランドスラム。0-0の2死満塁で、西武今井のスライダーを右翼ホームランテラスにたたき込んだ。この日は34歳の誕生日。祝砲となる先制アーチを自らのバットで生みだした。主砲のアーチで勢いづき、4回には甲斐拓也捕手(29)の右前適時打で加点。先発の東浜巨投手(32)も5回4安打1失点と試合を作った。ファイナルSは、12日から京セラドーム大阪で行われる。6試合制で、リーグ戦1位のオリックスと対戦。4勝した球団が日本シリーズへ進出する。なお、オリックスにはアドバンテージ(1勝)がある。柳田は10月9日が誕生日。ポストシーズンでのバースデーアーチは史上初めてだった。ちなみに、レギュラーシーズンで誕生日に満塁本塁打を打ったのは、09年6月7日ランビン(ロッテ)まで6人いる。

◆CSファーストステージ第2戦。王手をかけたパ・リーグ2位ソフトバンクと3位西武が対戦。先発はソフトバンクが東浜巨、西武は今井達也。ソフトバンクは3回柳田の満塁弾で先制。その後も甲斐の適時打2本など、着々と追加点を重ねる。2連勝でCSファーストステージを勝ち抜き、ファイナルステージ進出を決めた。西武は今井が3四死球を与えた直後に満塁弾を被弾。結果的にこの試合が辻監督の最終戦となった。

◆CSファーストステージでの敗退が決定した西武は辻発彦監督(63)の退任が決まった。試合後、奥村剛社長(55)が明らかにした。辻監督が率いて6年目の今季は、9月1日時点まで首位に立つなどV争いを展開。豊田、青木の両投手コーチらと4年連続防御率最下位だった投手陣を劇的に改善した。打線の調子が上がらない中で、首位を狙える位置につけた。主力の故障が相次ぎ、42年ぶりとなる最下位に沈んだ昨季からチームの立て直しに成功。しかし、9月に入って、7連敗を喫するなど失速し、リーグ制覇には届かなかった。辻監督は3年連続のBクラスだったチームの再建を託された16年オフに就任。昨季まで2度のリーグ優勝を含め6年間で5度のAクラス入りを果たした。今季は1年契約だった。後任は松井稼頭央ヘッドコーチ(46)が最有力となる。

◆ソフトバンクが西武に2連勝。ポストシーズン18連勝で、20年以来のファイナルS進出を決めた。藤本博史監督(58)の、試合後の一問一答は以下の通り。-柳田が満塁弾藤本監督 レギュラーシーズン最終2つのあたりからすごく状態が良かった。体は疲れてると思いますけど、キャプテンとしてチームを引っ張ってくれていると思います。-打線が効果的に8点藤本監督 10月2日の悔しい思いをこのCSにぶつけようと選手が一丸になってやってくれている。その成果が出ていると思います。-東浜が好投藤本監督 昨日の千賀といい、今日の東浜といい、しっかりゲームをつくってくれている。ベンチの雰囲気も明るいし声も出ている。ファイナルステージにいい形で入っていけると思います。-チームはポストシーズン18連勝藤本監督 歴代の監督がすごくいい監督だったんで、僕ごときがこれくらいの成績しか残せないということですごく反省はしています。やるからには次のステージも勝って、日本シリーズにいきたいと思います。-ファイナルSはオリックスと戦う藤本監督 オリックスは投手陣がすごくいいのでね。ホークスのいい打線をしっかり見せられるように全力で、一丸となって頑張っていきたいと思います。-2戦で突破藤本監督 柳田がよく打ってくれたですね。自分で自分の誕生日をお祝いしましたね。-満塁弾の前、周東の併殺崩れが効いた藤本監督 大きいよね。周東が2番に入った場合は終盤まで送りバントはしない。そういうことができるので、幅広い攻撃ができるんじゃないかなと思います。-4回に甲斐が打って追加点藤本監督 得点圏にいけば何かが起こると思って。柳町もエンドランを決めてくれたし。あそこで甲斐も、なかなかシーズンでは見られないヒットが今日2本も出たもんね。CS男かもわからないね。ひょっとしたら。-東浜は5回まで藤本監督 だいぶ飛ばしてましたから、疲れてましたよ。5回途中で、あと1人出したら(リリーフ)いくよというところまできていた。そこはしっかりと我慢して投げてくれたので、後は投手の交代はやりやすかったですね。-大関が好救援藤本監督 球が強いのでね。右打者、左打者関係なく使える。CS、日本シリーズに行ってもこういう使い方になると思います。-藤井を8回に起用藤本監督 前回、やられたまま終わっているのでね。1回投げさせたいというのがあったので投げさせました。泉も投げさせたかったんやけどね。泉の場合はもうちょっと、接戦のところで気持ちを高ぶらせたいというのもあるんでね。藤井は球自体は全然、問題ないので。引きずることもないしね。次の日も4連投させてくださいと言うくらい、気持ちも持った人間だから。とりあえず1試合投げさせて、準備運動ですね。-オリックスにやり返す藤本監督 なんとかね、山本くんが頭で来ると思うけど、泥臭く点を取って、ものにしたいですね。

◆西武が2連敗を喫し、敗退が決まった。先発今井が3回、前日の第1戦に続き、ソフトバンク柳田から1発を浴びた。痛恨の満塁弾で序盤に勝機を失った。今井は「昨日もホームランを打っている打者ですから、ランナーをためて回しててしまったことが悔やまれます。その前の(死球を与えた)牧原さんで、しっかり切るべきところでした」。打線は、相手先発東浜から5回に1点を奪うのがやっと。その東浜を5回限りで交代させ、4点をリードする6回から盤石の継投策に入った相手救援陣から追い上げるのは困難を極め、なすすべはなかった。辻監督就任後、CSはこれで8連敗。通算成績でも2勝12敗と、4度目のCSでも短期決戦を勝ちきることができなかった。

◆ソフトバンク東浜巨投手(32)が、自身10度目の登板でCS初勝利を挙げた。先発としては20年ファイナルS以来2年ぶり5度目で、5回を1失点。チームをファーストS突破へ導き「あんまり勝ってるイメージも抑えているイメージもなかった。ここで勝ちが付いたので、次にいい形で入れると思います」と笑顔を見せた。初回から飛ばした。1死から平沼を見逃し三振。森を空振り三振。2回先頭の山川も見逃し三振で、3者連続。「西武戦にシーズンでも多く投げている。配球やぼくの特徴を見直したときに、どうしても『シンカー』を待たれているところがあった」。シーズン中の決め球「シンカー」を序盤はほとんど使わず、イメージを逆手に取った直球勝負で押していった。5回は1死からの連打で1点を失ったが、2死三塁のピンチで平沼を打ち取って追加点を与えずに投げきった。「個人的には恥ずかしい降板だとは思っているんですけど、チームが勝つことを大前提に考えて。最少失点でいけるように、腕を振っていきました」。球数は86球。納得のいく内容ではなかったが、力を出し切ってピンチを断った。今季は千賀に次ぐ10勝を挙げ、先発陣を支えた。ポストシーズンでも中心の1人。次回はオリックスとのファイナルSに向かう。「(登板が)回ってくるものだと思って、しっかり調整していきたい」と先を見据えた。【山本大地】ソフトバンクが2連勝で1Sを突破。1S突破は06、12、16、18、19年に次いで6度目で、通算6度はロッテに並ぶ最多タイ。新人監督の1S突破は19年矢野監督(阪神)以来6人目で、無傷で突破は10年西村監督(ロッテ)に次いで2人目だ。また、プレーオフ、CSは19年1S<2>戦から10連勝で、日本シリーズを含むポストシーズンは18連勝。それぞれ自身が持つ連勝記録を更新した。○...藤井が涙のサヨナラ被弾から、再スタートを切った。6点リードの8回に登板し、1回を1安打無失点。「自分の投球をすることだけを心がけました。反省するべきところもあるので、修正して次の試合に臨みたい」。優勝マジック1で迎えた、1日西武戦では山川にサヨナラ2ランを食らっていた。それ以来の登板で好投。藤本監督も「藤井は球自体は全然、問題ない。引きずることもない」と話した。▽大関(6回に2番手で登板し、1回1/3を無失点)「勝っている状況での中継ぎ登板という経験があまりなかったので、緊張しましたが、持ち味を出すことができたと思います。大事な試合でチームの力になることができたし、チームが勝てたことが何よりうれしいです」

◆待ってろオリックス! ソフトバンクがCSファーストステージで西武に連勝し、ファイナルS進出を決めた。0-0の3回2死満塁で柳田悠岐外野手(34)が決勝のグランドスラム。34歳の誕生日に自ら祝砲をあげた。チームはポストシーズンの連勝記録を「18」に更新。12日からはオリックスが待つファイナルステージ。勢いそのままに、京セラドーム大阪に乗り込む。本当に首を痛めていたのか。そう疑いたくなる離れ業だった。0-0の3回2死満塁。西武今井の内角低めスライダーに柳田は体勢を崩す。持ち味のフルスイングではない。カット打ちのようなスイングで右翼テラスまで運んだ。「まぐれです。奇跡です。来た球に反応しました」。決勝のグランドスラム。ペイペイドームが揺れた。止まらない。レギュラーシーズンの10月1日西武戦から"4戦連発"。「『ダメでも』と思った感じでいきましたが、それがいい結果になりました」。「もう大丈夫です」と話すが、9月30日には守備中に首を負傷した。患部に湿布を貼りながらチームを引っ張る。不死身の主砲が勝負を決めた。この日は34歳の誕生日で、球場のスーパーボックスに家族を招待した。昨年9月には第3子となる次男が誕生。球場を離れれば3児の父になる。「思い出に残る誕生日になったと思います。帰ってケーキでも食べたいです」。大声援に包まれるかっこいいパパの姿を見せた。最高のバースデーアーチでファーストS突破を決めた。リベンジの舞台は整った。12日からは京セラドーム大阪で、リーグ王者オリックスとのファイナルSに挑む。今季は10勝15敗と大きく負け越し、さらに敵地のオリックス戦は3勝10敗と鬼門だった。優勝マジック「1」としながら、覇権もリーグ最終戦で宿敵に持っていかれた。そんな負のデータは、勢いで覆す。チームはポストシーズン(PS)で破竹の18連勝とし、柳田がPSで本塁打を放てば11戦11勝。「柳田神話」は継続中だ。「いいメンタルで野球ができている気がします」。ノリノリの柳田がいれば、難敵山本も"恐セラ"も怖くない。オリックスにやり返す時がきた。【只松憲】柳田が3回に満塁本塁打。プレーオフ、CSの満塁本塁打は18年1S<1>戦デスパイネ(ソフトバンク)以来13本目。4番で打ったのは、04年1S<3>戦カブレラ(西武)に次いで2人目となった。日本シリーズで4番の満塁本塁打は04年<3>戦カブレラだけで、ポストシーズン(PS)で満塁弾を打った日本人4番は柳田が初めてだ。PSでは通算11本塁打(CS8本、日本シリーズ3本)。PS通算11発は歴代10位タイで、プレーオフ、CSでの8本は歴代3位タイになる。○...柳田は、今季限りでソフトバンクを退団する松田のロッカーを使用していることを明かした。ペイペイドームのロッカールーム内で、端の方に位置しているという。「立地がいいです。いい立地。家賃は高いです」。独特な表現でベンチ裏の事情を明かし「(松田の)バットも使ってます。単純に振りやすいからです」と熱男魂を継承している。○...甲斐がタイムリー2本の大当たりだ。4点リードの4回2死二塁で、詰まりながら右前に運び「チャンスで絶対に追加点をという思いだけでした。大きい追加点を取ることができて良かったです」。8回にも中前へダメ押しの安打を放った。シーズン中は打率1割台と苦しんだが、この日は2安打2犠打と貢献。藤本監督も「CS男かもわからないね」と笑顔だった。▽周東(2番三塁で先発出場し2安打の活躍)「とにかく打席では自分のスイングを心かげていました。ファイナルステージでも結果で応えていきたいです」

◆西武辻発彦監督の今季限りでの退任が決まった。CSファーストステージ第2戦での敗戦後、奥村社長から発表された。会見に臨んだ辻監督は、晴れやかな表情で明るく努めながら「ワクワクもしたりドキドキもしたり、怒ったりいろいろ喜怒哀楽を出しましたけど、やっぱり野球は楽しいです。そういう意味ではちょっと寂しい気がしますけど」と気丈に振る舞った。17年から6シーズン指揮を執り、18、19年にリーグ連覇を果たした。2位1回、3位は2回で、Aクラスは5度。就任前年まで3年連続Bクラスだったチームを立て直した。「2度優勝できたのはいい思い出。苦労もあったが、いるメンバーで全力で戦おうとやってきた。いいチームにはなってきたが、まだまだだなという気持ちもある」。根っからの野球人はやり切った達成感と少しの未練を残し、6年間の監督生活に別れを告げた。

◆西武は2連敗でCSファーストステージでの敗退が決まった。今井が3回、ソフトバンク柳田から2戦連発となる痛恨の満塁弾を被弾。打線も2試合続けて糸口を見つけられなかった。最終回に4番山川がソロ本塁打を放ったが、遅かった。山川は「率直に、ソフトバンクは強かった。昨日も今日も、さすがギータさんと思わされました。僕もあのような選手にならなければと、そう思います」と誓った。プロ野球12球団 戦力外 退団 移籍 引退選手など/一覧

◆ソフトバンクが西武に2連勝。ポストシーズン18連勝で、20年以来のファイナルS進出を決めた。主将の柳田悠岐外野手(34)は誕生日に2戦連発となる決勝の満塁本塁打で、流れを引き寄せた。柳田はこれで、シーズン最終2戦と合わせ"4戦連発"。今季はなかなか状態が上がらなかったが、9月以降だけですでに10本目と本領を発揮し始めた。好調の裏にあるのが「熱男バット」だ。柳田は約1カ月前から、重さ880グラム、材質イエローバーチは変わらず、グリップのみ「松田モデル」に変更したものを新たに制作し、使用している。これまで柳田のグリップはオーソドックスなものだったが、松田が以前から使用していた、なだらかなタイカップ型にシフトした。柳田は「単純に振りやすい」と愛用。握りやすくなる代わりにヘッドがかえりにくくなると言われるグリップが、アーチ量産を後押ししているようだ。

◆西武辻発彦監督(63)が、今季限りで退任することが10日、決まった。2位ソフトバンクに2連敗を喫し、CSファーストステージで敗退。試合後に奥村球団社長から伝えられた。17年から6シーズン指揮を執り、18、19年のリーグ連覇に導き、2位1回、3位2回でBクラスは1度だけ。退任会見に臨んだ辻監督は、晴れやかな表情で、明るく努めながら気丈に振る舞った。以下一問一答。-今の気持ちは久々のCSに来て敵地でやって、所沢のファンの皆さんに必ず帰ってきますという言葉を残してきたけど、勝てなかったので残念で仕方ない。選手には話をしたけど、勝ち負けは結果がすべて。受け止めて悔しいのは悔しい。-監督生活6年間で印象に残っていることはこの年になって6年間もユニホームを着て、若い選手たちと一緒にグラウンドに立ててボール投げたりノックしたり。ワクワクもしたりドキドキもしたり、怒ったり、いろいろ喜怒哀楽を出したりしましたけど、やっぱり野球は楽しいです。そういう意味ではちょっと寂しい気はしますけど。-実績についていやいや。僕の実績というのは何ともない。そのときの選手たちが頑張ってくれた。選手たちが、いかにグラウンドで精いっぱい力を出せるように、雰囲気であったり場をつくることが仕事だと思っていた。そういう意味では6年間で2度優勝できたのはいい思い出。-心がけたこと名監督といわれる方々の下で野球をやってきて、いろんな経験をしましたけど、終わってみて辻は辻でしかなかったと思う。自分らしく、性格はこんなものですから。こんな接し方でしかできなかった、選手たちには。-主力を育てあげた育て上げたんじゃなくて、見ててあげただけ。伸び盛りの選手がいたということです。その時にFAだったり海外にいったり、抜けた苦労もあったが、いるメンバーで全力で戦おうという気持ちでやっていた。そういう意味ではいいチームにはなってきたが、まだまだだなという気持ちはある。-教えが浸透したそれは分からない。あらためて思うのは野球はやっぱり投手。守りがまずあっての強いチームづくり。入団した時から、そこまでの投手がもうひとつ経験がなかった。強力打線と言われましたけど、打ち勝つことの難しさですよね。今年みたいに打てなかった時に、やはり投手があれだけ頑張ればAクラスに入れる。優勝を争う期間もあったわけだから。これからも投手力とディフェンスがしっかりすれば戦えると。さっき選手の前でも話しました。-今季の投手陣の改善は今井や高橋、松本、特にこの3人だけは勝てなくても経験を積ませて、とにかく投げさせる。強いチームにいたらファームに落とされるんじゃないかという成績の時もありましたけど、そういう中でも投げてきたというのが、今年に生きてきたんだと思う。年々育ってきたのはうれしく思います。-やり残しやり残したことはきりないですよ。もちろん3位になってCSが決まったときに、あといくつ勝てばいいのかなと思って、10勝すれば日本一だと思って「十勝無敗」という焼酎を飲みましたけどだめでした(笑い)。-今後への期待6年間一緒にやったので、情というか、必ず見て応援すると思います。またこちゃこちゃやっているのか、とか。映像を見ながら思うかもしれませんが、今年投手力が成長したことがまず一番うれしいですし。そこから次は打線の方が成長して、練習をしっかりやって、それでいけばまた優勝狙えるチームになる。そういうところに期待して応援したい。-後任に期待はOBとして常勝軍団をつくってほしい。-自身の今後はまったく考えてない。さっき言われたばかりだから。考えられるわけがない。この年までユニホームをきてやらせていただいたことが本当に幸せでした。だからこれはね、来年ベンチでドキドキしながら采配を振ることはないですが、ワクワクドキドキすることを見つけないといけないのかなと思います。-指導者を育てる考えもあったか自分がコーチでやってるときに、監督の言葉であったり行動であったりを見ながら勉強したつもりでいました。いざ監督になってコーチ陣がね、僕をどういう風な感じで見てたかだけですよ。僕がどうこう言うことじゃないので、指導者のコーチの人たちがどう感じていたか、いろんな監督を見てきましたけど、やっぱりあそこに立ったらね、性格出ますよ。でも自分は自分でしかないと思います。▽西武外崎(FA権について)「シーズンが終わったばかりですので、ゆっくり考えたいと思います」」

◆西武辻発彦監督(63)が、今季限りで退任することが10日、決まった。2位ソフトバンクに2連敗を喫し、CSファーストステージで敗退。試合後に奥村球団社長から伝えられた。17年から6シーズン指揮を執り、18、19年のリーグ連覇に導き、2位1回、3位2回でBクラスは1度だけ。退任会見に臨んだ辻監督は、晴れやかな表情で、明るく努めながら気丈に振る舞い、監督として貫いてきたこと、選手への思いなどを明かした。-思い出に残っている1勝1勝はやっぱり監督初年度の初戦ですか。札幌ドームですね。あのとき菊池(雄星)が先発して。僕の監督初戦で、レギュラーが埋まってなかったのでね。そういう中で、菊池が一生懸命に投げて、序盤でしたけど、あれファーストに西川かな。走って、大谷がライト線かなんかに打って、これは1点やられたなというところで、木村、浅村、炭谷とつないでホームでアウトにした。こういう野球をしてたら勝つな、という素晴らしい試合だった。そういう1年目の初めての公式戦で、あの試合を勝てたこと。その試合の内容が、内野ゴロ2つでサードランナーが突っ込んで2つ得点できたとか、こういう野球をすれば勝つんだよ、と選手に話したような気がします。-アマチュアの指導者はなんか、いいですねえ。高校生が一生懸命やってる野球をずっと見ていたいですね。練習がいいですね、試合より。見て、ぶつぶつって言いながら。体だけはスリムに保っていたいです。-選手を責めなかったのはポリシーミスすることもあるじゃないですか。でも一生懸命やってるんですから。だからおろそかにしたら、ミスしたものを次の日に反省しながら、それに取り組んでくれればいい。自分もそういう経験をたくさんしましたし、そこはミスがなくなるように努力していけばいいだろうし。気持ちを切り替えないと、次に向かっていけないんでね。自分に言い聞かせてましたよ。選手にどうこう言うんじゃなく。負けてやっぱり悔しいんですよ。なんであんなミスしたんだよって、いっぱい感じますけど、でも、次の日に試合があるわけだから。自分が引きずるわけにいかないし。逆に失敗したことを選手にチクっと言ってリラックスさせたりね。そういうのを、すごくセンシティブに感じたのでね。みんな敏感ですからね。選手もそういうのを言ってくれた方が楽だったんじゃないかなと思いながら、ちょっかい出してましたけどね。-6年間率いて、これだけは大事にした、貫いたことうちの選手はみんなお人よしというか、人がいい選手が多いので。だからそういうところですごく、言葉を気を付けましたね、うん。やっぱり山川でも、ああ見えて、本当に気が優しくてね。ほかの選手もみんなそうです、1人1人の性格は違うんですけど。とにかく、監督が別じゃなくて、近くにいたいな、っていうことだけだった。うるさいな、って思ったかもしれないですけど、ちょこちょこちょこちょこ接することがね、僕も楽しかった。水上みたいに、ちょっかい出してくるやつもいますから。本当にうれしかったです。ちょっかい出してくれよ、って思うぐらい。たくさんいい選手に巡りあえたことはもちろんそうですけど、やっぱり(監督就任と)同じ年に、ドラフトで入ってきた源田の存在が一番大きかったような気がします。まあ、同期生同期生っていつも言っていましたけど、あの子がいなかったら、優勝は、僕はなかったような気がしますけどね。打つ打たない、じゃなくて、やはりライオンズを立て直すには、ショートが一番の選手が育たなかったら、無理だと思った中で、源田が入って期待してね。1年目から本当に守りだけでも十分貢献してくれた。山川だってあれだけ打ってくれてもちろんそうですし、森友哉もそうですし、みんなそうですけど。ただ、やっぱりやりたい野球は、ショート源田がいなかったらできなかったということですよ。-選手としても監督としても引き継いでほしいこと昔と今は違うんですよね。僕は僕でしかないのでね、新任の監督は新任の監督らしく色を出せばいいし、それに俺みたいにやれとか、誰々みたいにやれとか言うことは、邪道じゃないかなって思いますけどね。やっぱり一緒に戦っているところが、一番大事なところだと思いますよ。

◆ホークスの「強さ」が戻った。チームの完全復調と言っていいだろう。西武とのCSファーストステージを2連勝。一気にファイナル進出を決めた。シーズン覇権はまさかの連敗で取り逃がしたが、逆襲の短期決戦。連勝街道を突き進むチームの「経験値」は高かった。「やっぱり4番が打つと大きいね」。王球団会長も笑顔で球場を後にした。2戦連続で主砲柳田がアーチをかけ主導権を握った。初戦は2点差に詰め寄られる接戦だったが、先手を取れば戦いにも余裕があった。いや、リードを保っても最後まで手を緩めない攻撃性を貫いた。V逸の悔しさから、チーム蘇生の共通ワードは「一丸」だった。一戦必勝のサドンデスになれば、プロと言えども回帰するのは高校球児のような、ひたむきさなのだろう。4点差で迎えた終盤の攻撃はオリックスとのファイナルステージも期待を持たせた。7回先頭の柳町が左中間二塁打で出塁。甲斐がこの日2つ目の送りバントを決めて1死三塁とすると、1番三森が中前にはじき返した。「追い込まれてしまいましたが、何とかコンタクトすることだけを考えました。終盤に大きい追加点となる1本になって良かったです」。三森は笑顔で好打を振り返った。初戦の先制打を含め、きっちり仕事を果たした。さらに牧原大の三塁打で2点目を追加。8回にも1死から途中出場の川瀬の投手強襲内野安打を足がかりに、9番甲斐の適時打でダメ押しの1点を挙げた。川瀬は8回の守備でも森の打球を好捕。控え選手たちも攻守に集中力を保ってプレーするところに頼もしさを感じた。勝利インタビューでお立ち台に立った藤本監督も自信に満ちた表情でスタンドのファンに言った。「オリックス戦も、いい打線をしっかり見せられるように頑張りたい」。もう傷心は癒えたはず。勢いに乗ってオリックスの待つ大阪に乗り込む。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・柳田悠岐外野手(34)が34歳の誕生日を迎えた。球団公式ツイッターは柳田本人の、40秒ほどの動画をアップした。「(朝起きて)きょうも野球、いきますかと。実感は別にないので。特に変化はないです。無事に家に帰れれば。勝てるように頑張ります」8日の第1戦ではCS1号3ランを放った。これが33歳最後のホームランとなり、34歳に向けても「いい一年にしたいですね」と意気込んでいた。誕生日当日を迎えても、自然体の姿が柳田らしかった。同世代には巨人・坂本勇人、楽天・田中将大らがいるが、ホークスのキャプテンもまた一つ、年を取った。家族からのお祝いにも「してくれるんじゃないですか?」と笑顔で前を向いた。白星という最高のプレゼントを持って、家族のもとに帰ってみせる。

◆西武・平石洋介打撃コーチ(42)は試合前、「もはや引き分けも許されない状況ですが、シンプルにあと2つ勝つだけ。選手だけではなく、監督以下全員が一丸となって、もう腹をくくるしかありません」と不退転の決意を口にした。自身は2019年に楽天の監督としてレギュラーシーズン3位。CSファーストステージで同2位のソフトバンク(ペイペイD)と対戦したことを回顧。「あの時は初戦を勝ちましたが、残り2つで敗退してしまいました。初戦を勝った方が有利というデータがあるのかもしれませんが、2019年はそうなりませんでしたからね。今日から2つ、勝ちます」と力を込めた。

◆ソフトバンク・長谷川勇也打撃コーチ(37)が試合前の代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。ーー相手の先発・今井投手のイメージ「投球フォームはコロコロ変わるタイプの投手なので、イメージと違うと思うので、早く察知して対応していきたい。投球内容に変わりはないので、フォームの違いなどタイミングであったり、しっかり対応したい」ーータイミングは早く取る「球の出てくるリズムとかが早くなってくる気がするので、タイミングの変化は多少、早くなるかと。実際に見てみないと映像だけでは分からない。早い段階で対応していきたい」ーー荒れ球の投手「基本的に荒れるが、状態が良ければ、まとまった制球力があると思う。どちらに転ぶか分からないが、いずれにせよ、打者は打つべきところは打つことに変わりはないので、それを実行してくれたら」ーー1戦目は周東がいい働き「レギュラーシーズン終盤も状態は悪くはないと思っていました。あんだけ緊張感がある試合で難しいと思いますよ。いい結果ばかりを求めるのは難しいと思いますし、悪い結果が出たから、調子が悪いと見方はしていなかった。結果は出ていなかったが、試合には入りこんでいたので状態としては悪くないという気はしていました。期間が空いて、気分的にもリフレッシュできたと思いますし、すんなりといい形で入ってくれたので良かった」ーー立ち上がり打者は硬くはなってない「立ち上がり、よーいドンの一回からボール球が多かったが、振ってっていったんで。期間が空いて、よーいドンの試合で最初からじっくりというより、どんどん振っていってアジャストしていけばいいと思っていました。ボール球を振っていたが、あれはあれでいいのかなと。絶対スイングしてやる気持ちは現れていたので、完璧に抑えられたが、打者としては気持ちの見える攻撃だった」ーーバットが出ない方が心配「大事な試合だから大事にいって、よそいきの打撃をしていたら終わってしまう。自分のなかで決めて、中途半端に振っていなかったのでそれは良かった」ーー一回は全部、変化球「分からない。配球は答えがない。相手が考えてくれるのであれば、それでいい」

◆ソフトバンクの公式ツイッターが、試合前の声出しのようすをアップした。声出しに指名されたのは3年目捕手の海野。第一声で、この日34歳の誕生日を迎えた柳田へ「誕生日おめでとうございます!」とお祝いの言葉を送ると、ナインも一斉に拍手だ。海野から「一言、お願いします」と振られると、新しい一年の公約を明かした。「34歳の公約は、サインミスをしません」チームとしてはサインミスは困るだろうが柳田らしい公約? ナインも爆笑に包まれると「以上です!」と力強く締めた。一回2死二塁、34歳の初打席は今井の前に二ゴロに倒れた。

◆ソフトバンク・柳田悠岐外野手(34)が2号満塁弾を放った。「打ったのはスライダーです。とにかく自分のバッティングをすることだけを考えました。いいバッティングができたと思います。大事な先制の一本となって良かったです」三回に3四死球で2死満塁とすると、柳田が打席へ。この日が34歳の誕生日だ。今井が投じた136キロをとらえると、打球はライナー性で右翼テラスに飛び込んだ。レギュラーシーズンの最後の2試合でも23号、24号を放った柳田。8日のCS第1戦でも1号と、これで〝4試合連発〟だ。プレーオフ、CSでは通算で8本塁打となった。レギュラーシーズンでは満塁では8打数4安打14打点。5月3日のオリックス戦(ペイペイドーム)では山本由伸から3号満塁弾を放っていた。

◆ソフトバンク・柳田悠岐外野手(34)が2号満塁弾を放った。三回に3四死球で2死満塁とすると、柳田が打席へ。この日が34歳の誕生日だ。今井が投じた136キロをとらえると、打球はライナー性で右翼テラスに飛び込んだ。自身初のバースデー弾で、一気にリードを広げた。レギュラーシーズンの最後の2試合でも23号、24号を放った柳田。8日のCS第1戦でも1号と、これで〝4試合連発〟だ。プレーオフ、CSでは通算で8本塁打となった。バックスクリーンからの写真をサンスポ鷹番ツイッター(@sanspo_hawks)にアップすると、とらえていたのは柳田と自主トレをともにする谷川原の姿。8日に柳田がCS1号を放ったときも両足が地面から離れるほど高々にジャンプしていたが、この日もバンザイしながら、ジャンプで満塁弾を喜んでいた。「ゴンゾー」の愛称で親しまれている谷川原。このツイートにはファンからも「ゴンゾーさんのジャンプの高さのクセ!」「きょうも彼は飛んでいます」「元気に宙を浮いている」と次々と声が寄せられた。

◆西武・金子侑司外野手(32)が0-5の五回1死三塁で右翼線へ適時二塁打を放った。「打ったのは真っすぐ。とにかく、これから追い上げます。頑張ります」第1戦の八回に二塁内野安打、この日の三回にも中前打を放っており、3打席連続安打となった。

◆先発した西武・今井達也投手(24)は4回4安打5失点で降板した。「あの回(三回)だけですね。昨日もホームランを打っている打者(柳田)ですから、ランナーをためてまわしてしまったことが悔やまれます。その前の牧原さんでしっかり切るべきところでした」0-0の三回に突然崩れた。先頭の柳町を四球で歩かせると1死二塁から四球、二ゴロ、死球で2死満塁のピンチを背負った。迎えた4番・柳田に低めのスライダーを捉えられたライナー性の打球は、右翼テラスに飛び込む先制満塁本塁打となった。

◆西武が連敗を喫し、CSファイナルステージの進出を逃した。先発した今井が、柳田に先制満塁本塁打を浴びるなど4回4安打5失点で降板。九回に山川が意地のソロ本塁打を放ったが、そこまでだった。

◆ソフトバンクが2連勝で、ファーストステージを突破し、ファイナルステージに進出した。三回に34歳の誕生日を迎えた柳田のレギュラーシーズンから〝4試合連発〟となる右翼への2号満塁弾で先制。四回には甲斐が適時打を放つと、七回に2点を追加し、八回にも再び甲斐の中前適時打でダメを押した。先発の東浜はコースを丁寧に突いた投球で、5回4安打1失点と試合を作り、千賀が作った流れに乗った。ポストシーズンの連勝は18。12日開幕のファイナルステージではオリックスと対戦。今季は76勝65敗2分で同率となったが10勝15敗の対戦成績の差で規定により2位となった。リベンジとなる最終決戦に挑む。

◆ソフトバンクが連勝でファイナルステージ進出を決めた。三回2死満塁で柳田悠岐外野手(34)が満塁弾。先発の東浜巨投手(32)は5回1失点だった。12日から京セラに舞台を移して、日本シリーズ進出をかけてオリックスと戦う。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。一問一答は以下の通り。ーーまずはファーストステージを突破「柳田がよく打ってくれましたね」ーー満塁弾で主導権を握った「自分で自分の誕生日(9日が自身の34回目のバースデー)をお祝いしましたね」ーー3四死球から作ったチャンスだった「(相手先発の)今井君も飛ばしていたと思う。楽天戦(9月28日、楽天生命)の映像を見ていたら、スライダーでストライクを取ってくる。そのスライダーを見逃していたら、なんぼでも投げられるので。狙っていこうと。逆にそのボールが暴れてきたのかなと」ーー四回2死二塁では甲斐が適時打「無死から走者が出て、今宮でバントをしようかと思ったけど。得点圏にいけば何かあると思って。(1死一塁となり)柳町もエンドランを決めてくれましたし。(甲斐は)シーズンでは見られないヒットがね」ーー八回も適時打を放ちCSは打率5割「2本出たもんね。CS男かもわからないね。ひょっとしたらね。いい形で大阪にいけるんじゃないですか」ーー東浜の内容は「だいぶ飛ばしていましたよ。疲れていましたね。もう(後ろの)投手も準備できていましたし、あと一人走者を出したらいくというところまで、きていたので。そこは我慢して5回投げてくれたので。投手の交代はやりやすかったです」ーー2番手の大関も無失点「大関の場合は右打者、左打者は関係なく使えるので。本人とも話し合っても、病み上がりなので。CSとかはこういう使い方になると思います」ーー八回には6点差で藤井を投入した「前回(10月1日の敵地での西武戦で山川にサヨナラ被弾)やられたまま終わっているので。一回投げさせたいのがあったし、モイネロはきのう投げているしね」(続けて)「泉も本当は投げさせたかった。泉はもうちょっと接戦のところで。投げて気持ちを高ぶらせたいので。藤井は(強い)気持ちを持った人間だから。一回投げて、オリックスにいこうと」ーー優勝をさらわれたオリックスへの挑戦権を得た「何とかね、山本君が頭でくると思うけど。全員で泥臭い点を取っていきたいですね」

◆ソフトバンクが2連勝でファーストステージ突破。三回に2死満塁からこの日、誕生日を迎えた柳田悠岐外野手(34)が2号満塁弾で先制。その後も着実に得点を重ね、西武を押し切った。藤本博史監督(58)によるテレビインタビューは以下の通り、――キャプテンの柳田が誕生日にグランドスラム「レギュラーシーズンの最終2つの試合あたりからすごく状態が良かったので、体はだいぶ疲れていると思いますけど、キャプテンとしてすごくチームを引っ張ってくれています」――監督がキャプテンに任命して素晴らしい活躍「打つ方は問題ないですね」――打線も2桁安打、8得点「10月2日の悔しい思いをCSにぶつけようと、選手全員が一丸となってやってくれているので、その成果がしっかりと出ていると思います」――先発の東浜がしっかり試合を作った「昨日の千賀といい、今日の東浜といい、しっかりとゲームを作ってくれているので、ベンチの方もすごく明るいし、声も出ているし、第2(ファイナル)ステージにいい形で入っていけると思います」――リリーフ陣もしっかり抑えた「藤井もレギュラーシーズンの途中から八回を任していたので、信用しています」――連勝して、ポストシーズン18連勝。短期決戦の強さは「歴代の監督がいい監督だったので、僕にはこれくらいの成績しか残せないと反省はしています。でも、やる限りは次のシリーズも勝って、日本シリーズに行きたいと思います」――あと1歩で優勝を逃したオリックスと大阪での直接対決「オリックスは投手陣がすごくいいので、ホークスのいい打線を見せられるように、全力で一丸となって頑張っていきたいと思います」――次に福岡に戻ってくるのは日本シリーズ。ファンに向けて「必ず、ペイペイドームに戻ってきますので、皆さん、これからも温かい応援をよろしくお願いします」

◆ソフトバンク・甲斐拓也捕手(29)が2安打2打点。快勝に貢献した。4-0の四回2死二塁で右前適時打。「チャンスで絶対に追加点をという思いだけでした。大きい追加点を取ることができてよかったです」と振り返ると、八回2死一、二塁では中前適時打と、CSでは4打数2安打で打率5割だ。藤本監督も「CS男かもしれないね」とうなずいた。藤本監督にとって就任1年目だった今季。「叱らない」ことをテーマとして戦ってきた中で、甲斐に1度だけ怒ったことがあることを明かしていた。時期としては「7月」だという。「怒ったのは甲斐だけかな。甲斐だけは捕手、扇の要として監督室に呼んで怒鳴ったことはありますけどね」選手の背中を押し続け、若鷹には何度も成長のチャンスを与えた。叱らないということを胸に1軍監督として戦ったが、そんな藤本監督がカミナリを落としたことがあった。具体的な背景を続けた。「リード面なんかでも自分の引き出しを増やせとか、バッティングもコロコロコロコロ、フォームを変えたりしないようにということですね。そのへんで、本人もストレスもたまっていて。怒鳴ったというか、叱ったというところですね」今季の甲斐はシーズン打率・180と打撃面で苦しんだ。常に最善を探していたが、それは逆にとらえれば一貫性がないということ。藤本監督も、苦しんでいるからこそ信念を持ってほしかったと強調した。「次の日も監督室に入ってきてくれて、きのうはすいませんでしたみたいな感じで。普通に元気にやってくれたので。怒ったからって選手を無視するのも嫌だし。できるだけ選手とは寄り添いながら、やりたいというのが僕のモットーなので」選手たちの背中を押し続け、ときには厳しい言葉をかけてきた。就任1年目だった藤本監督にとっても、甲斐にとっても、お互いに成長させられる出来事だった。

◆ソフトバンクの藤井が、レギュラーシーズンでの悔しさを晴らした。引き分けでも優勝が決まった1日の西武戦では、同点の延長十一回に山川にサヨナラ弾を浴びて涙を流したセットアッパー。その時以来の登板で、同じ相手に八回を無失点とし「点差もあったので、自分の投球をすることだけを心がけた」と冷静に話した。150キロを超す速球の威力は健在で、ショックから立ち直っていることを強く感じさせた。藤本監督は「やられたまま終わっているので一度投げさせたかった。球は全然問題ない」と改めて信頼を示した。

◆西武の山川が意地の一発を放った。第1戦から無安打が続いて迎えた1―8の九回にレイの外角速球を右越えへ運び「最後にホームランを見せることができた。そこは良かった」と話した。厳しく内角を攻められて苦しみ、チームを勝利に導けなかった。相手主砲の柳田は2戦連続で本塁打、計7打点を挙げたとあって「率直にソフトバンクは強かった。さすがギータ(柳田)さんだなと思わされた。僕もあのような選手にならなければと思う。来シーズンに向けてまた頑張る」と潔く語った。

◆辻発彦監督の一問一答は次の通り。―監督業について。「選手たちがいかに精いっぱい力を出せるか、雰囲気や場をつくることが仕事だと思っていた」―投手陣を育てた。「今井、高橋、松本の3人だけは勝てなくても経験を積ませてとにかく投げさせた。今年に生きてきた。年々育ってきたのはうれしく思う」―6年間を振り返って。「ライオンズを立て直すにはショートが育たなかったら無理だと思っていた。ショート源田がいなかったら、やりたい野球はできなかった」―やり残したこと。「やり残したことはきりがない」―後任の監督に期待すること。「常勝軍団をつくってほしい。新任の監督らしく色を出せばいい」―印象に残っている一戦。「監督初年度の初戦。あの試合で勝てたこと」―今後について。「心の準備はあったけど、改めてそういう(退任の)話をされて、どうしようかなと。さっき言われたばかりだから考えられない」

◆西武・山川が意地の一発を放った。第1戦から無安打が続いて迎えた九回先頭でレイの外角速球を右越えへ運び「最後の打席だけだったが、ホームランを見せることができた」。今季は41本塁打で3年ぶりの本塁打王に輝き、初の打点王(90打点)も獲得した。相手主砲の柳田は2戦連続で本塁打を放ち「率直にソフトバンクは強かった。さすがギータ(柳田)さんだなと思わされた。僕もあのような選手にならなければと思う」と脱帽した。

◆バースデー弾で突破! プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)は9日、セ、パ両リーグともに第2戦が行われ、パはレギュラーシーズン2位のソフトバンクが本拠地ペイペイドームで3位西武に8―2で快勝し、2連勝でファイナルステージに進出した。この日が34歳の誕生日だった柳田悠岐外野手が三回に先制の満塁本塁打を放ち、勝利に貢献。12日から首位オリックスとのファイナルステージ(京セラ)に臨む。ギータにしかできないド派手な祝砲だ。ソフトバンクが、連勝でファイナルステージ進出を決めた。柳田が自身初のバースデー弾となる2号満塁弾で、チームはポストシーズン18連勝を決めた。「来た球に反応しました。奇跡です」0-0の三回、3四死球で2死満塁。相手先発・今井の136キロスライダーを、体勢を崩されながらもとらえた。打球はライナーで右翼テラスに着弾。レギュラーシーズン最後の2試合で23、24号を放ち、8日のCS第1戦でも3ランと〝4試合連発〟。藤本監督も「自分でお祝いしましたね」と最敬礼した。この日が34歳の誕生日。シーズン、CSを合わせて過去の10月9日は15打数3安打8三振だった。プレーオフ、CSでの日本選手による満塁弾は2011年の松中信彦(ソフトバンク)以来11年ぶり。過去の分まで振り払うほどの最高の結果が、自分自身へのプレゼントとなった。「(家族も)試合を見にきてくれていた。帰ってケーキでも食べたいなと思います」優勝へのマジックナンバーを「1」としながら、10月2日のロッテ戦(ZOZOマリン)で敗戦。オリックスに逆転優勝を許した。シーズン打率・275、24本塁打、79打点に終わった柳田は言った。「僕がもっと打っていれば優勝していたと思います」。若手の台頭もあった中、全てを背負ってグラウンドに立ってきた。絶対に忘れない悔しさを胸に得た、オリックスへの挑戦権だ。2019年の楽天とのファーストステージ第2戦から、ポストシーズンの連勝は「18」まで伸びた。燃え盛ったまま、大阪に乗り込む。1戦目から山本由伸をはじめ強力な猛牛戦士が待ち受けているだろう。今度は仲間たちと笑うために、勝つことだけがキャプテンの背負う使命だ。「思い出に残る誕生日になりました」生まれてきてくれて、本当にありがとう。支えてくれた全ての人へ、柳田なりの恩返しは下克上での日本一だ。(竹村岳)

◆バースデー弾で突破! プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)は9日、セ、パ両リーグともに第2戦が行われ、パはレギュラーシーズン2位のソフトバンクが本拠地ペイペイドームで3位西武に8―2で快勝し、2連勝でファイナルステージに進出した。この日が34歳の誕生日だった柳田悠岐外野手が三回に先制の満塁本塁打を放ち、勝利に貢献。12日から首位オリックスとのファイナルステージ(京セラ)に臨む。柳田は、今季限りでホークスを退団した松田が使用していたロッカーを引き継いでいるという。「(端っこにあって)場所、立地がいいです」とニッコリ。同じアンダーアーマー社である松田のバットも継続して使用しており「グリップの形は全然違います。トップの方は、自分のバットと一緒なので振りやすいです」と〝熱男魂〟を明かした。

◆ソフトバンク・東浜巨投手(32)は5回1失点。クライマックスシリーズで初勝利を挙げた。「あまりCSは勝っているイメージも抑えているイメージもなかったので。ここで勝ちがついたのは、次にいい形で入っていけると思います」一回から平沼、森と連続三振を奪う立ち上がり。二回無死では山川を内角直球で見逃し三振だ。四回1死でも山川を右飛に斬り、主砲を抑え込んだ。五回は2安打で1点を失ったが、先発として役割を果たした。目立ったのは要所でのカーブ。元々使う球種ではあるが、シーズン中ではシンカーやカットボールを駆使するスタイル。この日は緩急を生かして「安定してストライクを取れていたので。思い切って、どんなカウントでも使っていこうと拓也(甲斐)とも話していた中で。その通りのことができた」とうなずいた。三回2死満塁では柳田が満塁弾を放ち、大量の援護点をもらった。柳田のアーチに東浜も「あぜんでした。やっぱりスターだなと、すごいなと。その一言です」と驚きの表情だった。

◆リベンジのための挑戦権を得た。ソフトバンクが連勝でファーストステージを突破。藤本監督も戦いぶりに手応えを感じていた。「10月2日の悔しい思いをCSにぶつけようと、選手全員で一丸になってくれている。その成果が出ていると思います」三回に柳田が満塁弾。先発の東浜は5回1失点と試合を作り、投打で西武を圧倒した。12日からは京セラに舞台を移して、首位オリックスとファイナルステージだ。優勝マジック「1」を点灯させながら、2日のロッテ戦(ZOZOマリン)で敗れ、オリックスに逆転優勝を許した。同じ76勝65敗2分けも、命運を分けたのはオリックスとの直接対決の10勝15敗。優勝を逃した後には「人生で初めて」という悔し涙を流した。「何とかね、山本君が頭(1戦目)でくると思うけど、全員で泥臭く点を取っていきたいです」3年越しのポストシーズン18連勝。最高の勢いのまま、挑戦者として大阪に乗り込む。(竹村岳)

◆言霊は現実とはならなかった。西武・熊代が第1戦に続き、この日も試合前の円陣で声出しを担当。「ここまできたら、このメンバーで1日でも長くプレーができるようにがんばっていきましょう」と呼びかけ試合に臨んだ。レギュラーシーズン終盤に5連勝した際には山川が連日声出しを担当。9月24日の日本ハム戦で「先発野手全員安打」、同27日のソフトバンク戦で「ホームランを打ちます」などの発言が次々と現実となり周囲を驚かせたが、その願いはかなわなかった。(石)

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