西武(★2対4☆)日本ハム =リーグ戦25回戦(2022.10.02)・ベルーナドーム=
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日本ハム
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西武
0002000002501
勝利投手:根本 悠楓(3勝3敗0S)
(セーブ:北山 亘基(3勝5敗9S))
敗戦投手:佐藤 隼輔(3勝4敗0S)

本塁打
【西武】中村 剛也(12号・4回裏2ラン)

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◆日本ハムは2点を追う5回表、野村の2点適時打などで4点を挙げ、逆転に成功する。投げては、先発・根本が5回2失点。その後は4投手の継投でリードを守り、根本は今季3勝目を挙げた。一方の西武は、現役最終登板となった5番手・十亀が、打者1人を空振り三振に抑えた。

◆西武武隈祥太投手(32)が現役引退を発表した。今季のシーズン最終戦となる2日の日本ハム戦のセレモニアルピッチに登場。「この15年の野球人生を終わらせたいと思います。15年間、本当に応援ありがとうございました」。ユニホームを脱ぐことを表明した。突然の発表にどよめき、ねぎらいの拍手が起こる中、武隈は笑顔でマウンドへ。現役"最後"の1球を投じた。捕手は増田が務め、右打席には高橋が立った。その投球は増田が捕れないほど高めに浮く大暴投となったが、晴れ晴れとした表情でマウンドを降りた。涙はなかった。ベンチの前でナインとハイタッチし、15年のプロ生活に別れを告げた。3月に肩を痛め、今季は1軍登板がなかった。「これまでも痛みに耐えて頑張ってきましたが、今回は治るという光を見つけられなかったので引退を決意しました」と決断の理由を説明した。旭川工から07年高校生ドラフト4巡目で入団。主に中継ぎとして活躍した。通算成績は365試合で21勝15敗1セーブ、68ホールド、防御率3・82だった。「これからも、埼玉西武ライオンズの応援をよろしくお願いします。ファンの皆さまへはサンクスフェスタの場をお借りして、感謝の言葉をお伝えさせていただきます」とコメントした。

◆6時だよ、全員集合! 西武の今季リーグ最終戦で、辻発彦監督(63)の登場シーンに全コーチが集合した。スタメンの野手9人と、先発投手がコールされ、辻監督の名前が呼ばれると、ベンチでは佐藤友亮外野守備走塁コーチ、野田浩輔バッテリーコーチ、青木勇人投手コーチ、黒田哲史内野守備走塁コーチ、高山久打撃コーチ、豊田清投手コーチ、松井稼頭央ヘッドコーチ、平石洋介打撃コーチの8人のコーチと、真山龍チーフマネジャー、松下建太サブマネジャーが登場。辻監督を取り囲んだ。就任6年目の今シーズン、現場、裏方で支えた10人と指揮官が勢ぞろいでファンへあいさつ。3位でのクライマックスシリーズ出場から、下克上目指し一丸となった。

◆西武中村剛也内野手(39)が先制の12号2ランを放った。0-0の4回2死一塁。フルカウントから日本ハム根本の131キロスライダーを捉え、左翼席に運んだ。9月11日以来の1発で、通算454号だった。「(レギュラーシーズンの)最終戦で大勢のファンの皆さんの前で打ててよかったです」と話した。

◆西武平良海馬投手(22)も初の最優秀中継ぎのタイトルを確定させた。0-0の3回無死から2番手で登板。日本ハム杉谷を空振り三振に仕留め、打者1人で交代した。これでホールドを記録し、勝利数を含めたホールドポイントは35となった。前日1日ソフトバンク戦で35ホールドポイントを挙げ、同タイトルを確定させた西武水上は、この日はベンチ外で休養している。上回られる可能性はなくなった。最優秀中継ぎはホールドと救援勝利を足したホールドポイントで争う。

◆今季限りでの現役引退をする西武十亀剣投手(34)が引退登板を果たした。7回無死から5番手として出番が来た。日本ハム石井を空振り三振に切った。6回裏の攻撃時からブルペンで肩を作り始めていた。コールされると大きな拍手が湧き起こった。ストレートと緩いカーブでカウント1-2と追い込むと、最後は満身の142キロストレートだった。石井のバットが空を切った。打者1人で交代。注がれる拍手に、何度も頭を下げながら、マウンドに別れを告げた。「率直にフォアボールでランナーを出さなくてよかったです。マス(増田)の個人タイトルがかかっていますし、ランナーを出さないようにと思ってマウンドに上がりました。やりたい事ができましたし、最後は自分のボールを投げる事ができました。11年間応援ありがとうございました」とコメントした。今季は5月30日に2軍落ち。以降はブルペン陣が好調だったチームにあって、1軍での登板機会がなかった。2軍でも思うような投球ができず、ユニホームを脱ぐ決断をした。11年間の現役生活に幕を下ろした。

◆日本ハムの高卒2年目左腕、根本悠楓(はるか)投手(19)が、3勝目の権利を持って降板した。4回、四球で走者を出し2死一塁。中村に左越え2ランで先制を許した。直後の5回に味方打線が逆転に成功。好守の後押しも受けて5回4安打2失点にまとめた。「試合前から本調子ではない感じがありましたが、何とか5回2失点でまとめることが出来て良かったです。野手のみなさんに助けられてばかりだったので、来年はこういう試合でも、もっと長いイニングを投げられるようにしたいです。勝利を信じて最後まで応援します」とコメントした。1軍初登板を果たした今季、目標の勝利数に「3勝」を掲げていた。今季最終戦で登板チャンスをつかみ、5度目の挑戦で白星の権利を得て降板した。

◆日本ハム松本剛外野手(29)が、プロ11年目で初の首位打者を獲得した。右打者では、球団史上初。松本剛は「4番DH」で先発出場。2回の第1打席で安打を狙ったが、遊ゴロに倒れて、打率3割5分には届かず。4回の第2打席も遊ゴロに終わり、5回に代打を送られた。この日は2打数無安打で、打率3割4分7厘で今季を終えた。「松本君には最後、DHで3割5分を目指して欲しい」という新庄監督の期待には応えられず、第1打席で凡退した直後には、苦笑いで天を仰いだ。パ・リーグの右打者で打率3割5分超の首位打者となれば、1986年落合博満(ロッテ)以来、36年ぶりの快挙だった。

◆日本ハムのドラフト6位長谷川威展(たけひろ)投手(23)が、今季2度目の1軍マウンドで無失点投球を披露した。2点リードの7回に登板。1死から鈴木に中前打を許し、2死二塁までピンチを広げたが無失点で切り抜けた。ルーキーイヤーは開幕1軍を射止め、3月26日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)でリリーフでプロ初登板。3月28日に出場選手登録を抹消され2軍生活が続いていたが、今季最終戦で1軍切符をつかみ取った。新庄剛志監督(50)は「長谷川君を見てみたい。どういう投球をするか」と話しており、来季につながる姿を見せた。

◆西武山川穂高内野手(30)が、打撃2冠を獲得した。シーズン最終戦は不発だったが、41本塁打、90打点でトップをキープしたまま全日程を終了した。本塁打王は19年以来3年ぶり3度目。「この2年間打てずに苦しみましたし、今年は苦しみながらも最後にはタイトルを取ることができて非常にうれしいです。ホームラン王にはこだわりがありますし、それを取るために頑張ってきました」と喜んだ。打点王は初の受賞となった。19年は120打点をマークしながらも、3点差で同僚で先輩の中村剛也に敗れた。「19年に120打点をあげた時はタイトルを獲得できませんでしたが、今年は90打点で獲得できたのは不思議に思います。打点王は初めての受賞ですし、ずっと欲しかった賞なので、とてもうれしく思います。これからも、もっとたくさん打てるよう、毎年100打点以上が目標です」と掲げた。

◆西武平良海馬(22)水上由伸(24)両投手が、そろって最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。ともに初受賞で、2人での同時獲得は球団初。パ・リーグでは10年ソフトバンク(摂津、ファルケンボーグ)以来12年ぶりとなった。親心での起用策が功を奏した。平良は0-0の3回から登板。日本ハム杉谷を156キロの直球で空振り三振に打ち取ったところで交代。同点の場面で、1アウト取ればホールドが記録される。平良はこれで35ホールドポイントとなり、トップの同僚・水上に並び、そろって「最優秀中継ぎ」のタイトルを獲得した。平良は「最後は強引に(タイトルを)取らせてもらいました(笑い)ありがとうございます。水上さんと一緒に取れたこともうれしいですね」と素直に喜んだ。一方で水上は前日1日のソフトバンク戦でタイトルを確定させており、この日の試合はベンチ外だった。「水上さんが本気を出せば、僕は取れずに水上さんの単独受賞だったと思います。水上さんの優しさに感謝しています」と水上への思いを語った。水上も思いは同じだった。今季は60試合に登板し、防御率1.77の安定感を誇った。勝ちパターンの救援陣として、チームを支えた。「大事な場面で投げる機会を作ってくださった監督とコーチに、あらためて感謝したいです。そして、平良と同時受賞、というのが何よりうれしいですね。もしオフに授賞式があったら平良と一緒に行けますかね(笑い)」と、ともに喜びを分かち合った。

◆さらば「BIGBOSS」-。来季から登録名を「SHINJO」に変更する日本ハム新庄剛志監督(50)が、「BIGBOSS」のユニホームでは最後となる公式戦に臨んだ。先発の19歳左腕、根本が4回、西武中村に先制2ランを浴びたが、打線が5回、野村の2点適時打などで一挙4点。逆転劇で大好物の僅差のゲームを制した。この日は、近藤と松本剛に采配を委ねた。「どういう野球をしてくれるかなって。1年間、僕がやってきた野球を、選手がしてくれるかなと思って」。一塁側の"監督席"を両者に譲り、ベンチの隅で戦況を見つめた。試合後はベンチ前で円陣をつくり、一本締め。「成績を残せなかった人は、人の3倍練習しなさい。来年は勝負だから」と、今季最後のゲキを飛ばした。監督1年生として、全力投球の143試合だった。来季は、現役引退した06年以来の「SHINJO」としてファンの前に帰って来る。ユニホームを脱ぎ「『SHINJO』の方がしっくりくると思うよ。『BIGBOSS』着てると、なんか、背中が、かゆいもんね」。監督2年目へ。チームへの恩返しは、まだ道半ばだ。【中島宙恵】○...先発した19歳左腕の根本は、5回4安打2失点で3勝目。4回、西武中村に先制2ランを浴びるも、直後の5回に味方が逆転。しかし、四球で先頭を出した5回は1死一、二塁から中前打を許し、本塁クロスプレーに。「(点は)取られていないけど、全然ダメ」と猛省。中堅を守る五十幡の好返球で失点を防ぎ「感謝です」と、最敬礼だった。○...松本剛が初の首位打者に。右打者としては、パ・リーグでは11年ぶり、球団では史上初となった。「4番DH」で先発出場し、パでは86年落合(ロッテ)以来となる3割5分超えの右の首位打者こそ逃したが「僕が取れるとは全く思っていなかった。結果を残すと決めて1年間やり通した」と、充実の表情。新庄監督は「おめでとうっすよ。自信につながると思う」と目を細めた。日本ハムの首位打者 前身、1リーグ時代も含め過去4人(のべ13度)。張本勲は67年から4年連続を含む計7度。47年に球団初のタイトルを獲得した大下弘が3度。小笠原道大が02、03年の2度。最新が07年の稲葉篤紀で、過去4人はすべて左打者。松本剛が球団の右打者で初のタイトル獲得となった。

◆西武は最終戦を勝利で飾れなかった。5回に佐藤が2者連続押し出しなど4失点で逆転負け。貯金4でレギュラーシーズンを終えた。下克上を目指すCSに向けて、辻監督は選手らに「我々には失うものはない。思い切りやればいい」などと訓示した。ファンには「死ぬ気で戦ってきます」と日本シリーズで本拠地に戻ってくることを誓った。

◆日本ハムは0-2の5回、2者連続押し出し四死球と野村佑希内野手(22)の2点適時打で一挙4点。逆転勝ちで今季の日程を終了した。BIGBOSSとして最後の試合を白星で飾った新庄剛志監督(50)の、主な一問一答は以下の通り。新庄監督 シーズンお疲れさまでした。-最後は勝っていい形で終えた新庄監督 まあまあ。近藤監督、松本監督。松本君がさっき「ボス。スクイズ(のサインを)出した時のあの緊張感は、やばいっす」と。で、失敗して(笑)「すみませんボス。失敗しました」って。ああやって選手自身がサインを出すと、松本君が打席に立った時に(サインを出した人の)気持ちを分かってくれると思うんで。なんとか成功しようっていう気持ちになってくれたら、うれしいですね。-今日は2人に任せようと新庄監督 そうそう。まあまあ、ちょっと、どういう野球をしてくれるかなって。1年間、僕がやってきた野球っていうものを選手がしてくれるかなって。-オーダーも近藤が決めた新庄監督 いや、オーダーは俺。(首位打者が懸かっていた)松本君の兼ね合いもあったので。いやいや、おめでとうっすよ。右バッターで首位打者。ねえ。すごいっすね。本人が一番ホッとしているんじゃないですか? 自信にもつながるしね。来年は、さらにいい成績を残そうという練習の取り組み方になってくると思う。変えずにやって欲しいですね。さらに上を目指そうとすると、おかしくなってくるんで。今年と同じ練習方法でやってくれれば。でも、他のメンバーは今年と同じ練習をしていたら、同じ成績にしかならない。それは自分で考えて。自分の成績は分かると思うので、やってくれると信じて、キャンプで会いたいですね。-最後一本締めで選手に伝えたことは新庄監督 「松本君が首位打者を取った」ということと「成績を残せなかった人は、人の3倍でも何倍でも練習しなさい。来年は勝負だから」ということを言いました。-オリックスが優勝新庄監督 ね! ね! いやいや、今年のオリックスやソフトバンクは、なんて言うの?コロナで全員がベストじゃなかったでしょ? そこで、やっぱり層の厚さというのを感じましたね。出てきた選手が活躍できて、ソフトバンクもオリックスも、この位置にいると思うので。昨日も、ずっと(ソフトバンクの)試合を見てましたけど。山川君(西武)のホームランがなかったら、ソフトバンクが優勝していた。面白いですね、野球って。-オリックスの印象。今季は大きく負け越した(9勝15敗1分け)新庄監督 いや~、気が付いたら負けているって感じでしたね。なんか(オリックスの)中嶋さん、そういう運を持ってますね。実力があって、故障者とかコロナで、いっぱい選手がいなくなって「このメンバーで、どう戦うんだろ」って楽しみに見ていたんですけど、気が付いたら、あらあら...って。雰囲気的には、なんか勝てそうなんだけど。うちが(メンバー的に)そんなに崩れていなくて、向こうが崩れていて「ヨシ! 行けるだろう」って思っても、気が付いたら「あれ? 何で?」っていう試合が多かったですね。だから、強いんでしょうね。(オリックス中嶋監督は)頭いいと思います、やっぱり。ファイターズでキャッチャーとして、選手兼コーチを相当やられて、その経験というか、野球を知り尽くしている監督ですよね。まあ、(ソフトバンクの)藤本さんも藤本さんで、1年目で優勝したかったと思うんですよ。藤本さんを胴上げしたいという気持ちが、すごい選手からも伝わっていたし。この悔しさが、もしかしたらクライマックス・シリーズ(CS)で、ドカーンと爆発するような予感はしますね。終わってしまったら、次のこと考えていかないといけないので。昨日(1日西武戦後の)藤本さん、放心状態で(笑い)だんだん(座っている)椅子が低~くなっていくような感じでしたもんね(笑い)なるわ! ああなると思う。俺はならんね。「さあ行こっ、次行こっ。面白いやんか、明日」ってなると思う。-BIGBOSSのユニホームは今日で最後新庄監督 いや、全く。全く大丈夫。「SHINJO」の方が、しっくりくると思うよ俺。「BIGBOSS」(のユニホームを)着てると、なんか、背中かい~もんね。-近藤、松本剛の2人に指揮を任せることはいつ伝えた新庄監督 練習の時。「ちょっと最後、行ってみようや」って。まぁ、こちら側から見てみたいという気持ちもあったので。-2人の采配は新庄監督 いやいや、そういうケースがあまりなかったんですよ。ただ、5回2死一、三塁の時に、五十幡君がちょうどサードランナーで「さぁ、どうするんだろう」って。俺なら1球目にダブルスチールをかけて(捕手が)投げない。で、二、三塁。4点取っていたから。ヘッドコーチは言ったみたいです。「ボスならこう来るよ」って。じゃあ(2人は)「大丈夫です」って(笑)。五十幡君というのがポイントですね。まぁ(捕手は)投げないですよね。どうなんだろう? そういうのも見てみたいなって。まぁ、なかなか(重盗のサインは)出せないですって、そりゃ。これがもう、優勝争いしている時だったら余計に「どうすんや!」って。時間がないからね。決断する。でも、俺(重盗のサインを)出すと思うんだよね。(9回は)決めたかったでしょう、あのスクイズは。あれは出来ない。ちょっと難しい(球)です。まぁ、お疲れさまでした皆さん。明日から休み? 何日間かは。休みでいいですよ。3日間くらい。あ、記事、書かないといけないんだ。

◆球団初の快挙で、自身初タイトルを手にした。日本ハム松本剛外野手(29)が、首位打者を獲得した。今季最終戦の西武25回戦(ベルーナドーム)に「4番DH」で先発も、2打数無安打で交代。打率3割4分7厘で、2位オリックス吉田正に1分2厘差をつけてトップの座を守りきった。右打者でのタイトル獲得は球団史上初めてとなった。松本剛は少し笑みを浮かべながら天を仰ぎ、ベンチへと下がった。4回2死二塁、今季最後の打席は遊ゴロに終わった。「4番DH」で先発出場。新庄監督の後押しを受けて、今季最終戦で打率3割5分到達を目指した。「そんな甘くないっていうことが分かりました」。2打数無安打で3割4分7厘でフィニッシュも、2位に1分2厘差つけて自身初タイトルとなる首位打者を獲得した。松本剛 本当に、僕が取るとは思っていなかったので、ただただ、うれしいです。最後の最後は、意地でも取るぞという気持ちでした。昨年は1軍出場47試合。長い2軍生活で「安打を打つために、どうしたらいいのかを本当に1年間考えてやっていた」。地道に引き出しを作る作業が生きた。四球が取れないなら...と「4打数2安打」を目標に打席に立ち続け、周囲からの「最初の確変だろ」などの言葉に反骨心を燃やし続けた。2年連続での規定打席到達まで、残り30打席に迫ってから「首位打者」を射程圏に捉えて進んできた。アクシデントを乗り越えた。7月下旬に左膝を骨折。「心折れてましたね、完全に。もう終わったなと、完全に思いました」。今でも患部は万全ではない中、新庄監督はDHや代打で起用してくれた。「感謝しかないです」。球団史上初の右打者での首位打者獲得を成し遂げた。同監督は「右打者で首位打者。すごいっすね。今年と同じ練習方法でやって欲しい」と来季も期待した。入団同期の上沢、近藤の投打の軸はまぶしい存在であり続けた。日の目を浴びることは少なかったが、堅実に歩み続けてきた。「僕は長打とか打てるタイプではないので、打率で表現しない限り、この世界で生きていけないなとずっと思いながらやっていた」。背水で臨んだプロ11年目のシーズン。大きな喜びと達成感となって結実した。

◆西武・中村剛也内野手(39)が12号先制2ランを放った。「5番・DH」で9月17日の楽天戦以来となる先発出場。0-0の四回2死一塁。日本ハム左腕・根本のスライダーを捉えた打球は勢いよく左翼席に飛び込んだ。9月11日以来の一発となり「(レギュラーシーズンの)最終戦で大勢のファンの皆さんの前で打ててよかった」と振り返った。

◆ベテランが満員のスタンドを沸かせた。「5番・DH」で出場した西武・中村剛也内野手(39)が四回に12号先制2ランを放った。「(レギュラーシーズンの)最終戦で大勢のファンの皆さんの前で打ててよかった」9月17日の楽天戦以来のスタメン出場。0―0の四回2死一塁で日本ハムの先発左腕、根本のスライダーを捉えた打球は勢いよく左翼席に飛び込む、9月11日以来のアーチとなった。プロ21年目の今季は、8月12日の楽天戦(楽天生命パーク)で8号ソロを放って、史上14人目となる通算450本塁打を達成。さらに9月3日のソフトバンク戦では10号ソロを放って3年連続2桁本塁打をマークした。3位が確定しているチームは8日から、クライマックスシリーズ・ファーストステージに臨む。短期決戦突破は、ベテランのバットが鍵を握っている。

◆日本ハムは0―2の五回に連続押し出し四死球と野村の2点適時打で4点を奪い逆転した。根本が5回2失点で3勝目、北山が9セーブ目。西武は中村の2ランで先行するも追加点が奪えず、3番手の佐藤が崩れて連勝が5で止まった。

◆パ・リーグの全日程が終了し、日本ハム・松本剛外野手(29)が打率・347で自身初のタイトルとなる首位打者を獲得した。打率・349で迎えたこの日は「4番・DH」で出場も2打数無安打。目標に掲げていた打率・350到達はかなわなかった。右打者としての首位打者獲得は2011年の内川聖一(当時ソフトバンク)以来、11年ぶり。球団では2007年の稲葉篤紀以来15年ぶりの快挙となった。

◆西武はレギュラーシーズン最終戦を白星で飾れなかった。選手会長の高橋は本拠地のファンへ「まだ戦いが残っている。必ず全員で勝利を勝ち取り、ベルーナドームに帰ってくる」とあいさつし、8日から始まるクライマックスシリーズ(CS)を勝ち抜き、日本シリーズに進出することを誓った。辻監督が試合後にベンチ裏で「(3位は)君たちの頑張りが大きい。本当にありがとう。(CSでは)われわれには失うものはない。思い切りやろう」と訓示した。(ベルーナ)

◆西武・辻発彦監督(63)はレギュラーシーズン最終戦で大逆転Vを果たしたオリックスに言及した。「戦前から見たら(昨季)優勝したオリックスの投手陣の強力さは当然分かっていたし、やはり優勝するということは、選手もかなり経験を積んで自信になっている。昨年よりは強くなっているだろうと」と脱帽した。さらに「いろんなことがありながらも、ウチは対戦成績も勝ち越して(14勝11敗)...。やっぱり得手不得手があると思う。ウチがあれだけ楽天に勝った(15勝9敗1分け)のと一緒でさ、ロッテ(11勝14敗)、ソフトバンク(10勝14敗1分け)に借金するとか、お互いのバランスだから。なかなか決め手がどの球団もなかったんだと思う。だから接戦になった」と分析した。

◆日本ハムの新庄監督は「1年間、僕がやってきた野球を選手がしてくれるかな」とシーズン最終戦の采配を近藤と松本剛に託した。九回1死三塁では松本剛がスクイズのサインを出したが梅林が失敗。「(今後)松本君が打席に立った時に、何とか成功しようという気持ちになってくれたらうれしい」と話した。試合後の勝利の儀式である一丁締めでは新庄監督自ら音頭を取り「成績を残せなかった人は他人の3倍でも何倍でも練習しなさい。来年は勝負だから」と選手にハッパを掛けた。(ベルーナ)

◆日本ハム・新庄剛志監督(50)が、今季最終戦となった西武戦の指揮を近藤健介外野手(29)と松本剛外野手(29)に任せていたことを明かした。「どういう風な野球をしてくれるかなって。1年間、僕がやってきた野球っていうものを選手がしてくれるかなって」この日、ベンチの監督席には近藤の姿が。新庄監督は逆側の端にひっそりと座り、采配を見守った。2人には試合前練習中に〝監督就任〟を伝えたという。「『ちょっと最後行ってみようや』って。こちら側から見てみたいという気持ちもあったので」と意図を説明した。4―2の九回1死三塁の場面では梅林にスクイズのサインも。しかし空振りで三走がタッチアウトとなり、得点とはいかなかった。新庄監督は「松本君が『スクイズ出した時のあの緊張感、やばいっす』って。ああいう、選手がサインを出して、打席に立った時に気持ちがわかってくれると思うので。なんとか成功しようって気持ちになってくれたらうれしい」とうなずいていた。

◆西武はレギュラーシーズン最終戦を白星で飾れなかった。辻発彦監督(63)は試合後、ベンチ裏で「(3位は)君たちの頑張りが大きい。本当にありがとう。(クライマックスシリーズで)われわれには失うものはない。思い切りやろう」とナインに訓示した。また最終戦セレモニーでも「3位という形ですが、まだ大きな夢にチャレンジできます。また、たくさんのファンの皆さまと、このベルーナドームで試合がしたい。そのためには(クライマックスシリーズを)勝ち抜くしかありません。われわれベルーナドームに帰ってくるまで、諦めず最後まで死ぬ気で戦ってきます」とあいさつ。8日から始まるソフトバンクとのCSファーストステージ、さらにオリックスとのファイナルステージを勝ち抜き、日本シリーズに進出することを誓った。

◆西武・山川穂高内野手(30)が41本塁打、90打点で自身初の2冠を獲得した。3年ぶり自身3度目の本塁打王のタイトルについては「過去2度の受賞よりうれしい。この2年間打てずに苦しみましたし、今年は苦しみながらも最後にはタイトルを獲ることができて非常にうれしい。ホームラン王にはこだわりがありますし、それを獲るために頑張ってきた」。また、プロ9年目での初の打点王には「2019年に120打点を挙げた時はタイトルを獲得できませんでしたが、今年は90打点で獲得できたのは不思議に思います。打点王はずっと欲しかった賞なので、とてもうれしい。これからも、もっとたくさん打てるよう、毎年100打点以上が目標です」と語った。

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(1↑)
ORIX
76652 0.539
(↑0.003)
優勝
(↓1)
0490
(+5)
458
(+2)
89
(-)
62
(-)
0.246
(-)
2.840
(-)
2
(1↓)
ソフトバンク
76652 0.539
(↓0.004)
0
(-)
0555
(+3)
471
(+5)
108
(+2)
86
(+2)
0.255
(-)
3.070
(↓0.02)
3
(-)
西武
72683 0.514
(↓0.004)
3.5
(-)
0464
(+2)
448
(+4)
118
(+1)
60
(+1)
0.229
(↓0.001)
2.750
(↓0.01)
4
(-)
楽天
69713 0.493
(↓0.003)
6.5
(-)
0533
(+2)
522
(+5)
101
(-)
97
(-)
0.243
(-)
3.470
(↓0.01)
5
(-)
ロッテ
69731 0.486
(↑0.004)
7.5
(↑1)
0501
(+5)
536
(+3)
97
(+1)
132
(-)
0.231
(-)
3.390
(↑0.01)
6
(-)
日本ハム
59813 0.421
(↑0.004)
16.5
(↑1)
0463
(+4)
534
(+2)
100
(-)
95
(+2)
0.234
(-)
3.460
(↑0.01)