1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ORIX | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 9 | 0 | 0 |
楽天 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 0 | 0 |
勝利投手:宇田川 優希(2勝1敗0S) (セーブ:阿部 翔太(1勝0敗3S)) 敗戦投手:田中 将大(9勝12敗0S) |

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◆オリックスが2年連続のリーグ優勝を決めた。オリックスは2点を追う5回表、伏見と福田の連続適時打で3点を奪い、逆転に成功する。そのまま迎えた9回には、伏見の2点適時打が飛び出し、リードを広げた。投げては、3番手・宇田川が今季2勝目。敗れた楽天は、打線がつながりを欠いた。
◆今季最終戦はオリックスが勝ち、ソフトバンクが負ければオリックスの2年連続リーグ優勝が決まる。オリックスは2年目の来田涼斗外野手(19)を「8番DH」で5月10日以来のスタメンに抜てき。また不調で9月16日に出場選手登録を抹消されていた杉本裕太郎外野手(31)がベンチ入りした。今季先発として11勝の宮城大弥投手(21)が中継ぎ要員としてベンチ入りした。
◆オリックスが大逆転で、95~96年以来のリーグ連覇を飾った。ソフトバンクが優勝マジック「1」で迎えたロッテ戦に敗れ、2位オリックスが楽天に勝利した。最終成績が76勝64敗2分と両球団が勝率で並んだが、直接対決で勝ち越しているオリックスが2連覇を決めた。マジック1のソフトバンクを追走して乗り込んだ仙台。勝つしかないオリックスのシーズン最終戦は序盤3回まで、楽天田中将に完璧に抑え込まれた。先頭の福田がチーム初安打を放った4回は2死一、三塁と好機をつくるも、西野が一直に倒れて逸機。その裏、無死満塁から2番手の比嘉が楽天ギッテンスに左前打を浴び、2点を先行された。ZOZOマリンで最終戦を戦うソフトバンクは、2点をリード。昨年王者は追い込まれていた。だが5回、先頭・頓宮の中前打からオリックス打線が田中将をとらえ始める。紅林が左前打で続き、代打の山足が四球を選んだ無死満塁。ここで伏見がストレートを右前に運んで、1点を返す。「なんとか気持ちで打ちました!」という伏見に、福田が続いた。三塁線を破る逆転の2点適時打を放った。「前のバッターたちがチャンスでつないできてくれていましたし、なんとか食らいついていってランナーをかえしたいと思っていたので、いい結果になってくれてよかったです」。福田はガッツポーズを繰り返す。9月30日の本拠地・京セラドーム大阪最終のロッテ戦。負ければシーズンが終わる試合で、福田が意表をつくセーフティバントをきめ、サヨナラ勝ちをもぎ取った。その勝負強さをこの日も発揮した。3-2と勝ち越したあとは、宇田川、山崎颯ら150キロ超の快速球を誇る救援陣が楽天の反撃を抑え込む。ロッテと対戦したソフトバンクは6回に逆転を許し、反撃及ばず敗戦。勝率が並んだものの、対戦成績で上回り連覇が決まった。楽天に最大11.5ゲーム差をつけられ、連覇の希望が消えかけたときがあった。主力が新型コロナウイルス感染で戦列から離脱し、チーム編成にも苦しんだ。昨季のリーグ優勝を支えた杉本やT-岡田らが故障や不振に苦しみ、ソフトバンクの後塵(こうじん)を拝した。それでもあきらめることなく、逆転優勝を信じて全員で前進を続けた。その結果の連覇。昨年はエース山本が完封勝利でシーズン最終戦を締めた仙台の地で、オリックスが大逆転のゴールにたどり着いた。○...右肋骨(ろっこつ)骨折で離脱中の安達がCSでの復活を目指す。9月10日のソフトバンク戦で一塁カバーに入った際に打者走者と交錯。右脇腹に違和感を訴え、その後骨折と診断された。9月30日のソフトバンク戦で能見の引退試合を見届けた後、「CSに間に合うように準備しています」と明かしていた。昨年実現できなかった「日本一」に向け、懸命にリハビリを続けていく。○...ガッツポーズが代名詞の2年目右腕阿部が"胴上げ投手"になった。3点リードの9回を3人斬り。渾身(こんしん)のガッツポーズ決めた。今季は中継ぎでフル回転して大貢献。ルーキーイヤーの昨季は右肩痛の影響もあり、登板4試合に終わったが、今季は開幕から19試合連続無失点で序盤からアピールを続けた。「任されたらどんな場面でも勝ちにこだわって全力で腕を振る」。チームのムードメーカーがブルペンに新風を吹かせた。○...先発ローテに返り咲いた山岡が、優勝を支える中心戦力になった。昨季はシーズン中の右肘手術で長期離脱し、日本シリーズ第5戦の救援で勝ち投手に。今季は4月1日の日本ハム戦でチームの連敗を5で止める復活勝利を挙げ「2年分の借りを返したい。ホームでいっぱい勝っていけたら」と明かした。山本、宮城らと投手陣を引っ張った。終盤は新型コロナウイルス感染などで調子を落としたが、復活の6勝が優勝につながった。○...守護神の平野佳が胴上げ投手は阿部に譲ったが、連覇に貢献した。28セーブを挙げた38歳のベテランクローザーはブルペンの精神的支柱。躍動する若手投手もサポートしながら「任されたところでしっかり投げるように」と頼もしい兄貴分的役割を果たした。中嶋監督からも「いるだけでみんなの薬。安心の材料」とたたえられる右腕が、ポストシーズンも奮闘する。○...昨季ベストナイン、ゴールデングラブ賞でブレイクした宗が、今季も安定した成績でチームを支えた。9月19日のソフトバンクとの首位攻防戦では、延長10回2死満塁で二遊間を切り裂くサヨナラ打で涙した。「年齢を重ねてから泣きやすくなってて(笑い)。絶対に全員で優勝したいと思います!」。紅林と並びチーム最多の130試合に出場。劇的な逆転優勝に感極まった。○...山崎福が先発&中継ぎの5勝で連覇を支えた。中学3年時に脳腫瘍を乗り越えた左腕は、今季から1イニングにつき1万円を同じ病に苦しむ患者、家族のために寄付。「1イニング、1アウトでも多く」と念じ、昨季のキャリアハイの116回1/3に迫る114回2/3を投げ抜いた。野手顔負けの打撃センスも健在。7回1失点で今季2勝目を挙げた翌日の6月3日広島戦では野手としてベンチ入りし、3点リードの6回2死で代打起用された。結果は二飛だったが、プロ8年目のシーズンも投打の才能をフル活用させた。○...能見兼任コーチが移籍から2年連続Vを果たした。連覇を呼び込んだ"優勝請負人"は、今季限りで現役を引退する。引退セレモニーが行われた9月30日のロッテ戦(京セラドーム大阪)では同点の8回に登板。安田から4球で空振り三振を奪い、現役生活に幕を下ろした。ポストシーズンはコーチ業に重きを置き、若手投手陣を積極的にサポートする。○...ヘッドコーチの水本監督代行が挙げた3勝も連覇を支えた。中嶋監督が新型コロナウイルス陽性判定を受け、8月26日の西武戦から9月1日楽天戦まで6試合を指揮し、3勝3敗の5割で役割を果たした。采配2戦目の8月27日の西武戦では、宮城がプロ初完封。左腕は代行1勝の記念球を水本ヘッドに手渡そうとしたが「自分で持って、大事にしてほしい」と受け取らず。選手を思いやる心遣いで、監督不在の非常事態を乗り切った。○...昨季本塁打王のラオウこと杉本が、シーズン最終戦で再昇格し、価値ある一打を放った。途中出場から9回1死一塁で左翼線二塁打。伏見の2点適時打につなげた。春先に極度の打撃不振に陥り、一時は打率が背番号と同じ0割9分9厘まで下がったが、懸命に立て直した。「もうやるしかない。1打席に集中していきたい」。鬱憤(うっぷん)を晴らすべく、ポストシーズンでの"昇天ポーズ"連発を約束した。○...高卒3年目の紅林は、早出練習に付き合ってくれた中嶋監督に感謝した。「監督が、もっと打てよ、バカタレ! とか、愛情のある言葉をくださって、シーズンを頑張ることができました」。指揮官からティー打撃のトスをあげてもらうなど、濃密な時間を過ごしてきただけに、格別の優勝となった。○...中川圭は「超ユーティリティープレーヤー」で貢献した。内外野を守れ、クリーンアップを任されても結果を残す。日々スタメンオーダーの変わる「中嶋野球」の申し子は、指揮官から「無敵」と表現される。4年目で初の規定打席もクリア。「試合に出させてもらっている立場。監督に恩返しできるように、1球1球、死に物狂いでプレーしていけたら」と日本一を見据えた。
◆オリックスが大逆転で、95~96年以来のリーグ連覇を飾った。 ソフトバンクが優勝マジック「1」で迎えたロッテ戦に敗れ、2位オリックスが楽天に勝利した。最終成績が76勝64敗2分と両球団が勝率で並んだが、直接対決で勝ち越しているオリックスが2連覇を決めた。オリックスとソフトバンクが76勝65敗2分け、勝率5割3分9厘の同率でシーズンを終了。パ・リーグの順位は勝率で決まり、勝率が同じ場合は(1)当該球団間の対戦勝率(2)リーグ内対戦成績の勝率(3)前年順位の順で決定。オリックスはソフトバンク戦に15勝10敗と勝ち越しているため、オリックスが優勝となった。CSが始まる前は優勝決定法が異なり、同率で1位に2球団が並んだ場合は優勝決定戦(3試合)を行うことになっていた。ただし、2球団が同率1位で終了したことは過去になく、今年のオリックスとソフトバンクが初めて。CS以前ならば両チームで優勝決定戦だったが、「ルール」でオリックスの優勝が決まった。なお、1リーグ時代の36年秋は勝ち点で優勝を決め、勝ち点で並んだ巨人とタイガースが優勝決定戦を行って巨人が優勝した。
◆楽天が今季最終戦でオリックスに敗れた。69勝71敗3分けでシーズンが終了。2年ぶりに借金を持った状態で終わった。先発田中将は5回5安打3失点で12敗目。ヤンキース時代の17年に並び、自己ワーストタイとなった。4回まで1安打無失点と好投。試合の流れを作ると、打線は4回無死満塁でギッテンスが左前へ2点適時打。先制点をもぎ取った。相手先発は今季楽天戦8戦5勝0敗の"天敵"田嶋。それでも4回途中でマウンドから引きずり降ろした。投打がかみ合った序盤。しかし、5回に崩れた。先頭頓宮から四球を挟んで4連打。一気に3失点。ぼうぜんと立ち尽くした。楽天生命パークでは8連敗。今季本拠地では28勝39敗1分け。東北のファンへ、勝利を届けることがなかなかできなかった。【写真たっぷりWライブ詳細】オリックスが大逆転優勝!歴史的デッドヒート制した ソフトバンクまさかのV逸
◆オリックスがリーグ2連覇を決めた。球団では95~96年以来、26年ぶり。中嶋聡監督(53)の一問一答は以下の通り。-5回、宙に舞った中嶋監督「いやーなんか本当に感無量というか、本当にこんなことがあるのかと信じられない気持ちです」-涙を浮かべていた中嶋監督「本当に最後の試合で決まると全然思っていなかったです。みんな選手がみんなで連れてきてくれたこの勝利をありがとうと言いたいです」-昨季と違ってファンの前で胴上げ中嶋監督「やっと見せられたのかなと思います」-勝利が絶対中嶋監督「いや、諦めている選手は1人もいませんでしたし、最後まで絶対に勝つと思った。逆転してくれると思っていた」-つなぐ攻撃が見えた中嶋監督「もうオッケーです、全然」-投手陣も頑張った中嶋監督「野手のみんなも分かっていると思いますけど、投手の頑張りがないとここまでこられなかったので、野手陣頑張ってください」-最後は阿部を投入中嶋監督「安心して見ていました」-コロナ禍も乗り越えた中嶋監督「もうどこのチームも苦しい1年だったと思います。頑張って盛り返してここまできた選手を誇りに思うし、本当に選手おめでとう! 」-CSに向けてファンに中嶋監督「日本シリーズもいきたいと思います。もっと応援してください。ありがとうございました!」【写真たっぷりWライブ詳細】オリックスが大逆転優勝!歴史的デッドヒート制した ソフトバンクまさかのV逸
◆球団創設以来34年務めたオーナー職を今季で退くオリックス宮内義彦オーナー(87=オリックス本社シニア・チェアマン)も宙に舞った。都内から駆けつけ、歓喜の瞬間に立ち会った。「やっぱり野球は筋書きのないドラマ。あり得るとは思ったけど現実になって驚いている。幸せ過ぎるなと」。興奮で声が震えた。「オリックス」への社名変更と同時に阪急を買収。社名を売るための買収と言われ「何年で球団を手放すか」とささやかれた。本心は違った。財界きっての野球フリーク。関係者によると、優勝ができない時期も「身売り」の話は一切出なかったという。7年目の95年から2連覇を果たすと、一層、球団の強化に力を入れるようになった。近年は基本的にチーム編成には口を出さず、一線を引いていた。本業でも同じ。14年に本社CEOを退任し、経営者としては引退。その後、都内本社ビルにあった自らの部屋を別のビルに移した。経営陣が仕事をしやすいようにとの配慮だった。来季のオーナーにはオリックス本社の井上亮(まこと)グループCEO(70)が内定している。宮内氏は「雨男」で知られる。宮古島キャンプを視察すれば雨が降り、神戸に観戦に訪れれば雨で流れた。この日は星も見える夜空に向かって5度胴上げされた。最良の日となった。「買収した阪急は強いチームだったけど、オリックスは弱い時期が長かった。すぐに強くするのは難しい。今のチームはじわじわと上がったところ。これから安心していけるチームになるのかな。みんなの勝利です」。ホッとしたような表情だった。【柏原誠】宮内義彦(みやうち・よしひこ)1935年(昭10)9月13日生まれ、兵庫県出身。関学大卒。ワシントン大学経営学部大学院でMBA取得後、日綿実業(現双日)を経て1964年(昭39)にオリエント・リース(現オリックス)入社。80年に代表取締役社長。88年、阪急買収に伴いオリックス球団のオーナーに就任。00年会長兼グループ最高経営責任者(CEO)、14年からシニア・チェアマン。87歳は12球団オーナー最高齢。就任33年目の今年1月、今季限りでオーナー職を退くことを発表した。
◆磨いた黒バットに、執念が宿った。オリックス福田周平外野手(30)が、1点を追う5回無死満塁から逆転2点適時二塁打を放った。「みんながチャンスでつないでくれていましたし、なんとか食らいついてランナーをかえしたいと思ってました。良い結果になってくれてよかったです!」運命を分ける白球が三塁線上を走った。フェアか、ファウルか-。白い粉が飛ぶ。福田のバットコントロールには、数ミリの狂いもなかった。道具を大切にする福田は、試合前に必ずバットを磨く。グリップエンドに残るスプレーの跡をゴシゴシ擦る。「毎日、磨かないと。バットの重さが5~10グラム変わってしまうので」。プロ意識の高さが、打球に乗り移った。絶対に負けられない戦いで、躍動を続けた。9月30日のロッテ戦(京セラドーム大阪)では、同点の9回2死三塁、カウント3-0から一塁へセーフティーバントを決め、サヨナラ劇場を呼び込んだ。この日は初回先頭で投手ゴロに倒れるも、一塁へヘッドスライディング。必死に塁をもぎ取ろうと、ユニホームに泥をつけた。リードオフマンの気迫が勝り、大逆転Vを先導。福田こそ、バリバリ最強の背番号1番だ。【真柴健】○...伏見が負けられない最終戦で3打点を挙げた。2点を追った5回無死満塁で楽天田中将のストレートを右前に運び、反撃開始の適時打。「なんとか気持ちで打ちました!」と福田の逆転打につなげた。さらに3-2の9回1死二、三塁では楽天安楽からダメ押しの2点適時二塁打を放ち、勝利を決定づけた。9回裏は阿部とともに楽天の攻撃を3人で退け、試合を終えた直後にソフトバンクの敗戦で優勝が決まった。ここ一番での勝負強さを発揮した3打点だった。○...田嶋が今季最短の4回途中4安打2失点で降板し、初の2桁勝利はならなかった。中12日での登板となった左腕は「やることは全部やりました。もちろん勝負ごとなので、勝って終わりたい。チームに貢献できる投球をしたい」と力を込めていたが、今季最終戦で本領発揮はならなかった。
◆オリックス吉田正尚外野手(29)はベンチで勝利の瞬間を見届け、笑顔で飛び出した。普段は打席でも守りでもほとんど表情を変えない"鉄仮面"が、崩れていった。昨年は死球禍で右手首を骨折。ロッテと抜きつ抜かれつの最終盤、オリックスは主砲抜きで戦った。苦しいときには「正尚がいれば...」とナインからため息もれたが、今年は逆に「正尚がいるから大丈夫」と、大黒柱は不動だった。打率3割3分5厘、21本塁打、88打点。タイトルには届かなかったが「チーム3冠」で引っ張った。昨年10月21日の本拠地最終戦セレモニーに患部をサポーターで固定した状態で姿を見せ、選手会長としてあいさつ。「ここからCS、日本シリーズとしびれる試合が続きますが、有休が残っている方は使っていただき、ともに戦っていきましょう」とファンに呼びかけた。あれから1年。「今年も、その時期が来ました。僕たちは勝つこと、勝利を目指すだけ。1つでも良いプレー、良いスイングで、熱く応援してもらえれば。何かに熱中できることって才能ですし、幸せなことですから」と、ファンの後押しを待ち望む。優勝の記念撮影では、エース山本と2人で中嶋監督を挟んで写真に納まった。「目指してるのは1番だけですから」と、昨季は届かなかった96年以来の日本一へ全員で突き進む。
◆球団創設以来34年務めたオーナー職を今季で退くオリックス宮内義彦オーナー(87=オリックス本社シニア・チェアマン)も宙に舞った。都内から駆けつけ、歓喜の瞬間に立ち会った。-昨年と比べて今年の優勝は「昨年はロッテさんが負けるのを待ってるという。今日は同時進行のね、はるかに臨場感がありましたね。今日、東京を出るときは(優勝確率を考えて)気が重かったんだけども、野球というのは筋書きのないドラマですね。でも本当によくやってくれました。2年続けて私まで胴上げされてですね。幸せすぎるなと思ってます」-在任中、苦しい時期もあったが「苦しい時期の方が長かったですよね(笑い)。阪急ブレーブスを買収したときは、強いチームだったんだよね。それが徐々に弱くなり、仰木さん頑張ってくれたんだけど徐々に力が落ちて。1年で弱いチームが強くなるってなかなか難しいんでね。時間かかったなと。これからがもっと安心して見られるチームになっていくと思うんだけどね。とにかく今日はこういうことになるというのは、心の隅でありうると思っていたけどね、現実になって驚いている状況です」-監督の手腕は「そらもう、中嶋さんがいてこういうチームができたんだからね。フロントも考えてくれたし。みんなの勝利です。同率首位でしょ。運も味方してくれなと思いますし、もちろんよくやったと言えるし、とにかくうれしいだけです」宮内義彦(みやうち・よしひこ)1935年(昭10)9月13日生まれ、兵庫県出身。関学大卒。ワシントン大学経営学部大学院でMBA取得後、日綿実業(現双日)を経て1964年(昭39)にオリエント・リース(現オリックス)入社。80年に代表取締役社長。88年、阪急買収に伴いオリックス球団のオーナーに就任。00年会長兼グループ最高経営責任者(CEO)、14年からシニア・チェアマン。87歳は12球団オーナー最高齢。就任33年目の今年1月、今季限りでオーナー職を退くことを発表した。
◆オリックスが歴史的大逆転で、仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇を達成した。勝利が絶対条件だった楽天に逆転勝ちし、優勝マジック1だった首位ソフトバンクがロッテに逆転負けしたため、同率ながら対戦成績が上のオリックスに凱歌(がいか)が上がった。前回連覇時のV戦士でもある中嶋聡監督(53)が、変幻自在だった仰木采配をほうつふさせる"ナカジマジック"連発で劇的ドラマ導いた。次の目標はもちろん、昨季果たせなかった日本一だ。涙はグッとこらえた。オリックス中嶋監督は、仙台の夜空に5度舞った。ペナントレース143試合目で、歓喜のピリオドを打ち「最後の試合で決まる...。信じられない気持ち。ここまで連れてきてくれた選手たちにありがとうと言いたい」と胸中を明かした。優勝マジックが点灯しない、異例の2連覇。可能性のある限り、諦めなかった。負ければVは厳しくなるの9月17日ソフトバンク戦(京セラドーム大阪)。首位を3ゲーム差で追う3連戦初戦、指揮官は円陣でゲキを飛ばした。「勝ち負けの責任は全部、俺が取る。みんなに背負うものはない。思い切っていけ!」ナインのガチガチの緊張は解け、勢いをつける3連勝。Vラインに踏みとどまった。「諦めている選手は誰もいなかった。誰もが絶対に勝つ! と。そういう顔をしていました」。この日も円陣で指揮官は声を張った。「勝って終わりたいな? 優勝のことを考えるなよ。この試合を勝って、喜ぼう。笑おう。全員で行くぞ! 全員で勝つぞ!」。冷静沈着な指揮官が燃えた。連覇しか視界になかった。球団合併後初の2年連続CS進出が決まっても「そこを見てるわけじゃない」と貪欲さを見せた。勝つ喜びを知った。8月末、新型コロナに感染。6試合、現場から離れ、画面越しにチームの奮闘を見た。知らぬうちに拳を強く握り「ファンの気持ち」を深く知った。選手ファーストの指揮官だ。20歳紅林を追いかけ回す日々で「友だちじゃないんだから...」と照れる。早出練習中には「もっと打て、バカタレ!」と愛情を注ぐ。試合後は球場のサウナで選手と遭遇すると意見交換。"裸の付き合い"で信頼を得た。就任後初の3連投を任せた山崎颯には「肩、上がるか?」と心配。「打順は生き物」と今季143試合で141通りのスタメンを組み、作戦を練った。1月31日のキャンプイン前日、全体ミーティングで中嶋監督は「日本でまだ2番目だから。俺たちは本当のところを目指す年になる」と訴えかけた。悲願の日本一へ-。「まずは日本シリーズに行きたいと思います。もっと、応援してください!」。本気のまなざしに、選手も、ファンも信頼してついていく。【真柴健】○...この日の山本はベンチ入りせず、ロッカー裏で試合の様子をチェックした。同時に優勝可能性のあったソフトバンクのロッテ戦(ZOZOマリン)の展開も追い、「精神的に一番しんどい日になりました。どちらも見ていたので、すごく忙しかった」と笑った。○...2年連続優勝マジックが最後まで点灯せず、消化試合も同じくゼロで連覇を決めた。昨年はシーズン最終戦の10月25日楽天戦で、エース山本が圧巻の完封勝利。首位を奪い返して貯金15でシーズンを終え、同27日の2位ロッテの敗戦で優勝が決まった。今年も最終戦で決着。優勝を争ったソフトバンクもこの日が最終戦で、別カードでの決着は54年ぶりという"超熱パ"を演出した。▽宮城(2年連続2ケタ勝利で貢献し)「本当に幸せ。(終盤)大事なところでやらかしているので、次(CS)はリベンジできるように一生懸命頑張りたい」▽NPB斉藤惇コミッショナー 史上稀に見る大混戦となったペナントレースでしたが、バファローズはシーズン終盤、連日の激戦を制し、大逆転での連覇を達成しました。中嶋聡監督のもとコーチや選手をはじめスタッフを含めたオリックス球団全員の力を結集させて勝ち取った素晴らしい連覇でした。
◆オリックスが最大11.5ゲーム差をひっくり返し、リーグ2連覇を決めた。エース山本由伸投手(24)は、15勝、防御率1.68、205奪三振、勝率7割5分で、史上初の2年連続4冠で貢献した。優勝会見の山本の一問一答は以下の通り。-2連覇山本「今日は出場機会がなかったんですけど、裏で試合を見ていて、1年で今日が一番精神的にしんどい試合になりました」-自分は投げずに相手も山本「どちらも見ていたので、本当にすごく忙しい1日でした」-1年を振り返って山本「前半は少し負ける試合もあったり、いろんな悪い内容の試合もあったのでとにかく必死に1年間投げられて、優勝してすごくうれしく思います」-能見投手兼任コーチが次元が違うと山本「すごく心から尊敬している方なので、すごくそういったことを言っていただけるのはすごくうれしい」-11.5差のときは苦しかった山本「昨年優勝できたので、今年は思ったようにいかないなとチーム的にもそういう時期もありました。でもみんなで助け合いながらコロナやけがで離脱が多い中、なんとか最後まで戦えてよかったです」-CS、日本一へ山本「昨年は日本一になれてないので、今年は日本一になれるよう全力で投げたいと思います」
◆楽天田中将大投手(33)は、5回5安打3失点で12敗目を喫した。ヤンキース時代の17年に並び、自己ワーストタイとなった。4回まで1安打無失点と好投。試合の流れを作ると、打線は4回に2点を先制した。しかし、その直後の5回に崩れた。先頭頓宮から四球を挟んで4連打。一気に3失点。ぼうぜんと立ち尽くした。「なんとしても勝ちたかったですし、順位も決まっている中での最終戦で、それでもたくさんイーグルスファンの方々が応援に来てくださっていましたし。そして西口もタイトルがかかっている中で、いい形でなんとかバトンをつなぎたい気持ちが大きかったんですけど、あのような形で逆転を許して、バトンを渡せなかったのも悔しいですし、またこの試合を勝てなかったのもそうだし」と唇をかんだ日本球界に復帰2年目の今季は、9勝12敗、防御率3・31。163投球回はリーグ3位。全25登板中、15度のクオリティースタート(6回以上3失点以内、QS)達成は、リーグ6位タイ。援護に恵まれず、勝ち星に恵まれないこともあったが、満足いく数字ではない。「去年、今年とイーグルスに戻ってきてプレーしていろいろありましたけど、やっぱり喜べることよりも苦しいことの方が多かったです。今日の登板も今年を象徴するかのような、1イニングにまとめて点を取られてという結局最後の最後もそういう失敗をして、今季が終わってしまった。その都度いろいろ整理してゲームに臨んできましたけど、シーズンが今日で終わって、しっかりと落ち着いて、全体的にシーズンを振り返って、オフの取り組みをまた考えていきたいと思っています」と話した。
◆オリックスがリーグ2連覇を決めた。球団では95~96年以来、26年ぶり。 中嶋聡監督(53)の一問一答は以下の通り。-連覇を果たした「ほっとしたというか、終わったなというか、最後の試合だったので、終わったなという感じですね」-ZOZOマリンのソフトバンクの動きは「裏の方で非常に大きな声が上がっていた。なんかあったなとは思ったが、目の前の試合を勝とうと思ってやりました」-今年は多くのファンの前で優勝「楽天さんの最終戦なので人がいっぱいいましたが、オリックスのファンもたくさん来てくださっていた。その中で決められたのはよかったです」-ペナントレースを振り返って「うれしい1年です。コロナとの戦いで、活躍したメンバーが抜けるのは苦しかったが、補うメンバーが出てきてくれた」-苦しかったのは「完全試合のあたりは非常に苦しかった。これでもか、というくらい(選手が)いなくなるときも苦しかった」-新たな選手が台頭「選手が自分でつかんだポジション。それを離さないというか、チームにも縁手にもプラスになった」-日本一へ「日本シリーズ、絶対に出たいと思いますし、ファイナルはここにいるメンバーがみんな活躍してくれると思うし、能見さんも投げるかもしれないですし、そこは準備してもらってやっていきたいなと思います」
◆2連覇を達成したオリックス宮城大弥投手(21)が優勝会見で、昨季逃した日本一へ意欲を燃やした。今季も先発ローテでフル稼働し、2年連続2ケタとなる11勝(8敗)を挙げた。宮城の会見の一問一答は以下の通り。-2年連続優勝宮城「本当にその立場にいられて幸せだなと思います」-2年連続2桁勝利宮城「自分自身の中では、1年通して波が多かった1年でした。そういう波を少なくできるようにもっと練習して頑張りたいなと思います」-一番印象的な試合は宮城「悔しい試合にはなるんですが、前回の楽天戦です」-CS、日本シリーズに向けてリベンジしたい宮城「大事なところでやらかしてる僕なので、しっかり次はリベンジできるよう、一生懸命頑張りたいと思います」-能見投手兼任コーチに宮城「引退する年に優勝できましたし、CSも頑張って日本シリーズでも日本一を取って引退させたいなと思います...すみませんでした」-日本一に向けて宮城「しっかりと調整して全力でリベンジできるように、ファンの声援も力になります。どうか力を貸してください。よろしくお願いします」
◆オリックスの選手会長の吉田正尚外野手(29)が優勝会見で喜びの笑顔を見せた。通算成績は打率3割3分5厘、88打点、21本塁打。打点王には届かなかったが「チーム3冠」でチームを引っ張った。吉田正の一問一答は以下の通り。吉田正優勝会見-2連覇決めた吉田正尚 「歴史的な優勝だと思いますし、すごい確率を引いたなと思います」-決まった瞬間吉田正尚 「やっぱり優勝か2位は全然違ってくる。みんなで喜びを分かち合えたのは、一生心に残る思い出だと思います」--試合前の声がけをしていた吉田正尚 「みんないろんな思いで頑張ってきたと思います。相手のこともありましたけど僕たちも勝つしかなかったので、心をひとつにして臨みました」--9月を中心に後半はすごく活躍吉田正尚 「前半はコロナにかかってそのあとケガもして、ちょっと苦しいチームとしても苦しい前半戦でした。でも、みんなでつないで勝利に導ける力が少しずつついてきたので、良かったと思います」--出塁率も高かった吉田正尚 「出塁、ちゃんと塁に出てチャンスメークそしてかえすのが僕のプレースタイルだと思いますので、よかったと思います」-今年はファンの前で優勝吉田正尚 「143試合目でこうして決まって本当にすごいことやなと思いながら。それをみなさんと一緒に分かち合えたのはいい思い出になりました」-日本一へ吉田正尚 「まず、日本シリーズに出るためにはクライマックスに進出しないといけない。また少し休んでしっかり調整して。ベストパフォーマンスを発揮できるようにやっていきたいです」
◆9月下旬に引退試合を行ったオリックス能見篤史投手(43)が優勝会見に出席した。若手の育成にも力を入れ、投手兼任コーチも務めており、山本、宮城らのについても話した。会見に一問一答は以下の通り。-優勝の感想「本当にうれしいですし、オリックスで優勝、引退を表明して優勝、幸せです」-今年の強さは「中嶋監督のもと、ぼくが見ている感じではそこまで層が厚いとは感じない。その中で前半は苦しみましたが、後半は選手が力を発揮してへばることなく投球するのが感じた。失速するんじゃなく、あがっていったのは、なんでこうなってるんだろうとずっと考えているけど、答えがなかなか見つからないですね」-新たな投手が「能力を持った選手はたくさんいますし、でも先発がしっかりしていないとうまく機能しないといけないのでそこが軸になっている。由伸を中心にいい働きをしている。それが1つの要因かなと思います」-山本、宮城への期待「期待というか普段通りやってくれたら。それだけのことを見せてくれている。不安な気持ちを取り除いてマウンドに上がれるようにサポートしたいと思います」-今後の登板に向けて「ぜひそういう機会はあればしっかり準備していきたいです。まずは4番でどっしりと構えている吉田正尚選手にそういう機会が与えていただけるように(吉田正)お願いします」-日本一へは「コーチの比重が僕は大きいのでしっかりサポートしていきたいなと思います」
◆楽天は今季最終戦に敗れ、2年ぶりに借金を背負った成績でシーズンを終えた。本拠地では8連敗で、28勝39敗1分けと東北のファンへ勝利を届けることが少なかった。最大貯金18から急失速で優勝を逃した。石井GM兼監督は「この1年戦ってきた反省材料をまた振り返って、来年につながるようなことに反映していきたい。優勝争いが毎年できるチームを目指してしっかりやっていきたい」。立て直しに注力する。
◆大逆転Vにヨシノブあり! オリックスが仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇を達成した。楽天に勝ち、ソフトバンクがロッテに敗れたため、シーズン最終戦で決着する劇的な展開。エース山本由伸投手(24)が球史に残る優勝を記念し、日刊スポーツに独占手記を寄せた。今季は15勝5敗、防御率1・68、205奪三振、勝率7割5分の圧倒的成績で、NPB史上初となる2年連続投手4冠を達成。仙台で歓喜に酔いしれた無双右腕が、胸中を激白した。【取材・構成=真柴健】大逆転連覇!! 日刊スポーツ読者の皆さん、オリックスの山本由伸です。いつも温かい応援ありがとうございます! 悲願の連覇を達成できました! みなさんのおかげです! 今年は10・2の最終戦まで優勝争い。いやぁ、本当にドキドキしましたね。ここからはCS、日本シリーズ。日本一を目指して全力で頑張っていきます!今年もケガなく、年間を通して投げることができました。先発投手は週に1度の登板。僕も毎週、緊張しています(笑い)。学生さんなら学校のテストや就職面接、サラリーマンなら大切な商談とか? 心臓がバクバクすることもありますが、でも、大丈夫です。僕は緊張の種類を2種類に分けています。ドキドキするけど、実力以上のパフォーマンスを出せる「良い緊張感」と、本当にテンパってしまって、どうしようもなくなる「悪い緊張感」の2つ。試合で最高のパフォーマンスを発揮するには、たくさん練習して、自信を深めるしかありません。不安な気持ちになっても、そのゾクゾク感は力に変えられる。それが、絶対の自信につながると思います。日頃、練習していないことは本番で発揮できません。例えば...僕が大勢の前で「一発ギャグしろよ!」と言われても、ね(爆笑)。普段、一発ギャグの練習はしてないから「悪い緊張感」が一気に走る。さすがに、いきなりは無理。知識もコツもないです(笑い)。毎日、努力を積み重ねたお笑いの実力があれば「良い緊張感」が自然と出るので、堂々と披露できます。マウンドで緊張するたびに練習が大事だと心から思います。そう感じさせてくれた「出会い」が夏場にありました。朝散歩していた公園で、お笑い芸人のコンビが「M-1優勝するぞ!」と意気込んで漫才をされていたんです。誰もいないスペースで壁に向かって2人が大騒ぎ。テレビで見るような声量で、ハイテンションで本番さながらに倒れ込んだり。同じネタを何回もコンビで確認して、精度を高めていて「すごいなぁ!」と立ち止まってしまいました。これが練習の原点だなと。リーグ連覇という最高の形で、ペナントレースが終わりました。僕の中では「ご褒美」の概念はあまりないのですが、みんなで喜ぶビールかけは幸せを感じます。(19年の)プレミア12で経験したんですけど、ビールをかけられると、結構、痛いですよ(笑い)。(9月30日に)サヨナラバントヒットを決めた周平さん(福田)ならわかってくれるかな? 僕は水じゃなくて、アクエリアスを持って歓喜のシャワーを浴びせました。だって、ペットボトルの水は0・5リットル。アクエリは2リットル。4倍の量があるから、いっぱいかけられて楽しい(笑い)。優勝のビールかけは、もっともっと量がある。優勝したときにしかできない、大切な思い出です。歓喜、ビール...というと「休日」を思い浮かべます。"花金"って言うんでしょ? 僕は経験したことないですけど、知ってますよ(笑い)。オフシーズンは朝8時に練習場に向かうのですが、確かに金曜日に向かうにつれ、街を行く人たちも表情が明るい。心なしか月曜日はしんどそうに見えます(笑い)。みなさんも、お仕事お疲れさまです。オリックス連覇を喜んでもらって、一瞬だけ気持ちを休めて、余韻に浸って...また頑張りましょう。みんなで日本一、なりましょうね!(オリックス・バファローズ投手)
◆オリックスが歴史的大逆転で、仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇を達成した。勝利が絶対条件だった楽天に逆転勝ちし、優勝マジック1だった首位ソフトバンクがロッテに逆転負けしたため、同率ながら対戦成績が上のオリックスに凱歌(がいか)が上がった。敗れた5球団の監督コメントは以下の通り。ソフトバンク藤本監督 こっちが有利やったんやけどね。勝てばというところまで来てたんですけどね。プレッシャーがあったんかな。オリックスは投手陣が良かったですよね。先発、中継ぎ、パ・リーグで一番そろっているんじゃないかなと思います。西武辻監督 先発、中継ぎと投手陣が素晴らしく、なかなか点をとることができませんでした。我々は勝ち越すことができましたが、昨年リーグ優勝したことが大きな経験となり、選手たちに自信もあったのだと思います。楽天石井GM兼監督 投打、本当にしっかりとしたチームで、その周りを固める選手も安定感があったんじゃないかなと思います。ピッチャーで言えば、山本君以外のピッチャーも安定感があったと思います。ロッテ井口監督 投打にしっかり軸のあるチームだと思いますし、エースだったり4番だったりがしっかりと軸になって回ってましたしね。そういうチームにうちもしっかりと仕上げていかなくちゃいけないなと思っています。日本ハム新庄監督 層の厚さを感じますね。気が付いたら負けているっていう感じでした。中嶋さん、そういう運を持ってますよね? 運というか実力もあって、雰囲気的に「ヨシ! 行ける」と思っても、気が付いたら、あらあらあら...って。それが、強いっていうことでしょうね。頭がいい。野球を知り尽くしている監督ですよね。
◆オリックスがリーグ2連覇を決めた。球団では95~96年以来、26年ぶり。中嶋聡監督(53)は総額250万円超えの「サトシート」でファンサービスをしていた。ファンクラブ会員へ今季29試合を抽選でスペシャルシートに招待。監督が日頃の熱い応援の感謝を込めて開始された。京セラドームでは飲食付きのバックネット裏のシート。ほっともっと神戸ではエクセレントルームでゆっくりと試合を観戦できた。当選したオリックスファンは「中嶋監督や球団には感謝しかないです。ファンの間では監督シートをサトシートと呼ばせていただいています!」と感激していた。
◆仙台市内のホテルに戻ったオリックスナインは、昨年はコロナ禍でできなかったビールかけを楽しんだ。選手、球団関係者は優勝記念の帽子とTシャツを着用。宮内オーナーは「まだ夢を見ているよう」と壇上から声をかけ、中嶋監督は「本当に大したもん。まだ先があるけど今日は余韻に浸って」とあいさつ。クラッカーを一斉に鳴らすとテンションは最高潮に達した。日付が変わり、完全非公開で行われたビールかけでは1520本が泡と消えた。
◆イーグルスの22年シーズンが終わった。楽天は2日、本拠地・楽天生命パークで今季最終戦を迎え、オリックスに逆転負け。69勝71敗3分けの4位でフィニッシュし、目の前でオリックス連覇の胴上げを見た。2年ぶりBクラスの結果を、石井一久GM兼監督(49)は「自分の責任」と繰り返し、来季巻き返しへ決意を新たにした。最終戦セレモニーで石井GM兼監督は、最後まで戦況を見守ったファンに頭を下げた。「この1カ月、このターニングポイント、この1勝という、見えない壁に何度もはね返されました。チームスローガンの『譲らない』を胸に、その壁を突破しようと何度も努力しましたが、期待に応えることができませんでした」。本拠地では8連敗。NPB9年ぶりの2ケタ勝利をかけた田中将が、逆転を許した。2点リードの5回に、先頭から四球を挟んで4連打された。オリックスの勝負強さが際だった。同監督は「生命パークでなかなか勝ちを届けられなかった。歯がゆい1年だったと思います」。最後は勝って締めたかった。幸先のいいスタートを切った。5月10日には貯金18を記録。6月までは首位を争った。だがシーズン前半と後半で、流れはがらっと変わってしまった。「7、8月はよーいドンで、浅い回の防御率が悪かった」。序盤から追う展開が増えた。ベテラン先発陣をおびやかす若手の台頭もほしかった。野手陣は「何とかしないとと思うほど積極的になれなくなった部分がある」と来季への課題が見えた。目の前で優勝を決められた悔しさを、忘れない。田中将は指揮官のスピーチを聞きながら唇をかんだ。モニターに映し出された今季の振り返り映像をナインは真摯(しんし)な目で見つめた。反省がある一方で、島内が最多安打、松井が最多セーブと意地を見せ、宮森は22試合連続無失点と新人の快進撃もあった。「今年チームは成功、失敗、いろいろなことを繰り返してきました。未来は今の積み重ねだと思っています。失敗成功をしっかりと積み重ね、チーム一丸となって強い気持ちで臨んでいきます。来シーズンもご声援、よろしくお願いします」。この143試合を必ず、来年につなげる。
◆【日刊スポーツ西日本写真映像チームのとっておき映像プレイバック】オリックスバファローズがリーグ連覇達成!! 最終戦で歓喜のシャワーに中嶋監督の胴上げです。祝勝会はみんなでクラッカーで祝いました。
◆オリックスが史上初となるリーグ最終日の逆転Vで、2年連続14度目の優勝を果たした。仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇。勝利が絶対条件だった楽天戦に逆転勝ちし、優勝マジック1だった首位ソフトバンクがロッテに逆転負けしたため、同率ながら対戦成績が上のオリックスに凱歌(がいか)が上がった。前回連覇時のV戦士でもある中嶋聡監督(53)が、変幻自在だった仰木采配をほうふつとさせる"ナカジマジック"連発で、劇的ドラマに導いた。次の目標はもちろん、昨季果たせなかった日本一だ。
◆オリックスが史上初となるリーグ最終日の逆転Vで、2年連続14度目の優勝を果たした。仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇。勝利が絶対条件だった楽天戦に逆転勝ちし、優勝マジック1だった首位ソフトバンクがロッテに逆転負けしたため、同率ながら対戦成績が上のオリックスに凱歌(がいか)が上がった。前回連覇時のV戦士でもある中嶋聡監督(53)が、変幻自在だった仰木采配をほうふつとさせる"ナカジマジック"連発で、劇的ドラマに導いた。次の目標はもちろん、昨季果たせなかった日本一だ。
◆オリックスが史上初となるリーグ最終日の逆転Vで、2年連続14度目の優勝を決めた。仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇。勝利が絶対条件だった楽天戦に逆転勝ちし、優勝マジック1だった首位ソフトバンクがロッテに逆転負けしたため、同率ながら対戦成績が上のオリックスに凱歌(がいか)が上がった。ツンデレ同期愛-。オリックス宮城大弥投手(21)が、19年ドラフト1位、2位で同期入団の紅林弘太郎内野手(20)に、日刊スポーツを通じて、愛を込めたメッセージを送った。高卒3年目の2人は本拠地・京セラドーム大阪に「愛車ドライブ」で通うほどの仲で、日頃から親交が深い。そんな宮城から、紅林に贈る"ミヤクレター"だ。昨季のV決定時は紅林が体調不良で不在。ロッテとのCSファイナルステージを勝ち抜いた際は、宮城が先発登板を翌日に控えていたため不在。"すれ違いだった歓喜"を今年は一緒に成就した。手紙の内容は一見素っ気ないが、心が通じ合っているからこその信頼を感じる。【企画・構成=オリックス担当=真柴健】
◆オリックスが史上初となるリーグ最終日の逆転Vで、2年連続14度目の優勝を決めた。仰木監督やイチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇。勝利が絶対条件だった楽天戦に逆転勝ちし、優勝マジック1だった首位ソフトバンクがロッテに逆転負けしたため、同率ながら対戦成績が上のオリックスに凱歌(がいか)が上がった。前回連覇を含む90~00年に球団代表を務めた井箟重慶氏(87=関西国際大名誉教授)が祝福のコメントを寄せた。混戦を勝ち抜いての優勝は大きな価値があります。今はまったく球団に関わっていませんが、外から見ていて驚きました。95年の優勝時は野手でイチローが22歳、田口壮が20代中盤。投手では高卒2年目の平井正史がリリーフで15勝27セーブと大活躍。若い選手たちを現監督の中嶋聡、現GMの福良淳一らの中堅、ベテランががっちりと支える構図でした。今のチームは若手や経験の浅い選手ばかりです。なのにこれだけ躍進できたのは、ひとえに監督の手腕です。失礼ながら、現役時代の中嶋くんからは想像ができない。日本ハムで長く選手兼任コーチを務め、1軍だけでなく2軍やコーチ業を身をもって知った。必死に勉強したのだと想像します。その環境におかれても勉強しない人は全くしないのですが、彼は違いました。努力のたまものです。日本ハムからオリックスに呼び戻したことは大正解でした。若手中心だと戦いが危なっかしくなるものですが、監督が完全にカバーしている。起用やケアなどの選手管理に長(た)けています。スタッフ、コーチ陣との連係も非常にうまいそうです。ここは彼が阪急、オリックスの生え抜きという背景も効いているように映ります。「編成がしっかりしていると強くなる」。長年、フロントをやって強く感じました。今回の連覇は編成の勝利でもあります。その編成部門をまとめる福良GMの功績も大きいです。(談)
◆リーグ連覇を目指すオリックスが勝負に出た。高卒2年目の来田涼斗外野手(19)を「8番・DH」で約5カ月ぶりとなるスタメン起用。宮城大弥投手(21)を中継ぎとして待機させた。来田は今季ここまで9試合に出場し、打率・136、0本塁打、0打点。この日、出場選手登録され、5月10日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来となる先発で起用された。また24試合に先発していた宮城が中継ぎとしてベンチ入り。本田、黒木、小木田がベンチ入りメンバーから外れ、山崎福も中継ぎとして登録された。野手ではT─岡田はベンチから外れ、杉本が打撃陣に加わった。ソフトバンクが敗れ、オリックスが勝った場合のみ、リーグ連覇となる。
◆リーグ連覇へ絶対に負けられないオリックスが逆転に成功した。0─2の五回。先頭の頓宮、紅林の連打で一、二塁とし、代打・山足は四球。無死満塁という絶好機でまずは伏見が右前へ適時打。さらに、福田が三塁線を破る2点打で続き、一気に逆転した。オリックスがリーグ連覇するには、この一戦に勝利した上で、ソフトバンクがロッテに敗れることが条件。負けは許されない状況だ。
◆楽天・田中将大投手(33)がNPBでは2013年以来となる2桁勝利を逃した。0-0の四回に2点の援護をもらったが、直後の五回に一挙3失点。5回5安打3失点でリードを許したまま降板した。2年連続の勝率5割以上でのフィニッシュへ、借金1で迎えた今季最終戦。優勝の可能性があるオリックスの胴上げを阻止する意味でも、意地を見せたい試合だった。チームとしても個人としても重要な一戦を前に「シーズン最終戦、応援にしてくださる方々に向けて勝利を届けられるように」と力を込めていたが結果は悔しいものとなった。四回まで1安打投球も2-0で迎えた五回に連打と四球で無死満塁とされ、9番・伏見に右前適時打を許した。1点差に詰め寄られると福田には逆転の左前2点打を献上。2ボールから149キロの直球をたたかれ、左翼線を破られた。登板前日は「(勝ち星が)9と10では大きく違うのは間違いないですけど、そこは意識しては投げない」と平常心を強調。言葉通り、淡々と四回までは目の前のアウトを積み重ねていただけに悔やまれる〝魔の五回〟となった。
◆オリックスが昨季に続き、14度目(阪急時代を含む)のリーグ優勝を世紀の逆転で飾った。2点を追う五回、楽天・田中将大投手(33)を攻め、伏見寅威捕手(32)の適時打で1点差とし、福田周平外野手(30)が左前打を放って、一気に逆転した。九回には2点を追加した。ソフトバンクが敗れ、76勝65敗2分で両チームが並んだが、対戦成績で15勝10敗と勝ち越しているオリックスが規定により、上位となった。レギュラーシーズン最終戦で、マジック未点灯のまま、球史に残るペナントレースを制した中嶋聡監督(53)の体が宙に舞った。8日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(ペイペイD)で激突するソフトバンクー西武の勝者と、12日開幕のCSファイナルステージ(京セラ)で対戦する。
◆オリックスは泣いても笑っても最後の試合。連覇に向けては、相手次第となる厳しい条件。多くのファンが駆けつけた杜の都で勝つしかない。忘れられない「10・2」に悔しさを晴らすため、大事な先発マウンドに田嶋大樹投手(26)が上がったが、役割を全うできなかった。「1イニングでも長いイニング投げてチームに貢献する」24試合に先発した宮城、山崎福も中継ぎとして登録されるなど、まさに総力戦。三回まで無失点。それでも四回に無死満塁となり、中嶋監督が動いて比嘉にスイッチ。勝利を渇望し攻めたが...。その比嘉がギッテンスに左前へ2点打を浴び、指揮官も天を見上げるしかなかった。それでも選手たちは諦めない。0-2の五回、無死満塁の好機で伏見が右前適時打で1点を返すと、続く福田の三塁線を破る左前へ2点打で逆転するなど意地を見せた。ソフトバンクの負けが大前提になる一日。遠く離れたZOZOマリンでも大きく事態が動いた。六回にロッテ・山口が0―2から逆転3ラン。このままオリックスが逃げ切り、ソフトバンクは追いつけず、両チームの最終戦は終わった。2014年10月2日。首位ソフトバンクと壮絶な優勝争い。最終盤での直接対決でサヨナラ負けを喫し、2厘差で2位と涙をのんだ。時を経て8年後。試合終了から約3分後、杜の都・仙台に朗報は届いた。
◆オリックスが昨季に続き、14度目(阪急時代を含む)のリーグ優勝を世紀の逆転で飾った。2点を追う五回、楽天・田中将大投手(33)を攻め、伏見寅威捕手(32)の適時打で1点差とし、福田周平外野手(30)が左前打を放って、一気に逆転した。九回には2点を追加した。ソフトバンクが敗れ、76勝65敗2分で両チームが並んだが、対戦成績で15勝10敗と勝ち越しているオリックスが規定により、上位となった。レギュラーシーズン最終戦で、マジック未点灯のまま、球史に残るペナントレースを制した中嶋聡監督(53)の体が5度、宙に舞った。8日から始まるクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(ペイペイD)で激突するソフトバンクー西武の勝者と、12日開幕のCSファイナルステージ(京セラ)で対戦する。中嶋監督のインタビューは以下の通り。ーーおめでとうございます「ありがとうございます」ーー5回、宙に舞いました「いやあ、本当に感無量と言いますか...本当にこんな事が起こるのかと信じられない気持ちです。ハイ」ーー目元を押さえているように見えた「いや本当に最後の試合で決まるとは、もう全然思ってなかったですし、選手がみんなが本当に頑張ってくれて、ここまで連れて来てくれた、この勝利を...本当にありがとうと言いたいです」ーー昨年は試合がなかった日に優勝が決まった「やっと見せられたのかと思います」ーー先制される展開「あきらめている選手は一人もいませんし、最後まで絶対に勝つという気持ちを持っていましたし、何とか逆転してくれると思っていました」ーー五回は4連打で逆転。つなぐ攻撃が見られた「いや、もう...(ニッコリ笑って)OKです! 全然、ハイ」ーー投手陣はどう見ていた「野手のみんなもわかっていると思いますが、ウチのピッチャー陣の頑張りがなかったら、ここまで来れなかったですんで、まだまだ先がありますけど、野手陣頑張ってください」ーー九回には阿部を送り出した「まあ、安心して、見ていました」ーーコロナの離脱者がけが人があって、それを乗り越えた選手にどんな言葉を「どこのチームも苦しい1年だったと思いますし、それでもよく頑張って盛り返して、最後にここまでやれる選手たちを誇りに思いますし、ホント、おめでとう」ーー1995年、96年以来のチームとしてのリーグ連覇。日本一に向けて「もうひとつクライマックスシリーズがあって、日本シリーズ行きたいと思います。もっと応援してください。ありがとうございました」
◆今季限りで退任を表明しているオリックスの宮内オーナーも歓喜の輪に加わった。選手たちの手で5度、胴上げされ、「野球って筋書きのないドラマですね。よくやってくれた。わたしまで胴上げしてくれて幸せすぎる」と満面の笑みを見せた。阪急から球団譲渡を受けた1988年からオーナーを務め「苦しい時期の方が長かった」と実感を込める。イチローらを擁した95、96年以来のリーグ連覇を果たし「今のチームはじわじわと上がってきたところ。これからもっと安心して見られるチームになっていくんじゃないかな」とさらなる成長を期待した。
◆オリックスが昨季に続き、14度目(阪急時代を含む)のリーグ優勝を世紀の逆転で飾った。2点を追う五回、楽天・田中将大投手(33)を攻め、伏見寅威捕手(32)の適時打で1点差とし、福田周平外野手(30)が左前打を放って、一気に逆転した。九回には2点を追加した。ソフトバンクが敗れ、76勝65敗2分で両チームが並んだが、対戦成績で15勝10敗と勝ち越しているオリックスが規定により、上位となった。レギュラーシーズン最終戦で、マジック未点灯のまま、球史に残るペナントレースを制した中嶋聡監督(53)の体が5度、宙に舞った。最後の最後で笑ったのはオリックスだ。レギュラーシーズン143試合目。球史に残る逆転劇でリーグ連覇を達成し、中嶋監督が宙に舞った。「いやあ、本当に感無量と言いますか...本当にこんな事が起こるのかと信じられない気持ちです。ハイ」監督インタビューで静かに話し始めた指揮官の口調から、喜びがにじみ出ていた。昨季のリーグ王者として挑んだ2022年シーズン。チームを突き動かしたのはリベンジ精神だ。開幕前日。指揮官はナインを集め、言った。「去年は日本で2番のチームだった。今年は日本で1番のチームになろう」日本シリーズでヤクルトに敗れて終わった昨年。今季も育成と勝利の両立を継続しつつ、チームの成熟を目指した。そのために必要なのは、いかにベストパフォーマンスを発揮させられるか。休みの日でも自らスコアラー陣に連絡を取り、「こういうデータは出るか?」「こんなデータはないかな?」と相談。他球団の選手に関するデータより、自チームの選手データを重要視した。詳細に要望したのは投手別の投球割合。誰がどのくらい投げているのか、どのぐらい投げるとパフォーマンスが低下し始めるのか。故障のリスク軽減、コンディション維持のため、入手した選手データを入手し、起用にフィードバック。「データ的には見ましたよ、いろいろ」と、連投や球数の制限につなげた。8月下旬に自らが新型コロナウイルスに感染し、戦列を離れている時期には電話などを使用し、コーチ会議に〝リモート〟で参加。スタメンや選手のコンディション管理などの指示を送った。そしてコロナ療養を終え、迎えた勝負の9月。ソフトバンクと最後の直接対決となった17日からの3連戦(京セラ)の翌20日のロッテ戦(ゾゾマリン)の遠征メンバーから阿部、ワゲスパックを外した。ベンチから外すではなく、遠征に連れていくことすらしなかった。蓄積疲労を考慮し、大事な一戦でセットアッパーを帯同させないという大胆な決断だった。「苦しい場面で行ってくれてありがとう。この試合はみんなで戦って、勝ってくる。休んでいてくれ」。2人にねぎらいの言葉をかけ、必勝を誓った。宣言通り、ロッテ戦は勝利し、リーグ連覇へ駆け上がっていった。試合に敗れ、自らの采配に腹が立った夜もあった。「腹立って寝れないのは自分に対して。自分で解決するしかない」。球場ではそんな素振りは見せず、球場を離れてから「次の試合のことを考えていた。そのうちにきょうのことを忘れていく」。やり返すことだけを考え、愛飲する麦焼酎「いいちこ」の炭酸割りを喉に流し込んだ。すべてはチームのため、だ。「もうひとつクライマックスシリーズがあって、日本シリーズ行きたいと思います。もっと応援してください。ありがとうございました」1996年以来の日本一を誓った指揮官。ソフトバンクとの直接対決に敗れ、T─岡田や安達らが涙を流した2014年10月2日。あれから8年が過ぎ、メンバーの顔触れは大きく変わった。そして強くなった。目をかけ、見抜き、育てた教え子たちとともにつかみ取った2度目の頂点だ。■中嶋 聡(なかじま・さとし) 1969(昭和44)年3月27日生まれ、53歳。秋田県出身。鷹巣農林(現秋田北鷹)高から87年D3位で阪急入団。強肩の捕手として西武、横浜、日本ハムでもプレーし、2015年限りで現役引退。通算1550試合出場で打率・232(804安打)、55本塁打、349打点。引退後は日本ハムで1軍バッテリー兼作戦コーチなどを務め、19年からオリックス2軍監督。20年、西村監督の辞任を受け8月から1軍監督代行。21年から1軍監督で同年リーグ制覇。182センチ、84キロ。右投げ右打ち。年俸7000万円。背番号「78」オリックス・バファローズ 1936年創設の阪急から球団譲渡を受けて88年11月にオリックス・ブレーブスが誕生。その後にブルーウェーブに改称した。仰木監督の下、地元神戸が阪神大震災に遭った95年は「がんばろうKOBE」を合言葉にイチローらの活躍でリーグ優勝。連覇した96年は巨人を破って日本一達成。7年続けて首位打者に輝いたイチローが2000年限りで退団。弱体化が進んだ。04年に近鉄と合併し、オリックス・バファローズとなった。神戸と大阪のダブルフランチャイズ制を取り、08年に本拠地を京セラドーム大阪に一本化。中嶋監督が就任1年目の昨季、25年ぶりの優勝を果たした。オーナーはオリックス本社の宮内義彦シニア・チェアマン。
◆楽天の田中将は5回3失点でパ・リーグ単独最多の12敗目を喫した。9勝で2桁勝利に届かず「いろいろな方々の期待に応えることができなかった。そういう1年だった」と悔しがった。味方が2点を先制した直後の五回に踏ん張れない。無死一、二塁からバント要員の代打・山足を歩かせてしまい満塁。伏見、福田にともに速球を捉えられて連続タイムリーを浴び、逆転を許した。「今年を象徴するかのような、1イニングにまとめて点を取られる失敗をして、今季が終わってしまった」と肩を落とした。
◆4位楽天は逆転負けで4連敗。本拠地・楽天生命パークでは8連敗となり、2年ぶりのシーズン負け越しが決まった。先発の田中将は5回3失点で、米大リーグ時代を含めて自己ワーストタイの12敗目。黒星はリーグワーストとなり「何としても勝ちたかった」と肩を落とした。四回に味方に2点の先制点をプレゼントされるも直後の五回に集中打を浴び「今年を象徴するかのような1イニングにまとめて点を取られた。結局、最後の最後もそういう失敗をして今季が終わってしまった」と唇をかんだ。
◆4位・楽天は逆転負けで4連敗。本拠地・楽天生命パークでは8連敗となり2年ぶりのシーズン負け越しが決まった。試合終了後には最終戦セレモニーを行った。チームを代表し、石井監督は「ファンの皆さんに最高の笑顔をさせてあげられなかったのは自分の責任。未来は今の積み重ね。来季はチーム一丸となって強い気持ちで臨んでいきます」と誓った。
◆オリックスが昨季に続き、14度目(阪急時代を含む)のリーグ優勝を世紀の逆転で飾った。山本「必死に1年間投げられて、最終的にチームが優勝してうれしく思う。思ったようにいかない時期もあったが、みんなで助け合いながら最後まで戦えて良かった」吉田正「143試合目でこうして決まって、本当にすごいことだなと思う。みんなと喜びを分かち合えたのは一生、心に残る思い出」宮城「本当に幸せ。(終盤)大事なところでやらかしているので、次(クライマックスシリーズ)はリベンジできるように一生懸命頑張りたい」能見「オリックスに入団して優勝、引退を表明して優勝というのは本当に幸せ。コーチとしての比重が大きいので、しっかりサポートしたい」
◆オリックスの伏見は大一番で3打点をマーク。0―2の五回は右前に適時打を放ち、福田の逆転打につなげた。3―2の九回には2点二塁打で突き放し、力強くガッツポーズ。「何としても取りたいという気持ちだった。もう信じられない」と破顔一笑した。捕手としては6投手をリード。若い救援投手が多い中で「良さを出してあげるのを心がけている」。昨季は日本シリーズで敗れ「悔しい思いをしているのでリベンジしたい」と勇ましかった。
◆オリックスの能見は「入団して優勝、今年は引退を表明して優勝というのは本当に幸せ」と柔らかく笑った。投手コーチを兼任。若手の多い投手陣を支えてきた。「前半は苦しんだが、後半は本当に選手が力を発揮してくれた。へばることなくというか、そういうことをすごく感じられた」と述懐。昨季は逃した日本一へ向け「コーチの比重が大きいので、しっかりサポートできるようにしていきたい」と抱負を口にした。
◆祝勝会が仙台市内のホテルで開かれ、宮内オーナー、福良ゼネラルマネジャー(GM)ら関係者が優勝の喜びを分かち合った。選手はクラッカーを鳴らすなどして大はしゃぎ。その後のビールかけは非公開だった。
◆福田がリーグ連覇につながる決勝打を放った。五回に1─2とし、なおも無死満塁という絶好機で三塁線を破る逆転の2点打だ。「最高でした。今年は今年でまた違う優勝の仕方。経験をさせてもらった」。絶対に負けられない一戦だったが「いつも通り。僕の一人の力では勝てない」と冷静。この先に待つクライマックスシリーズに向け「去年、日本一取れなかった。なんとかその土俵に立てるように」と力を込めた。
◆伏見が試合を決める2点打を含む3打点と勝負強さを発揮した。「皆のためにというか、何としても点を取りたいと思っていた」と汗をぬぐった。0-2の五回、無死満塁から右前打で1点を返すと、3-2の九回には右中間を破る2点二塁打で感情を爆発させた。今季は若月との併用が続く中で、投手陣と信頼関係を築いてきた。「力のある投手が多いので、良さを出すことを心がけています」と扇の要としてチームを支えた。
◆歴史的V! 崖っぷちからの奇跡連覇!! パ・リーグは2日、今季最終戦が行われ、オリックスが楽天に5―2で勝ち、逆転で2年連続14度目(阪急時代を含む)の優勝を飾った。ロッテに敗れた首位・ソフトバンクと76勝65敗2分けで並んだが、史上初めて当該対戦成績(15勝10敗)で優勝が決定。オリックスの連覇はイチローらの活躍で成し遂げた1995、96年以来。中嶋聡監督(53)は就任2年目での達成となった。午後9時27分だった。劇的な逆転勝ちから約2分後。死闘を繰り広げたソフトバンクの敗戦を見届けると、オリックスナインがグラウンドに飛び出した。中嶋監督は水本ヘッドコーチと肩を抱き合い、目頭を押さえる。26年ぶりのリーグ連覇。歓喜の輪の中心で指揮官が5度、宙に舞った。「本当に最後の試合で決まるとは全然思っていなかったですし、本当に選手が、みんなが本当によく頑張ってくれてここまで連れてきてくれた。この勝利に本当にありがとうと言いたい」昨季のリーグ王者として挑んだ2022年シーズン。チームを突き動かしたのはリベンジ精神だ。開幕前日。指揮官はナインを集め、言った。「去年は日本で2番のチームだった。今年は日本で1番のチームになろう」今季も育成と勝利の両立を継続しつつ、チームの成熟を目指した。そのために必要なのは、いかにベストパフォーマンスを発揮させられるか。休みの日でも自らスコアラー陣に連絡を取り、「こういうデータは出るか?」「こんなデータはないかな?」と相談。他球団の選手に関するデータより、自チームの選手データを重要視した。詳細に要望したのは投手別の投球割合。誰がどのくらい投げているのか、どのぐらい投げるとパフォーマンスが低下し始めるのか。故障のリスク軽減、コンディション維持のため、入手した選手データを起用にフィードバック。「データ的には見ましたよ、いろいろ」と、連投や球数の制限につなげた。8月下旬に自らが新型コロナウイルスに感染した。戦列を離れている時期は試合をテレビでチェックし「不思議だった。ブルペンこうやって動くだろうな、とか、打ち方変わっているな、とか」。俯瞰で見ることで新たな発見も見つけつつ、電話を使用し、コーチ会議に〝リモート〟で参加。スタメンや選手のコンディション管理などの指示を送った。そしてコロナ療養を終え、迎えた勝負の9月。同17日からの最後の直接対決(京セラ)でソフトバンクに3連勝したにもかかわらず、直後に20日のロッテ戦(ZOZOマリン)の遠征メンバーから阿部、ワゲスパックを外した。蓄積疲労を考慮し、大事な一戦でセットアッパーを帯同させないという大胆な決断だった。「苦しい場面で行ってくれてありがとう。この試合はみんなで戦って、勝ってくる。休んでいてくれ」。2人にねぎらいの言葉をかけ、必勝を誓った。宣言通り、ロッテ戦を勝利し、リーグ連覇へ駆け上がっていった。「名前を挙げたらどんだけいるんだろうというぐらい。本当にすげえな、と思って」育成出身の宇田川や2年目の阿部、23歳の本田...。振りかざしたタクトに選手が応えてくれた。「僕の采配じゃなく、選手たちが自分たちでつかんだポジション」。次々と現れた〝新鮮力〟が、中嶋野球を体現した。1位と2位のチームが勝率で並び、当該対戦成績で優勝が決まったのは史上初。前日2位の球団がリーグ全日程終了日に逆転優勝したのも史上初だ。ソフトバンクとの直接対決に敗れ、T─岡田や安達らが涙を流した2014年10月2日。あれから8年が過ぎ、雪辱を果たした。選手の顔触れは変わり、もっと強くなった。この日を待ちわびていた。さあ、全員でW(笑)おう!!(西垣戸理大)
◆九回に登板し、胴上げ投手となった阿部が3人でピシャリ。「めちゃくちゃ緊張しました。言われたときは心臓が飛び出るんとちがうかなと思いました」と重圧を感じながらも締めた。先頭の銀次を二ゴロ、小深田を空振り三振、渡辺佳を左飛に抑えた。28歳で入団した2年目の右腕は今季は44試合に登板し、防御率0・61とリリーフ陣を支えた。「最後に任せてもらえたのは中嶋監督のおかげだと思います」と指揮官に感謝した。
◆前人未踏の領域、その頂に主砲のバットが導いた。投のMVPが山本なら、打は吉田正だ。見る者を魅了する豪快なスイングで、V2への道を切り開いた。「本当に歴史的な優勝だと思いますし、すごい確率を引いたなと思います。本当にやっぱり、優勝か2位は全然違う。最後、みんなで優勝を分かち合えたのは一生、心に残ると思います」今季は119試合に出場し、打率・335、21本塁打、88打点。昨季の悔しさをぶつけるように、快音を響かせ続けた。「去年悔しい思いをした。リーグ優勝して、もう一度、日本一を達成するというところを目指してスタートした」昨年はチームが25年ぶりのリーグ制覇に向け戦っている重要な時期に負傷離脱。9月初旬には左太もも裏の筋損傷により約3週間、戦列を離れ、復帰後も右尺骨を骨折した。死球による不慮の事故ではあったが、激しい優勝争いを繰り広げるチームの力になれなかった。だからこそ、チーム全員にカツサンドの差し入れ、「優勝に向かってカツ!!(笑)」とメッセージを添え、ナインを鼓舞。今季は5月にコロナ感染による離脱はあったが、9月は打率・413、7本塁打、23打点とチームをけん引。・447で2年連続で最高出塁率のタイトルを獲得し、リーグ連覇への原動力となった。「日本シリーズ出るためにはクラマックスシリーズを突破しないといけないので。少し休んで、またベストパフォーマンスを出せるようにやっていきたい」。選手会長のリベンジは終わらない。日本一に輝くまで、吉田正尚は止まらない。
◆2年連続で開幕投手を務めたオリックス・山本由伸投手(24)は15勝、防御率1・68、勝率・750、205奪三振、2完封で史上初となる2年連続の〝投手5冠〟を達成。2年連続のMVP最有力だ。日本球界を代表するエースが、今年もチームを頂点へと導いた。優勝の瞬間、満面の笑みでグラウンドへ飛び出し、歓喜の輪に加わる。山本がその剛腕で、V2への道筋を切り開いた。「前半は少し負ける試合もあったりいろんな内容の試合、悪い内容の試合もあったんですけど、とにかく一年間必死に投げることができて、最終的にチームが優勝することができてよかったです」2年連続で開幕投手を託された今季。心はリベンジに燃えていた。自身初の大役を任された昨季3月26日の西武戦(当時メットライフ)では、7回を4失点(自責1)で黒星。その後は獅子奮迅の活躍でチームを25年ぶりのリーグ優勝に導き、自身も初の沢村賞を受賞するなど数々の栄冠を手にしたが、「悔いが残るのは開幕戦で負けたこと」と言い続けた。体調面を考慮しつつ、首脳陣からリベンジの機会をもらった右腕は、3月25日の同戦(ベルーナ)で8回を3安打9奪三振無失点。チームに12年ぶりの開幕星をもたらし、「リベンジという意味でも強い気持ちを持って投げた」と笑顔。そこから快進撃を続け、26試合で15勝、防御率1・68、勝率・750、205奪三振、2完封で史上初となる2年連続の〝投手5冠〟を達成した。とにかく負けず嫌い。常に理想の投手像は「勝てる投手」。そのために努力は惜しまない。一見、地味に見えるようなトレーニングでも黙々とこなし、繊細なバランス感覚を養った。さらにはメンタル面や睡眠の入り方、体のケアに仕方などコンディション管理を徹底。「いいイメージを持って寝ることが大事」と睡眠の質にもこだわりを見せる。投球面では柔軟な対応力を持ち合わせる。投球動作に入り左足を後ろに下げた際、胸の位置にあるグラブを一度、腰の付近まで落とすスタイルと、そのまま投球するパターンがある。「そのときの感覚で。体が勝手に、という感じですね」。ベストな選択を体が覚えている。周囲が向上心の塊と称する山本由伸。目指す頂はまだまだ先だ。
◆史上初の2年連続〝投手5冠〟を成し遂げた山本由伸投手(24)。宮崎・都城高2年時から監督として指導した石原太一さん(28)=現会社員=がサンケイスポーツにメッセージを寄せ、エースのすごさを語った。昨年は1年間通して、あれだけの結果を出しました。今年は昨年並みかそれ以上の結果が求められる中、緊迫した試合でチームを勝利に導いたり、結果も出して本当にすごいなと思います。ほっともっと神戸で行われた昨年の日本シリーズの最終戦を見に行きました。実は由伸がプロに入ってから投げている試合を生で見たのは、それが初めて。何度か見に行こうとしたんですけど、仕事の都合だったりで観戦の機会を逃していました。率直に〝すごい〟と思いました。普段、僕のことを「太一さん」と呼んで慕ってくれる由伸と違い、目の色を変えて投げていた。野球人としての成長を感じました。同時に、いい意味で高校時代と変わらないなとも思いました。高校のときと同じで、試合を楽しんでいるように見えました。ビッグネームになっても、僕たちの前では変わらないんです。ケロッとしているんです。そこが由伸の良さ。変わらないなぁと思います。試合後は由伸の車で大阪のホテルまで送ってもらいました。車中でいろんな話をしました。高校のときの話だったり、今の話だったり。そのなかで「悔しい」と言っていました。高校のときから「勝てる投手になりたい」とずっと言っていました。昨年、話したときも〝まだまだ〟と満足していなかったんです。本当に向上心の塊のような子。今年もクライマックスシリーズ、日本シリーズではどこかで試合を見に行けたらと思っていますし、由伸ともそういう話をしています。去年は目の前で悔しい思いをしたところを見たので、今年はそれを晴らしてもらいたいですね。
◆オリックス・中川圭太内野手(26)がサンケイスポーツに手記を寄せた。大卒4年目の今季はシーズン中盤からレギュラーに定着。吉田正尚外野手(29)とともに主軸を担い、バットでチームの勝利に貢献した。けがで戦列に加われなかった昨年の悔しさや中嶋聡監督(53)への思い、東洋大時代に指導を受けた高橋昭雄前監督(享年74)へ感謝の気持ちを口にした。去年はチームの優勝争いや日本一をかけた試合で自分は何もできなかったので、今年はリーグ連覇に貢献できてうれしいです。去年の悔しさがあって今年こそは、と思っていましたし、きょうがなければあしたがない、という気持ちを変わらず持ち続けた結果、開幕は2軍スタートでしたけど、充実したシーズンが送れました。去年は優勝争いしているチームの試合をテレビではなかなか見られなかったですね。正直、去年の状態や調子は自分から見ても、とても1軍で出られるような状態ではなかったですし、手術(6月23日の試合中に左手首付近に痛みを感じ、「左手有鉤骨鉤骨折」と診断。同30日に摘出手術)もあったので。そこは割り切って来年に向けてやろうと思ってやっていた。来年1軍で活躍するにはどういう課題に取り組んだらいいのか、というのを考えてやっていました。取り組んだなかの一つが、右手の使い方です。もともと右利きなんで、右手の感覚が一番いいと思うんですけど、2年前の開幕前に右手に死球が当たったことがあって。いま思えば、そこから左手で打ちにいっていました。そしたら全然違う感覚になって、昨年は左手を骨折。それを含めて、けがの功名じゃないですけど、右手をもっと使えたら、というのがあったので、右手の意識は強くなりました。インパクトであったり、投手に対しての打ち返す感覚はよくなったと思います。初の規定打席にも到達は素直にうれしいですし、これを2、3年と続けるためには、まずはけがしないこと。けがしないことと、コンスタントに打てるようにするべきだと思うので、その2つは意識してやっていかないといけないと思います。毎日必死にプレーしていましたが、9月8日の西武戦(ベルーナ)での1試合2発は印象に残っています。打席で不思議な感覚だったんです。なぜか自然と反応ができた。あの試合だけは僕にもよくわからない感じではありました。見えない力、なのか、分からないです。ほんまに不思議だった。初めての感覚ですし、もうないと思います。その前日に高橋監督がお亡くなりになったことを聞きました。聞いたときはもう何も考えられなかった。頭の中が真っ白で。高橋監督は僕が大学1年から3年生まで指導してくださって、3年間ですけど、ほぼ毎日、打撃を教えてもらい、居残りとかでも1、2時間ティー打撃を教えてくれました。打撃をイチから教えてもらったので、僕のなかで恩師。打撃の恩師ですし、すごく感謝しています。オフにいい報告をできるようにいまシーズン頑張って、オフシーズン、みんなで監督のところにいこうという話をしています。中嶋監督も僕のなかでは大きな存在です。すごい僕を期待してくださっているのは伝わりますし、期待に応えたい気持ちがある。「無敵の中川」という言葉を使われていましたけど、それだけ期待してくれているということ。やってやろうという気持ちにはなりました。中嶋監督は距離がそこまで遠くないというか、気さくな方だなと思います。いじられたりもしますし、試合があって次の日の打撃練習中とか、『力みすぎやねん』とか、『一発で仕留めろよ』とか言われたりしますね。そういう言葉をかけてくれるから、気が楽になる面もありますね。(ポストシーズンは)短期決戦になるので、形どうこうは言っていられない。相手よりも1点でも多くとれば勝ちですし、それの積み重ね。一戦一戦、チームのために形を気にせずに思い切りプレーしたいです。(オリックス・バファローズ内野手)
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (1↑) |
ORIX |
76 | 65 | 2 | 0.539 (↑0.003) | 優勝 (↓1) |
0 | 490 (+5) | 458 (+2) | 89 (-) | 62 (-) |
0.246 (-) | 2.840 (-) |
2 (1↓) |
ソフトバンク |
76 | 65 | 2 | 0.539 (↓0.004) | 0 (-) |
0 | 555 (+3) | 471 (+5) | 108 (+2) | 86 (+2) |
0.255 (-) | 3.070 (↓0.02) |
3 (-) |
西武 |
72 | 68 | 3 | 0.514 (↓0.004) | 3.5 (-) |
0 | 464 (+2) | 448 (+4) | 118 (+1) | 60 (+1) |
0.229 (↓0.001) | 2.750 (↓0.01) |
4 (-) |
楽天 |
69 | 71 | 3 | 0.493 (↓0.003) | 6.5 (-) |
0 | 533 (+2) | 522 (+5) | 101 (-) | 97 (-) |
0.243 (-) | 3.470 (↓0.01) |
5 (-) |
ロッテ |
69 | 73 | 1 | 0.486 (↑0.004) | 7.5 (↑1) |
0 | 501 (+5) | 536 (+3) | 97 (+1) | 132 (-) |
0.231 (-) | 3.390 (↑0.01) |
6 (-) |
日本ハム |
59 | 81 | 3 | 0.421 (↑0.004) | 16.5 (↑1) |
0 | 463 (+4) | 534 (+2) | 100 (-) | 95 (+2) |
0.234 (-) | 3.460 (↑0.01) |
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