広島(★1対5☆)ヤクルト =リーグ戦25回戦(2022.09.30)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
このエントリーをはてなブックマークに追加

 123456789
ヤクルト
0030020005902
広島
0000000011611
勝利投手:山下 輝(1勝1敗0S)
敗戦投手:九里 亜蓮(6勝9敗0S)

本塁打
【ヤクルト】キブレハン(5号・3回表3ラン),オスナ(20号・6回表2ラン)
【広島】坂倉 将吾(16号・9回裏ソロ)

  DAZN
チケットぴあ 広島戦チケット予約 ヤクルト戦チケット予約

DAZN

◆ヤクルトは3回表、2死一二塁からキブレハンの3ランが飛び出し、先制に成功する。そのまま迎えた6回には、オスナが2ランを放ち、リードを広げた。投げては、先発・山下が8回途中無失点の好投でプロ初勝利。敗れた広島は、先発・九里が試合をつくれなかった。

◆今季限りでの現役引退を表明したヤクルト嶋基宏捕手兼コーチ補佐(37)に、広島選手会から花束が贈呈された。試合前に広島会沢翼捕手から花束を贈られ、笑顔で記念撮影に収まった。

◆日本選手歴代最多タイのシーズン55本塁打を放っているヤクルト村上宗隆内野手(22)の第1打席は右飛だった。1回2死一塁、1ボール2ストライクからの4球目。広島九里が投じた内角低め142キロ直球を捉えた。打球は大きく打ち上がったが、フェンス手前で野間のグラブに吸い込まれた。

◆日本選手歴代最多タイのシーズン55本塁打を放っているヤクルト村上宗隆内野手(22)は、第2打席で右前打を放った。3回、直前のキブレハンが左越え5号3ランで先制し、2死走者なしで打席に立った。1ボールから広島九里の外角チェンジアップを右前へ。これで2試合連続安打とし、3冠王に近づいた。

◆日本選手歴代最多タイのシーズン55本塁打を放っているヤクルト村上宗隆内野手(22)の、第3打席は四球だった。3点リードの6回先頭。広島の3番手森浦の初球カーブを見逃して1ストライクとした後、3球連続でボール球。続く外角直球を空振りし、最後は6球目のチェンジアップが低めに外れた。

◆ヤクルトのホセ・オスナ内野手が、2試合連発となる20号2ランを放った。3点リードの6回無死一塁、広島3番手森浦に対し、カウント1-2からの4球目、真ん中に入った144キロ直球を捉え、左翼席へ運んだ。前日29日は代打で19号逆転3ランを放っているオスナは、連日のアーチに「森浦投手から2年間抑えられてきて、初めて打つことができた。20号ウレシイデス」と喜んだ。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)がバットをへし折られた。5点リードの7回2死一、二塁で第4打席を迎えた。フルカウントからの6球目、広島松本が投じた内角148キロに詰まらされた。打球は力なく一塁後方へ上がり、二飛となった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)は3打数1安打(右前打)で7回裏の守備から交代し、日本選手歴代最多を更新するシーズン56号本塁打はまたもおあずけになった。13日巨人戦(神宮)で54、55号を放ったのを最後に、これで13試合、57打席ノーアーチ。レギュラーシーズンはあと10月2日の阪神戦(甲子園)、同3日のDeNA戦(神宮)の2試合を残すのみとなっている。

◆広島がヤクルトに連敗し、4年連続Bクラスが決まった。先発九里が3回2死走者なしから四球と安打でピンチを招き、3番キブレハンに左翼席への先制3ランを浴びた。さらに3番手森浦も2ランを被弾。打線はプロ2度目の先発となったヤクルト山下の前に8回途中まで5安打に抑えられ、プロ初勝利を献上した。最後まで勝負どころで弱かった。8月30日から7試合あったCSを争う阪神との直接対決は2勝5敗と負け越し。巨人の連敗によってCS進出の可能性を残して迎えた29日からのヤクルト2連戦は、初戦の4点差逆転負けに続き、この日は投打に完敗。ヤクルトに8勝16敗1分けと大きく負け越し、10月2日の最終戦を残して今季の戦いを終えた。中継ぎ防御率は昨季の3・81からわずかに良化された。投手コーチによる「1点でも少なく」という意識付けは一定の成果を挙げたのかもしれない。ただ、勝負の世界。それが勝利につながらなければ、意味がない。逆転負けはリーグ最多の34度。抑え投手を固定できなかった佐々岡体制1年目の20年を上回り、マツダスタジアム開場の09年以降では10年の38度に次ぐ数字となった。継投に課題があったことは明らかだ。打線も昨季と変わらぬ課題を露呈した。2年続けてリーグトップのチーム打率(今季は現時点)を残しながら、接戦をものにできない。1試合を残し、チーム盗塁数26個は球団史上ワースト記録更新が確実だ。ヒットエンドランなどの動きも見られず、選手個々の打力頼み。"機動力再建"を掲げて取り組んできた春季キャンプの成果が最後まで見られなかった。引き分け以下でCS進出が断たれるこの日の試合でも、最後まで広島ベンチ前で円陣が組まれることはなかった。大量ビハインドの展開で反撃もできず、矢崎と栗林を温存。あまりにも寂しい幕切れとなった。

◆ヤクルトのドラフト1位ルーキー山下輝(ひかる)投手が、8回途中5安打無失点でプロ初勝利を挙げた。ウイニングボールを手に高津監督と記念撮影に納まり「今はもう、ホッととしています」と喜んだ。188センチ左腕が、持ち味の打たせて取る投球を披露した。最速149キロの直球と、105キロのカーブで緩急をつけ、新たに習得したワンシームで広島打線を翻弄(ほんろう)。「左打者に食い込むボール(ワンシーム)で、それが効いたと思います」と振り返った。ドラフト指名直後に左前腕の疲労骨折が判明。焦る気持ちを抑え、リハビリに励んだ成果が結実。勝利球は「今日、母が1人で見にきてくれているので、母に渡したいと思います」と言う。村上とは同世代で「村上も頑張っているので、自分らも負けずに頑張りたいです」。これが2戦目の登板。シーズン最終盤でその名の通り、キラリと"ひかる"活躍を見せた。▽ヤクルト高津監督(プロ1勝の山下を絶賛)「緩急も使えるし、ストライクを取れる変化球も多いし、インコースにも投げられる。プロで成功する大事ないくつかを持っていると思います」○...日本選手最多のシーズン56号本塁打に王手をかけている村上は、3打数1安打1四球だった。13日巨人戦で55号を放って以来、これで13試合、57打席ノーアーチとなった。それでも3回2死走者なしでは、広島九里から2試合連続となる右前打。打率は3割1分7厘となり、中日大島と2厘差で3冠を維持した。高津監督も「表情は明るいし、上向きと思う」と評価。7回での途中交代については「休ませることも大事かなと思って」と説明した。▽ヤクルト・キブレハン(3回に5号先制3ラン)「ツーアウトからチャンスが回ってきたので積極的に打っていこうと思ってました。完璧に捉えることが出来ました」

◆広島がヤクルトに連敗し、4年連続Bクラスが決まった。試合後、佐々岡真司監督(55)は「こういう結果になって申し訳ない」とコメントした。チームはシーズン前半、先発陣が引っ張ったが後半は失速し、白星を重ねられなかった。その点について「僕が無理させたところもあった」と反省の弁をつむいだ。当初は10月2日のシーズン最終戦は大瀬良大地投手(31)が先発予定だったが、変更する意向も示した。佐々岡監督の一問一答は以下の通り。-投打ともに完敗だった佐々岡監督 そうですね、結果を見れば。いいところもなく終わったという感じがしますけど。-連敗でBクラス決定。受け止めを佐々岡監督 負けられない試合の中で連敗ということで、本当に選手は負けないように一生懸命頑張ってくれた中で、最後までファンのみなさんの諦めずに信じて期待していたと思うところ、こういう結果になって申し訳ない気持ちです。-前半戦引っ張った先発が後半戦息切れした佐々岡監督 そういうところは1年通して先発としてのやりくりは僕の責任でもあると思う。最後までできなかったこと、僕が無理させたところもあったと思います。-負けられない中で矢崎投手、栗林投手を使わなかった佐々岡監督 当然、用意はしていましたし、6回以降も森浦、松本、ケムナもうちの勝ちパターンの投手なので、1点もやらない気持ちは当然ありながらの起用でした。-明後日の最終戦の先発は大瀬良投手のままか佐々岡監督 代えるでしょうね。無理させない方針になると思います。

◆広島・小園海斗内野手(22)が「7番・遊撃」でスタメンに復帰した。29日のヤクルト戦(マツダ)は体調不良で欠場していた。今季は試合前時点で125試合に出場し打率・268、7本塁打、38打点、2盗塁の成績を残している。クライマックスシリーズ出場に向けて負けられない一戦に臨む。

◆広島・会沢翼捕手(34)が試合前、今季限りでの現役引退を表明しているヤクルト・嶋基宏捕手兼コーチ補佐(37)に粋な演出をした。現在の日本プロ野球選手会の会長を務める会沢が、歴代選手会長の1人である嶋に花束を渡し2人で記念撮影。バックスクリーンのモニターには「嶋基宏選手 16年間おつかれさまでした」とのメッセージが表示され、両軍のファンから温かい拍手が送られた。

◆ヤクルトのパトリック・キブレハン外野手(32)が2試合ぶりに「3番・左翼」でスタメン出場。三回に先制の3ランを放った。「ツーアウトからチャンスが回ってきたので、積極的に打っていこうと思った。完ぺきに捉えることが出来たよ」。2死から四球、内野安打でめぐってきたチャンス。初球のシュートを左翼席上段に運んだ。銀メダルとなった昨夏の東京五輪の米国代表。今季途中入団で、8月27日のDeNA戦では初アーチを含む1試合3本塁打をマークした。9月23日のDeNA戦以来の5号アーチで、チームに勢いをつけた。

◆広島の九里は5安打3失点と踏ん張れず、先発では今季最短となる3回でKOされた。クライマックスシリーズ(CS)進出が懸かった一戦で先発を託されながら、投手主将として期待に応えられなかった。0―0の三回2死で崩れた。四球と安打で招いた一、二塁のピンチで、キブレハンに初球の甘く入ったシュートを完璧に捉えられ、左越えに3ランを運ばれた。この回は投げきったが、視線を落としてベンチへ下がった。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)は3打数1安打で本塁打なしに終わり、シーズン日本選手最多を更新する56本塁打はまたお預けになった。村上は9月13日の巨人戦(神宮)で54、55号の2本塁打を放ち、1964年の王貞治(巨人)の記録に並んだ。その後は打撃不振に悩み、29日の広島戦(マツダ)までの12試合は、53打席ノーアーチ(41打数4安打)で打点0だった。この日は第1打席が右飛、第2打席は右前打、第3打席は四球、第4打席は二飛。七回裏の守備から退いた。これで13試合57打席アーチなし。今季は残り2試合。

◆緊張感を漂わせながらも表情は平常心。洗練されたフォームでスイスイと投げ込んだ。ヤクルトのドラフト1位・山下輝投手(23)=法大=が7回?を5安打無失点と好投。プロ初勝利を挙げた。「1軍の選手は、みんなすごい人ばかり。一球一球を丁寧に投げたい」気持ちを込めて挑んだプロ2度目のマウンド。持ち味の打たせて取る投球が光った。丁寧に両コースに制球して三回は先頭の小園に初安打を浴びたが、磯村を三ゴロ併殺打。代打・中村健を146キロの直球で空振り三振に打ち取った。昨秋の東京六大学リーグ戦で左尺骨の疲労骨折。ドラフト会議で1位指名されたものの、プロ生活はリハビリからスタートした。キャンプも2軍スタートで、思うように投げられない、もどかしい日々が続いた。それでも、コツコツと努力を続けて22日の中日戦(神宮)で初登板。五回途中9安打2失点で初黒星を喫したが、粘投を見せて次のチャンスを得た。同期の活躍に刺激を受けた。高校時代から旧知の仲でもあるドラフト2位・丸山和(明大)が25日のDeNA戦でサヨナラ打を放って、リーグ優勝に貢献。1軍の舞台で活躍する姿を目に焼き付けて燃えないわけがなかった。「本当にあの場面で良く打ったなと思います。自分も頑張らないと、というのはすごく刺激になりました」。座右の銘は「継続は力なり」。小さな努力を積み重ねてきたからこそ今がある。広島のスポットライトを一身に浴びて誰よりも輝いた。(森祥太郎)

◆わずか3回54球でマウンドを去った。敗れればBクラス確定の一戦。先発した広島・九里亜蓮投手(31)は5安打3失点で今季最短の3回でKOされた。三回2死から塩見に四球、松本友に二塁内野安打を許して一、二塁。キブレハンへの初球142キロのシュートが甘く入り、左翼へ3ランを食らってマウンドでがっくりと肩を落とした。その裏の打席で代打を送られ、降板となった。20日の中日戦(マツダ)は4回?を4安打2失点(自責1)で勝敗は付かなかった。昨季は13勝を挙げて阪神・青柳とともに最多勝を獲得したが、今季は6勝どまり。10月2日の中日とのシーズン最終戦(マツダ)で登板する可能性は低く、不本意な成績のままシーズンを終えることになりそうだ。負の連鎖は続く。六回に登板した3番手・森浦が先頭・村上を四球で歩かせると、オスナに2ランを浴びてリードを広げられた。投打がかみ合わず、マツダスタジアム通算500勝も逃してしまった。

◆緊張感を漂わせながらも表情は平常心。洗練されたフォームでスイスイと投げ込んだ。ヤクルトのドラフト1位・山下輝投手(23)=法大=が7回2/3を5安打無失点と好投。プロ初勝利を挙げた山下のヒーローインタビューは以下のとおり。--プロ初勝利。今の率直な気持ちは「いや、今はもうホッとしてます」--前回は敗戦投手。今日はどういうことを意識したか「やっぱり、左打者の抑え方っていうのを前回反省点として出たので、そこをしっかり。今日は投げ切れたっていうのが、今日は良かったところだと思います」--立ち上がりから、内野ゴロを打たせて取るというピッチング「そうですね、自分の持ち味だと思うので、そこは出せてよかったです」--三回以降は、ランナーを背負いながら「やっぱり、ランナーが出ても動じず投げるっていうのは、自分の長所だと思うので、そこはいつも通りできたと思います」--若い内山選手とバッテリー「そうですね。(内山)壮真がやっぱり引っ張ってくれたので、それに答えられてよかったです」--打線も2本のホームラン「いや、もう5点も取ってくれたので、楽に投げられました」--高津監督からどんな言葉をかけられたか「頑張ったなっていうふうに言っていただきました」--疲労骨折などもあり、苦労された中でプロ初勝利「そうですね、やっぱり今年中に1勝はしたいっていう思いで、ずっと1年間やってきたので、なんとか最後に1勝できてよかったです」--初勝利のボールはどうするか「今日、母が1人で見に来てくれてるので、母に渡したいなと思います」--スワローズファンに熱いメッセージを「まだまだここから頑張っていくので応援よろしくお願いします」

◆ヤクルトのドラフト1位・山下輝投手(23)=法大=が7回2/3を5安打無失点と好投。プロ初勝利を挙げた。?山下がプロ初勝利。ヤクルトの新人投手がプロ初勝利を挙げたのは、2020年の吉田大喜(8月7日のDeNA戦=先発、同年2勝)以来2年ぶり。?球団の新人左腕投手のプロ初勝利は14年の岩橋慶侍(7月5日の広島戦=救援、同年1勝)以来8年ぶり。先発では10年の中沢雅人(3月30日の中日戦、同年7勝)以来12年ぶり。大学から直接入団した新人左腕が先発でプロ初勝利をマークしたのは02年の石川雅規(4月4日の広島戦、同年12勝)以来20年ぶり。

◆ヤクルト・村上宗隆内野手(22)は3打数1安打で本塁打なしに終わり、シーズン日本選手最多を更新する56本塁打はまたお預けになった。この日は第1打席が右飛、第2打席は右前打、第3打席は四球、第4打席は二飛。七回裏の守備から退いた。これで13試合57打席アーチなし。2004年の松中信彦(ダイエー)以来、18年ぶり史上8人目の三冠王については前進した。当確にしている55本塁打、132打点のほか、打率は3打数1安打で・317に。2位の中日・大島は2打数1安打で・315。ヤクルトの残りは2試合、中日は1試合。

◆広島がヤクルトに完敗を喫した。今季残り1試合で5位が確定。試合後の佐々岡真司監督(55)の一問一答は次の通り。──投打ともに完敗「そうですね。結果を見ればいいところもなく終わったという感じがします」──3連敗で4年連続のBクラス確定「負けられない試合の中で連敗。本当に選手は負けないように一生懸命頑張ってくれた。最後までファンのみなさんも諦めずに信じて期待していたと思う。こういう結果になって申し訳ない気持ち」──先発陣は前半戦は引っ張ったが、後半戦は失速「1年通して先発としてのやりくりができなかったのは僕の責任でもあると思う。最後までできなかったこと、僕が無理させたところもあったと思います」──勝利が絶対条件の試合で矢崎、栗林両投手は起用はしなかった「当然、用意はしていましたし、六回以降も森浦、松本、ケムナもうちの勝ちパターンの投手。1点もやらない気持ちは当然ありながらの起用でした」──当初は大瀬良が10月2日の中日とのレギュラーシーズン最終戦(マツダ)で先発予定だったが変更の可能性は「代えるでしょうね。無理させない方針になると思います」

◆ヤクルトのドラフト1位・山下輝投手(23)=法大=が30日、広島最終戦(マツダ)に先発し、八回途中まで無失点と好投。2度目の登板でプロ初勝利を飾った。昨秋に左尺骨を疲労骨折した影響で、プロ入り後はリハビリからのスタート。苦労を重ねた左腕が第一歩を踏み出した。勝利の瞬間、?を緩めた。山下がテンポよく打たせて取り、プロ初勝利を飾った。「今年中に1勝はしたいという思いで、1年間やってきた。最後に1勝できて良かった」デビュー戦で五回途中2失点だった9月22日の中日戦は左打者に多く安打を浴びて黒星を喫した。その後、投手コーチや石川、小川から助言を受け、左打者に食い込む球を練習。ツーシームの握りを変えた140キロ前後の〝ワンシーム〟が新たな武器となった。左打者が4人並んだ広島打線に効果てきめん。最速149キロの直球と140キロ前半の新球を織り交ぜ、7回?を散発5安打無失点。2度目の登板で節目の勝利を挙げた。千葉・木更津総合高から進んだ法大1年時に靱帯(じんたい)再建手術を受け、東京六大学リーグ戦のデビューは3年春。昨秋に左前腕尺骨を疲労骨折し、今季はリハビリからのスタートだった。実戦デビューは6月28日。「早く活躍したい」と不安にかられたとき、法大3年時まで指導を受けた恩師、青木久典前監督に掛けられた『焦らずやっていけばいい』との言葉が支えになった。プロ入り後も何度か電話で相談に乗ってもらった。家族も支えになった。山下は3人兄弟の末っ子。家族の全員が入るLINEグループには『頑張っていけよ』『やっと投げられたな』と、いつも励ましのメッセージが届く。長兄・涼さん、次兄・透さんとは頻繁に連絡を取っており、悩みを聞いてもらった。ウイニングボールは母・京子さん(55)に渡す。「とりあえず1勝できたよ、と。その言葉を伝えたい」。スポットライトを一身に浴び、光り輝いた。(森祥太郎)■山下 輝(やました・ひかる)という男★生まれ 1999(平成11)年9月12日生まれ、23歳。千葉県出身。★球歴 小学3年時に岩根フェニックスで野球を始め、岩根西中では軟式野球部。木更津総合高では2年春夏は正一塁手、3年夏はエースとして甲子園出場。法大に進み、3年春に東京六大学リーグ戦初登板。4年秋は防御率0・98で最優秀防御率のタイトルを獲得。今季、ドラフト1位でヤクルト入団。★3人兄弟 3人兄弟の末っ子として生まれた。★趣味 お風呂好き。オフは寮近くの銭湯を探し回っている。★YouTubeで勉強 ヤンキース・チャップマンが行うトレーニング方法やブルージェイズ・菊池の投球フォームをYouTubeで見て練習などに取り入れている。★ルーティン 登板前日は必ずスパイクとグラブを磨く。当日はユニホームに袖を通す、スパイクを履く、ズボンをはくなどの動作を全て左から行う。★サイズなど 188センチ、100キロ。左投げ左打ち。独身。年俸1400万円。背番号15。

◆今季限りで現役を引退するヤクルト・坂口智隆外野手(38)が30日、神宮球場で記者会見を行い「『まだ、1、2年できるんじゃないか』と思い始めた時に、そういう気持ちで野球に向き合っているのは違うんじゃないかなと思い、決断しました」と言葉をかみしめた。球団は3日のDeNA戦(神宮)で内川聖一内野手(40)、嶋基宏捕手(37)とともに、引退セレモニーを実施する。「ぐっち」の愛称で親しまれ、プロ20年間で通算1525安打を放った不屈の男がユニホームを脱ぐ。03年にドラフト1巡目で近鉄に入団。04年限りで消滅した近鉄でプレーしたNPB(日本野球機構)最後の現役選手となっていた。独立リーグの四国IL・香川では近鉄、オリックス、ヤクルトで同僚だった近藤一樹投手兼任コーチ(39)が現役を続けており「近ちゃんは、まだまだバリバリ投げていてください」と伝えたことを明かした。「仲間に恵まれた」とし「次のステージへ、そういう人たちが奮い立たせてくれる」と感謝した坂口。涙をこらえ、新たな一歩を踏み出した。(赤尾裕希)

◆村上は3打数1安打。日本選手最多タイの55号を放ってから13試合連続ノーアーチとなった。三回には右前打を放ち、打率・317で2位の中日・大島との2厘差を維持。高津監督は「表情が明るいし上向きじゃないかな」と期待し、七回の守備で退いたことには「調整で休ませるのも大事かなと思って」と意図を説明した。

◆ヤクルト・山下の父、直人さん(56)が30日、サンケイスポーツに祝福のコメントを寄せた。リハビリからのスタートとなったプロ野球人生。逆境を乗り越えて節目の白星を飾った息子をたたえた。本当に、よくやってくれた。おめでとう。コツコツと地道に努力できるところを本当に尊敬します。それは生まれ持った才能で、誰もができるわけではない。逆境を乗り越え、成し遂げた1勝だと思います。2人の兄の影響で始めた野球でしたが、一番のめり込んでいきました。小学校時代は毎日、帰宅したら友達と遊ぶのではなく日が暮れるまで壁当て。その姿に応えようと、高校まで陸上をやっていた私は、息子たちが始めたと同時に野球の勉強をスタート。野球の本を買い込んだり、米大リーグの動画を擦り切れるほど見たりしました。欠かさなかったのは、投球フォームの修正点をスケッチブックに絵で描いて渡すことです。言葉で伝えるより分かりやすいと思い、小学生の時から高校卒業まで、ずっと続けました。帰ってきたら自主練に付き合い、試合での投球動画を見せてもらって改善点を夜な夜な探す。それを翌朝に絵で届け、学校での練習で試行錯誤させました。初勝利という形で実って、本当に良かったです。プロ入り後も、リハビリでのスタートながら、よく我慢して頑張ってきたと思います。でも、まだまだこれから。少しずつ成長していってくれたら、うれしいです。

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
79593 0.572
(↑0.003)
優勝
(-)
2608
(+5)
561
(+1)
170
(+2)
69
(-)
0.250
(-)
3.540
(↑0.02)
2
(-)
DeNA
72662 0.522
(↓0.004)
7
(↓1)
3492
(+1)
523
(+6)
115
(-)
49
(-)
0.251
(-)
3.470
(↓0.02)
3
(-)
阪神
68713 0.489
(-)
11.5
(↓0.5)
1486
(-)
425
(-)
84
(-)
108
(-)
0.244
(-)
2.670
(-)
4
(-)
巨人
67713 0.486
(-)
12
(↓0.5)
2545
(-)
586
(-)
163
(-)
64
(-)
0.244
(-)
3.720
(-)
5
(-)
広島
66733 0.475
(↓0.003)
13.5
(↓1)
1552
(+1)
541
(+5)
91
(+1)
26
(-)
0.257
(↓0.001)
3.550
(↓0.01)
6
(-)
中日
65752 0.464
(↑0.004)
15
(-)
1411
(+6)
495
(+1)
62
(-)
64
(-)
0.246
(↑0.001)
3.300
(↑0.02)