楽天(★4対5☆)ソフトバンク =リーグ戦24回戦(2022.09.29)・楽天生命パーク宮城=
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ソフトバンク
40001000051000
楽天
1210000004701
勝利投手:大関 友久(7勝6敗0S)
(セーブ:モイネロ(1勝1敗24S))
敗戦投手:安樂 智大(6勝2敗1S)

本塁打
【楽天】岡島 豪郎(3号・2回裏2ラン)

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◆ソフトバンクは初回、4者連続の適時打で一挙4点を先制する。その後は同点を許すも、5回表に今宮の適時打が飛び出し、再びリードを奪った。投げては、2番手・大関が2回2/3を1失点に抑えて今季7勝目。敗れた楽天は、打線が中盤以降の好機を生かせなかった。

◆優勝マジック「3」をともしているソフトバンクが、初回から打者一巡の猛攻を見せた。1死から2番周東が四球。2死一、三塁と好機を広げ、5番デスパイネの先制打から8番グラシアルまで4者連続タイムリーとつながった。立ち上がりが不安定だった楽天滝中に集中打。1回から打者9人で4安打4得点を奪った。ソフトバンクはこの日からビジター4連戦の勝負どころ。勝てば優勝マジックは「2」と減り、最速で30日にも2年ぶりのリーグ優勝が決定する。

◆ソフトバンク打線が、初回からつながった。2四球などで好機をつくり、2死一、三塁でアルフレド・デスパイネ外野手(36)が左前へしぶとく運んで先制打を放つ。「先制のチャンスでとにかく集中して打席に入った。詰まりはしたが、いいスイングで振り切ることができたよ」と分厚い胸を張ってみせた。さらに牧原大が中前へ、今宮は右前へはじき返し、連続の適時打で続いた。3点を奪ってなお2死一、三塁で打席に入ったのはグラシアルだ。不調のため出場選手登録を抹消され、リフレッシュ期間を経てこの日、再昇格。藤本監督は「リフレッシュするために10日間、2軍に行ってもらった。残り4試合、何も考えないで、来た球を打つだけ。リフレッシュはできたんじゃないかなと思います」と話していた。グラシアルはその期待通り、一、二塁間を破って、4者連続となる適時打で応えた。「自分のスイングをすることだけを考えて打席に入ったよ。ランナーを返すことができて良かった。とにかくチームの力になれるように頑張っていきたい」と、戦列復帰早々に自身にとっても安堵(あんど)の一打になった。藤本監督は、経験豊富な助っ人が不振にあえいでいる間も「ジュリ(グラシアル)の力は絶対に必要となってくる。復調してもらわないと」と繰り返し、話してきた。最終盤までもつれる優勝争いの中で、頼もしい男が戻ってきた。役者はそろった。決着の時はもう、すぐそこだ。

◆ソフトバンクが楽天に勝利し、2年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。マジックナンバーを1つ減らして「2」とし、最短30日にも覇権奪回となる。<30日の5条件><1>ソフトバンクが楽天に勝利し、かつオリックスがロッテに引き分けか負けた場合。<2>ソフトバンクが楽天に引き分け、かつオリックスがロッテに負けた場合。その他のパターンでは、30日にリーグ優勝は決まらない。試合は初回に打者一巡の猛攻で4得点。3回までに追いつかれたが、5回2死一、三塁で今宮健太内野手(31)が勝ち越しの右前適時打を放った。今宮は「負けられない試合が続く中、ここで何とか勝ち越しをという気持ちだけでした。みんなの気持ちをひとつにして頑張っていくだけです」と選手会長らしく胸を張った。

◆楽天がソフトバンクに敗れ、2年ぶりのBクラスが確定した。先発滝中が1回に2四球に4安打を浴びていきなり4失点。主導権を握られたが打線が奮起し、3回までに島内の2本の適時打などで同点に追いついた。しかし、5回に3番手安楽が2死一、三塁から今宮に勝ち越しの右前適時打を献上。首位相手に競り負けた。今季序盤は貯金を最大18まで伸ばして首位を独走したが、失速。141試合目で4位以下が決まった。

◆ソフトバンクが2年ぶりのリーグ優勝に王手をかけた。選手会長の今宮健太内野手(31)が、同点の5回に決勝の右前適時打。前日に退団を発表した松田宣浩内野手(39)と長年、三遊間でコンビを組んできた今宮は「熱男魂で打つことができました」と明かした。優勝へのマジックは2。30日にも、歓喜の瞬間が訪れる。熱き思いがバットに宿ったか。今宮が執念の一打で、試合の流れを引き寄せた。初回に4点を先制も、同点に追いつかれる重苦しい展開。5回2死一、三塁の好機で、初球を右前にはじき返した。「負けられない試合が続く中、ここで何とか勝ち越しを、という気持ちだけでした」。大きな勝ち越しの一打に拳を小さく上げて、ニヤリ。ベンチのナインも跳びはねるように沸いた。初回にも適時打を放ち、2安打2打点の活躍を見せたヒーローは「熱男魂で打つことができました。みんなの気持ちをひとつにして頑張っていくだけです」と振り返った。前日28日に、ベテラン松田が他球団でのプレーを模索し、退団することを発表した。長きにわたって三遊間でコンビを組んできた今宮は、柳田や中村晃とともに、松田から思いを託されていた1人だ。松田は会見で「柳田、中村晃、今宮。この3人には本当に僕がおらんくなってから引っ張ってもらわないといけないから、3人には話をした」と明かしていた。先輩の思いを背負うように、松田の代名詞でもあった「熱男!」のフレーズを用いた。「松田さんのいいところをぼくらが受け継いで、ホークスの伝統としてやっていかないといけない。松田さんが残してくれたものは数え切れないくらいある。熱男魂で優勝できるように」。リーグ制覇という結果で応えるのみだ。優勝へのマジックはついに「2」となった。30日にも、2年ぶりVの時を迎える。選手会長でもある今宮は「なんとか(マジックを)自力で減らしていきたい。すぐそこに優勝という文字がある。なんとか自分たちで取れるように」と力強く言った。藤本監督も「もうオリックスがどうのこうのというより、2つ勝つというつもりでいきたい」。このまま一気にゴールテープを切る。【山本大地】○...不調のため出場選手登録を抹消されていたグラシアルが、2安打1打点で勝利に貢献したこの日、再昇格し、「8番左翼」で先発出場。初回に3点を加えてなお2死一、三塁で4者連続適時打となる右前打。「自分のスイングをすることだけを考えて打席に入ったよ。走者を返すことができて良かった」。8回には左前打。約10日間のリフレッシュ期間を終え、頼もしい男がVへの最終戦線に帰ってきた。○...8月に左精巣がんの疑いのため、左睾丸(こうがん)の摘出手術を受けた大関が、復帰後初勝利を手にした。2回途中から救援登板し、2回2/3を2安打1失点。想定よりも早いマウンドだったが「しっかり準備はできていました。勝ち越してくれた野手の皆さんには感謝しています」と今季7勝目に笑顔だった。

◆ソフトバンクが2年ぶりリーグ制覇に王手をかけた。楽天を破り、優勝へのマジックを2とした。藤本博史監督(58)の、試合後の一問一答は以下の通り。-初回に4点を先制藤本監督 すばらしい攻撃でしたね。すんなりいくかなと思ったけど、いかなかったね。楽天も粘っこいしね。投手をつぎ込んだけど、みんなよく頑張ってくれましたね。-5回に今宮が勝ち越し打藤本監督 もうちょっと点を取られるかなと思って、7-6くらいを想定してたんやけどね。後ろの投手がよくしのいでくれた。気持ちで投げてくれたかなと思います。-森は打者一巡で交代藤本監督 良かったら引っ張るけど悪かったらすぐ代えると最初から言ってたので。残りの試合は全員で行くよということを言っていた。-今宮は優勝争いの経験も豊富藤本監督 選手会長としていいところで打ってくれている。今年は1年、3割近い打率を残している。今年は頼もしいですね。-大関に白星藤本監督 本当は2イニングでやめる予定やったけど、2回2/3いったんかな。1点は取られたけど、よく投げてくれましたよね。復帰してからは最長やからね。明日の体力も見ながらね。中継ぎに入るかどうかを決めたいと思います。-優勝マジック2藤本監督 もうオリックスがどうのこうのというより、2つ勝つというつもりでね。明日勝って、(1日の)西武戦に勝って、決めたいですね。

◆楽天がソフトバンクに敗れ、2年ぶりのBクラスが確定した。先発滝中が1回に2四球に4安打と乱れ、いきなり4失点。それでも打線が奮起し、3回までに島内の2本の適時打などで同点に追いついた。しかし、5回に3番手安楽が今宮に勝ち越しの右前適時打を献上。6、8回は得点圏に走者を進めたが、無得点。首位相手に競り負けた。今季、序盤は貯金を最大18まで伸ばして首位を独走したが、急失速。石井GM兼監督は「これ以上負け込んだらいけない、この試合でなんとかというところが。まだチームには強さがないというところです。自分をはじめ」と唇をかんだ。先発が踏ん張れず、打線はあと1本が出ない。この日も今季を象徴するような敗戦だった。先発投手の防御率は3・70でリーグワースト。指揮官は「先発投手陣の整備が6月以降すごく難しかったのはある」と言った。打線は茂木や岡島、西川らの不調が続いた。それに割って入る若手が現れず、ベテランたちに頼らざるを得なかった。9年ぶりのリーグ優勝と日本一が消滅。「結果なので受け止めて。チームとしてどういう部分でそこにたどり着けなかったのか。いろいろ考えたい」と肩を落とした。【湯本勝大】▽楽天滝中(先発し1回4安打4失点で降板) 腹をくくって投げたんですけれど、これが僕の現在地です。大事な試合でチームの皆さんに迷惑をかけてしまって申し訳ないです。

◆復活星だ! ソフトバンク大関友久投手(24)が2回2/3を2安打1失点で今季7勝目を手にした。8月に左精巣がんの疑いのため、左睾丸(こうがん)の摘出手術を受けて以降は初勝利。帰ってきた若き左腕は「勝ち越してくれた野手の皆さんと、その後、ゼロでつないでくれた中継ぎのみなさんに感謝しかないです」と笑みを浮かべた。初回に4点を先制したが、先発の森が2回途中3失点で早期降板。藤本監督は、大関に第2先発の役割を託した。3回1死一塁で島内に一時同点の適時二塁打を許したが、後続は食い止めた。5回に今宮の勝ち越し打が飛び出し、白星が転がり込んできた。「結果的に点は取られましたが、なんとか最少でつなぐことができたのでよかったです」。楽天に勝ち越しを許さず、粘りの投球が勝利を引き寄せた。執念タクトを振るった指揮官も「よく投げてくれましたよね」とうなずいた。7月までは先発ローテーションの一角として2完封を含む6勝(6敗)。球宴にも監督推薦で初出場するなど、大ブレークした。真夏に自身も「戸惑った」という手術を受けたが、復帰後2試合はリリーフとして勝利に貢献している。中継ぎ転向には「前半戦と全然違う雰囲気なので、緊張感はかなり増しています」と苦笑いだったが「先発とは違う感覚。また変わった1勝だったかなと思います」。杜(もり)の都で、苦労人が完全復活した。残り試合もブルペン待機する見込み。「直球はだんだん力強さも出てきていると思います。今のボールに自信を持って、残りの試合も投げていきたいです」。心強い左腕の好投で、リーグ優勝に大きく近づいた。【只松憲】

◆ソフトバンクの有終のゴールが見えてきた。ラスト4連戦。杜(もり)の都・仙台で藤本監督の巨体がついに宙に舞うか-。Vマジックは「2」となった。楽天2連戦の初戦は初回に4点を挙げた。楽勝ムードの展開? と思ったが、やはり覇権への道は険しいのか。3回までに追いつかれてしまった。それでも5回にこの日2本目となる今宮のタイムリーで勝ち越すと、虎の子の1点を残り5イニング守り切った。)5回途中から継投のバトンは泉-嘉弥真-松本-藤井-モイネロと渡った。ブルペン陣の無失点リレー。「攻撃は最大の防御」とはいうが、さらに上を行く盤石の継投は厳しい戦いの中では何とも頼もしい。勝ち越し点を奪った直後の5回裏。1死一塁からマウンドに上がった3番手泉の好投が光った。得点を挙げた直後の守りは、守勢に回ることが多く、失点の可能性も高い。そんな中で、3番浅村、4番島内の主軸に対して自慢のツーシームで連続三振に切った泉の投球は「必勝継投」の流れを作ったと言っていい。4番手の嘉弥真以降は無安打投球。最後はモイネロが圧巻の3人締めだ。「先発? うーん、やってみたい気持ちはありますけど、中継ぎがいいですかね。あのドキドキ感がたまらないんですよね。いつ(マウンドに)行くか分からない中で、ブルペンで準備する緊張感が」。泉は細身ながら身長188センチの長身から投げ下ろす150キロ超の直球に、変化球を駆使して大きな仕事をやってのけた。ゴールは視界に捉えた。頼もしい中継ぎ陣がしっかりVバトンをつなぐはずだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

◆ソフトバンク・藤本博史監督(58)が試合前に代表取材に応じた。今季限りでホークスを退団する松田宣浩内野手(39)から28日に電話があったことを明かした。「きのうも電話もらって。10月1日にゲーム(松田のホークスでの最後の試合、ウエスタン・中日戦、タマホーム筑後)して(1軍の優勝が)延びとって、あれやったらビールかけも来てくれよと。ありがとうございますと言っていました」球団は28日に松田と来季選手契約を締結しないことを発表した。松田本人がペイペイドームで会見にのぞんだが、その裏で藤本監督のスマートフォンを鳴らしていた。今月8日に1軍を登録抹消となったが、7日に藤本監督と話し合っていたという松田。指揮官がやり取りの一部を明かした。「2軍にいくときに本人の意思を聞いていた。本人が決めたことですから。功労者やし、一番の顔やから。そういう意味では本人が40歳までやりたいのもわかるし、2000安打のこともあるやろうし。頑張れということで話はしましたけど」優勝へのマジックは「3」。松田がホークスに残したものを証明するために、優勝しかない。

◆ソフトバンク・和田毅投手(41)が30日の楽天戦で先発する。試合前にキャッチボールなどで調整して心境を語った。「いつもと同じです。どんな状況だろうが、大事な1試合には変わりないので」前回登板は23日のロッテ戦(ペイペイドーム)で5回2失点。今季はここまで16試合に登板して6勝4敗、防御率2・84で、登板間隔を空けながらもローテーションを支えている。現在NPB通算149勝。目標として掲げてきた節目の150勝もあと1勝だ。「自分にとっても今季最後になると思う。チームにとっても大切な試合なので。意気に感じて投げたいと思います」球団は28日、松田と来季選手契約を締結しないことを発表した。現役を引退した明石とともに、ホークスの常勝時代を築いた熱男の退団には、和田も「健志(明石)もマッチ(松田)も一緒にやってきた仲間。おのおのの決断は、そこは僕らが入れない世界だと思いますし。しっかりと尊重して。彼らの人生なので。彼らに、今年がいい年だったと思ってもらうには優勝しかない」と力を込めた。

◆ソフトバンク・和田毅投手(41)が30日の同戦で先発する。今季限りで現役を引退した明石健志内野手(36)と、ダイエー時代のユニホームを着た記念撮影の裏側を明かした。「野手では健志(明石)が最後のダイエー戦士でしたし。『ダイエーのユニホーム持ってる?』と言ったら『ビジターなら持っています』ということだったので。自分もたまたまホームしかなくて、ビジターは持っていなかったので。一緒に撮らないかと僕が提案しました」今月24日のロッテ戦(ペイペイドーム)は、ホークス一筋19年の明石にとって、引退試合。その裏側の一部を明かした。2004年に山梨学院大付高からドラフト4位で入団した明石は、ダイエー時代を知る最後の野手。これでダイエー時代を知るのは和田一人となった。和田がホームの白、明石がビジターの黒のユニホームで記念撮影。コントラストとなった写真はファンの中で大きな反響を呼んだ。「2人とも十何年前のユニホームを着られましたし。だいぶ僕は(サイズ的に)ぴちぴちになっていたんですけど。ああいう記念で撮影もできましたし。よかったです」球団は28日、松田と来季選手契約を締結しないことを発表した。和田も「健志もマッチ(松田)も一緒にやってきた仲間。決断は、僕らが入れない世界。しっかりと尊重して。彼らの人生なので」とした上で「彼らに、今年がいい一年だったと思ってもらうには優勝しかない」と30日の先発に闘志を燃やした。

◆首位ソフトバンク打線を引っ張る今宮が、自身初のシーズン打率3割に向けて好調を維持している。試合前まで2割9分4厘。2―0の一回に適時打を放つと、さらに4―4の五回。2死一、三塁から内角高めの速球を逆らわずに引きつけて右前へ運び、追加点を挙げた。28日にはチーム一筋17年目のベテラン、松田が今季限りでの退団を発表。今宮、柳田、中村晃の3選手だけには事前に意向を伝えていたという。思いを託された31歳の選手会長は、松田の代名詞ともなった本塁打を放った後のパフォーマンスになぞらえて「熱男魂で、強い気持ちで食らい付いていくことができた」と言葉に力を込めた。

◆少し肌寒くなってきた杜の都で、鷹打線が束になった。ソフトバンクは4者連続適時打で一回に一挙4点。先制打はデスパイネだ。「先制のチャンスでとにかく集中して打席に入った。詰まりはしたが、いいスイングで振り切ることができたよ」楽天先発・滝中の立ち上がりを攻めた。2四球で2死一、三塁としてデスパイネ。内角直球を振り抜いて、左前に落とした。優勝へのマジックナンバー「3」で迎えた一戦で、貴重な先制点を奪った。続く牧原大も直球に詰まりながらも中前適時打。今宮は外角のカットボールにバットを伸ばして右前に弾き返した。グラシアルもカーブにぐっとこらえ右前適時打を放ち4者連続適時打。滝中を一回でマウンドから引きずり降ろして、試合の主導権を握った。球団は28日、松田と来季選手契約を締結しないことを発表した。適時打の今宮は「熱男魂で強い気持ちで食らいついて打つことができました」と力強く振り返った。試合前には藤本監督も電話で言葉を交わしたことを明かし「ビールかけに来てくれと。ありがとうございますと言っていた」とうなずいた。ベテランがホークスに残したものを胸に、必ず頂点にたどり着く。三回に4―4の同点に追いつかれるも、今宮が五回2死一、三塁のチャンスで右前適時打。この日2本目のタイムリーで勝ち越しに成功した。マジックは「2」。30日にも2年ぶり20度目のリーグ優勝(1950年の2リーグ分立後)が決まる。

◆負ければクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が完全に消滅する一戦。楽天打線がソフトバンクの投手陣に食らいついた。先発・滝中が立ち上がりにデスパイネ、牧原大、今宮、グラシアルに4者連続の適時打を浴び一挙4点を奪われた。今季最短1回4安打4失点で無念の降板。広報担当を通じて「腹をくくって投げたんですけれど、これが僕の現在地です。大事な試合でチームの皆さんの迷惑をかけてしまって申し訳ないです」とコメントした。いきなり4点ビハインドの劣勢に立たされたが、一回の攻撃で島内が左前適時打、二回には岡島が「打ててよかった。試合に勝てるように」と3号2ランを右翼席へ運び1点差。三回は再び島内がリーグ最多となる今季160安打(右越え適時二塁打)で試合を振り出しに戻した。打線の援護に応えたい投手陣だが、3番手・安楽が五回に勝ち越し打を献上。2死一、三塁で今宮に初球145キロの直球を右前へはじき返された。CS進出へ負けられない一戦で、頼みの投手陣が精彩を欠いた。石井監督就任1年目の昨年は3位でCSに進出した。しかし、今季は141試合目でBクラスが確定した。あわせて西武の3位が確定。

◆ソフトバンクの大関は、先発の森の乱調で、想定より早い4―3の二回途中からの登板となったが、落ちついて2回2/3を1失点。7月5日以来で、8月に左精巣がんの摘出手術を受けてから復帰後は初の白星となる7勝目を挙げた。「勝ちが付いてくれて感謝だけど、とにかくチームが勝てたことがうれしい」とはにかんだ。前半戦は主に先発で6勝した育成出身3年目の左投手。優勝争い最終盤の9月24日から1軍に復帰し「前半戦とは違う雰囲気なので緊張感は増している」というが、中継ぎでしっかり役目を果たしている。

◆ソフトバンクは接戦を制して勝利。優勝へのマジックを「2」とした。五回2死一、三塁から今宮健太内野手(31)が右前打を放ち、これが決勝打となった。試合後、藤本博史監督(58)が試合後に代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--一回の4者連続適時打「素晴らしい攻撃でしたね。すんなりきょうはいくかなと思いましたけど、すんなりはいかなかったね(三回に4―4の同点に)。楽天も粘っこいし。投手もつぎ込んだけど、みんなよく頑張ってくれましたね」--今宮が五回に決勝打「もうちょっと点を取れるかなと思っていたけど。7-6くらいを想定していたけど、後ろの投手はピンチがあったけどよくしのいでくれた。気持ちで投げてくれたと思います」--先発・森は打者の1巡で代えた「よかったら引っ張るけど、悪かったらすぐに代える。最初からいっていたので。始まる前はマジック3で、オリックスがどうのこうのではなく3勝しようということでやっているので。この3試合は全員でいくと最初から話していたので」--今宮は優勝争いを経験してきて、頼もしく引っ張ってくれている「選手会長としていいところで打ってくれている。3割近い打率も残しているし、頼もしいです」--大関が2回?を投げて1失点で7勝目「本当は2回でやめるつもりだったんですけどね。森は二回もいかせてよかったんですけど。大関もつくっていたので、頑張ってくれと。よく投げてくれましたね。あしたの体力を見ながら、中継ぎに入れるかを見ていきたいです」--それだけ落とせないと挑んだ一戦だった「絶対に落としたくなかったので。4点取って、1点取られた時点で(森を)代えようかという意識もあったので。何とか長いイニングいってもらいたかったけど、きょうは楽天の打線に森の球が合っていたというか。球速は出てきているので。ちょっと力が入ったのかなと」(続けて)「これから先もオープナーのような形でやっていければ。来年は来年でまた考えるし。中継ぎに入ってもらいます」--マジック2「もうオリックスがどうこうではなくて、あした勝って。西武戦(10月1日、ベルーナドーム)で勝って決めたいですね」

◆ソフトバンクは接戦を制して勝利。優勝へのマジックを「2」とした。五回2死一、三塁から今宮健太内野手(31)が右前打を放ち決勝打となった。試合後の代表取材の一問一答は以下の通り。--26日のロッテ戦(ペイペイドーム)でも決勝打。勝負強さが目立つ「いやいや、たまたまですよ。でも、追いつかれて嫌な流れの中であそこで一本打ててよかったです」--一回の適時打も五回の決勝打も、今季続けてきたコンパクトな打撃だった「特に今年は滝中君からまったく(試合前時点で7打数無安打)打っていなかった。絶対に打ちたいと思っていたので、そういう気持ちがよかったのかなと。2本目は初球から勝負を仕掛けようと思っていたので。何とか、すぐそこに優勝という文字がある。それを自分たちでつかみ取るだけなので。何とか達成したいと思います」--松田が退団「松田さんが落ちるとき(7日)に3人(柳田さんと中村晃さん)に言われていたので。松田さんのいいところを僕らが受け継いで。どんどんホークスの伝統としてやっていかないといけない。松田さんが残したものは数えきれないくらいあると思うので。ずっと言ってきていますけど、熱男魂で優勝できるようにと思っています」--松田からの教えで大事にしていること「143試合、極端にいえば365日いつも元気で。打てなくても自分のことだけに集中するんじゃなくて周りに気を配って。声を出して。そういう姿というのは、できそうでできないことなので」(続けて)「ああいう姿を見ていると、こういう人に育っていきたいと感じるところもありますし。僕たちがあれだけ声を出して引っ張っていけるかといったら、正直、無理なところもあるので。人として、プロ野球選手としてめちゃくちゃリスペクトしています」--松田から7日にかけられた言葉「今度はお前が引っ張っていく番だと3人(柳田さんと中村晃さん)で言われました。そういう気持ちが、特に柳田さん、晃さん、僕は率先して表現で出していかないと、と思っているので」--和田も、退団する松田と、現役を引退する明石に、今年がいい年だったと思ってもらうには優勝しかないと「もちろん、その通りです。健志(明石)さんも引退試合(24日、ロッテ戦、ペイペイドーム)で初めて涙を流す姿を見ましたし、今年がいい形で去るのは優勝して。そういう形で送り届けるといいますか。できればベスト。何とかその2人のためにも、ファンのみなさんのためにも優勝できるように頑張ります」

◆試合がなかった西武は4位・楽天が敗れたため、2019年以来、3年ぶりのクライマックスシリーズ(CS)進出が決定。辻発彦監督(63)は「素直にうれしい。本当に選手がよく頑張ってくれた」と喜んだ。昨季は42年ぶりの最下位に沈み、どん底からのスタートだった。それでも若きエース、高橋が12勝を挙げ、救援陣は平良、増田に加えて、育成出身の水上が台頭。攻撃陣は4番・山川が3年ぶりのシーズン40本塁打をマークして引っ張った。後半戦も首位争いを繰り広げていたが、9月19日から7連敗を喫し、24日にV逸が決まった。ただ、打線が徐々に復調し、7連敗のあとに4連勝で3位の座を守った。指揮官は「9月中旬から連敗があり、ちょっと厳しいかなと感じていたが、そのあと最後は連勝することができた」と語った。リーグ優勝した2018、19年はCSで敗れた。10月8日に始まる短期決戦で、08年以来の日本シリーズ進出を目指す。(石井孝尚)

◆一丸となって乗り越え、つかんだ勝利だ。ソフトバンクの優勝へのマジックナンバーは「2」。2番手・大関が2回?を投げ、1失点で7勝目を挙げた。「勝ちがついて感謝ですけど、チームの勝ちに少しでも貢献できたのが一番うれしいです」先発・森が1回?を投げ3失点。試合を作れず、大関は二回2死から登板した。三回1死一塁から島内の二塁打で同点を許したが、その後は無失点。五回1死一塁で浅村を迎え、泉にバトンを託した。リリーフからつかんだ再起の1勝目。病魔を乗り越えた白星だ。8月3日、球団から「左精巣がん」で手術を受けたことが発表され、離脱を余儀なくされた。面会ができなかった入院期間を終えると、お盆休みを使って両親が茨城から福岡の自宅まで会いにきてくれた。「ゆっくり話すことができて、いい時間を過ごせました。やっぱり、相当心配だったみたいで」自宅療養となってもチューブトレーニングやウオーキング程度しかできず。夜の「人(ひと)気のないところで」投球練習も行ったというが「野球ができないこと、投げられないことってやっぱり自分にとってストレスなんだな」と感じた。一番の発見は、野球ができる喜びそのもの。仙台大時代を過ごしたこの地でまた新しい一歩だ。最短で30日に2年ぶりのリーグ優勝が決まる。藤本監督は「オリックスどうのこうのではなくて、(うちが)勝って決めたい」と一戦必勝を誓えば、大関もそのワンピースになると言い切った。「勝ち越してくれた野手のみなさん、ゼロで後ろを抑えてくれた中継ぎのみなさんに感謝しかないです。残りの試合もしっかり準備したいです」胸にあるのは、野球ができる感謝だけ。歓喜の瞬間はもうすぐだ。(竹村岳)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
75632 0.543
(↑0.003)
M2
(↑1)
3546
(+5)
462
(+4)
104
(-)
84
(+2)
0.256
(-)
3.070
(-)
2
(-)
ORIX
74652 0.532
(-)
1.5
(↓0.5)
2481
(-)
453
(-)
89
(-)
62
(-)
0.246
(-)
2.840
(-)
3
(-)
西武
71673 0.514
(-)
4
(↓0.5)
2459
(-)
443
(-)
116
(-)
59
(-)
0.230
(-)
2.760
(-)
4
(-)
楽天
69693 0.500
(↓0.004)
6
(↓1)
2530
(+4)
512
(+5)
101
(+1)
97
(-)
0.244
(-)
3.450
(↓0.01)
5
(-)
ロッテ
68721 0.486
(-)
8
(↓0.5)
2493
(-)
529
(-)
96
(-)
130
(-)
0.230
(-)
3.390
(-)
6
(-)
日本ハム
58813 0.417
(-)
17.5
(↓0.5)
1459
(-)
532
(-)
100
(-)
93
(-)
0.234
(-)
3.470
(-)