日本ハム(☆3対2★)楽天 =リーグ戦25回戦(2022.09.26)・札幌ドーム=
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楽天
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日本ハム
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勝利投手:加藤 貴之(8勝7敗0S)
(セーブ:伊藤 大海(10勝9敗1S))
敗戦投手:早川 隆久(5勝9敗0S)

本塁打
【日本ハム】宇佐見 真吾(5号・3回裏ソロ)

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◆日本ハムは3回裏、宇佐見のソロで先制に成功する。続く4回には、谷内の適時打に相手失策が絡み、2点を追加した。投げては、先発・加藤が8回2失点の好投。最終回は2番手・伊藤が締め、加藤は今季8勝目を挙げた。敗れた楽天は、8回に1点差まで迫るも及ばなかった。

◆日本ハム新庄剛志監督(50)が、試合前の練習直後に自身のインスタグラムを更新し「皆様にご報告があります」(原文まま)と、意味深なメッセージを残した。「背番号1」のホームユニホームに着替えて、札幌ドームを眺める後ろ姿の写真をアップ。「突然ですが9月28日札幌ドーム最終戦皆様にご報告があります是非 球場の方に足を運んでもらえると嬉しいです」(原文まま)文章の最後には落ち込み、悲しむような表情の顔文字を添えた。意味深な予告に、コメント欄は「絶対に辞めないで下さい」「まさか、悪い方かね?」など、進退報告を予想するファンのコメントであふれた。

◆楽天石井一久GM兼監督(49)が試合前に取材対応し、25日に古巣のヤクルトがセ・リーグ連覇を達成したことに「うれしいです。高津さんも友達だから、なおさらうれしいです」と、コメントした。楽天は現在3位。クライマックスシリーズ(CS)進出へ負けられない試合が続いている。2年連続でAクラスに入り、CSを勝ち抜けば、古巣との日本シリーズが実現する可能性もある。「それは、もちろん...別にヤクルトじゃなくても、そう思っていますけど。でも、チームは1戦1戦、しっかりできているので、いいかなと思います。勝つ、負けるは、もうその時その時の"運"というところも入ってきたりはする。その個々の底力というか、そこら辺が左右することもあるし。一生懸命できれば、やっぱチームとしての底上げをできると思うんで。こういうのを、いっぱい選手には経験してほしいかなと思います」と話した。

◆試合前のファーストピッチに、北海道在住で病気と闘う小学5年生の高橋萌さん(11)が挑戦した。「笑顔が大好き」と大ファンになった日本ハム近藤健介外野手(29)のユニホームを着用し、宇佐見真吾捕手(29)に向かってボールを投げると、会場は大きな拍手に包まれた。高橋さんは新生児脳梗塞と診断され、生後5時間で、北海道立子ども総合医療センターに緊急搬送された。後遺症により手足にまひがあるため、定期的な通院を余儀なくされており、日本マクドナルドが支援する病気と闘う子どもや、その家族のための滞在施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス さっぽろ」を利用している。本番に先立ち、高橋さんとキャッチボールの練習をした近藤は「あとは、本番で緊張しないことだよ。僕と練習した、そのままのボールを投げれば大丈夫」と、エールを送った。

◆日本ハム先発の加藤貴之投手(30)が、キャリアハイの8勝目を挙げた。4回まで2安打無失点に抑え、登板前時点で残り3回1/3となっていた規定投球回に到達。2回2死走者なしでは、楽天岡島の折れたバットがマウンド方向に飛んできたが、冷静にかわして捕球し、一塁に送球。相変わらずのポーカーフェースで投ゴロとした。7回には3者連続見逃し三振と尻上がりに調子を上げていった。8回を99球で5安打2失点。初回と8回に四球を与えたが、今季の与四球は、ここまでわずかに11。50年に野口二郎(阪急)が記録した14個の最少与四球記録の更新が濃厚となった。9回からは伊藤大海投手(25)にマウンドを託した。8回に2点を失い、1点差に追い上げられただけに、加藤は「最後の最後に詰めの甘さが出てしまったかなと思います。バックにしっかり守ってもらって、ファーストの声にも助けてもらったので、感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。加藤が規定投球回をクリアし、147回2/3を投げて与四球は11個。与四球数のシーズン最少記録(規定投球回以上で春秋制のシーズンを除く)は50年野口(阪急)の14個で、加藤が今後登板しなければ72年ぶりに記録を更新する。ここまでの9イニングあたりの与四球数を示す与四球率は0・67で、これも前記の50年野口がマークした0・69を上回るプロ野球新記録になる。

◆日本ハム宇佐見真吾捕手(29)が先制弾を放った。3回1死走者なし。楽天の先発早川の2ボールからの3球目、144キロ直球を豪快に引っ張り、右翼スタンドに運んだ。これで自身シーズン最多の5号。前日25日の練習で今川優馬外野手(25)の打球が太ももに当たっていたこともあり「昨日のバッティング練習中に、今ちゃん(今川)の打球が当たっていたので、いつかバットにも当たると思っていました」とコメント。4回まで無失点に抑える加藤貴之投手(30)を攻守で援護した。

◆楽天早川隆久投手(24)が5回4安打3失点(自責2)で降板し、7月3日ロッテ戦以来の白星はならなかった。3回に宇佐見に5号先制ソロを献上。4回は谷内の適時打などで2点を失った。「札幌ドームは割と投げていて投げやすかった」という球場でのラスト登板だったが、負ければチームのV逸が決まる一戦で勝ち星を挙げることはできなかった。

◆楽天が日本ハムとの今季最終戦に敗れ、9年連続V逸が決まるとともに、また1日でクライマックスシリーズ(CS)圏外となる4位に転落した。石井一久GM兼監督(49)は試合後に「そこ(リーグ制覇)に、みんなで目標を持ってやったことに関しては、すごく残念な結果かもしれないけど、みんな、まだもう1個目標というものが、しっかりと明確に持って戦っているので。そこをね、チームでしっかりとスクラムを組んで、そこを達成できるように頑張っていくことが今はすごく大事だと思います」と、話した。石井GM兼監督となって2年目の今季は、昨季に続いて4月終了時で首位に立ち、5月10日時点で24勝6敗1分け、両リーグトップの勝率8割で貯金を最大18まで重ねた。しかし、5月中旬以降は失速。8月13日には貯金を使い果たし、プロ野球史上初めて18以上あった貯金が0となった。借金生活は免れて混パに食らい付いてきたが、138試合を消化して68勝67敗3分け。残り5試合に全勝しても、残り3試合のオリックスが全敗した場合の勝率に及ばず、優勝の可能性が消滅した。この日は先発の早川が3回に先制点を奪われ、4回にも2失点し5回3失点で降板。打線は日本ハムの先発加藤の前に7回まで3安打無得点と沈黙しながらも8回2死走者なしから2点をかえして意地を見せたが、及ばなかった。24日以降の順位は4位(24日)→3位(25日)→4位(26日)と1日ずつ西武と3、4位を入れ替わりながら推移している。この日試合がなかったが3位浮上を許した西武(残り4試合)とは0・5ゲーム差。V逸となっても、球団初となる2年連続のAクラス入りへ向けて、死力を尽くす戦いが最後まで続く。

◆今季10勝を挙げている日本ハム伊藤大海投手(25)がプロ初セーブを挙げた。1点リードの9回、新庄監督の意向で守護神テストに応え登板すると、辰己を見逃し三振、鈴木大を遊飛、茂木を151キロのストレートで空振り三振に仕留め、雄たけびを挙げた。伊藤は「今までやったことのポジション。内側から来るものもあった。全力で腕を振った。ルーキーの頃を思い出した。これぐらい腕を振っていたなと。僕自身も気付くものがあった」と振り返った。

◆日本ハム加藤貴之投手(30)が、72年ぶりの偉業を成し遂げた。この日も小気味よくアウトを重ね、8回5安打2失点。最速140キロ、最遅97キロと43キロ差の緩急で楽天打線を揺さぶった。7年目で最多8勝目。ヒーローインタビューでは「最後の最後で、根性で投げられたからかなと思います」とポーカーフェースを崩した。プロ野球史上、規定投球回に達して最も四球が少なかったのは、50年の野口(阪急)の14個。この日2四球を与えた加藤は11四球で、両リーグ合わせても、次は巨人菅野の25個。数字が際立つ。「本当に何も意識していない。ミット目がけて投げているだけ」。首脳陣からは今季最後の登板を告げられていた中で持ち味全開に締めくくった。目標だった規定投球回は4回無死一塁、辰己を空振り三振に切ってクリアした。7月に新型コロナ陽性判定、腰痛での離脱も強いられ「すごい不安はありました」。2年連続での規定投球回到達の喜びは格別だった。「出来なかったら出来なかったで、仕方ない。そのために自分で頑張るしかないと思った。今年のほうが(到達出来て)良かったかな」と、かみしめた。新庄監督は「さすがでしたね、加藤君は。安定感しかない」と大絶賛。「多分、彼本人も『なんで野手の方は打てないんだろう』と思っているくらい、ストライクをバンバン、バンバンいっていた」と攻めの姿勢を評価した。昨季は史上最遅となるプロ初完封勝利を挙げた。無欲が売りの左のエースは「しっかりと練習して、開幕ローテーションに入れるように頑張ります!」と珍しく声を張り上げた。「エスコンフィールド北海道」へと本拠地を移す来季、左腕でさらなる歴史を刻んでいく。【田中彩友美】加藤が規定投球回をクリアし、147回2/3を投げて与四球は11個。与四球数のシーズン最少記録(規定投球回以上で春秋制のシーズンを除く)は50年野口(阪急)の14個で、加藤が今後登板しなければ72年ぶりに記録を更新する。ここまでの9イニングあたりの与四球数を示す与四球率は0・67で、これも前記の50年野口がマークした0・69を上回るプロ野球新記録になる。○...チーム最多10勝を挙げている伊藤が、貫禄のプロ初セーブを挙げた。1点リードの9回にマウンドに上がり初の抑え挑戦で3者凡退。"追いロジン"で注目された昨年の東京五輪では、侍ジャパンの救援として大活躍した。「緊張で、いつも以上の汗が出ていたので」と、当時さながら大量のロジンの粉を指先につけての全力投球だった。気合満点の16球に、新庄監督は「直球で空振りが取れる」と魅了されていた。○...谷内の一打が、貴重な2得点を挙げた。1点リードの4回2死一、二塁でカウント1-0からの2球目を右前へきれいに流し打ち。二塁から杉谷がかえり、右翼手の送球ミスの間に一走の上川畑も生還した。「五十幡や上川畑が球数を投げさせて粘っていたので、僕はファーストストライクから積極的にいきました。皆さんのおかげです」と感謝した。○...宇佐見がキャリアハイとなる先制の5号ソロを放った。3回1死走者なしから楽天早川の144キロ直球を豪快に引っ張り、右翼スタンドへ。先発加藤を援護する1発に「今までで一番の当たり。ボスから"バリーボンズ打法"を教えてもらったので、ずっとやってきたことが出せた」と胸を張った。捕手としても加藤、伊藤を好リードし攻守で勝利に貢献した。

◆日本ハムが楽天との今季最終戦を制した。先発した加藤貴之投手(30)が8回2失点の好投でキャリアハイの8勝目。2年連続で規定投球回にも到達し、シーズン通算の与四球は11個。残り試合で登板しなければ、与四球数のシーズン最少記録(規定投球回以上で春秋制のシーズンを除く)を更新することになる。9回は先発で10勝を挙げている伊藤大海投手(25)が3者凡退でプロ初セーブを挙げた。新庄剛志監督(50)の試合後の主な一問一答は以下の通り。新庄監督 さすがでしたね、加藤くん。もう安定感しかないっていうね。たぶん、彼本人も真っすぐ(でストライクを)スーッと取りにいって、なんで野手の方は打てないんだろって思っているくらいストライクをバンバン取ってて。打ち取るのって、意外と深く考えずにストライクゾーンに投げていけば、バッターが打ち損じてくれるってね。そういうのを教えてほしいですよね、(他の)ピッチャーにね。そんなに打たれないよって。フォアボールを出すの、もったいないよって。ま、初回に出していたけどね(笑い)。おいおい大丈夫かと思って。どうでした? 伊藤くん。力あるでしょ、ねぇ。そりゃ先発の時の迫力とは全然違うと思いますけど、やっぱり真っすぐで空振りが取れる。抑えでいってもらって、例えば(接戦ばかりで)8連勝していて、何回くらい(クローザーとして登板が)いけるんですか? 8戦全部が僅差で勝っていたら...行けるか、行けるか、行けるか...さすがに8(連投)は行けないでしょ?-チームによって3連投までが多い新庄監督 3連投が最高? でも、(阪神時代の)藤川くんはいっていた気がするんだよね。あと、佐々木さん。横浜の。それは、本人次第なのか。昔は本人次第だったと思うんですけど、今のこの時代は、いやいや止めておきましょう、でしょうね。で、今日も本人に聞いたら、明日はないって(笑い)。はっきりは言ってないよ。言わないけど、ちょっと1日空けたいみたいな感じ。俺なら、行きたいかなぁと思ったんですけど、やっぱピッチャーのことはね、ピッチャーにしか分からない。今日、3対0の場面でピッチングコーチに言っていたんですよ。「3対2にならんかな」って(笑い)。それ言ったら、すごい顔で見られて。そしたら、なったじゃん。(投手コーチは)勘弁してくださいよって。もう最高の場面に出せたなと思いましたね。-伊藤は来季の有力な抑え候補に浮上した?新庄監督 いやぁ、どうでしょう。来年の先発陣の感じじゃないですか。それによって、じゃないですか。その辺は、まだ。ねぇ、体力的にどうなのかも分からないし。面白いっちゃ面白いですよね。-新庄監督がが説得すればやってくれそう?新庄監督 う~ん...こっち(お金)の問題じゃない(笑い)? 分からんけど。9回を抑えたら(年俸が)ドーンって上がるっていうね。それも、やっぱり仕事なんで大事なポイントになるんじゃないかな。それはフロントが話してもらわないと、オレが言ったってね、自腹じゃないし(笑い)。-残り試合も伊藤はクローザー?新庄監督 もちろん、もちろん。(札幌ドーム最終戦の28日は先発が)上沢くん、(抑えが)伊藤くんで終わってくれても、絵になるかなと思いますし。上沢くんも最後ね、全部投げるつもりで来ると思うから。明日は、松本くん、スタメンでいこうかな。データ的にはいいんで、あと膝にも(自打球が)当たらないようなピッチャーなんで。今日も(代打で)行きたそうだった。行かせようと思ったら(林)ヘッドがダメって、出すの。もし二、三塁になったらって。優しいですからね、ヘッドは。松本くんと吉田くんのデータを何時間、考えてんねんって(笑い)。めちゃくちゃ俺に説明してくるから、もういいよって。もう大丈夫、大丈夫、任せる、任せるって(笑い)。優しいですよ。そんな感じですかね。-試合前のインスタ投稿について新庄監督 おなか痛くなった。ちょっとトイレ行ってくる。

◆日本ハム加藤貴之投手(30)が、今季最終登板で72年ぶりの偉業を成し遂げた。楽天戦(札幌ドーム)に先発し、8回5安打2失点の好投で8勝目を挙げた。規定投球回に到達し、この日与えた2四球を含め、シーズン11四球。50年の野口(阪急)が記録した14個のプロ野球記録を更新した。左腕エースとして飛躍の1年を締めくくった。加藤がこの日も小気味よくアウトを重ねた。8回5安打2失点。最速140キロ、最遅97キロと43キロ差の緩急で楽天打線を揺さぶった。7年目で最多8勝目。ヒーローインタビューでは「最後の最後で、根性で投げられたからかなと思います」とポーカーフェースを崩した。プロ野球史上、規定投球回に達して最も四球が少なかったのは、50年の野口(阪急)の14個。この日2四球を与えた加藤は11四球で、両リーグ合わせても、次は巨人菅野の25個。数字が際立つ。「本当に何も意識していない。ミット目がけて投げているだけ」。首脳陣からは今季最後の登板を告げられていた中で持ち味全開に締めくくった。目標だった規定投球回は4回無死一塁、辰己を空振り三振に切ってクリアした。7月に新型コロナ陽性判定、腰痛での離脱も強いられ「すごい不安はありました」。2年連続での規定投球回到達の喜びは格別だった。「出来なかったら出来なかったで、仕方ない。そのために自分で頑張るしかないと思った。今年のほうが(到達出来て)良かったかな」と、かみしめた。新庄監督は「さすがでしたね、加藤君は。安定感しかない」と大絶賛。「多分、彼本人も『なんで野手の方は打てないんだろう』と思っているくらい、ストライクをバンバン、バンバンいっていた」と攻めの姿勢を評価した。昨季は史上最遅となるプロ初完封勝利を挙げた。無欲が売りの左のエースは「しっかりと練習して、開幕ローテーションに入れるように頑張ります!」と珍しく声を張り上げた。「エスコンフィールド北海道」へと本拠地を移す来季、左腕でさらなる歴史を刻んでいく。【田中彩友美】

◆BIGBOSSが課した"抑えテスト"に、プロ初セーブで満点回答だ。日本ハム伊藤大海投手(25)が、プロ入り後、48試合目の登板で初めてセーブシチュエーションでマウンドに上がった。3-2と1点差に迫られて迎えた9回。2番手でマウンドに上がり、1イニングを3者凡退で締めた。まるで"追いロジン"で一躍全国区になった昨年の東京五輪のようだった。侍ジャパンで金メダルを獲得したあの時と同じく、この日も白いロジンの粉が舞い、直球がうなる。「いろいろな人の生活が懸かった大事な1イニング。いつも以上の汗が出ていたので。緊張ですね」と照れたが、効果は抜群だったようだ。先発登板時よりも、直球主体にぐいぐい攻める姿は圧巻だった。辰己と茂木は、151キロで見逃し三振。雄たけびを上げる気迫の投球に「伊藤、ストッパー構想」の言い出しっぺ、新庄監督は「力あるでしょ、ねえ」と、ご機嫌だ。伊藤本人は先発希望だが、抑え不在に苦しむチーム事情もある。新庄監督は、救援として侍ジャパンに貢献した投げっぷりが忘れられなかった。「本人に聞いたら、明日はないって(笑い)。ちょっと1日、空けたいみたい」と、さすがに"連投テスト"は見送る方針だが、オフの補強次第では、来季守護神の筆頭候補にもなりそうだ。「去年のルーキーのころを思い出した」という右腕。「これぐらい(思い切り)各打者に対して腕を振ってたなと思い出した。今日は投げていて、すごく楽しかった。『コレやな』っていうのがあった」。新たな挑戦に、しっかりと、手応えをつかんだ。【中島宙恵】

◆長いトンネルを抜け出すことができない。楽天先発の早川隆久投手(24)は5回4安打3失点でリードを許したまま降板。7月3日のロッテ戦(ZOZOマリン)以来となる今季6勝目はお預けとなった。前日25日に「自分の中で(意図した球を投げられる)確率は登板を重ねるごとに上がってきている」と手応えを口にしていたが結果には結び付かなかった。勝利から見放され、5試合連続で足踏みが続く中で迎えた今季19試合目の登板。三回、宇佐見に先制の5号ソロを浴び、被本塁打数は両リーグワーストの19となった。2ボールから捕手・太田が要求したのは外角だったが投球は内角へ。逆球となった144キロの直球を右翼ポール際へ運ばれた。四回も杉谷の右前打、上川畑の左前打で2死一、二塁を招くと、谷内には121キロのカーブを右前にはじき返された。右翼手・岡島の悪送球も重なり、一走も一気に生還。この回の3安打は全てボールを手元まで引き付けられ逆方向に運ばれた。結果次第でリーグ優勝の可能性が消滅する一戦。日本ハムの本拠地移転に伴い、札幌ドームでは一区切りとなる試合だった。左腕は「投げやすかった球場。最後はしっかりいい投球をして終われれば」と気合十分だったが...。打線は八回、島内の2点適時打で1点差まで詰め寄ったが、あと一歩及ばなかった。早川は9敗目。チームは試合のなかった西武と入れ替わりで4位に転落。CS争いで後退した。

◆飄々と投げ抜き、大記録を更新した。日本ハム・加藤貴之投手(30)が先発し、8回5安打2失点。規定投球回をクリアし、今季の与四球「11」でシーズン最少与四球の記録を塗り替えた。「最後、気合で頑張ります」と臨んだ今季最終登板。規定投球回到達まであと3回?として迎えた。プロ野球の長い歴史の中で、規定投球回をクリアした投手の最少与四球は、1950年の野口二郎(阪急)が記録した「14」だったが、加藤は試合前時点で「9」。記録更新が現実的なマウンドも、いつも通りのテンポのいい投球で球史に名を刻んだ。一回1死二塁から浅村に、八回2死から小深田に四球を出したためシーズン1桁四球とはいかなかったが、堂々の与四球「11」でフィニッシュ。「構えたところに思い切り投げているだけ」と本人は意に介さない様子だが、抜群の制球力で左腕エースとしてローテーションを支えた。「どんどん打ってもらって、野手の人に捕ってもらう。それが自分のスタイル。テンポよく投げたい」。シーズンを通じてストライク先行の投球を徹底した。まさに記録的な今季8勝目(7敗)だった。

◆日本ハム・新庄剛志監督(50)が試合後、インスタグラムでの〝意味深予告〟について話を振られ「イタタタタタ。お腹痛くなってきた。トイレ行ってきます」ととぼけておなかを押さえながら会見場を後にした。ビッグボスは試合前、自身のインスタグラムを更新。本拠地・札幌ドームでの最終戦となる9月28日のロッテ戦で「皆様にご報告があります」と予告し、注目を集めた。投稿では、札幌ドームを背景にユニホームを着用した後ろ姿の写真をアップ。「突然ですが9月28日札幌ドーム最終戦皆様にご報告があります」と意味深につづり、「是非球場の方に足を運んでもらえると嬉しいです」と呼びかけた。コメント欄では「メンバーとして出場とか?」「行きますとも!!続投ですよね!?」などとファンの声が集まった。日本ハムは24日から『FINAL GAMES 2022』と銘打たれたホームのラスト5連戦に臨んでおり、来季から新球場エスコンフィールド北海道に本拠地を移す。札幌ドーム最終戦の28日は試合後にセレモニーが開催予定で、19年間戦ってきた札幌ドームでの最後を締めくくる。

◆先発の柱としてチーム最多の10勝をマークしている日本ハムの伊藤が、プロ初セーブを挙げた。1点リードの九回に登板し「全部ぶつけるつもり」と150キロ台の速球を連発。2三振を奪って三者凡退に抑えた。昨年の東京五輪は救援で金メダル獲得に貢献しており、新庄監督が適性をチェックするために試験的に起用した。試合を締めくくった伊藤は「いろんな人の生活が懸かった大事な1イニングだと思った。すごくいい勉強になった」と息をついた。(札幌ドーム)

◆飄々と投げ進め、72年ぶりに〝大記録〟を更新した。日本ハム・加藤貴之投手(30)が規定投球回に到達し、今季の通算四球は11。シーズン最少記録をマークした。「ストライクゾーンに投げていた結果、こうなった」一、八回に1つずつ四球を与えたが、8回を2失点でシーズン自己最多の8勝目をマーク。2リーグ分立後は1950年の野口二郎(阪急)による14が最少記録だった。与四球率0・67という驚異的な数字を残し、今季はもう登板しない予定。「(記録は)本当に気にせずに、イニングをしっかり投げることと、勝てるように頑張ろうと思っていました」とポーカーフェースを貫いた。決して順風満帆なシーズンではなかった。6月に腰痛を発症し、7月には新型コロナウイルスに感染。それでも「できなかったらできなかったで、仕方ない。自分で頑張るしかない」。左腕エースとして先発ローテーションを回り、安定感を発揮。防御率2・01はリーグ3位だ。新庄監督は「さすがですね。安定感しかない」と最敬礼。左腕は「またしっかりと練習して、開幕ローテーションに入れるように頑張ります」と、来季へ視線を向けた。(箭内桃子)

◆楽天は4位に転落し、9年ぶりのリーグ優勝の可能性が完全消滅。石井一久監督(49)は「すごく残念な結果」とした上で「もう一個、目標というものを明確に持って戦っている」とクライマックスシリーズ(CS)進出争いへ決意を示した。先発の早川が5回4安打3失点で9敗目を喫した。三回、宇佐見にリーグワースト19被本塁打となるソロを浴びるなど、四回までに3失点。「球がばらついてしまった」と悔やんだ。開幕ダッシュを決め、4月26日のロッテ戦から5月10日の同戦まで球団新記録の11連勝。貯金を最大18としたが、6月以降は失速して8月13日に0に。18以上あった貯金を使い果たすのはプロ野球史上初だった。残り5試合で3位の西武に0・5ゲーム差とCS進出の可能性は残す。指揮官は「しっかりとスクラムを組んで、達成できるように頑張っていく」と強調した。(加藤次郎)

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<パ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ソフトバンク
74622 0.544
(↑0.003)
M4
(↑1)
5540
(+2)
454
(+1)
103
(-)
82
(+4)
0.256
(↓0.001)
3.070
(↑0.02)
2
(-)
ORIX
74642 0.536
(-)
1
(↓0.5)
3480
(-)
447
(-)
89
(-)
62
(-)
0.247
(-)
2.820
(-)
3
(1↑)
西武
69673 0.507
(-)
5
(↓0.5)
4454
(-)
442
(-)
114
(-)
59
(-)
0.230
(-)
2.790
(-)
4
(1↓)
楽天
68673 0.504
(↓0.003)
5.5
(↓1)
5520
(+2)
505
(+3)
100
(-)
95
(+1)
0.244
(↓0.001)
3.480
(↑0.01)
5
(-)
ロッテ
67711 0.486
(↓0.003)
8
(↓1)
4482
(+1)
512
(+2)
93
(-)
128
(-)
0.230
(↓0.001)
3.320
(-)
6
(-)
日本ハム
57803 0.416
(↑0.004)
17.5
(-)
3442
(+3)
521
(+2)
97
(+1)
93
(+2)
0.232
(↓0.001)
3.440
(↑0.01)