1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 | 本 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロッテ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 |
ソフトバンク | 1 | 1 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 6 | 11 | 0 | 2 |
勝利投手:板東 湧梧(3勝3敗0S) 敗戦投手:二木 康太(2勝4敗0S) 本塁打 |
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◆ソフトバンクは初回、三森の先頭打者本塁打で先制する。続く2回裏に柳田の適時二塁打で加点すると、4回には中村晃の3ランなどで4点を挙げ、リードを広げた。投げては、先発・板東が9回無失点の快投。プロ初完封で今季3勝目を挙げた。なお、引退試合を迎えた明石は、7回に代打で登場。ヒットを放ち、有終の美を飾った。
◆ソフトバンク大関友久投手(24)が1軍に復帰した。8月2日に左精巣がんの疑いがあったため、福岡市内の病院で左睾丸(こうがん)の高位精巣摘除術を受けていた。手術完了から約1カ月半というスピード復帰で戦力に戻ってきた。藤本博史監督(58)は「本当によく戻ってきてくれた。今年は無理かなと思ったけど間に合って良かった」と歓迎。起用法については「接戦でも中継ぎでいこうかなと思ってます」と明かした。大関は今季、先発ローテーションの一角として18試合に登板し、6勝6敗。防御率3・01の成績を残していた。2完封は日本ハム加藤、オリックス山本、日本ハム伊藤に並んでリーグ最多タイ。球宴にも監督推薦で初出場していた期待の若手左腕だ。代わってコリン・レイ投手(32)が出場選手登録を抹消された。
◆今季限りでの現役引退を表明したソフトバンク明石健志内野手(36)が、引退選手特例で1軍に昇格した。ノック、ティー打撃、フリー打撃などをこなし、代打で出場予定のロッテ戦に備えた。ダイエー入団では唯一の現役野手。練習後は、ダイエー入団で唯一の現役投手となった和田毅投手(41)と、ダイエー時代のユニホームを着て肩を組んだ。ユニホームは、この日のためにお互いが持参したという。藤本博史監督(58)は「明石が気持ちよく打席に立てるように。その前になんとかいい形にしておきたいですね」と、プロ19年目のベテランに花を添えるべく、意気込んだ。
◆人気ユーチューバーで登録者数166万人を誇る「ヘラヘラ三銃士」の3人が、ソフトバンク-ロッテ22回戦でセレモニアル・ピッチを務めた。真ん中から敏腕女社長のリーダー「ありしゃん」、打席に向かって左側から強烈な個性を持つ「まりな」、右側からかわいらしさを見た目で毒舌の「さおりん」が投げ込んだ。バウンド投球となったが、「緊張しましたが、楽しかったです!」と声をそろえた。試合前にはソフトバンクの複数選手から「写真撮ってください」と声をかけられたという。「プロ野球選手を間近で見るのは初めてだったので、体が大きくて...なんかいいよね!」と3人は照れ笑い。まりなは「DM(ダイレクトメッセージ)待ってます!」と、手を挙げた。「ヘラヘラ三銃士」は快進撃を続ける唯一無二の女性3人組ユーチューバー。"女子のリアル"をありのままに伝える動画で、Z世代を中心に若者たちの人気を集めている。
◆今季限りでの現役引退を表明したソフトバンク明石健志内野手(36)が、現役最終打席で安打を放った。6-0の7回1死走者なしで柳町の代打で登場。「明石健志」の名前がコールされると、球場のボルテージは最高潮に上がった。ロッテ八木に2球で追い込まれたが、3球目の高め直球を投手強襲の内野安打とした。明石は一塁ベース上で涙。代走に佐藤直が送られ、現役最後の試合を終えた。積み重ねた通算安打数は648安打となった。
◆ロッテ二木康太投手(27)は3回2/3で6失点KOされ、期待を裏切った。敗れればV逸が確定する試合で、初回にいきなり、ソフトバンクの1番三森に初球を先頭打者本塁打にされ、その後も満塁とされるなど、初回だけで31球を要する苦しい立ち上がり。2回にも満塁を作られ、柳田の適時二塁打で2点目を許した。3回は無失点でしのぎ、4回も2死を奪ったものの、そこから二塁打と敬遠でピンチを作り、5番中村晃にまたしても初球直球を3ランにされた。さらに連打で6失点し、交代を告げられた。背番号18の意地を見せられず、試合中に球団広報を通じ「むだな四死球が多かったですし、長打を打たれてはいけないところと自分でも分かっている場面で打たれてしまったというのが...」とコメントした。
◆5位ロッテのリーグ優勝の可能性が、今季137試合目で完全消滅した。シーズン残り6試合に全勝しても、オリックスが残り3試合に全敗した場合の勝率を上回れない。この日は先発した二木が初回、1番三森に初球をいきなり先頭打者本塁打にされ、4回には2死後に走者をためて中村晃に6号3ラン。4回途中6失点KOで、首脳陣の期待を裏切った。打線は初回に連打が生まれるも、4番安田が併殺打に。2回以降はソフトバンク先発の板東に気持ちよく投げさせてしまい、今季チームで19度目の完封負けを喫した。開幕早々からレアード、マーティンの両助っ人が振るわず、得点力に苦しんだ1年。9月に入り、安田や井上を中心にようやく打線の状態が上がってきたものの、シーズン終盤はリリーフ陣が痛恨の失点を喫する場面が増えた。投打がかみ合う期間がないままにV逸となった。これで67勝69敗1分けの借金2になった。残り6試合で3位楽天とは試合終了時点で1.5ゲーム差ではあるものの、後半戦はまだ4位にも浮上できていない現状もある。就任5年目の井口資仁監督(47)は来季続投が既定路線となっているものの、今季は3年連続でのCS進出に黄信号がともっている。
◆ロッテの二木は6四死球と制球を乱し、3回途中を8安打6失点で4敗目を喫した。流れをつくれず、チームの優勝の可能性も消滅し「無駄な四死球が多かった」と悔やんだ。3回までは要所を締めて何とか踏ん張っていたが、0-2の4回2死一、二塁で中村晃に3ランを浴び、なお2死二塁で今宮に適時打を許してKO。井口監督は「被弾が多い投手なので、そういうところを気を付けてやっていかないといけない」と厳しい口調だった。(共同)
◆4年目の期待の右腕がチームに大きな1勝をもたらした。ソフトバンク板東湧梧投手(26)がロッテ打線を5安打に抑えプロ初完封を飾り、2年ぶりVを狙うチームに勢いを呼び込んだ。「攻め」の気持ちでマウンドに立った。初回1死一、二塁のピンチを招いた。「とにかく目の前の打者を取ろうと。結果的に開き直れた」。カウント0-1からの2球目。フォークで安田を二ゴロ併殺打に切った。2回以降は5イニング連続して3者凡退のパーフェクト投球。「調子は良くなかったけど、攻めの気持ちで投げた。1つ1つというのが良かったと思う」。7回のマウンド前。森山投手コーチが言った。「この回、スイッチを入れろ。そしたら先が見える」。疲れもあったが、続投志願。8回2死一塁の場面で茶谷の打球を右足に受けた。すかさず捕球しアウトにした。「(打球は)ヒットだったので(当たって)ラッキーと思った。足? 筋肉のところだから大丈夫です」と笑顔で振り返った。サドンデスとも言える過酷なVロード。自己最多となる120球のシャットアウト劇でフル回転の中継ぎ陣を休ませることができた。お立ち台では3ランをかっ飛ばした中村晃から「男前投球」と持ち上げられた。Vマジックは6となった。「負けられない試合。勝ててホッとしています」。イケメン右腕の快投でVロードを加速する。【佐竹英治】
◆ソフトバンクがロッテに快勝し、優勝へのマジックナンバーを「6」に減らした。2点リードの4回に中村晃外野手(32)が中押しの6号3ラン。自主トレにも師事したことがある明石健志内野手(36)の引退試合で惜別のアーチを描いた。投げても先発の板東湧梧投手(26)が被安打5でプロ初完封。投打がかみ合い、がっちり首位をキープした。「なめんな!」。中村晃は心の中で叫んだ。2-0の4回2死二塁。前打者の4番デスパイネが、申告敬遠で歩かされた。自身との勝負を選ばれ、燃えないはずがない。「その気持ちがなくなったら終わりだと思う。その気持ちは常にあります」。ロッテ二木の初球、141キロ直球を右翼スタンド中段に運んだ。打った瞬間にそれと分かる確信アーチ。中村晃はバットを投げ、今度は「よっしゃぁ!」と思いきり叫んだ。「場面的にも絶対に打ちたかった」。5点差に広げ、勝利を決定づけた。先輩の最後に花を添えた。この日はベテラン明石の引退試合。中村晃は約10年前に米アリゾナでの自主トレに師事するなど、尊敬の念を抱いてきた。「体が小さいのに、若い時は長いバットでもしっかり振れていた。それに加えてバットコントロールもあって。何よりも足が速いです」。中村晃が入団した08年は、チーム寮が福岡市東区の西戸崎にあった。「僕が(寮に)入った時に健志さんは5年目だった。その時はけっこう怖かったですよ」と、苦笑い。今でこそ球界屈指の巧打者となった中村晃でも「健志さんはその時1軍と2軍をいったりきたりでしたが、2軍にいる時は無敵って感じ。天才なんだなって思っていました」と明かした。15年間ともに戦ってきた先輩のため、値千金の惜別弾を放った。ロッテに快勝し、優勝へのマジックナンバーを「6」に減らした。2位オリックスが勝利し、ゲーム差は「0」のまま。1試合も落とせない日々が続く。中村晃は「全部勝たないと厳しいと思いますし、みんながそう思っている」と、チームの総意を代弁した。残り7試合。首位のままでゴールを目指す。【只松憲】▽ソフトバンク三森(11日オリックス戦以来の8号が先頭打者弾) タイミングを合わせて自分のスイングで振り抜くことができました。しっかりと準備して打席に入れた結果だと思います。▽ソフトバンク柳田(2回の適時二塁打に) 打ったのはフォーク。必死に食らいついて打つことができました。▽ソフトバンク今宮(4回、ダメ押しの左前タイムリー) 打ったのはカーブです。チャンスで前の打席で凡退してしまったので、ここでは絶対にランナーをかえそうと打席に入りました。気持ちで打ったヒットです。○...リードオフマンの1発で主導権を握った。三森大貴内野手が初回に先制の先頭打者アーチ。初球を右翼テラス席に運んだ。「打ったのは真っすぐです。タイミングを合わせて自分のスイングで振り抜くことができました」。8号ソロに笑顔でダイヤモンドを周回した。11日のオリックス戦(京セラドーム大阪)以来の1発でチームを乗せた。「しっかりと準備して打席に入れた結果だと思います」と笑顔で振り返った。
◆ソフトバンクが優勝へのマジックナンバーを「6」に減らした。2位オリックスが楽天に勝利したため、ゲーム差は「0」のまま。現時点での最短優勝は30日となった。先発の板東湧梧投手(26)が5安打無失点でプロ初完封。今季3勝目を手にし「いろんな意味で負けられない試合だったので、勝ててよかったです。うれしいです」と、イケメン右腕はお立ち台で喜んだ。前回登板までは、オリックス山本と2週連続で投げ合った。その経験を糧に、ロッテ打線をシャットアウトした。打線は1回に1番三森が初球先頭打者本塁打。4回には中村晃の3ランが飛び出すなど、11安打6得点で快勝した。今季限りでの現役引退を表明した明石健志内野手(36)は、7回に代打で登場して投手への内野安打。ベテラン36歳の引退試合に花を添え、中村晃は「一緒に野球ができなくなるのは寂しいですけど、僕も健志さんのためにも頑張っていきたい」と引き締めた。
◆ロッテ井口資仁監督(47)が、今季限りで現役引退するソフトバンク明石健志外野手(36)にはなむけの言葉を贈った。明石は03年ドラフトでダイエー(当時)に入団しており、05年にメジャー挑戦した井口監督は、04年シーズンで明石と接点があった。「健志の最後の姿を見れて良かったなと思います。試合前に和田と2人でダイエーのユニホームを着て写真撮っているのを見て、懐かしいなと思って」と振り返った。和田には「昨日の投球ならあと5年はできる」と伝えたという井口監督は、明石には「ここからの野球人生もしっかりあると思いますので。森脇さん(現・ロッテヘッドコーチ)が本当に厳しいコーチだったと言っていたんで、お前もそれくらいになれと言っておきました」と激励したことを明かした。
◆ロッテのリーグ優勝の可能性が、シーズン137試合目で消滅した。残り6試合を全勝しても、最終的な勝率でオリックスを上回ることができない。井口資仁監督(47)の就任5年目の今季は「頂点を、つかむ。」をスローガンに始動したが、長らく5位に低迷。CS進出の可能性も残るものの厳しいシーズンとなった。V逸の原因を投打に分けて振り返る。■主軸の大不振22年シーズンの特性として「3月末~9月末の通年で143試合が行われる3年ぶりのシーズン」というものがあった。コロナ禍での直近2年間、ロッテはリリーフ投手の登板間隔を管理しながら、僅差を勝ってきた。だからこそ、今季はいかに「延長戦に入らずに勝利し、リリーフ陣の消耗を減らせるか」がカギの1つになっていた。それだけに、得点力不足で試合終盤に優位に立ちづらい状況は痛かった。選手層は決して厚くなく、井口監督もシーズン中に「打てないのは去年からですけど、今年は守り勝ててない」とこぼしている。打力が他球団に劣るからこそ、ブランドン・レアード内野手(35)、レオネス・マーティン外野手(34)の両主軸にかかるものが大きかった。ところが開幕からともにバットが湿り、マーティンは複数回の2軍調整を経験し、すでに8月下旬に家庭の事情で離日している。昨季は両助っ人で合計1044打席に立ち、56本塁打、170打点をたたき出していた。それが今季は24日時点で計659打席で24本塁打、73打点。昨季ともに0.8を超えたOPS(長打率+出塁率)は、今季は0.6前後。特に長打率は2人とも1割以上落としており、長打率リーグワーストの主要因となった。マーティンは優勝がかかった昨季終盤、故障を押しての出場となっていたが、2人のコンディションについて井口監督は「全然大丈夫だと思います」と不調の最中でも話していた。変則の与座が先発した5月5日西武戦(シーズン30試合目)ではともにスタメン落ち。7月2日楽天戦(同74試合目)ではエチェバリアも含め、助っ人打者が初めてスタメンから姿を消し、9月以降はそれが当たり前のようになった。■遅れた荻野の合流故障がちのプロ生活を送ってきた荻野が、昨季初めて全試合に出場し大きく貢献した。その反動もあり、今季は1軍合流が5月下旬となった。荻野合流までの約50試合は3年目高部が台頭し安打や走塁を重ねたものの、出塁率の点ではまだ荻野には及ばず。打力低下は著しく、4月14日ソフトバンク戦から同20日西武戦まで5連敗し、うち4試合が完封負け。長い5位生活の始まりとなった。井口監督は「自分たちの野球をしないと勝てない」と言葉を重ねた。安打や四死球で出塁し、盗塁や犠打で進め、適時打が出なければ内野ゴロや犠飛でも1点をもぎ取っていく。森脇ヘッドコーチとともに複雑なサインを出しながら、攻撃スタイルを徹底した。結果的に盗塁数と犠飛数は12球団トップを走るものの、苦労してつないだ1点2点が、被本塁打1本で一瞬にして無に帰す試合が何度もあった。今季チーム最多18安打が飛び出したのは、背水の135試合目。投打がかみ合って進む時期がなく、優勝には必須となる大型連勝の流れを作れなかった。【ロッテ担当=金子真仁】
◆ロッテのリーグ優勝の可能性が、シーズン137試合目で消滅した。残り6試合を全勝しても、最終的な勝率でオリックスを上回ることができない。井口資仁監督(47)就任5年目の今季は「頂点を、つかむ。」をスローガンに始動したが、長らく5位に低迷。CS進出の可能性も残るものの厳しいシーズンとなった。V逸の原因を投打に分けて振り返る。■リリーフ陣不調試合終盤の不安定さが響いた。20年、21年と2年連続2位に入った。20年は唐川→沢村(20年オフに退団)→益田、21年は佐々木千→国吉→益田と7~9回に送り出す投手が固まり、必勝リレーとしてしっかりと機能していた。3連投NGなど吉井投手コーチ(現・投手コーディネーター)が定めて運用していたものの、それでも前年までの疲労蓄積は顕著だった。今季は唐川、佐々木千がコンディションの問題で出遅れ、国吉も開幕直後から乱調。再調整になると、2軍公式戦ではアウト1つも取れず7失点することもあるなど精彩を欠いた。そんな中で、サイドスローの東條が台頭。5月前後からホールド数を着々と増やし、初の球宴にも選ばれた。しかし、球宴直前に新型コロナウイルスの陽性判定で一時離脱。チームは7月に多くの離脱者を出したが、得点力不足の打線を考えると、リードした状態で相手の攻撃をあと2回まで持っていける東條の離脱は戦略的に大きく響いてしまったといえる。前半戦ラストに白星を重ね、東條不在ながら貯金状態で迎えた後半戦のスタート。4投手の継投で8回まで3点をリードし、守護神益田が9回にオリックス杉本に同点3ランを浴びた。延長12回の末に敗れ、オリックスに後半戦3連敗スタート。8月中旬までに3連敗、4連敗もあり、8月11日は益田はソフトバンク今宮に再び決勝被弾した。益田は井口監督就任2年目の19年からクローザーに固定され、17年(38試合)を除けば、プロ入り以降全ての年で50試合以上に登板している。選手会長でもあり、存在感は大きい。簡単に外せないポジションながら、今季はセーブ数以上に印象的な失敗が増えていた。井口監督は8月11日の敗戦後に「チームのクローザーなのでこういう負け方をするとどうしても響くというか、ずるずるいってしまいがちで」と話し、その後決断。新戦力オスナにリード時の9回を託し、益田は再調整後、さまざまな局面でリリーフしている。■最後は先発層にも課題先発陣は24日時点で76度のQS(クオリティースタート=6投球回以上、自責点3以内)を達成し、試合を作ってきた。3月末から9月末まで143試合を大きな中断なく進める3年ぶりのシーズン。短期的にローテ投手の登録抹消も入れつつ、中堅・若手の先発層の経験強化を図ってシーズンを進めていた。吉井氏に代わり、今季から木村投手コーチが1軍チーフ格に入った。巨人でトレーニング指導の経験もあり、短期決戦が肝になる社会人野球のコーチも経験。長いシーズンで時に選手にケアをほどこしつつ、確かな行動力と入念なコミュニケーションでコンディション管理を行ってきた。ただコロナ禍での予期せぬ離脱もあって、全てはうまくいかず。シーズン終盤ではベテラン美馬の奮闘は光っているものの、シーズン初完走間近の佐々木朗の登板が減り、石川も上半身のコンディション不良、ロメロも左肩の張りで戦線離脱に。野手同様、そこを救う選手層が継続的な課題だ。【ロッテ担当=金子真仁】
◆ロッテのV逸が決まった。先発二木が4回途中6失点KO。ソフトバンク板東を相手に初回に併殺で逸機した打線は、今季19度目の完封負けを喫した。打力不足が顕著な課題で、対戦経験の少ない投手に封じられるケースも今季は目立った。井口監督も「今日はどんどんストライク放ってきていて、そこを積極的にあまりいけなかった」と消極さに苦言を呈した。「頂点を、つかむ。」とスローガンに掲げた就任5年目も優勝ならず。シーズンは残り6試合に。「まだまだ違う意味のチャンスはありますので」と3年連続でのCS進出へ目標を切り替える。
◆今季限りで現役を引退するソフトバンク・明石健志内野手(36)が試合前練習に参加した。その後、出場選手登録された。まずは三塁の位置で守備練習。赤のフットガードに赤の手袋、オレンジのバットという慣れ親しんだ道具でフリー打撃を行った。ロッテの荻野や井口監督とも言葉を交わすなど、貴重な時間を目いっぱい楽しんだ。試合後には引退セレモニーが行われる予定。藤本監督は「明石が気持ち良く打席に立てるように、その前にいい形にしておきたいですね。あまり重圧がかかってもね、本人も気の毒やから。最後はいいところで打席に立ってもらいたい」と期待した。明石は通算で1007試合に出場し、647安打、17本塁打、213打点、93盗塁、打率・252。明石の現役引退により、NPBでダイエー時代を知るのは同僚左腕の和田のみとなった。
◆ソフトバンク・大関友久投手(24)が1軍昇格した。試合前に代表取材に応じた藤本博史監督(58)が言及した。「今年は無理かなと思ったけどね。間に合ってよかったと思います。先発は今年は恐らく、CSにいったらわからんけど、ペナントレースではない。左が嘉弥真しかおらんので、そういうところで投げられたら」」今季は18試合に登板して6勝6敗、防御率3・01。7月のオールスターゲームにも選出されるなど飛躍の年だったが、8月3日に球団から「左精巣がん」で手術を受けたことが発表された。藤本監督も〝チルドレン〟の復帰に、ひと安心という表情だった。起用は中継ぎとなる。指揮官は「2軍でも普通に投げられているので。接戦でも中継ぎでいこうかと思っています」と明言した。残り8試合を駆け抜けるために、頼もしい左腕が帰ってきた。
◆今季限りで現役を引退するソフトバンク・明石健志内野手(36)が出場選手登録された。和田毅投手(41)との〝ダイエー戦士〟のツーショットが、ファンを喜ばせた。明石は2004年ドラフト4位で山梨学院大付高から当時ダイエーに入団。19年間のプロ生活を終えて、ユニホームを脱ぐ決意をした。これにより、ダイエー時代を知るのはNPBでは和田のみとなった。和田は2003年に自由獲得枠で早大から入団。03年に14勝を挙げるなど新人王に輝く、ダイエー最後の日本一に貢献した。ダイエー最後の野手である明石と、ダイエー最後の投手である和田。この日、2人はダイエー時代のユニホームを着て記念撮影した。和田は白のホームゲーム用のユニホーム、明石は黒のビジターゲーム用のユニホームを着て満面の笑みでツーショットとなった。明石が着用したユニホームは入団時の背番号「36」だった。これにはファンの大喜び。サンスポ鷹番ツイッター(@sanspo_hawks)でツーショットをツイートすると、ファンから「こんなん泣く」「エモい、エモすぎる」「ダイエー時代の秘蔵写真といってもバレなさそうな2人の若さと可愛さよ」という喜びの声が届いた。
◆ソフトバンク・中村晃外野手(32)が、見ているファンの胸まで熱くする貴重な3ランを放った。2-0の四回2死、柳田が一塁線を破る二塁打で出塁。2死二塁でデスパイネは申告敬遠で歩かされた。打席には中村晃。1球目の141キロ直球を右翼ポール際に運んだ。打った瞬間はフェアかファウルか確かめるように歩き出し、着弾を確認すると両手をバシっと力強くたたいた。「真っすぐを完璧にとらえることができました。デスパイネが歩かされるとわかっていたので、気合を入れて準備することができました。前の打席でチャンスで凡退していたので、ここで何とかしようという気持ちで打ちました」目の前の申告敬遠に、燃えに燃えた。二回2死満塁では空振り三振に終わっていただけに、悔しさを晴らす一発。一戦も落とせない中で、貴重な追加点となる3ランだった。
◆今季限りで現役を引退するソフトバンク・明石健志内野手(36)が七回1死、代打で登場。投手を強襲する内野安打で、現役最後の打席を終えた。6-0とホークスが主導権を握ったまま、七回に突入。1死後、明石が打席に立った。一礼して打席に立つと、1球目の149キロを見逃してストライク。2球目も149キロをファウルとし、追い込まれた。そして3球目、150キロ直球をはじき返すと、投手を強襲する内野安打となった。これが通算648安打目となった。真っ赤に染まったスタンドからは万雷の拍手。23日の引退会見では涙を見せなかった明石だが、一塁ベース上で最後の光景に、目を真っ赤にして涙を流した。代走に佐藤直が送られベンチに戻ると、ナインと握手やハグ。19年間、ホークスを支えてきたベテランが快音を響かせた。明石は試合前の時点で通算で1007試合に出場し、647安打、17本塁打、213打点、93盗塁、打率・252。この日の試合前、最後のダイエー戦士となった和田とダイエー時代のユニホームを着て記念撮影するなど、最後の時間を目いっぱい楽しんだ。試合後、セレモニーが行われる。
◆ソフトバンクがロッテ戦の勝ち越しを決めた。板東が5安打に抑え込み、プロ初完封で3勝目を挙げた。一回に三森の先頭打者本塁打で先制、2―0の四回には中村晃の3ランなどで4点を加えた。ロッテは優勝の可能性がなくなった。
◆今季限りで現役を引退するソフトバンク・明石健志内野手(36)が七回1死、代打で登場。投手を強襲する内野安打で、現役最後の打席を終えた。6-0の七回1死、一礼して打席へ。3球目、150キロ直球をはじき返すと、投手を強襲する内野安打となった。通算648安打目となった。真っ赤に染まったスタンドからは万雷の拍手。23日の引退会見では涙を見せなかった明石だが、一塁ベース上で最後の光景に、目を真っ赤にして涙を流した。代走に佐藤直が送られベンチに戻ると、ナインと握手やハグ。19年間、ホークスを支えてきたベテランが快音を響かせた。試合後に行われたセレモニー。明石もマイクの前に立ち、この瞬間の胸中を語った。以下がスピーチの全文。「まずはじめにこのような、引退試合、セレモニーを企画していただき、本当にありがとうございます」(続けて)「18歳からプロの世界に入って、初めてプロ野球選手を見たときは、プロで本当にやっていけるのかなと思いました。でもいい指導者に恵まれ、素晴らしい先輩、後輩、同級生に恵まれて、ここまでやってくることができました」(場内、拍手)「王会長をはじめとする監督(声を詰まらせる)...選手。スタッフのみなさん、そして、家族、親戚、知人...。(沈黙をはさみ)ちょっと、緊張しています! すみません。本当にしゃべるのは下手なので。あまりうまいことは言えないですけど」(下を向いて涙を流す。場内から「明石、頑張れ!」と声が飛ぶ)「本当に、19年間やれたのは、僕の力なんて本当になくて、先輩だったり監督、コーチ、そういう人の助けをたくさんしてくれたので。19年間できました」「そして妻には、本当に迷惑をかけて。でもいつも寄り添ってくれていて、プロという険しい道を一緒に歩いてくれました。まだ子供が小さいのに、バランスのいい食事や、本当に尽くしてくれました。本当にありがとう」(続けて)「すみません。言いたいことが全然言えなくて、でもきょうの試合でも、緊迫した優勝争いの中で後輩たちが楽しそうに結果を出して本当に誇らしく思いました。こみあげてくるものがすごくありました」(場内拍手)「ファンのみなさまにも本当にあつい声援をいただき、本当にありがとうございます」(再び沈黙)「いやぁ、緊張します」(場内から「頑張れ」と声が飛ぶ)「本当にめちゃくちゃですみません。本当に19年間、幸せなプロ野球人生でした。本当にありがとうございました!」
◆ソフトバンクが大勝。先発の板東湧梧投手(26)がプロ初完封。明石健志内野手(36)が現役最後の打席で内野安打を放つなど、勝利に貢献した。試合後、藤本博史監督(58)が代表取材に応じた。主な一問一答は以下の通り。--序盤から打線が得点「一回、二回は満塁で残塁がありましたけど。どうなるかと思ったけど、その後は何とか適時打も出て、残塁も少なく得点できました」--四回2死一、二塁で中村晃が3ラン「一番大きかったんじゃないかと思います」--四回2死二塁でデスパイネが申告敬遠された後だった「大きいよね。敬遠された後にね」--板東が完封「八回で、いいところで終わろうと思いましたけど。初の完封ですから。本人もいきたいと。中継ぎ陣も休ませたのでよかったと思います」--イニングの先頭を抑えていた「テンポもよく投げてくれたと思います」--18日のオリックス戦(京セラ)でも8回2失点と、2試合続けて長いイニングを「ありがたいですよね。中継ぎは疲労がピーク近くきているので。1人で投げてくれたのは大きいです。これから先も、板東は体力があるということで長いイニングを計算できると思います」--登板ごとに自信を感じる「マウンドの自信を見ていて感じますね。最初に楽天戦(8月25日、楽天戦、楽天生命パーク、一回に7失点して1敗目を喫した)で7点取られたのかな。その後は二回から投げ続けてくれて、それくらいからどんどんゲームを作ってくれている。あの1イニングは何が何かわからなかったらしいから。そういうのを経験して大きくなっているのかなと」--明石が現役を引退。内野安打をどう見た「試合前に柳田とかみんなに『明石が出るまでに得点たくさんしておいてくれよ』と(話して)本当にしてくれたので、出しやすかったです。明石も最後に、明石らしいヒットが出て本当によかったと思います」--思いを感じる一打だったのでは「打撃コーチのときからずっとやってきているので。勝負強い打撃を見てきたので。最後に見せてくれて本当によかったと思います」--セレモニーではどんな言葉をかけた「19年間お疲れさまと。彼とは打撃コーチのときにケンカもした。立場上、言わないといけないこともあるので。ぶつかったこともあるし、2人で喜んだことも、ご飯を食べたこともある。19年間お疲れさまと、一緒にやったことを考えながら。ジーンときましたね」
◆ロッテが今季19度目の零封負けを喫し、リーグ優勝の可能性が消滅した。先発した二木康太投手(27)が、6四死球と制球を乱し、四回途中を8安打6失点で4敗目を喫した。試合後、代表取材に応じた井口監督(47)の一問一答は以下の通り。--リーグ優勝の可能性が消滅した「まだまだ違う(CS進出の)チャンスがあるので、何とか残りの試合をやっていきます」--先発した二木の投球内容について「一回の入り方や、前回登板も一発を打たれた。四回に初球の直球を被弾? そこはバッテリーを含めてです。直球で押せる投手ではないので、制球力が生命線になると思います」--2番手・広畑が抑えた「広畑は前回も、長いイニングを抑えてくれた」--相手先発の板東に零封された「ミーティングをしっかりやって臨んだが、少し(的を)絞れなかった。まだチャートをみていないが、思った以上にゾーンが広かったかなと思うので、反省しながらみたいです」--いつもの板東とは違った「あまり変わらないと思います。ストライクをどんどん投げられて、積極的にいけなかった」--親交のある、ソフトバンク・明石健志内野手(36)の引退試合だった「健志の最後の姿をみられてよかった。これからの野球人生もあるので、期待しています。試合前に、和田とダイエー時代のユニホームを2人で着て、写真を撮影している姿をみて、懐かしいなと思いました」
◆8月に左精巣がんの摘出手術を受けた大関友久投手(24)が1軍に復帰した。主に先発を務め6勝をマークしていた左投手は当初、今季中の復帰は難しいとみられていたが、順調に回復した。藤本監督は、残りのレギュラーシーズンでは中継ぎとして起用する考えを示し「本当によく戻ってきてくれた。今季は無理かなと思ったけど、間に合って良かった」と話した。
◆ソフトバンクの板東湧梧投手(26)がプロ初完封。ロッテ打線を5安打に封じ「野手のみなさんに打ってもらって気持ちも楽だった。最後まで投げられてよかったです」と汗をぬぐった。2019年D5位で入団した26歳。18日のオリックス戦(京セラ)でも8回2失点と先発の役割を果たし、藤本監督も「ありがたい。中継ぎを休ませられてよかった」と感謝した。(ペイペイドーム)
◆真っ赤に染まったスタンドを、一生忘れることはない。今季限りで現役を引退するソフトバンク・明石が現役最後の打席で内野安打。優勝マジック「6」とした試合後に行われた引退セレモニーの最後の言葉は、感謝だった。「本当に19年間、幸せなプロ野球人生でした。本当にありがとうございました!」6-0の七回1死に代打で登場。2ストライクから右腕・八木の150㌔直球をはじき返すと、投手を強襲する内野安打。打つ前から目が潤んでいたというが、一塁上では耐えられなかった。23日の引退会見では見せなかった涙を流し、スタンドに何度も礼。648安打目で、静かにオレンジのバットを置いた。引退セレモニーでは何度も声を詰まらせ、何度も涙を拭った。伝えたいはずの思いをなかなか言葉にできず「19年間で後悔はきょうのセレモニーだけです」。明石らしさが詰まっていたが、本人の中では理想通りではなかったようだ。その後、ナインに背中を押されてダイヤモンドを早足で一周。最後はバック宙でホームを踏み、サヨナラ本塁打を放った2019年4月25日のオリックス戦を〝再現〟してみせた。腰痛に苦しんだプロ生活。19年には手術も経験し、今年に入っても椎間板に2度注射を打った。「痛み止めを関節の中に入れてもらう感じ。簡単には、1カ月に1回しか打てないもの」という腰痛は、引退の大きな要因にもなった。19年間、戦ってきたグラウンドを去る。今の夢は、一人の父親になることだ。「家族との時間を、ちょっとゆっくりして。腰が(癒えるのを)待って。あまりしてこなかったので、たくさん子どもを抱っこしたいです」ファンの思いを、ここで勝手ながら代弁したい。19年間、本当にありがとう、明石健志。(竹村岳)
◆パ・リーグ5位のロッテは首位のソフトバンクに敗れ、リーグ優勝の可能性が完全に消滅した。先発の二木が3回?を6失点、6四死球(4四球、2死球)と乱調で、役割を果たせなかった。「長打を打たれてはいけないと分かっていたが、打たれてしまった」唇をかんで振り返ったのは0-2の四回2死一、二塁の場面。中村晃に投じた初球、甘い141キロの直球を捉えられた。続く今宮にも左前適時打を許して降板。打線は板東の前に5安打無得点で、今季19度目の零封負けを喫した。球団は井口監督の来季続投を要請する方針を固めている。指揮官は「まだまだ違う(クライマックスシリーズ進出の)チャンスがあるので、残りの(6)試合に挑む」と気を引き締めた。(広岡浩二)
<パ・リーグ順位表推移>
順位 | チーム名 | 勝数 | 負数 | 引分 | 勝率 | 首位差 | 残試合 | 得点 | 失点 | 本塁打 | 盗塁 | 打率 | 防御率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 (-) |
ソフトバンク |
72 | 62 | 2 | 0.537 (↑0.003) | M6 (↑1) |
7 | 528 (+6) | 453 (-) | 100 (+2) | 78 (-) |
0.256 (-) | 3.110 (↑0.02) |
2 (-) |
ORIX |
74 | 64 | 2 | 0.536 (↑0.003) | 0 (-) |
3 | 480 (+9) | 447 (+1) | 89 (+2) | 62 (-) |
0.247 (↑0.001) | 2.820 (↑0.01) |
3 (1↑) |
西武 |
69 | 67 | 3 | 0.507 (↑0.003) | 4 (-) |
4 | 454 (+6) | 442 (+2) | 114 (-) | 59 (+2) |
0.230 (↑0.001) | 2.790 (↑0.01) |
4 (1↓) |
楽天 |
67 | 66 | 3 | 0.504 (↓0.004) | 4.5 (↓1) |
7 | 512 (+1) | 502 (+9) | 99 (+1) | 93 (-) |
0.245 (-) | 3.510 (↓0.04) |
5 (-) |
ロッテ |
67 | 69 | 1 | 0.493 (↓0.003) | 6 (↓1) |
6 | 481 (-) | 500 (+6) | 93 (-) | 128 (-) |
0.231 (-) | 3.270 (↓0.02) |
6 (-) |
日本ハム |
56 | 79 | 3 | 0.415 (↓0.003) | 16.5 (↓1) |
5 | 439 (+2) | 513 (+6) | 96 (-) | 91 (+1) |
0.234 (↓0.001) | 3.430 (↓0.01) |
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