ヤクルト(★6対8☆)DeNA =リーグ戦22回戦(2022.09.23)・明治神宮野球場=
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DeNA
30311000081625
ヤクルト
0001000056713
勝利投手:濵口 遥大(8勝6敗0S)
敗戦投手:大西 広樹(3勝2敗0S)

本塁打
【DeNA】宮﨑 敏郎(14号・1回表3ラン),佐野 恵太(21号・3回表ソロ),宮﨑 敏郎(15号・3回表2ラン),楠本 泰史(5号・4回表ソロ),森 敬斗(2号・5回表ソロ)
【ヤクルト】キブレハン(4号・4回裏ソロ),オスナ(17号・9回裏3ラン),内山 壮真(3号・9回裏2ラン)

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◆DeNAは初回、宮崎の3ランで先制に成功する。その後は3回表に佐野のソロと宮崎の2ラン、続く4回には楠本のソロが飛び出すなど、一発攻勢で試合を優位に進めた。投げては、先発・濱口が8回1失点の快投で今季8勝目。敗れたヤクルトは、9回に2点差まで追い上げるも及ばなかった。

◆2試合連続本塁打と好調のDeNA宮崎敏郎内野手(33)は、今季ヤクルトに好相性。打率は対セ・リーグで最も高い3割3分8厘で、特に神宮では同4割4分。首位との直接対決で今日も打つか。

◆ミュージシャンで小説家の尾崎世界観(37)が、始球式を行った。ロックバンド「クリープパイプ」のボーカル&ギターで、著作の「母影」が芥川賞候補にもなったこともある多才な尾崎は、大のヤクルトファン。バンド名にちなんで背番号「98」のユニホームに身を包み、雨の中で投じたボールはノーバウンドで捕手のミットに収まった。神宮球場でのヤクルト戦の始球式は15年以来、7年ぶり2度目。尾崎は「めちゃくちゃ緊張して。立った瞬間、真っ白になって。メジャーデビューして10年たって、緊張することもほとんどなくなってきたんで。すごく勉強になりました。いい経験をさせていただきました」。自己評価については「50点...80点にしておきます。力を抜こうという気持ちと、力んだ気持ちがちょうどいいくらいにハマってくれたと思う」と振り返った。

◆日本選手最多タイのシーズン55本塁打を放っているヤクルト村上宗隆内野手(22)は、第1打席で空振り三振に倒れた。2回先頭、DeNAの左腕浜口との対決は降りしきる雨の中で始まった。2ボール1ストライクから145キロの直球を左へファウル。続いて低めのチェンジアップを右へファウル。6球目、高め145キロの直球の下をバットが通過した。13日に2本塁打してから前日まで6試合本塁打がなく、10日ぶりの1発に期待がかかる。

◆DeNA宮崎敏郎内野手(33)が、自身3試合連続となる14号3ランを放ち、3点を先制した。0-0の1回2死一、二塁、ヤクルト大西の146キロを宮崎らしく、右翼席に運んだ。宮崎は「シュートを自分のスイングで捉えることができました。先制点を挙げることができ、うれしいです」とコメントした。試合開始前から雨が降りしきる中、初回に大きな3点がスコアボードに刻まれた。さらには3回1死から佐野が21号ソロを放ち、1死二塁では、宮崎が2打席連続となる15号2ランを放ち、リードを6点に広げた。

◆日本選手最多タイのシーズン55本塁打を放っているヤクルト村上宗隆内野手(22)の第2打席は、二ゴロだった。0-7で迎えた4回、1死からキブレハンの左中間ソロで1点を返し、山田が左前打で続いた。村上は1死一塁で打席に立った。2ストライクからの4球目、DeNA浜口のチェンジアップが暴投となって山田が二進。1死二塁となり、フルカウントの9球目、141キロの速球を引っかけた。このゴロで山田は三塁へ進んだが、続くサンタナが右飛に打ち取られて追加点はならなかった。2回の第1打席は、2ボール2ストライクからの6球目、高め145キロの直球に空振り三振だった。

◆5回表のDeNAの攻撃前に雨が強くなり、試合は中断となった。DeNAが7-1と6点をリードしている。

◆ヤクルトのパトリック・キブレハン外野手(32)が、4号ソロを放った。7点を追う4回1死、DeNA浜口の3球目、真ん中高め138キロ直球を左中間席に運んだ。8月27日DeNA戦(横浜)で1試合3本塁打を放って以来、久々の1発に「個人的には神宮での初ヒット(本塁打)が打ててすごくうれしい。チーム的には、まだ点差があるので1点ずつみんなで返していきたい」と振り返った。

◆午後8時5分に試合が再び再開となった。DeNAが7-1と6点をリードの5回表攻撃前に雨が強くなり1度目の中断。12分後の午後7時47分に再開された。森の2号ソロでDeNAがリードを再び7点に広げ、浜口が三振で2死となったところで雨が強くなり2度目の中断となった。本塁や一塁付近、マウンドなどに土が入れられ、雨が弱まった12分後に試合再開となった。

◆ヤクルト村上宗隆内野手(22)は6回2死走者なしで迎えた第3打席も、第2打席に続いて二ゴロだった。DeNA浜口との3度目の対決は、3球すべて高めへの直球。村上はいずれも豪快にスイングし、最初の2球は空振り、3球目をたたきつけた。村上の日本選手最多56号が期待される中、ここまで3打数無安打。一方でDeNAに5本塁打、ヤクルトもキブレハンにソロが飛び出し、雨の空中戦となっている。

◆DeNAが、今季チーム最多の5本塁打で首位ヤクルトに打ち勝ち、19年以来となるクライマックスシリーズ進出を決めた。雨空の中、"神宮花火大会"が開演された。1回、宮崎敏郎内野手(33)の3試合連発となる先制の14号3ランが号砲。3回に佐野が21号ソロ、宮崎が2打席連続の15号2ランを放ち、4回には楠本が5号ソロ、5回には森が2号ソロを夜空に打ち上げた。今季最多の5発でヤクルト村上のお株を奪って、奇跡の逆転優勝へラストチャンスとなる3連戦初戦を先勝した。三浦監督は「久しぶりですよね、これだけ出たのは。本塁打もそうですけど、大量点というのも。いい形で先制、中押しとできたと思いますし、良かったと思います、9回以外は」と話した。就任2年目で初のCS進出については「そこは、結果としてあれですけど。自分たちは上を見て、明日から。まず今日1つというところでね。結果として、1つ取れたのは非常に大きいと思いますし、良かったと思います」と評価した。

◆優勝マジック4のヤクルトは、2位DeNAとの直接対決3連戦の初戦を落とし、差は5ゲームに縮まった。両軍の14点すべてが本塁打による得点という空中戦。3度の降雨中断を挟むなど、終始強い雨が降り続いた。今季41試合にリリーフした大西広樹投手(24)が先発の"ブルペンデー"。大西と2番手の原樹理投手(29)が5回までに5本塁打されて8失点。序盤で大差が付き、9回に5点を追い上げたが届かなかった。13日に日本選手最多タイのシーズン55本塁打を放ち、記録更新が期待された村上宗隆内野手(22)は3打数無安打だった。9回1死走者なしで4度目の打席に入り、四球で出塁した。これで7試合連続の本塁打なしとなっている。

◆DeNAが、今季チーム最多の5本塁打で首位ヤクルトに大勝し、19年以来となるクライマックスシリーズ進出を決めた。DeNAが5本塁打で勝利。DeNAの1試合5本塁打以上は21年5月25日オリックス戦(宮崎、大和、ソト2、佐野)以来。神宮球場では04年6月23日ヤクルト戦(石井、村田2、金城、門倉)以来、チーム18年ぶりとなった。広島が敗れたため、3位以上が確定。就任1年目の昨季は最下位だった三浦監督だが、2年目でクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。DeNAのCS出場は3年ぶり4度目。▽DeNA三浦監督(今季最多の5本塁打での勝利に)「久しぶりですよね、これだけ出たのは。いい形で先制、中押しできたと思います。(CS進出決定は)自分たちは上を見て、明日から。結果として、1つ取れたのは非常に大きいと思います」

◆ヤクルトが9回に2発5得点の猛反撃を見せたが、あと1歩届かなかった。7点を追う展開で迎えた最終回。1死で村上とサンタナが連続四球を選ぶと、オスナが17号3ランで4点差にし「自分のスイングをする事を意識して打席に入りました。良い角度で上がってくれました」。さらに長岡が中前打で出塁し、途中出場の内山壮が3号2ランで、2点差にまで詰め寄った。「当てにいかずフルスイングしようと思いました。良いポイントで打つ事ができました」。この回一挙5点奪う猛攻を演じたが、最後は猛追及ばず。2位DeNAとの3連戦初戦を落とした。

◆DeNAが、雨空の中、"神宮花火大会"を開演し、首位ヤクルトに打ち勝った。1回、宮崎が3試合連発となる先制の14号3ランを放ち、3回には佐野が21号ソロ、宮崎が2打席連続の15号2ラン。4回には楠本が5号ソロ、5回にも森が2号ソロを打ち上げた。今季最多の5発でヤクルト村上のお株を奪って、奇跡の逆転優勝へラストチャンスとなる3連戦初戦を先勝。5ゲーム差とし、19年以来のクライマックスシリーズ進出を決めた。降りしきる雨を切り裂きながら、希望へとつながる放物線が右翼席に描かれた。1回2死一、二塁、DeNA宮崎が3試合連発の14号3ランをマーク。「シュートを自分のスイングで捉えることができました。先制点を挙げることができ、うれしいです」。試合開始前から雨が降る中、初回に大きな3点をスコアボードに刻み、試合の主導権を握った。「ハマのプーさん」の先制弾が、"神宮花火大会"開演の合図だった。3点リードの3回1死からは、佐野が中堅バックスクリーンへの特大の21号ソロ。さらに1死二塁から、宮崎が2打席連続となる15号2ランを放ち、リードを6点に広げた。「後ろにつなぐ気持ちで打席に向かった結果がいい結果になり、良かったです」。今季初先発の大西を3発でKOした。雨脚が強まる中でも、"花火"は終演しなかった。6点リードの4回には、楠本が「スライダーを完璧に捉えることができた」と2番手の原から右翼席へ5号ソロ。5回には「コンパクトに振り抜くことだけを考えて、打席に向かった」と話した森が右翼席へ2号ソロを放ち、3度中断する不安定な天候の中で、5回までに5発8得点で試合を決めた。投手陣が、ヤクルト村上をノーアーチ&無安打に抑え込む中、「村神様」のお株を奪うかのように、昨年5月25日のオリックス戦以来、今季最多の5発を夜空に打ち上げた。奇跡の逆転優勝へラストチャンスとなるヤクルトとの3連戦初戦を先勝。5ゲーム差とし、19年以来のクライマックスシリーズ進出を決め、かすかに残る希望の光を少し大きくさせた。【久保賢吾】

◆2位DeNAが雨空の中、"神宮花火大会"を開演し、首位ヤクルトに打ち勝った。1回、宮崎が3試合連発となる先制の14号3ランを放ち、3回には佐野が21号ソロ、宮崎が2打席連続の15号2ラン。4回には楠本が5号ソロ、5回にも森が2号ソロを打ち上げた。今季最多の5発でヤクルト村上のお株を奪って、奇跡の逆転優勝へラストチャンスとなる3連戦初戦を先勝。5ゲーム差とし、三浦大輔監督就任後は初となる、19年以来のクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。降りしきる雨を切り裂きながら、奇跡へとつながる放物線が右翼席に描かれた。1回2死一、二塁、DeNA宮崎が3試合連発の14号3ランをマーク。宮崎らしい、右方向への技ありアーチと思われたが、自身の手応え的には「まぁ、振り遅れて...、という感じだと思います」と独特の表現。試合開始前から悪天候の中、欲しかった先制点を3点も奪った。「ハマのプーさん」の先制弾が、"神宮花火大会"開演の合図だった。3回には佐野が21号ソロ、さらに1死二塁から宮崎が2打席連続の15号2ランを放ち、今季初先発の大西をKO。雨脚が強まる中でも"花火"は終演せず、4回には楠本が5号ソロ、5回には森が2号ソロをマークし、3度中断する不安定な天候の中で、5回までに5発8得点で試合を決めた。投手陣が、ヤクルト村上をノーアーチ&無安打に抑え込む中、「村神様」のお株を奪うかのように、昨年5月25日のオリックス戦以来、今季最多の5発を夜空に打ち上げた。三浦監督は「久しぶりですよね、これだけ出たのは。いい形で先制、中押しできた」と打線を評価しながら、「良かったと思います、9回以外は」と5失点した9回への苦言も付け加えた。奇跡の逆転優勝に向け、ラストチャンスとなる首位ヤクルトとの3連戦初戦を先勝した。ゲーム差を5に縮め、三浦監督就任後初で、19年以来のCS進出を決めた。三浦監督は「自分たちは上を見て、また明日から」と決意し、宮崎も「可能性がある限りは上を目指して、頑張りたいと思います」と指揮官の言葉に呼応。かすかに残る希望の光を少し大きくさせ、第2戦へと望みをつないだ。【久保賢吾】▽DeNA森(5回に2号ソロ)「コンパクトに振り抜くことだけを考えて、打席に向かいました。追加点を挙げることができて、良かったです」▽DeNA楠本(4回に5号ソロ)「出塁することだけを考えて、打席に向かいました。最高の結果になり良かったです」▽DeNA佐野(3回に21号ソロ)「何とか出塁しようと食らいついていきました。最高の結果になり、良かったデスターシャ!」

◆DeNA・宮崎敏郎内野手(33)が3戦連発となる14号3ランを放ち先制した。一回2死一、二塁から、今季初先発となったヤクルト・大西の高めに入った146キロをとらえ、得意の逆(右)方向へ運んだ。「シュートを自分のスイングで捉えることができました。先制点を挙げることができてうれしいです」とコメントした。今季の神宮球場は、これで驚異の打率・462(今季26打数12安打)。〝神宮キラー〟が相性の良さを発揮し、チームを勢いづけた。

◆DeNA・佐野恵太外野手(27)が3-0の三回1死から、バックスクリーン上部を直撃する特大の21号ソロを放ち、プロ6年目で2020年の20本を上回る自己最多本塁打数をマークした。佐野の本塁打後、4番の牧が右中間への二塁打で出塁すると、5番・宮崎が左中間フェンスを越える2打席連続の15号2ランを放った。宮崎の一発で6-0とリードを広げ、今季初先発のヤクルト・大西をKOした。

◆雨の神宮でDeNA打線が火を噴いた。四回で早々に今季41度目の2桁となる10安打を記録し、首位・ヤクルトを突き放した。「フォークをしっかり自分のスイングで捉えることができました。後ろにつなぐ気持ちで打席に向かって、いい結果になり良かったです」大粒の汗を拭ったのは宮崎敏郎内野手(33)だ。4-0の三回無死二塁から左中間フェンスを悠々と越える15号2ラン。一回にも3戦連発となる先制の右越え3ランを放っており、三回までで今季自己最多の5打点に到達した。第3打席ではもう少しで本塁打という左翼フェンス直撃の安打を放った。宮崎の先制弾に乗せられるように、三回には佐野がバックスクリーン上部を直撃する特大の21号ソロ。2020年の自己最多を超える一発に「何とか出塁しようと、食らいついていきました。最高の結果になり良かったデスターシャ!」と、お決まりのフレーズでコメントで振り返った。四回には楠本が右越え5号、五回には森も右越え2号を放っており、チームの今季1試合最多となる5本塁打で敵地を支配した。10連戦を締めくくる首位ヤクルトとの3連戦。三浦監督は「みんなは当然疲れている。でも、疲れた先に僕たちが目指しているものがありますから。全員で乗り越えていけるように。全員でカバーしながらやります」と前だけを見つめる。九回は3ラン、2ランを浴びてもたついたが、DeNAが意地を見せた。8本塁打が乱れ飛ぶ空中戦を制した。ヤクルトのマジックは「4」のまま。しかし、残り2戦に連敗すると優勝を目の前で見ることになる。そうはさせない。胴上げは絶対に阻止する。

◆試合前から降り続く降雨による悪条件を差し引いても、投手陣の内容が芳しくなかった。先発した3年目の大西広樹投手(24)は、新人時代のプロ初先発以来、2度目の先発マウンド。戦前は「いろいろ考えた。もちろんずっと救援をやってきたので、五回も六回もというふうには思わない」と話していた高津監督。ショートスターターとして今季41試合に救援登板している背番号44を送り込んだ。一回は1死から楠本に四球を与えると、続く佐野に中前打。4番・牧を捕邪飛とし、2死としたが宮崎に右翼席へ14号3ランを被弾した。二回は三者凡退としたが、三回は1死から佐野に中越えの21号ソロを浴びると、牧へ右翼への二塁打。宮崎には2打席連発となる15号2ランを打たれ、一方的な展開となった。大西は2回1/3を投げ6安打6失点で降板。原に継投したが、四回に楠本へ中越え5号ソロを浴び、さらに傷口を広げた。セ・リーグ首位を走るが、後半戦は投手陣に不安が残る。先発ローテーションの高梨と原が不調から抜け出せずブルペン待機。高橋、小沢は新型コロナウイルスに感染し、離脱するなど先発陣の頭数が苦しい。計8本塁打が飛び交うアーチ合戦。九回に3ラン、2ランで追い上げたが...。優勝へのマジックナンバーは「4」のまま。直接対決3連戦は、残り2戦に連勝すれば、2年連続9度目のリーグ優勝が決まる。

◆神奈川・桐蔭学園高出身のプロ3年目遊撃手、DeNA・森敬斗(20)が、五回に右翼席へ2号ソロを放った。6月23日の巨人戦(東京ドーム)で放ったプロ初本塁打以来となるアーチで「コンパクトに振り抜くことだけを考えて打席に向かった。追加点を挙げることができ、良かったです」と大きな目を見開いた。快足と強肩でならす「ハマのフェラーリ」が、パンチ力も見せた。

◆ヤクルトの村上は7試合本塁打なし。王(巨人)を抜き、日本選手シーズン最多を更新する56号を期待するファンの前で3打数無安打に終わった。シーズンの残りは8試合になった。3度中断した強い雨の中、1―8で九回になっても、大観衆が見守った。だが、九回の第4打席は四球。ため息に包まれ、試合終了を待たずに家路につく人が増えた。二回は浜口の速球を空振り三振。その後の2打席は、ともに打ち損じの二ゴロに倒れた。振り遅れた空振りが目立ち、2戦連続で安打なし。9月上旬に3割4分1厘あった打率は3割2分5厘に落ち、首位打者を争う大島(中日)とは5厘差に縮まった。

◆ヤクルトは九回に5得点と追い上げムードだったが、最後は追いつけなかった。2位との直接対決に痛い敗戦。優勝へのマジックナンバー「4」は変わらず、最短でのリーグ優勝は25日となった。3年目右腕の大西(三回途中6失点)を2年ぶりに先発させ、2番手には今季20試合に先発してきた原を起用したが、序盤からリードを広げられる展開に、高津臣吾監督(53)も嘆いた。――追う展開「今日は大西を先発させているので、継投、継投というふうにはイメージしていました。初回の3点(宮崎3ラン)で何とか次のピッチャーに渡してくれたらな、という風には思っていたのですが、そうは簡単にはいかなかったですね。ちょっと粘りが足りなかったというか、淡泊になってしまったような気はしますね」――三回も一発攻勢で失点(佐野ソロ、宮崎2ラン)を重ねた「先発ピッチャーではないので、長いイニングという風には思っていなかったんですけど、これがいまのスワローズのピッチャーの現状なので、それはしようがないと。受け止めています」――2番手は今季20試合に先発してきた原を起用(2回2/3を2失点)した「誰か長いイニングを投げられる人と思って。昨日は高梨ですけど、そのような気持ちで入れていましたけど...変わらなかったですね」――起用の意図は何か変わって、現状を打破してくれればと「本来であれば2人が先発するべきだと思います。そこを外されている理由があるわけで、リリーフに回っている理由があるわけで。それは本人たちがどう考えているかですよね」――降雨の中でお客さんも集まった「序盤から一方的な試合になってしまったので、非常に申し訳ない気持ちが強いです。最後はちょっと追い上げムードにはなりましたけど、また明日、相手は変わりませんけど、ピッチャーは変わりますし、また違った展開でいいゲームをしたいと思うだけです」――追う形だと攻撃も難しい「守りの時間もすごく長かったので、この天気の中でね。攻撃するのも難しかったでしょうけど、それでもチームなので、スワローズというチームなので、みんなで何とかしていかないといけないなと思います」

◆DeNAの浜口が8勝目を手にした。雨による3度の中断にも集中を切らさず、ぬかるむマウンドには右足の上げ方を工夫して対応。8回を4安打無四球で、ヤクルト打線をソロの1点に抑え「自分のやるべきことをしっかりして、絶対に勝つという気持ちで臨んだ」と胸を張った。村上との対決は終始速球で押し、二回は内寄りの145キロで空振り三振。四、六回も速球で二ゴロに打ち取った。首位との3連戦の初戦を制した三浦監督は「チームの期待に応えてくれた」とたたえた。

◆2年ぶりに先発した大西広樹投手(24)は、三回途中まで6安打6失点と期待に応えられなかった。2番手には20試合に先発してきた原樹理投手(29)が今季初めて救援登板したが、2回2/3を2失点。前日22日の高梨裕稔投手(31)と同様に状態アップのきっかけとしたいところだった。高津監督は「これが今のスワローズの投手の現状なので、それはしようがないと。受け止めています」と暗い表情を浮かべた。

◆ヤクルトは中盤までの大量失点が響いた。両チーム合わせて8本塁打が飛び交う空中戦。九回の2発は時すでに遅かった。1―8から17号3ランを放ったオスナは「自分のスイングをすることを意識して打席に入った。良い角度で上がってくれた」。4―8から3号2ランを放った内山壮は「当てにいかず、フルスイングしようと思いました。良いポイントで打つことができました」とコメントした。

◆神宮に冷たい雨が降った。セ・リーグ首位のヤクルトは、2位・DeNAとの直接対決に敗れ、優勝へのマジックナンバーは「4」のまま。最短での優勝決定は25日となった。村上宗隆内野手(22)は3打数無安打。高津監督も集まった燕党に頭を下げた。「序盤から一方的な試合になってしまったので、非常に申し訳ない気持ちが強い。攻撃するのも難しかったけど、スワローズというチームなので、みんなで何とかしていかないといけない」序盤から6点を追い、降雨で3度の中断を挟むなどタフな展開となった。九回に打線がつながり5得点と反撃ムードを漂わせたが、試合をひっくり返すまでには至らなかった。村上は13日の巨人戦で55号を放ち、1964年に王貞治(巨人)が樹立した日本選手のシーズン最多本塁打数に並んだものの、以降7試合でアーチなし。直近では6月30日―7月8日の8試合連続以来で、数々の強打者が味わってきた〝56号の壁〟が立ちはだかる。ただ、日々切り替えて次戦に臨むのが村上の流儀。高津監督は「また明日は、また違った展開でいいゲームをしたい」と前を向いた。(赤尾裕希)

◆セ・リーグ2位のDeNAは23日、ヤクルト22回戦(神宮)に8-6で勝利し、今季3位以内が確定。2019年以来、3年ぶり4度目のクライマックスシリーズ(CS)進出が決まった。球団(前身含む)の生え抜き監督で初のAクラスを決めた三浦大輔監督(48)の「全員で乗り越える」との言葉通り、宮崎敏郎内野手(33)の2本塁打など打線が今季最多の1試合5本塁打を放ち、首位との3連戦初戦を制した。猛追から何とか逃げ切った。シーズン終盤最大の正念場、10連戦を締めくくる首位・ヤクルトとの3連戦。DeNAが大事な初戦を全員野球で制し、三浦監督はほっと息をついた。「まず(初戦を)取れたのが大きいですね」3度の中断が入るほどの秋雨が降り注ぐ神宮で、DeNA打線が火を噴いた。一回に宮崎がプロ10年目で初の3戦連発となる先制の14号3ランを右翼席に運ぶ。4-0の三回にも左翼席へ2打席連発の15号2ラン。四回にはもう少しで本塁打という左翼フェンス直撃の安打を放った。 3安打5打点で打率も3割に復帰(・301)したが「自分が打つことでチームを勝利に導ければベストだと思うので、あまり意識していない」と勝利を追い求める。今季の神宮では打率・483(29打数14安打)を誇り、CSでも戦う可能性がある球場での好相性は頼もしい限りだ。宮崎に乗せられるように佐野、楠本、森もアーチを描き、今季チーム最多の1試合5本塁打でヤクルトを粉砕した。9月は30日間で27試合の強行日程。現在は9連戦から中1日での10連戦に臨んでいる。この日が8試合目。三浦監督は「みんな当然疲れている。でも疲れた先に目指しているものがある。全員で乗り越える」と前を向いた。練習前、ロッカールームでスペイン語担当の天野祥通訳=写真=の37歳の誕生日をチーム全員で祝福した。天野通訳は「サプライズだったので感動して泣きそうになりました。ケーキのサプライズは(8年目で)初めてです!」と大感激。選手には恒例の〝儀式〟だが、裏方も含めた全員が「三浦DeNA」だ。この勝利で2年目の三浦政権では初のCS進出が決定。球団(前身含む)の生え抜き監督では初のAクラス入りだ。それでも、指揮官は「自分たちは上を見て明日から」と5ゲーム差で追う燕の背中に視線を向け、宮崎も「可能性がある限りは上を目指して頑張りたい」と呼応した。全員が〝上〟を諦めていない。(湯浅大)

◆DeNA・浜口遥大投手(27)が雨中の熱投を見せた。試合前から降り続いた雨で四回裏終了時、五回表攻撃中、八回裏の守備中と3度の中断を挟んだが、8回116球を投げ、4安打1失点。8勝目(6敗)を手にし「野手の方が序盤から点を取ってくれたのでストライクゾーンで勝負していくだけだった」と納得の表情を浮かべた。序盤から危なげない投球。村上との対決は終始直球で押し、空振り三振、二ゴロ、二ゴロと3打数無安打に抑えた。チームは10連戦の8試合目。3連投だった山崎、入江、伊勢もベンチでスタンバイしたが、登板がかさむ救援陣も救った。三浦監督は「チームの期待に応えてくれた。中断があれだけあった中でも、1イニングでも長くという気持ちで待機してくれた。非常に良かったと思います」と8回を投げ切った左腕に最敬礼だった。(横山尚杜)

◆ヤクルトは23日、DeNA22回戦(神宮)に6-8で敗れた。本紙専属評論家の若松勉氏(75)が7試合連続ノーアーチに終わった村上宗隆内野手(22)の状態を分析し、助言を送った。村上は深刻な状態だ。本人も、なぜ打てないのか悩んでいるのではないか。原因は、構えにある。右肩が入りすぎて、ショートの守備位置の方に向いている。投手方向でなければ、体とスイングに切れも出ない。肩が入りすぎると、打とうと思ったら必然的に体の開きが早くなり、バットも遠回りするからだ。第1打席、空振り三振した高めのストレートは、以前なら左中間に本塁打していたはず。総じて、少なくともヒットにできていた球が打てなくなっている。早く優勝を決めなければ...。そのためには自分が打たなくては...。主砲としての責任感が強い選手だけに、そうした気持ちがプレッシャーになっているのだろう。あるいは、56本目を早くクリアしたい...。三冠王を獲得するには打率も気になる...。それらも重なっているのか、ガチガチになっている。今はとにかく、自分の打撃を取り戻すことに集中するときだ。打線全体も村上と同様、本来の姿を忘れたかのよう。投手に食い下がり、粘りに粘って、四球を選んででも出塁する。自分で決めようとせず、次打者へ、後ろへと回す。今こそ〝代名詞〟でもある「つなぎの野球」を思い出すときだ。九回の反撃が、まさにそれ。浜口に八回まで投げられながら、リリーフを余計に引っ張り出した。24、25日の対戦につなげてもらいたい。(本紙専属評論家)

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
75573 0.568
(↓0.005)
M4
(-)
8587
(+6)
549
(+8)
164
(+3)
68
(-)
0.250
(-)
3.610
(↓0.03)
2
(-)
DeNA
70622 0.530
(↑0.003)
5
(↑1)
9476
(+8)
503
(+6)
112
(+5)
49
(-)
0.252
(↑0.001
3.480
(↓0.02)
3
(-)
巨人
67693 0.493
(↑0.004)
10
(↑1)
4543
(+9)
577
(+3)
162
(+1)
63
(-)
0.245
(↑0.001)
3.710
(↑0.01)
4
(1↑)
阪神
66713 0.482
(↑0.004)
11.5
(↑1)
3480
(+7)
423
(+3)
82
(+2)
106
(-)
0.244
(↑0.001)
2.700
(-)
4
(-)
広島
66713 0.482
(↓0.003)
11.5
(-)
3547
(+3)
531
(+7)
89
(+1)
26
(-)
0.258
(-)
3.530
(↓0.03)
6
(-)
中日
61732 0.455
(↓0.004)
15
(-)
7391
(+3)
478
(+9)
61
(+1)
59
(-)
0.246
(↑0.001)
3.330
(↓0.04)