広島(★3対7☆)阪神 =リーグ戦25回戦(2022.09.23)・MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島=
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阪神
40010200071202
広島
1002000003901
勝利投手:藤浪 晋太郎(3勝5敗0S)
敗戦投手:大瀬良 大地(8勝9敗0S)

本塁打
【阪神】原口 文仁(2号・1回表2ラン),佐藤 輝明(20号・6回表2ラン)
【広島】松山 竜平(2号・4回裏2ラン)

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◆阪神は初回、近本の適時二塁打と原口の2ランなどで、幸先良く4点を先制する。その後5-3となって迎えた6回表には、無死二塁から佐藤輝の2ランが飛び出し、リードを広げた。投げては、3番手・藤浪が今季3勝目。敗れた広島は、先発・大瀬良が振るわなかった。

◆阪神高寺望夢内野手(19)が1軍昇格した。6月8日以来、自身2度目。前回は交流戦で先発3度を含む4試合に出場し、無安打に終わっていた。2軍では「まずしっかり、バッティングは特に結果を残そうと思って取り組んできました」とレベルアップを目指してきた。さっそく「8番二塁」でスタメン起用され、「自分のできることをして、しっかりチームの勝利に貢献できるように。走攻守全てで勝利に貢献できるように頑張ります」と意気込んだ。ウエスタン・リーグでは打撃好調。9月は13試合に出場し45打数17安打、打率3割7分8厘とアピールを続けてきた。高卒2年目の今季は春季キャンプで1軍メンバーに抜てきされるなど、若手の有望株として期待されている。

◆5位阪神はゲーム差1で追う4位広島と今季最終戦に臨む。1軍に昇格した高寺望夢内野手(19)が「8番二塁」で即スタメン入り。9月の2軍戦では打率3割7分8厘と好調で、高卒2年目の期待の星が起用に応えられるか注目だ。阪神の先発は才木浩人投手(23)。ここまで7試合で4勝1敗、防御率1・54と安定した投球を見せている。広島戦の先発は今季2度目。1日の対戦では6回無失点。6回裏途中降雨コールドゲームで4勝目をプロ初完封で飾った。12球団トップのチーム打率2割5分8厘を誇る強力打線を相手に快投を見せ、5勝目を狙う。

◆虎の眠れる「看板」2人が、崖っぷちの一戦で目覚めた。逆転CSへ負けられない5位阪神が、初回に幸先良く先制した。1死一塁。3番近本光司外野手(27)が、広島大瀬良の内角141キロを捉え右翼への適時二塁打とした。さらに1死二塁で4番大山悠輔内野手(27)が中越え適時二塁打だ。大山はプロ6年目でキャリアハイとなる86打点目となった。近本は今試合前まで直近5試合で18打数2安打、打率1割1分1厘。大山は同19打数2安打、打率1割5厘。前日に井上ヘッドコーチから「うちの看板選手。絶対に試合に出てよっていうメンバーがうまいこと回らないと点が取れない」と名前を挙げられていた2人が快音を響かせた。さらに1死二塁から5番原口文仁内野手(30)が、112キロカーブをグッと引きつけ左翼へ2号2ラン。開始わずか15分で4点を先制し主導権をがっちりと握った。今試合前時点で3位巨人に1・5差。4位広島には1差。CS進出へ、残り4戦全勝を狙う中、まずは立ち上がりにリードを奪った。

◆広島大瀬良大地投手(31)が先発ではプロ入り後2番目に短い2回4失点で降板した。プロ入り最短は14年6月7日ソフトバンク戦(マツダスタジアム)の1回0/3。このときは10失点(自責6)していた。また20年7月24日DeNA戦(横浜)でも2回2失点で降板している。初回1死一塁から阪神近本光司外野手(27)に右中間へ適時二塁打を許し、先制点を献上。続く大山悠輔内野手(27)には中越えの適時二塁打を浴び、2点目を失った。1死二塁となり、次打者原口文仁内野手(30)に左翼へ2ランを打たれた。先発し、初回に4失点したのは15年3月31日のDeNA戦(横浜)以来7年ぶり。このときは1回2死満塁からバルディリスに満塁弾を浴びていた。2回は無失点に抑えたが、その裏の打席で代打・中村健人外野手(25)が送られた。3回からは2番手遠藤淳志投手(23)が、5月1日中日戦(バンテリンドーム)以来今季2度目の中継ぎでマウンドに上がった。

◆阪神2年目の高寺望夢内野手(19)が記念すべきプロ初安打を放った。3点リードの4回1死一塁、2ストライクと追い込まれてから広島遠藤の高めに浮いた129キロを捉えた。「チャンスの場面でしたし、とにかく必死に食らいつきました。しっかりと自分のスイングができたと思います」。打球は右翼右へ。一塁走者梅野が一気に生還し適時二塁打でプロ初打点もマークした。記念ボールはベンチへと返され、二塁ベース上では大粒の汗を流しながら笑顔でベンチの先輩たちに応えた。「うれしいの一言です。ここまで結果は出ていませんでしたが、自分の積み重ねてきたことを信じて振り抜いた結果だと思うので、また次も打てるように頑張ります」プロ13打席目での初ヒット。この日1軍に合流し、即「8番二塁」での起用に応え、追加点を演出した。阪神10代選手が安打を放ち打点を挙げるのは20年井上以来。左打者に限ると同年の小幡以来となった。高寺は20年ドラフト7位で上田西から阪神に入団。佐藤輝、中野らとは同期となる。2年目の今季、ウエスタン・リーグでは打撃好調。9月は13試合に出場し45打数17安打、打率3割7分8厘とアピールを続けてきた。春季キャンプで1軍メンバーに抜てきされるなど、若手の有望株として期待されている。

◆阪神は先発才木浩人投手(23)を3回1失点で下げ、早めの継投策に入った。初回は4点の援護をもらった直後、1死から上本、西川の連打で1失点。2回、3回は走者を出すものの粘りの投球で追加点を与えなかった。3回で57球を投げ、4安打1失点。4回の打順で代打ロハスを送られた。今季8試合目で初めて5回持たず最短での降板となった。この試合を終えると、阪神は中3日での27日ヤクルト戦と間も空く。5位からの逆転クライマックスシリーズ進出へ、総力戦でチームの勝利をつかみにいく。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、左打者ではNPB史上初となる新人年から2年連続20本塁打を決めた。2点リードの6回無死二塁。フルカウントから広島中崎の内角144キロを完璧に捉えた。打った瞬間スタンドインを確信する右翼への特大2ラン。打球は「広島銀行 ひろぎん証券」の看板付近に直撃した。それを見届けてからゆっくりと歩き出した。「競った展開になっていましたし、これから終盤にかけて、次の1点が大事だと思っていたので、どんな形でもランナーをかえすということを意識して打席に立ちました。良いスイングができたと思います」と自画自賛した。プロ1年目からの連続20本塁打は86~98年清原和博(西武→巨人)の13年が最長で、2年以上続けたのは今年8月に牧秀悟(DeNA)が2年連続を決めて以来、10人目。球団では69年から2年連続の田淵幸一以来、52年ぶり2人目となった。昨季終盤、復活の24号アーチを放ったマツダスタジアムでは今季初本塁打。今季ラストとなる敵地広島でファンを沸かせた。プロ1年目の昨季は24本塁打。46年大下弘(セネタース)の20本を抜いてプロ野球新人左打者最多記録を更新すると、69年田淵の22本を抜いて球団新人最多記録も樹立した。一方、シーズン途中から左膝痛を発症した影響もあり、終盤は急失速。NPB野手ワーストとなる59打席連続無安打を味わうなど課題も残した。2年目の今季はパワーに加え確実性アップを目指した。開幕4番で迎え、4月5日のDeNA戦(甲子園)で1号。今試合前までチーム唯一の全試合出場を続け三振数は昨季から大幅減少。打率は上昇し安打、四球は増えた。ただ、現時点で本塁打は昨季より少なく、今季140試合目で節目の数字に到達。チームの逆転CS進出もかかる残り試合、どこまで数字を伸ばせるか。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)が5回から3番手で登板し2イニングを1安打無失点と好投した。8月から先発ローテーションでまわっていたが、6月10日オリックス戦以来の救援登板で、追い上げムードだった広島打線を抑え込んだ。5回、いきなり先頭の代打羽月に四球を出したが、続く1番野間をスプリットで3球三振に仕留めるなど、落ち着いて後続を3人で打ち取った。6回も2死から坂倉に右前安打を許したが小園を左飛に打ち取った。

◆広島が阪神に敗れ、3年連続シーズン負け越しが決定した。■大瀬良がプロ入り後2番目に短い2回KO先発の大瀬良大地投手(31)が先発ではプロ入り後2番目に短い2回4失点で降板した。プロ入り最短は14年6月7日ソフトバンク戦(マツダスタジアム)の1回0/3。このときは10失点(自責6)していた。初回に近本光司外野手(27)と大山悠輔内野手(27)に適時打を浴び、1死二塁では原口文仁内野手(30)に左翼へ2ランを打たれた。■松山に2カ月ぶり2ラン出るも4点差重く打線は最大4点差をはじき返す力がなかった。1-5の4回無死一塁では松山竜平外野手(37)が右中間へ7月22日以来の2ランを運び、2点差に迫った。ただ、2点ビハインドの6回に3番手中崎翔太投手(30)が佐藤輝明内野手(23)に痛恨の2ランを浴び、点差を再び4点に広げられた。■3年連続シーズン負け越し決定1ゲーム差だった阪神に再び4位タイで並ばれた。3試合を残して、今季の負け越しが決定。シーズン負け越しは3年連続。佐々岡政権の成績(23日時点)▽20年 120試合52勝56敗12分け▽21年 143試合63勝68敗12分け▽22年 140試合66勝71敗3分け

◆阪神がAクラス入りを争う広島に快勝し、広島に並ぶ4位に浮上した。残り3試合で逆転CS進出を目指す。広島との今季対戦は9勝14敗2分けで終えた。初回に鮮やかな先制攻撃を見せた。近本光司外野手(27)と大山悠輔内野手(27)の2者連続の適時二塁打に続き、原口文仁内野手(30)が左越えに2号2ラン。一挙4点を挙げた。広島大瀬良大地(31)を2回でKOした。4回にも2年目の高寺望夢内野手(19)のプロ初安打となる適時二塁打で1点追加。その後2点差に詰め寄られたが、6回に佐藤輝明内野手(23)の右越え20号2ランで突き放した。新人から2年連続の20本塁打は左打者では両リーグ通じて史上初めて。球団では右打ちの田淵幸一以来、52年ぶり2人目。先発の才木浩人投手(23)は3回1失点。まだ57球だったが4-1の4回から交代した。右肘のトミー・ジョン手術から復活して7月にローテーション入り。先発翌日に出場選手登録を抹消、中10日以上を空けての先発を続け、防御率1・64の成績でポテンシャルを見せつけた。

◆阪神2年目の高寺望夢内野手(19)が記念すべきプロ初安打を放った。3点リードの4回1死一塁、2ストライクと追い込まれてから広島遠藤の高めに浮いた129キロを捉えた。打球は右翼右へ。一塁走者梅野が一気に生還し適時二塁打でプロ初打点もマークした。試合後にはプロ初のヒーローインタビューに応じた。「まず1本打ててほっとしています」と安堵(あんど)した様子。「え~、なんとかチームの勝利に貢献できるようにやりました」と初々しい表情も見せた。安打の感触を問われると「そうですね、感触、よかったです!」とシンプルな回答。「あの打球でかえっていただいたので梅野さんに感謝したいと思います」と一塁走者の先輩に頭を下げた。ベンチでは「先輩方にナイスバッティンって言ってもらえました」。記念のボールは「家族に渡したいと思います」と言った。チームの正念場で輝いた19歳は「2年目の高寺です! チームの勝利に貢献できるように頑張ります! 応援よろしくお願いします」と締めた。

◆阪神佐藤輝明内野手(23)が、左打者ではNPB史上初となる新人年から2年連続20本塁打を決めた。佐藤輝が昨年の24本に続いて今季も20本に到達。新人からの連続20本塁打は86~98年清原(西武→巨人)の13年が最長で、2年以上続けたのは21、22年牧(DeNA)以来10人目。球団では69、70年の田淵に次ぎ2人目。左打ちの新人で20本以上は46年大下(セネタース=20本)と佐藤輝の2人いたが、大下の2年目は17本。プロ入り2年連続20本以上の左打者は佐藤輝が初めて。

◆阪神がAクラス入りを争う広島に快勝し、広島に並ぶ4位に浮上した。残り3試合で逆転CS進出を目指す。初回に4得点を先制し、その後も佐藤輝明内野手(23)の20号2ランなどで加点した。矢野燿大監督(53)の一問一答は以下の通り。-初回の攻撃が大きい「そやね。2点、3点、4点といってくれたので。どの得点も大きいけど、フミ(原口)の本塁打はキーだったかな。タイムリーでもいいところで、本塁打にしてくれた」-高寺がプロ初ヒットに初打点「2年目だけど、もともと打つ能力が高いとは評価していた。来年以降、ぐっと上がる可能性がある能力を持った選手。今季のうちにまず1本出たのは良かった。守備も走塁も課題はいっぱいあるけど、打つのがあいつの魅力」-佐藤輝も、らしい1本「2年連続20本以上打つのはすごいこと。最低の数字はクリアしたんかなと思うけどね。20と言わず30、40ともっとスケールのでかい打者になれる可能性がある。あいつ自身も満足していないと思うけど、本塁打争いをするような打者になってもらいたい」-早めの継投「(先発)才木もちょっとストライク、ボールがはっきりしていたし、得点も取れるところで勝負にいくというところで」-藤浪が好救援「晋太郎がいてくれて良かった。晋太郎が2イニングいってくれたから、そこで流れが止まり、得点できる形にもなった。今日はいろいろあったけど、晋太郎があそこで止めてくれたのが一番のポイントかな」

◆広島が阪神に敗れ、3年連続シーズン負け越しが決定した。試合後に佐々岡真司監督(55)は「それはまた今後の試合でぶつけるしかない」とコメント。「勝つしかないので、戦っていくしかない」と残り3戦に目を向けた。佐々岡監督の一問一答は以下の通り。-先発の大瀬良投手が初回に4失点。思わぬ形になったが状態はどう見ていたよーいどんで4失点して打たれれば、ああいうこと(降板)になりますし、長打にしろ、こっちは全然(打たれると)考えていなかったですし。-2点を追う6回に中崎投手を送った。前回良かったから当然期待も込めて当然、期待して出して、点を取られてはいけないという中で、7回以降は継投と、6回はザキ(中崎)に任せると。ザキが打たれると思って出してないので、期待してたので、それが結果的に打たれたのは出した僕が責任がある。前回良かったので期待もしてましたし。-残り3戦。姿勢としては最後まで諦めずに3試合、いつも言ってるように、勝つしかないので、戦っていくしかないと思います。-3年連続で負け越しが決まったそれは、また今度の試合でぶつけるしかないので。

◆阪神藤浪晋太郎投手(28)が3番手で5回から2イニングを無失点に抑え3勝目を挙げた。広島へ行きそうな試合の流れを断ち切り「あまり難しく考えずに(マウンドへ)。任された場面で、自分の仕事ができてよかった」と笑った。絶対に負けられない試合で矢野監督は先発才木を3回1失点であきらめ継投策に入った。左が続く4回に2番手で左腕島本を投入するが松山に2ランを浴び2点差に。5回から「第2先発」でスタンバイしていた藤浪を投入した。いきなり先頭の代打羽月を四球で歩かせるが、あわてることなく、続く野間を146キロスプリットで空振り三振。2死後西川は155キロ直球で力のない左飛に仕留めた。6回も3つのアウトはすべて直球だった。「(中継ぎだと)直球が多くなるので」と、この日最速157キロの直球の割合を先発時より増やし、力で押し込んだ。18日ヤクルト戦(甲子園)で先発し6回、96球で1失点負け投手から中4日、リリーフ登板は6月以来だったが、しっかり中継ぎ仕様に変更し、チームの4連敗ストップに貢献した。矢野監督も「晋太郎がいてくれてよかった。2イニングいってくれたから、そこで流れが止まった。晋太郎があそこで止めてくれたのが一番のポイント」と勝因に挙げた。藤浪の熱投に続けとケラー、湯浅、岩崎の勝利の方程式もきっちり「0」でリレーした。藤浪の救援勝利は21年6月13日楽天戦以来。藤浪は「自分で勝ったようなウイニングボールでもないんで」と、この日が今季ラストだったマツダスタジアムの虎党に向かって投げ込んだ。残りは3試合。中3日で27日からヤクルトと2連戦で、さらに3日空けて10月2日ヤクルト戦となる。「準備は一応しています」とすべて投げる心づもりだ。藤浪が奇跡の逆転CS進出へのジョーカーとなる。【石橋隆雄】○...阪神先発才木は3回4安打1失点でマウンドを降りた。初回に4点の援護をもらったが、その裏に1死から上本、西川の連打で1失点。2回、3回は走者を出すも無失点に抑えた。ベンチは早めの継投策を決断。今季8試合目で初めて5回を持たずの降板となった。20年の右肘手術から復活し、今季4勝の右腕は「こういう大事な試合で長いイニングを任せられるような投手になれるように頑張ります」と力を込めた。▽阪神ケラー(7回に登板し、3者凡退の好投)「負けられない大事な試合なので、みんなで協力して絶対勝ちたいという思いだったよ。0点でつなぐことができてよかったね」

◆1軍に昇格した阪神・高寺望内野手(19)が「8番二塁」で即スタメン出場。記念すべきプロ初安打を放った。名前 高寺望夢(たかてら・のぞむ)生まれ 2002年(平14)10月17日生まれ、長野県出身。178センチ、76キロ。右投げ左打ち。背番号67。球歴 長野・上田西高から20年ドラフト7位で阪神入団。甲子園の出場はなし。1年目の昨季はウエスタン・リーグ58試合に出場し、22安打、1本塁打、10打点、打率1割6分2厘。同年秋のフェニックスリーグで打率5割超え。武将とゆかり 出身の長野県上田市真田町は戦国武将・真田幸村のゆかりの地。真田幸村は1615年の「大坂夏の陣」で、当時圧倒的な兵力だった徳川家康の本陣に、豊臣軍の武将として勇敢に攻め込んだ。自身は格闘技観戦が趣味で、好きな選手は那須川天心。入寮 「甲子園の土」が入ったキーホルダーを持参。新型コロナ感染拡大の影響で高校3年時に春夏の甲子園大会が中止となったことを受け、阪神球団が全国の高校野球部員に送った約4万8700個のうちの1個を励みに日々練習していた。怪物スラッガー並みの握力 入団時の体力測定で、超高校級のポテンシャルを披露。ドラフト1位の佐藤輝ら同期入団の中で唯一の高卒だったが、30メートル走、10メートル走、垂直跳びの3種目でトップの数値を記録した。握力は佐藤輝と同じ70キロ超えだった。抜てき 2年目の今季は、沖縄・宜野座の1軍キャンプメンバーに入った。2月5日の紅白戦では、右翼に二塁打を放つなど、マルチ安打で「1軍デビュー」を飾った。フルメニューを消化し、キャンプを完走した。

◆猛打で踏みとどまった! 阪神が23日の広島戦(マツダスタジアム)を快勝。連敗を4で止め、クライマックスシリーズ進出を争う4位広島に並び、3位巨人との1・5ゲーム差を死守した。12安打7得点の猛攻を締めたのは佐藤輝明内野手(23)だ。6回に自画自賛の20号2ラン。新人から2年連続20発は左打者ではNPB初の快挙となった。残り3試合で後がない戦いは続くが、最後まであきらめない。確信した。すぐには歩き出さなかった。佐藤輝の打球は右翼上段席の「広島銀行」看板付近に直撃。希望をつなぐ放物線が広島の夜空にかかった。「競った展開で次の1点が大事だと思っていた」と集中した。2点差に迫られていた6回無死二塁。フルカウントから中崎の内角144キロを強振だ。新人年から2年連続20号。NPB左打者史上初となる快挙にも、笑顔はベンチ前だけだった。「え~...、そういう記録になったってことはうれしい気持ちもありますけど、まだまだ打ちたいなって気持ちがある」4試合ぶり、9月2本目のアーチ。満足感に浸ることはない。矢野監督も「最低(限)の数字はクリアした」とたたえつつ、「30、40や、もっとスケールのでかい打者になれる可能性がある。来年以降は本塁打争いをするような打者になってもらいたい」。試合後にすぐさま指令を出した。140試合目での到達。道のりは決して平たんではない。8月にはロドリゲスからバットを借りて臨んだ試合もある。助っ人いわく「芯部分が大きく率が上がるように作られているモデル」。オフにはミズノ社のバット工場で職人と意見交換するなどこだわり抜いてきた相棒を試行錯誤。なりふり構わず結果を求めた。チーム唯一の全140試合スタメン出場。昨年は夏場に体重が微減したが今年はトレーニングなどさらに工夫を重ねコンディションを維持してきた。甲子園では早出特打が恒例。練習量を維持する一方、これまで最終組で打つことが多かった全体練習のフリー打撃はトップで打つこともある。その分、試合までに体を休める時間を作れる。メリハリをつけて進んできた。大好きな先輩、糸井の引退試合で広島に敗れた鬱憤(うっぷん)を晴らした。「チームとしても負けられない戦いが続いているので、そういう意味ですごく、1発出て良かったです」。これで広島と並び同率4位。3位巨人には1・5差のままだが、残り3試合に勝てば逆転CSの可能性はある。「もう全部勝って、できるだけのことはしたいと思います」。宿舎へのバスに乗り込む直前、3戦全勝宣言も飛び出した。その目はまだ、死んでいない。【中野椋】○...阪神の4番大山がプロ6年目でキャリアハイの86打点目を記録した。初回、近本の適時打で1点を先制して迎えた1死二塁の場面。大瀬良のカットボールを捉えて中越え適時二塁打をマークした。この試合まで直近19打数2安打、打率1割5厘と苦しんでいたが、さすがの勝負強さ。「しっかり打点を挙げることが出来て良かった」と振り返った。7回には中前打を放ち、マルチ安打をマークした。○...近本が打線に火を付けた。初回1死一塁から右中間に二塁打。スタートを切っていた一塁走者の糸原が思い切って先制のホームに飛び込んだ。「フルカウントだったのでストライクゾーンで勝負してくるだろうと思っていた。コンパクトに芯でとらえられました」。この日1安打で今季153安打。3安打の中野に並ばれたが、2年連続のタイトルへ再加速する。○...中野が初タイトルへ猛追だ。初回に4得点の足場になる左前打。2回、9回にもHランプをともす固め打ちで、リーグトップの近本と153安打で並んだ。「自分が初回に出ることで『行けるぞ』って雰囲気にもなる。今日は初回に出塁できたのが良かった」。この4試合で8安打と好調。残り試合が多いヤクルト村上、DeNA佐野もライバルになるが、残り3試合で上積みを狙う。○...原口が打った瞬間に分かるアーチをかけた。2点を先制した初回、カーブを捉えて左翼席上段への2号2ラン。大瀬良に大ダメージを与えた。「チカ(近本)と(大山)悠輔がいい形で走者をかえしてくれたので、楽な気持ちで入れました。甘い球を一振りでしとめられました」。8月の再昇格後は打率4割超え。勝負強さが光る5番打者は今季初の2打点だ。

◆1軍昇格即「8番二塁」でスタメン起用された阪神高寺望夢内野手(19)がプロ初安打&初打点を挙げた。二塁まで走りきった瞬間、両手を上げて喜んだ。3点リードの4回1死一塁の第2打席。追い込まれながら129キロの変化球を右翼線にはじき返した。俊足を生かし、そのままゆうゆうと二塁へ。貴重な追加点をもぎ取った。「とにかく必死に食らいつきました。うれしいの一言です。ここまで結果が出ていませんでしたが、積み重ねてきたことを信じて振り抜いた結果です」2年目の今季、6月8日に1軍初昇格を果たした。このときは4試合出場で無安打に終わり2軍落ちしたが、21日に引退試合を行った糸井からは「天才」と呼ばれる逸材だ。引退を表明した13日。糸井は会見後に鳴尾浜を訪れ、監督、コーチ、選手にあいさつした。その時、高寺を見かけると「おっ、天才! 頑張れよ!」と声をかけた。その天才的なバットさばきをしっかりと見ていた。高寺はその理由を明かした。「1軍キャンプに行った時に、天才! ってなってたんですよね(笑い)。僕が変な球をよくヒットにしたら、言われました」ポジションは違うが、小さな頃からテレビでプレーを見て、憧れを抱いていた大先輩に「天才」と言われたことを喜んでいた。「糸井さんは憧れです。阪神に来る前からずっと大好きな選手だった。すごい選手だなと思っています」。糸井の期待にも応える一打でチームに貢献した。初々しさがあふれたヒーローインタビューでは、記念ボールの贈り先を問われ「家族に渡したいと思います」と答えた。高寺がプロ野球人生の大きな1歩を踏みしめた。【三宅ひとみ】

◆CS遠のく。広島大瀬良大地投手(31)が2回4失点の早期降板で9敗目を喫した。1回に2者連続の適時二塁打と2ランでいきなり4失点。1軍復帰後4試合目の登板も、本来の姿を取り戻すことができなかった。チームは3年連続シーズン負け越しとなり、3位巨人とのゲーム差が1・5に広がった。CS進出へ手痛い1敗となった。勢いづけるはずが、勢いを止めた。プレーボール直後の1回。先発大瀬良は1死一塁から近本に右中間二塁打を浴びて先制を許すと、続く大山にも中越え適時二塁打。さらに原口には浮いたカーブを左翼席まで運ばれた。立ち上がりの4失点は、最後までチームに重くのしかかった。CSを争う阪神との最終戦で敗れ、3年連続シーズン負け越し。3位巨人と差は1・5ゲームに広がり、CSへの道が大きく遠のいた。「見ての通りだと思います。勝ちたい気持ちはあったので、結果につながらず申し訳ないです。ずっと迷惑をかけているので、申し訳ない気持ちしかないです」敗戦後のベンチでは1人、悔しさを押し殺すようにただグラウンドを見つめていた。2回まで全43球中、空振りは2度のみ。直球の球速は140キロ台前半中心で左打者への狙った内角球が決まらず、宝刀カットボールも生きなかった。球威、ほかの球種の精度や制球も含め、本来の姿ではなかった。20日間の離脱から2軍での実戦登板を挟まずに1軍復帰も、失点を重ねる登板が続く。大瀬良だけではない。前半戦フル回転した反動か、最終盤に先発陣が精彩を欠いている。4月までの29試合で22度記録したクオリティースタートだが、9月は3度のみ。10試合続けて6回未満での降板が続き、11試合続けて先発に白星が付いていない。この日は3回から継投に踏み切り、逆転への執念を示した。だが、2点差に迫った6回の中崎投入が裏目となった。実績者とはいえ、現状では中継ぎ陣の序列は低い。佐藤輝に2ランを浴びるなど1死も奪えず降板。点差が広がってから序列が高い投手をつないでも反撃の呼び水とはならない。矢崎と栗林は起用すらできなかった。監督就任から3年連続で負け越しとなった佐々岡監督は「また今度の試合でぶつけるしかない」と次戦を見据えた。残り3試合で1・5ゲーム差を埋めるのは厳しい。それでも逆転CSのためにも、この日もスタンドを埋めたファンのためにも、可能性がある限り一戦必勝の姿勢を見せなければいけない。【前原淳】○...広島松山が2カ月ぶりの2号2ランを放った。4点を追った4回無死一塁で阪神島本の変化球を強振し、高い弾道で右中間席へ放り込んだ。走塁中は右拳を強く握り、感情を表した。「打った瞬間はちょっと上がり過ぎたかなと思ったが、しっかり押し込めていたので入ってくれて良かった」。本塁打は7月22日ヤクルト戦(神宮)以来2カ月ぶりだった。○...広島菊池涼介内野手(32)が23日阪神戦(マツダスタジアム)のベンチ入りメンバーから外れた。21日阪神戦(甲子園)では「2番二塁」でフル出場していたが、この日の試合前は打撃ローテに入らず、守備練習も行わなかった。試合後蔦木トレーナーは「上半身のコンディション不良があった。(受診などは)明日以降の状態を見て」と説明した。

◆阪神高寺望夢内野手(19)の恩師、長野・上田西の吉崎琢朗監督(39)は、珍指令を出したことがある。「『はい禁止』の期間があったんです」。高寺が2年冬の19年12月に監督就任。何にでも「はい!」と元気よく答える副主将に、言葉でもチームを引っ張ってほしいという思いがあった。「これから『はい禁止』だぞ、って言った時も『はい!』って答えてたんですけどね(笑い)」。チームメートも知らない2人だけの約束は開始数秒で破られた。今では高寺の人柄を象徴する笑い話だ。猪突(ちょとつ)猛進な性格。グラウンドではそれが一番の武器になる。20年9月、東京ドームで行われたプロ志望高校生合同練習会のシート打撃で6打数5安打。甲子園出場のない男にとって、プロ入りへの大きなアピールになった。地元長野に帰ってくると興奮気味に「お前、やったな!」と喜んだ吉崎監督に「よかったっす」とケロリと返したという。「どんな時もびびらない。人とはちょっと違う、宇宙人的なところがあるかもしれないです」。強心臓でプロ初安打。この日の試合後には初々しくも、ハキハキと取材に応じてみせた。もう、「はい禁止令」は必要ない。【阪神担当=中野椋】

◆巨人、阪神と3位争いを続ける広島の野間峻祥外野手(29)がコンディション不良から3試合ぶりにスタメン復帰する可能性が出てきた。試合前練習ではスタメン組の小園とともにフリー打撃に臨み、回復をアピールした。22日にマツダで休日返上トレをした際には「スッと動けている。問題はない。首脳陣の判断ですけどスタメンの気持ちで準備をしている」と語っている。今季は規定打席には届いていないものの81試合に出場し打率・313、16打点、7盗塁の成績を残している。

◆阪神・高寺望夢内野手(19)が1軍に合流した。この後、出場選手登録される見込み。高寺は長野・上田西高から2021年ドラフト7位で入団の2年目。今季は1軍キャンプメンバーに抜てきされ、6月8日にプロ初昇格を果たしたが、4試合で11打席に立ち無安打。同12日に2軍降格となった。ウエスタンでは90試合に出場し、打率・280、3本塁打、44打点と結果を残しており、2度目の昇格をつかんだ。

◆今季限りで監督を退任する阪神・矢野燿大監督(53)が今季最後のマツダスタジアムで、試合前練習時にグラウンドの土をトンボで均し、感謝の思いを行動で示した。指揮官の恒例となっているトンボがけ。内野守備の練習中の小幡や高寺ら若手にも笑顔で声をかけた後、二塁付近を丁寧にトンボがけした。今季のチームのマツダスタジアムでの戦績は3勝7敗1分けと大きく負け越し。クライマックスシリーズ(CS)進出を狙っているだけに、最後の敵地での一戦を白星で飾りたいところだ。

◆阪神・高寺望夢内野手(19)が「8番・二塁」で昇格即スタメン出場する。先発は6月11日のオリックス戦(京セラ)以来、4度目となる。ここまで通算11打席で無安打で、プロ初安打に期待がかかる。先発投手は、中12日で才木浩人投手(23)がマウンドに上がる。広島戦の登板は今季2度目で、9月1日の甲子園では6回無失点で降雨コールドとなり、〝プロ初完封〟をマーク。前回の再現を目指し、敵地で腕を振る。

◆阪神・近本光司外野手(27)が放った先制打から打線が勢いづき、初回からいきなり4点を先取した。一回1死一塁で打席に立つと、先発・大瀬良の6球目、内角のカットボールに反応し、右中間へ。一走・糸原がスタートを切っていたこともあり、一気に先制のホームを陥れた。近本は10試合ぶりの打点(9月9日、DeNA戦=横浜以来)を挙げた。なおも二塁で大山も中堅フェンス直撃の適時打二塁打で続き、自身17試合ぶり(8月31日、広島戦=甲子園)の長打を記録した。虎の攻撃はまだまだ続く。直後の原口は甘く入ったカーブを強振し、8月18日のヤクルト戦(神宮)以来となる左翼席最上部に運ぶ2号2ランで4点リードとした。

◆阪神・高寺望夢内野手(19)が13打席目でプロ初安打&初打点をマークした。二回の第1打席は一ゴロに凡退。迎えた四回は1死一塁で打席に立ち、2番手・遠藤の3球目、真ん中よりに入ったチェンジアップを右翼線へはじき返した。快足を飛ばして二塁打とし、一走も生還。13打席目でプロ初安打と初打点を記録し、塁上で笑みを浮かべ、貴重な5点目を叩き出した。

◆阪神・佐藤輝明内野手(23)が特大の20号2ランを放った。六回無死一塁で二塁打で打席に立つと、3番手・中崎の7球目、内角の直球を一閃。打球は高弾道でぐんぐんと伸び、右翼2階席の「広島銀行」の看板を直撃した。打った瞬間スタンドインを確信した佐藤輝はゆっくりとダイヤモンドを一周した。新人から2年連続20本塁打以上を記録したのは過去9人。球団では1969年に22本、70年に21本をマークした田淵幸一以来、2人目。左打者ではNPB史上初の快挙となった。

◆阪神・藤浪晋太郎投手(28)が3番手で救援登板し、2回無失点と好投した。5―3の五回にマウンドに上がり、鯉打線の勢いを断った。先頭の代打・羽月に四球を与えたものの、後続を打ち取った。イニングをまたいだ六回も2死から安打を許したが、小園を左飛に仕留めて役割を果たした。藤浪はこの日から中継ぎとしてベンチ入り。ロングリリーフとして相手打線を零封し、リードを守った。

◆広島・中崎翔太投手(30)が3─5の六回に登板したが、1死も取れず降板となりベンチで悔しさをあらわにした。先頭・原口に中越え二塁打、続く佐藤輝に右翼の1階席と2階席の間の看板に直撃する特大の2ランを被弾。さらに梅野に左前打を浴び降板が告げられた。2016─18年までのリーグ3連覇に貢献した元守護神。Aクラス入りを争う大一番でパフォーマンスを発揮できなかった。

◆CS出場へ崖っぷちの阪神が12安打7得点で快勝。連敗を「4」で止めて、広島と並んで、同率4位となった。阪神は一回、近本、大山の連続適時打。続く原口の2号2ランで4点を先制した。4-1の四回には、この日1軍に昇格して「8番・二塁」で先発出場した高卒2年目の19歳、高寺がプロ13打席目で初安打&初打点となる適時二塁打で、貴重な追加点を奪った。5-3と2点差に迫られた六回、無死二塁からは佐藤輝が右越えの20号2ラン。球団では1969年、70年の田淵幸一以来、史上2人目となる新人から2年連続20本塁打以上。NPBでも通算9人目で、左打者では史上初の快挙となった。この日、矢野監督は小刻みな継投で勝利への執念をみせた。先発した才木を3回1失点で降板させると、五回からは3番手で藤浪が登板し、2回を無失点に抑えた。七回からはケラー、湯浅、岩崎とつないで4点差を逃げ切り、巨人、広島とのCS争いで踏みとどまった。

◆Aクラス入りを争う大一番で鯉のエースがわずか43球の衝撃KOだ。騒然とするマツダスタジアム。広島・大瀬良大地投手(31)が立ち上がりに5安打4失点と苦しみ、今季最短の2回で降板した。試合前時点で今季対阪神は2試合に先発し0勝1敗、防御率4・91と相性が悪く、この日も苦戦した。一回に先頭・中野に左前打、1死後、近本をフルカウントまで追い込んだが、6球目、141キロの内角カットボールを右中間適時二塁打され、先制点を献上した。さらに大山に中堅フェンス直撃の適時二塁打、続く原口に左翼席上段へ運ばれる特大2ランを被弾。本拠地の観客席から怒号が飛んだ。一時は2点差に迫ったものの、終わってみれば完敗。阪神に同率4位で並ばれてしまった。

◆阪神は藤浪晋太郎投手(28)と佐藤輝明内野手(23)の活躍で連敗を「4」で止めた。一回、近本光司外野手(27)、大山悠輔内野手(27)の適時打と原口文仁内野手(30)の2号2ランで4点を先取。5ー3の六回に佐藤輝が20号2ランを放って突き放した。左打者の新人から2年連続20本塁打はNPB初。球団では1969年(22本)、70年(21本)の田淵幸一以来。投手陣は3回降板の才木浩人投手(23)以降は継投に入り、五回から6月10日のオリックス戦(京セラ)以来の救援登板となった藤浪が2回無失点で3勝目(5敗)を挙げた。「8番・二塁」の2年目の高寺望夢内野手(19)が四回にプロ13打席目にして初安打を適時二塁打で飾った。広島と同率4位となった矢野耀大監督(53)の一問一答は以下の通り(チーム成績66勝71敗3分=残り3試合、観衆3万593人)。ーー初回の攻撃「そやね。2点、3点、4点といってくれたんで、まあ、どの得点も大きいけど、フミのホームランはキーだったかなと思います」ーーもうひと押しほしいところで「いやもちろん、タイムリーでもいいところやけど、ホームランにしてくれたので」ーー高寺がプロ初ヒット&初打点「うん。元々打つ能力は2年目やけど高いというのは評価してたし、コロナでちょっと体調面や試合もなかなかなかったけど。まあ、一本出て来年以降、アイツもぐっと上がる可能性がある能力を持った選手なんで。そういうところでは今シーズンのうちに、まず一本出たところは良かったと思う。残りのなかでも(打てれば)。まあ、守備も走塁も課題はいっぱいあるけど、一番は打つのがアイツの魅力なので、アピールしてくれたらと思います」ーー佐藤輝も、らしい1本「まあ、もちろんね、2年連続20本以上打つことはすごいことやし、最低の数字はクリアしたんかなと思うけどね。まあまあ、20と言わず、もっとね30、40や、もっとスケールのデカイ打者になれる可能性がある。ひとまずは、アイツも良かったところはあると思う。アイツ自身も満足していないと思うけど、来年以降は本塁打争いをするような打者になってもらいたいと思っています」ーー継投も早め「才木もちょっとストライク、ボールがはっきりしていたし、得点も取れるところで勝負にいくというところでは、まあね、いった結果やけど」ーー藤浪がリリーフで好救援「晋太郎がいてくれて良かったよね。晋太郎が2イニングいってくれたから、そこで流れが止まった。得点できる形にもなったんで。今日のいろんなね。フミが打ってくれたとか先制できたとかあったけど、晋太郎があそこで止めてくれたのが一番ポイントかな」

◆現役時代は阪神、南海で活躍し、引退後は阪神で投手コーチやフロントでも尽力したサンケイスポーツ専属評論家の上田二朗氏(75)は才木浩人投手(23)からの小刻みな継投に入ったベンチの采配を高く評価。12球団最高の投手陣に最大に生かせ!と力説した。攻撃陣が先制、中押し、ダメ押しという形で得点を重ねたことが大きかった。一回の4点だけなら、最近の戦いを見ていると不安だったが、四回の高寺のプロ初安打がその不安を一掃してくれた。六回の佐藤輝の2ランも効果的だった。相手にすれば、追い上げかけた時の失点は一番堪える。ただ私個人としては先発才木を三回終了後にスパッと代えて継投に入った矢野監督の采配を最も評価したい。才木は三回まで4安打1失点。調子は決して悪くなかったし、先発投手として、あの場面で交代するような内容ではなかった。矢野監督がこの試合を含めて残りすべて勝つにはどうするのがベストかを考え、決断したのだろう。背景には12球団最高の投手陣をどう生かせば、より勝利に近づけるか、という思いがあったように感じた。結論が、この日の才木なら、自慢の投手陣で継投に入ったほうが、より確実に勝てる。私もこの采配がベストだった思う。先発投手が絶好調で走者も許していない状態で継投しろと言っているのではない。ただ狭い球場では試合が荒れる可能性が高い。それを封じる意味でも、残り試合が少ない現状では、この小刻み継投は有効だ、と言いたいのだ。2イニングを抑えた藤浪を含めて、湯浅、ケラーらが元気。充分に期待に応えてくれそうな救援陣が揃っている。次は27日からの神宮2連戦。その先、CS出場権を得れば、ハマスタ、神宮が舞台になる。狭い球場ばかり。この継投は、この先の戦い方のお手本になるのではないか。

◆阪神は藤浪晋太郎投手(28)と佐藤輝明内野手(23)の活躍で連敗を「4」で止めた。一回、近本光司外野手(27)、大山悠輔内野手(27)の適時打と原口文仁内野手(30)の2号2ランで4点を先取。5ー3の六回に佐藤輝が20号2ランを放って突き放した。投手陣は3回降板の才木浩人投手(23)以降は継投に入り、五回から6月10日のオリックス戦(京セラ)以来の救援登板となった藤浪が2回無失点で3勝目(5敗)を挙げた。藤浪の一問一答は以下の通り。ーー追い上げられた展開での登板。どんな気持ちでマウンドへ「あまり難しく考えずに、はい。状況とかも、もちろんありますけど、そんなに考えはいないです」ーー普段よりも出力をあげていたような印象。投球を振り返って「それはないですけど、ストレートが多かったので、そういう風に見えたかもしれないですけど」ーー先発と中継ぎで組み立ては変わったか「そうですね。ストレートを多くなるでしょうね」ーー救援で投げた試合で白星。勝利に貢献できた「まあ、仕事ができたのでそれはよかったと思います」ーーウイニングボールをスタンドに投げていたが特に意味はないか「自分(の投球)で勝ったようなウイニングボールでもないですし、まあいいかなと。後で聞いたらスタンドに投げ入れ禁止だったらしいですけど(笑)知らなかったので」ーー残り3試合。全試合投げるつもりでスタンバイするか「準備は一応しています」ーー今日の感覚的には「あまりよくなかったですけどね」

◆広島はクライマックスシリーズ(CS)が遠のく黒星となった。エース大瀬良は立ち上がりから甘い球が目立ち、一回に4失点。ベンチは早々に三回から継投策に出たが、遠藤は四回に高寺にプロ初安打の適時二塁打を許し、3―5の六回は中崎が佐藤輝に2ランを喫した。残り3試合で3位巨人とのゲーム差は1・5と崖っぷち。就任から3年続けてシーズン負け越しが決まった佐々岡監督は「最後まで諦めず、勝つしかない」と言葉を絞り出した。

◆広島は阪神に敗れ、残り3試合でクライマックスシリーズ圏内の3位に滑り込むことが厳しくなった。3位巨人が中日に勝ったためゲーム差は1・5に拡大。3年連続でシーズン負け越しが決まった佐々岡真司監督(55)の一問一答は次の通り。──大瀬良が一回に4失点で2回で降板。状態はどう見た「よーいどんで4失点して、状態というよりも打たれれば、結果が結果であれば、ああいうことになりますし。長打にしろ、こっちは全然(打たれると)考えていなかった」──3─5まで追い上げた六回に中崎が登板(1死も取れず2失点)。前回17日のDeNA戦(横浜)は好救援で白星を挙げていた「当然、期待して出して、点を取られてはいけないという中で、七回以降は(勝ちパターンの投手による)継投と、六回はザキ(中崎)に任せると。ザキが打たれると思って出してない。期待してたので、それが結果的に打たれたのは出した僕に責任があるので、前回良かったので期待もしてましたし」──菊池涼がベンチ入りメンバーから外れた「何らかの出られない理由があったから(ベンチから)外してるわけで、その辺はトレーナーに聞いてくれれば」──今季残り3試合。姿勢としては「最後まであきらめず3試合、いつも言ってるように勝つしかないので戦っていくしかないと思います」──3年連続年間負け越しが決まった「それは、また今度の試合でぶつけるしかない」

◆鍛え抜いてきた男だから、こんなときこそ頼もしい。打った瞬間、山陽新幹線を望む左翼席の向こうを見上げた。移動日だった22日に志願の練習参加で汗を流したクリーンアップが、いきなりそろい踏み。阪神・原口の特大2号2ランを仕上げとし、一回から4点を奪った。「手応えはあったので行ったかなと。チカ(近本)と悠輔(大山)が打ってくれて、気持ち的には楽な気持ちで入れて、いいスイングができたので良かった」22日、甲子園室内で行われた指名練習に近本、大山らとともに参加。この日の一回の3者連続打点につなげた。まさに「練習はウソをつかない」を体現する攻撃で大瀬良にトドメを刺し、矢野監督も「どの得点も大きいけどフミのホームランはキーだった」とたたえた。六回先頭でも中越え二塁打を放ち、佐藤輝の20号2ランへつなげた。4打数2安打で9月は打率・419(31打数13安打)になった。あの超人も舌を巻いた1打席に懸ける気迫が、ここへ来てみなぎっている。昨季、代打で結果が出ずにもがいていた糸井が、ある試合前に首脳陣へ「きょうはグッチ(原口)と同じ動きをさせてください」と願い出たことがあった。打撃練習から同じように過ごし、試合中も原口がノックバットで準備をすれば糸井も同じようにした。原口にとっては雲の上の人で「初めてグッチと呼んでもらいました!」というようなことでも喜んでしまうほどだった超人だが、自ら近づいてくれ、打撃について語り合えたことが、ただうれしかった。「その打席で集中して何とか結果を残そうと思っているのが良い結果につながっている。いい打席が送れていると思います」練習を、準備をどんなときも怠らず、糸井と過ごした時間でさらに勝負強さを増したバットで、原口がチームを救う。(長友孝輔)★前日の休日返上練習VTR CSへ崖っぷちに立たされている阪神は22日、午前11時から甲子園室内で指名練習を行った。21日の広島戦(甲子園)は延長十一回、4時間38分の激闘。試合後には糸井の引退セレモニーもあった。首脳陣は主力級は自由参加としたが大山、近本、原口らに加え、ロハスら外国人も志願参加。井上ヘッドコーチは原口が「休める暇、ありませんよ」と言ってきたことを明かした。★データBOX○...阪神が一回に4得点以上は6月17日のDeNA戦(甲子園、4得点。○7-5)以来○...阪神の1試合2本塁打以上は8月18日のヤクルト戦(神宮、ロハス、原口)以来、28試合ぶり

◆阪神・近本は一回1死一塁でフルカウントからの大瀬良の6球目を右中間へ運び、先制の適時二塁打とした。「フルカウントだったので、ストライクゾーンで勝負してくるだろうと思っていた。コンパクトに芯でとらえることができた」。9月9日のDeNA戦(横浜)以来、10試合ぶりの打点。セ・リーグの最多安打争いは同僚の中野(153安打)に並ばれたが、もう一度、突き放す。

◆阪神の高卒2年目、高寺望夢内野手(19)が1軍に昇格。「8番・二塁」で先発出場し、四回にプロ初安打となる適時二塁打を放った。試合後のヒーローインタビューは以下の通り。――プロ初安打、初打点。ナイスバッティングでした「ありがとうございます」――1本出ましたが、率直な思いは「まず1本打てて、ホッとしています」――再昇格で即スタメン。意識していたことは「なんとか、チームの勝利に貢献できるようにやりました」――13打席目での安打となったが、どういう意識で打席に向かった「なんとか食らいついて、打とうと思って、ヒットになったのでよかったです」――1死一塁から2ストライクからの3球目を打った。感触は「そうですね。感触はよかったです」――一塁走者の梅野が一気にホームに生還「あの打球でかえっていただいたので、梅野さんに感謝したいと思います」――初安打で初打点もマークした「はい、梅野さんが走ってくれたおかげだと思います」――ベンチに戻ってからチームメートから声はかけられた「先輩方にナイスバッティングと言っていただきました」――初安打のボールはどうする「家族に渡したいと思います」――今後1軍でどんな選手になっていきたい「しっかりチームの勝利に貢献できる選手になりたいと思います」――最後にファンにメッセージを「2年目の高寺です。チームの勝利に貢献できるように頑張ります。応援よろしくお願いします」

◆地獄の淵に立っていた虎の光となった。阪神の高卒2年目の19歳、高寺がプロ通算13打席目で初安打&初打点。力強く第一歩を踏み出した。「まず一本打てて、ホッとしています。何とか食らいついて打とうと思って、ヒットになったのでよかったです」初々しさの残るヒーローインタビューで虎党に胸を張った。4-1の四回1死一塁。今季2度目の1軍昇格を果たし、即「8番・二塁」で先発出場。カウント0-2と追い込まれながら遠藤のチェンジアップを右翼線に弾き返し、適時二塁打で貴重な追加点をあげた。「うれしいの一言。自分の積み重ねてきたことを信じて振り抜いた結果」プロ入り後、若虎自身が成長のきっかけと振り返るのが、今年2月の1軍キャンプ。指揮官の抜擢に応え、毎日泥だらけになった。新たなレベルの野球に向き合い「それが今年の2軍での結果につながっています。毎日特守もやって、少しよくなった。あとは体力。去年は練習で精一杯。余裕が出てきました。守備がいいと打撃も影響する」。井上らが「天才」と呼ぶ19歳は2軍公式戦90試合で打率・280の数字を残してチャンスをつかみ、歓喜の瞬間を味わった。プロ入り前からの恩返しも矢野監督に果たした。上田西高3年夏、コロナ禍で甲子園大会は中止となり、目標を見失いかけたときに「甲子園の土」が入ったキーホルダーが届いた。虎将と阪神ナインがかき集めて全国の高校球児に送付した宝物を入寮時に持ち込み、大切に部屋に飾った。「もらったとき、とても励みになった。そういう監督の下で野球ができることがとてもうれしい」と高寺。今季限りで退任する指揮官は「来年以降、アイツ(高寺)もグッと上がる可能性がある能力を持った選手」と目を細め「守備も走塁も課題はいっぱいあるけど、一番は打つのがアイツの魅力」と期待した。「2年目の高寺です。チームの勝利に貢献できるように頑張ります」記念球は母の智江(ともえ)さんら、家族に渡す。価値ある1勝に貢献した高寺が虎党の希望と夢を叶える男になる。(新里公章)★恩師、上田西高の吉崎琢朗監督見届けた 高寺の恩師で長野・上田西高の吉崎琢朗監督(39)はYouTubeで教え子の初安打初打点を見届けた。「子どもを寝かしつけているときでした。高校を卒業して2年目で。まさかというか、信じられないです」。6月上旬に初めて1軍昇格したときはメールで報告を受けたが「今回は急だったみたいで(メールは)なかった。この時期に試合に出させてもらえるとは思っていなかった」。年末年始は母校で自主トレを行っているため「会うのを楽しみにしています」と再会を心待ちにしていた。高寺 望夢(たかてら・のぞむ)■生まれ 2002(平成14)年10月17日、19歳。長野県出身■球歴 市立本原小1年から上田リトルで野球を始め、真田中では上田シニア所属。上田西高1年からベンチ入り。3年夏は県大会ベスト4も、プロ志望高校生合同練習会のシート打撃で6打数5安打と大アピール。高校通算31本塁打。21年D7位で阪神入団■サイズなど 178センチ、76キロ。右投げ左打ち。内野手。背番号67■好物 梅。そのまま食べるのが好み■趣味 格闘技を見ること。好きな選手は那須川天心■好きなタレント 本田翼■座右の銘 挑戦■50メートル走 6秒0■年俸 480万円

◆150キロ超の速球が勝利へと前進させた。6月10日のオリックス戦(京セラ)以来の中継ぎ登板となった阪神・藤浪が2回無失点で3勝目をつかんだ。「仕事ができたので、よかった」5―3の五回に登板し、広島の反撃ムードをしぼませた。先頭の代打・羽月に四球こそ与えたが、続く野間からの上位打線をテンポよく打ち取り、六回もゼロを刻んだ。矢野監督は「晋太郎がいてくれて良かった。あそこで(流れを)止めてくれたのが一番のポイント」と称賛した。先発での3連敗後、リリーフ転向で舞い込んだ白星にも藤浪は喜びは控えめ。試合後にはウイニングボールをスタンドに投げ入れるファンサービスをしたが、禁止事項だったことを後で知らされ苦笑いした。残り3試合も「準備は一応しています」とブルペンでスタンバイ。CS進出へ、希望の光となる。(織原祥平)

◆これぞシン・超人や! 阪神は広島との今季最終戦に7-3で快勝。連敗を4で止め、4位タイに浮上した。2点リードの六回無死二塁で佐藤輝明内野手(23)が新人年から2年連続となる20号2ラン。左打者ではプロ野球史上初、球団では1969年から2年連続の田淵幸一以来、52年ぶり2人目の偉業を成し遂げた。クライマックスシリーズ(CS)進出へ、あきらめない!王貞治も松井秀喜でもできなかった。歴史的な一発は右翼席後方にある「広島銀行」の看板を直撃した。佐藤輝が5-3の六回、4試合ぶりとなる20号2ラン。勝利を呼び込み、CS争いに踏みとどまる価値ある一発だった。「競った展開になっていたし、これから終盤にかけて、次の1点が大事だと思っていたので、そんな形でもランナーを返すことを意識して、打席に立ちました。いいスイングができた」一回に近本の適時二塁打などで4点を先制するも、2点差に詰め寄られていた場面だった。先頭の原口が中越え二塁打。フルカウントからの7球目。佐藤輝は中崎の144キロ直球を振りぬいた。打った瞬間、走るのをやめた。本塁打を確信をしたかと問われると「そうですね」とニヤリ!球団では1969年、70年の田淵幸一以来、史上2人目となる新人から2年連続20本塁打以上。NPBでも通算10人目なら左打者では史上初の快挙だ。過去の偉大な打者でもプロの投手に慣れるには時間がかかった。サトテル伝説に新たな勲章が加わった。「そういう記録になったことはうれしい気持ちはありますけど、まだまだ打ちたいなっていう気持ちがあるんで。そんな感じです」ルーキーだった昨季は24本塁打。田淵の持つ球団の新人本塁打記録を塗り替えた。「もっともっとホームランを打ちたい」と臨んだ2年目。打撃フォームを微調整し、打撃の確率を重視した。確かに安打は101から140に増えた。それでも打球が上がらない...。ヒントをくれたのが41歳の今季限りで現役を退く糸井だった。超人は膝に不安を抱える中、打撃練習で甲子園のスタンドにポンポン打球を飛ばしていた。21日の広島戦(甲子園)後に行われた糸井のセレモニー。佐藤輝は近大の先輩に花束を渡したときにかけてもらった言葉が脳裏に焼き付いている。「『頑張れよ』って言ってもらった。その言葉通りに頑張りたい」それから2日。あのセレモニー後、初の試合で公私でお世話になった先輩への感謝の一発。そして通算本塁打は44本に-。田淵の新人年からの2年間の数字を超えた。矢野監督は「20(本)と言わず、30、40と、もっとスケールのでかい打者になれる可能性がある。来年以降は本塁打争いをするような打者になってもらいたい」とさらなる飛躍を期待。最強の左打者になれるだけの結果をこの2年間で証明した。DeNAがヤクルトに勝ったため、3位以下が確定したが、広島との直接対決に勝って4位タイに浮上した。残り3試合で3位巨人とは1・5ゲーム差。「もう全部、勝って(いきたい)。できるだけのことはしたい」と佐藤輝。奇跡のCS出場から1985年以来の日本一を目指す。(三木建次)★データBOX?...連敗を止めた阪神だが、2位DeNAがヤクルトに勝ったため、阪神の3位以下が決まった。阪神は残り3試合を全勝し69勝71敗3分(勝率・493)。DeNAは残り9試合を全敗しても70勝71敗2分(勝率・496)で阪神は上回れない?...3位巨人が勝ったため、最短で27日に阪神のCS進出の可能性が消滅する。巨人が24、25日の中日戦に勝つと、残り2試合(10月1、2日=DeNA戦)に全敗しても69勝71敗3分(勝率・493)。阪神は27日のヤクルト戦に敗れると、残り2試合(28日、10月2日=ともにヤクルト戦)に全勝しても68勝72敗3分(勝率・486)で巨人を上回れない

◆巨人のCS進出を援護しているような21日と本日の阪神、広島の1勝1敗。虎党であると同時にアンチ巨人の俺としては、何ともはがゆいのだけど...虎の勝利をどんな状況だろうが望んでいるので、これでいいのだ!!プロ2年目・高寺くんの初安打、初打点が本日のスポットライトや!!なに? 新人から2年連続20号を放った佐藤輝とちゃうのかって? アホかー!! 虎の4番を張ろうって打者が、同年代のヤクルト・村上の3分の1ほどのたかだか20本で喜んで、どないすんじゃー!!プロ野球で20本塁打はなかなかだから『たかが20号、されど20号』という意見もあるでしょうが、阪神が真剣に日本一を目指すなら佐藤輝に言うのだ!! 『たかが20号、わずか20号』と!!年間最多安打を目指す近本と中野の前に立ちふさがるのも、これまた村上で、あちらは5試合も多いんだよねェ...。10本差をつけておかないと...。で、全打席2人ともセーフティーバントくらい徹底していいんじゃねー!!

◆ワタシ、思考回路が〝昭和〟なもので、若いトラ番記者たちによく笑われている。たとえば、昨日のサンスポ1面。「大山、休日返上」の見出しに「そんなん、当たり前やろ。何の驚きもないで」とつぶやいていたら、トラ番織原祥平から「大山さんは普段から、かなり練習してるんですよ」と指摘を受けた。「でも、この時期ですから練習するのは当たり前です」と〝昭和の考え〟に同意はしてくれた。昨日(23日)のサンスポ紙面で一番驚いたのは、芸能社会面の「テッシー」だ。世界平和統一連合の会見に登場した勅使河原秀行氏。30年前、合同結婚式に有名スポーツ選手のお相手として〝時の人〟になった。「突然、超有名人と結ばれる」と合同結婚式は異様な注目度を浴びたもの。あの時、もう一人、超有名アイドルのお相手として騒がれた方がいた。その方の自宅が、当時のタイガース球団社長宅から徒歩30秒。自宅前は連日、ワイドショーのテレビクルーが100人近く集結していた。ある夜、トラ番記者として社長のお帰りを待っていた。やがて黒塗りの車が到着。よし、取材だ! と思った瞬間、何を思ったか、わが社のカメラマンがパシャッ! 暗闇にストロボが光った。それに反応したのが徒歩30秒先の大報道陣。意味も分からず(?)、テレビカメラ20台ぐらいが球団社長に殺到。テレビでおなじみの芸能リポーター10人ぐらいがマイクを社長に突き付けた。全く動じなかったのが当時の球団社長。私に向かって「何でしょうか?」と尋ねてきた。仕方なく「新外国人の交渉状況ですが...」と切り出した。「何だよ。違うじゃねえか!」「これ、どなた?」失礼千万(?)の大報道陣にどよめきが走り、やがて、全員、去っていった-。今回の旧統一教会の話題が取り上げられて以来、ずっとこのシーンを思い出していた。一介のトラ番記者だったが、一連の騒動や、高額な壺を売りつけられた被害者の嘆き...。悪質な霊感商法は忘れることはできない。今回、国会議員のみなさんが「詳しくは知らなかった」とおっしゃる光景を見ながら「それはちょっと違うんじゃないの」と思ったりしている。それぐらい、インパクトはすごかったのだから。さて、2022年のタイガースの衝撃度は? キャンプイン前日の監督の退任発言や、キャンプ中に胴上げをやってしまった「予祝」。そして、開幕大失速。あれだけ、球界を騒然とさせて、このままBクラスでは話にならない。23日、岸和田城の天守閣で、大声コンテストが行われていた。サブタイトル「お城のてっぺんから思いを伝えよう」-。だんじり大好き!コロナなくなれ!そんな中に...「阪神、勝ったぁ~~~」どこにもいるなぁ、阪神ファン。と思っていたら続きがあった。「と、言わせてくれ~~~」楽しそうな声は、実は悲痛な叫びだったのだ。虎戦士のみなさま、こんなけなげなファンのためにも、可能性が1%でもある限り、毎日、休日返上練習(?)して、奇跡を起こしてください!

DAZN

<セ・リーグ順位表推移>

順位チーム名 勝数負数引分勝率首位差残試合 得点失点本塁打盗塁打率防御率
1
(-)
ヤクルト
75573 0.568
(↓0.005)
M4
(-)
8587
(+6)
549
(+8)
164
(+3)
68
(-)
0.250
(-)
3.610
(↓0.03)
2
(-)
DeNA
70622 0.530
(↑0.003)
5
(↑1)
9476
(+8)
503
(+6)
112
(+5)
49
(-)
0.252
(↑0.001)
3.480
(↓0.02)
3
(-)
巨人
67693 0.493
(↑0.004)
10
(↑1)
4543
(+9)
577
(+3)
162
(+1)
63
(-)
0.245
(↑0.001)
3.710
(↑0.01)
4
(1↑)
阪神
66713 0.482
(↑0.004)
11.5
(↑1)
3480
(+7)
423
(+3)
82
(+2)
106
(-)
0.244
(↑0.001
2.700
(-)
4
(-)
広島
66713 0.482
(↓0.003)
11.5
(-)
3547
(+3)
531
(+7)
89
(+1)
26
(-)
0.258
(-)
3.530
(↓0.03)
6
(-)
中日
61732 0.455
(↓0.004)
15
(-)
7391
(+3)
478
(+9)
61
(+1)
59
(-)
0.246
(↑0.001)
3.330
(↓0.04)